JP3358859B2 - 電動式ダイアル錠付き金庫 - Google Patents

電動式ダイアル錠付き金庫

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JP3358859B2
JP3358859B2 JP00686294A JP686294A JP3358859B2 JP 3358859 B2 JP3358859 B2 JP 3358859B2 JP 00686294 A JP00686294 A JP 00686294A JP 686294 A JP686294 A JP 686294A JP 3358859 B2 JP3358859 B2 JP 3358859B2
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正行 前田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイアル錠を備えた金
庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金庫の扉をロックするための錠として
は、一般に、手動で操作するダイアル錠とシリンダ錠、
及び扉の表面に設けたキーを操作して解錠する電子錠と
に大別される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このうちダイアル錠
は、ダイアルを設定された番号通りに回転させることに
よって解錠するもので、解錠のシステムが複雑であるた
め、キーで解錠するシリンダ錠に比べて解錠しにくく、
また、施錠に際してはダイアルを回転させるだけで良い
から施錠が簡単であり、更に、一々キーを所持していな
くても番号を覚えていれば良いので、複数人が使用する
場合に便利であると言う利点を有する。
【0004】しかしその反面、ダイアルを回転操作する
に際しては番号を間違わないようにゆっくりと回転させ
るため、解錠に時間がかかるばかりか、解錠操作するに
際して番号を盗み見られることがあり、一旦番号を盗み
見られると錠としての機能を果たすことができないと言
う欠点がある。
【0005】他方、電子錠は、例えば実開平3−898
57号公報に記載されているように、一般に電磁ソレノ
イドを利用しており、扉の表面に設けたキーを押して入
力した暗唱番号が予め設定された番号通りであると電磁
ソレノイドに通電して、電磁ソレノイドの可動鉄心が後
退又は突出してロック解除されるようにしている。
【0006】この電子錠は、一々キーを所持することな
く解錠できるので、ダイアル錠と同様に複数人で使用す
る場合に便利であり、また、暗唱番号は他人に盗み見ら
れる時間がないように素早く押すことができるので防盗
性が高いと言う利点を有するが、電磁ソレノイドによっ
て解錠するものであって、通常の手動式の金庫との部品
の互換性が低いため、手動解錠式金庫と電子錠式金庫と
を製造する場合、部品の管理に手間がかかると言う問題
があった。
【0007】本発明は、これらの問題を解消することを
目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】求項1の発明では、金
庫は、前面を開口した金庫本体と、この金庫本体の開口
部に開閉自在に取り付けた扉と、前記扉をロックするた
めに当該扉に設けたダイアル錠と、前記ダイアル錠のダ
イアルを回転操作するために扉に設けたモータと、前記
モータの回転を制御するためのモータ制御部と、前記モ
ータが駆動されてダイアル錠が解錠するようにモータ制
御部に無線により信号を送信するためのリモートコント
ロール装置とを備えており、前記リモートコントロール
装置には入力用のキーを設けている一方、前記扉には、
前記リモートコントロール装置からの信号を受信するア
ンテナを、扉の外側に露出しないように設けている。
【0009】求項2の発明では、請求項1において、
前記リモートコントロール装置に数字キーを設け、ダイ
アル錠の解錠番号通りに数字キーを押してモータを回転
させるように設定する構成にした。
【0010】求項の発明では、請求項1において、
予め設定された暗号通りにキーが押されると暗号がダイ
アルの回転に変換されてモータが回転するように設定し
ており、請求項の発明では、請求項1〜請求項3のう
ちの何れかにおいて、前記ダイアル錠におけるダイアル
を扉の内側に設けている。
【0011】更にまた請求項の発明では、請求項1〜
請求項」において、前記ダイアル錠のダイアルを、手
動でも回転し得るよう扉の外側に設ける構成にした。
【0012】
【発明の作用・効果】各請求項の発明とも、手動操作式
の金庫に使用するダイアル錠をそのまま使用することが
