JP3356901B2 - グアナミン類、その製造方法、誘導体及び用途 - Google Patents

グアナミン類、その製造方法、誘導体及び用途

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JP3356901B2 JP32543494A JP32543494A JP3356901B2 JP 3356901 B2 JP3356901 B2 JP 3356901B2 JP 32543494 A JP32543494 A JP 32543494A JP 32543494 A JP32543494 A JP 32543494A JP 3356901 B2 JP3356901 B2 JP 3356901B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重合性モノマー、塗料
用樹脂、接着剤用樹脂、紙加工用樹脂、繊維加工用樹
脂、粉体塗料用樹脂、建築材料、成形材料、発泡成形材
料等の樹脂原料、グアナミン化合物誘導体の原料、エポ
キシ樹脂、ウレタン樹脂等の硬化剤、有機材料等の改質
剤、安定剤、難燃化剤、相溶化剤、医薬、農薬等として
有用である新規なグアナミン類とその製造方法、各種樹
脂の硬化剤、樹脂原料中間体等として有用な上記グアナ
ミン類の誘導体並びに上記グアナミン類、その誘導体の
用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、塗料用樹脂、接着剤用
樹脂、紙加工用樹脂、繊維加工用樹脂、皮革処理剤、成
形用樹脂等の樹脂原料、各種樹脂の硬化剤、有機材料の
改質剤等として、硬度が高く光沢がよいこと、無色透明
で耐薬品性、耐水性が大きいこと、耐摩耗性、電気的性
質が優れていること等の優れた点を有することから、ア
ミノトリアジン基を有するメラミン、ベンゾグアナミ
ン、シクロヘキサンカルボグアナミン、ノルボルナンカ
ルボグアナミン、シクロヘキセンカルボグアナミン、ノ
ルボルネンカルボグアナミン等の化合物が広く用いられ
てきた。更に、これらの化合物とホルムアルデヒド及び
所望によりアルコールと反応させることにより得られる
樹脂組成物も知られている。
【0003】しかしながら、メラミンを用いて得られる
樹脂は、光沢、耐水性、耐薬品性等の特性に優れ、熱硬
化性樹脂として広く使用されるが、樹脂組成物の保存安
定性が劣る、高い架橋密度のため得られる硬化物が硬く
て脆い、耐クラック性が劣る等の欠陥を有している。ま
た、ベンゾグアナミンを用いて得られる樹脂は、可撓
性、耐クラック性等の物性が改良されるが、太陽光等の
紫外線等により黄変し、耐候性が劣る、水溶性樹脂組成
物等を得るとき樹脂相溶性、保存安定性等に著しい制約
がある等の欠陥を有している。シクロヘキサンカルボグ
アナミン、ノルボルナンカルボグアナミン等を用いて得
られる樹脂は、可撓性、耐クラック性、耐候性等の物性
が改良され、その樹脂組成物の保存安定性も良くなる
が、樹脂との相溶性、混和性が未だ不十分であり制約が
大きい等の欠陥を有している。更に、シクロヘキセンカ
ルボグアナミン、ノルボルネンカルボグアナミン等を用
いて得られる樹脂も知られ、可撓性、耐クラック性の物
性が改良されるが、得られる硬化物の耐熱性、機械的強
度等が劣る等の欠陥を有している。上記した如く、これ
らの化合物を樹脂原料、樹脂改質剤等として使用するに
あたり、著しい制約があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる化
合物における上記欠陥に鑑みて鋭意検討した結果、アミ
ノトリアジン基以外の特定の官能基を有し樹脂の改質、
樹脂混和性、相溶性に優れている、かかる特定の官能基
を用い優れた誘導体を創出することができる、メチロー
ル化物の水希釈性、樹脂組成物の保存安定性に優れてい
る、得られる樹脂の可撓性、耐クラック性、耐熱性、強
靭性等の物性に優れている等、参考までに上記した化合
物とは構造、特性を著しく異にする新規なグアナミン類
を見出した。
【0005】更に、かかるグアナミン類の製造にあた
り、副生物が著しく少なく高純度で所期目的化合物が得
られ、精製分離工程等製造が簡便であり、且つ安価に入
手できるジカルボニトリル類を用いて、所期目的化合物
が高収率で得られる優れた製造方法を見出して本発明に
到達した。
【0006】又、かかる有用なグアナミン類を用いて得
られる誘導体として、ホルムアルデヒドと反応させるこ
とにより得られるN−メチロール化グアナミン、そのN
−メチロール化物とアルコールとを反応させて得られる
エーテル化グアナミン、それらの反応生成物を作出し、
各種樹脂の硬化剤、塗料用樹脂等の樹脂原料等として有
用であるこれらの誘導体を含有してなる熱硬化性組成
物、塗料用樹脂、粉体塗料用樹脂、接着剤用樹脂等とし
て有用である上記のグアナミン類とエポキシ基含有樹脂
とを含有してなる熱硬化性樹脂組成物をも見出して本発
明に到達した。
【0007】上記したグアナミン類は、ゴム改質剤、光
学材料、レジスト材料、電気絶縁材料、自動車用塗料、
家電用塗料、防汚性塗料、蛍光塗料、建築材料用樹脂、
粉体塗料、水系塗料、油系塗料、紙加工用樹脂、繊維加
工用樹脂、接着剤用樹脂、IC封止剤用樹脂、耐食性樹
脂、高分子改質剤、樹脂相溶化剤、有機材料の安定化
剤、難燃化剤、硬化剤、鎖伸長剤、皮革処理剤、プラス
チックマグネット、ラテックス用酸化防止剤、電子写真
感光体、界面活性剤、農薬、医薬等として優れた重合
体、化合物、組成物を提供することができる極めて有用
な化合物である。
【0008】すなわち、本発明は、(イ) 式(1)(化
5)
【化5】 〔式中、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン
−2−イル)基の結合位置は、5−又は6−位を示
す〕、又は式(2)(化6)
【化6】 〔式中、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン
−2−イル)基の結合位置は、2−、3−又は4−位を
示す〕で表わされるグアナミン類、
【0009】(ロ) 式(3)(化7)
【化7】 (式中、シアノ基の結合位置は、2,5−又は2,6−
位を示す)、又は式(4)(化8)
【化8】 (式中、シアノ基の結合位置は、1,2−、1,3−又
は1,4−位を示す)で表わされるジカルボニトリル類
とジシアンジアミドとを塩基性触媒存在下にて反応せし
めることを特徴とするグアナミン類の製造方法、
【0010】(ハ) 塩基性触媒が、アルカリ金属、アルカ
リ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ
金属アルコラート、ジシアンジアミドのアルカリ金属
塩、ジシアンジアミドのアルカリ土類金属塩、アミン類
およびアンモニアからなる群より選ばれる少なくとも1
種であることを特徴とする上記(ロ) 項記載のグアナミン
類の製造方法、(ニ) 反応を、非水プロトン溶媒からなる
群より選ばれる少なくとも1種を反応溶媒として用いて
行うことを特徴とする上記(ロ) 項記載のグアナミン類の
製造方法、(ホ) 反応を、温度60〜200℃の範囲で行
うことを特徴とする上記(ロ) 項記載のグアナミン類の製
造方法、
【0011】(ヘ) 上記(イ) 項記載のグアナミン類と
ルムアルデヒドを反応させることにより得られるN−メ
チロール化グアナミン、(ト) 上記(ヘ) 項記載のN−メ
チロール化グアナミンと炭素数1〜20個を有するアル
コールの中から選ばれる少なくとも1種とを反応させる
ことにより得られる少なくとも1個の R1OCH2 基( R1
は前記のアルコールより水酸基を除いた残基を示す)を
有するエーテル化グアナミン、(チ) 上記(イ) 項記載の
グアナミン類と、場合によりメラミン、尿素、アルキル
尿素、チオ尿素、アルキルチオ尿素、アニリン、ベンゾ
グアナミン、シクロヘキシルカルボグアナミン、CTU
グアナミン、アジポグアナミンの群から選択された1種
または2種以上の化合物とともに、ホルムアルデヒドを
反応させることにより得られる平均メチロール度が1よ
り大きく且つ少なくとも1個のメチロール基を有する
−メチロール化グアナミン反応生成物、(リ)上記(イ)
項記載のグアナミン類と、場合によりメラミン、尿素、
アルキル尿素、チオ尿素、アルキルチオ尿素、アニリ
ン、ベンゾグアナミン、シクロヘキシルカルボグアナミ
ン、CTUグアナミン、アジポグアナミンの群から選択
された1種または2種以上の化合物とともに、ホルムア
ルデヒドを反応させ、次いで炭素数1〜20個を有する
アルコールの中から選ばれる少なくとも1種とを反応さ
せ、場合により同時に反応させることにより得られる平
均メチロール度が1より大きく且つ少なくとも1個の R
1OCH2 基( R1 は上記と同じ意味を示す)を有するエー
テル化グアナミン反応生成物、(ヌ) 上記(ヘ) 項記載の
N−メチロール化グアナミン、上記(ト) 項記載のエー
テル化グアナミン、上記(チ) 項記載のN−メチロール
化グアナミン反応生成物および上記(リ) 項記載のエー
テル化グアナミン反応生成物からなる群より選ばれる少
なくとも1種を必須成分として含有することを特徴とす
る熱硬化性組成物、(ル) 上記(ヌ) 項記載の成分と反応
し硬化可能な樹脂を含有してなることを特徴とする上記
(ヌ) 項記載の熱硬化性組成物、(ヲ) 上記(ル) 項記載
の熱硬化性組成物を含有してなる塗料樹脂組成物、(ワ)
上記(イ) 項記載のグアナミン類とエポキシ基含有樹脂
を含有してなることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物、
(カ) 上記(ワ) 項記載の熱硬化性樹脂組成物を含有して
なる塗料樹脂組成物、(ヨ) 粉体塗料樹脂組成物である
上記(カ) 項記載の塗料樹脂組成物、(タ) 上記(ワ) 項
記載の熱硬化性樹脂組成物を含有してなる接着剤樹脂組
成物である。
【0012】本発明に係わるグアナミン類〔式(1)〕
において、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジ
ン−2−イル)基の結合位置は、5−又は6−位である
が、かかる基の立体配置は、エンド−エンド形、エンド
−エキソ形又はエキソ−エキソ形であり、いずれも有用
な化合物である。更には、かかるグアナミン類〔式
(1)〕は、上記した結合位置、立体配置の異性体から
なる群から選ばれる化合物であるが、かかる群から選ば
れる異なる化合物の集合体においても、単一化合物の場
合と同様に産業上極めて有用なものである。
【0013】かかるグアナミン類〔式(1)〕の具体例
としては、5−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリ
アジン−2−イル)−2−ビシクロ[2.2.1]ヘプ
タンカルボニトリル(エンド−エキソ形)、5−(4,
6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−
2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンカルボニトリル
(エンド−エンド形)、6−(4,6−ジアミノ−1,
3,5−トリアジン−2−イル)−2−ビシクロ[2.
