JP3358680B2 - Ni−Ti系合金の線材製造方法 - Google Patents
Ni−Ti系合金の線材製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Ni−Ti系合金線材
の長尺化に係り、特に、相変態温度を変化させることな
く、高強度に接合することの可能な製造方法に関するも
のである。
の長尺化に係り、特に、相変態温度を変化させることな
く、高強度に接合することの可能な製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、コストダウンが推進され、素材単
重の大型化が進められている。しかし、従来、Ni−T
i系合金は難加工材であり、特に、熱間加工時の加工温
度の影響を大きく受けるため、温度コントロールが難し
く、コイル単重の大型化が難しかった。又、金属間化合
物であるNi−Ti系合金の接合は難しく、異種金属と
の溶接等は課題が多く、一般には、機械的接合であるね
じ接合、あるいは、かしめ接合が行われてきた。
重の大型化が進められている。しかし、従来、Ni−T
i系合金は難加工材であり、特に、熱間加工時の加工温
度の影響を大きく受けるため、温度コントロールが難し
く、コイル単重の大型化が難しかった。又、金属間化合
物であるNi−Ti系合金の接合は難しく、異種金属と
の溶接等は課題が多く、一般には、機械的接合であるね
じ接合、あるいは、かしめ接合が行われてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題
は、現状設備の改造を行うことなく、難加工材のNi−
Ti系合金線材を圧着溶接により接合し、長尺化するこ
とによって生産性を向上することにあり、又、その接合
部における相変態温度、および接合強度が母材のNi−
Ti系合金と何ら変わりのない接合線材を製造する方法
を提供することである。
は、現状設備の改造を行うことなく、難加工材のNi−
Ti系合金線材を圧着溶接により接合し、長尺化するこ
とによって生産性を向上することにあり、又、その接合
部における相変態温度、および接合強度が母材のNi−
Ti系合金と何ら変わりのない接合線材を製造する方法
を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、Ni−
Ti系合金の熱間加工後の線材を適切な熱処理、冷間加
工を繰り返し、接合を予定するφ1mm〜φ10mmの
線径に仕上げる。最終仕上げ時には、減面率5%〜40
%の加工を施し、アルゴンガスまたは窒素ガス等の不活
性ガス雰囲気中において、圧着応力100kg/mm2
以上150kg/mm2未満、接合温度700℃〜80
0℃で圧着接合することにより、その接合部における相
変態温度、および接合強度が母材のNi−Ti系合金と
何ら変わりのない接合線材を供給することができる。
Ti系合金の熱間加工後の線材を適切な熱処理、冷間加
工を繰り返し、接合を予定するφ1mm〜φ10mmの
線径に仕上げる。最終仕上げ時には、減面率5%〜40
%の加工を施し、アルゴンガスまたは窒素ガス等の不活
性ガス雰囲気中において、圧着応力100kg/mm2
以上150kg/mm2未満、接合温度700℃〜80
0℃で圧着接合することにより、その接合部における相
変態温度、および接合強度が母材のNi−Ti系合金と
何ら変わりのない接合線材を供給することができる。
【0005】
【作用】本発明では、Ni−Ti系合金を圧着接合する
前に行われる減面率5%〜40%の冷間加工による組織
の加工硬化で、圧着接合時、接合部近傍の脆性破砕を防
ぎ、かつ不活性ガス雰囲気中で圧着接合することによ
り、カーボン、酸素等の不純物の取り込みを押えて、相
変態温度の変化を押さえることができる。つまり、接合
により素材単重を大型化することができ、相変態温度、
接合強度においても、母材と変わりのない接合部を確保
しうるので、長尺化による生産性の向上が可能となる。
前に行われる減面率5%〜40%の冷間加工による組織
の加工硬化で、圧着接合時、接合部近傍の脆性破砕を防
ぎ、かつ不活性ガス雰囲気中で圧着接合することによ
り、カーボン、酸素等の不純物の取り込みを押えて、相
変態温度の変化を押さえることができる。つまり、接合
により素材単重を大型化することができ、相変態温度、
接合強度においても、母材と変わりのない接合部を確保
しうるので、長尺化による生産性の向上が可能となる。
【0006】
【実施例】本発明による実施例について、図面を参照し
て説明する。
て説明する。
【0007】図1は、本発明によるNi−Ti系合金線
材の概略の製造工程を示した図である。点線より前の工
程は、従来法と同じである。従来の方法で加工されたN
iが50.5at%のNi−Ti合金線材を、接合を予
定するφ1mm〜φ10mmの線径に仕上げる時に、減
面率5%〜40%の冷間加工を施し、接合部を加工硬化
