JP3356699B2 - ケーブルドラグチェーンにおけるリンクプレートと開閉アームとの係止構造 - Google Patents

ケーブルドラグチェーンにおけるリンクプレートと開閉アームとの係止構造

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JP3356699B2
JP3356699B2 JP32553898A JP32553898A JP3356699B2 JP 3356699 B2 JP3356699 B2 JP 3356699B2 JP 32553898 A JP32553898 A JP 32553898A JP 32553898 A JP32553898 A JP 32553898A JP 3356699 B2 JP3356699 B2 JP 3356699B2
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Tsubakimoto Chain Co
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可動機械にエネル
ギーを供給するケーブルやホース等の可撓体を安全確実
に保護するとともに、可撓体を案内するケーブルドラグ
チェーンに関する。本発明は、より詳細には、屈曲可能
に連結された複数のリンク体から構成され、それぞれの
リンク体が、左右一対のリンクプレートと、該リンクプ
レートのそれぞれの下縁を連結する結合アームと、該リ
ンクプレートのそれぞれの上縁を連結する開閉アームと
を有し、前記リンクプレートの一方の上端部と前記開閉
アームの一端とがヒンジ結合されたケーブルドラグチェ
ーンに関する。
【0002】
【従来の技術】ケーブルドラグチェーンは、前後端が互
いに屈曲可能に連結された複数のリンク体から構成され
る。ケーブルドラグチェーンは、一端が可動機械に取付
けられ、他端が固定フレームや床面に取付けられる。そ
れぞれのリンク体は内部に中空空間を有する。ケーブル
やホース等の可撓体は、連続するリンク体の中空空間内
に収納され、床面から可動機械にエネルギーを供給す
る。このようなケーブルドラグチェーンは、例えば、実
公平3−52774号公報に記載されている。それぞれ
のリンク体は、左右一対のリンクプレートと、左右一対
のリンクプレートのそれぞれの下端を連結する結合アー
ムと、左右一対のリンクプレートのそれぞれの上端を連
結する開閉アームとを有する。ケーブルドラグチェーン
内に可撓体を収納するため、開閉アームはリンクプレー
トに一端がヒンジ結合されている。
【0003】前記公報のケーブルドラグチェーンでは、
それぞれのリンクプレートの上縁中央に係合ピンが設け
られている。開閉アームは、その両端において、リンク
プレートの係合ピンにスナップ係合するフックが設けら
れている。開閉アームをリンクプレートに取り付けてい
ない状態、又は、開閉アームの一端のフックをリンクプ
レートの係合ピンに取り付けた状態において、ケーブル
ドラグチェーンの中空空間に可撓体が収納される。その
後、開閉アームの両端部を係合ピンに係合させると、ケ
ーブルドラグチェーン内に可撓体が収納される。
【0004】
【発明が解決しようとうする課題】従来のケーブルドラ
グチェーンでは、係合ピンを回転軸とし開閉アームを回
転させ、開閉アームの他端のフックを係合ピンにスナッ
プ係合させるようになっている。そのため、フックは下
方に開口を有する。フックは、弾性変形により拡張・収
縮した後、係合ピンを把むようになっている。従って、
開閉アーム先端において、その接線方向にフックの開口
があるので、外力が作用したり、可撓体の重量が作用し
たりするだけで、開閉アームのフックは係合ピンから外
れる危険にさらされることがある。また、ケーブルドラ
グチェーンが捩れても、開閉アームは外れる危険にさら
されることがある。
【0005】開閉アームが外れることを防止するために
フックの開口を狭くすれば、開閉アームの外れをある程
度防止できるが、その一方で、フックを係合ピンに係合
させたり、フックを係合ピンから解除したりする力が大
きくなる。ケーブルドラグチェーン内への可撓体の収納
や、ケーブルドラグチェーン内の可撓体の点検又は修理
において、複数のリンク体毎に開閉アームを係合又は解
除するとなると、その労力は多大であり、作業効率を著
しく低下させる。
【0006】また、従来のケーブルドラグチェーンで
は、フックと係合ピンとがスナップ係合するので、フッ
クの開口幅、フックの内径、係合ピンの外径等を高精度
に製作して、係合又は解除の力を一定にしなければなら
ない。そのため、樹脂製のケーブルドラグチェーンで
は、金型寸法の設定が難しく、その金型を何度も修正す
る必要があり、金型の製造コストが高くなる。しかも、
大量にケーブルドラグチェーンを製造すると金型が摩耗
し、構成部品であるリンクプレートや開閉アームの寸法
が変わり、フックと係合ピンとの係合力が変化する。そ
のため、開閉アームをリンクプレートに取付けるための
力が変化してケーブルドラグチェーンの組立に多大な労
力を必要としたり、開閉アームのフックが係合ピンを保
持する力が小さくなって開閉アームが容易に外れたりす
る。
【0007】さらに、従来のケーブルドラグチェーンで
は、フックが係合ピンを幅方向両側から保持する構造で
あるため、リンクプレートの板厚内でフックを係合ピン
に係合させるとリンクプレートが厚くなり、リンク体の
幅に対して中空空間の幅が極端に狭くなる。そのため、
可撓体の収納スペースが小さくなる。また、リンクプレ
ートの材料を多く必要とし、製品の製造コストが高くな
る。
【0008】また、従来のケーブルドラグチェーンで
は、構造上開閉アームを90°以上回転できないので、
ケーブルドラグチェーン内への可撓体の収納時に開閉ア
ームが邪魔になる欠点も有する。
【0009】本発明の目的は、外力が作用しても開閉ア
ームがリンクから外れず、ケーブルやホースを確実に収
納及び保持することができるケーブルドラグチェーンを
提供することである。本発明の他の目的は、意図的にア
ームを開閉する場合には、そのアームを簡単に開閉する
ことができるケーブルドラグチェーンを提供することで
