JP3359640B2 - 疎水性ポリマー類の親水性化方法 - Google Patents

疎水性ポリマー類の親水性化方法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 この発明は一般的には、本質的に非極性または僅かに
のみ極性、かつ疎水性であるようなポリマー性材料に極
性またはより高度に極性、かつ親水性を付与する方法の
分野に関するものである。より詳細には、この発明は、
非極性または僅かにのみ極性、かつ疎水性のポリマー類
を、それらの表面に極性またはより高度に極性、かつ親
水性を付与するために表面処理する方法に関し、如かし
て、特には患者体内への挿入を目的とし、種々の体液、
特には血液と接触する医療器具に使用するために、ポリ
マー表面に、アミン−含有官能基、及び最終的には耐久
性で離れ難く付着し、滑りやすいポリウレタンまたはポ
リウレタン/尿素ハイドロゲルコーティングを次いで施
してもよい。
カテーテル及び他の多くの種類の医療器具において、
それらの種々のプラスチック、ゴムまたは金属部品を、
潤滑性であり、使用においての摩擦係数を低減する、親
水性またはある種の他のポリマーから製造される生成物
により被覆することがしばしば望まれる。しかしなが
ら、そのような被覆に伴う問題点の一つに、血液等の体
液中での臨床的使用の間に、完全かつ耐磨耗性をもって
保てないということがある。一般的には、血管形成、胃
腸病学及び他の医学的特製品において使用されるカテー
テルは、多くの場合に比較的疎水性であり、また本質的
に滑りやすくなく、あるいは生体適合性でないポリマー
材料により作成される。減摩剤及び親水性ポリマー等の
恒久的付着がしばしば必要とされる金属器具及びガイド
ワイヤ等の部品は、更なる難題を与える。いずれの場合
においても、ポリマー性または金属性基材は、カテーテ
ル及びそれと共に作動する他の器具、例えば脈管シース
との間の摩擦を低減するため、ならびに脈管構造または
他の解剖学的通路とカテーテル自体との間の摩擦をも低
減するために、一般に何らかの表面修飾を必要とする。
現在使用されているほとんど全てのカテーテルは、何ら
かの形態の表面修飾または被覆が施されている。摩擦抵
抗の低減能力、耐久性、ならびに生体適合性は、有効に
被覆された表面の最も重要な機能的側面である。
これまでは、合成または天然ポリマーを含むカテーテ
ル及び他の医療器具は、通常は基材表面に粘着的に固着
されないシリコーンや他の減摩剤、フッ素化炭素または
ハイドロゲル等の非恒久的組成物によりしばしば被覆さ
れてきた。そのような被覆は医療器具の表面に低い摩擦
係数を与えることができる一方で、それらは概して磨滅
に関して耐久性を欠くものである。さらに、フッ素化炭
素は、基材から剥がれ、または薄片化し、あるいは柔軟
性のポリマー基材に適用した場合に材料の硬直性の増大
を招き得る。カテーテル及びコンタクトレンズ、コンド
ーム、胃腸用食物チューブ、気管内チューブ等の他の医
療器材を形成するために使用される最低限の極性を有す
る基材の場合には、種々のポリウレタンを基礎とする組
成物が、基材上の二重被覆を貼り付けるための粘着性連
結被覆として示唆されているが、しかしながら、冠状血
管形成において使用されるカテーテル等の臨床応用にお
ける耐磨耗性についての良好な粘着性を有する共有結合
を形成するための、連結基礎被覆中間体のイソシアネー
ト基と十分に迅速に反応しうる適当な化学基を欠如する
ことから、結果は満足できるものではなかった。このよ
うな用途のためには、被覆は磨耗耐久性、体液との接触
における低い摩擦係数、ならびに特に低い毒性及び良好
な生体適合性を示さなければならない。多くのポリウレ
タン“結合被覆”は、プラスチック及びゴムに対する粘
着性を改善するが、それらは、しばしば意図するところ
の医学的応用のための結合の耐久性を期待するには、基
材のポリマー表面に関して十分に適合性を持たない。医
療器材において、このことは多くの臨床的状況について
臨界的な要求である。このような因子が重要となる医療
特製品の特定の分野に関しては下記に列挙される。
経皮的管腔経由冠状血管形成(PTCA)及び経皮的管腔
経由血管形成(PTA)においては、バルーンカテーテル
の機能的特徴は、脈管系を通しての追走性、狭窄症の病
変部への交差能力及び再交差能力、ならびに案内カテー
テル及び脈管シースを通しての収縮能力を含む。これら
は、成功し、かつ効率的な介入的血管形成手法について
基本的な動的機能である。それらは、血管構造に対する
外傷を減少する。特に、病変部の再交差は、成功裏の結
果のためには決定的である。典型的にはポリエステルテ
レフタレート(PET)により製造される高圧血管形成バ
ルーンは、再交差能に問題を持ちうる。このことは、相
対的に硬直性のPET材料が、最初の膨張の後の収縮にお
いて“羽”を形成するためである。羽を形成した形状の
収縮したバルーンは、第2回の膨張のための病変部の再
交差を妨害しうる。耐久性の低摩擦被覆は、病変部の再
交差の成功を助けうる。案内カテーテルは、良好な低摩
擦被覆の助けにより、大腿部動脈及び下向大動脈内のね
じれをより良く横断し得る。
血管疾患において使用するためのステントカテーテル
は、良好な低摩擦被覆により付与される特性から利益を
受ける。胆汁通路を開くために胃腸病学において使用さ
れるステントカテーテル配送系も、部位まで導く通路を
横切ることについて、低摩擦被覆の利益を受ける。
冠状脈放射線撮影において、X線蛍光分光測定によっ
て冠状動脈を可視化するための放射線不透過性の液体を
配送するために、診断用カテーテルが使用されている。
これらのカテーテルは、案内カテーテルが良好な低摩擦
被覆から得るのと同様に、大腿部動脈および下向大動脈
内のねじれを横切ることを助けることにより利益を受け
る。
米国特許第4,100,309号及び第4,119,094号は、低摩擦
性ポリウレタン−ピロリドン・インターポリマー類を形
成するための、ポリビニルピロリドン(PVP)被覆をも
った疎水性のポリウレタンポリマー基材の使用を開示し
ている。これらの材料をバルーンカテーテル等の器具に
対して低摩擦性材料として使用した場合には、低摩擦性
の外部被覆は、血液に曝される脈管内での適用において
限られた性能を示すのみである。
米国特許第4,118,354号は、プレポリマー反応生成物
の水性液体相への分散による、少なくとも2個のイソシ
アネート基を有するポリイソシアネートと、少なくとも
2個の末端ヒドロキシル基を有する多価アルコールに無
作為に添加される50〜90%がエチレンオキサイドである
複数種のアルキレンオキサイドから生成されるポリエー
テルとの反応生成物であるポリウレタンハイドロゲルの
形成を開示している。プラスチックまたは金属基材上へ
の低摩擦性ハイドロゲル保護被覆の形成、ならびに力学
的力が作用した場合の被覆の耐久性を確かなものとする
共有的化学結合による、そのような基材上への被覆の固
定化についてはいずれも記述がない。
米国特許第4,373,009号は、種々のポリマー性基剤
を、遊離のイソシアネート基を含むポリウレタンプレポ
リマーを用いて被覆し、こうして被覆された基材を、少
なくとも数個のイソシアネート−反応性モノマーをそれ
らの骨格部分として含む不飽和モノマーの水溶性コポリ
マーにより被覆する方法が記述されている。基材のイソ
シアネート処理は、イソシアネート−反応性の基を含ま
ないポリマーについても、強固に固定化された結合被覆
を生じるものと仮定されている。ウレタン結合被覆の基
材に対する共有結合の説得性ある証拠はなく、かつ、こ
の方法が、生体適合性が重要事項である重要な医療器具
に使用するために適当であることも示されていない。
米国特許第4,459,317号及び第4,487,808号は、ポリマ
ー基材の、分子あたりに少なくとも2個の未反応イソシ
アネート基を含むイソシアネート溶液及び場合によりポ
リマーによる第1の被覆;次いで高分子量ポリエチレン
オキサイドによる第2の被覆によって処理する方法が開
示され、如かしてイソシアネートの養生後、二つの被覆
が低い摩擦係数を有する親水性のポリエチレンオキサイ
ド−ポリウレア・インターポリマーを形成する。適当な
有機溶媒中に溶解された低分子量の芳香族性または脂肪
族性ポリイソシアネートの基礎被覆を施し、次いで溶媒
を蒸発させ、、さらに有機溶媒中に溶解された高分子量
のポリエチレンオキサイドポリマーの第2の被覆を施す
方法が開示されている。次いで、アミン触媒を含んでも
よい第2の溶液を蒸発させ、二つの被覆を、第1の被覆
のイソシアネートと反応するために充分な水分を含む空
気の存在下で上昇された温度にて加熱する。記述された
方法は、比較的に時間を浪費するものである。イソシア
ネート被覆は、スプレーにより、または基材の浸漬によ
り施され、かつ、イソシアネート被覆が基材表面と何ら
かの反応を起こし基材表面によりよく粘着するという証
拠は与えられていない。被覆が施されたポリマー基材か
らなり、特に尿道を含む体腔で使用するための医療器具
も開示されている。しかしながら、被覆及び被覆された
医療器具の血液媒体中での使用については特に開示され
るものではなく、イソシアネート被覆の基材に対する結
合の不在においては、被覆及び被覆された医療器具は、
特に血液環境下で、所望の程度の耐久性を示さない。
米国特許第4,642,267号は、反応性のイソシアネート
基及び親水性のポリ(N−ビニルラクタム)を有さない
熱可塑性ポリウレタンを含む親水性ポリマーブレンドを
開示している。該ブレンドは、水性環境下で低摩擦性で
あり、種々の基材の低摩擦被覆として使用されるといわ
れている。血液中におけるその使用及び耐久性は開示さ
れていない。
米国特許第4,585,666号及び第4,666,437号は、ポリマ
ー基材が最初に、有機溶媒に溶解された分子あたりに少
なくとも2個の未反応イソシアネート基を含む疎水性低
分子量ポリイソシアネート及び場合によりポリマーによ
り被覆され;溶媒蒸発後に、次いで有機溶媒中のポリビ
ニルピロリドン及びアミン触媒を含む溶液により被覆さ
れ、如かして雰囲気水分中においてイソシアネートを養
生後、及び昇温下で養生後に、二つの被覆が水性の液体
に濡れた場合に低摩擦係数を有する親水性のポリビニル
ピロリドン−ポリウレア・インターポリマーが形成され
る方法を開示している。しかしながら、血液媒体中にお
いて使用されるカテーテルまたはバルーン用の基材に適
用した場合の、そのような被覆の耐久性については検討
されていない。該方法は、時間を浪費し、かつ対費用効
果が悪い。
米国特許第4,835,003号は、医療用チューブを、親水
性ポリウレタンレジン溶液、ポリビニルピロリドン溶
液、およびC1〜C3アルコールの混合物にて被覆し、チュ
ーブ上に水により活性化される潤滑被覆を形成する方法
を開示している。水への浸漬後、被覆は極めて低摩擦性
になる。特に血液環境下での被覆の磨耗耐久性に関して
は、何等の例示もない。
発行済みのPCT特許出願WO89/09246は、ポリビニルピ
ロリドン等の交差結合親水性ポリマーにより被覆された
ポリマーまたは金属基材表面を有する成形された構造体
の使用を開示している。被覆された構造体は、耐久性を
有し、濡れた場合に低い摩擦係数を示すと述べられてい
る。血管形成カテーテル用のバルーンにしばしば使用さ
れるポリエチレンテレフタレート(PET)の使用が記述
されている。基材と被覆との間の交差結合は、基材上に
沈着された親水性ポリマーを、熱活性化遊離ラジカル開
始剤、UV光活性化遊離ラジカル開始、またはE−ビーム
放射に付すことにより達成される。交差結合親水性ポリ
マーの基材表面に対する粘着は、化学結合よりむしろ物
理的力によるものと考えられている。この方法の欠点
は、熱活性化遊離ラジカル開始剤及びUV開始剤のいずれ
もが生体適合性あるいは医療用途に適当ではないことで
ある。更に、医療器具においてしばしば採用されるフッ
素化炭素ポリマー等のある種の材料に適用されるE−ビ
ーム放射は、これらの材料に対して有害であり得る。
米国特許第4,990,357号は、鎖が延長された親水性の
熱可塑性ポリエチルウレタンポリマーと、ポリビニルピ
ロリドン等の種々の親水性高分子非ウレタンポリマーと
の組合せを含む被覆用組成物を記述している。該被覆
は、水性液体との接触により潤滑性となる。該被覆は、
ポリ塩化ビニル(PVC)及びポリウレタン(PU)を含む
種々のポリマー基材に粘着する。該被覆組成物の欠点
は、熱可塑性ポリウレタンポリマー及び親水性非−ウレ
タンポリマーのいずれもが互いに反応し得ないことであ
る。従って、これらの被覆が、血管形成器具に使用され
るプラスチック基材のほとんどに対して許容される粘着
を与えることは期待できない。
米国特許第4,906,237号は、最初に非反応性親水性ポ
リマーにより被覆されるポリマー基材に対して表面被覆
の潤滑性及び湿潤性を改善するために、グルコース、ソ
ルビトール、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム及び
安息香酸ナトリウム等の重量オスモル濃度を上昇させる
化合物の使用を開示している。被覆及び被覆基材は、そ
れらが粘膜と接触する場合に有用であることが述べられ
ている。
米国特許第5,026,607号は、ウレタンと、シリコーン
またはシロキサンエマルジョンとの低摩擦被覆の形成を
記述している。多官能性アジリジン等の交差結合試薬
は、被覆中の交差結合カルボキシル官能記に添加されう
る。PET基材の場合におけるプライマーの使用も、被覆
の基材に対するより良い粘着を得るために開示される。
プライマーの使用についての別の処理方法、例えばヒド
ロキシル、カルボキシルまたはアミノ官能記を得るため
のプラズマ処理またはコロナ放電等の手段による基材表
面の官能性導入についても述べられている。
米国特許第5,077,352号および第5,179,174号は、高温
度でのポリエチレンオキサイドポリマーの存在下におけ
る交差結合ポリウレタンの形成による種々の基材への潤
滑性被覆の形成を記述する。基材表面の表面処理に関し
ての記述はなく、またイソシアネート化合物の選択は、
生体適合性とは思われない型の反応性芳香族時イソシア
ネートを含む。これらの方法が、そのようなポリウレタ
ンポリマーの分解から生じうるアミンの既知の発ガン性
の観点からして、脈管内カテーテル器具と共に使用する
ことを推奨できるものかは疑わしい。更に、高温度ポリ
マー化方法は、血管形成カテーテルに使用されるポリマ
ー材料のいくつかに許容できない物理的変化を生じうる
ことを示唆している。
同様な欠点が、同様な型のポリウレタンポリマーと共
に、種々のPVPポリマーを親水性ポリマー種として使用
することを記述する米国特許5,160,790号に記述される
方法及び組成物ににもある。
米国特許第4,801,475号及び第4,959,047号は、ムコポ
リサッカライドの適用について記述し、種々の手段によ
りフィルムを脱水して乾燥させ、次いで有機溶解性脂肪
族ポリイソシアネートの触媒付加溶液の適用によりポリ
サッカライドを交差結合させる。プラスチック基材に対
する共有結合の形成に関しては述べられておらず、また
示唆される方法は労力を要し、かつ時間がかかる。非極
性プラスチック基材に対する恒久的共有結合に関しては
何ら証拠が示されない。
米国特許第5,023,114号は、対象物をムコポリサッカ
ライドと反応し、かつ対象物に対する高度な粘着を作り
出し得る官能基を有する材料により被覆し、前記溶液か
ら溶媒を除去し、次いで第2の被覆としてムコポリサッ
カライドの水溶液を塗布し、前記第2の被覆から水を除
去して連続的フィルムを形成させ、そこで第1および第
2のフィルムを熱処理手段により化学的に結合させるこ
とを含んでなる、2種類の相互に溶解性でないポリマー
を層間結合する方法を記述している。この特許は、第1
の被覆の塗布に先立つ非反応性表面の処理に関して示唆
がない。更に、それは非反応性表面に付されたそのよう
な被覆の組合せの磨滅耐久性を示しておらず、また適合
性であるが化学的に異なる少なくとも2種の親水性ポリ
マー種によって、“混合”ポリマー構造を形成すること
の示唆はない。また更に、被覆組成物の塗布方法は、時
間を浪費し比較的に非効率的な操作技術を必要とする。
米国特許第5,132,108号は、酸素及び水含有プラズマ
ガスを使用し、次いで生じたポリマー表面をアミン基を
有するスペーサ成分により処理する、カルボキシル及び
/またはヒドロキシル反応基を導入するためのある種の
ポリマー基材表面のプラズマ処理の使用を開示する。処
理工程はカップリング剤の存在下で行われ、これによっ
て共有結合がスペーサ成分のアミン基、及び修飾された
親水性ポリマー基材表面の反応性部位の間に形成され
る。最終的に、ヘパリンまたは他のポリサッカライド等
の抗トロンボゲン性、フィブリン溶解性または血栓崩壊
性の薬剤が、スペーサ成分処理したポリマー表面と接触
する。この方法は、基材表面への比較的ゆっくり反応す
るカルボキシル及び/またはヒドロキシル基の導入を使
用し、また医療器具の経費効率的製造のためにはあまり
にも多くの工程を含む。得られる被覆表面は生体適合性
ではあるが、それらは低摩擦性ではなく、低い摩擦係数
を有するものではない。
米国特許第5,112,736号は、ポリプロピレン(PP)、
ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、及びポ
リフッ化ビニリデン(PVDF)を含む種々のポリマー基材
表面に、アンモニア、有機アミン含有ガス、またはその
ようなプラズマガスの混合物等によって、高周波プラズ
マ放電の存在下でのプラズマ処理により、アミノ官能性
を導入する方法が記述されている。該方法は、PP膜等の
極めて疎水性の炭化水素ポリマー品に使用される。PEポ
リマーに対しては良好な結果をもたらすものとは思われ
ない。表面にアミノ基を含むPPフィルムは、膜上でのDN
A配列決定に使用される。親水性PUポリマーの高度な疎
水性基材に対する結合への利用に関しては、何等の引用
もなく、また該文献にはアミノ表面基を、製品において
機能することが期待されるPE表面に貼付する信頼性ある
方法及び本発明において意図される方法も開示されな
い。
驚くべきことに、体液中において動力学的な力に曝さ