2.1]ヘプタンカルボニトリル(エンド−エキソ
形)、6−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジ
ン−2−イル)−2−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン
カルボニトリル(エキソ−エキソ形)等が挙げられる
が、これらの化合物に限定されるものではない。
【0014】又、本発明に係わるグアナミン類〔式
(2)〕において、(4,6−ジアミノ−1,3,5−
トリアジン−2−イル)基の結合位置は、2−、3−又
は4−位であるが、かかる基の立体配置は、トランス形
又はシス形であり、いずれも有用な化合物である。更に
は、かかるグアナミン類〔式(2)〕は、上記した結合
位置、立体配置の異性体からなる群から選ばれる化合物
であるが、かかる群から選ばれる異なる化合物の集合体
においても、単一化合物の場合と同様に産業上極めて有
用なものである。
【0015】かかるグアナミン類〔式(2)〕の具体例
としては、2−(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリ
アジン−2−イル)−1−シクロヘキサンカルボニトリ
ル(シス形)、2−(4,6−ジアミノ−1,3,5−
トリアジン−2−イル)−1−シクロヘキサンカルボニ
トリル(トランス形)、3−(4,6−ジアミノ−1,
3,5−トリアジン−2−イル)−1−シクロヘキサン
カルボニトリル(トランス形)、4−(4,6−ジアミ
ノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1−シクロ
ヘキサンカルボニトリル(トランス形)、4−(4,6
−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1
−シクロヘキサンカルボニトリル(シス形)等が挙げら
れるが、これらの化合物に限定されるものではない。
【0016】本発明に係わるグアナミン類は、式(3)
(化9)
【化9】 (式中、シアノ基の結合位置は、2,5−又は2,6−
位を示す)、又は 式(4)(化10)
【化10】 (式中、シアノ基の結合位置は、1,2−、1,3−又
は1,4−位を示す)で表わされるジカルボニトリル類
とジシアンジアミドとを塩基性触媒存在下にて反応せし
める方法、ジカルボニトリル類に相当するモノカルボン
酸のエステル類とビグアニド類とを必要により塩基性化
合物の存在下にて反応せしめる方法等により得ることが
できる。前者の方法は、原料の入手が容易であり取扱い
が簡易であること、副生物が著しく少なく高純度で所期
目的化合物が得られ、精製分離工程等製造が簡便であ
り、原料ロスが著しく少なく、且つ所期目的化合物を高
収率で得ることができること等の点から、技術的、経済
的に優れ、極めて実用性にとむものである。尚、かかる
グアナミン類の製造方法はこれらの方法に限定されるも
のではない。
【0017】本発明に係わるグアナミン類の製造方法に
おけるジカルボニトリル類〔式(3)〕は、シアノ基の
結合位置が2,5−又は2,6−位であるが、かかる基
の立体配置はエンド−エンド形、エンド−エキソ形又は
エキソ−エキソ形でありいずれも有用である。又、かか
るジカルボニトリル類〔式(3)〕は、上記した結合位
置、立体配置の異性体からなる群より選ばれる化合物で
あるが、かかる群より選ばれる異なる化合物の集合体に
おいても、単一化合物の場合と同様に有用である。
【0018】上記したジカルボニトリル類〔式(3)〕
は、例えば、米国特許第 2666748号等に開示されている
如く、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−
カルボニトリルとシアン化水素とをCO2(CO)8、Fe(C
O)5 、Ni[P(OC6H5)3]4等の特定の触媒存在下にて反応せ
しめる方法、米国特許第 3143570号等に開示されている
5−(および/又は6−)シアノ−ビシクロ[2.2.
1]ヘプタ−2−カルバルデヒドとヒドロキシルアミン
類とを反応せしめる方法、2,5−(および/又は2,
6)ジクロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンとシア
ノ化アルカリ金属塩、シアノ化アルカリ土類金属塩等の
シアノ化剤とを反応せしめる方法等により得ることがで
きるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0019】かかるジカルボニトリル類〔式(3)〕の
具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−
2,5−ジカルボニトリル(エンド−エキソ形)、ビシ
クロ[2.2.1]ヘプタン−2,5−ジカルボニトリ
ル(エンド−エンド形)、ビシクロ[2.2.1]ヘプ
タン−2,6−ジカルボニトリル(エンド−エキソ
形)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,6−ジカ
ルボニトリル(エキソ−エキソ形)等が挙げられるが、
これらの化合物に限定されるものではない。
【0020】本発明に係わるグアナミン類の製造方法に
おけるジカルボニトリル類〔式(4)〕は、シアノ基の
結合位置が1,2−、1,3−又は1,4−位である
が、かかる基の立体配置はトランス形又はシス形であり
いずれも有用な化合物である。又、かかるジカルボニト
リル類〔式(4)〕は、上記した結合位置、立体配置の
異性体からなる群より選ばれる化合物であるが、かかる
群より選ばれる異なる化合物の集合体においても、単一
化合物の場合と同様に有用である。
【0021】上記したジカルボニトリル類〔式(4)〕
は、例えば、米国特許第 3496217号等に開示されている
如く、4−シアノ−シクロヘキセンとシアン化水素とを
Ni[P(OC6H5)3]4等の触媒存在下にて反応せしめる方法、
3−(および/又は4−)シアノ−シクロヘキサンカル
バルデヒドとヒドロキシルアミン類とを反応せしめる方
法、上記したジカルボニトリル類〔式(4)〕に相当す
るジハロゲン化シクロヘキサンとシアノ化アルカリ金属
塩、シアノ化アルカリ土類金属塩等のシアノ化剤とを反
応せしめる方法、上記したジカルボニトリル類〔式
(4)〕に相当するジカルボン酸あるいはそれらのジア
ンモニウム塩、ジアミド、ジエステル誘導体とアンモニ
アとをアルミナ触媒あるいは塩化チオニル等の脱水剤を
用いて反応せしめる方法、1−シアノ−シクロヘキセン
とシアン化水素とを苛性ソーダ等のアルカリ存在下にて
反応せしめる方法等により得ることができるが、これら
の方法に限定されるものではない。
【0022】かかるジカルボニトリル類〔式(4)〕の
具体例としては、1,2−シクロヘキサンジカルボニト
リル(トランス形)、1,3−シクロヘキサンジカルボ
ニトリル(トランス形)、1,3−シクロヘキサンジカ
ルボニトリル(シス形)、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボニトリル(トランス形)、1,4−シクロヘキサン
ジカルボニトリル(シス形)等が挙げられるが、これら
の化合物に限定されるものではない。
【0023】又、本発明に係わるグアナミン類の製造方
法において、かかるジカルボニトリル類とジシアンジア
ミドとの反応モル比は、必要により適宜選定することが
できる。かかるジカルボニトリル類とジシアンジアミド
との反応モル比は、化学量論的には1:1であるが、ジ
カルボニトリル類に対してジシアンジアミドのモル比を
過少量に用いると、本発明に係わるグアナミン類の収率
は良好であるが、収得量が著しく低くなり生産効率が悪
くなる、また大過剰量を用いると、ジグアナミン類の生
成量が増加しやすく精製分離工程等が煩雑になる、未反
応ジシアンジアミド等の除去、分離等が煩雑になる等の
為、技術的、経済的にも好ましくない。本発明に係わる
グアナミン類の収率を良好にし、精製分離工程等製造を
簡便に行う為、ジカルボニトリル類に対してジシアンジ
アミドのモル比を、通常ジカルボニトリル類1モルに対
してジシアンジアミド0.3 〜1.5 モルの割合、好ましく
は0.5 〜1.0 モルの割合で反応を行うことが好ましい。
【0024】本発明に係わるグアナミン類の製造方法に
おける塩基性触媒としては、例えば、カリウム、ナトリ
ウム等のアルカリ金属、水酸化リチウム、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリ
ウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸バリウム等のアル
カリ金属、アルカリ土類金属の炭酸塩、カリウムエチラ
ート、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等
のアルカリ金属アルコラート、ジシアンジアミドのアル
カリ金属、アルカリ土類金属塩、1,8−ジアザビシク
ロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミ
ン、ピペリジン、エチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン、ピロリドン、テトラヒドロキノリン等のアミン
類、アンモニア等が挙げられる。特にアルカリ金属、ア
ルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アル
カリ金属アルコラート、ジシアンジアミドのアルカリ金
属塩、ジシアンジアミドのアルカリ土類金属塩、アミン
類、アンモニアが好ましく、これらを単独あるいは2種
以上を用いてもよい。又、かかる触媒の添加量は、特に
は限定されないが、製造条件、経済性の面から、ジカル
ボニトリル類に対し500 〜0.001 モル%、好ましくは30
0 〜0.1 モル%の量であり、必要により適宜選択するこ
とができる。
【0025】又、かかるグアナミン類の製造方法におい
て、反応をより円滑に行う為に各種の溶媒を反応溶媒と
して用いて行う方法が極めて有用であるが、所期目的化
合物以外の化合物の生成、反応阻害を惹起する溶媒、例
えば、脂肪酸、該酸無水物、トリフルオロ酢酸、液体二
酸化硫黄、塩化スルフリル、鉱酸、水等の溶媒は好まし
くない。
【0026】かかる反応溶媒としては、例えばメタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、iso −ブタノール、tert−ブタノ
ール、2−エチルヘキサノール、ドデシルアルコール、
アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ベンジル
アルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコー
ル、ブタンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサ
ントリオール、2−メトキシエタノール、2−エトキシ
エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブト
キシエタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロ
フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレン
グリコール、ジアセトンアルコール、2,2,2−トリ
フルオロエタノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノ
ール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、アセトフェノン等のケトン
類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル等のエステ
ル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、クラウンエーテル、ア
ニソール等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチ
ル−2−イミダゾリジノン等のカルボン酸アミド、スル
ホラン、メチルスルホラン、1,3−プロパンスルトン
等のスルホラン類、ジメチルスルホキシド等のスルホキ
シド類、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、2−エチルヘ
キシルアミン、アリルアミン、アニリン、シクロヘキシ
ルアミン、ピリジン、ピペリジン、モノエタノールアミ
ン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミン等のアミン類、アンモ
ニア等が挙げられるが、特にアルコール、アミン類、ア
ンモニア等の非水プロトン溶媒、カルボン酸アミド類、
スルホラン類、スルホキシド類等の非プロトン極性溶媒
が好ましい。更には、非水プロトン溶媒、特にn−ブタ
ノール、iso-ブタノール、アミルアルコール等アルコー
を用いる時、ジグアナミン類等の副生が著しく少な
く、本発明に関わるグアナミン類を極めて収率よく製造
することができる為、特に好ましい。尚、これらの溶媒
は単独あるいはアンモニアとアルコール、ジメチルスル
ホキシドとセロソルブ類等の混合溶媒のごとく2種以上
の混合系にて使用してもよく、必要により適宜選択する
ことができ、更に、かかる溶媒の含水率はできるかぎり
低いことが好ましく、1.0 重量%以下であることが特に
好ましい。
【0027】更に、かかる反応は、60℃以下の反応温
度では反応が著しく遅く、製造にあたり長時間を要する
ばかりでなく収率が著しく低い為好ましくない。通常6
0℃以上、好ましくは80℃以上の温度で行う時、反応
は急速に且つ円滑に進み高収率で所期目的化合物を得る
ことができる。しかし、反応温度が200 ℃付近を超える
と、副生物の生成が無視出来ない程度に急速に増加し製
品純度を著しく低下させる為200 ℃以上の反応温度は好
ましくない。従って、本発明に係わるグアナミン類の製
造方法において、かかる製造を60〜200 ℃、好ましくは
70〜150 ℃、更に好ましくは80〜120 ℃の範囲の反応温
