JP3355730B2 - 筆記具部材 - Google Patents

筆記具部材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外観特性に優れた筆記
具部材、特に、塩基性染料を含んだインキを充填した筆
記具の部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種の部材において、装飾または
機能性向上を目的として各種のめっきが行われている
が、高耐食性が要求される部材には、クロムめっき層を
形成する方法が知られている。筆記具部材においても同
様である。その一例を図1に基づき説明する。
【0003】図1において、参照符号1は軸筒であっ
て、該軸筒1内には塩基性染料を含むインキ(塩基性染
料は発色や耐水性が良好との理由により使用される)を
吸蔵したインキ吸蔵体2が収容されている。軸筒1の前
方には基材(金属やセラミックスや樹脂など、尚、セラ
ミックスや樹脂の場合にはめっき処理を行なう)上にク
ロムめっき層を形成したペン先3を保持するための先部
材4が固定されている。参照符号5は空気孔、6は軸筒
1の前方に止着したキャップである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図1に示した状態にお
いて、キャップ6内は、ペン先3及び空気孔5より軸筒
1内のインキが蒸発し、蒸気雰囲気で満たされることと
なる。これによって、筆記具部材の一つである先部材4
は、インキ蒸気雰囲気中に曝されることとなる。このよ
うな場合、先部材4のクロムめっき表面が均質であれ
ば、そのゼ−タ電位は一般にプラス側になっているため
ほとんど問題はないが、先部材4のクロムめっき表面に
は、一般に多数のピンホ−ルやクラックが存在するた
め、そのピンホ−ルやクラック部分でマイナスに帯電し
た下層のめっき層や基材が露出することがあり、その部
分にインキ中で陽イオンとして存在している塩基性染料
が吸着し、経時的に外観特性が低下してしまうという問
題があった。尚、キャップ内において、筆記具部材がイ
ンキに接触した場合には、この問題がより顕著となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、塩基性
染料を含んだインキを充填した筆記具部材の外観特性の
低下を防止することであって、塩基性染料を含んだイン
キを充填した筆記具であって、キャップを軸筒の前方に
止着した際、キャップ内に位置する筆記具部材におい
て、該筆記具部材の基材上に少なくとも金属クロム層
と、該金属クロム層上にクロメ−ト皮膜を形成した筆記
具部材を要旨とするものである。
【0006】即ち、本発明においては、金属クロム層上
にクロメ−ト皮膜を形成することにより、クロムめっき
層に存在するピンホ−ルやクラックをクロメ−ト皮膜で
埋め、インキ中の染料の吸着などによる経時的な外観特
性の低下を防止せんとしたものである。
【0007】本発明の筆記具部材としては、キャップを
軸筒の前方に止着した際、キャップ内に位置する筆記具
部材であって、その基材の具体例としては、前記した先
部材や軸筒の前軸などであって、その材質としては、
銅、銅合金、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、ス
ズ、スズ合金、アルミニウム、アルミニウム合金、亜
鉛、亜鉛合金、ステンレス等の金属や、他の金属の表面
にこれらの金属を形成したものや、アクリロニトリルブ
タジエンスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂などの樹脂や
アルミナ、ジルコニア、シリカ等のセラミックの表面
に、電気めっき法、無電解めっき法、スパッタリング、
イオンプレ−ティング法などの方法により前記金属の処
理をなしたもの等種々使用可能である。
【0008】前記基材上に形成するクロムめっき層は、
公知技術であるサ−ジェント浴(無水クロム酸200〜
300g/l、硫酸2〜3g/l)やふっ化浴(無水ク
ロム酸250〜350g/l、硫酸0.5g/l、けい
ふっ化ナトリウム12〜20g/l)を用いて、電気め
っき法で得られるものである。他に市販されているクロ
ムめっき液も使用可能である。クロメ−ト処理は、公知
技術である液組成(重クロム酸カリウム50g/lまた
は重クロム酸ナトリウム50g/l)を用いて、浸漬法
または電解法で得られる皮膜である。他に市販されてい
る処理液も使用可能である。
【0009】次に、インキについて簡単に述べる。塩基
性染料としては、公知の塩基性染料が種々使用可能であ
り、その具体例としては、CIベ−シックエロ−1、同
2、同11、CIベ−シックオレンジ2、同14、同2
1、CIベ−シックレッド1、同12、CIベ−シック
バイオレット1、同3、同7、CIベ−シックブル−
1、同3、同5、同9、同26、CIベ−シックグリ−
ン1、同4などが挙げられる。これら塩基性染料を用い
たインキの具体例を挙げれば、水性インキとしては、溶
剤(水とグリコ−ル類、セロセルブ類、カ−ビト−ル
類、酸アミド等の混合溶剤)と、塩基性染料に、その他
防腐剤、界面活性剤、その他添加剤を適宜加えたもので
あり、又、油性インキとしては、溶剤(芳香族炭化水
素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、アルコール類、
ケトン類、グリコール類など)と、塩基性染料と、樹脂