れた場合の、低摩擦被覆の耐久性に対するそのような液
体の化学的及び物理的組成の劇的な影響については、従
来は認識されていなかった。比較的低分子量のシリコー
ン及び種々の親水性ポリマー等の多くの低摩擦性添加剤
は、水または食塩溶液の存在下においては良好な潤滑性
及び比較的良好な耐久性を示すのであるが、それらはよ
り複雑な液体組成物である血液の存在下で動力学的な力
に曝されると、その有効性を急速に失う。
従って、医療器具の技術において、生体適合性、低毒
性及び体液、特に血液との接触においての低摩擦係数等
の特性との組合せにおいて磨滅耐久性を示す改良された
潤滑性被覆材料の必要性が残されていた。
発明の要約 本発明は、本質的に非極性かつ疎水性であるポリマー
材料に極性及び親水性を付与する方法を包含する。本発
明は、特に患者に挿入し、従って種々の体液、特に血液
と接触する医療器具において使用するために、疎水性ポ
リマーの表面に、より極性及び親水性を付与し、如かし
て耐久性の強固に粘着する低摩擦性親水性のポリウレタ
ン−尿素(PU/UR)または高度に親水性のポリウレタン
ポリ尿素(PU/PUR)ハイドロゲル被覆を次いでポリマー
表面に施す為の表面処理方法を包含する。本発明の方法
は、非極性の疎水性ポリマー基材を、第1の酸化的化学
処理工程と引き続くプラズマ処理工程を通して極性及び
親水性を付与する第1の実施態様;基材の2工程の二重
のプラズマ処理を行う第2の実施態様;並びに、1種以
上のプラズマガスによる最初のプラズマ処理に次いで、
組成に依存して基材表面に官能基を導入することができ
るプラズマを伴わないガスの後流を当てる更に別の実施
態様を含む。
ポリマープラスチック基材から作成される医療器具及
びそのための部品は、窒素原子を含むプラズマガスを用
いて第1のプラズマ処理を受け、これによってプラスチ
ック基材表面にアミノ基が形成される。極めて疎水性の
ポリマープラスチック基材は、最初に酸素含有プラズマ
ガス、次いで窒素含有プラズマガスによる二重のプラズ
マ処置によって親水性にされる。金属性医療器具及びそ
の部品は、金属表面に高速反応性アミノ基を固定するた
めに、アミノシラン開始材剤により処理される。次い
で、得られた活性化プラスチックまたは金属器具は、基
材表面に永久的に結合するPU/UR反応性基礎被覆を、即
座に固定するために本発明の生体適合性親水性PUプレポ
リマー中間体により被覆される。その後に、親水性炭水
化物ポリマーまたはその塩、ポリ(1,2−オキシエチレ
ン)ホモポリマー、またはポリ(N−ビニルピロリド
ン)ポリマーの少なくとも1種の相補的な水溶性ハイド
ロゲルポリマーを、希釈水溶液として塗布して、高度に
親水性のPU/UR基礎(“結合被覆”)ポリマーをハイド
ロゲルポリマーに変換し、これと同時に一工程で異なっ
たポリマーを“混合”して、適合性の恒久的に“相互に
拠り合わせた”ポリマーネットワーク(IPN)及び/ま
たはハイドロゲル種の組合せの間の結合複合体を形成す
る。これらの組成物は、医療器具に使用可能であり、上
記要件の全てを満足する。それら自体の潤滑性被覆組成
に加え、本発明は、低摩擦性被覆組成物により被覆され
たプラスチックもしくはゴムまたは金属基材からなる低
摩擦性材料、及び特にはカテーテル、カテーテルバルー
ン及びステント等の低摩擦性被覆医療器具を含む低摩擦
性材料により作成された製品を包含するものである。本
発明の被覆器具は、血管形成器具としての使用に好適で
あり、血液の存在下で操作され、動的に作動した場合
に、使用の間に低摩擦性及び顕著な基材に対する粘着の
粘り強さ及び並ならぬ磨滅耐久性を示す。
本発明は、そのような被覆の形成方法並びにポリマー
基材及び金属基材に対するそのような被覆の塗布方法を
包含する。ポリマー基材の場合には、一般に該方法は、
プラスチックポリマー基材の第1のプラズマ処理及びそ
れらの表面への高反応性アミノ基の固定化;次いで該基
剤に生体適合性の親水性ポリウレタンNCO−末端化プレ
ポリマー付加物中間体を、基材に塗布し、生じる共有結
合親水性PU/UR“プレポリマー中間体”を、有機ポリマ
ー基材上に形成し、かつ恒久的に固定化する工程を含
む。共有的に結合されたPU/UR境界膜は、次いでポリサ
ッカライドポリマー及びその塩、ポリ(1,2−オキシエ
チレン)ホモポリマー、及びポリ(N−ビニルピロリド
ン)ポリマー(PVP)の群から選択される少なくとも1
種の異なる親水性ポリマーの水溶液に、少なくとも2種
の化学的に異なるポリマーを含む“混合”ポリマーハイ
ドロゲルネットワークを形成するための触媒量の促進剤
の存在下で曝すことにより“混合”ハイドロゲルネット
ワーク被覆に変換される。混合ハイドロゲルの形成は、
急速反応性ポリアミン鎖伸長剤及び/または触媒の存在
下で行われ得る。
共有的に結合する保護的ポリウレタン−ポリ尿素(PU
/PUR)ハイドロゲル被覆及びその構造的に異なる第2の
ハイドロゲルポリマーとの組合せは、濡れた場合に低摩
擦性であり、かつ、緊密に混合されたハイドロゲル基材
表面は、粘性の体液、特に血液の存在下で動力学的力に
曝された場合に、優れた耐久性及び磨滅特性を示す。更
に、ハイドロゲル状態において本質的に非毒性挙動を示
す材料から誘導されたこれらの被覆は、使用の間におい
て、得られた医療器具の生体適合性を高度に向上し、ま
たプラズマ処理基材表面への優れた粘着性を示す。
高周波プラズマ放電条件によるポリマー表面の表面処
理は、境界層の物理的及び化学的性質に関してポリマー
表面を活性化しうることが知られている。また、金属表
面は、NCO−反応性第1または第2アミノ残基を露呈す
る有機アミノシランによって、親水性PU/URプレポリマ
ー付加物中間体の結合を効率的に下塗りされうることが
見い出されている。更に、医療器具の種々の表面被覆
が、体液に接触した差異の医療器具の潤滑性及び生体適
合性を向上させ得ることも知られている。保護皮膜の優
れた粘着、良好な強度、耐久性、及び生体適合性を得る
ために、それらの物理的及び化学的性質は、極めて重要
である。保護皮膜を種々の表面に固定化するために、ポ
リウレタンポリマー及び/または反応性イソシアネート
中間体の使用がしばしば示唆されてきた。しばしばかな
り遅い反応速度を示すのみならず、活性水素化合物との
化学反応について顕著な立体障害を頻繁に示すNCO基を
含んだ、よりゆっくり反応する脂肪族、アリール脂肪
族、環式脂肪族、及び複素環式イソシアネートに比較し
て、芳香族性ポリイソシアネート由来のイソシアネート
誘導体は、表面の水分または基材の極性等による基材境
界層とのより大きい反応性または相互作用を示すことは
周知である。芳香族を基本とするポリウレタン類は、加
水分解または生物的分解を起こして、多くが発ガン性物
質または推定される発ガン性物質である芳香族性のアミ
ン夾雑物を生じることの証拠が存在する。従って、この
状況が回避し得ない限り、血管内部での操作の間に医療
器具に働く機械的作用は、被覆の一部を偶然に削りうる
為、血流中で使用される低摩擦保護膜に芳香族性イソシ
アネートを採用することは推奨できない。本発明のイソ
シアネート−誘導ハイドロゲルは、脂肪族、環式脂肪
族、アリール脂肪族、芳香族及び複素環式型のポリイソ
シアネートプレポリマー付加物中間体から誘導されるも
のを含む。好ましいイソシアネートハイドロゲルは、そ
の可能性ある毒性効果の故に芳香族性ポリイソシアネー
トプレポリマー中間体を除いた前述の全てを含む。好ま
しいイソシアネートハイドロゲルのほとんどは、親水性
ウレタン/尿素ポリマー並びに良好な生体適合性及び極
めて低い程度の毒性を有する分解生成物を生じることが
知られている。しかしながら、有意な数の好ましいポリ
イソシアネートは、芳香族イソシアネートよりもかなり
の程度で低い活性を示すNCO基を含む。従って、実際に
即座に境界被覆の前記ポリマー基材に対する粘着を得
て、そのような医療器具の適当な製造方法を達成するた
めに基材表面の化学的性質を変化させる必要がある。
アミノ基の基材に対する固定化は、アンモニア、有機
アミン、場合により亜酸化窒素(アミノとヒドロキシル
基)、もしくは窒素をプラズマガスとして、またはこれ
らのガスの混合物を用いて、医療器具のプラズマ処理に
より達成されうる。アミノ基は、本発明においてもくろ
まれるイソシアネート誘導体のいずれかと、基材表面の
即座の反応を引き起こす。しかしながら、アミノ基は本
発明において使用される親水性PU/URプレポリマー付加
物中間体の製造のために考慮される多くのポリイソシア
ネートの第2または第3炭素原子に結合するむしろスラ
ッジ様のイソシアネートに関して特に有用である。我々
は、例えば種々のポリエチレン等の高度に疎水性のプラ
スチックの場合に、最初に疎水性表面を、場合によりア
ルゴン(Ar)プラズマガスの存在下で、酸化性化学剤ま
たは酸素含有プラズマ処理により、次いで窒素含有プラ
ズマガスにより、あるいは別法として最初に疎水性表面
を、場合によりArの存在下で酸素含有プラズマガス処理
した後にプラズマを伴わないアンモニアの気体状後流に
よりより親水性とすべく処理し、このような処理の種々
の組合せにより基材表面に反応性アミノ基を固定化する
ことが極めて有用であることを見い出した。プラズマ曝
露の後、水溶性親水性ポリエーテルポリオールから誘導
されるイソシアネート末端化親水性プレポリマー中間体
付加物、並びに脂肪族、環式脂肪族、アリール脂肪族、
芳香族及び複素環式ポリイソシアネートからなる群から
選択されるポリイソシアネートの、約1%〜約20%の固
体、好ましくは2%〜6%の固体を含む被覆溶液を、処
理基材表面に塗布し、ここにおいて乾燥が許容される共
有的に結合するPU/URプレポリマーが形成され、次いで
被覆は1種以上の付加的な構造的に異なるハイドロゲル
ポリマーを含む希釈水溶液への曝露によって基材表面の
保護的な潤滑性ハイドロゲル層に変換される。所望によ
り、混合PU/URハイドロゲルのハイドロゲル形成は、こ
の技術で既知の方法により触媒されうる。本発明の極め
て好ましい親水性PU/URプレポリマー中間体は、メチレ
ンビス(4−シクロヘキシレン)ジイソシアネートの異
性体混合物の付加物(DESMODUR W;MILES CORP.)に加
えて、イソホロンジイソシアネート(IPDI)付加物であ
る。
好ましい実施態様において、保護的低摩擦化合物は、
ポリウレタン類の加水分解または生物分解から生じる対
応するポリアミンが一般的に生体適合性であるため、エ
チレン及び/またはプロピレンオキサイドから誘導され
る親水性PU/URプレポリマー中間体、並びに生体適合性
を至適化するための脂肪族性基により結合するNCO基を
含むイソシアネートを含む。無作為のコポリエーテル
は、好ましい種類が室温にて液体であって、如かして商
業的な実際においてより扱いやすい性質を与える。基材
表面のアミノ基の形成を至適化するために好ましいプラ
ズマガスは、アンモニアまたはアンモニアと有機アミン
との混合物である。ハイドロゲル形成は、触媒無し、あ
るいは無機塩基、低沸点第3アミン、もしくは、好まし
くはハイドロゲルポリマーの一部になる第1または第2
アミン等の触媒の存在下で行うことができる。これらの
触媒は、水溶性ポリサッカライド、その水溶性塩である
か、またはポリエチレンオキサイドポリマーまたはPVP
ポリマー等の水溶性ポリ(1,2−オキシアルキレン)ホ
モポリマー少なくとも1種の異なるハイドロゲルポリマ
ーの水性相に容易に溶解する。
該被覆及び方法は、ポリエチレンテレフタレート、脂
肪族ポリエーテル及び芳香族ポリエーテル等を含むブロ
ックコポリマー類、脂肪族ポリエーテルとポリアミドか
らなるブロックコポリマー、ポリアミド、ポリイミド、
ポリウレタン、またはポリエチレン及びポリプロピレン
等の炭化水素ポリマー類、合成炭化水素エラストマー類
並びに天然ゴム等の基材に、潤滑性被覆を固定化するた
めに好適である。本発明の強固に粘着する低摩擦性のハ
イドロゲル被覆を、アミノシラン処理−金属表面に固定
化することも可能である。これらの多くの基材は、種々
の型のカテーテル及びバルーンを含む冠状脈血管形成用
カテーテル器具等の医療器具における用途が見い出され
る。
PU/PURハイドロゲル及びポリサッカライドハイドロゲ
ルを含む潤滑性ポリマーの形成のために有用な典型的な
ポリサッカライド及び/またはそれらの塩類は、例とし
て、アルギン酸及びそれらのアルカリ金属塩類を含み、
前記アルギン酸は、それらの天然の由来に依存して、D
−マンヌロン酸及びL−グロン酸の種々のコポリマー部
分からなる。また、この使用のために好適な他の天然に
生じる水溶性海草ガムは、交互の1,3−結合β−D−ガ
ラクトピラノシル及び1,4−結合α−D−ガラクトピラ
ノシル単位の直鎖ポリサッカライドを含むカラゲナン型
である。それらの半エステル硫酸基のために、カラゲナ
ン類は陰イオン性の多価電解質であり、それらのナトリ
ウム塩は、本発明において採用されるハイドロゲルの組
合せとして容易に取り入れられる水溶性の安定なハイド
ロゲルを形成する。他の好ましいポリサッカライドハイ
ドロゲルは、ヒアルロン酸及びそれらのアルカリ金属塩
類、硫酸コンドロイチン及びその対応するアルカリ金属
硫酸塩を含み、また。カルボキシレートは、本発明の成
分として更に有用な水溶性のハイドロゲルポリマーを代
表する。本発明のハイドロゲルポリマーとして好適なセ
ルロース由来の典型的な水溶性誘導体は、水溶性カルボ
キシメチルセルロース・ナトリウム塩、並びに水溶性ヒ
ドロキシエチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセ
ルロース等であり、この技術において周知である。これ
らの材料のほとんどは、極めて低い程度の毒性を示し、
通常は生体適合性である。本発明のハイドロゲルポリマ
ー成分として有用な、更なる水溶性ポリマーは、約100,
000以下から約5,000,000以上までの分子量を有するPOLY
OX(登録商標)ポリマー(UNION CARBIDE)として知ら
れているポリ(オキシエチレン)ホモポリマーである。
本発明の異なるハイドロゲルポリマーとして有用な、更
なる典型的な水溶性ポリマーは、約10,000から約340,00
0の分子量を有するポリ(N−ビニルピロリドン)(GAF
Corp.から入手可能なPVPポリマー等)を含む。
本発明により定義される少なくとも第2の異なるハイ
ドロゲルと混合される親水性PU/PURハイドロゲル被覆
を、プラズマ処理したプラスチック表面またはアミノシ
ラン処理した金属基材に対して共有的に結合するべく設
計された本発明の組成物及び方法は、カテーテル、バル
ーンカテーテル等の医療器具の製造のための特に有用で
あって、これはシリコーン被覆及びまたは冠状脈血管形
成において以前に通常に使用されていた他の親水性被覆
に比べて、血液中での使用において極めて優れた被覆表
面を有する。血液中での力学的暴露における磨滅耐久性
は、従来技術の被覆医療器具に拠れば通常かなり急速に
失われた。これとは対照的に、ここに記述される少なく
とも1種の異なるハイドロゲルポリマーと“混合”さ
れ、PET、HYTREL、PU、ナイロン、ポリオレフィン、ポ
リイミド及び他のポリマー類にて構成される、例えば診
断用カテーテル、バルーンカテーテル等の種々の医療器
具に、本発明に示される方法に従って固定化される、本
発明の共有的に結合されるPU/PURハイドロゲル被覆は、
血液中の動的力に曝された場合に多くの試験サイクルの
後にも極めて希な耐久性を示した。これらの驚くべき観
察及び結果は、医療器具のための潤滑性被覆の技術のは
っきりした進歩を表す。
発明の詳細な記述 本発明の強固に粘着する低摩擦性の被覆組成物は、体
液と接触する一つ以上の表面に潤滑性被覆を付けること
により改善されうる様な操作上の必要性及び性質を有す
る、カテーテル、カテーテルと接続されて使用されるバ
ルーン、ガイドワイヤ、金属チューブ及び他の器具を含
む医療器具に特に好適である。本発明に拠れば、被覆
は、医療器具またはその部品が作成される有機プラスチ
ックもしくはゴムポリマー基材または金属基材に粘着的
に固定され、水溶性ポリサッカライド、それらの水溶性
塩類、水溶性ポリオキシエチレン、または水溶性PVPで
ある1種以上の異なるハイドロゲルポリマーの水溶液へ
の暴露により、結果として“混合”ハイドロゲルまたは
“共ポリマー”ハイドロゲル被覆を生じ、装置またはそ
の機能部品上に潤滑性被覆を形成する親水性PU/UR“プ
レポリマー中間体”を含む。低摩擦性被覆は、血液等の
典型的な体液、及び他の化学的及び生理学的複合液体組
成物中において動的力に曝された場合の、良好な生体適
合性及び良好な粘着の耐久性によって特徴づけられる。
本発明は、最初に未被覆ポリマー器具もしくは次いで
器具に組み上げられる前駆品、または医療器具と接続さ
れて使用されるバルーンにブロウ成形されるパリソン
を、マイクロ波による高周波、または別法として地場支
持体に連結される高周波プラズマに暴露するか、あるい
は金属器具を化学的に処理し、被覆されるべき基材の上
に少なくとも充分な部分の反応性アミノ基を有する所望
の反応性表面を得、該基が反応性被覆ポリマーまたは金
属基材表面に沈着されるプレポリマー中間体の末端イソ
シアネートと即座に反応する手段による被覆医療器具の
製造方法にも関するものである。本発明によるポリマー
または金属表面に被覆するための特に有用な出発プレポ
リマー中間体は、水溶性ポリエーテルポリオール及び有
機ポリイソシアネートから誘導される親水性ポリウレタ
ンプレポリマー中間体を含む。所望の生体適合性に関し
ては、好ましいポリイソシアネートは脂肪族的に結合さ
れる末端イソシアネート基を含んで脂肪族、環式脂肪
族、アリール脂肪族、及び複素環式ポリイソシアネート
を含む。この種のイソシアネート基の比較的遅い反応性
のために、ポリマー基材のプラズマ処理、または金属基
材の化学処理が、基材の境界層に存在する主要な望まし
い活性化学種として急速に反応するアミノ基を生ずるよ
うに行われる。従って、プラズマ処理は、窒素原子を含
むプラズマガスを用いて行われる。種々のポリエチレン
のような極めて疎水性のポリマー基材の場合には、表面
に親水性を付与する最初の表面処理を行い、次いで引き
続く基材表面に極めて反応性の官能基を固定するための
