JP3356793B2 - 偏光ビームスプリッター - Google Patents
偏光ビームスプリッターInfo
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Description
モリー、光通信、液晶プロジェクターなどに光学部品と
して使用されているマクネール型偏光ビームスプリッタ
ーに関する。
は、レーザー光や単色光などの狭帯域光、あるいは可視
光などの広帯域を、ほとんど損失なくP−成分(偏光成
分)とS−成分(偏光成分)とに分離することができ
る。従来は、直角の頂角を持つ三角プリズム(直角プリ
ズム)2個を一対として、そのプリズム面と対向する底
面に誘電体多層膜の偏光分離膜を形成し、他の一方の底
面と貼り合わせて得られる立方状偏光ビームスプリッタ
ーが用いられている。
ターの構成を示す断面図である。入射側の直角プリズム
31の、その頂角と対向する底面に誘電体多層膜の偏光
分離膜36が形成され、もう一方の出射側の直角プリズ
ム32の頂角と対向する底面とが、接着剤層37により
接合され、立方状偏光ビームスプリッターが形成されて
いる。このような立方状偏光ビームスプリッターは、例
えば、『光学薄膜』(日刊工業新聞社発行、1989
年)、390〜391頁に記載されている。
は、光束面(頂角をなす一方の面)の面積Sとプリズム
の重量Wとの間に、W=kS3/2 (kは定数)との関係
を有する。この式から明らかなように、光束が大きくな
るに従って重量が指数的に増加する。従って、光束面の
大きな上記偏光ビームスプリッターが必要な場合は、極
めて大きな重量のものを使用せざるを得ないとの問題が
ある。
とに完全に分離するため入射角に対してブリュースター
条件を満足するように誘電体多層膜の層数、材料等等を
調整することにより形成されており、このため、光の入
射角の有効領域は、偏光分離膜のブリュースター条件に
よって制限を受ける。上記立方状偏光ビームスプリッタ
ーでは、光の入出射側にただ1個の直角プリズムしか配
置されていないので、プリズム入射面の中央に入射した
光は、入射面に垂直(図3の中央の光)に入射するため
偏光分離膜でP−成分とS−成分とに完全に分離される
が、入射光が中央以外の場合、中央より遠のくに従い入
射角も0度から外れる(図3の角度a、b)ため、P−
成分の残留反射率が増加して偏光分離性能が低下すると
の問題がある。
量で、しかも光束が集束光あるいは発散光(本明細書で
は、これらをまとめて、集束発散光、もしくは発散光線
束ということがある。)である場合に一様な偏光分離性
能を示す新規なマクネール型偏光ビームスプリッターを
提供することを目的とする。
膜の光入射側と光出射側のそれぞれの側に、互いに同じ
頂角を持つ二個一組の三角プリズムが複数組、入射側の
三角プリズムを通過した集束光あるいは発散光が、偏光
分離膜を通って同一組の出射側の三角プリズムを通過す
るように偏光分離膜の両側の表面に沿って連続的に接合
配置されており、各組の入射側プリズムと出射側プリズ
ムとの間に介在する偏光分離膜に入射する光の入射角が
同一となるように各組のプリズムの頂角が変えられてい
ることを特徴とする本発明の集束光あるいは発散光を偏
光分離するマクネール型偏光ビームスプリッターにより
解決される。
角プリズムの頂角が、それぞれの光の入射角度に応じて
偏光分離膜での入射角がほぼ一定となるように調整され
ていることを特徴とする上記偏光ビームスプリッター。
角プリズムの頂角が、光入射側の三角プリズム連続体の
各三角プリズムの頂角と同じ角度を有することを特徴と
する上記1)の偏光ビームスプリッター。
ズムの数が、5以上であることを特徴とする上記の偏光
ビームスプリッター。
ームスプリッターは、一般に偏光分離膜に対しててブリ
ュースター条件が満足されるような入射角を得られ易く
するためにプリズムを必要とするが、前述したように従
来の立方状偏光ビームスプリッターでは光束の広さに対
応する面積を持つ一対の直角プリズムを用いているため
に有効な入射角を得た後の光束が偏光分離膜に達するま
でのガラスの部分が不必要な重量となっている。本発明
においては一対の直角プリズムの一面に相当する入出射
面を多数のプリズム面を用いて分割することにより不必