ある。本発明のさらに他の目的は、ケーブルドラグチェ
ーンの製造コストを低減することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、屈曲可能に連
結された複数のリンク体から構成され、それぞれのリン
ク体が、左右一対のリンクプレートと、該リンクプレー
トのそれぞれの下縁を連結する結合アームと、該リンク
プレートのそれぞれの上縁を連結する開閉アームとを有
し、前記リンクプレートの一方の上端部と前記開閉アー
ムの一端とがヒンジ結合されたケーブルドラグチェーン
において、前記リンクプレートの他方の上端部にチェー
ン長手方向に延びる係合ピンが設けられるとともに、前
記開閉アームの他端に該アームに沿って移動可能である
係合片が設けられ、前記係合片が該アームの長手方向に
開口する係合ピン装入溝を有しており、前記開閉アーム
と前記係合片の一方に弾性変形可能な舌片を設けるとと
もに、前記開閉アームと前記係合片の他方に前記舌片に
係止するストッパを設け、前記係合片が移動して前記係
合ピンに前記係合ピン装入溝が係合したとき、前記舌片
が前記ストッパに係止して前記係合片の逆方向への移動
を阻止することにより、前記課題を解決した。
【0011】また、本発明は、屈曲可能に連結された複
数のリンク体から構成され、それぞれのリンク体が、左
右一対のリンクプレートと、該リンクプレートのそれぞ
れの下縁を連結する結合アームと、該リンクプレートの
それぞれの上縁を連結する開閉アームとを有し、前記リ
ンクプレートの一方の上端部と前記開閉アームの一端と
がヒンジ結合されたケーブルドラグチェーンにおいて、
前記リンクプレートの他方の上端部にチェーン長手方向
に延びる係合ピンが設けられるとともに、前記開閉アー
ムの他端に該アームに対して回転可能である係合片が設
けられ、前記係合片が該係合片の接線方向に開口する係
合ピン装入溝を有しており、前記開閉アームと前記係合
片の一方に弾性変形可能な舌片を設けるとともに、前記
開閉アームと前記係合片の他方に前記舌片に係止するス
トッパを設け、前記係合片が回転して前記係合ピンに前
記係合ピン装入溝が係合したとき、前記舌片が前記スト
ッパに係止して前記係合片の逆方向への回転を阻止する
ことにより、前記課題を解決した。
【0012】さらに、本発明は、屈曲可能に連結された
複数のリンク体から構成され、それぞれのリンク体が、
左右一対のリンクプレートと、該リンクプレートのそれ
ぞれの下縁を連結する結合アームと、該リンクプレート
のそれぞれの上縁を連結する開閉アームとを有し、前記
リンクプレートの一方の上端部と前記開閉アームの一端
とがヒンジ結合されたケーブルドラグチェーンにおい
て、前記リンクプレートの他方の上端部に前記開閉アー
ムの長手方向に開口する係合ピン装入溝が設けられてい
るとともに、前記開閉アームの他端に該アームに沿って
移動可能である係合片が設けられ、前記係合片がケーブ
ルドラグチェーンの長手方向に突出して前記係合ピン装
入溝に係合する係合ピンを有しており、前記開閉アーム
と前記係合片の一方に弾性変形可能な舌片を設けるとと
もに、前記開閉アームと前記係合片の他方に前記舌片に
係止するストッパを設け、前記係合片が移動して前記係
合ピンに前記係合ピン装入溝が係合したとき、前記舌片
が前記ストッパに係止して前記係合片の逆方向への移動
を阻止するケーブルドラグチェーンにおけるリンクプレ
ートと開閉アームの係止構造により、前記課題を解決し
た。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のケーブルドラグチェーン
では、開閉アームがその一端を中心に回転可能である。
開閉アームは、その他端がリンクプレートの上端部に設
けられた係合ピンに係止する構造を有する。
【0014】本発明の1つの実施の形態では、開閉アー
ムはヒンジ結合された一端を中心にして回転した後、係
合片が開閉アームに沿って移動させられ、係合ピン装入
溝に係合ピンが係合される。この状態において、開閉ア
ームの回転方向と係合片の移動方向とが異なるため、係
合片が移動しない限り、開閉アームはリンクプレートか
ら外れることはない。さらに、この発明では、係合片が
移動して係合ピン装入溝に係合ピンが係合されたとき、
弾性変形可能な舌片がストッパに係止する構造となって
いる。この構造により、比較的弱い保持力で係合片の逆
方向への移動が阻止される。従って、舌片がストッパか
ら解除されない限り、係合片は移動することがなく、開
閉アームは回転できる状態に復帰することはない。開閉
アームを回転可能な状態にするには、弾性変形可能な舌
片をストッパから外し、係合片を開閉アームに沿って移
動させて係合ピンと係合ピン装入溝の係合状態を解除す
る。これにより、開閉アームは一端を中心に回転可能な
状態になり、ケーブルドラグチェーン内の可撓体を点検
したり、修理したりできる状態になる。
【0015】なお、以上の実施の形態では、係合片が開
閉アームに沿って移動可能であるが、移動方向はケーブ
ルドラグチェーンの幅方向であれば、係合片がケーブル
ドラグチェーン内側から外側に向って移動してその係合
ピン装入溝を係合ピンに係合させるものでも、係合片が
ケーブルドラグチェーン外側から内側に向って移動して
その係合ピン装入溝を係合ピンに係合させるものでもよ
い。
【0016】係合片がケーブルドラグチェーン内側から
外側に向って移動する形態の発明では、開閉アームをリ
ンクプレートの幅と同一に又はこれより短くできるの
で、ケーブルドラグチェーンの配置スペースが狭い用途
に好適である。一方、係合片がケーブルドラグチェーン
外側から内側に向って移動する形態の発明では、開閉ア
ームの係合片をリンクプレートの幅方向外側から移動さ
せて係合ピン装入溝を係合ピンに係合できるので、ケー
ブルドラグチェーンの組立に要する労力を軽減すること
ができる。ただし、開閉アームの係合ピン装入溝と係合
片の係合ピン装入溝が同一方向に係合ピンから抜け出る
形態は避けることが好ましい。すなわち、一端の係合ピ
ン装入溝がリンクプレートの外側から係合ピンに係合
し、他端の係合片の係合ピン装入溝がリンクプレートの