処理を行うことが望ましいことが見い出された。特に望
ましい高度に反応性の官能基は、本発明の被覆中間体と
して優先的に採用される好ましいポリイソシアネート及
びその親水性PUプレポリマーの比較的ゆっくり反応する
NCO基と、室温にて容易に反応する第1及び第2アミノ
基を含む。通常、最初の基材処理工程は、遊離基を生成
するための化学的酸化処理、または別法として、場合に
よりアルゴン(Ar)ガスの存在下で、酸素含有ガスに対
する1回以上のプラズマガス暴露からなり、引き続く工
程は、窒素原子を含むプラズマガスを用いて、または別
法として、発明のいくつかの実施態様において、酸素含
有ガスまたは酸素/アルゴンプラズマガスの組合せを用
いる最初の工程のプラズマ処理後に直ちに処理表面と反
応するアンモニア及び/または有機アミン含有ガスを含
む気体状後流を当てることにより行われる。上述のよう
に、この引き続く工程は、アンモニア、揮発性有機アミ
ンまたはそれらの混合物等のプラズマガスを用いて実施
され得る。実質的結果は、親水性であり、かつ本発明に
従って使用されるPUプレポリマーの比較的のろいNCO基
と容易に反応し得るかなりの個数の第1及び/または第
2アミノ基を含む基材表面を達成することである。ステ
ンレススチールまたはチタン、またはスチール、ニッケ
ル、チタン、モリブデン、コバルト及びクロムの金属合
金、またはニチノール(ニッケル−チタン合金)及びビ
タリウム(コバルト−クロム合金)等の他の金属の基材
からなるガイドワイヤまたは金属チューブ等の金属部品
の場合には、アミノ基は、有機性アミノシランプライマ
処理により、金属基材表面に付けられる。
全く驚くべきことに、医療器具の製造に使用されるポ
リマー材料の表面幾何は、プラズマ処理によっても比較
的に影響を受けずに保たれる。更に、プラズマ処理のパ
ラメーターを注意深く従った場合に、表面へのアミノ基
の固定化の程度は、そこに沈着されるイソシアネート含
有被覆中間体が、ハイドロゲル形成が行われる前には未
成熟的に交差結合しないことが確立された。これらの因
子は、親水性ハイドロゲルの低摩擦性の能力が、ポリマ
ー形成反応を、低い摩擦係数を達成することが要求され
る被覆表面の得られる比較的弾性の分子構造の可動性を
至適化する為に、充分な長さ及び限られた程度の交差結
合の親水性ポリマー鎖が形成されるような様式で行うこ
とにより実質的に向上するものと考えられることから重
要である。被覆表面の未成熟な交差結合または過剰な交
差結合は、摩滅を改良することが知られている低い摩擦
係数の維持、動的引きずり力の低減、及び高い弾性の維
持の為の低摩擦性の改良を達成するためには有害である
と考えられる。
本発明の医療器具にしばしば採用される典型的なポリ
マー基材は、熱可塑性ポリウレタン、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)等のポリエステル、ナイロン−11及
びナイロン−12等のナイロン、ポリエーテル及びポリエ
ステルのブロックコポリマー(例えば、DuPONTから入手
可能な種々のHYTREL(登録商標)ブロックコポリマ
ー)、ポリエーテルポリマー及びポリエーテルポリマー
及びポリアミドのブロックコポリマー(例えば、ATOCHE
Mから入手可能なPEBAX(登録商標)レジンシリーズ)、
ポリイミド、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン
(PP)等のポリオレフィン、熱可塑性炭化水素ポリマー
類を含むSBR、EPDM等の合成炭化水素ポリマー(SHELLか
ら入手可能なKRATON、及び他の供給元からの同様な商業
製品)、並びに天然ゴムを含む。血管形成において使用
されるカテーテルへの適用について、TPU、PET、ナイロ
ン11および12、HYTEL、PEBAX及びPEは、好ましいポリマ
ー基材である。冠状脈血管形成において使用されるカテ
ーテルバルーンについては、好ましいポリマー基材は、
PET、ナイロン及びPEである。
潤滑剤、抗酸化剤、可塑剤、放出剤等のいずれの表面
不純物をも除去するために、プラズマ処理に先立って、
ポリマー基材表面を、有機溶媒を用いて約15秒またはそ
れ未満から数分間以上、前処理することがしばしば有利
である。これらの不純物は、最初のポリマー製造工程ま
たは押し出し、注入成形、ブロウ成形等のプラスチック
成形技術に由来し得る。この目的のために使用され得る
典型的な溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン類;メチレンクロライド、1,1,1−トリク
ロロエタン等の塩化炭化水素;ペンタン、n−ヘキサ
ン、石油エーテル、他の洗浄油等の炭化水素類;ジイソ
プロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等
のエーテル類;及び上記の混合物を含む。非引火性の洗
浄溶媒に場合には、表面不純物の除去は、この技術で周
知の方法である蒸気脱脂装置により実施され得る。プラ
ズマ処理を妨害しうる表面不純物を除去するために、非
イオン性、陰イオン性、及び陽イオンの界面活性剤を洗
浄液として使用し、次いで所望により水または蒸留水で
すすぐことも本発明の範囲内にある。ポリマー担体の一
部ではない基材表面の不純物は、基材との直接的粘着結
合の形成を減じ得る。同様に、金属基材も有機シラン、
特にアミノシランプライマの塗布前に、有機溶媒により
脱脂するか、または適切な洗浄剤により洗浄するか、機
械的に粗面とするか、あるいは上記方法の組合せにより
処理すべきである。
基材表面の粘着結合の形成速度は、プラズマ処理によ
ってポリマー基材表面または化学処理によって金属基材
表面に結合した官能基の反応性に依存し、更に基材に固
定される中間体ポリマー被覆中に存在する末端イソシア
ネート基の反応速度に依存する。芳香族環構造に直接に
結合している高速に反応するNCO基は、ポリマー基材の
基礎となるプラスチックまたはゴム中、化学的またはプ
ラズマ処理されたポリマー基材の表面、または化学的に
処理された金属基材の表面に存在する種々の比較的に反
応性が遅い官能基と粘着性結合を形成させ得る。ほとん
どの場合において、芳香族性イソシアネート及びそれら
の誘導体は、非金属基材表面にもとより存在するか、あ
るいは酸化的もしくはプラズマ処理により、または例え
ばヒドロキシルもしくはカルボキシル基を得るための他
の手段によりポリマー性プラスチックまたはゴム基材に
固定されたか;または化学処理により金属基材表面に固
定化されたヒドロキシル、ウレタン、尿素、アミド、カ
ルボキシル等の官能基と、室温から若干上昇させた温度
(約70℃)までの温度において、粘着的結合を形成しう
る。中間体プレポリマー被覆溶液中に存在する溶媒を蒸
発させた後のこのような反応を促進するために、被覆基
材は、40℃から約70℃またはそれ以上に加熱されること
ができ、始めから基材ポリマーに存在したか、あるいは
種々のプラズマガスの存在下でプラズマ処理に曝すこと
によってポリマー基材に固定された、ウレタン、尿素、
アミド、カルボキシル、及びさらにはヒドロキシル基等
の反応が遅い官能基との粘着性結合の形成を起こさせ
る。ポリマー組織の部分としてNCO−反応性官能性分を
有するか、または酸化表面もしくは更に表面水分を有す
る非−プラズマ処理プラスチック表面は、芳香族性ポリ
イソシアネートまたはそれらの誘導体に曝された場合
に、しばしばかなり良好な粘着を生じる。しかしなが
ら、これらの方法は、商業的に入手可能なほとんどの脂
肪族、特に環式脂肪族、及び立体的に妨害されるアリー
ル脂肪族、ジイソシアネート並びに、更に遅い反応性の
イソシアネート基を含む誘導体の存在下においては、限
界的または不適当な結果のみを与える。更に、毒性及び
/または生体適合性の見地からは、芳香族性アミンが、
可能性ある危険な発ガン性物質であることから、材料が
解剖学的に接触するような場合にあっては、芳香族性ポ
リイソシアネート及びそれらの加水分解または生物分解
芳香族ポリアミン副生成物から誘導されるポリウレタン
の使用は望ましくない。これに関連して、医療器具の外
部被覆が血液等の体液に直接に触れる脈管内での応用に
おいて採用される場合には、注意が払われなければなら
ない。しかしながら、ある種の芳香族性ポリイソシアネ
ートは、最近、生体適合性であることが示された。しか
し、脂肪族的に結合された末端NCO基のみを含む脂肪
族、環式脂肪族、アリール脂肪族及び複素環式ポリイソ
シアネート並びにそれらのプレポリマーの使用は、PUポ
リマーの毒性に関してのかなり低い危険性のため、特に
はそれらの分解生成物の既知の良好な生体適合性のため
に、より好ましい。
本発明の好ましい実施態様を包含する、上述の脂肪族
的に結合し、しばしば立体的にも妨害されるジイソシア
ネートに結合する末端イソシアネート基及びその誘導体
のかなり遅い反応性のために、本発明に包含される種々
の医療器具に使用されるポリマー基材をプラズマ処理す
ることまたは金属基材を化学処理することが推奨される
ことが見い出された。プラズマ及び/または化学処理
は、ポリマーまたは金属基材の表面に第1及び/または
第2アミノ基を、優先的または少なくとも部分的に固定
化するように設計されなければならない。該アミノ基
は、被覆溶媒が蒸発する前でも、プレポリマー被覆中間
体のイソシアネート基と即座に反応する。そのために、
プラズマ処理は、基材表面に固定される官能基の少なく
ともかなりの部分としてアミノ基を生じるプラズマガス
の存在下で行われなければならない。アミノ官能基を生
じうるプラズマガスは、それらの化学組成の一部として
窒素を含まなければならない。従って、プラズマ処理
は、アンモニア、第1及び第2アミン、亜酸化窒素、窒
素、窒素残基を含む他のガス、及びそれらのが素性化合
物の混合物等の窒素原子を含むプラズマガスを用いて好
適に実施される。アンモニア及び低分子量有機アミン、
並びにそれらの混合物は、比較的低温度において気体状
態であって、好ましいプラズマガスである。種々のポリ
エチレン(PE)等の極めて疎水性の基材表面、ナイロン
11及び12等のむしろ親水性であるポリマー、並びに合成
炭化水素エラストマーまたは天然ゴムを処理する場合
に、本発明の親水性PUプレポリマーと高い反応性を示す
第1及び第2アミノ基等の極めて反応性の官能基を固定
化する前に、基材表面に親水性または更なる親水性を付
与することが有利である。我々が本発明において特に有
用であることを見い出したポリエチレン基材にアミノ基
を固定化する方法のいくつかの実施態様がある。
疎水性のプラスチックまたはゴム基材を親水性とし、
高度に反応性のアミノ基をそれに固定化する本発明の方
法の一つの実施態様は、2工程方法であり、基材材料を
酸素を純粋、空気として、水蒸気としてまたはそれらの
混合物として含有するプラズマガスを用いて最初の処理
をし、次いで好ましくはアンモニア、気体状態の有機ア
ミンまたはそれらの混合物等の窒素含有ガスを用いてプ
ラズマ処理する工程を含み、高度に反応性の第1または
第2アミノ基を基材表面に固定化する。この技術で知ら
れた方法によれば、酸素含有プラズマ処理は、ヒドロキ
シル基、カルボニル基、カルボキシル基及びそれらの混
合物からなる化学基を固定化し、これによって基材を、
より極性かつ親水性とし;並びに、次いで窒素含有プラ
ズマガス工程は、基材上に高度に反応性のアミノ基のか
なりの数を固定化する。基材の親水性及びアミノ官能基
の固有の組合せは、本発明の極めて疎水性のPUプレポリ
マー中間体をポリエチレン基材に共有的に結合するため
に特に好適であるものと考えられる。
疎水性のプラスチックまたはゴム基材を親水性とし、
高度に反応性のアミノ基をそれに固定化する本発明の方
法の第2の実施態様は、2工程方法であり、基材材料
を、酸素、オゾン、過酸化物、酸素−フッ素(O2/F2
または空気フッ素混合物、過酸素酸等、この技術におい
て周知の酸化試薬を用いて第1の化学処理を行って、基
材表面により極性及び親水性を付与し、その後第1の工
程に続いて、例えば、好ましくはアンモニア、気体状態
の有機アミンまたはそれらの混合物である窒素含有プラ
ズマガスを適用して高度の反応性の第1または第2アミ
ノ基を基材上に固定化する第2工程を含んでなる。この
基材の親水性及びアミノ官能基の組合せも、本発明の極
めて親水性のプレポリマーを種々のポリエチレン基材に
共有的に結合するために好適である。
疎水性のプラスチックまたはゴム基材を親水性とし、
高度に反応性のアミノ基をそれに固定化する本発明の方
法の第3の実施態様は、2工程方法であり、基材材料を
より極性及び親水性にするプラズマガスを用いる第1工
程の処理と同時に、例えばアルゴン、またはアルゴン及
びアンモニア等の非還元性ガスにより表面に遊離ラジカ
ルを生成させ、次いで直ちに、好ましくはアンモニア、
気体状態の有機アミンまたはそれらの混合物を含有する
非プラズマ後流の気体を当てて、基材表面に高度に反応
性の第1または第2アミノ基を固定する第2の処理工程
を含む。別法として、第2の非プラズマ工程は、窒素含
有ガスが高周波またはマイクロ波周波数のプラズマ放電
に付されるプラズマ処理に置換することも可能である。
再び、基材の親水性及びアミノ官能基の組合せは、本発
明の極めて疎水性のPUプレポリマー中間体を種々のポリ
エチレン基材に共有的に結合するために理想的に好適で
ある。
上記の方法の実施態様に従って処理され得る疎水性プ
ラスチック基材は、ポリエチレン、ナイロン11及び12を
含む。化学的に異なるポリマーの混合物からなる基材材
料、例えば熱可塑性TPU製品、PEBAX(登録商標)熱可塑
性レジン等のポリアミド−ポリエーテルブロックコポリ
マー、ポリイミド、ナイロン6及び6,6等によって製造
される医療器具、特にカテーテルを、組み立てられる多
種の材料を含む基材から作成される器具に、本発明の高
度に親水性のPUプレポリマーを共有結合的に固定化する
能力に干渉することなく、基材混合物の材料にアミノ官
能基を固定化する処理に付すことも、更に本発明の範囲
にある。
基材の第1または第2アミノ基を固定するための、例
えば好ましくはアンモニア、気体状態の有機アミンまた
はそれらの混合物等の窒素含有プラズマガスを含むプラ
ズマガス混合物に対して直接に曝露することができる疎
水性プラスチック基材は、プロピレン(PP)のホモポリ
マー、エチレン及びプロピレンのコポリマー(EPまたは
EPDMエラストマー)、SBR等の合成ゴム、KRATON(登商
標)等の熱可塑性エラストマー及び天然ゴムを含む。
上記基材は、例えば米国特許第5,112,736号に記述さ
れる条件に従って、当該技術で記述されている条件下で
のプラズマ処理に付しうる。
得られるかなり極性かつ親水性の基材表面は、本発明
の高度に親水性のプレポリマー中間体を結合するために
好適である。PP、PE及びEPDMプラスチックの場合には、
プロピレンの重合により生じる第3炭素に遊離基が生成
され;また合成及び天然ゴムを含む他の炭化水素エラス
トマーの場合には、イオン化アンモニアまたは有機アミ
ンプラズマが、不飽和部位または他の部分に生成される
遊離基と結合する。
ポリエチレン(PE)基材に対する引き続くプラズマ処
理の適用のために使用される方法は、基材を、純粋また
は空気中の酸素、または酸素と例えばアルゴン(Ar)及
びアンモニア(NH3)等の1種以上の非還元性ガスとの
混合物を含むプラズマガスを用いた第1の処理、および
続くアンモニア、低沸点有機アミン、またはそれらの混
合物からなるアンモニア含有プラズマガス、あるいは、
アンモニア含有後流のいずれかによる第2の処理を含
む。
第1のプラズマ処理におけるArの含有は、その比較的
重い質量が表面に付加的な遊離ラジカルの生成をもたら
す傾向があるために望ましく、これは第2のプラズマ処
理における更なる処理を促進する。
一般的に、本発明の方法の上記実施態様のいずれかに
従って処理される疎水性基材は、非極性であり、該処理
によってより極性にされる。
基材表面を最初に有機溶媒によって脱脂するか、また
は別法として洗浄剤溶液による洗浄及び引き続く水での
すすぎと乾燥することは、化学またはプラズマ処理の為
に基材表面を浄化し準備するために推奨される。本発明
の種々の実施態様に従って、基材表面により極性及び親
水性を付与した後、次いで基材は窒素原子を含む気体プ
ラズマに曝される。好ましいプラズマガスは、アンモニ
ア及び/または有機アミンまたはそれらの混合物を含
む。好適な有機アミンは、例示すれば比較的低沸点の構
造、R1NH2、R1NHR2、及びH2N−R3−NH2を有し、式中R1
及びR2は、1〜約8個の炭素原子、好ましくは1〜4個
の炭素原子を有する1価の炭化水素基であり、R3は2〜
約8個の炭素原子、好ましくは2〜約6個個の炭素原子
を有する2価の炭化水素基である第1及び第2アミンで
ある。
好ましいアミンの例は、メチルアミン、ジメチルアミ
ン、エチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミ
ン、n−プロピルアミン、アリルアミン、イソプロピル
アミン、n−ブチルアミン、n−ブチルメチルアミン、
n−アミルアミン、n−ヘキシルアミン、2−エチルヘ
キシルアミン、エチレンジアミン、1,4−ブタンジアミ
ン、1,6−ヘキサンジアミン、シクロヘキシルアミン、
n−メチルシクロヘキシルアミン、エチレンイミン等を
含む。
種々のプラズマガス及びそれらの組合せを用いるプラ
ズマ処理法は、この技術で知られているが、一般的には
本発明で採用される方法に要求される特異性を欠いてい
る。本発明に従えば、プラズマガスとしてアンモニア及
び/または有機アミン、またはそれらの混合物の場合
に、約13.0MHzから約14.0MHz、好ましくは約13.56MHzの
高周波(RF)範囲の周波数で、プラズマ装置の電極表面
積の平方センチメートルあたり0.1ワット〜0.5ワットの
出力が使用される。プラズマ処理は、最初にプラズマ反
応チェンバを、約10ないし50ミリトリチェリの所望の基
礎圧力に減圧することを含む。チェンバが所望の作動圧
力に安定化した後、アンモニア及び/または有機アミン
ガス、またはそれらの混合物を、約50から730標準ml毎
分、典型的には約200から600標準ml毎分の流速で、約0.