度にて行うことが好ましい。更に、急激に高い反応温度
にすることなく 110℃以下の温和な反応条件下にて反応
を行う時、ジグアナミン類や他の副生物の生成が著しく
少なく高純度で所期目的化合物が得られ、精製分離工程
等製造をより簡便に行うことができ、且つ所期目的化合
物をより高収率で得ることができる。
【0028】又、かかる反応の系は、特には限定されな
いが、常圧下あるいは密閉容器中にて自然発生圧力下、
更には加圧下にて行うことができ、必要により適宜選択
することができる。
【0029】又、上記した反応の反応混合物から所期目
的化合物である本発明に係わるグアナミン類を得るに
は、反応液を冷却して晶析してくるグアナミン類を濾別
するのが最もよいが、反応混合をそのまま熱水中に注い
で晶析濾別してもよい。粗グアナミン類に随伴する未反
応のジシアンジアミドおよび/又はジカルボニトリル類
は、粗グアナミン類を熱水あるいはメタノールで洗浄す
ることにより簡単に分別除去することができる。使用目
的に応じて、さらに精製を要する時は、上記した反応溶
媒、例えばアルコール、セロソルブ類、カルボン酸アミ
ド類、スルホラン類、スルホキシド類等、これらの溶媒
と水との混合溶媒、水等により再結晶を行う方法、上記
した反応溶媒に溶解し、これを熱水に注いで再沈殿を行
う方法、粗グアナミン類を塩酸酸性水溶液に溶解し、こ
れをアルカリと混じてグアナミン類を再沈殿させる方法
等により行うことができる。但し、本発明に係わるグア
ナミン類の製造方法は収率が極めて良好であり、このグ
アナミン類は、単にメタノール等の各種溶媒、水、これ
らの混合溶媒等による洗浄によって実用上充分な高純度
のものが得られるから、上記の精製法は実用上必要がほ
とんどない。
【0030】本発明に係わるグアナミン類は、アルドヒ
ド類、エポキシ類、カルボン酸類、イソシアナート類等
種々の化合物との重合性に優れ、且つ各種反応性にも優
れて樹脂原料、誘導体原料として極めて有用であるが、
アルドヒド類との反応生成物、この反応生成物アルコ
ールと反応させて得られる反応生成物これらの反応生
成物を反応させて得られるグアナミン誘導体は、各種樹
脂の硬化剤、樹脂原料等として特に有用である。
【0031】かかるグアナミン誘導体としては、前記し
た誘導体 (ヘ) 上記(イ) 項記載のグアナミン類とアルデ
ヒド類とを付加反応させることにより得られる下記の式
(5)(化11)及び式(6)(化12)で表わされる
N−メチロール化グアナミン、
【化11】 〔式中、(N置換−4,6−ジアミノ−1,3,5−ト
リアジン−2−イル)基の結合位置は5−又は6−位、
2 ,R3 およびR4 はH原子、HOCH2 基の中から選ば
れる1種を示し、R2 ,R3 およびR4 は同じ種でも異
なった種でも構わない〕
【化12】 〔式中、(N置換−4,6−ジアミノ−1,3,5−ト
リアジン−2−イル)基の結合位置は2−、3−又は4
−位、R2 ,R3 およびR4 は前記の意味を示し、
2 ,R3 およびR4 は同じ種でも異なった種でも構わ
ない〕
【0032】(ト) 上記(ヘ) 項記載のN−メチロール化
グアナミンと炭素数1〜20個を有するアルコールの中
から選ばれる少なくとも1種とを反応させることにより
得られる少なくとも1個の R1OCH2 基( R1 は前記の
ルコールより水酸基を除いた残基を示す)を有する下記
の式(7)(化13)及び式(8)(化14)で表わさ
れるエーテル化グアナミン、
【化13】 〔式中、(N置換−4,6−ジアミノ−1,3,5−ト
リアジン−2−イル)基の結合位置は5−又は6−位、
R1 は前記のアルコールより水酸基を除いた残基、R5
,R6 およびR7 はH原子、HOCH2 基およびR1OCH2基
の中から選ばれる1種を示し、R5 ,R6 およびR7 は
同じ種でも異なった種でも構わない〕
【化14】 〔式中、(N置換−4,6−ジアミノ−1,3,5−ト
リアジン−2−イル)基の結合位置は2−、3−又は4
−位、R1 は前記のアルコールより水酸基を除いた残
基、R5 ,R6 およびR7 は前記の意味を示し、R5 ,
R6 およびR7 は同じ種でも異なった種でも構わない〕
【0033】(チ) 前記(イ) 項記載のグアナミン類と、
場合によりメラミン、尿素、アルキル尿素、チオ尿素、
アルキルチオ尿素、アニリン、ベンゾグアナミン、シク
ロヘキシルカルボグアナミン、CTUグアナミン、アジ
ポグアナミンの群から選択された1種または2種以上の
化合物とともにホルムアルデヒドを反応させることによ
り得られる平均メチロール度が1より大きく且つ少なく
とも1個のメチロール基を有するN−メチロール化グア
ナミン反応生成物、
【0034】(リ) 前記(イ) 項記載のグアナミン類と、
場合によりメラミン、尿素、アルキル尿素、チオ尿素、
アルキルチオ尿素、アニリン、ベンゾグアナミン、シク
ロヘキシルカルボグアナミン、CTUグアナミン、アジ
ポグアナミンの群から選択された1種または2種以上の
化合物とともに、ホルムアルデヒドを反応させ、次いで
炭素数1〜20個を有するアルコールの中から選ばれる
少なくとも1種とを反応させ、場合により同時に反応さ
せることにより得られる平均メチロール度が1より大き
く且つ少なくとも1個の R1OCH2 基( R1 は前記と同じ
意味を示す)を有するエーテル化グアナミン反応生成物
等が挙げられる。
【0035】これらの誘導体の製造に用いられる上記
ルムアルデヒドとしては、例えばパラホルム、ヘキサメ
チレンテトラミン、メチルヘミホルマール、ブチルヘミ
ホルマール、ホルムアルデヒド重亜硫酸ソーダ付加物、
グリオキザール等が挙げられ、好ましくはホルムアルデ
ヒド、ホルマリン、パラホルム、ヘキサメチレンテトラ
ミン、メチルヘミホルマール、ブチルヘミホルマールで
あるが、これらに限定されるものではない。
【0036】又、これらの誘導体の製造において反応
せるのに用いられる上記アルコールとしては、炭素数1
〜20個を有する飽和又は不飽和脂肪族アルコール、脂
環族アルコール、エーテル基を有するアルコール、芳香
族基を有するアルコール等が有用であり、例えばメチル
アルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコー
ル、iso −プロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、iso −ブチルアルコール、tert−ブチルアルコー
ル、n−ヘキシルアルコール、sec −ヘプチルアルコー
ル、2−エチルヘキシルアルコール、n−ノニルアルコ
ール、n−ヘキサデシルアルコール、n−オクタデシル
アルコール、n−エイコシルアルコール、シクロヘキシ
ルアルコール、シクロヘキセニルアルコール、4−メチ
ルヘキシルアルコール、4−ヘキシルシクロヘキシルア
ルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリ
コールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ベンジルアルコール等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0037】これらの誘導体の製造において、本願のグ
アナミンと共存させてもよい化合物としては、、メラミ
ン、尿素、アルキル尿素、チオ尿素、アルキルチオ尿
素、アニリン、ベンゾグアナミン、シクロヘキシルカル
ボグアナミン、 CTUグアナミン、アジポグアナミン等の
グアナミン類等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0038】上記したN−メチロール化グアナミンは、
例えば溶媒中、必要により塩基性化合物の存在下で、pH
8.0〜13.0、好ましくはpH 8.5〜11.5、反応温度30℃以
上、好ましくは40〜80℃の条件下にて行う時、反応は急
速に且つ円滑に進み、上記の少なくとも1個のHOCH2 基
を有する誘導体を得ることができるが、更に、高度にメ
チロール化されたN−メチロール化グアナミンを得る場
合には、水、アルコールの量を低減させて行うと高純度
で且つ収率よく得ることができるが、過度に低減を行う
と撹拌効果の低下、反応温度の不均一化等を招き、円滑
な反応を阻害する為好ましくなく、かかる反応を円滑に
行わしめる為、水と実質的に不溶であり反応を阻害しな
い溶媒、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、
クメン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、
ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素、ジイソプロピ
ルエーテル等の脂肪族エーテル等の存在下に行う方法、
アミン類、例えばヘキサメチレンテトラミン、ピペラジ
ン、ピペリジン等の脂肪族アミン、トリエチルアミン、
ジエチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン等の
脂肪族アミン、ピリジン、アニリン等の芳香族アミン、
アンモニア等の助剤を、ホルムアルデヒドに対し0.01〜
10モル%添加して行う方法等が有用であるが、場合によ
り適宜選択することができ、これらの方法に限定される
ものではない。
【0039】上記したエーテル化グアナミンは、例え
ば、上記で得られたN−メチロール化グアナミンをpH2
〜4の酸性条件下に40〜80℃の温度で、反応を行わしめ
る上記したアルコール存在下にて1〜8時間反応させる
ことにより得ることができるが、特に反応系中の水分量
をできるかぎり低減させ、反応仕込モル比をN−メチロ
ール化グアナミン1モルに対し上記したアルコールを1
0モル以上にて行うことが好ましい。
【0040】又、上記したN−メチロール化グアナミン
反応生成物は、例えば上記したホルムアルデヒドととも
にpH 8.0以下あるいはpH13.0以上の条件下に40〜100℃
の温度にて反応を行わしめることにより得ることができ
る。更に、上記したエーテル化グアナミン反応生成物
は、例えば上記で得られたN−メチロール化グアナミン
又はN−メチロール化グアナミン反応生成物をpH 1.0〜
5.0の酸性条件下に50〜 120℃の温度にて反応を行わし
める上記したアルコール存在下にて反応あるいは反応
反応を同時に行わしめることにより得ることができる
が、これらの方法に限定されるものではない。
【0041】上記したN−メチロール化グアナミン、エ
ーテル化グアナミン、N−メチロール化グアナミン反応
生成物エーテル化グアナミン反応生成物は、各種の官
能基を有する化合物、樹脂等との反応性に著しく優れ、
各種樹脂の硬化剤、樹脂原料中間体等として極めて有用
であり、例えば上記(ヘ),(ト),(チ),(リ)記
載の誘導体から成る群より選ばれる少なくとも1種を必
須成分として含有することを特徴とする熱硬化性組成物
を提供することができ、これらの誘導体のみを硬化成分
として有する場合においても、接着剤、繊維、例えばポ
リエステル繊維、アクリル繊維等の合成繊維、木綿、羊
毛等の天然繊維等の防皺加工剤、防汚加工剤等の優れた
表面改質剤、紙加工剤、皮革処理剤等の熱硬化性組成物
として有用であるが、更には、これらのグアナミン誘導
体と、水酸基、カルボキシル基、イソシアナート基、エ
ポキシ基等を有するものとを反応せしめて優れた性能を
有する樹脂等を提供することができ、アクリル樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アミノ
アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ビニー
ル樹脂等の各種重合体とともに鎖伸長剤、架橋剤、硬化
剤、変性剤、改質剤等として極めて有用な熱硬化性組成
物を提供することができ、接着剤用樹脂、塗料用樹脂、
建築材料用樹脂等の広い用途に有用である。特に、上記
したN−メチロール化グアナミン、エーテル化グアナミ
ン、N−メチロール化グアナミン反応生成物およびエー
テル化グアナミン反応生成物からなる群より選ばれる少
なくとも1種とこれと反応し硬化可能な樹脂を含有して
なることを特徴とする熱硬化性組成物は、水系塗料用樹
脂、油系塗料用樹脂等の塗料用樹脂として有用なもので
ある。
【0042】上記したこれらと反応し硬化可能な樹脂と
しては、上記した誘導体と反応し硬化する官能基を有す
る樹脂であれば有用であるが、例えば水酸基、カルボキ
シル基、エポキシ基、メチロールアミド基、アルコキシ
メチロールアミド基、イソシアナート基の少なくとも1
種を含有する樹脂が有用であり、アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、フェノー
ル・アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリ
コーン樹脂、これらの変性樹脂等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0043】本発明に係わるグアナミン類は、上記した
グアナミン類の中から選ばれる少なくとも1種およびエ
ポキシ基含有樹脂を必須成分として含有することを特徴
とする熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。従
来、エポキシ基含有樹脂にアミン類を硬化剤としてなる
組成物は、比較的低温で硬化するが、硬化剤として使用
されるアミン類が化学的に活性なため、エポキシ基含有
樹脂とともに配合して貯蔵すると反応し、ポットライフ
が短くなり取扱いが難しい欠点があり、また、ジシアン
ジアミドを硬化剤として含有してなる組成物は、比較的
貯蔵安定性が良いが、この樹脂硬化物は可撓性、耐光性
等の性質が良くない欠点があり、これらは用途が著しく
制約されていたが、本発明者らは、これらの欠点に鑑み
て鋭意検討した結果、組成物の貯蔵安定性、相溶性に優
れ且つ可撓性、耐クラック性等に優れる等の硬化物特性
を有する樹脂硬化物を提供することができる上記した熱
硬化性樹脂組成物を見出した。この熱硬化性樹脂組成物
は、IC封止剤、接着剤、粉体塗料、油系塗料、電気絶
縁材料等の広範な用途に有用なものである。
【0044】本発明に係わるエポキシ基含有樹脂として
は、エポキシ基を1個以上有する樹脂であれば広く用い
