JP3356531B2 - ボロン含有ポリシリコン膜の形成方法 - Google Patents

ボロン含有ポリシリコン膜の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造プロセスに
おけるポリシリコン膜の形成方法に関し、特に、ボロン
(ホウ素)を添加したポリシリコン膜(ボロンドープド
ポリシリコン膜)を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリシリコン膜は、シリコンの微小単結
晶粒(グレイン)の集合体であり、ポリシリコンだけで
は電気抵抗が大きいが、不純物を高濃度にドープされた
状態では高い導電性を示すために、例えば半導体集積回
路の一部として製造されるMOSトランジスタのゲート
電極や素子間配線等として広く用いられている。このよ
うな導電性を有するポリシリコン膜を形成するには、従
来、化学蒸着(CVD)法によりポリシリコン膜を成膜
した後、ボロンやリン等の不純物をポリシリコン膜内に
イオン注入することによって電気抵抗を低下させてい
る。
【0003】また、近年においては、スループット及び
不純物濃度の制御性を向上させるために、ポリシリコン
の成膜工程と不純物導入工程とを同時に行う方法も実施
されている。この方法においては、例えばボロンドープ
ドポリシリコン膜を形成する場合、ボロンの供給源とし
てジボラン(B2 6 )を用い、シリコンの供給源とし
てシラン(SiH4 )を用いて、CVD法によりポリシ
リコン膜を成膜する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、成膜後にポリ
シリコン膜に不純物をイオン注入する方法では、例え
ば、MOSトランジスタのゲート電極を形成する場合、
イオンの突き抜けが発生して、ゲート絶縁膜や基板内に
不純物が拡散してしまい、MOSトランジスタのしきい
値が変動してしまうという問題があった。また、ポリシ
リコン膜の成膜工程とイオン注入工程とを別に行うた
め、工程数が多くなるという問題もあった。
【0005】一方、ポリシリコン膜の成膜時にボロンを
添加する従来の方法では、CVD装置内に不可避的に侵
入する微量の酸素がシリコンのグレインの成長を抑制す
るため、グレインサイズが大きくならず、この結果、抵
抗が高くなるという問題があった。すなわち、ポリシリ
コン膜の電気抵抗値の制御性が悪かった。
【0006】そこで、本発明の目的は、成膜時にポリシ
リコン膜中に酸素が混入することを防止して、グレイン
サイズを大きくし、制御性よく低抵抗のボロンドープド
ポリシリコン膜を形成することのできる方法を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述目的を達成するため
に、本発明は、トリメチルボロン及びトリエチルボロン
からなる群より選ばれた少なくとも1種を0.001〜
0.1atomic%含む第1のガスと、モノシラン及び高次
シランからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む第
2のガスとを、0.1〜2Torrに減圧したCVD装
置の反応室内に導入し、前記第1のガスと前記第2のガ
スとを550℃〜680℃に加熱されたウェハ上で混合
して熱分解反応させ、ボロンを含有したポリシリコン膜
を下地の上に蒸着することを特徴とする。また、本発明
は、ウェハを載置したCVD装置の加熱炉を密閉し、ポ
ンプを駆動して前記加熱炉内を0.1〜2Torrに減
圧する工程と、気化したトリメチルボロン及びトリエチ
ルボロンからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む
第1のガスを、流量制御器で流量制御して導入管から加
熱炉に供給する工程と、前記加熱炉内に、別の導入管か
らモノシラン及び高次シランからなる群より選ばれた少
なくとも1種を含む第2のガスを供給する工程と、前記
第1のガスと前記第2のガスとを、550℃〜680℃
に加熱されたウェハ上で混合して熱分解反応させ、前記
ウェハ上にポリシリコン膜を堆積させる工程とを含むこ
とを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明においては、トリメチルボロン又はトリ
エチルボロンに含まれるメチル基又はエチル基が酸素と
反応し易いために、ポリシリコン成膜時に反応系に存在
する酸素がこれらの基に捕まり、ポリシリコン膜内に混
入することが防止される。この結果、ポリシリコン膜内
の酸素量を減少させることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例につき図1を参照して
説明する。
【0010】図1は、本実施例の方法を実施するために
用いることのできるCVD装置の概略図である。図1に
おいて、加熱炉1内には多数のシリコンウェハ2が積層
された状態で設置されている。また、加熱炉1には、加
熱炉1内の圧力を調整するための真空ポンプ4、及び、
加熱炉1内に流入するガスの流量を制御するための流量
制御器5が接続されており、流量制御器5には、液体状
態のガスソースをバブリングして気化させるためのバブ
