JPH0533189A - 高耐食性ニツケルめつき皮膜及びその製造方法 - Google Patents
高耐食性ニツケルめつき皮膜及びその製造方法Info
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- JPH0533189A JPH0533189A JP20866491A JP20866491A JPH0533189A JP H0533189 A JPH0533189 A JP H0533189A JP 20866491 A JP20866491 A JP 20866491A JP 20866491 A JP20866491 A JP 20866491A JP H0533189 A JPH0533189 A JP H0533189A
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- Japan
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- nickel plating
- plating film
- iron
- nickel
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ニッケルめっきを施した鉄系素材の耐食性を
向上させ得るニッケルめっき皮膜及びその製造方法を提
供すること。 【構成】 鉄系素材に施したニッケルめっき皮膜に存在
するめっき欠陥部である小孔に、アルカリ化成法、ある
いは、陽極酸化法によって四三酸化鉄を主体とする鉄の
酸化層を形成する。 【効果】 JIS Z 2371の規定に基づく塩水噴
霧試験において、2時間後においても錆の発生は認めら
れなかった。
向上させ得るニッケルめっき皮膜及びその製造方法を提
供すること。 【構成】 鉄系素材に施したニッケルめっき皮膜に存在
するめっき欠陥部である小孔に、アルカリ化成法、ある
いは、陽極酸化法によって四三酸化鉄を主体とする鉄の
酸化層を形成する。 【効果】 JIS Z 2371の規定に基づく塩水噴
霧試験において、2時間後においても錆の発生は認めら
れなかった。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄系素材上に施したニ
ッケルめっき皮膜に存在するめっき欠陥部に保護層を形
成することによって耐食性を向上させることができるニ
ッケルめっき皮膜及びその製造方法に関するものであ
る。
ッケルめっき皮膜に存在するめっき欠陥部に保護層を形
成することによって耐食性を向上させることができるニ
ッケルめっき皮膜及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から鉄系素材を防食するために、鉄
系素材に電気的又は化学的方法でニッケルめっき皮膜を
形成することが行なわれている。しかしながら、鉄系素
材上に形成したニッケルめっき皮膜は、完全に鉄系素材
上を覆っているものではなく、小孔部が少なからず存在
していて鉄素地が露出している部分が存在し、この部分
から腐食がおこるものである。したがって、従来から、
一度ニッケルめっきした後に、さらに一度、二度と重ね
てニッケルめっきし、あるいはクロムめっきを重ねて施
行したりして多層のめっき層を形成して小孔部を減少さ
せようとする処理が行なわれている。
系素材に電気的又は化学的方法でニッケルめっき皮膜を
形成することが行なわれている。しかしながら、鉄系素
材上に形成したニッケルめっき皮膜は、完全に鉄系素材
上を覆っているものではなく、小孔部が少なからず存在
していて鉄素地が露出している部分が存在し、この部分
から腐食がおこるものである。したがって、従来から、
一度ニッケルめっきした後に、さらに一度、二度と重ね
てニッケルめっきし、あるいはクロムめっきを重ねて施
行したりして多層のめっき層を形成して小孔部を減少さ
せようとする処理が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最初の
ニッケルめっき処理でいったん発生しためっきされない
で残った小孔部は、多層めっき層を形成したとしても、
その小孔部が次のめっき処理によっても埋められた状態
にならず、そのまま上の層にも貫通した形で存在する場
合が多く、この最初に存在した小孔部を封孔する処理と
はならず、めっき欠陥部として存在するという問題があ
る。
ニッケルめっき処理でいったん発生しためっきされない
で残った小孔部は、多層めっき層を形成したとしても、
その小孔部が次のめっき処理によっても埋められた状態
にならず、そのまま上の層にも貫通した形で存在する場
合が多く、この最初に存在した小孔部を封孔する処理と
はならず、めっき欠陥部として存在するという問題があ
る。
【0004】本発明は、ニッケルめっき皮膜に存在する
めっき欠陥部に保護層を形成した高耐食性ニッケルめっ
き皮膜と、その製造方法を提供することを目的とするも
のである。
めっき欠陥部に保護層を形成した高耐食性ニッケルめっ
き皮膜と、その製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記問題を
解決し、前記目的を達成するために研究を重ねた結果、
めっき欠陥部である小孔部に露出している鉄素地に酸化
層として四三酸化鉄層を形成することによって目的を達