01から約0.5トリチェリ、好ましくは約0.2から約0.4ト
リチェリのガス圧にてチェンバを通して流す。所望の周
波数及び出力レベルをもった電流を、適当な外部電源か
ら電極により供給する。出力は、0から約500ワット、
好ましくは約100から約400ワットである。基材の温度
は、一般的に約室温から約50℃であり、処理は通常約30
秒間から約10分間の時間行われる。プラズマチェンバ
は、最初は室温であるが、プラズマ処理の間に分子衝突
によって、チェンバの温度は60℃を超えない温度まで上
昇する。プラズマ処理は、連続的またはバッチ方法で行
われ得る。
バッチ式プラズマ処理の場合、PLASMA SCIENCE PS0
350として知られるプラズマ表面処理システムが使用さ
れる(HIMONT/PLASMA SCIENCE、Foster City、CA)。
該システムは、反応チェンバ、0〜500ワットの出力で
操作され得る13.56MHzのRFソリッドステート発生器、マ
イクロプロセッサ制御システム、及び完全真空ポンプパ
ッケージを備える。反応チェンバは、高さ16.75イン
チ、幅13.5インチ、奥行き17.5インチの妨害されない作
業体積を持つ。アンモニアプラズマ及び/または有機ア
ミンプラズマの適用については、該装置は室温から約50
℃までの温度、及び45秒間またはそれ以下から約6分間
までの時間で、約50〜約400ワットの出力、約400〜約73
0標準ml毎分のガス流速をもって操作される。好ましい
範囲は、約60〜約120ワット、及び、約700〜約730標準m
l/minの範囲のアンモニア及び/または有機アミンの流
速、約0.1トリチェリ〜約0.5トリチェリの範囲の真空
下、約30℃〜約50℃の温度で、約15秒から約3分間の時
間である。
ハイドロゲル被覆の高性能の粘着、並びに血液中での
至適化された潤滑性及び性能の為の条件を定義するため
に、極めて好ましい操作方法は、約100〜約400ワットの
出力範囲、約200〜約650標準ml/minのアンモニア流速、
約0.1トリチェリ〜約0.5トリチェリの真空、約25℃〜約
40℃の処理温度、及び約30秒〜約3分間の曝露時間を含
む。プラズマ処理及び共有的に結合する潤滑性ポリウレ
タンハイドロゲル被覆の性能の至適化方法は、曝露サイ
クルに対する動的引きずり力及び血中での耐久性に基づ
いて決定されうる。同様な好ましい条件は、プラズマガ
スとして亜酸化窒素及び窒素、または窒素残基を含む他
のガスの混合物について使用され得る。
PE基材の二重プラズマ処理の条件の好ましい組合せは
次の通りである: 最初のプラズマ処理について、O2のみ、またはO2/NH3
混合物またはO2/Ar混合物からなるプラズマガス流が使
用される。
O2のみのガス流について、ガス圧は、約0.01トリチェ
リ〜約0.09トリチェリ、好ましくは約0.05トリチェリ〜
約0.09トリチェリであり、またガス質量流速は、約10〜
約100標準ml毎分、好ましくは約80〜約100標準ml毎分で
ある。
O2/NH3ガス混合物については、ガス圧は、O2及びNH3
の両者について、約80〜約90ミリトリチェリである。
O2:NH3比は、約0.5:1〜約2:1、好ましくは約1:1に維持
される。ガス質量流速は、NH3について約100〜約200標
準ml毎分、及びO2について約80〜約100標準ml毎分であ
る。
O2/Arガス混合物については、ガス圧は、Arについ
て、約300〜約400ミリトリチェリ、O2について、約65〜
約90ミリトリチェリである。O2:Ar比は、約0.1:1〜約0.
5:1、好ましくは約0.25:1に維持される。ガス質量流速
は、Arについて約550〜約650標準ml毎分、及びO2につい
て約80〜約100標準ml毎分である。
3種全てのプラズマガスについて、プラズマ処理時間
は、約2分間である。3種全てのプラズマガスについ
て、基礎圧力は約10〜約50ミリトリチェリ;出力は約0
〜約500ワット、好ましくは約100〜約400ワットであ
り;チェンバ温度は、分子衝突のために処理の間に、室
温から約50℃まで変化する。
上記3種のプラズマガスの一つを用いた最初のプラズ
マ処理の後に、プラズマチェンバは再び約10ミリトリチ
ェリ〜30ミリトリチェリ、好ましくは約20ミリトリチェ
リの基礎圧力まで減圧される。第2のプラズマ処理につ
いて、プラズマ処理時間は約30秒間〜約5分間、好まし
くは約2分間であり;出力は約100ワット〜約300ワッ
ト、好ましくは約200ワットである。ガス圧、ガス質量
流速及びチェンバ温度を含む他の全ての条件は、NH3
ス、有機アミンガスまたはそれらの混合物を使用する上
述の単一プラズマ処理についてのものと同じである。
基材表面が、特にAr等の重い分子で新たにプラズマ処
理されると、該表面は多くの遊離ラジカルを含む。後流
処理は、より多くのNH3分子を表面に結合し、これによ
って表面をより親水性にする一方法である。
第2の処理工程が後流処理である場合の二重プラズマ
処理方法については、好ましい条件は、約5分間の処理
時間;0ワットの出力;薬200〜薬650標準ml毎分のNH3
質量流速;及び約0.2〜約0.4トリチェリのNH3ガス圧で
ある。
抗酸化剤、紫外線または他の光安定剤、製造に由来す
る触媒残渣、炭酸カルシウム、クレイ、医療器具におい
て放射線遮断充填剤として使用される硫酸バリウム等の
有機または無機充填剤、カーボンブラック及び他の顔料
等の補助的化学剤を含むポリマー基材も、本発明の方法
によるプラズマ処理のための基材として好適である。
本発明のプラズマ処理方法は、数カ月の期間に亘って
極めてゆっくりと褪せることが見い出された。このこと
が基質表面に結合された官能基の酸化的分解に伴うもの
であるか、あるいは他の何らかの徐々に進む崩壊工程で
あるかは明確ではない。好ましい実施は、器具が組み立
てられる基材材料のプラズマ処理後、医療器具を2カ月
以内に被覆することを含む。非常に好ましい方法は、ア
ンモニアまたは有機アミンプラズマガスまたはそれらの
混合物による基材のプラズマ処理後、2週間以内のプラ
ズマ処理医療器具を被覆することを含む。二重プラズマ
処理への同様な条件の適用は、酸素含有及び窒素含有プ
ラズマガスを含む。
本発明の医療器具において使用されるひも様ガイドワ
イヤ金属チューブ、及び他の金属部品の表面に急速に反
応する第1および第2アミノ基を固定化する目的で、そ
のような基材を、シリコーン分子に結合された反応性の
アミノアルキル残基を含む有機シランにより処理するこ
とが適当である。そのようなアミノシランは水中で急速
に加水分解し、生じるシラノールは、金属表面の反応性
化学種と反応及び縮合してそれと極めて安定な粘着性ア
ンカー結合を形成する。加水分解され、縮合したアミノ
シランのアミノ末端は、本発明のプレポリマー被覆中間
体のイソシアネート基等の官能基と反応するために利用
可能である。如かして金属表面のアミノシランプライマ
処理は、プラスチック基材のアンモニアまたは有機アミ
ンプラズマ処理と同様な効果を発揮する。
本発明により考慮される器具の金属表面のプライミン
グに好適な典型的なアミノシランは、例示すればγ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン(A−1100;UNION CA
RBIDE)、水性前加水分解アミノアルキルシラノール溶
液(A−1106、前加水分解されたA−1100)、γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン(A−1100)、N−ベー
タ−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン(A−1120)等を含む。典型的な水性アミノシ
ランプライミング組成物は、重量で約0.5%〜約3%の
アミノシラン化合物を水中に含む。金属器具に浸漬被覆
または他の方法により加水分解アミノシランを塗布した
後に、加水分解による水分及びアルコールは蒸発により
除去され、プライミングされた表面は通常の方法で本発
明の親水性PUウレタン(PU/UR)付加物中間体により被
覆され、金属基材に生じる親水性PU/UR中間体層が形成
される。被覆溶媒の蒸発後、次いで器具は異なるハイド
ロゲルポリマーの水溶液が塗布されて、本発明において
採用される標準的方法に従って、“混合”低摩擦性被覆
が形成される。
本発明によれば、親水性ポリウレタン被覆中間体の調
製のために使用され得るイソシアネートプレポリマー
は、水溶性モノ−または多官能性ポリエーテルのプレポ
リマー反応生成物、コポリエーテル、1,2−アルキレン
オキシド由来のブロックコポリエーテル、及び別法とし
て1,2−アルキレンオキシド及びテトラヒドロフランま
たはテトラヒドロピラン由来のコポリエーテル、並びに
脂肪族、環式脂肪族、アリール脂肪族、芳香族及び複素
環式ポリイソシアネート及びそれらの誘導体からなる群
から選択される有機ポリイソシアネートを含む。このよ
うなイソシアネートプレポリマー中間体のための出発材
料として採用される好ましいポリエーテルは、エチレン
オキシドの水溶性ホモポリエーテル、エチレン及びプロ
ピレンオキシドのコポリエーテル、エチレン及び1,2−
ブチレンオキシドのコポリエーテル、上記全ての1,2−
アルキレンオキシドの混合物からのコポリエーテル、並
びにエチレンオキシド及びテトラヒドロフランのコポリ
エーテルを含む。非常に好ましいコポリエーテルは、エ
チレンオキシドの重量で約70%〜約85%、及びプロピレ
ンオキシドの重量で約15%〜約30%からのジ−及びトリ
−官能性コポリエーテルである。ポリエチレンオキシド
を重量で約17.5%〜約25%程度に含むコポリエーテル
は、室温にて液体であり、得られるプレポリマー付加物
の取り扱いを大きく容易にし、かつそれらは室温よりか
なりの低温度でも液体のままであることから、とくに好
ましい。中程度のプロピレンオキシドは、得られるコポ
リエーテルの水への溶解性を減じることがなく、また前
記ポリエーテル/ポリイソシアネート付加物からの最終
的ハイドロゲルの親水性は、潤滑性耐摩擦性ハイドロゲ
ル被覆の製造のために著しく適している。このような性
質は、PU/PURハイドロゲルを、ポリサッカライド、それ
らの種々の塩類、特にアルカリ塩、高分子量ポリ(エチ
レンオキシド)及び約10,000〜約340,000のMWを有するP
VPポリマーからの容易に水で膨潤するハイドロゲルの群
に属する、少なくとも1種以上の異なるハイドロゲルポ
リマーと“混合”することにより更に向上される。
このような水溶性多官能性ホモポリエーテル及びコポ
リエーテルポリオール並びに単官能性ホモポリエーテル
及びコポリエーテルアルコールの製造方法は、この技術
で周知である。典型的には、単官能性ポリエーテルアル
コール及び多官能性ポリエーテルポリオールは、アルカ
リ触媒の存在下で1,2−アルキレンオキシドを、単水素
アルコールもしくはフェノール、または複水素アルコー
ルもしくはフェノールに添加することにより誘導され
る。エチレンオキシド及びテトラヒドロフラン、または
大環状オキシドからのコポリエーテルは、この技術で周
知のように触媒としてルイス酸の存在下で一般に製造さ
れる。1,2−アルコキシル化反応のための代表的単官能
性及び多官能性出発物質は、例示すると、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アミルア
ルコール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、ラ
ウリルアルコール及び他の脂肪族アルコール、フェノー
ル、クレゾール、高級アルキルフェノール、ナフトール
等;水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペン
チレングリコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、
ビスフェノールA、キシレノール、グリセロール、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、α−メチ
ルグルコシド、ソルビトール等である。一般的に、水及
び低級炭素グリコールは、2官能性ポリエーテル及びコ
ポリエーテルの為の好ましい出発物質であり、一方で低
級炭素3官能性ヒドロキシ化合物は、通常、ポリエーテ
ル及びコポリエーテル中間体製造のために好ましい出発
物質である。より多価の官能性化合物、例えば4官能性
及び5官能性ヒドロキシ化合物も使用しうるが、それら
は一般的により高いMWの商業製品としては入手できな
い。エチレン及びジエチレングリコール、またはプロピ
レン及びジプロピレングリコールは、2官能性コポリエ
チレンジオールの製造用の極めて好ましい出発材料であ
り、またグリセロール及びトリメチロールプロパンは、
エチレン及びプロピレンオキシドからの3官能性コポリ
エチレンポリオールの製造用の極めて好ましい出発材料
である。
本発明の親水性イソシアネートプレポリマー製造のた
めの出発材料として使用されるジ−及びより多価の官能
性ヒドロキシル末端ポリエーテル及びコポリエーテル及
びポリオールは、約500未満から約20,000以上までの範
囲のヒドロキシルあたりの当重量(EW)を有する。この
一般的範囲において、2官能性ポリエーテルジオール及
びコポリエーテルジオールについての好ましいEWは、約
1,000〜約10,000、極めて好ましい値の範囲は、約1,500
〜5,000である。更に上記の広い範囲において、1,2−エ
チレンオキサイド及び1,2−プロピレンオキサイドから
のグリセロール及びトリメチロールプロパンコポリエー
テルトリオール付加物についての好ましいEW範囲は、約
1,500及びそれ以下から約7,500またはそれ以上であり、
これらの3官能性生成物についての最も好ましいEW範囲
は、約1,750〜約2,750である。これらのポリエーテルジ
オール及びより多価官能性ポリエーテルポリオールのEW
値は、例えばASTM法D−4274−88等の周知の分析技術に
より、ヒドロキシル基のフタル化またはアセチル化によ
り決定されうる。
周知のように、上記の1,2−アルキレンオキシドから
のポリエーテル付加物は、通常は単−及び水素アルコー
ルまたはフェノールへの塩基触媒酸化物付加によって調
製される。典型的なオキシアルキル化触媒は、ナトリウ
ム及び特にはカリウム等のアルカリ土金属の水酸化物及
びアルコキシドである。そのような触媒の代表例は、多
官能性ポリエーテルの製造については水酸化カリウム及
びナトリウムであり、また所望のポリエーテルが一官能
性である場合には、メトキシド、エトキシド、フェノキ
シド等の低級単水素アルコールまたはフェノールのナト
リウム及びカリウムアルコキシドである。そのような触
媒は、一般に、製造されるオキシド付加物に基づいて、
重量で約0.05%〜約0.3%以上の水準で使用される。し
かしながら、触媒残渣はイソシアネートの三量体化、及
び二量体化等のイソシアネートの好ましからぬ副反応、
あるいはプレポリマー工程の間に形成されるウレタンか
らのアロファント類の形成、尿素及びビュレット誘導体
の形成、または更なる望ましからぬ副生成物形成の触媒
作用をするため、ポリイソシアネートとの反応に先立っ
て除去されなければならない。従って、それらはオキシ
アルキル化工程の後にイオン交換反応または他の手段に
よって除去されなければならない。同様に、ポリマー化
がルイス酸等の酸触媒を用いて行われる場合には、それ
らはイソシアネート基のヒドロキシル末端ポリエーテル
との反応を減速するであろう為、既知の方法により除去
されなければならない。望ましからぬアルカリ金属の存
在は、確立された分析方法(ASTM D−4668−87)によ
って試験されうる。これに関して、ポリエーテル中のナ
トリウム及びカリウム金属の全存在量は、プレポリマー
反応工程の間の副反応を避けるために、0〜10ppm、好
ましくは5ppm未満の範囲内でなければならない。
更に、ヒドロキシル含有強吸水性ポリエーテルは、対
応するプレポリマーを形成するポリイソシアネートとの
反応前に、極僅かな水を含むことが重要である。水分
は、尿素基形成、及び引き続く被覆工程を妨害するビュ
レット交差結合反応によってこのようなプレポリマーの
ゲル化をもたらし得る。従って、このようなポリマー
を、トルエンまたはキシレン等の芳香族炭化水素を用い
て共沸により、また約5トリチェリ未満から約10トリチ
ェリの圧力で100℃〜120℃にて真空中で注意深く乾燥さ
せる、または共沸及び真空乾燥の組合せによって乾燥さ
せることが推奨される。これらの方法は、この技術にお
いて周知である。
触媒の除去後、得られるポリエーテルジオール及びよ
り多官能性のポリエーテルポリオールは、抗酸化剤によ
り空気の存在下において酸化から保護されなければなら
ない。商業的実施において最も多く使用される抗酸化剤
は、生体適合性ではなく、体液中において臨床的使用の
ために採用される型の医療器具に関する応用のためには
有用ではない。しかしながら、本発明の医療器具の比較
的に短時間の挿入時間のためには、IRGANOX 1010、IRG
ANOX 1076(CIBA−GEIGY)、SANTONOX R(MONSANT
O)等、及び同様な化合物の抗酸化剤は、それらの応用
において低い程度の毒性を示したことから、血流中での
短時間での使用については許容されるものと考えられ
