JP3358940B2 - 石炭灰の利用システム - Google Patents

石炭灰の利用システム

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    • C04B18/00Use of agglomerated or waste materials or refuse as fillers for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of agglomerated or waste materials or refuse, specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
    • C04B18/04Waste materials; Refuse
    • C04B18/06Combustion residues, e.g. purification products of smoke, fumes or exhaust gases
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は石炭焚ボイラから排
出される石炭灰の有効利用に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭灰の有効利用技術としては現在、こ
れをセメント原料,セメントへの混和あるいはコンクリ
ートへの混和が中心であり、中でもセメント原料,セメ
ントへの混和で利用するものが約80%以上と大部分で
あるが、石炭灰排出量からみればその利用率は約半分
で、残りは埋土処分されているというのが実態である。
なお、その他利用技術として土壌改良材等各種あるが、
これは大量有効利用技術として一般的ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】石炭火力は日本では主
要電源として位置づけられており、今後も伸長するもの
と考えられる。これに伴い石炭灰発生量は現在の450
万トン/年から2000年には1000万トン/年にな
ると予想されている。現状450万トンのうち約250
万トンはセメント原料,混和,を中心に利用されている
が、残りは埋土処分されている。
【0004】このままの利用率で推移すると、2000
年には有効利用量は約500万トンにしかならず、この
利用率もセメントの年間需要量および混合率の限界から
維持継続は不可能であり、その結果、将来約500万ト
ン/年の石炭灰処分地が必要である。
【0005】しかし一方では、環境保護上の観点等から
このような処分地の確保も困難な状況になりつつある。
このためこの石炭灰の増大に対し、その大量有効利用技
術の開発が望まれている。
【0006】本発明はこのようなニーズに応え、石炭灰
をコンクリートの原料、とくに骨材に利用するべく、石
炭焚ボイラから排出されるフライアッシュ等の石炭灰を
当該原料として製品化し、有効に利用し得るようにした
ものを提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するべくなされたもので、電気集塵器で捕集された石炭
焚ボイラのフライアッシュを未燃分の多い不定型フライ
アッシュと未燃分の少ない球形粒子に分級し、前記不定
型フライアッシュ中の未燃分を燃焼させてその反応熱で
フライアッシュを焼結させ、このフライアッシュの捕
集、分級、焼結と並行してボイラ内で石炭灰を捕捉して
これを乾燥・粉砕し、同粉砕された石炭灰を高温炉で溶
融させて溶融灰を生成すると共に含有する低沸点物質を
蒸発気化させ、同気化した低沸点物質を急冷凝結して非
晶質の超微粒子を生成すると共に溶融灰を水砕して非晶
質スラグを生成し、同水砕スラグを破砕して微細スラグ
とし、このようにして生成された前記球形粒子のフライ
アッシュ、前記焼結したフライアッシュ、前記非晶質の
超微粒子及び前記微細スラグをセメントの混和材または
コンクリート骨材の原料とした石炭灰の利用シィステム
を提供する。
【0008】本発明においては、フライアッシュは石炭
中に含まれる鉱物質がボイラ内の燃焼過程で溶融し、冷
却,固化した球形あるいは不定形で若干の未燃分を含
み、またボトムアッシュはボイラ内で軟化,溶融した灰
粒子が炉壁に付着・成長し、これが不定期に炉底はく
離,脱落したもので一般に塊状のもろい石炭灰であり、
かつ、同ボトムアッシュは炉底から湿式で排出されるた
め、水分を含有することに着目し、前記各ステップを採
用するに至った。
【0009】即ち、例えば回転式分級器等によりフライ
アッシュを未燃分の少い球形フライアッシュと未燃分の
多い球形あるいは不定形フライアッシュに分級し、未燃