させ、このNi−Ti系合金の端部をファインカッター
等の湿式切断機で、熱による軟化を防ぎながら面出し
し、圧着時に圧着応力の部分集中が生ずるのを防ぐ。こ
れら面出しした二つの素材をアルゴンガスまたは窒素ガ
ス等の不活性ガス雰囲気中において、各々溶融温度以
下、即ち溶体化温度近傍である700℃〜800℃に急
加熱後、100kg/mm2以上150kg/mm2未満
の圧着応力により接合する。
材の概略の製造工程を示した図である。点線より前の工
程は、従来法と同じである。従来の方法で加工されたN
iが50.5at%のNi−Ti合金線材を、接合を予
定するφ1mm〜φ10mmの線径に仕上げる時に、減
面率5%〜40%の冷間加工を施し、接合部を加工硬化
させ、このNi−Ti系合金の端部をファインカッター
等の湿式切断機で、熱による軟化を防ぎながら面出し
し、圧着時に圧着応力の部分集中が生ずるのを防ぐ。こ
れら面出しした二つの素材をアルゴンガスまたは窒素ガ
ス等の不活性ガス雰囲気中において、各々溶融温度以
下、即ち溶体化温度近傍である700℃〜800℃に急
加熱後、100kg/mm2以上150kg/mm2未満
の圧着応力により接合する。
【0008】表1に、圧着溶接時の圧着応力と、圧着接
合後、減面率10%で引抜加工を行った場合の引抜加工
性との関係について示したが、100kg/mm2未満
では、引抜加工時、接合部において破断が発生し、15
0kg/mm2以上では、圧着応力が大き過ぎ、接合部
近傍が破壊され、溶接できない。
合後、減面率10%で引抜加工を行った場合の引抜加工
性との関係について示したが、100kg/mm2未満
では、引抜加工時、接合部において破断が発生し、15
0kg/mm2以上では、圧着応力が大き過ぎ、接合部
近傍が破壊され、溶接できない。
【0009】
【表1】
【0010】表2は、接合前のNi−Ti系合金の冷間
加工時の減面率と、接合後の引抜性との関係について示
したが、減面率5%以下では、接合部において破断が生
じ、減面率40%以上では、加工硬化が激しく、冷間加
工(引抜加工)そのものが困難であった。
加工時の減面率と、接合後の引抜性との関係について示
したが、減面率5%以下では、接合部において破断が生
じ、減面率40%以上では、加工硬化が激しく、冷間加
工(引抜加工)そのものが困難であった。
【0011】
【表2】
【0012】表3は、接合前のNi−Ti系合金の相変
態温度、およびアルゴンガス中、窒素ガス中、および大
気中の雰囲気で接合した場合の相変態温度について示し
たが、大気中で接合した場合の相変態温度は、接合前の
Ni−Ti系合金の相変態温度と比べ、下がったが、ア
ルゴンガスおよび窒素ガス雰囲気中で接合した場合は、
相変態温度の変化は殆ど認められない。
態温度、およびアルゴンガス中、窒素ガス中、および大
気中の雰囲気で接合した場合の相変態温度について示し
たが、大気中で接合した場合の相変態温度は、接合前の
Ni−Ti系合金の相変態温度と比べ、下がったが、ア
ルゴンガスおよび窒素ガス雰囲気中で接合した場合は、
相変態温度の変化は殆ど認められない。
【0013】
【表3】
【0014】ここで、相変態温度の名称については、マ
ルテンサイト相変態開始温度(Ms点)、マルテンサイ
ト相変態終了温度(Mf点)、オーステナイト相変態開
始温度(As点)およびオーステナイト相変態終了温度
(Af点)とする。
ルテンサイト相変態開始温度(Ms点)、マルテンサイ
ト相変態終了温度(Mf点)、オーステナイト相変態開
始温度(As点)およびオーステナイト相変態終了温度
(Af点)とする。
【0015】図2は、表3と同一試料について接合部と
接合部を挟んだ両側の非接合部分にまたがってスキャン
した場合のNi,Tiの線分析結果を示す。縦軸は、N
i,Tiそれぞれの含有量を相対強度で示している。図
2から、接合部と非接合部との間に、Ni,Tiの成分
変化は殆ど認められない。
接合部を挟んだ両側の非接合部分にまたがってスキャン
した場合のNi,Tiの線分析結果を示す。縦軸は、N
i,Tiそれぞれの含有量を相対強度で示している。図
2から、接合部と非接合部との間に、Ni,Tiの成分
変化は殆ど認められない。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるNi−
Ti系合金の線材製造方法を用いれば、新たな設備導入
をすることなく、難加工材であるNi−Ti系合金を圧
着接合により線材の長尺化が可能となり、アルゴンガ
ス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことによ
り、相変態温度、および接合強度においても、母材のN
i−Ti系合金と何ら変わりのない接合材を製造提供す
ることができる。
Ti系合金の線材製造方法を用いれば、新たな設備導入
をすることなく、難加工材であるNi−Ti系合金を圧
着接合により線材の長尺化が可能となり、アルゴンガ