る。抗酸化剤の濃度は、一般的にはヒドロキシル末端ポ
リエーテル中間体に基づいて重量で約0.01%〜0.05%で
ある。
本発明の親水性ポリエーテル及びコポリエーテルプレ
ポリマー中間体の製造のために好ましいポリイソシアネ
ートは、W.SiefkenのAnnalen der Chemie、362巻、75
−136頁、及びこの技術において知られている多くの刊
行物に記述される脂肪族、環状脂肪族、アリール脂肪族
及び複素環式ポリイソシアネートを含む。特に好ましい
ポリイソシアネートは、1,4−テトラメチレンジイソシ
アネート(DUTCH STATE MINES)、1,6−ヘキサメチレ
ンジイソシアネート(HDI)、3官能性ビュレット及びH
DIのイソシアヌレート誘導体(MILES CORPORATION、ポ
リマー部門;OLIN CORPORATION、Olin Chemicals)、
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、DESMODUR W
(登録商標)として知られるメチレンビス(4−シクロ
ヘキシルジイソシアネート)の異性体混合物(MILES C
ORPORATION、ポリマー部門)、m−キシレンジイソシア
ネート、TMXDI−meta(登録商標)として知られるm−
テトラメチルキシレンジイソシアネート(CYTEX INDUS
TRIES,Inc.Stamford,CT)、p−テトラメチルキシレン
ジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)1,3−
シクロヘキシレン(三菱ガス化学、東京、日本)、及び
1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート等の商業的に
入手可能なジイソシアネートを含む。上述のジ−及びポ
リ−イソシアネートの多くは、商業的に入手可能であ
る。それらのほとんどは、極めて低い毒性を示すことが
知られているアミン加水分解生成物を生じることから、
生体適合性のポリウレタンポリマーを生成することが知
られている。このことは、HDI、IPDI及びDESMODUR W
(登録商標)の場合において示されており、TMXDI及び
他の上掲の商業的に入手可能なジイソシアネートに関し
ても当てはまることが予想される。本発明のために非常
に好ましいポリイソシアネートは、脂肪族、環式脂肪族
及びアリール脂肪族イソシアネートを含む。商業的な入
手可能性のためには、特に好ましいポリイソシアネート
は、いずれも低毒性を示す1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート、及び特にはその3官能性イソシアヌレート
及びビュレット誘導体、イソホロンジイソシアネート及
びその3官能性イソシアヌレート誘導体、DESMODUR W
(登録商標)並びにTMXDI−meta(登録商標)を含む。
本発明の目的のために、上述のポリエーテルから調製
される親水性ポリエーテル及びコポリエーテルプレポリ
マー付加物は、対応するウレタンポリマーへの変換に利
用可能なヒドロキシル基の全てではないにしてもほとん
どと反応するために、ポリエーテルヒドロキシル化合物
の当量あたり、好ましくはイソシアネート成分の約2当
量と反応に付される。更に、上記ジイソシアネートを、
ポリエーテルジオールまたはコポリエーテルジオールか
ら誘導される2官能性プレポリマーの鎖長を伸長する為
に、鎖伸長試薬として利用することも可能である。この
場合、反応試薬の相対比は、鎖伸長作用を補償するよう
に調整される。ほとんどの場合において、脂肪族的に結
合されるイソシアネート基は、立体的に妨害されるか、
あるいは、例えばTMXDIの様に第2炭素原子(=CH−NC
O)または第3炭素原子[−C(CH3−NCO]に結合
され、それらの全てはプレポリマー形成のためにイソシ
アネート触媒の使用を必要とするほどに、プレポリマー
形成の減速に十分に寄与する。例えばHDI及びその誘導
体、他の直鎖非干渉アルキレンジイソシアネート、また
はm−及びp−キシレンジイソシアネート等のいくらか
でも反応速度の速いポリイソシアネートを用いて、プレ
ポリマー付加反応を必要に応じて触媒無しに行うことが
できる。しかしながら、これらの材料を用いた場合に
も、通常、触媒的プレポリマー工程はより費用効果が高
い。
遊離のジイソシアネートとして中程度の毒性のみをも
ったTMXDIの様な多分に例外的なものもあるが、他の全
ての場合において、未反応遊離ジイソシアネートの存在
を最小とするようにプレポリマー形成を行うことが分別
あることである。このことは、プレポリマー形成の間の
NCO/OH反応試薬比の賢明な選択及び/または適切な触媒
及び触媒量の選択により利用可能である。更に、未反応
遊離ジイソシアネートをこの技術で周知の方法である薄
膜エバポレータによって除去することも可能である。高
度に妨害されゆっくり反応するジイソシアネートの場合
には、触媒の使用が明らかに推奨され、実際に、実質的
に全ての出発ポリエーテルポリオール中間体のヒドロキ
シル基を反応させることが重要である。
本発明のポリエーテルポリオール及びゆっくり反応す
る環式脂肪族イソシアネートでSMODUR W(登録商標)
及びIPDI並びに他のゆっくり反応するポリイソシアネー
トからのポリウレタンプレポリマーの製造を含むプレポ
リマー付加物形成反応は、好ましくは製造の許容可能な
条件を達成するためにスズ触媒の存在下で行われる。こ
の目的のために有用な典型的なスズ触媒は、そのような
イソシアネートの三量体化反応を触媒することがないも
のと理解され、かつヒドロキシル−イソシアネート反応
に対する強力な触媒であることから、ジアルキル化スズ
ジアシレート、ジアルキル化スズ酸化物、及び第1スズ
アシレートを含む。好ましいスズ触媒は、例えばジブチ
ル化スズジラウレート、及び第1スズオクタエート等の
商業的に入手できるスズ化合物であり、これらは、約50
℃〜約75℃の温度範囲及び約2時間〜約6時間を越えな
い反応時間において、10〜20ppmの濃度にて優れた結果
を与えることが見い出された。中程度の触媒量は、これ
らの物質を、本発明の重要な側面である生物医学的使用
について適切なものとする。対照的に、上記イソシアネ
ート及びポリエーテルポリオールの非触媒反応は、12〜
24時間の後においても不完全である。イソシアネートプ
レポリマー反応を、第3アミン、及びスズ化合物を除く
他の多くの遷移金属触媒を用いて触媒することも可能で
あるが、それらのほとんどは毒性であり、かつ生体適合
性ではないため、さらにはそれらのほとんどがイソシア
ネートの三量体化反応にも触媒作用をして屡々イソシア
ネートプレポリマーの未成熟なゲル化を生じる為、本発
明の目的に対してはあまり望ましくない。
より速く反応する直鎖アルキレンジイソシアネート及
び非妨害アリール脂肪族ジイソシアネートの場合には、
プレポリマー付加物形成を所望により触媒無しに行い得
る。典型的反応条件は、そのようなより速い反応性ポリ
イソシアネートを、本発明のポリエーテルジオール及び
ポリオールと、約70℃〜約90℃の温度範囲で、約4時間
〜約12時間またはそれ以上の時間において反応させるこ
とを含む。仕上げられたプレポリマーの最終NCO含量
は、湿式化学ジブチルアミン分析法または類似の分析手
法(ASTM D−4666−87)により測定され得る。
プレポリマー形成を、工程成分の取り扱いを容易に
し、発熱反応工程を緩和するために適当な溶媒の存在下
で行うこと、並びに反応工程において使用されたものと
同じまたは異なる溶媒を含む最終被覆組成物を仕上げる
前に、プレポリマー溶液を得ることも本発明の範囲のう
ちにある。プレポリマー形成において適度な量の溶媒の
使用は、得られる中間体がより低い粘性、及びより良い
取り扱い及び保存のための性質を示すことから、好まし
い操作方法である。プレポリマー形成工程の間の適切な
反応条件を達成するために、プレポリマー合成に使用さ
れる反応試薬の全固体含量は、例えば重量で約20%〜重
量で約80%までの広い範囲で変化させ得る。このましい
範囲は、重量で約30%〜約70%、最も好ましい範囲は重
量で約40%〜約60%である。プレポリマー工程で使用さ
れる溶媒は、水非含有(“ウレタングレード”溶媒)で
あるべきで、かつ工程にて使用されるイソシアネートと
非反応性でなければならない。そのような溶媒はしばし
ば商業的に入手可能であるか、あるいはポリウレタン技
術において周知の方法であるモレキュラーシーブによっ
て好適に乾燥されうる。プレポリマー形成のために特に
有用な溶媒は、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素である。反応のために非常に好ま
しい溶媒濃度は、重量で約40%〜約60%の溶媒であり、
反応完了後に、同じ溶媒が、中間体の好都合な保存のた
めの固体含量である重量で約25%まで希釈するために使
用される。このような溶媒は、所望の被覆組成物及び希
釈を得るべく他の溶媒により希釈される以前において、
しばしば極めて粘性であるプレポリマー材料の取り扱い
を容易にすることから、非触媒プレポリマー付加物形成
のためにも有用である。プレポリマー工程において使用
される溶媒は、プレポリマー形成に採用される反応温度
より高い沸点を有することが好ましく、しかしながら、
プラズマ処理した医療器具または他の目的物の引き続く
被覆操作の後に、希釈物の好都合な蒸発を可能とするた
めに充分低温で沸騰するべきである。更に、溶媒は、医
療器具の基材材料として使用される材料に対して、引き
続く被覆操作の間に有害であってはならない。芳香族性
炭化水素は、この観点から攻撃的ではなく、しかも本発
明のポリエーテルポリオール及びイソシアネート反応試
薬が、相互溶解性であるために、均質な反応条件を達成
するために優れた溶媒であることから、一般に極めて好
ましい。
親水性PUプレポリマー付加物中間体を含む最終被覆溶
液は、プラズマ−またはアミノシラン処理基材の被覆後
の蒸発を迅速化しうる、例えばペンタン、ヘキサン、メ
チレンクロライド、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルtert−ブチルエーテル、または他の溶媒等の比較的
低沸点の溶媒により、所望の濃度に希釈される。被覆溶
液の典型的な固体含量は、重量で約1%のポリマー固体
から約20%またはそれ以上にまで変化しうる。好ましい
固体含量は、重量で約1.5%〜約8%で変化し得て、ま
た、極めて好ましい被覆溶液は、重量で約2%〜約4%
のポリマー固体含量を有する。このような被覆は、浸漬
被覆、スプレーまたは他の手段にて塗布されうる。被覆
沈着後、室温から約60℃まで変化しうる温度にて乾燥さ
れる。被覆沈着の間に、PUプレポリマー付加物中間体の
NCOの部分が、処理されたポリマーまたは金属表面に沈
着されたアミノ基と反応し、基材表面に共有的に結合し
た親水性PU/URプレポリマー付加物を形成する。溶媒の
蒸発後に、該器具は異なるハイドロゲルポリマーの水溶
液または分散物中に浸漬され、異なる親水性ポリマーの
最終的に“混合”したハイドロゲルが形成される。
親水性PU/URプレポリマー付加物との組合せにおいて
使用され、“混合”ハイドロゲルポリマーの形成の間に
第2の被覆として水溶液から塗布される本発明の異なっ
たハイドロゲルポリマーは、ポリサッカライド及び/ま
たはそれらの塩類、高分子量水溶性ポリ(エチレンオキ
シド)、N−ビニルピロリドンの水溶性ポリマー、また
は別法としてこれらの異なったハイドロゲルの混合物を
含む。この目的に好適なポリサッカライドは、式(I−
III)に示されるような、D−マンヌロン酸及びL−グ
ルクロン酸及びそれらのアルカリ金属塩由来のアルギン
酸ポリサッカライドを含む: これらのアルギン酸は、天然の由来に依存して2種類
の酸の種々のコポリマー断片からなる。典型的な供給源
は、海岸の海草供給源から収穫される種々の藻類であ
る。この用途に好適な他の天然に生じる水溶性海草ガム
は、式(IV−X)に示される種々の型の硫酸塩及びナト
リウム塩等の水溶性アルカリ金属塩を含むカラゲナン型
である: これらの鎖状ポリサッカライドは、交互の1,3−結合
β−D−ガラクトピラノシル及び1,4−結合α−D−ガ
ラクトピラノシル単位を含む。由来に依存して、1,3−
結合単位は、2−及び4−硫酸塩として、または非硫酸
塩として生じ得、また1,4−結合単位は、2−及び6−
硫酸塩、及び他の可能な変異体として生じうる。どの様
な場合においても、これらの硫酸半エステルの長所によ
ってカラゲナンは陰イオン性の多価電解質であり、それ
らのナトリウム塩は、本発明のハイドロゲルの組合せと
して取り入れられる水溶性の安定なハイドロゲルを形成
する。
本発明の異なるハイドロゲルとして好適な別のポリサ
ッカライドは、ヒアルロン酸及びそれらのアルカリ金属
塩類、硫酸コンドロイチン及びアルカリ金属塩を含む多
価電解質を含む。ヒアルロン酸は、動物及びヒト供給源
から入手可能であり、それらのナトリウム塩は、本発明
の水溶性ハイドロゲル調製のために特に好適である。こ
のサッカライドの典型的な構造は、式(XI)に示され: 式中にハイドロゲルポリマーの反復するジサッカライド
単位(a,b)の構造が示される。本発明のことなるハイ
ドロゲルポリマーとして使用可能な更なるポリサッカラ
イドは、水溶性ナトリウムカルボキシメチルセルロー
ス、水溶性ヒドロキシエチルセルロース、水溶性ヒドロ
キシプロピルセルロース等を含み、いずれもこの技術で
周知である。水溶性ヒドロキシエチルセルロースがヒト
において何らかの毒性を示す証拠が存在すれば、それら
の使用は推奨されない。アルキルカルボキシメチルセル
ロースの典型的構造が、式(XII)に示される: n=〜75から100またはそれ以上 炭水化物環あたりの−OCH2COONaの数によるOH置換の
程度は、多くの商業グレードについて〜0.4から〜1.4、
典型的には〜0.7から〜0.8まで変化する。
この様なセルロース誘導体は、商業的に容易に入手可
能である。上記ポリサッカライドの多くは、極めて低い
程度の毒性を示し、かつ生体適合性である。
本発明の水溶性の異なったハイドロゲルポリマーは、
高分子量のポリ(オキシエチレン)のホモポリマーを含
む。この型の典型的な生成物は、分子量約100,000から
約5,000,000を有するPOLYOX(登録商標)ポリマー(UNI
ON CARBIDE)である。最後に、本発明の水溶性の異な
ったハイドロゲルは、MW10,000〜340,000を有するポリ
(N−ビニルピロリドン)の低、中及び高分子量のもの
を含む。それらは、本発明の親水性PU/URプレポリマー
付加物との“混合”ハイドロゲルポリマーの調製の間
に、希釈水溶液として使用され得る。それらは通常NCO
−反応基を含まないため、結合反応に加わることができ
るとは考えられないが、しかしながら、PU/PURハイドロ
ゲルポリマーと複雑なポリマー網を形成するか、または
本発明のPU/URプレポリマーからハイドロゲルポリマー
が形成される過程で共ポリマーを形成すると考えられて
いる。どの様な場合においても、異なったポリマーの水
溶性ハイドロゲルとの水性ハイドロゲル形成は、血中で
試験された場合に良好な性能を発揮する潤滑性、摩滅耐
性かつ予期し得ない耐久性の混合保護被覆を生じる。こ
の方法は、POLYOX(登録商標)ポリマーからの“低摩擦
性”被覆が示唆される従来方法よりも、費用効果に優れ
る。
“混合”ハイドロゲルポリマーの形成は、本発明の親
水性PU/URポリマー付加物と、水、及び場合により異な
る水性ポリサッカライドポリマーそれらの金属塩、ポリ
(エチレンオキシド)ホモポリマーまたはPVPハイドロ
ゲルの水溶液に溶解された反応性ポリアミン鎖伸長試薬
との反応を含み、触媒または非触媒反応として行われ得
る。ハイドロゲル形成を促進するために使用されうる典
型的な触媒は、ポリウレタン技術において周知の種々の
第3アミン触媒である。それらは、比較的高沸点の水溶
性第3アミンを含みうるが、中程度の加熱及び真空の適
用によって被覆から容易に除去されうることから、低沸
点水溶性第3アミンの使用は極めて好ましい。この目的
に適当な典型的な水溶性低沸点アミン触媒は、N−トリ
メチルアミン、N−ジメチルエチルアミン、N−メチル
ジエチルアミン、N−トリエチルアミン、N−トリプロ
ピルアミン、N−ジメチルプロピルアミン、N,N'−テト
ラメチルエチレンジアミン等を含む。しかしながら、そ
れらは、炎症または生体適合性の問題を避けるべくヒト
組織、または細胞液に接触することを避けるために、
水、好ましくは蒸留水を用いる洗浄によってハイドロゲ
ル被覆から除去することが重要である。室温において
“混合”ハイドロゲルポリマーの形成時間を約6〜8時
間もしくはそれ未満から約30分間もしくはそれ未満に減
少させるために、水性ハイドロゲルポリマー中の上記第
3アミンについての典型的な触媒濃度は、重量で約0.01
%〜約0.2%の範囲であるべきである。しかしながら、
そのような触媒の使用は推奨されるものであるが、臨床
器具の使用に先立ってそれらが確かに除去されるように
注意しなければならない。水中の異なったハイドロゲル
ポリマーの濃度は、ポリマーの分子量及びそのような溶
液に本来伴われる粘性に依存して、重量で約0.25%もし
くはそれ未満から、2.5%もしくはそれ以上まで変化す
る。
本発明の“混合”ハイドロゲルポリマー形成のための