ることができるが、通常、1分子あたり2個以上のエポ
キシ基を有するポリエポキサイドであればよく、特に制
限はないが、例えばビスフェノールAのジグリシジルエ
ーテル型エポキシ樹脂、ブタジエンエポキサイド、4,
4−ジ(1,2−エポキシエチル)ジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジ(エポキシエチル)ビフェニル、レゾ
ルシンのジグリシジルエーテル、フロログリシンのジグ
リシジルエーテル、p−アミノフェノールのトリグリシ
ジルエーテル、m−アミノフェノールのトリグリシジル
エーテル、テトラグリシジル−ビス−(アミノフェノ
ル)メタン、1,3,5−トリ(1,2−エポキシエチ
ル)ベンゼン、2,2,4,4−テトラグリシドキシベ
ンゾフェノン、テトラグリシドキシテトラフェニルエタ
ン、ノボラック型フェノールホルムアルデヒド樹脂のポ
リグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリ
グリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエー
テル、ハロゲン化ビスフェノールAのジグリシジルエー
テル型エポキシ樹脂、ハロゲン化ノボラック型フェノー
ルホルムアルデヒド樹脂のポリグリシジルエーテル、ビ
ニルシクロヘキセンジオキサイド、3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル3,4エポキシシクロヘキサンカル
ボキシレート等の環式脂肪族エポキシ樹脂、ヒダントイ
ンエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシナヌレート等の
複素環式エポキシ樹脂、グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート等のエポキシ基含有ビニル単量体
と、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フマ
ール酸エステル、マレイン酸エステル、アクリルアミド
類、メタクリルアミド類、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、スチレン類、ブタジエン類、ビニルエステ
ル類等の共重合可能なビニル単量体との重合物、これら
の変性重合物等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0045】又、本発明において、高分子型ビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が高粘度の
ため使用できないような場合、変性剤としてビスフェノ
ールA、ビスフェノールS、ブロム化ビスフェノール
A、ブロム化ビスフェノールS等、低分子型ビスフェノ
ールAグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等を用い変性
することもできる。本発明に係わるグアナミン類とエポ
キシ基含有樹脂の配合比は、場合により適宜選択するこ
とができるが、通常、エポキシ基含有樹脂1エポキシ当
量に対しグアナミン類アミノ基 0.2〜 3.0当量となる割
合であり、好ましくは 0.4〜 1.5当量の割合である。
【0046】又、本発明に係わる熱硬化性樹脂におい
て、ノボラック型フェノール樹脂、有機酸金属塩、イミ
ダゾール類等の硬化促進剤を場合により適宜選定し配合
することができるが、特にノボラック型フェノール樹脂
を用いた場合貯蔵安定性、硬化性等に優れた熱硬化性樹
脂組成物を得ることができ好ましい。このノボラック型
フェノール樹脂としては、例えばフェノール、クレゾー
ル、キシレノール、エチルフェノール、ブチルフェノー
ル、p−フェニルフェノール、ノニルフェノール、ビス
フェノールA、レゾルシノール、クロロフェノール等の
フェノール類と、ホルマリン、パラホルムアルデヒド等
のホルムアルデヒドとを用い常法により製造してえられ
るもの等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。尚、このノボラック型フェノール樹脂の配合比
は、通常、エポキシ基含有樹脂 100重量部に対し 0.1〜
20重量部の割合であるが、場合により適宜選定すること
ができる。
【0047】本発明に係わる熱硬化性樹脂組成物は、上
記したグアナミン類、エポキシ基含有樹脂、場合により
その他の成分とともに所定の配合比に選定した原料成分
をZ-Blade ミキサー、エクストルーダー、ドライボール
ミル等によって機械的に充分混合し、更には、場合によ
り熱ロール等により溶融混合を行う方法により得ること
もできるが、本発明に係わるグアナミン類が高融点を示
すため場合により流れの不均一化、硬化物の不均質を生
じることもあり、好ましくない時には、上記したグアナ
ミン類と低粘度希釈剤、相溶化剤、ノボラック型フェノ
ール樹脂等とを予め加熱溶融混合させ、次いでエポキシ
基含有樹脂を配合し加熱混合を行う方法、溶剤を用いて
溶解混合させる方法、更にはこの混合溶液により脱溶剤
を行う方法等により充分な相溶状態にある熱硬化性樹脂
組成物を得ることができるが、場合により適宜選定する
ことができ、これらの方法に制限されるものではない。
【0048】更に、本発明に係わる熱硬化性樹脂組成物
は、上記したグアナミン類、エポキシ基含有樹脂のほか
に、必要に応じて、無機質充填剤、例えばシリカ粉末、
アルミナ、三酸化アンチモン、タルク、炭酸カルシウ
ム、チタンホワイト、クレー、マイカ、ベンガラ、ガラ
ス繊維、炭素繊維等、天然ワックス類、合成ワックス
類、脂肪酸の金属塩、酸アミド、エステル類、パラフィ
ン類等の離型剤、塩素化パラフィン、ブロムトルエン、
ヘキサブロムベンゼン、三酸化アンチモン等の難燃剤、
カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、シランカップ
リング剤、可撓性付与剤、低粘度化希釈剤、各種の硬化
促進剤等を適宜添加配合することもできる。
【0049】更に、本発明に係わるグアナミン類は、カ
ルボン酸類、例えばフタル酸、アジピン酸、マレイン
酸、トリメリット酸、エチレテトラカルボン酸、シクロ
ペンタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、3,3',4,
4' −ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2',3,3' −
ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3',4,4' −ビフェ
ニルテトラカルボン酸、2,2',3,3' −ビフェニルテトラ
カルボン酸、2,2 −ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)
プロパン、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン、
2,3,6,7 −ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8 −ナ
フタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6 −ナフタレンテト
ラカルボン酸、1,2,3,4 −ベンゼンテトラカルボン酸、
2,3,6,7 −アントラセンテトラカルボン酸、1,2,7,8 −
フェナントレンテトラカルボン酸、あるいはこれらの前
駆体である部分セステル化物、酸無水物、ハロゲンアシ
ル化物等と共に反応せしめて、優れた性能を有する化合
物、ポリアミド酸、ポリイミド、ポリアミド等の樹脂を
提供することができ、また、イソシアナート類、例え
ば、1,6 −ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2,4 −
トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、ダイマー
酸からのジイソシアナート、ビス(2−イソシアナート
エチル)フマラート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジ
イソシアナート、イソホロンジイソシアナート、4,4'−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、イソプロピ
リデンビス(4−シクロヘキシルイソシアナート)、キ
シリレンジイソシアナート、m−フェニレンジイソシア
ナート、トリジンジイソシアナート、ジアニシジンジイ
ソシアナート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニルメタ
ンジイソシアナート、1,5 −ナフタレンジイソシアナー
ト、2,4 −トリレンジイソシアナート、2,6 −トリレン
ジイソシアナート等、あるいはこれらとポリオール、ア
ミン、水等との反応により得られる多価イソシアナート
等と共に反応せしめて、優れた性能を有する化合物、ポ
リウレア等の樹脂、N−置換不飽和イミド基を有する化
合物類、例えばモノフェニルマレイミド、モノフェニル
シトラコンイミド、モノフェニルイタコンイミド、2−
クロルフェニルマレイミド、2,6 −ジクロルフェニルマ
レイミド、2−メチルフェニルマレイミド、2,6 −ジメ
チルフェニルマレイミド、4−ヒドロキシフェニルマレ
イミド、N,N'−エチレンビスマレイミド、N,N'−ヘキサ
メチレンビスマレイミド、N,N'−ドデカンメチレンビス
マレイミド、N,N'−m−フェニレンビスマレイミド、N,
N'−p−フェニレンビスマレイミド、N,N'−p−フェニ
レンビスシトラコンイミド、N,N'−p−フェニレンビス
イタコンイミド、N,N'−p−フェニレン−エンドメチレ
ンテトラヒドロフタルイミド、N,N'-4,4' −ジフェニル
メタンビスマレイミド、2,2 −ビス[4-(4−マレイミド
フェノキシ)フェニル]プロパン、N,N'-4,4'−ジシク
ロヘキシルメタンビスマレイミド、N,N'−m−キシレン
ビスマレイミド、N,N'−ジフェニルシクロヘキサンビス
マレイミド、-4,4' −ビスマレイミドシンナムアニリ
ド、-4,4' −メチレン−ビス(2−イソプロピル−6−
メチル−フェニルマレイミド)、2,2 −ビス[4-(4−マ
レイミドフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン等と共に反応せしめて、優れた性能を有する樹脂等を
提供することができ、更に各種重合体、例えば、ウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂等の優れた特性を有する金属伸長
剤、架橋剤、硬化剤、高分子改質剤等として用いること
ができるが、これらに限定されるものではない。
【0050】上記した如く、本発明に係わるグアナミン
類は、種々の化合物との反応性、重合性に優れている
が、かかる重合、反応等は、溶液重合、乳化重合、懸濁
重合、塊状中具、界面重合、溶液反応、水系反応等いず
れの重合形態、反応形態でもよく、必要により適宜選択
することができる。
【0051】本発明に係わるグアナミン類は、アミノト
リアジン基以外の特定の官能基を有し樹脂の改質、樹脂
混和性、相溶性に優れていること、かかる特定の官能基
を用いて特有の誘導体を提供することができること、
ルムアルデヒド、エポキシ類、カルボン酸類、イソシア
ナート類等との反応性が著しく優れた活性アミノ基を有
し優れた誘導体を提供することができること、該化合物
のメチロール化物の水希釈性が優れ水系樹脂原料として
有用であること、更に、得られる樹脂の可撓性、耐クラ
ック性、硬度、耐熱性、強靭性等の物性が優れているこ
と等の優れた特性を有し、優れた性能を有する各種グア
ナミン誘導体、樹脂、組成物を提供することができる極
めて有用な化合物である。
【0052】又、本発明に係わるグアナミン類の製造方
法は、上記した特定の化合物を用い、反応触媒、溶媒、
反応温度、原料モル比等を適宜選定することにより、副
生物が著しく少なく、高純度で所期目的物が得られ精製
分離工程等製造が簡便であり、原料ロスが著しく少な
く、且つ安価に入手できる原料を用いて高収率にて所期
目的物を得ることができ、技術的、経済的に優れ、極め
て実用性のあるものである。
【0053】かかるグアナミン類は、ホルムアルデヒ
、エポキシ類、カルボン酸類、イソシアナート類等種
々の化合物との重合性に優れ、且つ各種反応性にも優れ
て樹脂原料、誘導体原料として極めて有用であり、例え
ホルムアルデヒドと反応させることにより得られるN
−メチロール化グアナミン、そのN−メチロール化物と
アルコールとを反応させて得られるエーテル化グアナミ
ン、それらの反応生成物等の各種樹脂の硬化剤、樹脂原
料中間体として極めて有用な誘導体、これらの誘導体を
含有してなる熱硬化性組成物、IC封止剤用樹脂、塗料
用樹脂、接着剤用樹脂等として有用である上記のグアナ
ミン類とエポキシ基含有樹脂とを含有してなる熱硬化性
樹脂組成物等を提供することができる。
【0054】本発明に係わるグアナミン類は、ゴム改質
剤、光学材料、レジスト材料、電気絶縁材料、家電用塗
料、自動車用塗料、防汚性塗料、耐食性塗料、耐候性塗
料、蛍光塗料、粉体塗料、水系塗料、油系塗料、建築材
料、IC封止剤、紙加工剤、カーテン、ソファー、壁
布、カーペット等のインテリア製品の防汚加工、繊維の
透湿防止加工、吸汗加工、SP加工、防皺加工、撥水撥
油加工等の繊維加工剤、接着剤用樹脂、有機材料の安定
化剤、難燃化剤、樹脂相溶化剤、皮革処理剤、プラスチ
ックマグネット、ラテックス用酸化防止剤、腐食防止
剤、電子写真感光体、界面活性剤、農薬、医薬等として
産業上極めて広範囲に有用なグアナミン誘導体、樹脂、
組成物を提供することができる優れた化合物である。
【0055】
【実施例】次に、本発明の参考例、実施例より詳細に説
明する。但しこれらの参考例、実施例記載は、本発明の
範囲をこれらのみに限定されるものではない。
【0056】参考例1 ジカルボニトリル類(3)の製造:撹拌機、温度計、液
導入管、冷却器を装着した 500mlフラスコに、ビシク
ロ[2.2.1] ヘプタ−5−エン−2−カルボニトリル297.