外側から係合ピンに係合するように構成することが好ま
しい。また、この逆方向から係合ピン装入溝が係合ピン
に係合することに構成することが好ましい。
【0017】本発明の他の実施の形態では、開閉アーム
はヒンジ結合された一端を中心にして回転した後、係合
片が開閉アームの他端を中心にして回転させられ、係合
ピン装入溝に係合ピンが係合される。この状態におい
て、開閉アームの回転方向と係合片の回転方向とが異な
るため、係合片が回転しない限り、開閉アームはリンク
プレートから外れることはない。さらに、この発明で
は、係合片が回転して係合ピン装入溝に係合ピンが係合
されたとき、弾性変形可能な舌片がストッパに係止する
構造となっている。この構造により、比較的弱い保持力
で係合片の逆方向への回転が阻止される。従って、舌片
がストッパから解除されない限り、係合片は回転するこ
とがなく、開閉アームも回転できる状態に復帰すること
はない。開閉アームを回転可能な状態にするには、弾性
変形可能な舌片をストッパから外し、係合片を開閉アー
ムに対して回転させて係合ピンと係合ピン装入溝の係合
状態を解除する。これにより、開閉アームは一端を中心
に回転可能な状態になり、ケーブルドラグチェーン内の
可撓体を点検したり、修理したりできる状態になる。
【0018】なお、以上の実施の形態では、係合片が開
閉アームの他端に対して回転可能であるが、係合片の回
転方向はケーブルドラグチェーンの幅方向であれば、係
合片がケーブルドラグチェーン内側から外側に向って回
転してその係合ピン装入溝を係合ピンに係合させるもの
でも、係合片がケーブルドラグチェーン外側から内側に
向って回転してその係合ピン装入溝を係合ピンに係合さ
せるものでもよい。
【0019】この発明では、係合ピンの中心と係合片の
回転中心が、リンクプレートの高さ方向で一致している
ことが好ましい。これにより、開閉アームが一端を中心
に回転しようとしても、係合片自体には回転モーメント
が作用しない。また、係合片がケーブルドラグチェーン
内側から外側に向って回転してその係合ピン装入溝を係
合ピンに係合させる形態では、係合ピンの中心が係合片
の回転中心より開閉アームの一端側に変位していること
が好ましい。これにより、開閉アームが一端を中心に回
転しようとしても、係合片には係合ピン装入溝が係合ピ
ンから外れない方向に回転モーメントが作用する。ま
た、係合片の回転方向が逆の場合も、同様に考えること
ができる。
【0020】本発明のさらに他の実施の形態では、開閉
アームはヒンジ結合された一端を中心にして回転した
後、係合片が開閉アームに沿って移動させられ、係合ピ
ン装入溝に係合ピンが係合される。本実施の形態では、
リンクプレートに係合ピン装入溝が設けられており、開
閉アームにの一端に係合ピンが一体に設けられている。
そして、開閉アームの他端において、係合片が開閉アー
ムに沿って移動可能に設けられ、その係合片にリンクプ
レートの係合ピン装入溝に係合する係合ピンが設けられ
ている。
【0021】この発明では、係合片が移動して係合ピン
が係合ピン装入溝に係合されたとき、弾性変形可能な舌
片がストッパに係止する構造となっている。この構造に
より、比較的弱い保持力で係合片の逆方向への移動が阻
止される。従って、第1の実施の形態と同様に、舌片が
ストッパから解除されない限り、係合片は移動すること
がなく、開閉アームは回転できる状態に復帰することは
ない。開閉アームを回転可能な状態にするには、弾性変
形可能な舌片をストッパから外し、係合片を開閉アーム
に沿って移動させて係合ピン装入溝と係合ピンの係合状
態を解除する。これにより、開閉アームは一端を中心に
回転可能な状態になり、ケーブルドラグチェーン内の可
撓体を点検したり、修理したりできる状態になる。
【0022】なお、この実施の形態では、係合片が開閉
アームに沿って移動可能であるが、移動方向はケーブル
ドラグチェーンの幅方向であれば、係合片がケーブルド
ラグチェーン内側から外側に向って移動してその係合ピ
ン装入溝を係合ピンに係合させるものでも、係合片がケ
ーブルドラグチェーン外側から内側に向って移動してそ
の係合ピン装入溝を係合ピンに係合させるものでもよ
い。また、係合片は、開閉アームに沿って移動できれば
よく、開閉アームの長手方向だけでなく、斜め方向に移
動して係合ピン装入溝が係合ピンに係合する構造でもよ
い。
【0023】係合片がケーブルドラグチェーン内側から
外側に向って移動する形態の発明では、開閉アームをリ
ンクプレートの幅と同一に又はこれより短くできるの
で、ケーブルドラグチェーンの配置スペースが狭い用途
に好適である。一方、係合片がケーブルドラグチェーン
外側から内側に向って移動する形態の発明では、開閉ア
ームの係合片をリンクプレートの幅方向外側から移動さ
せて係合ピン装入溝を係合ピンに係合できるので、ケー
ブルドラグチェーンの組立に要する労力を軽減すること
ができる。ただし、開閉アームの係合ピンと係合片の係
合ピンが同一方向に係合ピン装入溝から抜け出る形態は
避けることが好ましい。すなわち、一端の係合ピンがリ
ンクプレートの外側から係合ピン装入溝に係合し、他端
の係合片の係合ピンがリンクプレートの外側から係合ピ
ン装入溝に係合するように構成することが好ましい。ま
た、この逆方向から係合ピンが係合ピン装入溝に係合す
ることに構成することが好ましい。
【0024】以上のように、本発明のケーブルドラグチ
ェーンは、外力が作用しても開閉アームはケーブルドラ
グチェーンの構成部品が破損しない限り外れることがな
く、可撓体を確実にケーブルドラグチェーン内に収納及
び保持することができ、その一方で、意図的に開閉アー
ムを解除する際には、弾性変形可能な舌片をストッパか
ら外すことで、容易に開閉アームを外すことができる特
徴を有する。
【0025】
【実施例】図1は、ケーブルドラグチェーン10の側面
図である。ケーブルドラグチェーン10は、前後端が互
いに屈曲可能に連結された複数のリンク体12を有す
る。ケーブルドラグチェーン10の一端は、可動機械
(図示せず)に取付けられ、その他端は床面(図示せ
ず)に取付けられる。そのため、両端には取付金具14
が組み込まれている。図2はケーブルドラグチェーン1