より好ましい触媒的方法は、“混合"PU/URハイドロゲル
ポリマーの迅速な形成を達成するために、水性の異なっ
たハイドロゲルポリマー中の水溶性反応性ジ−またはよ
り多官能性のアミンの使用を含む。この技術は、反応性
ポリアミンがハイドロゲル形成の間に消費されて触媒の
除去を小さな問題としてしまうという固有の優位点を有
する。該ポリアミンは、ポリマーまたは金属表面に結合
したPU/URハイドロゲル中間体の遊離のイソシアネート
基と接触すると直ちに形成される尿素基としてハイドロ
ゲルポリマー中に取り込まれる。この型の水溶性反応性
ポリアミンは、例示すれば、エチレンジアミン、1,2−
プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−
ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、ジエチレン
トリアミン、ピペラジン等、またはそれらの混合物を含
む。エチレンジアミンは、極めて好ましい反応性水溶性
試薬である。反応性ジアミンの触媒濃度は、室温から若
干高い温度までの温度において“混合”ハイドロゲルポ
リマーの急速な養生を達成するために、重量で約0.01%
もしくはそれ未満から約0.25%もしくはそれ以上までの
範囲に保たれる。この技術によって、ハイドロゲル形成
は、反応性触媒濃度及び30秒もしくはそれ未満から所望
により10分間まで変化する浸漬工程における浸漬時間に
依存して、約30分間もしくはそれ未満から約4時間もし
くはそれ未満の時間で起こる。至適化条件は、実験的な
被覆工程及び引き続くウシ血液中での下記の条件に従っ
た被覆試験片の物理的性質測定によって最もよく決定さ
れる。
本発明のハイドロゲル被覆は、湿状態で保存可能であ
るが、ハイドロゲルに存在する水分の大部分を蒸発させ
ることによって乾燥状態に変換することが好ましい。該
装置は、この技術で使用される慣用方法によって乾燥前
または後に滅菌されうる。ハイドロゲルからの水分の除
去は、若干の昇温下、例えば室温から約50℃もしくはそ
れ以上までにおいて、装置を約5トリチェリもしくはそ
れ未満から約20トリチェリもしくはそれ以上の真空に、
実質的に全ての水分が除去されるに十分な時間曝すこと
によって行われ得る。臨床的使用の前に生理食塩水また
は他の水性媒体に曝すことによって、親水性表面被覆は
短時間、例えば1〜2分間未満で以前の性質を完全に再
生する。
以下の実施例は、本発明の種々の側面を更に例示す
る。それらは何ら限定的なものではない。本発明の範囲
は、添付されるクレームにより与えられる。クレームの
範囲内における発明の種々の側面の他の実施態様は、当
業者には明らかであろう。実施例は、基材ポリマーをプ
ラズマ処理し、本発明の親水性イソシアネートプレポリ
マーを調製し、それらを処理基材に共有的に結合し、次
いで固定された親水性の表面被覆を、同時に少なくとも
1種の他の異なった水性ハイドロゲルポリマーと1工程
にて混合することによって潤滑性ハイドロゲルに変換
し、最終的に本発明の潤滑性ハイドロゲルを形成するこ
とを含むいくつかのパラメーターの全てを記述する。そ
れらは、被覆器具の機械的性能、それらの摩滅耐性、及
びそれらの血中における機械的引きずり力の作用に対す
る抵抗性も例示する。実施例は、本発明の潤滑被覆の血
中における動的挙動及び性能の両者を測定するための適
当な方法も略述する。
定義 下記に示す実施例及び明細書において使用されるよう
に、以下の命名、記号、用語、及び略号は、示される意
味を有する: 1.ポリオールの分子量(MW)は、官能基は既知と仮定し
てASTM D−4274−88に従って実験的に測定したポリオ
ールのヒドロキシル数を使用する数的平均分子量であ
る。
2.ポリオールの当重量(EW)は、分析的に決定されたヒ
ドロキシル数に基づいて計算されるポリオールの数的平
均当重量である。
3.イソシアネート当重量(EW/NCO)は、ASTM D−4666
−87及び/またはこの技術で公知の同等な試験に従っ
た、イソシアネートプレポリマーの%NCOの測定に基づ
いて計算されるイソシアネートプレポリマーの数平均当
重量である。商業的なモノマージイソシアネート、それ
らの誘導体及びHYPOL PreMA−G−50プレポリマーにつ
いては公表されたデータがある。
4.“ml"はミリリットルを示す。
5.“トリチェリ”は、水銀圧のミリメートル(mm)を示
す[1気圧=760トリチェリ(mmHg)]。
6.“ppm"は、百万分の1部を示す(触媒濃度、金属含
量)。
7.AMBERLYST15(ROHM & HAAS)は、一般に非水性反
応に使用される強酸性の大網状イオン交換樹脂を示す。
8.AMBERLYST A−21(ROHM & HAAS)は、非水系か
ら酸性陰イオンを除去するための弱酸性大網状イオン交
換樹脂を示す。
9.“ウレタングレード”は、本発明のイソシアネートプ
レポリマー反応物及びプレポリマー被覆溶液の希釈剤と
して使用される特に乾燥及び/または蒸留した溶媒を指
す(乾燥剤は通常、UOPモレキュラーシーブ、タイプ4A
または同等な材料を含む)。
10.“シリコーン”被覆は、器具に塗布されるn−ヘプ
タン中のDOW CORNING MDX4−4159液の2%溶液を含
む。DOW CORNING MSDSデータシートによれば、MDX4−
4159は、34%のStoddard溶媒、15%のイソプロピルアル
コール、1%のジメチルシクロシロキサン、及び50%の
ジメトキシシリルジメチルアミノエチルアミノプロピル
シリコーンポリマーを含む溶液である(全ての成分は、
重量による%で表されている)。
11.“リンゲル溶液”は、100mlの純水に0.86gのNaCl、
0.03gのKCl、及び0.033gのCaCl2を含む等張食塩溶液で
ある。
12.実施例1、表1の“脚注1−17"は、本発明の親水性
ポリエーテルプレポリマーの調製に使用された水溶性ポ
リエーテル反応試薬及びポリイソシアネートの化学的性
質を記述する。
13.HYPOL PreMa(登録商標)G−50は、約0.4ミリ当量
のNCO/gを含みHAMPSHIRE CHEMICAL CORP.レキシント
ン,MAから入手可能なIPDI(イソホロンジイソシアネー
ト)に基づく親水性ポリエーテルプレポリマーを含む。
14.パリソンは、これから医療器具のバルーンがブロウ
成形により形成される棒状または管状素材片である。パ
リソンはプラスチック基材材料の直接の押出成型により
形成される。プラスチックパリソンは、試験基材として
有用であり、幾何学的均質性がプラズマ処理を容易に
し、しかも引きずり力測定に容易に適用できることか
ら、実施例において使用された。
15.親水性なる用語は、基材表面に水滴が容易にビーズ
を形成せずに、水滴が基材と90℃未満の接触角を持ち、
かつ基材表面に容易に薄膜を形成する傾向を有する様な
基材を指す。親水性基材は、吸水し、望潤して乾燥重量
よりかなり大きい重量を持つ傾向も有する。
実施例 動的引きずり力試験法 管状脈血管形成に使用される被覆カテーテルチューブ
またはバルーン上の引きずり力測定のために、従来技術
との信頼性ある対比、及び本発明の親水性被覆の異なる
ポリマー組成物の間での信頼性ある対比を与える適用可
能な試験法を開発する必要があった。更に、試験を例え
ば蒸留水、食塩水(リンゲル溶液)、血漿及び血中等の
異なる水性媒体中で行って、臨床用器具が接するであろ
う最も重要な使用環境の影響を評価することとした。
本発明のプラスチックチューブの抗摩擦性被覆の摩擦
力及び耐久性の測定試験方法は、以下の方法からなる: 装置:INSTRON張力試験装置、20ポンド負荷セル;試験範
囲0−500g;クロスヘッド速度20インチ/分の上下動;4
インチのストローク、自動サイクル。
試験設備:被覆プラスチックチューブ試験片を固定する
摩擦面を有したクラムシェルアッセンブリ。摩擦面は、
Guardsman Products,Inc.,Consumer Products Divis
ion,Grand Rapids,MIから入手可能な市販の洗浄用製品
SCRUNGE(登録商標)であり、主要な食料品店にて販売
されている。柔軟性のポリウレタンフォーム担体上に表
面被覆された研磨性の堅い摩擦PUプラスチック粒子から
なる、SCRUNGE(登録商標)パッドを、1x1.75インチの
長方形に切断した。摩擦表面を濡らすための液体で湿り
気を持たせ、摩擦面を内側にして半分に畳んだ。チュー
ブ上試験片を、畳んだ摩擦面内に包み、試験設備に設置
した。
試験パリソン:試験パリソンは、長さ約6〜約8イン
チ、外部直径(OD)0.07〜0.095インチ、及び内部直径
(ID)0.04〜0.07インチを有する薄い壁部のチューブで
あった。試験試料が柔軟に過ぎ、戻りのサイクルで曲が
る場合には、ODが0.066インチの編まれたワイヤロッド
を試験片に挿入した(HYTREL及び他の比較的柔軟なチュ
ーブ)。
湿潤媒体:試験した湿潤媒体は、蒸留水、リンゲル溶
液、血漿およびフィブリン除去ウシ血液であった。媒体
を、シリンジポンプを用いてキャピラリチューブにて、
試験設備の上端部において毎分10〜20滴の速度で連続的
にチューブに供給した。
試験方法:必要な場合に、編まれたワイヤシャフトを試
験試料に取り付けた。摩擦表面を適当な試験液体にて湿
らせた。摩擦表面を、試験試料の周りに畳み込み、これ
ら2つの組合せを試験設備中に設置し、設備を閉じた。
試験試料の上端を負荷セル上のクランプに締め付けた。
INSTRON試験装置を作動させ、引きずり力を、1、5、1
0、20および40サイクルに記録した。
実施例1−プレポリマー合成に使用するための商業的に
入手可能な化合物に基づく親水性ポリエーテル前駆体の
精留 最初に、アンモニアプラズマ処理表面に固定化される
PUハイドロゲル材料の評価のために選択された出発材料
は、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及び水溶性コ
ポリエーテルポリオールに基づく、商業的に入手可能な
PUハイドロゲル中間体であるHYPOL PreMa(登録商標)
G−50であった。このプレポリマーは、本発明のPUハイ
ドロゲルの調製に好適と考えられる構造を有している。
更に、それは極めて低摩擦性と思われる生体適合性ポリ
尿素ポリマーを生じる旨が説明されていた。従って、こ
の製品を、医療器具において興味あるアンモニアプラズ
マ処理基材に対する完全に共有的に結合するハイドロゲ
ルの試みにおいて最初に試験した。しかしながら、この
製品は、かなりの量の未反応コポリエーテルヒドロキシ
ルを含むことが、直ぐに明らかになった。
大分子あたりに1〜約3個のヒドロキシル基を含む市
販の水溶性ホモポリエーテル及びコポリエーテルを、本
発明のプレポリマーの合成用出発材料の最初の選択とし
て選んだ。これらの材料のほとんどは、プレポリマー反
応を妨害するに充分な量のアルカリ金属及びアルカリ金
属塩を含むために不適当であることが、直ぐに明らかと
なった。従って、製品をイソプロピルアルコール溶液中
に重量で約50%の濃度で溶解し、アルカリ金属及びそれ
らの塩を除去すべくイソプロピルアルコールに浸漬して
前処理した約同量のAMBERLYST15及びAMBERLYST A−21
の、存在する金属触媒不純物の評価される濃度に関して
の過剰量と攪拌することによって、イオン交換処理を行
った。エチレンオキサイドのある種のホモポリエーテル
は、50℃〜55℃の高温度において固体であり、この様な
場合にはイソプロパノール/ポリエーテル混合物を約60
℃に加熱し、イオン交換反応の間、維持した。他の全て
の場合には、イオン交換反応を室温から約40℃にて行っ
た。別法として、イオン交換精製は、この技術で周知の
ように陽イオン及び陰イオン樹脂を別々に使用して、混
合ベッド加熱カラムまたは分離カラムによって連続様式
で行われ得る。
ポリエーテル/イソプロパノール希釈物中の混合イオ
ン交換樹脂のスラリーは、少なくとも6時間、激しく攪
拌される。その後、樹脂を濾過により除去し、イオン交
換樹脂をイソプロピルアルコールの一部で洗浄して付着
したポリエーテルを除く。エチレンオキサイドからのホ
モポリエーテルについては、濯ぎを加熱したイソプロパ
ノール(〜60℃)にて行う。すすいだ溶液を元の濾液に
合わせて、ポリエーテル中に存在する希釈剤及び水を蒸
発させる。ポリエーテル材料を幾分かの空気の存在下で
昇温下に取り扱う前に、それらは適当な抗酸化剤にて保
護される。この目的のために、精製に使用したポリエー
テルの元の重量に基づいて、重量で約0.05%の量のSANT
ONOX R(米国特許第4,886,866号参照)を添加し、引
き続く溶媒除去操作に先立って溶解される。
反応容器を、空気との接触を避けるために窒素の遅い
流れにて覆いつつ、イソプロピルアルコールを蒸留によ
り除去した。アルコールの蒸留の終了後、トルエンまた
はキシレンをポリエーテル残渣に添加し、該材料を徐々
に増してゆく真空に付す。この工程の間に、水及び残留
する痕跡量のイソプロパノールが、共沸によって除去さ
れる。最終的にポリエーテル残渣は、乾燥窒素の覆いの
もと、5〜1トリチェリの真空に、100〜120℃にて2〜
3時間置かれる。その後、ポリエーテル残渣を70℃まで
冷却し、乾燥窒素により覆って反応容器を大気圧にしつ
つ真空を開放する。ポリエーテル生成物は、別法として
暖かいままで取り出され、直接にプレポリマー形成工程
に使用される。ポリエーテル前駆体は、ヒドロキシル
数、%H2O(ASTM D4672−87)及びppmアルカリ金属に
関して必要に応じて分析された。水分による副反応の為
に複雑となることを避けるべく、それらを注意深く管理
した無水条件下に保存することによって、ポリオールの
再度の水和を防止した。
実施例2−商業的に入手可能なイオン交換されたポリエ
ーテル前駆体からの親水性環式脂肪族イソシアネートプ
レポリマーの調製 実施例1の商業的に入手可能な水溶性ホモポリエーテ
ル及びコポリエーテルを使用して調製されたプレポリマ
ーが不適当であることから、本発明のPUハイドロゲルの
出発材料として有用であろう多くの環式イソシアネート
プレポリマーの調整法及び組成物を探査することが必要
となった。
表1にA〜E、E〜M、並びにO及びPと命名される
プレポリマーを調製するために、ポリエーテル出発材料
を、室温で液体の材料については約30℃に、また固体の
ホモポリマーの場合には約55℃に加熱し、また工程を通
じて反応試薬を乾燥窒素の覆い下に維持した。この時点
で、要すれば適切な量の触媒を、反応容器内に添加し
た。次いで計算された量のジイソシアネートを、一度で
加え、その間反応試薬を十分に混合して、直接の均質反
応条件を達成させた。続いて起こる発熱を、必要に応じ
て緩和して、反応温度を70℃〜75℃に達しせしめ、反応
物をこの温度に触媒反応においては合わせて約4時間、
非触媒系については24時間まで維持した。
ポリエーテルと、環式脂肪族イソシアネートでSMODUR
W及びIPDIとの反応は、触媒の不在下では上記の反応
時間で24時間後においても完了しないことが見い出され
た。従って、これらの比較的遅い反応性のジイソシアネ
ートを用いる全てのプレポリマー合成について、スズ触
媒(ジブチルスズジラウレートまたは第2スズオクトエ
ート)を使用するように、結局のところプレポリマー合
成方法を修正した。また、イソシアネート反応が、ポリ
エーテル及び環式脂肪族イソシアネートについての共溶
媒である芳香族炭化水素の存在下で容易に緩和されるこ
とも見い出された。最も有用であることが示された溶媒
はトルエンであり、反応は一般に反応試薬及び溶媒の間
での50%希釈として行われたが、保証される場合には75
%のトルエン及び25%の反応試薬を使用することも可能
であった。該溶媒手法は、プレポリマー材料を引き続く
他の溶媒での所望の被覆組成物への希釈のために取り扱
うことも容易にした。
プレポリマー合成の最後に、得られた生成物をこの技
術で周知の方法であるジブチルアミンを用いる湿式法に
より%NCOについて分析した。触媒反応については、所
望のEW/NCOは、計算値と全くよく一致した。非触媒反応
の場合には、いくらか速く反応する脂肪族ジイソシアネ
ート(HDI)のみが許容され得る結果を与えた。しかし
ながら、IPDIの場合において、ポリエーテルポリオール
に対するNCO付加反応を、直鎖脂肪族ジイソシアネート
を用いて起こる不適当な三量体ゲルの形成を伴わずに、
触媒の不在下で、110℃〜120℃にて約12時間〜約16時間
で行うことができることも確立された。重量で少なくと
も約15〜20%のプロピレンオキサイド含有量をもったポ
リエーテルを含むプレポリマーは、被覆中間体の取り扱
いを非常に容易にする液体のポリエーテルプレポリマー
を生じた。
“親水性PUプレポリマー中間体の組成”と題した表1
は、新規中間体の組成、特徴及び調製条件を掲げるもの
である: 実施例3−プラズマ処理、中間体被覆、およびPUハイド
ロゲル形成方法 イソシアネート基と反応可能な官能基を本質的に持た
ないプラスチック材料を、本発明の親水性ハイドロゲル
ポリマーと共有結合を得るために使用した。血管形成バ
ルーンにおいて使用されるPET;カテーテルの軸において
使用されるHYTREL;種々のバルーンに使用されるPEカテ
ーテル及びバルーンに使用される疎水性ナイロン−11及
びナイロン−12等の基材は、それらの表面に極めて反応
性のアミノ基を結合するための窒素含有ガスを用いたプ