分の多い球形あるいは不定形フライアッシュを、フライ
アッシュ中で自身の未燃分を燃焼させることにより、未
燃分を除去するとともにその反応熱によりフライアッシ
ュを焼結させてフライアッシュを塊状のものとする。
【0010】他方、竪形ミル等を用いて水分を含む塊状
のもろいボトムアッシュを乾燥させるとともに壊細と粉
砕を行い、そしてまた超高温炉等により上記微粉砕され
たボトムアッシュを例えば2200〜2500℃程度の
高温場で処理することによりアッシュ中の低沸点物質で
あるSiO2 等を蒸発気化させ、これを急冷することに
より0.1μm 以下のSiO2 系超微粒子を製造すると
共に、溶融化したフライアッシュ(スラグ)を炉底から
排出し水で急冷してスラグの非晶質化と水砕を行なわし
めるものである。
【0011】そしてこれらの過程から生成される球形粒
子のフライアッシュ,焼結したフライアッシュ,非晶質
の超微粒子,更には水砕した微細スラグ等の全てをセメ
ント混和材かまたはコンクリート骨材の原料として有効
活用可能としたものである。
【0012】また、本発明は、前記ボイラ内で捕捉する
石炭灰は、ボトムアッシュとエコアッシュに分けて捕捉
し、ボトムアッシュはこれを乾燥・粉砕する系統へ、エ
コアッシュは此れを不定型フライアッシュの系統へ送っ
て処理するようにした石炭灰の利用システムを提供する
ものである。
【0013】即ち、石炭焚きボイラから電気集塵器へ流
れずにボイラ内で軟化,溶融し,炉壁等を経て炉底に集
まるボトムアッシュと、エコノマイザ中にフライアッシ
ュ状に残留するエアアッシュを別系統とし、前者は竪形
ミル等による乾燥・粉砕の系統へ、また、後者は不定型
フライアッシュと共に自燃する系統へと導いて、それぞ
れ非晶質の超微粒子又は水砕した微細スラグ若しくは焼
結フライアッシュ等としてセメント混和材、又はコンク
リート骨材の原料として活用可能としたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1
に基づいて説明する。
【0015】1は石炭焚きボイラ,2は電気集塵器で、
併せて通常の石炭焚ボイラ設備を構成している。3は回
転式分級機,4は軽量骨材製造設備,5は竪形ミル,6
は超高温炉,7はバグフィルタ,8は超微粉細ミルを示
す。
【0016】ボイラ1から燃焼し排ガスに同伴,排出さ
れた石炭灰および未燃分は電気集塵器2でフライアッシ
ュとして捕集される。このフライアッシュは数パーセン
トの未燃分を含み且つ球形不定形粒子が混在しているた
め、一般にフライアッシュの有効利用法であるセメント
原料あるいはコンクリートへの混和にはセメント,コン
クリートの性能の面から量的に制限がある。
【0017】このためこの未燃分の低減と球形,不定形
粒子の分級を目的に回転式分級機3を設置し、この回転
式分級機3によりフライアッシュは未燃分の少い且つ球
形の良質フライアッシュと、未燃分を多く含み且つ不定
形球の不良フライアッシュに分級される。良質フライア
ッシュは未燃分が少なく、形状が均質なためセメント原
料あるいはコンクリートの細骨材(砂)の代替原料とし
て制限なく利用できるものである。
【0018】一方,不良フライアッシュは、軽量骨材製
造設備4で軽量骨材化される。即ち、同軽量骨材製造設
備4では不良フライアッシュ自身が含む未燃分を酸化反
応させ、その反応熱により鉱物質であるフライアッシュ
粒子同士を焼結させ、粉状であったフライアッシュを未
燃分のない塊状の軽量骨材とするものである。
【0019】上記系統とは別にこれと並行して進行する
他の系統において、ボイラ内で捕捉された石炭灰は炉底
およびエコノマイザホッパ下部から一般に塊状(ボトム
アッシュあるいはクリンカーと呼ぶ)で排出される。
【0020】そしてこの塊状の石炭灰を竪形ミル5で壊
細,粉砕して粉状とし、これを燃料(石炭)と酸化剤
(酸素富化空気あるいは酸素)の反応により達せられる
2200〜2500℃の超高温度場へ供給し、石炭灰中
の低沸点物質であるSiO2 を選択的に気化させ、この
気化ガスを含む排ガスを急冷することにより、SiO2
ガスを凝結させ非晶質のSiO2 の超微粒子(ネオフュ
ームと呼ぶ)を生成させる。
【0021】一方、石炭灰中のAl2 3 を主体とした
溶融スラグは炉底より排出,水チャンバで急冷固化合せ
て非晶質の水砕スラグ化し、更に超微粉砕ミルにより1
〜3μm ,平均2〜3μm の微細スラグ(ネオスラグと
呼ぶ)を生成する。
【0022】このネオフューム,ネオスラグはコンクリ
ートの強度等の性能改善,あるいは流動性などの施工性
改善の良質混和材として利用されて有益なものである。
【0023】なお超高温炉6で使用される燃料の排ガス