可能になるから、キーの入力によって電気的に解錠する
金庫でありながら、手動操作式金庫に使用するダイアル
錠をそのまま使用することが可能となって、手動解錠式
金庫と電気的解錠式金庫を製造する際して部品の管理に
要する手間を軽減できる。また、ダイアル錠のダイアル
をモータで回転させるものであるから、ダイアル錠を設
けた金庫でありながら、解錠を迅速に行うことができ
る。
【0013】また、無線のリモートコントロール装置に
より、他人に見られない場所で解錠操作をすることがで
きるので、防盗性を向上することができる。
【0014】請求項の構成にすると、予め設定された
番号通りにダイアルを回転させるものであるため、モー
タの駆動回路を簡単にすることができ、また、請求項
のようにダイアルを手動でも回転させる得るようにした
場合、同じ番号を覚えていれば良いので番号忘れを防止
又は低減できる利点がある。
【0015】請求項の構成にすると、短縮された暗唱
番号等を入力するだけで解錠することができるので、ダ
イアル錠を使用した金庫でありながら解錠操作をより素
早く行うことができる利点がある。
【0016】請求項のようにダイアル錠のダイアルを
金庫の内側に設けると、手動でダイアル錠を解錠するこ
とはできないので防盗性をより向上することができるこ
とに加えて、金庫の前面をすっきりさせてデザインの自
由性を向上することができる利点がある。
【0017】他方、請求項のように手動でもダイアル
錠を操作できるように構成すると、暗唱番号を忘れた場
合や電池が切れた場合、或いは故障した場合でも解錠す
ることができる利点を有する。このようにダイアル錠の
ダイアルが扉の外側に位置していても、ダイアルはモー
タによって高速で回転させることができるから、ダイア
ルの番号が盗み見られる虞を低減できる。
【0018】請求項のようにダイアル錠のダイアルを
扉の外側に設けた場合、請求項の構成にすると、ダイ
アルの回転を盗み見て番号の通りに回転させてもダイア
ル錠を解錠することはできないから、ダイアルを扉の外
側に露出させたことによって防盗性が低下することをよ
り確実に防止できる利点がある。
【0019】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図8は請求項1〜3,5に対応した第1実
施例であり、図1は斜視図、図2は扉の裏面図、図3は
図2の要部拡大図、図4は図3のIV−IV視断面図、図5
は図3の V-V視断面図、図6は回路部の概略を示すブロ
ック図、図7はリモートコントロール装置のブロック
図、図8は作動手段を示すブロック図である。
【0020】金庫1は、前面を開口した本体2と、その
開口部に蝶番にて水平回動自在に枢着した扉3と、解錠
操作手段の一例としての無線式リモートコントロール装
置4とを備えている。
【0021】前記扉3には、当該扉3の外側から回動操
作し得るハンドル5が装着されており、前記ハンドル5
の軸5aのうち扉3の裏側の部位に十字状の連動体6を
固着し、この連動体6の各先端に、本体2の係合部(図
示せず)に係脱する3本のロック杆7,8,9と、扉3
の回動軸に向けて水平状に延びる水平連動杆10とを枢
着している。
【0022】前記各ロック杆7,8,9のうち扉3の下
面に向けて延びるロック杆9に、横向きに開口した係合
溝11が切り欠き形成されている一方、扉3の裏面に
は、前記係合溝11に係脱する閂杆12を設けたシリン
ダ錠13が取付けられている。シリンダ錠13の鍵穴は
扉3の表面に開口している。
【0023】前記水平連動杆10の下端縁には係止片1
4が折り曲げ形成されている一方、扉3の裏面のうち水
平連動杆10の下方の部位には、前記係止片14に係脱
する閂杆15を備えたダイアル錠16を固着している。
ダイアル錠16には複数枚の円板17が内蔵されてお
り、これらの円板17を、ダイアル18付きのロッド1
9によって設定された番号通りに回転させると、各円板
17の外周縁に形成した切り欠きが一致して解錠され
る。ダイアル錠16のダイアル18が扉3の外側に露出
していない。
【0024】扉3の裏面には、ダイアル錠16を跨ぐよ
うにして取付け板20を固着し、この取付け板20に、
モータ21を、その回転軸を前記ダイアル錠16のロッ
ド19と共通化した状態で取付けている。従って、モー
タ21を回転駆動するとダイアル18(ロッド19)を
回転操作し得る。モータ21は、例えばエンコーダを内
蔵したステップモータ(パルスモータ)等の直流モータ
が好適であるが、ダイアル18を正確に回転できれば他
の形式でも良い。
【0025】扉3のうちダイアル錠18の側方には回路
部22を設けている。図では、この回路部22の側方
に、前記リモートコントロール装置4からの電波を受信