ラズマ処理について最も重要な熱可塑性ポリマー基材と
して考えられた。極めて疎水性のPE基材の種々の型の場
合において、酸素含有プラズマガスを用いる第1のプラ
ズマ処理に続いて、アンモニアを用いる第2のプラズマ
処理を含む連続的プラズマ処理が、2種類のプラズマガ
スのいずれか一方を用いたプラズマ処理より、極めて良
好な結合形成をもたらす相乗効果を生じることが、予想
されることなく見い出された。本発明のゆっくり反応す
るイソシアネートハイドロゲル中間体を用いて、表面に
官能基を持たない基材と粘着結合を形成することは、実
質的に達成不可能であり、分子構造中にウレタン及びア
ミド基を含むTPU及び疎水性ナイロン基材を用いた場合
にも良好な性能を得ることは必ずしも容易ではない。プ
ラズマ処理の研究のために、表面が酸化されるか、極め
て攻撃的な溶媒により処理されるか、あるいは他の手段
により反応性が持たされない限り、それら自体が粘着結
合を与えることがない典型的な表面であることから、PE
T、HYREL、及びPEを、プラスチック基材として使用し
た。従って、PET、PE及びHYRELのプラズマ処理試験パリ
ソンは、極めて綿密に調査された。基材表面へのアミノ
基の固定が、それらを本発明の親水性プレポリマーの遅
いイソシアネート極めて反応性を持つものとすることを
証明することが、実験の目的である。得られるハイドロ
ゲルは、芳香族ポリウレタンハイドロゲル中間体から誘
導されるポリウレタンハイドロゲルに比べてより優れた
生体適合性のため、極めて好ましい。
詳細を前述したPLASMA SCIENCE PS0350プラズマ表
面処理システムを用い、アンモニア(NH3)をプラズマ
ガスとして使用して、実験を広範囲のパラメーターに亘
って行った。PETチューブ(約0.095インチのODを有する
パリソン)について、プラズマガスとしてのNH3の使用
は、20%の入力(約100−120W)〜85%の入力(約400−
450W)のRF入力範囲、約50標準ml/分〜約730標準ml/分
のアンモニアガス流速、約30秒間〜約3分間の曝露時
間、及び室温から約40℃の温度範囲にわたって、本発明
のPUハイドロゲル系の改良された粘着を生じた。至適化
された結果は、約100W〜約400Wの入力、及び約200標準m
l/分〜約650標準ml/分のアンモニア流速において観察さ
れ、記録された。ESCA表面分析は、同表面分析方法が完
全に信頼性あるものとするには十分な精度を持つものと
は考えられないが、PET表面上のアミノ基の中間的な表
面濃度において最良の性能を示した。酸素プラズマを、
上記に定義された条件下で種々のPE基材に適用したが、
本発明のポリウレタン中間体を用いた粘着結果は、良く
ても限界に近いものであった。酸素プラズマ処理に続い
てアンモニアプラズマガスを用いる第2の処理を行った
場合には、本発明の親水性ポリウレタン中間体との結合
は、非常に優れたものであることが証明された。酸素含
有プラズマガスと、引き続く窒素含有プラズマガスを用
いた組合わせプラズマ処理は、プラズマガスとしてアン
モニアのみを用いた場合より良好であることも観察され
た。この予期せぬ観察は、両タイプのプラズマを続けて
用いる処理を使用した場合に相乗効果が存在することを
示している。
NH3プラズマ処理の影響を、PETパリソン上で商業的に
入手可能な“シリコーン”被覆を用い、接触環境として
血液の存在下で試験し、HYPOL PreMA(登録商標)G−
50からのPUハイドロゲル、その触媒使用物、並びにPreM
A(登録商標)と他のハイドロゲルプレポリマー被覆と
の組合わせの系と比較した(親水性PU中間体の合成につ
いては、実施例1及び2も参照)。“シリコーン”被覆
では、NH3プラズマ処理は助けにならなかった。更に、
“シリコーン”被覆は、主要な体液試験である血液の存
在下で、何等性能らしきものを示さなかった。対照的
に、1種以上の異なったハイドロゲルポリマーと混合さ
れた本発明のPUハイドロゲル被覆は、アンモニアプラズ
マ処理の後に血中において顕著に改善された性能を示し
た。同様に、PE基材についての酸素及びアンモニアプラ
ズマを含む二重プラズマ処理は、試験媒体としての血液
中で組合わせハイドロゲルポリマーの極めて良好な性能
を示した。更に、PUハイドロゲル及び組合わせハイドロ
ゲルは、PETのプラズマ処理を伴わない場合でさえ、血
中での性能に関しては“シリコーン”被覆に比べて顕著
に優れていることが見出されたことは特筆されるべきで
ある。
PUハイドロゲル中間体(実施例2及び他を参照)の濃
度効果に関する範囲決定試験は、基材表面の適当なハイ
ドロゲル被覆が、固体含量約1.5%〜約6%の範囲の被
覆溶液、及び浸漬時間約10秒〜約30秒の場合に可能であ
ることを示した。しかしながら、浸漬時間が延長される
か、相対的により攻撃的な溶媒が最初の浸漬工程におい
て使用された場合には、更に低濃度範囲またはそれ以下
にある場合にも本発明の範囲にある。スプレー被覆を含
めて、種々の既知の被覆方法が実行可能である。被覆溶
液への器具の挿入時間は、被覆の質に対して著しい効果
を有していた。被覆の厚さ及び品質に影響を与える他の
手段は、セロソルブアセテート(UCC)等の何らかの高
沸点溶媒及び他の同様なゆっくり蒸発する材料を、ME
K、エーテル等の低沸点生成物と共に共溶媒として使用
することである。均一な被覆を達成するために有用であ
ることが示されている他の材料は、極少量の界面活性
剤、例えば、TERGITOL(登録商標)X−100(UCC)及び
シリカ等の揺変性試薬、並びに種々の基材への被覆塗布
の質に影響を与えることが知られている他の材料であ
る。
適切な比較的低沸点の溶媒に溶解された本発明の親水
性ポリウレタンプレポリマー(組成については実施例2
の表1、及び実施例4参照)を塗布し、溶媒の蒸発を許
容し、次いで希釈水溶液中の少なくとも1種の第2の異
なるハイドロゲルポリマーを塗布することによる二重被
覆方法は、本発明の混合ハイドロゲルの費用効果の高い
形成について最も有望な結果を与えた。水中の該異なる
ハイドロゲルポリマーの濃度は、得られる溶液の粘度に
依存して、重量で約0.25%またはそれ未満から約2.5%
またはそれ以上まで変化しうる。この様な組合せの有用
性は、ハイドロゲル形成完了後の被覆パリソンの性能に
関する。血中において得られた引きずり力測定及びサイ
クル試験について種々の組成物を試験することによって
確認された。
混合ハイドロゲルの形成は、器具を被覆し、強化エア
フードの使用を含む種々の手段により被覆溶媒を蒸発さ
せ、パリソンまたは器具を1種以上の異なったハイドロ
ゲルポリマーの異なる組成の水溶液に浸漬被覆すること
のより達成される。ハイドロゲル形成を早めるための第
3アミン触媒、反応性アミン誘導体または、例えばポリ
サッカライド中のウロン酸のアルカリ金属塩等の穏和な
塩基性塩の存在下等の手段によりハイドロゲル形成を促
進することが有用であることが見い出された。例えばエ
チレンジアミン及び他のポリアミン等の異なったハイド
ロゲルポリマーの水溶液中に溶解された希釈反応性アミ
ンとの組合せにおいて、ハイドロゲルを形成する水の影
響は、本発明の組合せ潤滑ハイドロゲルの焦点にある、
異なったハイドロゲルポリマーとの混合PU/PURハイドロ
ゲルポリマーの形成を生じる。ハイドロゲル形成は、例
えば室温程度の比較的低温度でも行うことができるが、
別法として約60℃、またはそれ以上のより高い温度にて
行うこともでき、養生時間を迅速化し、かつ工程を時間
がかからず、より費用効果が優れたものとすることもで
きる。本発明の更に別の変法は、当業者には明らかであ
ろう。
実施例4−親水性プレポリマーの触媒的合成 この実施例は、トルエンの50%溶液としての20ppmの
T−12触媒(ジブチルスズジラウレート)を用いる触媒
技術による、親水性プレポリマーR及びSの調製を例示
する。両方の場合において、水溶性ポリエーテル前駆体
を、イソプロパノール中のAMBERLYST15及びAMBERLYST
A21のスラリーを用いて脱イオンし、濾過後、合わせた
溶出液を重量で0.05%のSANTONOX Rを用いて安定化さ
せた。次いで、イソプロパノールを大気圧下で放出が終
わるまで蒸留することにより除去し、少量のトルエンを
添加し、残留するイソプロパノール及び水分を共沸によ
り除去するために、トルエンの蒸留を継続し、この間、
精製工程を通して窒素の覆いのもとで行った。次いで該
材料を、約5トリチェリ〜約10トリチェリの真空下に、
約100℃〜約120℃の温度で、3時間曝した。次いで、コ
ポリエーテル前駆体を、プレポリマー反応フラスコに充
填し、重量で50%のトルエンにて希釈し、トルエン中に
希釈された所望量のT−12触媒を添加し、この間、反応
試薬を窒素下、室温に保った。
次いで、適当量のジイソシアネートを、50%トルエン
溶液として室温にて全てを一度に添加し、そして発熱的
な付加物プレポリマー形成を、反応試薬が75℃を越えな
いように緩和した。反応試薬を乾燥窒素気流下で攪拌
し、70℃〜75℃に4時間維持し、その後に乾燥窒素にて
掃気した容器に移した。少なくとも24時間経過後、次い
で、NCO−末端プレポリマーを%NCOについてジブチルア
ミン法(ASTM D4666−87)により分析した。表2は、
反応試薬濃度、100%固体に基づく%NCO含量、及び%NC
Oの計算値及び理論値を示す。
上述したプレポリマーR及びSは、P及びO(表1)
の触媒使用物に対応し、トルエン中の50%溶液として調
製された。PLURACOL−V7(BASF CORP)は、3官能性コ
ポリエーテルであり、Rの為のプレポリマー前駆体とし
て使用され、OH数=約23.0及び理論値EW=約2340を有す
るトリメチロールプロパンの無作為EO/POポリエーテル
付加物を重量で75/25%有する。次いで、該プレポリマ
ー付加物を更にトルエンにより、重量で約25%の固体ま
で希釈し、その分別量を少なくとも4カ月の期間20℃〜
25℃にて保存した。両方のプレポリマーは、この期間に
亘って安定に維持され、ゲル化の形跡を何ら示さず、ス
ズ触媒の存在にも関わらず、延長された保存安定性を示
した。カテーテル、バルーン、及び他の医療器具の被覆
のために、該親水性プレポリマーのトルエン溶液を、例
えば被覆工程に先立って、重量で2%の固体含量まで、
適当な共溶媒にて更に希釈した。上記プレポリマーにつ
いての%NCO分析記録によれば、イソシアネート反応
は、カテーテル器具の生体適合性を損なわないことが見
い出されている極めて低いスズ触媒濃度にて触媒作用を
受けても、完了まで進行する。
実施例5−PU/URハイドロゲル及び市販のハイドロゲル
の評価 体液に接触した場合に優れた潤滑性、摩滅耐性、及び
耐久性を示すことが要求されている本発明のPU/URハイ
ドロゲル、特にはPU/URハイドロゲルと異なったハイド
ロゲルからの混合ハイドロゲル被覆の組合せを評価する
ために、前処理無しには、耐久性をもった共有結合を生
じるには限られた能力を持つことが知られているプラズ
マ処理プラスチック基材に被覆を施すこととした。医療
器具の分野での典型的な応用は、器具が、過度な摩滅に
抵抗し、ブロックされた血管を通して移動する間に耐久
性を維持するのみならず、障害物を越える間に優れた潤
滑性を示し、かつしばしば器具の臨床的使用の間の操作
時に複雑な取り扱いを要求する管状脈血管形成において
使用されるカテーテルバルーン及び他のカテーテル部品
の低摩擦被覆を含む。従って、最初の被覆試験を、その
ような器具またはその部品の構成材料としてしばしば使
用されるPET、PE及びHYTRELを用いて行った。その目的
のために、最初に約6〜8インチの長さ、0.07〜0.095
インチのOD及び0.04〜0.07インチのIDの寸法を有するア
ンモニアプラズマ処理PETチューブの試験パリソン、並
びに同じ寸法を有する種々のPE基材からの酸素及びアン
モニアプラズマ処理パリソンを使用することとした。実
施例1、2及び4に記述されるように種々の組成を有す
る本発明のPUハイドロゲル被覆、及び本発明の混合ハイ
ドロゲル被覆の多くの特性を評価するために、既に実施
例3に記述される好適なプラズマ処理パラメーターを使
用した。
適切な比較の引きずり力試験を確立するために、この
特定の分析のプロトコールのためのプラズマ処理を一定
に保ち、パリソンをHIMONT Plasma Science0350ユニ
ット中で0.01トリチェリに曝露し、次いで659ml/分のガ
ス流速、400ワット及び13.56MHzの入力で、25℃〜40℃
の温度にて3分間、アンモニアプラズマガスを適用する
ことを含んでいた。プラズマ処理パリソンは、長期間で
起こりうるプラズマ処理の退行による例外を評価するた
めに、1〜3週間の期間で使用された。トルエン中の親
水性PUプレポリマーまたはスズ触媒PUポリマー濃縮物
を、重量で2%の固体含量までMEKを用いて希釈し、パ
リソンをそれに30秒間浸漬することにより浸漬被覆に、
強化エアフード内にて室温で乾燥させた。次いで30分間
経過後、得られたPU/UR被覆パリソンを、第2の異なる
ハイドロゲル系の水溶液に浸漬被覆し、これは、所望に
より2種以上の異なるハイドロゲルポリマー種の間の最
終的なハイドロゲルの絡み合いを加速するため、それに
溶解された適切な第3アミンまたはジアミン鎖伸長剤触
媒を含んでいた。異なったハイドロゲルポリマーの第2
の被覆の水溶液での非触媒的曝露の場合には、二重被覆
パリソンを取り出し、約50%の相対湿度の雰囲気に室温
にて72時間曝し、次いで前述したINSTRON引きずり力試
験設備にて試験される前に、約60℃〜70℃に維持された
真空オーブン中で約1〜2時間後養生した。異なったハ
イドロゲルポリマーの水溶液が、ジアミン鎖伸長剤また
は第3アミン触媒を含む場合には、PU/尿素被覆パリソ
ンに水性浸漬被覆を塗布した後、約24時間後にパリソン
を試験した。引きずり力(g)は、接触媒体としての脱
フィブリンウシ血液中で1、5、20および40ストローク
後に記録した。従来伝統的にカテーテル技術において性
能及び耐久性試験のために採用されてきたリンゲル溶液
等の食塩水または水よりも、血液は相当に攻撃的である
ことは既に分かっている。表3は、脱フィブリン化ウシ
血液中にて試験された少なくとも3個の試験片の平均か
ら得た引きずり力試験結果を示す。
同様な実験を、HYTREL(登録商標)から製造されたパ
リソン上に付されたプラズマ処理被覆について幾つかの
例で実施し、全般に同様な結果が観察された。実験は、
“シリコーン”被覆が最初の試験の開始時点で良好な結
果を与えるが、接触媒体としての血液に曝された場合に
極めて急速に潤滑性を失うことを示している。本発明に
従って調製されたPU/PURハイドロゲル及び特には1種以
上の異なるハイドロゲルと混合されるPU/PURハイドロゲ
ルは、媒体としての血液の存在下で、特に良好な性能及
び潤滑性を示した。しかしながら、これらの現象は、
“シリコーン”被覆では、最初に触れた際には極めて
“滑りやすく”感じるため、触れた場合の被覆の感触に
基づいては予期されず、また予想することもできないも
のであるが、シリコーンはウシ血液中での試験の間に効
果を完全に失う。また、ポリエチレンを親水性とする高
または低密度ポリエチレンの表面処理の種々の組合せ、
及びアミノ基を基材に固定化するアンモニアプラズマま
たは気体アンモニアの影響は、予期されない優れた粘着
及び血中における性能を与えることを特筆することも重
要である。好ましい典型的なポリエチレン処理は、例え
ば、潤水酸素、空気もしくは水蒸気、またはそれらの組
合せ、または酸素とアルゴンとの混合物のいずれかを用
いた基材の酸素含有プラズマ処理、及び引き続くアンモ
ニアを含む第2のプラズマ処理を含んでなり、材料を親
水性とし、しかもアミノ基をそれに固定化する。同様に
有効な更に別の処理法は、最初にポリエチレンを酸化的
化学処理に付し、続いてアンモニアプラズマ処理を適用
して、基材を全く親水性とし、ESCA表面分析によれば反
応性アミノ基を持たせることからなる。更には、表面の
親水性及びアミノ基の固定は、そのようなPE基材を最初
に酸素プラズマによってプラズマ処理し、次いで直ちに
後流として気体アンモニアを当てることによっても達成
される。これら種々の方法は全て、ハイドロゲルが本発
明の極めて親水性のPU/PUR“結合被覆”から調製された
場合に、血中での混合ハイドロゲルについての良好な粘
着性及び耐久性の特性を予期されずに与える。本発明の
混合ハイドロゲルポリマーは、アンモニアプラズマ処理
PET及びHYTRELに対する明らかに優れた結合のため、極
めて優れた耐久性の特性を示す。種々の極めて疎水性の
ポリエチレンの場合に、酸素処理単独では本発明の比較
的遅い反応性の親水性PUプレポリマーを用いて満足でき
る結果を与えない。TPU及び疎水性ナイロン等のアンモ
ニアプラズマ処理基材を用いる予備的実験も、良好な結
果を示した。従って、製造方法を容易にし、それらによ
り優れた費用効果を持たせるために、カテーテル等の医
療器具用の種々のプラスチック基材を同様な方法で処理
することもできる。
実施例6−数種の媒体中での発明と先行技術の被覆の対
比試験 驚くべきことに、本発明に従ってプラズマ処理表面に
固定された親水性ハイドロゲルは、低摩擦被覆の性質を
試験するために他者により典型的に使用されている媒体
中で試験した場合には、顕著な結果を示さなかった。従