し得ることを見出して本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明の第1の実施態様は、鉄系素材上に形成し
たニッケルめっき皮膜に存在するめっき欠陥部に四三酸
化鉄層を形成してなる高耐食性ニッケルめっき皮膜であ
り、第2の実施態様は、鉄系素材上にニッケルめっき皮
膜を形成した後、該ニッケルめっき皮膜に存在するめっ
き欠陥部に四三酸化鉄層形成処理を施す高耐食性ニッケ
ルめっき皮膜の製造方法である。
解決し、前記目的を達成するために研究を重ねた結果、
めっき欠陥部である小孔部に露出している鉄素地に酸化
層として四三酸化鉄層を形成することによって目的を達
し得ることを見出して本発明を完成するに至った。すな
わち、本発明の第1の実施態様は、鉄系素材上に形成し
たニッケルめっき皮膜に存在するめっき欠陥部に四三酸
化鉄層を形成してなる高耐食性ニッケルめっき皮膜であ
り、第2の実施態様は、鉄系素材上にニッケルめっき皮
膜を形成した後、該ニッケルめっき皮膜に存在するめっ
き欠陥部に四三酸化鉄層形成処理を施す高耐食性ニッケ
ルめっき皮膜の製造方法である。
【0006】本発明におけるニッケルめっきは、通常鉄
系素材に対して施行されているニッケルめっき方法でめ
っき処理すればよく、又、既製のニッケルめっき品であ
ってもよい。
系素材に対して施行されているニッケルめっき方法でめ
っき処理すればよく、又、既製のニッケルめっき品であ
ってもよい。
【0007】素材保護層である鉄の酸化層は、四三酸化
鉄を主体とする酸化物層であって、その形成方法として
は、ニッケルめっきを施した鉄系素材を亜硝酸ナトリウ
ム、硝酸カリウムのような酸化剤を含む高濃度アルカリ
溶液中に浸漬するアルカリ化成法、あるいは、同等のア
ルカリ溶液を浴とする陽極酸化法が挙げられ、とくに、
陽極酸化処理する場合に封孔される度合が高く好ましい
ものである。
鉄を主体とする酸化物層であって、その形成方法として
は、ニッケルめっきを施した鉄系素材を亜硝酸ナトリウ
ム、硝酸カリウムのような酸化剤を含む高濃度アルカリ
溶液中に浸漬するアルカリ化成法、あるいは、同等のア
ルカリ溶液を浴とする陽極酸化法が挙げられ、とくに、
陽極酸化処理する場合に封孔される度合が高く好ましい
ものである。
【0008】
【作用】ニッケルは、電気的に鉄より貴であり、めっき
皮膜はバリヤー的に素地鉄を保護するために、ニッケル
めっきに存在するめっき欠陥部である小孔部は、素地鉄
が侵食され易いのである。
皮膜はバリヤー的に素地鉄を保護するために、ニッケル
めっきに存在するめっき欠陥部である小孔部は、素地鉄
が侵食され易いのである。
【0009】このめっき欠陥部に鉄の酸化層を形成させ
ると、小孔部が完全に封孔され、生成した鉄の酸化層が
四三酸化鉄を主体とするものであるので、耐食性が優れ
たものとなるものである。
ると、小孔部が完全に封孔され、生成した鉄の酸化層が
四三酸化鉄を主体とするものであるので、耐食性が優れ
たものとなるものである。
【0010】
【実施例】次に、本発明の実施例を述べる。
【0011】常法にしたがって3μmのニッケルめっき
を施した鋼板上に、NaOH50%、KNO32%、N
aNO22%のような組成の電解浴を使用して、浴温1
40℃、電流密度5A/dm2で20分間陽極酸化して
封孔処理を行なった。
を施した鋼板上に、NaOH50%、KNO32%、N
aNO22%のような組成の電解浴を使用して、浴温1
40℃、電流密度5A/dm2で20分間陽極酸化して
封孔処理を行なった。
【0012】得られた製品は、めっき欠陥部に四三酸化
鉄を主体とする鉄の酸化物の保護層が形成されていた。
又、この製品について、JIS Z 2371の規定に
基づいて塩水噴霧試験を行なったが、2時間後において
も錆の発生は認められなかった。
鉄を主体とする鉄の酸化物の保護層が形成されていた。
又、この製品について、JIS Z 2371の規定に
基づいて塩水噴霧試験を行なったが、2時間後において
も錆の発生は認められなかった。
【0013】これに対して、前記と同様にしてニッケル
めっき皮膜だけを形成した鋼板について、前記と同様に
塩水噴霧試験を行なったが、0.5時間ですでに錆の発
生が認められた。
めっき皮膜だけを形成した鋼板について、前記と同様に
塩水噴霧試験を行なったが、0.5時間ですでに錆の発
生が認められた。
【0014】
【発明の効果】本発明は、鉄系素材に施したニッケルめ
っき皮膜に小孔として存在するめっき欠陥部に、四三酸
化鉄層を形成させたものであるから、めっき欠陥部であ
る小孔が封孔され、めっき欠陥部から発生する腐食を抑
制し得るものであって、きわめて優れた効果が認められ
る。
っき皮膜に小孔として存在するめっき欠陥部に、四三酸
化鉄層を形成させたものであるから、めっき欠陥部であ
る小孔が封孔され、めっき欠陥部から発生する腐食を抑
制し得るものであって、きわめて優れた効果が認められ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 鉄系素材上に形成したニッケルめっき皮
膜に存在するめっき欠陥部に四三酸化鉄層を形成してな
ることを特徴とする高耐食性ニッケルめっき皮膜。 - 【請求項2】 鉄系素材上にニッケルめっき皮膜を形成
した後、該ニッケルめっき皮膜に存在するめっき欠陥部
に四三酸化鉄層形成処理を施すことを特徴とする高耐食