ス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で行うことによ
り、相変態温度、および接合強度においても、母材のN
i−Ti系合金と何ら変わりのない接合材を製造提供す
ることができる。
【0017】なお、本発明が適用されるTi−Ni系合
金は、Niが50.0〜51.0at%のTi−Ni合金
の他に、Ti−Ni系合金に第三元素(X)を添加した
Ti−Ni−X合金についても、適用可能である。
金は、Niが50.0〜51.0at%のTi−Ni合金
の他に、Ti−Ni系合金に第三元素(X)を添加した
Ti−Ni−X合金についても、適用可能である。
【図1】本発明の実施例によるNi−Ti系合金線材の
概略の工程図。
概略の工程図。
【図2】本発明の実施例による接合部、非接合部にまた
がったNi,Tiについての線方向の組成分布を示した
図。
がったNi,Tiについての線方向の組成分布を示した
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 19/03 C22C 19/03 Z C22F 1/10 C22F 1/10 G // B23K 101:32 B23K 101:32 C22K 1:00 C22K 1:00
Claims (5)
- 【請求項1】 溶解、熱間圧延、冷間加工を経て作製さ
れた線材を、不活性ガス雰囲気中において、溶融温度以
下で圧着接合することを特徴とするNi−Ti系合金の
線材製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の製造方法において、圧着
接合する前の工程の冷間加工時の減面率が5%〜40%
であることを特徴とするNi−Ti系合金の線材製造方
法。 - 【請求項3】 請求項1記載の製造方法において、圧着
接合する際の圧着応力は100kg/mm2以上150
kg/mm2未満であることを特徴とするNi−Ti系
合金の線材製造方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の製造方法において、圧着
接合する際の不活性ガス雰囲気が窒素ガスまたはアルゴ
ンガス雰囲気であることを特徴とするNi−Ti系合金
の線材製造方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の製造方法において、圧着
接合する際の接合部の接合温度は700℃〜800℃で
あることを特徴とするNi−Ti系合金の線材製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13648894A JP3358680B2 (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | Ni−Ti系合金の線材製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13648894A JP3358680B2 (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | Ni−Ti系合金の線材製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07314158A JPH07314158A (ja) | 1995-12-05 |
JP3358680B2 true JP3358680B2 (ja) | 2002-12-24 |
Family
ID=15176322
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13648894A Expired - Fee Related JP3358680B2 (ja) | 1994-05-25 | 1994-05-25 | Ni−Ti系合金の線材製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3358680B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108788437A (zh) * | 2018-06-08 | 2018-11-13 | 哈尔滨工程大学 | 异种镍钛基形状记忆合金扩散焊连接方法 |
-
1994
- 1994-05-25 JP JP13648894A patent/JP3358680B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07314158A (ja) | 1995-12-05 |
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Legal Events
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