JP3354274B2 - ろう付用組成物及びろう付用組成物が設けられてなるAl系材料並びに熱交換器 - Google Patents

ろう付用組成物及びろう付用組成物が設けられてなるAl系材料並びに熱交換器

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JP3354274B2 JP04733394A JP4733394A JP3354274B2 JP 3354274 B2 JP3354274 B2 JP 3354274B2 JP 04733394 A JP04733394 A JP 04733394A JP 4733394 A JP4733394 A JP 4733394A JP 3354274 B2 JP3354274 B2 JP 3354274B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車用のエバ
ポレータ、コンデンサ、ラジエータ等の熱交換器に用い
られる技術に関するものである。
【0002】
【発明の背景】従来、アルミニウム又はアルミニウム合
金材料(以下、Al系材料)からなる熱交換器は、ろう
材がクラッドされたブレージングシートでチューブやフ
ィンを構成し、これらを所定の形状に組み立て、ろう付
することにより製造されている。
【0003】尚、熱交換器の耐蝕性向上の為に、犠牲陽
極効果を持つZnが溶射等により付けられている。しか
しながら、ブレージングシートは製造が難しく、歩留り
が悪い為にコストが高く付く。しかも、ブレージングシ
ートはリサイクルに適していないことから、廃棄物の処
理が高く付く。更には、ブレージングシートでチューブ
を構成する為には、電縫等の特殊な技術が必要であり、
又、フィンを構成する場合には加工性が悪く、治工具の
損耗が激しく、そして薄肉化できない為に、熱交換器の
小型・軽量化が図れ難い等の問題がある。
【0004】ところで、耐蝕性向上の為に効果的なZn
はアルミニウム合金より低温で溶融し、溶融Znはアル
ミニウム合金を溶解・侵食しながら拡散することが知ら
れている。そして、生成するZn−Al層はアルミニウ
ム合金よりも融点が低くなる特徴を持つ。従って、この
Zn−Al層はろう材としての機能を有することにな
り、同時に母材表面に形成されるZn拡散層は犠牲陽極
効果を持つことから、熱交換器の製造には好適であると
考えられた。
【0005】このような観点からと思われるが、フッ化
物系のフラックスと、粒径が1〜100μmからなるZ
n粉末とを含む懸濁液をAl材の表面に塗布し、乾燥後
に組み合わせ、不活性雰囲気下においてろう付けした熱
交換器が提案(特開昭56−160869号公報)され
ている。しかしながら、このものは、フラックスの量が
少ない場合にはろう付特性が悪く、フィンとチューブと
の接合強度が不十分と言った問題のあることが指摘され
ている。
【0006】
【発明の開示】ところで、前記提案のものは、フラック
ス/Zn粉末が4/6〜9/1と言ったように多量のフ
ラックスを使用する点に特徴がある。しかしながら、フ
ラックスの使用量が多いと、コストがそれだけ高く付
き、かつ、フラックス残渣が多くなり、外観性が低下す
る。更には、余分なフラックスから発生するHFによる
ろう付炉が早く劣化し、又、汚染も起き、作業環境も低
下すると言った問題の起きることが判って来た。
【0007】従って、フラックスの使用量を少なくする
ことが望まれる。すなわち、少量のフラックスでもろう
付特性に優れた技術が待たれるのである。このような観
点に沿っての研究が鋭意押し進められて行った結果、フ
ラックス量は亜鉛粉末中の酸素量に影響を受けることが
判って来た。つまり、亜鉛粉末の酸化度が低いとフラッ
クスが少なくても良いことが判って来たのである。
【0008】しかしながら、全く酸化されていない亜鉛
粉末が使用されれば良いかと言うと、そうではないこと
も判って来た。つまり、酸化が適度なものである場合
に、少量のフラックスでろう付けが良好に行われること
の知見が得られたのである。特に、Oが0.05〜0.