0の上面図、図3は開閉アーム除いたリンク体12の上
面図である。リンク体12は、左右一対のリンクプレー
ト16と、それぞれのリンクプレート16の下端を連結
する結合アーム18と、それぞれのリンクプレート16
の上端を連結する開閉アーム20とを有する。リンク体
12は、樹脂材料から射出成形加工されており、結合ア
ーム18はリンクプレート16と一体に成形される。一
方、開閉アーム20は、ケーブルやホース等の可撓体を
リンク体内に収納するため、リンクプレート16に対し
て着脱可能である。本発明のケーブルドラグチェーン1
0では、リンクプレート16と開閉アーム20との係止
構造に特徴を有する。以下、この係止構造について詳細
に説明する。
【0026】図4に示されるように、リンク体12の左
右それぞれのリンクプレート16は、その上端におい
て、開閉アーム20の一端及び他端を収納する同形状の
切欠部分22を有する。切欠部分22は、リンクプレー
ト16の上端面及び外表面に対して段差を有する一対の
肩部24を備えている。一対の肩部24はケーブルドラ
グチェーン10の長手方向で離間する。そして、この肩
部24の上縁端部の間には、肩部を連結する断面円形の
係合ピン26が設けられている。係合ピン26は、切欠
部分22の底面に対して、直径の半分の隙間を有して肩
部24を連結している。また、係合ピン26は、肩部上
面と接線で連続し、肩部外面からリンクプレート16の
外表面方向に突出している。
【0027】図2及び図5乃至図7に示されるように、
開閉アーム20は、その一端がリンクプレート16の切
欠部分22に収納される形状をしている。開閉アーム2
0には、一端下面において、肩部上面に当接する案内面
28が形成されている。その案内面28には、一対の肩
部間に嵌まり合う形状のフック片30が形成されてい
る。そして、フック片30には係合ピン26に係合する
ようにリンクプレート16の外側に向って開口する係合
ピン装入溝32が形成されている。従って、開閉アーム
20の一端は、リンクプレート16の切欠部分22に収
納される際、肩部上面と案内面28とを当接させるとと
もに、肩部間にフック片30を挿入し、フック片下縁を
係合ピン26と切欠部分22の底面の間に進入させるこ
とにより、係合ピン装入溝32が係合ピン26に係合さ
せられる。この構造により、開閉アーム20は、その一
端で上下方向、長手方向及び幅方向で位置決めされた状
態で、リンクプレート16にヒンジ結合される。しか
も、開閉アーム20は、係合ピン26に接線で連続する
肩部上面に案内面28が当接するので、係合ピン装入溝
32への係合ピン26の係合組立が容易であり、組立後
は、肩部上面に案内面28が当接するので係合ピン26
自体への負荷も軽減される。また、開閉アーム20は、
リンクプレート16の外表面への回転が妨げられないの
で、ケーブルドラグチェーン内に可撓体を収納したり、
ケーブルドラグチェーン内の可撓体を点検修理したりす
る際、開閉アーム自体が邪魔にならず、組立作業及び保
守作業をが容易である。
【0028】開閉アーム20は、その他端において、ア
ームに沿って移動可能である係合片34を有する。図8
及び図9に示されるように、係合片34は、断面矩形の
中空形状である。係合片34の幅は、開閉アーム20と
同じ幅であり、その上面は開閉アームの上面に一致す
る。また、係合片34は、上面に係止窓部36を有し、
下面にフック片38を有する。フック片38には、係合
ピン26に係合するようにリンクプレート16の外側に
向って開口する係合ピン装入溝40が形成されている。
従って、係合片34は、開閉アーム20の一端と同じ輪
郭をしており、リンクプレート16の切欠部分22に収
納されるようになっている。
【0029】図5及び図7に戻り、開閉アーム20は、
前記係合片34を移動可能に支持するため、係合片34
の中空部分に適合する一対の係合片支持アーム42を有
する。一対の係合片支持アーム42は、ケーブルドラグ
チェーン10の長手方向に離間している。開閉アーム2
0は、さらに、一対の係合片支持アーム42の間に舌片
44を有する。舌片44は、係合片支持アーム42より
短い薄肉片であり、その先端上縁に係合片34の係止窓
部36に係止可能な突起46が設けられている。突起4
6は、基端部側が傾斜面から形成され、先端側が起立面
から形成されている。
【0030】次に図10及び図11に示すように、ケー
ブルドラグチェーン10は、一端をヒンジ結合された開
閉アーム20の他端を閉じることで、中空空間に収納し
た可撓体を保護する。開閉アーム20は、他端側の係合
片34を後退限に押し込んだ状態にある。一端を中心に
開閉アーム20を回転させると、係合片34の下面が切
欠部分22の肩部上面に当接して、同時に、フック片3
8が肩部間に進入する。これにより、開閉アーム20は
他端において上下方向と長手方向に位置決めされる。次
に、係合片34を係合片支持アーム42に沿って移動さ
せると、フック片38の係合ピン装入溝40がリンクプ
レート16の係合ピン26に係合する。同時に、舌片4
4は傾斜面を押圧されて弾性変形し、突起46が係止窓
部36から現れる。この状態において、突起46の先端
の起立面は係止窓部36のストッパ面に係止され、係合
片34は後退を阻止される。この状態において、開閉ア
ーム20はいずれの方向への移動を拘束される。開閉ア
ーム20を回転可能にするには、係合片34を後退限に
移動させることが必要であるが、開閉アーム20の回転
方向と係合片34の移動方向が異なり、しかも、舌片4
4が係止窓部36のストッパ面に係止して係合片34の
後退を阻止している。従って、開閉アーム20に回転方
向の外力が作用しても、開閉アーム20は解除されるこ
とはない。一方、舌片44を弾性変形させて係止窓部3
6との係止を解除すれば、係合片34は容易に移動でき
るようになる。係合片34を後退限まで後退させると、
フック片38は、その係合ピン装入溝40が係合ピン2
6との係合を解かれる。この状態において、開閉アーム
20は自由に回転できる状態になる。このように、軽い
力で舌片44を弾性変形させることで、開閉アーム20
はリンクプレートから外すことができるようになる。
