JP3355311B2 - 薄スラブ鋳片の連続鋳造方法および連続鋳造機 - Google Patents
薄スラブ鋳片の連続鋳造方法および連続鋳造機Info
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- JP3355311B2 JP3355311B2 JP11298199A JP11298199A JP3355311B2 JP 3355311 B2 JP3355311 B2 JP 3355311B2 JP 11298199 A JP11298199 A JP 11298199A JP 11298199 A JP11298199 A JP 11298199A JP 3355311 B2 JP3355311 B2 JP 3355311B2
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22D—CASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
- B22D11/00—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
- B22D11/12—Accessories for subsequent treating or working cast stock in situ
- B22D11/1206—Accessories for subsequent treating or working cast stock in situ for plastic shaping of strands
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄スラブ鋳片の連
続鋳造方法およびそれに用いる連続鋳造機に関する。
続鋳造方法およびそれに用いる連続鋳造機に関する。
【0002】
【従来の技術】薄スラブ鋳片の鋳造は、薄ければ薄いほ
ど、後工程の圧延工程が簡略化でき、設備費の削減に大
きく貢献することができる。薄鋳片を連続鋳造するに当
って、モールドの出側厚さを薄くすることは、鋳片厚さ
の薄肉下に直接的効果を及ぼすが、モールド厚さのもの
は、タンディッシュから注湯するときに用いられる注湯
ノズルを挿入する厚さだけは確保しなければならないの
で、それを薄くするには限界がある。そこで、これまで
は、モールド出側厚さ90mm以上とし、90mm以上の厚
さのスラブを未凝固圧下するようにしている。
ど、後工程の圧延工程が簡略化でき、設備費の削減に大
きく貢献することができる。薄鋳片を連続鋳造するに当
って、モールドの出側厚さを薄くすることは、鋳片厚さ
の薄肉下に直接的効果を及ぼすが、モールド厚さのもの
は、タンディッシュから注湯するときに用いられる注湯
ノズルを挿入する厚さだけは確保しなければならないの
で、それを薄くするには限界がある。そこで、これまで
は、モールド出側厚さ90mm以上とし、90mm以上の厚
さのスラブを未凝固圧下するようにしている。
【0003】このような未凝固圧下を行う連続鋳造機の
基本構成は図3に示すとおりである。1はモールドで、
その直下から順に、垂直ゾーンA、曲げゾーンB、圧下
ゾーンCが続いている。圧下ゾーンCの未満が圧下完了
点Pであり、そこから下流側はガイドゾーンD,Eであ
る。上記連続鋳造機では、垂直ゾーンAで鋳片を冷却し
ながら多少、凝固シェルを発達させ、曲げゾーンBで鋳
片をしだいに湾曲させていくが、鋳片に加わる歪をでき
るだけ小さくするため、曲げゾーンBを構成する各ロー
ルの曲率半径r1〜r5は徐々に小さくなっている。こ
のため、曲率半径r1〜r5を徐々に小さく変化させた
曲げゾーンは多点曲げ部とも称されている。この曲げゾ
ーンBを通過し、圧下ゾーンCに入った鋳片は、段々に
凝固シェルを発達させていくが、鋳片中央部にはまだ未
凝固部分が残っており、この状態で圧下ロールで圧下す
る。この圧下ゾーンCの各ロールは曲率半径が全て一定
であるから一定円弧部とも称される。なお、このよう
に、未凝固部分が残っている間に圧下すると、圧下圧力
が少なくてすみ、圧下ロールも小径でよく、圧下ロール
まわりの構造も簡略化することができる。
基本構成は図3に示すとおりである。1はモールドで、
その直下から順に、垂直ゾーンA、曲げゾーンB、圧下
ゾーンCが続いている。圧下ゾーンCの未満が圧下完了