25wt%であるよう酸化皮膜が形成された亜鉛または
亜鉛合金の粉末が用いられた場合に、少量のフラックス
でろう付けが良好に行われたのである。
【0009】このような結果を基にして本発明が達成さ
れたものであり、少量のフラックスでろう付けが良好に
行われ、しかも耐蝕性にも優れたろう付技術を提供する
ことを目的とする。この本発明の目的は、粉末における
Oが0.05〜0.25wt%である酸化皮膜の形成さ
れた亜鉛または亜鉛合金の粉末と、バインダとを含有す
ることを特徴とするろう付用組成物によって達成され
る。
【0010】又、粉末におけるOが0.05〜0.25
wt%である酸化皮膜の形成された亜鉛または亜鉛合金
の粉末と、バインダと、溶剤とを含有することを特徴と
するろう付用組成物によって達成される。又、上記のろ
う付用組成物が表面に設けられてなることを特徴とする
Al系材料によって達成される。
【0011】又、上記のろう付用組成物が表面に設けら
れたAl系材料からなる第1の熱交換器構成部品と、第
2の熱交換器構成部品とが組み合わされ、フラックスを
用いたろう付けにより接合されてなることを特徴とする
熱交換器によって達成される。尚、これらの本発明にお
いて用いられるOが0.05〜0.25wt%である酸
化皮膜の形成された亜鉛または亜鉛合金の粉末は、粉末
製造時における雰囲気の酸素濃度を0.02〜0.5%
と言った範囲内の条件で5〜53μm程度の大きさのも
のを製造することによって得られる。尚、雰囲気の酸素
濃度が0.02%より低すぎる場合には、粉末が凝集し
て粗大なものとなる傾向が有った。
【0012】そして、これらの本発明において用いられ
るバインダはろう付温度より低い温度で揮発する傾向の
高いものであることが好ましい。特に、分子量1000
〜100000のアクリル系あるいはメタクリル系の樹
脂であることが好ましい。例えば、分子量1000〜1
00000のポリアクリル酸ブチル等が挙げられる。本
発明のろう付用組成物をAl材表面に設ける為、一般的
には、塗布手段が用いられる。塗布手段としては、例え
ばスプレー法、フローコーター法、ロールコーター法、
刷毛塗りといった各種の手段を採用できる。そして、か
かる手段により、好ましくは乾燥後の厚さが約5〜50
μmとなるよう本発明のろう付用組成物が塗布される。
より好ましくは約10〜30μmである。この塗布の為
に用いられる溶剤としては、例えばメタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコ
ール、ペンタノールと言ったような炭素数1〜8の脂肪
族アルコールを好ましい例として挙げることが出来る。
【0013】そして、亜鉛または亜鉛合金の粉末とバイ
ンダとの配合割合は、亜鉛または亜鉛合金の粉末/バイ
ンダが重量比で100/0.1〜100/100である
ことが好ましい。より好ましくは100/5〜100/
20である。又、バインダと溶媒との配合割合は、バイ
ンダ/溶媒が重量比で100/100〜100/100
00であることが好ましい。より好ましくは100/5
00〜100/2000である。
【0014】ろう付けに際しては、例えばKF−AlF
3 ,RbF−AlF3 のようなフッ化物系のフラックス
が用いられる。勿論、この他のフラックスを用いても良
い。このようなフラックスの配合割合は、亜鉛または亜
鉛合金の粉末/フラックスが重量比で100/3〜10
0/50であることが好ましい。より好ましくは100
/10〜100/30である。尚、このフラックスは、
最初からろう付用組成物中に添加されていても良い。あ
るいは、ろう付時に後から添加しても良い。
【0015】本発明のろう付組成物が塗布されるAl材
は、熱交換器を構成する部品、すなわちフィンであって
もチューブであっても良いが、チューブの表面に塗布さ
れることが好ましい。そして、このようにろう付用組成
物が表面に塗布されたチューブとフィンとが所定のもの
に組み合わされ、この後真空雰囲気や不活性雰囲気下で
のフラックスを用いたろう付けにより接合され、熱交換
器とされる。
【0016】本発明において、亜鉛または亜鉛合金の粉
末を採用したのは、 溶融亜鉛膜コートのように高温下ではなく、常温で
作業でき、従って母材への侵食がなく、作業も安全であ
る。 必要に応じて粉末状の各種添加物(例えば、ろう付
用フラックス)までも一体でろう材の膜中に供給でき
る。 目的に応じたろう材供給量(ろう材膜厚)の調整範
囲が広い。 接合に必要な亜鉛膜形成に適している。 亜鉛を粉末化することにより、酸化皮膜で適度に覆
われた粉末を使用できる。この為、ろう付時に亜鉛の融
点に達しても粉末形状が維持されており、より高温にな
って活性化したフラックスによって酸化皮膜が除去さ
れ、初めて母材の溶融が開始される為、溶融亜鉛膜コー
トよりも母材の侵食が少なく、適度なろう材層を形成す
ることが出来る。 前記の理由から、ろう付条件が多少変動しても安