来の市販材料は、通常は水またはリンゲル溶液中で試験
されてきた。共有的に結合されたPU/PURハイドロゲル、
及び1種以上の異なるハイドロゲルポリマーと混合され
る共有的に結合されたPU/PURハイドロゲルからの混合ハ
イドロゲル被覆の組合せの効果を、水、リンゲル溶液及
び脱フィブリン化ウシ血液の存在下で比較試験した。PE
Tパリソンの動的試験を、商業的に入手可能な被覆、及
びPUハイドロゲルに基づく被覆、並びに本発明の混合ハ
イドロゲル系の被覆の組合せの間で顕著な相互作用が存
在するかを決定するためにウシ血液の存在下で行った。
結果は表4に示される。
上記の比較試験は、前述した試験設備において試験さ
れた場合に非被覆パリソンが、水中で比較的に高い引き
ずり力、リンゲル等張食塩水中で低い引きずり力、及び
血中で矛盾なく高い引きずり力を示すことを例示してい
る。“シリコーン”被覆は、水及び食塩水中で、40スト
ローク後も低い引きずり力を与えたが、血中では全く効
果がなかった。
本発明に関連する典型的PU/PURハイドロゲルであるHY
POL PreMA(登録商標)G−50は、リンゲル溶液中で良
好な結果を、また水中で中程度の許容できる結果を与え
た。しかしながら、PU/PURハイドロゲル、及び特にはヒ
アルロン酸ナトリウム塩、分子量100,000から4百万を
有するPOLYOX(登録商標)ポリ(エチレンオキシド)ポ
リマー等の異なるハイドロゲルポリマーと混合されたPU
/PURハイドロゲルの、血中での効力が明確に示された。
合成された最も重要なPUハイドロゲルポリマー中間体の
多くは、種々の異なったハイドロゲルポリマーと混合さ
れ、そして、イソシアネートと容易に反応し得ないか、
または比較的遅い反応性であって、しばしば立体的の妨
害される本発明のポリイソシアネート中間体(生体適合
性ハイドロゲルを形成する)と物理的(非共有的)結合
を形成し得ない基材に塗布した場合の、そのような被覆
の驚くべき潤滑性及び耐久性を立証するために血中にて
試験した。同様に、本発明の混合PU/PURハイドロゲル被
覆を用いて、熱可塑性PU、ナイロン、HYTREL、及び種々
のタイプのPEポリマーの窒素含有プラズマ処理された基
材に塗布した場合に優れた結果が得られた。
実験は、本発明の混合親水性ポリウレタン−ポリ尿素
ハイドロゲル被覆が、2%のPVP(MW=約10,000)水溶
液中にエチレンジアミンを重量で0.1〜0.2%含む水溶液
から調製された場合に、PVP及びEDA鎖伸長剤を含むヒド
ロキシプロピルセルロースの水溶液から調製された混合
PU/URハイドロゲルと同様に、驚くべき良好な摩滅耐久
性を示した。この、異なった水性ゲルとしてのPVPの場
合にこれらの全ての方法は、予期せずに血中における良
好な粘着及び耐久性を生じた。
実施例7−低密度ポリエチレンの表面修飾、それに対す
るアミノ基の固定、PU/PURハイドロゲルの同時的形成に
よる処理親水性PE表面の被覆 高及び低密度ポリエチレン、並びに他の極めて疎水性
のポリマー基材等の高度に疎水性のポリマー基材を用い
る実験において、アンモニアまたはアンモニア、低沸点
有機アミン、もしくはそれらの混合物を含むプラズマガ
スを用いたプラズマ処理の後に、本発明による高度に親
水性のプレポリマー中間体の塗布は、しばしば血中にお
いて試験した場合に潤滑性に関し、特に摩滅耐久性にに
関して限界的な改良のみを生じる。ESCA研究から、アン
モニアプラズマ処理がかなりの量の反応性アミノ基を、
第3炭素原子に結合される不安定な水素原子を少なくと
もかなりの量で含むポリプロピレン及び他の疎水性合成
ポリマーに固定化することが知られているが(アミノ表
面基のESCA分析)、これらの知見は、種々のポリエチレ
ンがそのようなアンモニアプラズマガスに曝された場合
には成り立たないように思われる。従って、この一連の
実験は、本方法をポリエチレンポリマー及び他の極めて
非極性かつ疎水性の基材、例えばナイロン11及びナイロ
ン12等についてより効果的とするより良い方法を決定す
るために実行された。ここで、ポリエチレンは、酸化的
表面処理または酸素含有プラズマ処理、及び引き続くプ
ラズマ存在下でのアンモニアによる処理、あるいは選択
的にプラズマの使用を伴わない気体後流に曝すことがで
き、表面に結合された高度に反応性のアミノ官能基を有
する極性かつ親水性のPE基材表面を生じることが観察さ
れた。この様に高度に極性、親水性かつアミノ基を保持
する反応性表面は、この様な処理ポリエチレン表面上に
共有的に結合するPU/PURハイドロゲルを、極めて形成し
易い。
この実験プログラムのために、約0.066インチのID、
約0.09インチのOD及び約6〜8インチの長さを有する低
密度ポリエチレンパリソンを、表5に示す条件の種々の
酸化的表面処理によって処理し、メチルエチルケトン中
の25%トルエン溶液として調製された実施例4のプレポ
リマーRの2〜4%溶液に浸漬被覆した。該パリソン
を、MEK/トルエン溶液に約30秒間浸漬被覆し、それらを
強化エアフード内に室温にて約20分間つるして乾燥させ
た。次いで、該パリソンを、水温約35℃を有する開放水
浴の上に一夜曝して得られたPU/PURハイドロゲルの変換
及び養生を促進した。該パリソンを、更に真空オーブン
中で60℃にて1時間後養生した。該被覆工程は、最終プ
ラズマまたは気体後流処理の後、1日以内に行われ、ま
た磨耗性SCRUNGE(登録商標)を用いるINSTRON試験は、
被覆パリソンを室温の環境条件においてから72時間以内
に行われた。SCRUNGE(登録商標)試験パッド及び試験
設備は、上述したものと同様であり、また試験媒体は、
新鮮なクエン酸処理ウシ血液からなる。引きずり力測定
は、20ポンド負荷セルを備えたInstronモデル4201にて
行った。異なる処理条件下で行われる種々の試験のた
め、2個の被覆パリソンがそれぞれの条件について試験
された。表されるデータは、非被覆試料を最初に、次い
で被覆試料を操作して、2回の試験の平均を表す。引き
ずり力の比は、2つの被覆物操作の引きずり力の結果を
平均し、次いでそれらを、同じストローク数における非
被覆引きずり力で除して計算した。表5は、グラムでの
引きずり力、1、5、10及び15ストロークにおける引き
ずり力比、並びに対応するPEパリソンの酸化及び処理条
件の注記をしめす: 上記のデータは、酸素またはアルゴンと酸素を用いる
基材の酸化的プラズマ処理、及び引き続く同時的もしく
は順次のアンモニアプラズマガスまたは後流処理として
の気体状アンモニアによる処理による、ポリエチレン基
材の種々の組合せ処理を示す。処理の全ての組合せは、
本発明の親水性PU/PURハイドロゲル被覆の血液中での摩
滅性能に関して、好ましい挙動を有する最終被覆基材を
生じた。イソホロンジイソシアネート及び他の環式脂肪
族ジイソシアネートにおける環式脂肪族イソシアネート
残基の反応性の欠如により、極めて活性のアミノ基が、
より極性かつ親水性とされたPE基材表面に固定化されな
い限り、反応は正ではない。同様な最初の結果が、共に
比較的疎水性のポリマーであり、カテーテルに使用され
るナイロン11及び12を用いて観察された。
実施例8−被覆の乾燥、滅菌及び再生 窒素含有プラズマ処理基材、またはアミノシラン被覆
金属部品に共有的に結合される最終ヒドロゲルの調製
後、本発明の被覆によって被覆された医療器具は好まし
くは乾燥され、水分を通さない材料で包装され、また臨
床条件での使用前に滅菌されることが好ましい。器具の
乾燥は、ハイドロゲル保護被覆からの水分の完全な蒸発
を必要とする。乾燥親水性TPUベースハイドロゲルは、
弾性的であって、被覆は乾燥中に剥げたり割れることは
ない。これは、この分野で周知の条件下で真空乾燥装置
を用いて行われ得る。乾燥後、装置は防湿プラスチック
フィルム内にヒートシールされ、例えばγ線輻射または
医療器具の滅菌のための他の方法にて滅菌される。その
後器具は保管され及び出荷され、また臨床的使用の直前
に食塩水または他の手段にて再度水和されうる。予備的
試験は、本発明のハイドロゲルが、室温にてリンゲル溶
液に浸漬することにより、15秒間から1〜2分間以内に
容易に再生されることを示した。引き続く血中での力学
的引きずり力の測定で、すばらしく低い初期力の測定が
再現された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ディング, ニ アメリカ合衆国 ミネソタ 55446 プ リマス ジュノ レイン エヌ 4365 (56)参考文献 特表 平3−503655(JP,A) 特表 平5−508761(JP,A) 米国特許5147678(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 27/00 - 33/18 C08J 3/00 - 3/28 C08J 7/00 - 7/18

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非−極性または僅かにのみ極性の医療器具
    用疎水性プラスチックまたはゴム基材材料を極性または
    より極性かつ親水性とし、かつ前記医療器具用基材の前
    記表面に反応性アミン−含有官能性基を結合する方法で
    あって、該方法は、 前記基材材料の前記表面を、酸素含有プラズマガスを用
    いて第1のプラズマ処理して前記基材の前記表面に、ヒ
    ドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基及びそれ
    らの混合物からなる群から選択される化学官能基を結合
    し、もって前記基材材料の前記表面を極性またはより極
    性かつ親水性とし;及び 前記基材材料の前記第1のプラズマ処理された表面を、
    気体状アンモニア、気体状有機アミン、及びそれらの組
    合せからなる群から選択される窒素含有プラズマガスを
    用いて第2のプラズマ処理して前記基材材料の前記表面
    に高度に反応性のアミン含有官能基を固定する操作を行
    うことを含んでなる方法。
  2. 【請求項2】前記非極性または僅かにのみ極性の疎水性
    プラスチックまたはゴム基材材料が、ポリエチレン、ナ
    イロン−11、ナイロン−12、天然ゴム、及び合成ゴムか
    らなる群から選択される請求の範囲1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記アミン含有官能基が、第1級アミノ
    基、第2級アミノ基及びそれらの混合物である請求の範
    囲1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記プラズマ処理が、プラズマ処理装置を
    用い、13MHz〜14MHzのラジオ周波数にて、前記プラズマ
    処理装置の電極表面積について0.1ワット/cm2〜0.5ワッ
    ト/cm2出力をもって操作される請求の範囲1項に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】前記操作の実行に先行して、前記基材材料
    の前記表面が、最初に、 i) ia)有機溶媒を用いて脱脂すること;及び ib)洗浄剤溶液にて洗浄すること からなる群から選択される操作(ia−ib)の一つを行
    い、 ii)水にて洗浄し;並びに iii)乾燥する、 ことからなる操作(i)〜(iii)を行うことにより清
    浄化される請求の範囲1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】非−極性または僅かにのみ極性の医療器具
    用疎水性プラスチックまたはゴム基材材料を極性または
    より極性かつ親水性とし、かつ前記医療器具用基材の前
    記表面に反応性アミン−含有官能性基を結合する二重プ
    ラズマ処理方法であって、該方法は、 a)前記基材材料の前記表面の、O2ガスのみ、O2ガス成
    分及びNH3ガス成分を有するO2/NH3ガス混合物、及びO2
    ガス成分及びArガス成分を有するO2/Arガス混合物から
    なる群から選択される第1のプラズマガス流を用いる第
    1のプラズマ処理;並びに b)前記基材材料の前記表面の、NH3ガスのみ、有機ア
    ミン含有ガス、及びそれらの組合せからなる群から選択
    される第2のプラズマガス流を用いる第2のプラズマ処
    理、 を含んでなる方法。
  7. 【請求項7】請求の範囲6項に記載の方法において、 a)前記第1のプラズマ処理において、 i)前記第1のプラズマガス流としてO2ガスのみが使用
    される場合に、該ガスは1.3Pa(0.01トリチェリ)〜12.
    0Pa(0.09トリチェリ)の圧力であり、かつ該ガスが10
    標準ml毎分〜100標準ml毎分の質量流速であり; ii)前記第1のプラズマガス流としてO2/NH3ガス混合物
    が使用される場合に、該ガスは前記O2ガス成分及び前記
    NH3ガス成分の両者について10.7Pa(80ミリトリチェ
    リ)〜12.0Pa(90ミリトリチェリ)の圧力であり;前記
    NH3ガス成分に対する前記O2ガス成分の比が、0.5:1〜2:
    1に維持され;かつ該ガスが、前記NH3ガス成分について
    100標準ml毎分〜200標準ml毎分の質量流速であり、かつ
    前記O2ガス成分について80標準ml毎分〜100標準ml毎分
    の質量流速であり;並びに iii)前記第1のプラズマガス流としてO2/Arガス混合物
    が使用される場合に、該ガスは前記Arガス成分について
    40.0Pa(300ミリトリチェリ)〜53.3Pa(400ミリトリチ
    ェリ)、かつ前記O2ガス成分について8.7Pa(65ミリト
    リチェリ)〜12.0Pa(90ミリトリチェリ)の圧力であ
    り;前記Arガス成分に対する前記O2ガス成分の比が、0.
    1:1〜0.5:1に維持され;かつ該ガスが、前記Arガス成分
    について550標準ml毎分〜650標準ml毎分の質量流速であ
    り、かつ前記O2ガス成分について80標準ml毎分〜100標
    準ml毎分の質量流速であり;また 第1のプラズマ処理が、1.3Pa(10ミリトリチェリ)〜
    6.7Pa(50ミリトリチェリ)の基礎圧力において、20℃
    〜60℃までの温度で0ワット〜500ワットの出力をもっ
    て30秒間〜10分間行われ;並びに b)前記第2のプラズマ処理において、 前記第2のプラズマガス流は、400標準ml毎分〜730標準
    ml毎分の質量流速であり;及び 第2のプラズマ処理が、1.3Pa(10ミリトリチェリ)〜
    4.0Pa(30ミリトリチェリ)の基礎圧力において、20℃
    〜60℃までの温度で100ワット〜300ワットの出力をもっ
    て30秒間〜5分間行われる、 請求の範囲6項に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記非極性または僅かにのみ極性の疎水性
    プラスチックまたはゴム基材材料が、ポリエチレン、ナ
    イロン−11、ナイロン−12、天然ゴム、及び合成ゴムか
    らなる群から選択される請求の範囲6項に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記第1及び第2のプラズマ処理が、13MH
    z〜14MHzのラジオ周波数にて、プラズマ処理装置の電極
    表面積について0.1ワット/cm2〜0.5ワット/cm2出力をも
    って行われる請求の範囲6項に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記有機アミン含有ガスの有機アミン
    が、第1級アミンまたは第2級アミン、またはそれらの
    混合物であり、かつ前記有機アミンが: R1NH2、 R1NHR2、及び H2N−R3−NH2 式中、R1及びR2は、1〜8個の炭素原子を有する一価の
    炭化水素基であり、R3は2〜8個の炭素原子を有する二
    価の炭化水素基である、 からなる群から選択される構造を有する請求の範囲6項
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記有機アミン含有ガスの有機アミン
    が、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジ
    エチルアミン、エチルメチルアミン、n−プロピルアミ
    ン、アリルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルア
    ミン、n−ブチルメチルアミン、n−アミルアミン、n
    −ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチレ
    ンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジア
    ミン、シクロヘキシルアミン、n−メチルシクロヘキシ
    ルアミン、エチレンイミン、及びそれらの混合物からな
    る群から選択される請求の範囲6項に記載の方法。
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