点Pであり、そこから下流側はガイドゾーンD,Eであ
る。上記連続鋳造機では、垂直ゾーンAで鋳片を冷却し
ながら多少、凝固シェルを発達させ、曲げゾーンBで鋳
片をしだいに湾曲させていくが、鋳片に加わる歪をでき
るだけ小さくするため、曲げゾーンBを構成する各ロー
ルの曲率半径r1〜r5は徐々に小さくなっている。こ
のため、曲率半径r1〜r5を徐々に小さく変化させた
曲げゾーンは多点曲げ部とも称されている。この曲げゾ
ーンBを通過し、圧下ゾーンCに入った鋳片は、段々に
凝固シェルを発達させていくが、鋳片中央部にはまだ未
凝固部分が残っており、この状態で圧下ロールで圧下す
る。この圧下ゾーンCの各ロールは曲率半径が全て一定
であるから一定円弧部とも称される。なお、このよう
に、未凝固部分が残っている間に圧下すると、圧下圧力
が少なくてすみ、圧下ロールも小径でよく、圧下ロール
まわりの構造も簡略化することができる。
【0004】上記のように、曲げゾーンBと圧下ゾーン
Cを分けた構成とし、スラブ鋳片の曲げと圧下を分けて
行うようにしたのは、鋳片表面の縦割れやブレークアウ
トを防止するためである。すなわち、鋳片を曲げるのも
鋳片にストレスを加える原因であるし、鋳片を圧下する
のも鋳片にストレスを加える原因であるから、両方を一
緒にすることは、より一層鋳片の内部割れを生ずること
となるとして、これまで絶対に禁忌すべきこととして考
えられてきたことである。つまり、曲げと圧下は必ず分
けて行うというのが、これまでの技術常識であった。
Cを分けた構成とし、スラブ鋳片の曲げと圧下を分けて
行うようにしたのは、鋳片表面の縦割れやブレークアウ
トを防止するためである。すなわち、鋳片を曲げるのも
鋳片にストレスを加える原因であるし、鋳片を圧下する
のも鋳片にストレスを加える原因であるから、両方を一
緒にすることは、より一層鋳片の内部割れを生ずること
となるとして、これまで絶対に禁忌すべきこととして考
えられてきたことである。つまり、曲げと圧下は必ず分
けて行うというのが、これまでの技術常識であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のごと
き垂直−曲げタイプの連続鋳造機において、一定円弧部
(圧下ゾーンC)で未凝固圧下を行うと、モールド内の
溶鋼表面(メニスカス)からの距離が長くなり、距離が
長いとその間に凝固シェルが発達し未凝固部分が少なく
なって圧下困難になるから、これを防止するため最低鋳
造速度を上げなければならなくなる。凝固シェル厚は一
般に D=K(L/Vc)1/2 凝固シェル厚 :D(mm) 鋳造速度 :Vc(m/min) メニスカスからの距離:L(m) 凝固係数 :K で表され、K=28程度となる事が知られている。従っ
て未凝固圧下を行なうためには、鋳片厚みが凝固シェル
厚の2倍になる以前に圧下を完了する必要がある。例え
ば、圧下完了点Pがメニスカスより約4mであり、鋳片
厚みを50mmにしようとすれば、定常鋳込速度が、約5
m/min 以上必要となり、あらゆる鋼種で上記鋳込速度を
上廻わらねばならないとすると操業上のフレキシビリテ
ィが少なくなり、操業が極めて困難となる。
き垂直−曲げタイプの連続鋳造機において、一定円弧部
(圧下ゾーンC)で未凝固圧下を行うと、モールド内の
溶鋼表面(メニスカス)からの距離が長くなり、距離が
長いとその間に凝固シェルが発達し未凝固部分が少なく
なって圧下困難になるから、これを防止するため最低鋳
造速度を上げなければならなくなる。凝固シェル厚は一
般に D=K(L/Vc)1/2 凝固シェル厚 :D(mm) 鋳造速度 :Vc(m/min) メニスカスからの距離:L(m) 凝固係数 :K で表され、K=28程度となる事が知られている。従っ
て未凝固圧下を行なうためには、鋳片厚みが凝固シェル
厚の2倍になる以前に圧下を完了する必要がある。例え
ば、圧下完了点Pがメニスカスより約4mであり、鋳片
厚みを50mmにしようとすれば、定常鋳込速度が、約5
m/min 以上必要となり、あらゆる鋼種で上記鋳込速度を
上廻わらねばならないとすると操業上のフレキシビリテ
ィが少なくなり、操業が極めて困難となる。
【0006】本発明は上記事情に鑑み、より薄いスラブ
鋳片が得られ、かつ安定操業が可能な薄スラブ鋳片の連
続鋳造方法および連続鋳造機を提供することを目的とす
る。
鋳片が得られ、かつ安定操業が可能な薄スラブ鋳片の連