【0031】図12乃至図18は、本発明によるケーブ
ルドラグチェーン110の第2実施例を示している。リ
ンクプレート116及び結合アーム118の構造は、第
1実施例と実質的に同じである。第1実施例の係合片は
開閉アームに沿って移動可能であるが、本実施例の係合
片は、開閉アーム120の他端においてアーム120に
対して回転可能に設けられている。
【0032】図12乃至図14に示すように、開閉アー
ム120は、その他端において、幅狭の薄肉基端部12
2と、この基端部122から突出してケーブルドラグチ
ェーン110の長手方向に離間する一対の係合片支持ア
ーム124を有する。係合片支持アーム124は切欠部
分の肩部上面に当接して、開閉アーム120に作用する
負荷を支持する。さらに、係合片支持アーム124の先
端の対向面には、係合片134を回転可能に支持する回
転支持軸128が対峙突出している。
【0033】図15及び図16に示されるように、係合
片134は、前記係合片支持アーム124の間に嵌まり
込んで、前記回転支持軸128に回転可能に支持され
る。そのため、係合片134は、両側において回転支持
軸128に嵌合する孔部130を有する。係合片134
は、さらに、孔部130に通じるガイド溝132を有す
る。係合片支持アーム124は弾性変形可能であり、係
合片134を押し込むと、ガイド溝132を通じて回転
支持軸128が孔部130に嵌合する。さらに、係合片
134は、下面においてフック片138を有する。フッ
ク片138には、係合ピン126に係合するようにリン
クプレート116の外側に向って開口する係合ピン装入
溝140が形成されている。
【0034】この開閉アーム120は、一端の係合ピン
装入溝140の中心から回転支持軸128までの間隔
を、左右のリンクプレート116の係合ピン126の間
隔と実質的に同じに構成することが好ましい。この構成
によると、開閉アーム120が一端を中心に他端を回転
しようとしても、係合片134にはそれを回転させるモ
ーメントが作用せず、開閉アーム120が外れることを
確実に防止することができる。
【0035】また、係合片134には、幅狭の薄肉基端
部122に適合して、開閉アーム120の上面及び側面
と面一となる係止部142が一体に形成されている。係
止部142は、その両側下面において弾性変形可能な舌
片144が突出されている。舌片144には、その下縁
において対峙する突起146が設けられている。一方、
開閉アーム120の薄肉基端部122の両側にはストッ
パ148が設けられている。舌片144は弾性変形可能
であり、突起146がストッパ148に係止することに
より、係合片134は逆方向への回転を阻止される。
【0036】ケーブルドラグチェーン110を組み立て
るには、図17及び図18に示されるように、開閉アー
ム120の一端のリンクプレート116にヒンジ結合し
た後、開閉アーム120を反時計周りに回転させるとと
もに、係合片134を傾斜させてフック片138の係合
ピン装入溝140を係合ピン126に係合させる。係合
片134を時計周りに回転させると、係止部下面の舌片
144の突起146がストッパ148に係止される。こ
の結果、係合片134は反時計周りの回転を阻止され、
開閉アーム120は時計周りに回転できなくなる。この
状態において、係合片134と開閉アーム120は互い
に逆方向の回転をしなければ、開閉アーム120がリン
クプレート116から外れることがなく、また、回転支
持軸128と係合ピン126が鉛直方向に整列している
ことから、開閉アーム120にこれを外そうとする力が
加わっても、係合片134は回転する方向の力を受ける
ことがないので、開閉アーム120は簡単に外れるよう
なことがない。また、舌片144の突起146がストッ
パ148に係止されており、係合片134には回転する
力が殆ど作用しないので、開閉アーム120の回転を確
実に防止して、開閉アーム120が外れることを防止す
ることができる。
【0037】ケーブルドラグチェーン110の開閉アー
ム120を解除するには、開閉アーム120の上面に形
成され、幅狭の薄肉基端部122まで切り欠かれた解除
溝150にドライバー等の治具を差し込んで、係合片1
34の弾性変形可能な突起146をストッパ148から
外すと、係合片134は反時計周りに回転して係合ピン
装入溝140が係合ピン126から外れる。この状態に
おいて、開閉アーム120は回転できるようになる。
【0038】図19乃至図26は、本発明によるケーブ
ルドラグチェーン210の第3実施例を示している。本
実施例の開閉アーム220における係合片234も、第
1実施例と同様に開閉アームの他端においてアームに沿
って移動可能である。
【0039】図19に示されるように、リンク体の左右
それぞれのリンクプレート216は、その上端におい
て、開閉アーム220の一端及び他端を収納する同形状
の矩形の切欠部分222を有する。切欠部分222は、
リンクプレート216の外表面に開口する一対の係合ピ
ン装入溝232を有する。
【0040】図20及び図21に示されるように、開閉
アーム220は、アーム本体221の一端において、切
欠部分222に収納される嵌合部230を有する。その
嵌合部230の先端下部に断面円形の係合ピン233が
ケーブルドラグチェーンの長手方向に突出して設けられ
ている。開閉アーム220は、リンクプレート216の
係合ピン装入溝232に係合ピン233を係合すること
で、リンクプレート216にヒンジ結合される。アーム
本体221の長さは、左右のリンクプレート間の間隔に
等しくなっている。開閉アーム220は、アーム本体2
21の他端において、有底の中空部分224を有する。
そして、開閉アーム220は、上面において、前記中空
部分224に連通する一対の係止窓部226を有する。
【0041】図22乃至図24に示されるように、係合
片234が開閉アーム220の中空部分224に装着さ
れる。係合片234は、リンクプレート216の切欠部
分222に収納される嵌合部236と、この嵌合部23
6の先端下部においてケーブルドラグチェーンの長手方
向に突出する断面円形の係合ピン231と、前記中空部
分224に適合する一対の支持アーム237を有する。