するための受信アンテナ23を、扉3の表面に露出する
ようにして設けているが、本発明では、受信アンテナ2
3は扉3から露出しない状態で設ける。例えばシリンダ
錠13等の金庫の構成部材を受信アンテナに兼用しても
良い。ダイアル錠18等はカバー24で覆われている。
【0026】前記回路部22は、図6に示すように、受
信アンテナ23からの電波を処理する受信部と、解錠方
法等の機能を設定する機能設定部と、ダイアル錠18の
番号等を記憶したメモリーと、電池からの電源を受ける
電源部と、施錠忘れを防止するために解錠から一定時間
経過したら自動的にロックすること等に使用する万年レ
ンダー時計と、前記モータ21の駆動を制御するための
モータ制御部と、これらの各部位からの信号を受けて演
算する制御部とで構成されている。
【0027】前記電池は、図1に示すように扉3に形成
した電池収納部25に収納している(電池は扉3の裏面
に収納しても良いし、また、電源としては電池でなく室
内のコンセントから給電しても良い)。
【0028】前記リモートコントロール装置4は、図7
に示すように、数字等のキー26を設けたキー部27
と、電源部と、メモリーと、送信アンテナ付きの送信部
と、入力された信号を処理する制御部とを備えている。
キー部27のうちCLはクリアーキーであり、OPは発
信キーである。
【0029】以上の構成において、金庫1のロックを解
除するには、図8に示すように、リモートコントロール
装置4のキー26を、例えば21,37,66(回転方
向は右、左、右のように交互に設定されている)と言う
ように、設定された番号通りに押し、次いで、OPキー
を押す。すると、入力した番号の通りにダイアル16が
回転し、番号が正しい場合にはダイアル錠16が解錠さ
れるから、シリンダ錠13を解錠することによって扉3
を開けることができる。入力した番号が誤りの場合には
ダイアル錠16は解錠しない。
【0030】この場合、複数回(例えば3回)番号間違
いがあると予め設定された時間だけ解錠できなくなる入
力禁止機能を設けても良く、このようにすると、繰り返
しキー入力して正しい番号を知られてしまうことを防止
できるため、防盗性を向上できる利点がある。
【0031】図9に示すのは請求項に対応した第2実
施例であり、この実施例では、リモートコントロール装
置4に暗唱番号を入力して、暗唱番号が予め設定された
番号と合致した場合に、暗唱番号をダイアル16の回転
番号に変換して、モータ21を予め設定された通りに回
転させて解錠するものである。
【0032】図8の解錠方法と図9の解錠方法とは、1
つの金庫1にいずれかの解錠方法のみを採用しても良い
し、例えばリモートコントロール装置4のキーを操作す
る等して、1つの金庫1で両方の解錠方法を選択できる
ようにしても良い。
【0033】また、1台のリモートコントロール装置4
で複数台の金庫1を解錠操作できるようにしても良く、
このようにすると多数台の金庫がある場合に便利であ
る。
【0034】上記の実施例は、防盗性を向上するためダ
イアル錠16とシリンダ錠13とを併用した場合であっ
たが、高い防盗性を必要としない場合には、図10〜図
11に第3実施例として示すように、ダイアル錠16の
みでロックするようにしても良い。
【0035】この第3実施例では、扉3の裏面に上下方
向に延びる揺動杆29を設け、この揺動杆29の下端を
扉3に枢着する一方、揺動杆29の上端に、本体2に係
脱するロック杆30を連結し、揺動杆29の上下中途部
を、ダイアル錠16における横向きの閂杆15に枢着す
ることにより、ダイアル錠16の解施錠操作にてロック
杆30を本体2に係脱させるようにしている。
【0036】図12〜図13に示すのは、ダイアル錠1
6のダイアル18を扉3の外側に露出させて、手動でも
解錠し得るようにしたもので、請求項6〜7に対応した
第4実施例である。この実施例においてダイアル18の
番号(目盛り)はカバー31で覆われており、カバー3
1の上端に切り欠き形成した覗き窓32からダイアル1
8の番号を見ることにより、他人に番号を盗み見られる
ことを防止するようにしている。
【0037】図14に示す第5実施例では、扉3の前面
に解錠操作手段の一例としての入力部33を設け、該入
力部33に設けたキー34を予め設定された番号通りに
押すことによって解錠するものである。また、図15に
示す第6実施例は、解錠操作手段として有線によるリモ
ートコントロール装置35を設けたもので、このように
すると、特定の人しか解錠できないようにする場合に好
適である。
【0038】図16に示すのは、ダイアル18の回転手
段の別例である第7実施例でり、この実施例では、ダイ
アル18に固着したギア36と、モータ21の回転軸2