(アルキッド樹脂、クマロンインデン樹脂、変性ロジン
樹脂、ポリビニルピロリドン、ケトン樹脂など)に、そ
の他溶解助剤などを適宜加えたものである。
【0010】
【作用】本発明は、塩基性染料を含んだインキを充填し
た筆記具であって、キャップを軸筒の前方に止着した
際、キャップ内に位置する筆記具部材において、該筆記
具部材の基材上に少なくとも金属クロム層と、該金属ク
ロム層上にクロメ−ト皮膜を形成したものである為に、
クロメ−ト皮膜によりクロムめっき層に存在するピンホ
−ルやクラックを外気と遮断することができ、よって塩
基性染料の吸着等を防止することができ、経時的に生じ
る外観特性の低下を防止することができるものである。
【0011】
【実施例】
実施例1 基材として、切削加工により得られた真鍮を用い、洗浄
し予備処理とした。上記基材を、公知の方法で脱脂、酸
活性した。この基材上にワット浴を用いて液温60℃、
pH4.5、電流密度4A/dm2で5分間処理し、膜
厚5μmの電気ニッケルめっき層を形成した。次にその
上層部にサ−ジェント浴を用いて液温40℃、電流密度
30A/dm2で1分間処理し、クロムめっき層を形成
した。次に液組成が重クロム酸カリウム50g/lのク
ロメ−ト液を用いて、液温50℃、電流密度0.2A/
dm2で1分間処理し、クロメ−ト皮膜を形成し、筆記
具部材を得た。
【0012】実施例2 実施例1で用いた基材を同様の方法により予備処理を
し、公知の方法により脱脂、酸活性した。この基材上に
ワット浴を用いて液温60℃、pH4.5、電流密度
0.4A/dm2で50分間処理し、膜厚5μmの電気
ニッケルめっき層を形成した。次にその上層部にふっ化
浴を用いて液温40℃、電流密度50A/dm2で7分
間処理し、クロムめっき層を形成した。次に液組成が重
クロム酸ナトリウム50g/lのクロメ−ト液を用い
て、液温50℃、電流密度0.2A/dm2で1分間処
理し、クロメ−ト皮膜を形成し、筆記具部材を得た。
【0013】実施例3 実施例1で用いた基材を同様の方法により予備処理を
し、公知の方法により脱脂、酸活性した。この基材上に
ワット浴を用いて液温60℃、pH4.5、電流密度
0.4A/dm2で50分間処理し、膜厚5μmの電気
ニッケルめっき層を形成した。次にその上層部にふっ化
浴を用いて液温40℃、電流密度50A/dm2で7分
間処理し、クロムめっき層を形成した。次に荏原ユ−ジ
ライト(株)製ECR−500を用いて液温60℃、電
流密度0.5A/dm2で30秒間処理し、クロメ−ト
皮膜を形成し、筆記具部材を得た。
【0014】実施例4 実施例1で用いた基材を同様の方法により予備処理を
し、公知の方法により脱脂、酸活性した。この基材上に
ワット浴を用いて液温60℃、pH4.5、電流密度
0.4A/dm2で50分間処理し、膜厚5μmの電気
ニッケルめっき層を形成した。次にその上層部にふっ化
浴を用いて液温40℃、電流密度50A/dm2で7分
間処理し、クロムめっき層を形成した。次に荏原ユ−ジ
ライト(株)製ECR−500を用いて液温60℃で1
分間処理し、クロメ−ト皮膜を形成し、筆記具部材を得
た。
【0015】比較例1 実施例1で用いた基材を同様の方法により予備処理を
し、公知の方法により脱脂、酸活性した。この基材上に
ワット浴を用いて液温60℃、pH4.5、電流密度
0.4A/dm2で50分間処理し、膜厚5μmの電気
ニッケルめっき層を形成した。次にその上層部にふっ化
浴を用いて液温40℃、電流密度50A/dm2で7分
間処理し、クロムめっき層を形成し、筆記具部材を得
た。
【0016】比較例2 実施例1で用いた基材を同様の方法により予備処理を
し、公知の方法により脱脂、酸活性した。この基材上に
ワット浴を用いて液温60℃、pH4.5、電流密度4
A/dm2で5分間処理し、膜厚5μmの電気ニッケル
めっき層を形成した。次にその上層部にサ−ジェント浴
を用いて液温40℃、電流密度30A/dm2で1分間
処理し、クロムめっき層を形成し、筆記具部材を得た。
【0017】以上の実施例1〜4、比較例1、2により
得られた筆記具部材について、インキ中での染料吸着性
の評価結果を表1に示す。尚、インキとしては、ぺんて
る(株)製ぺんてるサインペン青インキ(S520−C
(水、グリコ−ル類、CIベ−シックブル−、CIベ−
シックバイオレット、防腐剤、界面活性剤よりなるイン
キ))を用い、温度90℃で7日間試験後、部材表面へ
の染料の吸着面積率で評価した。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】表1でも明らかなように、本発明による
筆記具部材は、インキ中での染料吸着性に優れたもので
あり、従って、外観特性の低下がほとんど生じないこと
がわか
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 軸筒 2 インキ吸蔵体 3 ペン先 4 先部材 5 空気孔 6 キャップ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基性染料を含んだインキを充填した筆
    記具であって、キャップを軸筒の前方に止着した際、キ
    ャップ内に位置する筆記具部材において、該筆記具部材
    の基材上に少なくとも金属クロム層と、該金属クロム層
    上にクロメ−ト皮膜を形成した筆記具部材。
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