顕熱は図1の二点破線で示すようボイラへ導入され熱回
収される。
【0024】次に本発明の第2の実施の形態を図2に基
づいて説明する。
【0025】なお、前記第1の実施の形態と同一の部分
に対しては図中同一の符号を付して示し、重複する説明
は省略する。
【0026】本実施の形態では、ボイラ1内で捕捉排出
される石炭灰のうち、エコノマイザホッパから排出され
る石炭灰(エコアッシュと称する)を前記第1実施の形
態のもののように竪形ミルに導くのではなく、これを軽
量骨材製造装置4へ導入し、回転式分級器3からの不良
フライアッシュと共に焼結処理するようにしたものであ
る。
【0027】本実施の形態ではこれにより軽量骨材の製
造量が増加し、コンクリート構成材量の割合変化があっ
てもそれに追従して対処しうるものである。
【0028】なお、要求されるコンクリートの性能次第
では、混和材としての製造ルートを休止し軽量骨材製造
ルートを強化する等の調整及びフライアッシュの分級割
合の調整変更等も可能であり、要は石炭灰を経済的に全
量有効利用しるように適宜調整すればよいものである。
【0029】以上、本発明を図示の実施の形態について
説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、
本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて
よいことはいうまでもない。
【0030】
【発明の効果】以上本発明によれば、石炭焚ボイラから
排出される石炭灰を、球形粒子の良質フライアッシュ,
焼結フライアッシュ,非晶質の超微粒子及び微細スラグ
というように形態を仕分けし、セメントの混和材または
コンクリート骨材の原料として前記石炭灰を全て有効に
活用可能とし、廃棄,埋土等の必要もなく資源の有効活
用で経済的にも有益なものである。
【0031】また、請求項2の発明によれば、ボイラ炉
内の石炭灰のうち、エコノマイザで捕捉できるエコアッ
シュの処理ルートに変化を加え、セメント混和材又はコ
ンクリート骨材の原料の生成割合を調整変更できるもの
でありニーズ変化に追従対処しうる応用の巾を持たせた
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシステム構成
図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るシステム構成
図。
【符号の説明】
1 石炭焚ボイラ 2 電気集塵器 3 回転式分級機 4 軽量骨材製造設備 5 竪形ミル 6 超高温炉 7 バグフィルタ 8 超微粉砕ミル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 18/10 C04B 22/06 A 22/06 B09B 3/00 303L (56)参考文献 特開 平4−74743(JP,A) 特開 昭63−50354(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 7/00 - 28/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気集塵器で捕集された石炭焚ボイラの
    フライアッシュを未燃分の多い不定型フライアッシュと
    未燃分の少ない球形粒子に分級し、前記不定型フライア
    ッシュ中の未燃分を燃焼させてその反応熱でフライアッ
    シュを焼結させ、このフライアッシュの捕集、分級、焼
    結と並行してボイラ内で石炭灰を捕捉してこれを乾燥・
    粉砕し、同粉砕された石炭灰を高温炉で溶融させて溶融
    灰を生成すると共に含有する低沸点物質を蒸発気化さ
    せ、同気化した低沸点物質を急冷凝結して非晶質の超微
    粒子を生成すると共に溶融灰を水砕して非晶質スラグを
    生成し、同水砕スラグを破砕して微細スラグとし、この
    ようにして生成された前記球形粒子のフライアッシュ、
    前記焼結したフライアッシュ、前記非晶質の超微粒子及
    び前記微細スラグをセメントの混和材またはコンクリー
    ト骨材の原料としたことを特徴とする石炭灰の利用シス
    テム。
  2. 【請求項2】 前記ボイラ内で捕捉する石炭灰は、ボト
    ムアッシュとエコアッシュに分けて捕捉し、ボトムアッ
    シュはこれを乾燥・粉砕する系統へ、エコアッシュはこ
    れを不定型フライアッシュの系統へ送って処理するよう
    にしたことを特徴とする請求項1に記載の石炭灰の利用
    システム。
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