要なガラスの部分を取り除け重量を軽減している。この
際、分割数Iと重量W=1/Jであり分割数(すなわ
ち、三角プリズムの数)を多くするのに逆比例して重量
は軽くなる。
ーは、光が集束発散光である場合にプリズムへの入射角
が、前記のように一様とはならないために偏光分離膜へ
の入射角もブリュースタ条件を満足でもない部分が生じ
プリズム周辺部で偏光分離性能が低下する。本発明にお
いては、多数のプリズムをそれぞれの入射角度に応じて
偏光分離膜での入射角が一定またはほぼ一定となるよう
に、プリズム頂角の角度が調整されおり、これにより本
発明のプリズム連続体のプリズム面の全面で一様な偏光
分離性能が得ることができる。
する偏光ビームスプリッターの構成を示す断面図であ
る。平板ガラス15上に、入射側のプリズム1、2、
3、4、5、6、7が形成されている。平板ガラス15
の反対側の表面には、誘電体多層膜の偏光分離膜16が
形成されている。もう一方に平板ガラス18の上には、
出力側のプリズム8、9、10、11、12、13、1
4が形成されている。平板ガラス15の偏光分離膜16
の面と、平板ガラス18の裏側とが、接着剤層17によ
り接合され、多数のプリズム面を有する偏光ビームスプ
リッターを形成している。平板ガラス18の裏側にも、
所望により、偏光分離膜を形成しても良い。上記偏光分
離膜は、PbF2 とNa5 Al3 F14との交互多層膜
で、各層はλ/4の層厚で、層数は27層からなる。上
記プリズムのガラス材料はBK−7を使用した。
射されている光束は、光源の発散角(θ)が5°の発散
光である。プリズム(ここでは光束が発散光であるので
断面は二等辺三角形である)の頂角が全て90度の場合
に発生するプリズム入射面の位置による入射角の変動に
合わせて、全ての入射光の偏光分離膜での入射角がブリ
ュースタ条件を満足できるように、プリズムの頂角はプ
リズム1〜7の順に、71.1°、77.6°、83.
9°、90.0°、95.6°、101.1°、10
6.2°に設定されている。尚、プリズムの振り角αと
入射角θとの関係は、α=arctan{sinθ/(n− cosθ)}
で表わされ(nはプリズムの屈折率)、上記頂角は2α
で表わすことができる。
0から出た光束は入射側プリズム1〜7で偏光分離膜面
に対してブリュースタ条件を満足するような角度に変え
られ、平板ガラス15を通過して偏光分離膜16(厳密
には偏光分離膜と接着剤との界面)でP−成分とS−成
分とに分離される。その後、P−成分は接着剤層17、
平板ガラス18を通過して8〜14の出射側プリズムか
らS−成分は15を再び通過して1〜7の入射側プリズ
ムのもう一方の面からそれぞれ一様な偏光を持つ透過光
と反射光として取り出される。プリズムの断面形状は、
入力光束と出力光束が同様の光束の場合は、上記の様に
二等辺三角形好ましいが、所望の出力光束に変化させた
い場合は出力側の頂角を出力光束に合わせたものが好ま
しい。
は、光束のP成分が、入射したプリズムの隣接したプリ
ズムから出射しているが、これは、平板ガラス、偏光分
離膜などを大きく描いたためで、実際は殆ど、図2に示
すように同一のプリズムから入出射する。図2では、平
板ガラス15上に、入射側のプリズム1が形成され、平
板ガラス15の反対側の表面には、誘電体多層膜の偏光
分離膜16が形成されている。平板ガラス18の上に
は、出力側のプリズム8が形成されている。偏光分離膜
16の面と、平板ガラス18の裏側とが、接着剤層17
により接合されている。光は、プリズム1に入射する時
は、垂直とはならないので、P−成分とS−成分とに分
離する偏光分離膜と接着剤との界面でブリュースタ条件
を満足するように、プリズム1の頂角は角度2αに設定
されている。すなわち偏光分離膜16と接着剤17との
界面でP−成分が屈折する角度βは、45度又はほぼ4
5度に設定される。これによりP−成分とS−成分との
分離が、良好なものとなる。
けるプリズム8、11、14の位置での分光透過率特性
を示す。比較例として、図3における同位置での分光透
過率特性を図7、図8及び図9に示す。これらの図の比
較からも明らかなように、比較例ではプリズム周辺部で
分光特性が乱れるのに対し実施例では一様で良好な偏光
特性を持つ光束が得られた。