92g(2.50モル)、Ni[P(OC6H5)3]4 8.77g(6.75ミリ
モル)、ZnCl2 4.80g(35.22 ミリモル)、P(OC6H 5)3
32.27g(0.104 モル)を仕込み、窒素ガスで十分系内
を置換した後、撹拌しながら反応混合物を65℃に保っ
た。次に、氷冷した液状青酸 94.59g(3.50モル)を、
流量45〜55ml/hrにて3時間かけて反応器に供
給した後、更に1時間反応を行った。次に、窒素ガスに
て系内を置換した後、脱イオン水を加え、水層部を分離
除去して、半固形状の油状物を得た。この油状物を濾過
後減圧蒸留し、362.20g(収率99.1%)のビシクロ[2.
2.1] ヘプタン−2,5 −ジカルボニトリル及びビシクロ
[2.2.1] ヘプタン−2,6 −ジカルボニトリルの混合物
(沸点 129〜 137℃/1mmHg)を得た。該目的物の元素
分析結果を下記に示す。 元素分析 C H N 測定値: 73.9 % 6.9 % 19.2 % 計算値: 73.94 % 6.90% 19.16 %
【0057】参考例2 ビシクロ[2.2.1] ヘプタン−2,5 −ジカルボニトリルの
製造:撹拌機、温度計、還流冷却器を装着した2リット
ルフラスコに、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1] ヘプタ−
2−カルバルデヒド 179.0g(1.2 モル)、N,O −ビス
(トリフルオロアセチル)ヒドロキシルアミン 292.6g
(1.3 モル)、ピリジン 197.8g(2.5 モル)、ベンゼ
ン 600mlを仕込んだ。この混合物を徐々に加熱し還流
させながら3時間撹拌加熱した。次に、この反応混合物
に脱イオン水 500mlを加え、水層部を分離除去して油
状物を得た。この油状物を減圧蒸留し、128.0 g(収率
73%)のビシクロ[2.2.1] ヘプタン−2,5 −ジカルボニ
トリル(沸点 131〜 136℃/1mmHg)を得た。該目的物
の元素分析結果を下記に示す。 元素分析 C H N 測定値: 74.0 % 6.9 % 19.1 % 計算値: 73.94 % 6.90% 19.16 %
【0058】参考例3 ジカルボニトリル類(4)の製造:撹拌機、温度計、液
導入管、冷却器を装着した 500mlフラスコに、4−シ
アノ−シクロヘキセン 188.6g、Ni[P(OC6H5)3]4 6.0
g、ZnCl2 3.0 g、P(OC6H 5)3 23.9 gを仕込み、窒素
ガスで十分系内を置換した後、撹拌しながら反応混合物
を75℃に保った。次に、窒素希釈された42モル%濃
度の青酸ガスを177.0 ミリモル/時間の速度で反応器に
7時間供給した。次に、窒素ガスにて系内を置換した
後、反応液を冷却し分析した結果、収率64.9%のジカル
ボニトリル類(4)を得た。この反応液に水および酢酸
エチルを各々 500g加え、撹拌下、5時間放置させた
後、有機層を分離し、酢酸エチルを蒸発留去させた。次
に、減圧蒸留を行い、圧力 0.5〜 1.0mmHg、温度 120〜
130 ℃の留分として、132.0 gの1,3 −シクロヘキサン
ジカルボニトリルおよび1,4 −シクロヘキサンジカルボ
ニトリルの混合物を得た。尚、この留分を分析した結
果、1,3 −シクロヘキサンジカルボニトリル64.4%、1,
4 −シクロヘキサンジカルボニトリル35.6%の組成であ
った。該目的物の元素分析結果を下記に示す。 元素分析 C H N 測定値: 71.5 % 7.6 % 20.9 % 計算値: 71.61 % 7.51% 20.88 %
【0059】実施例1 グアナミン類(1)の製造:撹拌機、温度計、還流冷却
器を装着した2リットルフラスコに、参考例1の方法で
得られたジカルボニトリル類(3)146.2 g(1.0 モ
ル)、ジシアンジアミド75.7g(0.9 モル)、苛性カリ
8.4g、メチルセロソルブ1000mlを仕込み、徐々に加
熱した。温度が上昇してゆく反応溶液は透明になり、温
度が 105℃近くになると急激に反応が進行し、適時冷却
して内温を 105℃に制御し30分間撹拌した。更に、この
溶液を温度 105〜110 ℃で撹拌しながら1時間反応を行
った。次に、この反応混合物より脱溶剤を行った後、3
リットルの脱イオン水を注ぎ、析出した白色沈殿を濾別
し、この固形分を脱イオン水で洗浄後、減圧乾燥した。
更に、この固形分をメタノール−水系溶媒にて再結晶を
行った。得られた固形分を減圧乾燥して、5 −(4,6 −
ジアミノ−1,3,5 −トリアジン−2−イル)−2−ビシ
クロ[2.2.1] ヘプタンカルボニトリル及び6−(4,6 −
ジアミノ−1,3,5 −トリアジン−2−イル)−2−ビシ
クロ[2.2.1] ヘプタンカルボニトリルの混合物〔白色粉
末状結晶、融点 195〜 198℃(DSC測定)〕を得た。尚、
この反応混合物(処理前)を液体クロマトグラフィーで
分析した結果、上記したグアナミン類(1)の収率(モ
ル%)は95.1%(対ジシアンジアミドの仕込量)であ
り、原料及び所期目的化合物以外の化合物は 1.0重量%
(対ジシアンジアミドの仕込量)であった。該目的物の
元素分析、1H磁気共鳴吸収スペクトル分析結果を下記に
示す。又、該目的物の赤外線吸収スペクトル分析結果を
図1、質量スペクトル分析結果を図2に示す。 元素分析 C H N 測定値: 57.4 % 6.1 % 36.5 % 計算値: 57.38 % 6.13% 36.49 %1 H核磁気共鳴吸収スペクトル分析(内部標準物質:TMS
、溶媒:d6−DMSO) NH2 基にもとずく吸収 δ値 6.48ppm (シングレッ
ト) 6.53ppm (シングレット)
【0060】実施例2 5 −(4,6 −ジアミノ−1,3,5 −トリアジン−2−イ
ル)−2−ビシクロ[2.2.1] ヘプタンカルボニトリルの
製造:実施例1における参考例1の方法で得られたジカ
ルボニトリル類(3)146.2g(1.0 モル)の代わりに
参考例2の方法で得られたビシクロ[2.2.1] ヘプタン−
2,5 −ジカルボニトリル131.6 g(0.9 モル)を用いる
以外は、実施例1と同様の手順で反応を行い、反応混合
物の処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥し
て、5 −(4,6 −ジアミノ−1,3,5 −トリアジン−2−
イル)−2−ビシクロ[2.2.1] ヘプタンカルボニトリル
〔白色粉末状結晶、融点 196〜 198℃(DSC測定)〕を得
た。尚、この反応混合物(処理前)を液体クロマトグラ
フィーで分析した結果、上記したグアナミン類(1)の
収率(モル%)は96.2%(対ジシアンジアミドの仕込
量)であった。該目的物の赤外線吸収スペクトルには、
新たにトリアジン核の吸収( 822cm-1)が現われ、元素
分析の測定値は下記のとおり計算値とよく一致した。 元素分析 C H N 測定値: 57.3 % 6.2 % 36.5 % 計算値: 57.38 % 6.13% 36.49 %
【0061】実施例3 グアナミン類(2)の製造:撹拌機、温度計、還流冷却
器を装着した2リットルフラスコに、参考例3の方法で
得られたジカルボニトリル類(4)134.2 g(1.0 モ
ル)、ジシアンジアミド75.7g(0.9 モル)、苛性カリ
8.4g、メチルセロソルブ1000mlを仕込み、徐々に加
熱した。温度が上昇してゆくと反応溶液は透明になり、
温度が 105℃近くになると急激に反応が進行し、適時冷
却して内温を 105℃に制御し30分間撹拌した。更に、こ
の溶液を温度 105〜 110℃で撹拌しながら1時間反応を
行った。次に、この反応混合物より脱溶剤を行った後、
3リットルの脱イオン水を注ぎ、析出した白色沈殿を濾
別し、この固形分を脱イオン水で洗浄後、減圧乾燥し
た。更に、この固形分をメタノール−水系溶媒にて再結
晶を行った。得られた固形分を減圧乾燥して、3 −(4,
6 −ジアミノ−1,3,5 −トリアジン−2−イル)−1−
シクロヘキサンカルボニトリル及び4 −(4,6 −ジアミ
ノ−1,3,5 −トリアジン−2−イル)−1−シクロヘキ
サンカルボニトリルの混合物〔白色粉末状結晶、融点 1
93〜 197℃(DSC測定)〕を得た。尚、この反応混合物
(処理前)を液体クロマトグラフィーで分析した結果、
上記したグアナミン類(2)の収率(モル%)は94.1%
(対ジシアンジアミドの仕込量)であり、原料及び所期
目的化合物以外の化合物は 1.1重量%(対ジシアンジア
ミドの仕込量)であった。該目的物の元素分析、1H核磁
気共鳴吸収スペクトル分析、赤外線吸収スペクトル分
析、質量スペクトル分析結果を下記に示す。 元素分析 C H N 測定値: 54.9 % 6.6 % 38.5 % 計算値: 55.03 % 6.47% 38.50 %1 H核磁気共鳴吸収スペクトル分析(内部標準物質:TMS
、溶媒:d6−DMSO) NH2 基にもとずく吸収 δ値 6.52ppm (シングレッ
ト) 赤外線吸収スペクトル分析 ニトリル基にもとずく吸収 2240cm-1 トリアジン核にもとずく吸収 820cm-1 質量スペクトル分析 (m/z, M+ ) 218
【0062】実施例4 4 −(4,6 −ジアミノ−1,3,5 −トリアジン−2−イ
ル)−1−シクロヘキサンカルボニトリルの製造:実施
例3における参考例3の方法で得られたジカルボニトリ
ル類(4)134.2g( 1.0モル)の代わりに1,4 −シク
ロヘキサンジカルボニトリル120.8 g(0.9モル)を用い
る以外は、実施例3と同様の手順で反応を行い、反応混
合物の処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥し
て、4 −(4,6 −ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−
イル)−1−シクロヘキサンカルボニトリル〔白色粉末
状結晶、融点 193〜 196℃(DSC測定)〕を得た。尚、こ
の反応混合物(処理前)を液体クロマトグラフィーで分
析した結果、上記したグアナミン類(2)の収率(モル
%)は95.6%(対ジシアンジアミドの仕込量)であっ
た。該目的物の赤外線吸収スペクトルには、ニトリルの
吸収(2238cm-1)及び新たにトリアジン核の吸収( 820
cm-1)が現われ、該目的物の元素分析、1H核磁気共鳴吸
収スペクトル分析結果を下記に示す。 元素分析 C H N 測定値: 55.0 % 6.6 % 38.4 % 計算値: 55.03 % 6.47% 38.50 %1 H核磁気共鳴吸収スペクトル分析(内部標準物質:TMS