続鋳造方法および連続鋳造機を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の薄スラブ鋳片
の連続鋳造方法は、垂直−湾曲型連続鋳造機でモールド
出側厚み90〜150 mmである薄スラブ鋳片を鋳造する
方法であって、鋳片をモールドから引き抜いた後、曲げ
ゾーンで曲げながら、同時に未凝固圧下を行うことを特
徴とする。請求項2の薄スラブ鋳片の連続鋳造機は、請
求項1記載の発明において、前記曲げゾーンでの未凝固
圧下を、湾曲部内側から外側に向けて鋳片を加圧するこ
とにより行うことを特徴とする。請求項3の薄スラブ鋳
片の連続鋳造機は、モールド出側厚み90〜150 mmで
ある薄スラブ鋳片を鋳造する垂直−湾曲型連続鋳造機に
おいて、請求項1または2記載の未凝固圧下を行うため
の、モールド下方の曲げゾーンに配置したロールを、圧
下ロールセグメントで構成したことを特徴とする。請求
項4の薄スラブ鋳片の連続鋳造機は、請求項3記載の発
明において、前記圧下ロールセグメントが、湾曲部外側
の固定ロール群と、湾曲部内側の傾動ロール群とからな
り、該傾動ロール群は傾動フレームに支持されており、
圧下シリンダによって、固定ロール群に対し接近離間す
るように構成されていることを特徴とする。
の連続鋳造方法は、垂直−湾曲型連続鋳造機でモールド
出側厚み90〜150 mmである薄スラブ鋳片を鋳造する
方法であって、鋳片をモールドから引き抜いた後、曲げ
ゾーンで曲げながら、同時に未凝固圧下を行うことを特
徴とする。請求項2の薄スラブ鋳片の連続鋳造機は、請
求項1記載の発明において、前記曲げゾーンでの未凝固
圧下を、湾曲部内側から外側に向けて鋳片を加圧するこ
とにより行うことを特徴とする。請求項3の薄スラブ鋳
片の連続鋳造機は、モールド出側厚み90〜150 mmで
ある薄スラブ鋳片を鋳造する垂直−湾曲型連続鋳造機に
おいて、請求項1または2記載の未凝固圧下を行うため
の、モールド下方の曲げゾーンに配置したロールを、圧
下ロールセグメントで構成したことを特徴とする。請求
項4の薄スラブ鋳片の連続鋳造機は、請求項3記載の発
明において、前記圧下ロールセグメントが、湾曲部外側
の固定ロール群と、湾曲部内側の傾動ロール群とからな
り、該傾動ロール群は傾動フレームに支持されており、
圧下シリンダによって、固定ロール群に対し接近離間す
るように構成されていることを特徴とする。
【0008】請求項1の発明によれば、鋳片の曲げ完了
を待つことなく曲げと共に圧下を開始し、早期に未凝固
圧下を行うことで、メニスカスと圧下完了点間の距離を
短くすることができる。このように圧下完了点が上流側
に移動すると、凝固シェルが未だ薄く未凝固部分が多く
残っている間に圧下するので、鋳造速度を遅くしても必
要な圧下量を圧下できることになる。このため、最低鋳
造速度を下げることができ、操業上のフレキシビリティ
が多くなって、安定操業が行いやすくなる。しかも、鋳
片を曲げながら圧下を加えるのであるが、これまでの技
術常識に反し意外にも、鋳片の内部割れを生ずることな
く、未凝固圧下ができることが見出された。その理由は
未だ十分に解明されていないが、凝固シェルが未だ薄く
鋳片内部に未凝固部分が残っている状態では、曲げによ
る歪と圧下による歪が複合的に生じても、それらが互い
に歪を重複させたり拡大するような挙動は発生し難いも
のと推測される。請求項2の発明によれば、未凝固圧下
を湾曲部内側で行うことにより、内部割れの発生をよく
防止することができる。この理由も未だ十分に解明され
ていないが、割れの発生しやすい湾曲部内側の凝固シェ
ルにおける未凝固部分に対面した部位の割れを押しつぶ
すように作用することによると推測される。請求項3の
発明によれば、曲げゾーン内のロールを圧下ロールセグ
メントで構成したので、鋳片を曲げながら圧下すること
ができ、より上流に近い位置での未凝固圧下を実施する
ことができる。よって、請求項1の鋳造方法の実施に好
適である。請求項4の発明によれば、傾動ロール群の固
定ロール群に対する距離を変えることにより圧下量を調
節できるので、任意の厚さの薄スラブ鋳片を鋳造でき
る。また、圧下を湾曲部内側の傾動ロール群を湾曲部外
側の固定ロール群方向に押し付けることにより行うの
で、曲げ歪を少なくすることができる。よって、請求項
2の鋳造方法の実施に好適である。
を待つことなく曲げと共に圧下を開始し、早期に未凝固