一対の支持アーム237はケーブルドラグチェーンの長
手方向に離間している。係合片234は、さらに、一対
の支持アーム237の間に舌片244を有する。舌片2
44は、支持アーム237と同じ長さの薄肉片であり、
その先端上縁に開閉アーム220の係止窓部226に係
止可能な突起246が設けられている。突起246は、
基端部側が起立面から形成され、先端側が傾斜面から形
成されている。
【0042】次に、図25及び図26に示すように、ケ
ーブルドラグチェーン210は、一端をヒンジ結合され
た開閉アーム220の他端を閉じることで、中空空間に
収納した可撓体を保護する。開閉アーム220は、他端
において、係合片234を仮止めした状態にある。係合
片234の突起246は、開閉アーム220の端部側の
係止窓部226に進入した状態にある。一端をリンクプ
レート216にヒンジ結合された開閉アーム220を回
転させ、他端をリンクプレート216の切欠部分222
に倒すと、係合片234の嵌合部236が切欠部分22
2に嵌まり込む。次いで、係合片234を開閉アーム2
20の中空部分224に押し込むと、突起246の傾斜
面が押されて、舌片244は弾性変形する。そして、係
合片234の係合ピン231がリンクプレート216の
外側から係合ピン装入溝232に進入する。同時に、舌
片244が弾性復元し、突起246が次の係止窓部22
6に進入する。そして、突起246の起立面が係止窓部
226のストッパ面に当接する。これにより、係合片2
34は開閉アーム220から外れることを阻止される。
開閉アーム220を外すには、係止窓部226から舌片
244を弾性変形させて、突起246とストッパ面との
係止状態を解除すれば、係合片234は容易に移動でき
るようになる。係合片234を開閉アーム220に沿っ
て移動させると、係合ピン231は係合ピン装入溝23
2との間の係合状態を解除される。この状態において、
開閉アーム220は自由に回転できる状態になる。この
ように、軽い力で舌片244を弾性変形させることで、
開閉アーム220はリンクプレート216から外すこと
ができるようになる。
【0043】以上の説明では、開閉アームの他端側にの
み係合片を設けた実施例を例示したが、開閉アームの一
端側にも係合片を設け、一端側の係合片によって開閉ア
ームをヒンジ結合するようにしてもよい。この場合、開
閉アームの構造が両端において対称となる。従って、組
立時に開閉アームの方向に注意する必要がなく、また、
一端側からでも他端側からでも開閉アームの着脱がで
き、着脱作業性が向上する。
【0044】
【発明の効果】請求項1の発明では、一端がリンクプレ
ートにヒンジ結合された開閉アームの他端に開閉アーム
に沿って移動可能な係合片を設け、その係合片の係合ピ
ン装入溝をリンクプレートの係合ピンに係合させるよう
にして、さらに、係合ピン装入溝が係合ピンに係合され
た後、係合片が逆方向へ移動することを阻止するよう
に、舌片とストッパを設けたことを特徴とする。これら
事項により、開閉アーム他端の回転方向と係合片の移動
方向が異なり、開閉アームの他端がリンクプレートから
離れようとしても、ケーブルドラグチェーンの構成部品
が破損しない限り開閉アームは回転することはない。従
って、開閉アームはリンクプレートに固定された状態と
なって、可撓体をケーブルドラグチェーンの中空空間内
に確実に保持することができる。
【0045】また、開閉アーム他端の回転方向と係合片
の移動方向が異なるので、係合片の移動を阻止する舌片
及びストッパは、係合片の移動を阻止できる程度の軽い
係止状態を提供できればよい。この事項により、開閉ア
ームの他端を係合ピンに係合させたり、開閉アームの他
端を係合ピンから解除したりする際、大きな力を必要と
しない。従って、従来のように、開閉アームの組立及び
解除に大きな力が必要にならず、ケーブルドラグチェー
ンの組立労力を軽減でき、ケーブルドラグチェーン内の
可撓体を点検したり、修理したりすることも容易であ
る。
【0046】また、開閉アームはこれに沿って移動する
係合片の係合ピン装入溝がリンクプレートの係合ピンに
係合することで回転を拘束され、係合片の移動方向が開
閉アームの回転方向と異なるので、係合ピン装入溝及び
係合ピンの寸法変化が開閉アームの組立及び解除に要す
る力に影響を与えることはない。従って、金型の摩耗等
による初期寸法の変化、構成部品自体の摩耗による経時
的寸法変化があっても、開閉アームがリンクプレートに
係合する力は常に安定した状態にある。従来では、ケー
ブルドラグチェーンのサイズが大きくなって、中空空間
に収納する可撓体の重量が増加すれば、開閉アームを解
除する力も大きくなる。そのため、嵌合力を大きくする
必要があり、必然的に組立労力や解除労力も増大し、余
計な労力を費やさなくてはならなくなり、非常に無駄で
ある。本発明では、開閉アームの先端の回転方向と係合
片の移動方向が異なるため、従来のように嵌合力だけ
で、開閉アームをリンクプレートに固定する構造を採用
する必要がない。そのため、ケーブルドラグチェーンの
サイズが大きくなっても、係合部の構造を大型化する必
要がなく、ケーブルドラグチェーンの軽量化や中空空間
の比率を大きくすることができる。
【0047】また、開閉アームを解除する際、舌片を弾
性変形させて、その舌片をストッパから外す構造になっ
ているので、ケーブルドラグチェーンが大きくなっても
開閉アームを解除する力は常に安定している。さらに、
開閉アームとリンクプレートの係合部分は、リンクプレ
ートの壁厚と同等又はこれより薄く構成できるので、開
閉アームの係合片がリンクプレートに係合した状態にお
いて、可撓体の収納空間が開閉アームによって侵食され
ることもなく、大きな中空空間を確保することができ
る。製造コスト面において、各部品の各部分を高精度に
成形したり、金型を微調整したりする必要がないので、
金型の製造コストを低減できる効果がある。
【0048】請求項2の発明では、一端がリンクプレー
トにヒンジ結合された開閉アームの他端に開閉アームに
対して回転可能な係合片を設け、その係合片の係合ピン
装入溝をリンクプレートの係合ピンに係合させるように
して、さらに、係合ピン装入溝が係合ピンに係合された