、溶媒:d6−DMSO) NH2 基にもとずく吸収 δ値 6.51ppm (シングレッ
ト)
【0063】実施例5 2 −(4,6 −ジアミノ−1,3,5 −トリアジン−2−イ
ル)−1−シクロヘキサンカルボニトリルの製造:実施
例3における参考例3の方法で得られたジカルボニトリ
ル類(4)134.2g(1.0 モル)の代わりに1,2 −シク
ロヘキサンジカルボニトリル134.2 g(1.0モル)を用
いる以外は、実施例3と同様の手順で反応を行い、反応
混合物の処理を行った。この得られた固形分を減圧乾燥
して、白色粉末状結晶の2 −(4,6−ジアミノ−1,3,5
−トリアジン−2−イル)−1−シクロヘキサンカルボ
ニトリルを得た。該目的物の赤外線吸収スペクトルに
は、ニトリル基の吸収及び新たにトリアジン核の吸収が
現われ、元素分析の測定値は下記の通り計算値とよく一
致した。 元素分析 C H N 測定値: 55.1 % 6.5 % 38.4 % 計算値: 55.03 % 6.47% 38.50 %
【0064】実施例6 グアナミン類(1)の製造:実施例1におけるジシアン
ジアミドの仕込量(モル)、反応溶媒の種類を変化させ
て、実施例1と同様の手順で反応及び処理を行った。該
目的化合物であるグアナミン類(1)の収率を表1に示
す。
【表1】 (注1)得られた反応混合物(処理前)の液体クロマトグラフィー分析結果より 算出した値を示す。
【0065】実施例7 グアナミン類(1)の製造:撹拌機、温度計、還流冷却
器を装着した2リットルフラスコに、参考例1の方法で
得られたジカルボニトリル類(3)146.2 g(1.0 モ
ル)、ジシアンジアミド92.5g(1.1 モル)、ナトリウ
ムメチラート27.0g、n-ブタノール 500mlを仕込み、
徐々に加熱した。温度が 105℃近くになると急激に反応
が進行し、適時冷却して内温を 105℃に制御し30分間撹
拌した。更に、この溶液を温度 105〜110 ℃で撹拌しな
がら1時間反応を行った。次に、実施例1と同様の手順
で反応混合物の処理を行い、5 −(4,6 −ジアミノ−1,
3,5 −トリアジン−2−イル)−2−ビシクロ[2.2.1]
ヘプタンカルボニトリル及び6 −(4,6 −ジアミノ−1,
3,5 −トリアジン−2−イル)−2−ビシクロ[2.2.1]
ヘプタンカルボニトリルの混合物を得た。尚、この反応
混合物(処理前)を液体クロマトグラフィーで分析した
結果、上記したグアナミン類(1)の収率(モル%)は
96.7%〔対ジカルボニトリル類(3)の仕込量〕であ
り、原料及び所期目的化合物以外の化合物は 0.4重量%
〔対ジカルボニトリル類(3)の仕込量〕であった。
【0066】実施例8 グアナミン類(2)の製造:実施例3におけるジシアン
ジアミドの仕込量(モル)、反応溶媒の種類を変化させ
て、実施例3と同様の手順で反応及び処理を行った。該
目的化合物であるグアナミン類(2)の収率を表2に示
す。
【表2】 (注1)得られた反応混合物(処理前)の液体クロマトグラフィー分析結果より 算出した値を示す。
【0067】実施例9 4 −(4,6 −ジアミノ−1,3,5 −トリアジン−2−イ
ル)−1−シクロヘキサンカルボニトリルの製造:撹拌
機、温度計、還流冷却器を装着した2リットルフラスコ
に1,4 −シクロヘキサンジカルボニトリル 134.2g(1.
0 モル)、ジシアンジアミド92.5g( 1.1モル)、ナト
リウムメチラート27.0g、iso-ブタノール 500mlを仕
込み、徐々に加熱した。温度が 105℃近くになると急激
に反応が進行し、適時冷却して内温を 105℃に制御し30
分間撹拌した。更に、この溶液を温度 105〜110 ℃で撹
拌しながら1時間反応を行った。次に、実施例3と同様
の手順で反応混合物の処理を行い、白色粉末状結晶の4
−(4,6 −ジアミノ−1,3,5 −トリアジン−2−イル)
−1−シクロヘキサンカルボニトリルを得た。尚、この
反応混合物(処理前)を液体クロマトグラフィーで分析
した結果、上記したグアナミン類(2)の収率(モル
%)は97.2%〔対ジカルボニトリル類(4)の仕込量〕
であり、原料及び所期目的化合物以外の化合物は 0.5重
量%〔対ジカルボニトリル類(4)の仕込量〕であっ
た。実施例1〜9に示した如く、本発明に係わるグアナ
ミン類を提供することができ、更に、特定のジカルボニ
トリル類とジシアンジアミドとを用い反応触媒、溶媒、
反応温度、原料モル比等を適宜選定して反応せしめる製
造法によると、副生物が著しく少なく高純度、精製分離
工程等製造が簡便、且つ高収率で所期目的化合物を得る
ことができ著しく優れたものであった。
【0068】実施例10 グアナミン類(1)のN−メチロール化物の製造及び該
誘導体の水希釈性試験:実施例1の方法で得られたグア
ナミン類(1)11.5g(0.05モル)に、10%苛性ソーダ
水溶液でpH 9.5に調整した37%ホルマリン64.9g(ホル
ムアルデヒド0.80モル)を加えた。この混合物を温度60
〜65℃にて30分間撹拌しながら加熱した。この反応混
合物は均一で透明な液であり、これを分析した結果、該
グアナミン類(1)1モルに対しホルムアルデヒド3.82
モルがメチロール結合したものであった。更に、この得
られたN−メチロール化物溶液に脱イオン水50gを室温
にて徐々に添加したが、この溶液は均一で透明な液であ
った。
【0069】実施例11 グアナミン類(2)のN−メチロール化物の製造及び該
誘導体の水希釈性試験:実施例3の方法で得られたグア
ナミン類(2)10.9g(0.05モル)に、10%苛性ソーダ
水溶液でpH 9.5に調整した37%ホルマリン48.7g(ホル
ムアルデヒド0.60モル)を加えた。この混合物を温度60
〜65℃にて30分間撹拌しながら加熱した。この反応混
合物は均一で透明な液であり、これを分析した結果、該
グアナミン類(2)1モルに対しホルムアルデヒド3.74
モルがメチロール結合したものであった。更に、この得
られたN−メチロール化物溶液に脱イオン水50gを室温
にて徐々に添加したが、この溶液は均一で透明な液であ
った。実施例10,11に示した如く、本発明に係わる
グアナミン類のN−メチロール化物は、水希釈性に極め
て優れ、水系塗料樹脂等の水系樹脂原料として著しく優
れたものであり、広汎な用途に極めて有用であることが
分かった。
【0070】実施例12 グアナミン類(1)のN−メチロール化物の製造:実施
例1の方法で得られたグアナミン類(1)11.5g(0.05
モル)に、80%パラホルムアルデヒド30.0g(ホルム
アルデヒド0.80モル)及び水30.0gを加えた。この混合
物を10%苛性ソーダ水溶液でpH10.0に調整した後、温度
60〜65℃にて1時間撹拌しながら加熱した。この反応混
合物は透明な液であり、これを分析した結果、該グアナ
ミン類(1)1モルに対しホルムアルデヒド3.94モルが
メチロール結合したものであった。
【0071】実施例13 グアナミン類(1)のN−メチロール化物の製造:実施
例2の方法で得られた 5 −(4,6 −ジアミノ−1,3,5
−トリアジン−2−イル)−2−ビシクロ[2.2.1] ヘプ
タンカルボニトリル11.5g(0.05モル)に、5%苛性ソ
ーダ水溶液でpH10.0に調整した37%ホルマリン24.3g
(ホルムアルデヒド0.30モル)を加えた。この混合物を
温度60〜65℃にて1時間撹拌しながら加熱した。この反
応混合物は透明な液であり、これを分析した結果、5 −
(4,6−ジアミノ−1,3,5 −トリアジン−2−イル)−
2−ビシクロ[2.2.1] ヘプタンカルボニトリル1モルに
対しホルムアルデヒド3.24モルがメチロール結合したも
のであった。
【0072】実施例14 グアナミン類(1)のN−メトキシメチル化物の製造:
実施例10の方法で得られたグアナミン類(1) 5.0g
のN−メチロール化物(該グアナミン1モルに対してホ
ルムアルデヒド3.82モル結合)の反応混合物を濃硝酸で
中和した後、減圧濃縮した。これにメタノール50mlを
添加し濃硝酸でpH 3.2に調整した後、温度40〜45℃にて
2時間加熱した。この反応混合物を10%苛性ソーダ水溶
液でpH 8.0に調整した後、減圧濃縮した。更に、得られ
た粘稠液にメタノール50mlを添加し濃硝酸でpH 2.8に
調整した後、温度40〜45℃にて2時間加熱した。この反
応混合物を10%苛性ソーダ水溶液でpH 8.0に調整した後
減圧濃縮し、更に固形物を濾過して粘稠な液を得た。こ
れを分析した結果、該グアナミン類(1)1モルに対し
N−メトキシメチル基3.71当量が結合したものであっ
た。
【0073】実施例15 グアナミン類(2)のN−メトキシメチル化物の製造:
実施例11の方法で得られたグアナミン類(2) 5.0g
のN−メチロール化物(該グアナミン1モルに対しホル
ムアルデヒド3.74モル結合)の反応混合物を、濃硝酸で
中和した後、減圧濃縮した。これにメタノール50mlを
添加し濃硝酸でpH 3.7に調整した後、温度40〜45℃にて
2時間加熱した。この反応混合物を10%苛性ソーダ水溶
液でpH 8.0に調整した後、減圧濃縮した。更に、得られ
た粘稠液にメタノール50mlを添加し濃硝酸でpH 3.0に
調整した後、温度40〜45℃にて2時間加熱した。この反
応混合物を10%苛性ソーダ水溶液でpH 8.0に調整した後
減圧濃縮し、更に固形物を濾過して粘稠な液を得た。こ
れを分析した結果、該グアナミン類(2)1モルに対し
N−メトキシメチル基3.44当量が結合したものであっ
た。
【0074】実施例14,15に示した如く、本発明に
係わるグアナミン類のN−メチロール化物は、アルコー
と温和な条件下で容易にアルキル反応を行い、非常に
優れた反応性を有するものであり、また樹脂中間体とし
て極めて有用な該化合物のN−アルコキシメチル化物を
提供するものであった。
【0075】実施例16 グアナミン類(2)のN−メチロール化反応生成物の製
造:実施例4の方法で得られたグアナミン類(2)10.9
g(0.05モル)に、37%ホルマリン13.0g(ホルムアル
デヒド0.16モル)を加え、混合撹拌しながら10%炭酸ナ
トリウム水溶液でpH 9.0に調整した。この混合物を温度
90℃にて4時間撹拌しながら反応を行うと次第に白濁し
た。更に 110℃まで加熱して未反応ホルムアルデヒド及
び水を留出させた。この得られた樹脂状物を分析した結
果、該グアナミン類(2)からなる平均メチロール度