圧下を行うことで、メニスカスと圧下完了点間の距離を
短くすることができる。このように圧下完了点が上流側
に移動すると、凝固シェルが未だ薄く未凝固部分が多く
残っている間に圧下するので、鋳造速度を遅くしても必
要な圧下量を圧下できることになる。このため、最低鋳
造速度を下げることができ、操業上のフレキシビリティ
が多くなって、安定操業が行いやすくなる。しかも、鋳
片を曲げながら圧下を加えるのであるが、これまでの技
術常識に反し意外にも、鋳片の内部割れを生ずることな
く、未凝固圧下ができることが見出された。その理由は
未だ十分に解明されていないが、凝固シェルが未だ薄く
鋳片内部に未凝固部分が残っている状態では、曲げによ
る歪と圧下による歪が複合的に生じても、それらが互い
に歪を重複させたり拡大するような挙動は発生し難いも
のと推測される。請求項2の発明によれば、未凝固圧下
を湾曲部内側で行うことにより、内部割れの発生をよく
防止することができる。この理由も未だ十分に解明され
ていないが、割れの発生しやすい湾曲部内側の凝固シェ
ルにおける未凝固部分に対面した部位の割れを押しつぶ
すように作用することによると推測される。請求項3の
発明によれば、曲げゾーン内のロールを圧下ロールセグ
メントで構成したので、鋳片を曲げながら圧下すること
ができ、より上流に近い位置での未凝固圧下を実施する
ことができる。よって、請求項1の鋳造方法の実施に好
適である。請求項4の発明によれば、傾動ロール群の固
定ロール群に対する距離を変えることにより圧下量を調
節できるので、任意の厚さの薄スラブ鋳片を鋳造でき
る。また、圧下を湾曲部内側の傾動ロール群を湾曲部外
側の固定ロール群方向に押し付けることにより行うの
で、曲げ歪を少なくすることができる。よって、請求項
2の鋳造方法の実施に好適である。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面
に基づき説明する。図1は本発明の一実施形態に係る連
続鋳造機の概略構成図、図2は圧下ロールセグメントの
側面図である。図1において、1はモールドであり、そ
の直下から順に、垂直ゾーンA、曲げゾーンB、圧下ゾ
ーンC、ガイドゾーンD,E,Fが設けられている。な
お、鋳片の引出し経路は図示のごとく湾曲しているが、
以下の「湾曲部内側」とは湾曲経路の中心点側をいい、
「湾曲部外側」とは反中心点側をいう。
に基づき説明する。図1は本発明の一実施形態に係る連
続鋳造機の概略構成図、図2は圧下ロールセグメントの
側面図である。図1において、1はモールドであり、そ
の直下から順に、垂直ゾーンA、曲げゾーンB、圧下ゾ
ーンC、ガイドゾーンD,E,Fが設けられている。な
お、鋳片の引出し経路は図示のごとく湾曲しているが、
以下の「湾曲部内側」とは湾曲経路の中心点側をいい、
「湾曲部外側」とは反中心点側をいう。
【0010】本発明では、前記曲げゾーンBと前記圧下
ゾーンCが重複している点に特徴がある。すなわち、曲
げゾーンBは6〜10対位のロール(対とは、湾曲部内
側のロールと湾曲部外側のロールのセットをいう)が上
下方向に配置されて構成されているが、そのうち、上方
の5対前後のロール2が垂直ゾーンAのロールである。
その下方には、6対前後の圧下ロール3をフレームに組
み込んだ圧下ロールセグメント4が設置されている。こ
の圧下ロールセグメント4における上流側の5対前後の
圧下ロール3は、圧下作用と共に曲げ作用を兼用するも
のである。したがって、前記上流側の5対前後の圧下ロ
ール3は、圧下ロールセグメント4の定位置において、
鋳片に徐々に曲げを加えるべく曲率半径を徐々に小さく
設定して、多点曲げ部を構成するようになっている。ま
た、圧下ロールセグメント4の下流側の2対前後のロー
ル3は、圧下専用であり、最下流の圧下ロール3の位置
が、圧下完了点Pとなる。
ゾーンCが重複している点に特徴がある。すなわち、曲
げゾーンBは6〜10対位のロール(対とは、湾曲部内
側のロールと湾曲部外側のロールのセットをいう)が上
下方向に配置されて構成されているが、そのうち、上方
の5対前後のロール2が垂直ゾーンAのロールである。
その下方には、6対前後の圧下ロール3をフレームに組
み込んだ圧下ロールセグメント4が設置されている。こ
の圧下ロールセグメント4における上流側の5対前後の
圧下ロール3は、圧下作用と共に曲げ作用を兼用するも
のである。したがって、前記上流側の5対前後の圧下ロ