後、係合片が逆方向へ回転することを阻止するように、
舌片とストッパを設けたことを特徴とする。これらの事
項により、開閉アームの他端の回転方向と係合片の係合
ピン装入溝が係合ピンから外れる方向とが異なり、開閉
アームの他端がリンクプレートから離れようとしても、
ケーブルドラグチェーンの構成部品が破損しない限り開
閉アームは回転することはない。従って、開閉アームは
リンクプレートに固定された状態となって、可撓体をケ
ーブルドラグチェーンの中空空間内に確実に保持するこ
とができる。
【0049】また、開閉アーム他端の回転方向と係合片
の係合ピン装入溝の回転方向が異なるので、係合片の移
動を阻止する舌片及びストッパは、係合片の移動を阻止
できる程度の軽い係止状態を提供できればよい。この事
項により、開閉アームの他端を係合ピンに係合させた
り、開閉アームの他端を係合ピンから解除したりする
際、大きな力を必要としない。また、請求項1の発明と
同様に金型の摩耗等による初期寸法の変化、構成部品自
体の摩耗による経時的寸法変化があっても、開閉アーム
がリンクプレートに係合する力は常に安定した状態にあ
る。さらに、ケーブルドラグチェーンのサイズが大きく
なっても、係合部の構造を大型化する必要がなく、ケー
ブルドラグチェーンの軽量化や中空空間の比率を大きく
することができる。また、開閉アームを解除する際、舌
片を弾性変形させて、その舌片をストッパから外す構造
になっているので、ケーブルドラグチェーンが大きくな
っても開閉アームを解除する力は常に安定している。さ
らに、開閉アームとリンクプレートの係合部分を、リン
クプレートの壁厚と同等又はこれより薄く構成できるの
で、開閉アームの係合片がリンクプレートに係合した状
態において、可撓体の収納空間が開閉アームによって侵
食されることもなく、大きな中空空間を確保することが
できる。製造コスト面においても、各部品の各部分を高
精度に成形したり、金型を微調整したりする必要がない
ので、金型の製造コストを低減できる効果がある。
【0050】請求項3の発明では、一端がリンクプレー
トにヒンジ結合された開閉アームの他端に開閉アームに
沿って移動可能な係合片を設け、その係合片の係合ピン
をリンクプレートの係合ピン装入溝に係合させるように
して、さらに、係合ピンが係合ピン装入溝に係合された
後、係合片が逆方向へ移動することを阻止するように、
舌片とストッパを設けたことを特徴とする。これら事項
により、開閉アーム他端の回転方向と係合片の移動方向
が異なり、開閉アームの他端がリンクプレートから離れ
ようとしても、ケーブルドラグチェーンの構成部品が破
損しない限り開閉アームは回転することはない。従っ
て、開閉アームはリンクプレートに固定された状態とな
って、可撓体をケーブルドラグチェーンの中空空間内に
確実に保持することができる。
【0051】また、開閉アーム他端の回転方向と係合片
の移動方向が異なるので、係合片の移動を阻止する舌片
及びストッパは、係合片の移動を阻止できる程度の軽い
係止状態を提供できればよい。この事項により、開閉ア
ームの他端を係合ピン装入溝に係合させたり、開閉アー
ムの他端を係合ピン装入溝から解除したりする際、大き
な力を必要としない。従って、開閉アームの組立及び解
除に大きな力が必要にならず、ケーブルドラグチェーン
の組立労力を軽減でき、ケーブルドラグチェーン内の可
撓体を点検したり、修理したりすることも容易である。
【0052】また、開閉アームはこれに沿って移動する
係合片の係合ピンがリンクプレートの係合ピン装入溝に
係合することで回転を拘束され、係合片の移動方向が開
閉アームの回転方向と異なるので、係合ピン装入溝及び
係合ピンの寸法変化が開閉アームの組立及び解除に要す
る力に影響を与えることはない。従って、金型の摩耗等
による初期寸法の変化、構成部品自体の摩耗による経時
的寸法変化があっても、開閉アームがリンクプレートに
係合する力は常に安定した状態にある。従来では、ケー
ブルドラグチェーンのサイズが大きくなって、中空空間
に収納する可撓体の重量が増加すれば、開閉アームを解
除する力も大きくなる。そのため、嵌合力を大きくする
必要があり、必然的に組立労力や解除労力も増大し、余
計な労力を費やさなくてはならなくなり、非常に無駄で
ある。本発明では、開閉アームの先端の回転方向と係合
片の移動方向が異なるため、従来のように嵌合力だけ
で、開閉アームをリンクプレートに固定する構造を採用
する必要がない。そのため、ケーブルドラグチェーンの
サイズが大きくなっても、係合部の構造を大型化する必
要がなく、ケーブルドラグチェーンの軽量化や中空空間
の比率を大きくすることができる。
【0053】また、開閉アームを解除する際、舌片を弾
性変形させて、その舌片をストッパから外す構造になっ
ているので、ケーブルドラグチェーンが大きくなっても
開閉アームを解除する力は常に安定している。さらに、
開閉アームとリンクプレートの係合部分の構造を、リン
クプレートの壁厚と同等又はこれより薄く構成できるの
で、開閉アームの係合片がリンクプレートに係合した状
態において、可撓体の収納空間が開閉アームによって侵
食されることもなく、大きな中空空間を確保することが
できる。製造コスト面において、各部品の各部分を高精
度に成形したり、金型を微調整したりする必要がないの
で、金型の製造コストを低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ケーブルドラグチェーンの使用状態の側面
図。
【図2】 図1のケーブルドラグチェーンの上面図。
【図3】 開閉アームを除いたリンク体の上面図。
【図4】 図3のリンク体の切欠部分の斜視図。
【図5】 開閉アームの上面図。
【図6】 開閉アームの一端の斜視図。
【図7】 開閉アームの他端の斜視図。
【図8】 係合片を取り付けた開閉アームの上面図
【図9】 図8の開閉アームの左側面図。
【図10】 開閉アームを取り付けたリンク体の断面
図。
【図11】 開閉アームを取り付けて係合片を移動させ
た状態のリンク体の断面図。
【図12】 第2実施例における開閉アームの上面図。
【図13】 図12の開閉アームの断面図。