性ニッケルめっき皮膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20866491A JP3189904B2 (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 高耐食性ニッケルめっき皮膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20866491A JP3189904B2 (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 高耐食性ニッケルめっき皮膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0533189A true JPH0533189A (ja) | 1993-02-09 |
JP3189904B2 JP3189904B2 (ja) | 2001-07-16 |
Family
ID=16560008
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20866491A Expired - Fee Related JP3189904B2 (ja) | 1991-07-25 | 1991-07-25 | 高耐食性ニッケルめっき皮膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3189904B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007332410A (ja) * | 2006-06-13 | 2007-12-27 | Nippon Steel Corp | 樹脂被覆Niメッキ鋼板およびその製造方法 |
WO2008072617A1 (ja) * | 2006-12-11 | 2008-06-19 | Nippon Steel Corporation | Niメッキ鋼板およびその製造方法 |
JP2010513882A (ja) * | 2006-12-22 | 2010-04-30 | アレヴァ エンペー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 材料検査のために燃料棒被覆管を予備処理する方法 |
US9498933B2 (en) | 2010-01-08 | 2016-11-22 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Surface-treated metal sheet and process for producing formed article from the surface-treated metal sheet |
CN107419288A (zh) * | 2017-07-04 | 2017-12-01 | 徐州工程学院 | 一种阳极氧化‑共沉淀制备磁性四氧化三铁的方法 |
JP2021022424A (ja) * | 2019-07-24 | 2021-02-18 | 株式会社豊田自動織機 | 蓄電モジュール及び蓄電モジュールの製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6082775B2 (ja) * | 2015-06-18 | 2017-02-15 | 栢輝 陳 | 流体濾過装置 |
-
1991
- 1991-07-25 JP JP20866491A patent/JP3189904B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2008072617A1 (ja) * | 2006-12-11 | 2008-06-19 | Nippon Steel Corporation | Niメッキ鋼板およびその製造方法 |
JP2008144236A (ja) * | 2006-12-11 | 2008-06-26 | Nippon Steel Corp | 摺動性および耐食性に優れたNiメッキ鋼板およびその製造方法 |
JP2010513882A (ja) * | 2006-12-22 | 2010-04-30 | アレヴァ エンペー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 材料検査のために燃料棒被覆管を予備処理する方法 |
US9498933B2 (en) | 2010-01-08 | 2016-11-22 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Surface-treated metal sheet and process for producing formed article from the surface-treated metal sheet |
CN107419288A (zh) * | 2017-07-04 | 2017-12-01 | 徐州工程学院 | 一种阳极氧化‑共沉淀制备磁性四氧化三铁的方法 |
JP2021022424A (ja) * | 2019-07-24 | 2021-02-18 | 株式会社豊田自動織機 | 蓄電モジュール及び蓄電モジュールの製造方法 |
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---|---|
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