1.4のN−メチロール化グアナミン反応生成物であっ
た。
【0076】実施例17 グアナミン類(1)のエーテル化初期縮物の製造:実施
例1の方法で得られたグアナミン類(1)11.5g(0.05
モル)に、パラホルムアルデヒド(80%品) 6.0g(ホ
ルムアルデヒド0.16モル)及びn−ブタノール50mlを
加え、混合撹拌しながら20%苛性ソーダ水溶液でpH10.5
に調整した。この混合物を温度60〜65℃にて1時間撹拌
しながら加熱した後、濃硝酸を加えてpH 3.0に調整し
た。更に、この反応混合物を還流温度条件下にて還流脱
水を行いながら3時間撹拌しながら加熱した。加熱終了
後、この反応混合物を20%苛性ソーダ水溶液でpH 8.0に
調整した後、沈殿物の濾過を行い均一で透明な溶液を得
た。この溶液から脱溶剤して得られた樹脂状物を分析し
た結果、該グアナミン類(1)からなるブチルエーテル
基を含有する平均メチロール度 1.7のエーテル化グアナ
ミン反応生成物であった。
【0077】実施例18 N−メチロール化グアナミンの硬化性試験:実施例10
の方法で得られたグアナミン類(1)のN−メチロール
化物〔該グアナミン類(1)1モルに対してホルムアル
デヒド3.82モル結合〕 5.0gをn−ブチルアルコール10
mlに溶解させ、硬化触媒としてp−トルエンスルホン
酸0.025 gを加え、亜鉛メッキ鋼板に塗布後、 140℃−
20分の条件で加熱硬化させた。この処理した塗装鋼板の
塗膜は、ハジキ、フクレ等は見られず、更に、アセトン
を含浸させた布で該塗膜表面を50回ラビングしても塗
膜の剥離は見られず、十分に硬化した優れた塗膜であっ
た。上記に示した如く、本発明に係わるグアナミン類の
N−メチロール化物は、硬化性に優れ、更に優れた塗膜
を提供できるものであった。
【0078】実施例19 N−メチロール化グアナミンを用いた水系塗料樹脂の硬
化試験:実施例11の方法で得られたグアナミン類
(2)のN−メチロール化物〔該グアナミン類(2)1
モルに対してホルムアルデヒド3.74モル結合〕 5.9gの
50量%水溶液を、アルマテックスWA 911〔三井東圧化学
(株)製、NV60%〕40. gに撹拌しながらジメチルエ
タノールアミン1.84gを徐々に添加後脱イオン水にて不
揮発分20%に調整混合し、相溶性の良好な樹脂溶液を得
た。この樹脂溶液を亜鉛メッキ鋼板に塗布後、 160℃−
20分の条件にて加熱処理した。この処理した塗装鋼板の
塗膜は、ハジキ、フクレ等は見られず、該塗膜の表面光
沢をJIS K 5400(60°鏡面反射率)に準拠し測定した結
果、光沢度94%であり、極めて優れた平滑性、光沢を有
していた。更に、該塗膜は、アセトンを含浸させた布で
塗膜表面を50回ラビングしても塗膜の剥離は見られ
ず、十分に硬化した優れた塗膜であった。
【0079】実施例20N−メチロール化グアナミン反応生成物 を用いた繊維処
理剤の防皺性試験:実施例16の方法で得られたグアナ
ミン類(2)のN−メチロール化反応生成物〔該グアナ
ミン類(2)構成単位1個に対し平均メチロール化度
1.4〕を用い、脱イオン水にて10重量%水溶液を作製
した。これに、触媒として第二リン酸アンモニウム3重
量%(該誘導体固形分に対し)を添加した。この溶液を
用い、綿布(綿60ブロード)に浸漬、パッディング処
理を行った後、この綿布を80℃−5分の条件にて前乾燥
させ、更に 140℃−5分の条件にて加熱処理した。この
処理した綿布を用い、防皺試験をJIS L 1059(モンサン
ト法)に準拠して行った結果、防皺率が84%であり、極
めて優れた防皺性を示した。上記に示した如く、本発明
に係わるN−メチロール化グアナミン反応生成物を用い
繊維に処理を行うと、繊維に対し非常に優れた防皺性等
の性能を付与することができ、該グアナミン誘導体を含
有してなる熱硬化性組成物は、繊維用処理剤として極め
て有用なものであった。
【0080】実施例18〜20に示した如く、本発明に
係わるグアナミン誘導体は、水希釈性、硬化性に優れ、
これを含有してなる熱硬化性組成物は水系塗料樹脂、接
着剤用樹脂、繊維用処理剤等の水系樹脂として著しく優
れたものであるばかりでなく、塗料樹脂等の硬化性、架
橋性にも優れ、広汎な用途に極めて有用であることが分
った。
【0081】実施例21 N−メトキシメチル化グアナミンを用いた水系塗料樹脂
の硬化試験:実施例14の方法で得られたグアナミン類
(1)のN−メトキシメチル化物〔該グアナミン類
(1)1モルに対しN−メトキシメチル基3.71当量〕
6.8gをブチルセロソルブ−水(重量比50/50)系混合
溶媒にて溶解させた50重量%溶液及びp−トルエンスル
ホン酸0.15gを、アルマテックスWA 911〔三井東圧化学
(株)製、NV60%〕40.0gに撹拌しながらジメチルエ
タノールアミン1.84gを徐々に添加後脱イオン水にて不
揮発分20%に調整混合し、相溶性の良好な樹脂溶液を得
た。この樹脂溶液を亜鉛メッキ鋼板に塗布後、 160℃−
20分の条件にて加熱処理した。この処理した塗装鋼板の
塗膜は、ハジキ、フクレ等は見られず、該塗膜の表面光
沢をJIS K 5400(60°鏡面反射率)に準拠し測定した結
果、光沢度93%であり、極めて優れた平滑性、光沢を有
していた。更に、該塗膜は、アセトンを含浸させた布で
塗膜表面を50回ラビングしても塗膜の剥離は見られ
ず、十分に硬化した優れた塗膜であった。
【0082】実施例22エーテル化グアナミン反応生成物 の硬化性試験:実施例
17の方法で得られたグアナミン類(1)の反応生成物
〔該グアナミン類(1)構成単位1個に対し平均メチロ
ール度 1.7〕 5.0gをメチルイソブチルケトン10gに溶
解させた後、これにアルマテックスP 646 〔三井東圧化
学(株)製、NV60%〕47.2gを加え混合した。この樹
脂溶液を亜鉛メッキ鋼板に塗布後、 160℃−30分の条件
で加熱硬化させた。この処理した塗装鋼板の塗膜は、ハ
ジキ、フクレ等は見られず、該塗膜の表面光沢をJIS K
5400(60°鏡面反射率)に準拠し測定した結果、光沢度
96%であり、極めて優れた平滑性、光沢を有していた。
更に、該塗膜は、アセトンを含浸させた布で塗膜表面を
50回ラビングしても塗膜の剥離は見られず、十分に硬
化した優れた塗膜であった。
【0083】実施例21,22に示した如く、本発明に
係わるグアナミンのエーテル化物、反応生成物は重合性
に優れ、更にこれらの誘導体及びこれらと反応し硬化可
能な樹脂を含有してなる熱硬化性樹脂組成物は、優れた
塗膜性能を有し、水系塗料用樹脂、油系塗料用樹脂等と
して極めて有用であることが分った。
【0084】実施例23 グアナミン類(1)によるエポキシ基含有樹脂の硬化試
験:エポキシ基含有樹脂エピコート# 828 (シェル社製
品) 100gをブチルセロソルブ100.0 gに溶解させ、こ
れを実施例1の方法で得られたグアナミン類(1)24.2
gを添加し溶解させて、相溶性の良好な樹脂溶液を得
た。この樹脂溶液を亜鉛メッキ鋼板に塗布後、 110℃で
30分間、更に 200℃にて2時間間加熱した。この加熱処
理した塗装鋼板の塗膜は、トルエンを含浸させた布で塗
膜表面を50回ラビングしても塗膜の剥離は見られず、
十分に硬化した優れた透明な塗膜であった。
【0085】実施例24 グアナミン類(2)によるエポキシ基含有樹脂の硬化試
験:実施例23における実施例1の方法で得られたグア
ナミン類(1)24.2gの代わりに、実施例3の方法で得
られたグアナミン類(2)22.9gを用いる以外は、実施
例23と同様の手順で樹脂溶液を調整し、塗膜硬化試験
を行った。この加熱処理した塗装鋼板の塗膜は、トルエ
ンを含浸させた布で塗膜表面を50回ラビングしても塗
膜の剥離は見られず、十分に硬化した優れた透明な塗膜
であった。
【0086】実施例25 熱硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性試験:エポキシ基含有
樹脂とグアナミン類とを表3に示した種類、配合量にて
配合し、各成分が十分均一になるまで予め90〜110 ℃に
加熱された2本ロールで15〜30分混練し、シート状に取
り出した。この樹脂組成物は、濁りは見られず樹脂混和
性が良好であった。これを粉砕して得られた試料を用
い、40℃に保たれた乾燥機中に放置して貯蔵安定性を判
断した。その結果を表3に示す。表3に示した如く、本
発明に係わる熱硬化性樹脂組成物は、貯蔵安定性が極め
て優れたものであることが分った。
【0087】
【表3】
【0088】実施例26 熱硬化性樹脂組成物から得られる樹脂硬化物の可撓性試
験:エポキシ基含有樹脂エピコート# 828 (シェル社製
品) 100gと実施例1の方法で得られたグアナミン類
(1)24.2gとを配合し、各成分が十分に均一になるま
で予め90〜 110℃に加熱された2本ロールで30分混練
し、シート状に取り出し粉砕した。この試料を用い 180
℃−5時間の硬化条件にて樹脂硬化物を作成した。この
樹脂硬化物を用い、可撓性の尺度としてシャルピー衝撃
値を測定した。その結果を表4に示す。尚、比較例1と
して、上記したグアナミン類の代わりに、ジシアンジア
ミドを用い、その最適配合量、硬化条件で上記と同様に
して樹脂硬化物を作成し、シャルピー衝撃値を測定し
た。
【0089】
【表4】 表4に示した如く、本発明に係わる熱硬化性樹脂組成物
から得られる樹脂硬化物は、可撓性に優れていることが
分った。
【0090】実施例27 熱硬化性樹脂組成物より得られる粉体塗料用樹脂の塗膜
試験:エポキシ基含有樹脂アルマテックスPD# 7610〔三
井東圧化学(株)製、エポキシ当量 530(固形分)〕10
0.0 gをブチルセロソルブ 200gに溶解させ、これを実
施例1の方法で得られたグアナミン類(1)14.5gを添
加し、溶解させて樹脂溶液を調整した。この樹脂溶液を
用い、これを加熱減圧して脱溶剤を行い固形状樹脂を得
た。更に、この固形状樹脂を粗粉砕機にて粗粉砕し、つ
いでアトマイザーで微粉砕した。これを 150メッシュ篩
にて篩分けし、パス品を粉体塗料用樹脂として試験に用
いた。この粉体塗料用樹脂を用いて、リン酸亜鉛化成処
理ダル鋼板に約70ミクロンの膜厚になるように静電気塗
装し、 200℃−40分の条件にて加熱処理した。この加熱
処理した塗装鋼板の塗膜は、塗膜平滑性(目視判定)が
良好であり、トルエンを含浸させた布で塗膜表面を50
回ラビングしても塗膜の剥離は見られず、十分に硬化し
た優れた透明塗膜であった。
【0091】実施例28 熱硬化性樹脂組成物の接着性試験:エポキシ基含有樹脂