【図14】 開閉アームの他端の斜視図。
【図15】 係合片の斜視図。
【図16】 係合片を取り付けた開閉アームの正面図。
【図17】 開閉アームを取り付けたリンク体の断面
図。
【図18】 開閉アームを取り付けて係合片を回転させ
た状態のリンク体の断面図。
【図19】 図リンクプレートの側面図。
【図20】 第3実施例における開閉アームの上面図。
【図21】 図21の開閉アームの断面図。
【図22】 係合片の上面図。
【図23】 図23の係合片の断面図。
【図24】 係合片を取り付けた開閉アームの上面図。
【図25】 開閉アームを取り付けたリンク体の断面
図。
【図26】 開閉アームを取り付けて係合片を移動させ
た状態のリンク体の断面図。
【符号の説明】
10,110,210 ケーブルドラグチェーン 12 リンク体 14 取付金具 16,116,216 リンクプレート 18,118 結合アーム 20,120,220 開閉アーム 22,222 切欠部分 24 肩部 26,126 係合ピン 28 案内面 30 フック片 32,232 係合ピン装入溝 34,134,234 係合片 36,226 係止窓部 38,138 係合片のフック片 40,140 係合ピン装入溝 42 係合片支持アーム 44,144,244 舌片 46,146,246 突起 122 薄肉基端部 124 係合片支持アーム 128 回転支持軸 130 孔部 132 ガイド溝 142 係止部 148 ストッパ 150 解除溝 221 アーム本体 224 中空部分 230,236 嵌合部 231,233 係合ピン 237 支持アーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16G 13/00 - 17/00 F16L 3/00 - 3/24 F16L 9/22 F16L 11/00 - 11/18 F16L 27/02 F16L 57/00 - 58/18 B65H 57/00 - 57/28 H02G 3/00 - 3/28 H02G 11/00 - 11/02 F16B 5/00 - 5/12 F16C 11/00 - 11/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈曲可能に連結された複数のリンク体か
    ら構成され、それぞれのリンク体が、左右一対のリンク
    プレートと、該リンクプレートのそれぞれの下縁を連結
    する結合アームと、該リンクプレートのそれぞれの上縁
    を連結する開閉アームとを有し、前記リンクプレートの
    一方の上端部と前記開閉アームの一端とがヒンジ結合さ
    れたケーブルドラグチェーンにおいて、 前記リンクプレートの他方の上端部にチェーン長手方向
    に延びる係合ピンが設けられるとともに、前記開閉アー
    ムの他端に該アームに沿って移動可能である係合片が設
    けられ、前記係合片が該アームの長手方向に開口する係
    合ピン装入溝を有しており、 前記開閉アームと前記係合片の一方に弾性変形可能な舌
    片を設けるとともに、前記開閉アームと前記係合片の他
    方に前記舌片に係止するストッパを設け、前記係合片が
    移動して前記係合ピンに前記係合ピン装入溝が係合した
    とき、前記舌片が前記ストッパに係止して前記係合片の
    逆方向への移動を阻止することを特徴とする、 ケーブルドラグチェーンにおけるリンクプレートと開閉
    アームの係止構造。
  2. 【請求項2】 屈曲可能に連結された複数のリンク体か
    ら構成され、それぞれのリンク体が、左右一対のリンク
    プレートと、該リンクプレートのそれぞれの下縁を連結
    する結合アームと、該リンクプレートのそれぞれの上縁
    を連結する開閉アームとを有し、前記リンクプレートの
    一方の上端部と前記開閉アームの一端とがヒンジ結合さ
    れたケーブルドラグチェーンにおいて、 前記リンクプレートの他方の上端部にチェーン長手方向
    に延びる係合ピンが設けられるとともに、前記開閉アー
    ムの他端に該アームに対して回転可能である係合片が設
    けられ、前記係合片が該係合片の接線方向に開口する係
    合ピン装入溝を有しており、 前記開閉アームと前記係合片の一方に弾性変形可能な舌
    片を設けるとともに、前記開閉アームと前記係合片の他
    方に前記舌片に係止するストッパを設け、前記係合片が
    回転して前記係合ピンに前記係合ピン装入溝が係合した
    とき、前記舌片が前記ストッパに係止して前記係合片の
    逆方向への回転を阻止することを特徴とする、 ケーブルドラグチェーンにおけるリンクプレートと開閉
    アームの係止構造。
  3. 【請求項3】 屈曲可能に連結された複数のリンク体か
    ら構成され、それぞれのリンク体が、左右一対のリンク
    プレートと、該リンクプレートのそれぞれの下縁を連結
    する結合アームと、該リンクプレートのそれぞれの上縁
    を連結する開閉アームとを有し、前記リンクプレートの
    一方の上端部と前記開閉アームの一端とがヒンジ結合さ
    れたケーブルドラグチェーンにおいて、 前記リンクプレートの他方の上端部に前記開閉アームの
    長手方向に開口する係合ピン装入溝が設けられていると
    ともに、前記開閉アームの他端に該アームに沿って移動
    可能である係合片が設けられ、前記係合片がケーブルド
    ラグチェーンの長手方向に突出して前記係合ピン装入溝
    に係合する係合ピンを有しており、 前記開閉アームと前記係合片の一方に弾性変形可能な舌
    片を設けるとともに、前記開閉アームと前記係合片の他
    方に前記舌片に係止するストッパを設け、前記係合片が
    移動して前記係合ピンに前記係合ピン装入溝が係合した
    とき、前記舌片が前記ストッパに係止して前記係合片の
    逆方向への移動を阻止することを特徴とする、 ケーブルドラグチェーンにおけるリンクプレートと開閉
    アームの係止構造。
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