リッターでは、直角プリズム19の頂角に対向する底面
の面積は、実施例の底面の面積と同じであり、共に同一
の光束に対応する面積を持つ。実施例の場合、偏光面サ
イズは130×190mmで重量は350gであり同サ
イズの従来の例の1900gに比べて1/5以下と大巾
に軽減できた。
プリズム連続体である偏光ビームスプリッターは、例え
ば、下記のように製造することができる。例えば、実施
例のように、二枚の内一方の平板ガラスの表面に偏光分
離膜を形成し、二枚の平板ガラス(一枚は偏光分離膜の
ない表面)に多数の三角プリズムをプリズム面を上に並
列に配列させて接合してプリズム連続体を2個作成す
る。一方のプリズム連続体の偏光分離膜面と、一方の平
板ガラス裏側とを、接着剤により接合し、上記偏光ビー
ムスプリッターを製造することができる。偏光分離膜は
誘電体多層膜であり、平板ガラス上に高屈折率の材料
(例、ZnS、PbF2 、TiO2 、Ta2 O5 、Zr
O2 、Al2 O3 )と低屈折率の材料(例、MgF2 、
Na3 AlF6 、Na5 Al3 F14、SiO2 、Al2
O3)とを交互に真空蒸着やスパッタリングすることに
より形成することができる。層厚は一般にλ/4であ
る。層数は一般に数層〜数十層である。上記接着剤は、
一般に、紫外線硬化型の光学用接着剤が使用される。
一体の物でも良く、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネ
ートあるいはポリエステルなどのプラスチック材料を、
成形することによりプリズム連続体を作成しても良い。
プリズム面は実施例では、7個としたが、目的に応じて
任意の数にすることができる。好ましくは、5個以上で
ある。勿論多いほど、分光特性は向上する。また、光源
の光としては、単色光、レーザー光、可視光線などを使
用することができる。
ば、従来の立方状偏光ビームスプリッターに比べて大巾
に軽量化でき、しかも特に光束が集束発散光の場合には
プリズムの周辺部での偏光分離性能の低下を解消できる
といった効果を奏する。
断面図である。
図である。
示す断面図である。
ム 15、18 平板ガラス 16、36 偏光分離膜 17、37 接着剤層 31、32 直角プリズム 20、30 光源
Claims (1)
- 【請求項1】 偏光分離膜の光入射側と光出射側のそれ
ぞれの側に、互いに同じ頂角を持つ二個一組の三角プリ
ズムが複数組、入射側の三角プリズムを通過した集束光
あるいは発散光が、偏光分離膜を通って同一組の出射側
の三角プリズムを通過するように偏光分離膜の両側の表
面に沿って連続的に接合配置されており、各組の入射側
プリズムと出射側プリズムとの間に介在する偏光分離膜
に入射する光の入射角が同一となるように各組のプリズ
ムの頂角が変えられていることを特徴とする集束光ある
いは発散光を偏光分離するマクネール型偏光ビームスプ
リッター。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03871092A JP3356793B2 (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | 偏光ビームスプリッター |
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ID=12532878
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP03871092A Expired - Fee Related JP3356793B2 (ja) | 1992-01-29 | 1992-01-29 | 偏光ビームスプリッター |
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-
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- 1992-01-29 JP JP03871092A patent/JP3356793B2/ja not_active Expired - Fee Related
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