1aに固着したギア37とを噛合させ、ダイアル18を
間接的に回転させるようにしている。
【0039】ダイアル錠16のダイアル18を回転させ
る手段(正確には、ダイアル錠16のロッド19を回転
させる手段)としては図示の実施例には限らず、例え
ば、モータ21をダイアル錠16に組み込むなどしても
良いのである。
【0040】図17に示すのは、リモートコントロール
装置4に表示部38を設けて、入力した番号が正しいこ
とを確認してからOPキーを押すことによって送信する
ようにした第8実施例である。このように構成すると、
正当に利用できる人であるにも拘わらず誤った番号を繰
り返し押して解錠できなくなってしまうことを防止でき
る利点がある。
【0041】解錠操作手段としてリモートコントロール
装置4を使用する場合は、その形態は自由に選択するこ
とができ、例えば図18(a)に示すようにカード型に
したり、同図(b)に示すように名札と併用したり、或
いは、キーホルダー型にするなどしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る金庫の斜視図である。
【図2】図1の扉の裏面図である。
【図3】図2の要部拡大図である。
【図4】図3のIV−IV視断面図である。
【図5】図3のV−V視断面図である。
【図6】回路部の概略を示すブロック図である。
【図7】リモートコントロール装置のブロック図であ
る。
【図8】作動手段を示すブロック図である。
【図9】他の作動手段である第2実施例のブロック図で
ある。
【図10】第3実施例の金庫の斜視図である。
【図11】図10のXI−XI視図である。
【図12】第4実施例を示す図で、(a)は全体の斜視
図、(b)は(a)のb−b視図である。
【図13】図12のXIII−XIII視断面図である。
【図14】第5実施例の要部斜視図である。
【図15】第6実施例の斜視図である。
【図16】第7実施例を示す図である。
【図17】第8実施例に係るリモートコントロール装置
の図である。
【図18】リモートコントロール装置の他の形態を示す
図である。
【符号の説明】
1 金庫 2 本体 3 扉 4 リモートコントロール装置 16 ダイアル錠 18 ダイアル 19 ロッド 21 モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05G 1/04 E05B 37/08 E05B 49/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】前面を開口した金庫本体と、この金庫本体
    の開口部に開閉自在に取り付けた扉と、前記扉をロック
    するために当該扉に設けたダイアル錠と、前記ダイアル
    錠のダイアルを回転操作するために扉に設けたモータ
    と、前記モータの回転を制御するためのモータ制御部
    と、前記モータが駆動されてダイアル錠が解錠するよう
    にモータ制御部に無線により信号を送信するためのリモ
    ートコントロール装置とを備えており、 前記リモートコントロール装置には入力用のキーを設け
    ている一方、 前記扉には、前記リモートコントロール装置からの信号
    を受信するアンテナを、扉の外側に露出しないように設
    けている、 電動式ダイアル錠付き金庫。
  2. 【請求項2】前記リモートコントロール装置には数字キ
    ーを設けており、ダイアル錠の解錠番号通りに数字キー
    を押すことによってモータを回転させるように設定して
    いる、 請求項1に 記載した電動式ダイアル錠付き金庫。
  3. 【請求項3】前記リモートコントロール装置にキーを設
    け、予め設定された暗号通りにキーが押されると暗号が
    ダイアルの回転に変換されてモータを回転するように設
    定している、 請求項1に記載した電動式ダイアル錠付き金庫。
  4. 【請求項4】前記ダイアル錠のダイアルを扉の内側に設
    けている、 請求項1〜請求項3のうちの何れかに記載した 電動式ダ
    イアル錠付き金庫。
  5. 【請求項5】前記ダイアル錠のダイアルを、手動でも回
    転操作し得るように扉の外側に設け ている、 請求項1〜請求項の何れかに記載した電動式ダイアル
    錠付き金庫。
  6. 【請求項6】前記リモートコントロール装置からの信号
    によってダイアルを正しく回転させるに先立って、ダイ
    アルを正しくない番号にランダムに回転させるように設
    定している、 請求項に記載した電動式ダイアル錠付き金庫。
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