定したろう付性を維持できる。そして、ろう付の条件範
囲が従来工業的に実施されているほとんどの場合に対応
できる。 と言った特長が奏されるからである。
【0017】そして、熱交換器の製造に際してブレージ
ングシートを用いずとも済み、熱交換器のコストが低廉
なものとなり、かつ、耐蝕性の向上が図れ、そしてクラ
ッドフィンを必要としないことからフィンの薄肉化、重
量低減、材料コストの低廉化が図れ、又、治具の損耗の
低減等を図ることが出来る。以下、具体的な実施例を挙
げて説明する。
【0018】
【実施例】A1製の押出偏平多穴管の表面に下記の表−
1に示されるろう付用組成物を塗布した。 表−1 Zn系粉末 バインダ 溶剤 フラックス 組成(wt%) 大きさ 量 Zn Al O (μm) 重量部 重量部 重量部 重量部 実施例1 99.75 0 0.25 53 100 5 40 15 実施例2 99.80 0 0.20 53 100 5 40 10 実施例3 99.75 0 0.25 10 100 20 100 30 実施例4 99.80 0 0.20 10 100 20 100 20 実施例5 99.85 0 0.15 20 100 10 50 10 実施例6 99.90 0 0.10 20 100 10 50 10 実施例7 94.75 5 0.25 30 100 30 100 30 実施例8 94.80 5 0.20 30 100 20 100 30 実施例9 94.85 5 0.15 30 100 10 50 20 実施例10 94.90 5 0.10 30 100 10 50 15 比較例1 99.67 0 0.33 20 100 20 100 30 比較例2 94.67 5 0.33 30 100 20 100 30 比較例3 100 0 0.00 80 100 10 50 30 比較例4 95 5 0.00 100 100 10 50 30 *バインダは平均分子量10000のポリアクリル酸ブ
チル *溶剤はイソプロピルアルコール *Zn系粉末におけるOが0.00wt% はOが検出されなか
ったものである。
【0019】そして、上記ろう付用組成物が約30μm
厚さ設けられた押出偏平多穴管に対してAl製のコルゲ
ートフィンを組み合わせ、窒素雰囲気下において600
℃で5分間保持してろう付けを行った。このようにして
得られた熱交換器について、フィンのろう付接合率や耐
蝕性を調べたので、その結果を表−2に示す。
【0020】 表−2 ろう付接合率 耐蝕性(SWAAT試験) 実施例1 98% ○(20日間合格) 実施例2 97% ○(20日間合格) 実施例3 97% ○(20日間合格) 実施例4 98% ○(20日間合格) 実施例5 98% ○(20日間合格) 実施例6 98% ○(20日間合格) 実施例7 96% ○(20日間合格) 実施例8 97% ○(20日間合格) 実施例9 98% ○(20日間合格) 実施例10 99% ○(20日間合格) 比較例1 40% × 比較例2 35% × 比較例3 28% × 比較例4 25% ×
【0021】
【効果】少量のフラックスでろう付けが良好に行われ、
しかも耐蝕性にも優れたものが得られる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末におけるOが0.05〜0.25w
    t%である酸化皮膜の形成された亜鉛または亜鉛合金の
    粉末と、バインダとを含有することを特徴とするろう付
    用組成物。
  2. 【請求項2】 粉末におけるOが0.05〜0.25w
    t%である酸化皮膜の形成された亜鉛または亜鉛合金の
    粉末と、バインダと、溶剤とを含有することを特徴とす
    るろう付用組成物。
  3. 【請求項3】 亜鉛または亜鉛合金の粉末は、粒径が5
    〜53μmのものであることを特徴とする請求項1また
    は請求項2のろう付用組成物。
  4. 【請求項4】 バインダが分子量1000〜10000
    0のアクリル系あるいはメタクリル系の樹脂であること
    を特徴とする請求項1または請求項2のろう付用組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4いずれかのろう付用
    組成物が表面に設けられてなることを特徴とするAl系
    材料。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項4いずれかのろう付用
    組成物が表面に設けられたAl系材料からなる第1の熱
    交換器構成部品と、第2の熱交換器構成部品とが組み合
    わされ、フラックスを用いたろう付けにより接合されて
    なることを特徴とする熱交換器。
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