エピコート# 828 (シェル社製) 100gと,実施例1の
方法で得られるグアナミン類(1)19.4gとを配合し、
各成分が十分に均一になるまで予め90〜 110℃に加熱さ
れた2本ロールで30分混練した。この混練した樹脂を用
いて鋼板を接着し、 180℃−3時間の条件にて硬化させ
た。この硬化樹脂の引張りせん断接着強度(25℃)は 1
64kg/cm2 であった。上記に示した如く、本発明に係わ
る熱硬化性樹脂組成物は、接着性に優れ、接着用樹脂等
として極めて有用であることが分った。
【0092】
【発明の効果】本発明に係わるグアナミン類は、メチロ
ール化物の水希釈性、樹脂組成物の保存安定性に優れて
いる、アミノトリアジン基以外の特定の官能基を有し樹
脂の改質、樹脂混和性、相溶性に優れている、かかる特
定の官能基を用い優れた誘導体を創出できる、更に得ら
れる樹脂の可撓性、耐クラック性、耐熱性、強靭性、硬
度等の物性に優れる等優れた性質を有する化合物、樹
脂、組成物等を提供することができ極めて広汎な用途に
有用である。更に、本発明に係わるグアナミン類の製造
方法は、特定のジカルボニトリル類とジシアンジアミド
とを特定の条件下にて反応せしめることにより、副生物
が著しく少なく高純度、精製分離工程等製造が簡便、且
つ安価に入手できるジカルボニトリル類を用いて高収率
にて所期目的化合物を得ることができる優れた方法を提
供するものである。
【0093】又、かかるグアナミン類は、ホルムアルデ
ヒド、エポキシ類、カルボン酸類、イソシアナート類等
種々の化合物との重合性に優れ、且つ各種反応性にも優
れて、樹脂原料、誘導体原料として極めて有用であり、
例えばホルムアルデヒド等との反応により得られるN−
メチロール化グアナミン、エーテル化グアナミン、それ
らの反応生成物等の各種樹脂の硬化剤、樹脂原料として
有用な誘導体、これらの誘導体を含有してなる熱硬化性
組成物、塗料用樹脂、接着剤用樹脂等として有用である
上記のグアナミン類とエポキシ基含有樹脂とを含有して
なる熱硬化性樹脂組成物等を提供することができ、産業
上極めて優れた発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1に係わる化合物の1例の赤外線吸収
スペクトル図である。
【図2】 実施例1に係わる化合物の1例の質量スペク
トル図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09J 161/26 C09J 161/26 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 251/18 B01J 23/04 B01J 31/02 102 C08L 61/26 C09D 161/26 C09J 161/26 C07B 61/00 300 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)(化1) 【化1】 〔式中、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン
    −2−イル)基の結合位置は、5−又は6−位を示
    す〕、又は式(2)(化2) 【化2】 〔式中、(4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン
    −2−イル)基の結合位置は、2−、3−又は4−位を
    示す〕で表わされるグアナミン類。
  2. 【請求項2】 式(3)(化3) 【化3】 (式中、シアノ基の結合位置は、2,5−又は2,6−
    位を示す)、又は式(4)(化4) 【化4】 (式中、シアノ基の結合位置は、1,2−、1,3−又
    は1,4−位を示す)で表わされるジカルボニトリル類
    とジシアンジアミドとを塩基性触媒存在下にて反応せし
    めることを特徴とする請求項1記載のグアナミン類の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 塩基性触媒が、アルカリ金属、アルカリ
    金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金
    属アルコラート、ジシアンジアミドのアルカリ金属塩、
    ジシアンジアミドのアルカリ土類金属塩、アミン類およ
    びアンモニアからなる群より選ばれる少なくとも1種で
    あることを特徴とする請求項2記載のグアナミン類の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 反応を、非水プロトン溶媒からなる群よ
    り選ばれる少なくとも1種を反応溶媒として用いて行う
    ことを特徴とする請求項2記載のグアナミン類の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 反応を、温度60〜200℃の範囲で行
    うことを特徴とする請求項2記載のグアナミン類の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のグアナミン類とホルムア
    ルデヒドを反応させることにより得られる下記の式
    (5’)(化11’)及び式(6’)(化12’)で表
    わされるN−メチロール化グアナミン。 【化11’】 〔式中、(N置換−4,6−ジアミノ−1,3,5−ト
    リアジン−2−イル)基の結合位置は5−又は6−位、
    R2 ,R3 およびR4 はH原子、HOCH2 基の中から選ば
    れる1種を示し、R2 ,R3 およびR4 は同じ種でも異
    なった種でも構わない〕 【化12’】 〔式中、(N置換−4,6−ジアミノ−1,3,5−ト
    リアジン−2−イル)基の結合位置は2−、3−又は4
    −位、R2 ,R3 およびR4 は前記の意味を示し、R2
    ,R3 およびR4 は同じ種でも異なった種でも構わな
    い〕
  7. 【請求項7】 請求項6記載のN−メチロール化グアナ
    ミンと炭素数1〜20個を有するアルコールの中から選
    ばれる少なくとも1種とを反応させることにより得られ
    る少なくとも1個の R1OCH2 基( R1 は前記のアルコー
    ルより水酸基を除いた残基を示す)を有する下記の式
    (7’)(化13’)及び式(8’)(化14’)で表
    わされるエーテル化グアナミン、 【化13’】 〔式中、(N置換−4,6−ジアミノ−1,3,5−ト
    リアジン−2−イル)基の結合位置は5−又は6−位、
    R1 は前記のアルコールより水酸基を除いた残基、R5
    ,R6 およびR7 はH原子、HOCH2 基およびR1OCH2基
    の中から選ばれる1種を示し、R5 ,R6 およびR7 は
    同じ種でも異なった種でも構わない〕 【化14’】 〔式中、(N置換−4,6−ジアミノ−1,3,5−ト
    リアジン−2−イル)基の結合位置は2−、3−又は4
    −位、R1 は前記のアルコールより水酸基を除いた残
    基、R5 ,R6 およびR7 は前記の意味を示し、R5 ,
    R6 およびR7 は同じ種でも異なった種でも構わない〕
  8. 【請求項8】 請求項1記載のグアナミン類と、場合に
    よりメラミン、尿素、アルキル尿素、チオ尿素、アルキ
    ルチオ尿素、アニリン、ベンゾグアナミン、シクロヘキ
    シルカルボグアナミン、CTUグアナミン、アジポグア
    ナミンの群から選択された1種または2種以上の化合物
    とともに、ホルムアルデヒドを反応させることにより得
    られる平均メチロール化が1より大きく且つ少なくとも
    1個のメチロール基を有するN−メチロール化グアナミ
    ン反応生成物。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のグアナミン類と、場合に
    よりメラミン、尿素、アルキル尿素、チオ尿素、アルキ
    ルチオ尿素、アニリン、ベンゾグアナミン、シクロヘキ
    シルカルボグアナミン、CTUグアナミン、アジポグア
    ナミンの群から選択された1種または2種以上の化合物
    とともに、ホルムアルデヒドを反応させ、次いで炭素数
    1〜20個を有するアルコールの中から選ばれる少なく
    とも1種とを反応させ、場合により同時に反応させるこ
    とにより、得られる平均メチロール化度が1より大きく
    且つ少なくとも1個の R1OCH2 基( R1 は前記のアルコ
    ールより水酸基を除いた残基を示す)を有するエーテル
    化グアナミン反応生成物。
  10. 【請求項10】 請求項6記載のN−メチロール化グア
    ナミン、請求項7記載のエーテル化グアナミン、請求項
    8記載のN−メチロール化グアナミン反応生成物および
    請求項9記載のエーテル化グアナミン反応生成物からな
    る群より選ばれる少なくとも1種を必須成分として含有
    することを特徴とする熱硬化性組成物。
  11. 【請求項11】 請求項6記載のN−メチロール化グア
    ナミン、請求項7記載の エーテル化グアナミン、請求項
    8記載のN−メチロール化グアナミン反応生成物および
    請求項9記載のエーテル化グアナミン反応生成物からな
    る群より選ばれる少なくとも1種と反応し硬化可能な樹
    脂を含有してなることを特徴とする請求項10記載の熱
    硬化性組成物。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の熱硬化性組成物を含
    有してなる塗料樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のグアナミン類とエポキ
    シ基含有樹脂を含有してなることを特徴とする熱硬化性
    樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の熱硬化性樹脂組成物
    を含有してなる塗料樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 粉体塗料樹脂組成物である請求項13
    記載の塗料樹脂組成物。
  16. 【請求項16】 請求項13記載の熱硬化性樹脂組成物
    を含有してなる接着剤樹脂組成物。
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