ラー3が接続されている。
【0011】図1に示したCVD装置を用い、本実施例
の方法によりポリシリコン膜を形成するには、まず、真
空ポンプ4を駆動して加熱炉1内の圧力を0.1〜2To
rrに減圧する。
【0012】次に、アルゴンガス等のキャリアガスをバ
ブラー3内に導入し、バブラー3内に封入されたトリメ
チルボロンをバブリングして蒸発させる。尚、本実施例
では、バブラー3内にトリメチルボロンを封入したが、
トリエチルボロンを封入してもよく、或いは、トリメチ
ルボロンとトリエチルボロンの両方を封入してもよい。
【0013】次に、気化したトリメチルボロンを含むキ
ャリアガスを、流量制御器5で流量制御して加熱炉1に
供給する。このとき、トリメチルボロンの加熱炉1への
供給量が、0.001〜0.1atomic%となるように流
量制御を行う。尚、トリエチルボロンを加熱炉1へ供給
する場合の供給量も、これと同様である。
【0014】次に、加熱炉1内に、別の導入管(図示せ
ず)からモノシラン(SiH4 )を供給する。尚、本実
施例では、加熱炉1内にモノシランを供給したが、高次
シラン(Sin 2n+2)を供給してもよく、或いは、モ
ノシランと高次シランの両方を供給してもよい。
【0015】次に、トリメチルボロンを含むキャリアガ
スとモノシランとを、550〜680℃に加熱されたシ
リコンウェハ2上で混合して熱分解反応させ、シリコン
ウェハ2上にポリシリコン膜を堆積させる。このとき、
キャリアガス中に不可避的に混入している酸素はメチル
基と反応して、膜中には混入しない。
【0016】以上の工程によって、ポリシリコン膜を成
膜すると同時に、膜内にボロンを添加することができ
る。本実施例により、ボロン濃度が1×1019〜1×1
21cm-3、膜厚300nmのときに抵抗が20〜80Ω
/□(シート抵抗)のポリシリコン膜を再現性よく形成
することができた。尚、本実施例の方法においては、ト
リメチルボロン(及び/又はトリエチルボロン)の供給
量を高精度に制御できるために、ポリシリコン膜内のボ
ロン濃度の制御性が高い。以上の結果、本実施例の方法
により、低抵抗のポリシリコン膜を制御性よく得られる
ことが分かった。
【0017】
【発明の効果】本発明によると、ポリシリコン成膜時に
酸素がポリシリコン膜内に混入するのを防止できるの
で、シリコンのグレインを大きくすることができて、低
抵抗のポリシリコン膜を制御性よく形成することが可能
となる。
【0018】また、ポリシリコン膜の成膜工程とボロン
導入工程とを同時に行うので、ポリシリコン膜の形成工
程におけるスループットが向上する。また、トリメチル
ボロン又はトリエチルボロンの供給量を高精度に制御で
きるために、ポリシリコン膜内のボロン濃度の制御性を
高めることができる。以上の結果、本発明により、特性
の安定した半導体デバイスをより低コストで製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の方法を実施するために用いる
CVD装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 加熱炉 2 シリコンウェハ 3 バブラー 4 真空ポンプ 5 流量制御器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205,21/365

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリメチルボロン及びトリエチルボロン
    からなる群より選ばれた少なくとも1種を0.001〜
    0.1atomic%含む第1のガスと、モノシラン及び高次
    シランからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む第
    2のガスとを、0.1〜2Torrに減圧したCVD装
    置の反応室内に導入し、前記第1のガスと前記第2のガ
    スとを550℃〜680℃に加熱されたウェハ上で混合
    して熱分解反応させ、 ボロンを含有したポリシリコン膜を下地の上に蒸着する
    ことを特徴とするボロン含有ポリシリコン膜の形成方
    法。
  2. 【請求項2】 ウェハを載置したCVD装置の加熱炉を
    密閉し、ポンプを駆動して前記加熱炉内を0.1〜2T
    orrに減圧する工程と、 気化したトリメチルボロン及びトリエチルボロンからな
    る群より選ばれた少なくとも1種を含む第1のガスを、
    流量制御器で流量制御して導入管から加熱炉に供給する
    工程と、 前記加熱炉内に、別の導入管からモノシラン及び高次シ
    ランからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む第2
    のガスを供給する工程と、 前記第1のガスと前記第2のガスとを、550℃〜68
    0℃に加熱されたウェハ上で混合して熱分解反応させ、
    前記ウェハ上にポリシリコン膜を堆積させる工程とを含
    むことを特徴とするボロン含有ポリシリコン膜の形成方
    法。
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