ール3は、圧下ロールセグメント4の定位置において、
鋳片に徐々に曲げを加えるべく曲率半径を徐々に小さく
設定して、多点曲げ部を構成するようになっている。ま
た、圧下ロールセグメント4の下流側の2対前後のロー
ル3は、圧下専用であり、最下流の圧下ロール3の位置
が、圧下完了点Pとなる。
【0011】つぎに、図2に基づき圧下ロールセグメン
ト4を説明する。同図において、5は湾曲部外側の固定
フレーム、6は湾曲部内側における上部の固定フレー
ム、7は湾曲部内側における下部の傾動フレームであ
る。前記固定フレーム5は、鋳造機の湾曲部外側の適当
な機枠に固定されており、この固定フレーム5に複数本
のロール8が上下方向に並べて、支持されている。前記
固定フレーム6は鋳造機の湾曲部外側の固定フレームに
固定されており、この固定フレーム6には前記ロール2
が回転自在に支持されている。
ト4を説明する。同図において、5は湾曲部外側の固定
フレーム、6は湾曲部内側における上部の固定フレー
ム、7は湾曲部内側における下部の傾動フレームであ
る。前記固定フレーム5は、鋳造機の湾曲部外側の適当
な機枠に固定されており、この固定フレーム5に複数本
のロール8が上下方向に並べて、支持されている。前記
固定フレーム6は鋳造機の湾曲部外側の固定フレームに
固定されており、この固定フレーム6には前記ロール2
が回転自在に支持されている。
【0012】前記傾動フレーム7は、前記固定フレーム
6の下面に支点ピン9によって傾動自在に取付けられて
いる。また、この傾動フレーム7の上下方向中間部には
傾動シリンダ10が取付けられており、そのピストンロ
ッド11は前記固定フレーム5に固定されたブラケット
12にピン連結されている。そして、この傾動フレーム
7には前記圧下ロール3が回転自在に支持されている。
したがって、この傾動シリンダ10を伸縮させることに
より、傾動フレーム7を固定フレーム5側に接近させた
り離間させるよう傾動することができる。
6の下面に支点ピン9によって傾動自在に取付けられて
いる。また、この傾動フレーム7の上下方向中間部には
傾動シリンダ10が取付けられており、そのピストンロ
ッド11は前記固定フレーム5に固定されたブラケット
12にピン連結されている。そして、この傾動フレーム
7には前記圧下ロール3が回転自在に支持されている。
したがって、この傾動シリンダ10を伸縮させることに
より、傾動フレーム7を固定フレーム5側に接近させた
り離間させるよう傾動することができる。
【0013】図2において、実線図示の位置が圧下した
状態であり、距離dだけ後退させた位置が非圧下位置で
ある。非圧下位置では、各ロール3,8の対は多点曲げ
部を構成し、鋳片に徐々に曲げを加えることができる。
その状態から傾動フレーム7を固定フレーム5側に近づ
けると、ロール3,8間の間隔が小さくなり、鋳片を湾
曲部内側から外側に向けて圧下することができる。この
圧下量は傾動フレーム7の傾動量dを変えることによ
り、連続的に変化させることができる。
状態であり、距離dだけ後退させた位置が非圧下位置で
ある。非圧下位置では、各ロール3,8の対は多点曲げ
部を構成し、鋳片に徐々に曲げを加えることができる。
その状態から傾動フレーム7を固定フレーム5側に近づ
けると、ロール3,8間の間隔が小さくなり、鋳片を湾
曲部内側から外側に向けて圧下することができる。この
圧下量は傾動フレーム7の傾動量dを変えることによ
り、連続的に変化させることができる。
【0014】以上のとおりであるから、本実施形態によ
ると、薄スラブ鋳片の未凝固圧を曲げゾーンBとほぼ重
なった上流側で行うことができるので、最低鋳造速度を
下げ、安定操業を行いやすくすることができる。例え
ば、圧下完了点Pがメニスカスより約3m、目標鋳片を
50mmとすれば、最低鋳造速度は約3.8 m/min 以上とな
るので、従来技術が同条件で、約5m/min以上の最低鋳
造速度と比べると、かなり鋳造速度のフレキシビリティ
が広くなる。よって、安定した操業が行いやすくなる。
ると、薄スラブ鋳片の未凝固圧を曲げゾーンBとほぼ重
なった上流側で行うことができるので、最低鋳造速度を
下げ、安定操業を行いやすくすることができる。例え
ば、圧下完了点Pがメニスカスより約3m、目標鋳片を
50mmとすれば、最低鋳造速度は約3.8 m/min 以上とな
るので、従来技術が同条件で、約5m/min以上の最低鋳
造速度と比べると、かなり鋳造速度のフレキシビリティ
が広くなる。よって、安定した操業が行いやすくなる。
【0015】上記の実施形態によれば、例えば、モール
ド出側厚み150 mm以下の鋳片を70〜35mm厚に未凝固
圧下することができ、この場合、圧下完了点Pがメニス
カスより4m以内で、1ロール当り15mm以下の圧下に
おいて鋳造速度約3m/min 、で安定操業することができ
た。
ド出側厚み150 mm以下の鋳片を70〜35mm厚に未凝固
圧下することができ、この場合、圧下完了点Pがメニス
カスより4m以内で、1ロール当り15mm以下の圧下に
おいて鋳造速度約3m/min 、で安定操業することができ
た。
【0016】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、鋳片表面の縦
割れやブレークアウトを生ずることなく、未凝固圧下が
でき、また圧下完了点がより上流側に移動し、最低鋳造
速度を下げることができるので、定常鋳造速度の幅が広
くなり安定操業が可能となる。請求項2の発明によれ
ば、未凝固圧下を湾曲部内側で行うことにより、より一
層鋳片の縦割れやブレークアウトを防止することができ
る。請求項3の発明によれば、鋳片を曲げながら圧下す
ることができ、より上流に近い位置での未凝固圧下を実
施することができる。請求項4の発明によれば、任意の
厚さの薄スラブ鋳片を鋳造でき、かつ、曲げ歪を少なく
することができる。
割れやブレークアウトを生ずることなく、未凝固圧下が
でき、また圧下完了点がより上流側に移動し、最低鋳造
速度を下げることができるので、定常鋳造速度の幅が広
くなり安定操業が可能となる。請求項2の発明によれ
ば、未凝固圧下を湾曲部内側で行うことにより、より一
層鋳片の縦割れやブレークアウトを防止することができ
る。請求項3の発明によれば、鋳片を曲げながら圧下す
ることができ、より上流に近い位置での未凝固圧下を実
施することができる。請求項4の発明によれば、任意の
厚さの薄スラブ鋳片を鋳造でき、かつ、曲げ歪を少なく
することができる。
【図1】本発明の一実施形態に係る連続鋳造機の概略構
成図である。
成図である。
【図2】圧下ロールセグメントの側面図である。
【図3】従来の垂直−湾曲型連続鋳造機の概略説明図で
ある。
ある。
1 モールド 4 圧下ロールセグメント 7 傾動フレーム 10 傾動シリンダ B 曲げゾーン C 圧下ゾーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−314289(JP,A) 特開 平7−265908(JP,A) 特開 平8−90187(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/128 B22D 11/20
Claims (4)
- 【請求項1】垂直−湾曲型連続鋳造機でモールド出側厚
み90〜150 mmである薄スラブ鋳片を鋳造する方法で
あって、 鋳片をモールドから引き抜いた後、曲げゾーンで曲げな
がら、同時に未凝固圧下を行うことを特徴とする薄スラ
ブ鋳片の連続鋳造方法。 - 【請求項2】前記曲げゾーンでの未凝固圧下を、湾曲部
内側から外側に向けて鋳片を加圧することにより行うこ
とを特徴とする請求項1記載の薄スラブ鋳片の連続鋳造
方法。 - 【請求項3】モールド出側厚み90〜150 mmである薄
スラブ鋳片を鋳造する垂直−湾曲型連続鋳造機におい
て、請求項1または2記載の未凝固圧下を行うための、
モールド下方の曲げゾーンに配置したロールを、圧下ロ
ールセグメントで構成したことを特徴とする薄スラブ鋳
片の連続鋳造機。 - 【請求項4】前記圧下ロールセグメントが、湾曲部外側
の固定ロール群と、湾曲部内側の傾動ロール群とからな
り、該傾動ロール群は傾動フレームに支持されており、
圧下シリンダによって、固定ロール群に対し接近離間す
るように構成されていることを特徴とする請求項3記載
の薄スラブ鋳片の連続鋳造機。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11298199A JP3355311B2 (ja) | 1999-04-21 | 1999-04-21 | 薄スラブ鋳片の連続鋳造方法および連続鋳造機 |
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