JP3434997B2 - ろう付性に優れるアルミニウム合金粉末ろう材 - Google Patents

ろう付性に優れるアルミニウム合金粉末ろう材

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムまた
はアルミニウム合金からなる接合部材のろう付に用いら
れるアルミニウム合金粉末ろう材に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム製の部材を接合する方法と
してろう付法があり、このろう付法では、ろう材を芯材
にクラッドしてブレージングシートとして提供したり、
線材や板材等として提供したりする。また、この他にろ
う材を粉末状にし、これを接合面に塗布してろう付する
粉末ろう材も開発されている。上記粉末ろう材は、接合
部の形状等の制約が小さく、複雑形状品等のように従来
のろう材では配置が困難な箇所にも容易に適用できるも
のとして注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ろう材を粉末
化した粉末ろう材でろう付する際、従来のブレージング
シート等と同等のろう付性を得るためには、ブレージン
グシートのろう材量と同じだけの粉末ろう材を塗布する
必要がある。そのため大きな隙間がある接合部(例えば
熱交換器のチューブとヘッダーの接合部など)や大きな
フィレットの形成が必要な接合部などは、ろう付に必要
なろう材量が著しく増すために粉末ろう材の塗布量も同
様に増すことになる。しかし、粉末ろう材の塗布量を増
加した場合、一度のコート(フローコート法等)で塗布
できる塗布量に限界があるため、重ね塗りが必要となり
塗布回数が増加して製造コストアップを招くという問題
がある。また、粉末ろう材は高価なため使用量が増加す
ると材料コストもアップする。したがって、従来の粉末
ろう付では、これらが問題になって、粉末ろう材の利点
を十分に引き出せないという欠点を有している。本発明
は、上記事情を背景としてなされたものであり、少ない
ろう材使用量で良好にろう付することができる粉末ろう
材を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】なお、従来、アルミニウ
ムまたはアルミニウム合金のろう付では、粉末ろう材に
限らず、ろう材用の合金としては、Al−Si系合金が
使用されている。Al−Si系合金は、共晶型の合金
で、融点、耐食性等に優れており、ろう材には、数%〜
共晶点前後、すなわち数%〜12%前後のSiを含有す
るものが使用されている。このSiは含有量が増える
と、母材(接合材)を侵食するため、Si量は最大でも
13%とされている(例えばJIS BA4047)。
ところが、本発明者達は、これと逆に過共晶のAl−S
i系合金を粉末ろう材として使用することにより、局所
的に母材の溶融を起こさせ、よって少ないろう材量で確
実にろう付をできることを見出し本発明をするに至った
ものである。ただし、この過共晶のろう材を粉末ろう材
以外、例えばブレージングシートや板状ろう材として使
用すると、過共晶合金は巨大で強固なSi晶出物が形成
されるため、非常に圧延性が悪く、板状に加工できない
ため、過共晶のAl−Si系合金は、粉末ろう材として
使用した場合に有用になる。
【0005】すなわち、本発明の粉末ろう材のうち第1
の発明は、接合部に付着させてろう付に供するろう材で
あって、粉末状の過共晶Al−Si系合金からなり、質
量%で、Si:15越〜60%を含有し、残部がAlか
らなることを特徴とする。第の発明は、第1の発明に
おいて、フラックスとアルミニウム合金粉末とが混合さ
れてなることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】なお、本発明の過共晶Al−Si
系合金は、Siを主成分とするAl合金であり、Si以
外に少量の添加元素を含有するものであってもよい。ま
た、当然にSiのみを含有し、残部が不純物およびAl
からなるものであってもよい。共晶点になるSi含有量
はその他の添加成分によっても異なるが、通常は、重量
%で12%前後であり、本発明としては13%越〜60
%をSi含有量の望ましい範囲としている。
【0007】ここで、Si含有量が15%以下である
と、ろう材は共晶または亜共晶合金となり、母材を溶解
させる作用が十分に得られず、ろう材量を低減する効果
が小さいため下限を15%越とする。一方、Si含有量
が60%を越えると、母材に対する侵食が過度になり強
度低下等の問題が生じ、またろう材の融点が1150℃
以上となり、粉末ろう材の製作時の溶解が困難となるた
め、Si含有量としては15越〜60wt%とした。な
お、同様の理由で、さらには下限を20%、上限を30
%とするのが一層望ましい。これらの望ましい範囲で
は、母材に対する適度な溶解が生じるため、良好なろう
付性を維持したままでろう材量を効果的に減少させるこ
とが可能になる。
【0008】上記観点から成分を定めたAl−Si系合
金は、常法により粉末化することができるが、適当な粒
径(例えば、最大粒径75μm)に調整する。このアル
ミニウム合金粉末は、所望によりフラックスと混合して
粉末ろう材とすることができ、これらは適宜の混合比で
混合される。上記フラックスには、フッ化物や塩化物フ
ラックス等を用いることができるが本発明としては、特
にその種別が限定されるものではない。
【0009】上記粉末ろう材を接合部に付着させる際に
は、各種溶剤やバインダを混合して付着を容易にするこ
とができる。溶剤としては、水、アルコール類(特に炭
素数1〜8の脂肪族アルコール)などを用いることが出
来る。また、バインダーとしては、接合部の特性を低下
させないで、粉末を良好に固着できるものであればよ
く、カルボキシル基を有する水溶性高分子化合物また
は、アクリル系、メタクリル系樹脂等を挙げることがで
きる。上記した合金粉末は、適当に混合されて、接合材
に付着させる。その方法も本発明としては特に限定され
ないが、例えば、スプレー法、シャワー法、フローコー
ター法、ロールコータ法、刷毛塗り法、浸漬法といった
手段を利用することができる。
【0010】粉末ろう材を付着させた後は、適当な雰囲
気で適温に加熱して、ろう材を溶解させる。この際の加
熱温度としては580〜620℃が望ましい。580℃
以下ではろう材および母材の一部溶解が進まず、良好な
ろう付が難しく、一方、620℃を越えると、著しい侵
食のため、上記温度範囲が望ましい。本発明の過共晶合
金のろう材は、Siが過剰となっているのでろう付時に
そのSiが母材に拡散流入し母材の融点を低下させその
一部を溶融(浸食)する。この溶融した母材の一部が塗
布されていた粉末ろうとともに流動し、接合部の隙間充
填やフィレットの形成をする。すなわち、母材の一部も
ろうとして作用し接合に必要なろう材量を補完するので
粉末ろう材の塗布(必要)量を減少させることができ
る。その結果、粉末ろう材の使用量、塗布回数を低減す
ることでコストダウンが可能になる。
【0011】なお、本粉末ろう材の代わりに純Si粉末
の使用も考えられるが、純Si粉末を用いた場合、母材
の一部を浸食しろうとなってフィレットを形成する前に
母材深さ方向への浸食が著しく、母材厚さの極端に薄い
箇所ができるため、腐食による貫通孔が発生し易くなっ
たり、接合部材の強度低下を招いたりして耐食面、強度
面において問題が生ずるため使用は困難である。したが
って、Al−Si系合金においてもSiが過量のものは
上記と同様の理由で避ける必要がある。なお、本発明の
粉末ろう材でろう付する場合、母材の一部がろうとなっ
てろう付後の母材板厚が減少するので、板厚がある程度
厚い部材(例えば板厚0.5mm以上)へのろう付に適
している。
【0012】
【実施例】表1に示すように、Si量を7.5〜65%
の間で変えたアルミニウム合金粉末(最大粒径75μ
m)を用意し、さらに、フラックスとしてフッ化物系フ
ラックス、バインダとしてアクリル系樹脂を用意し、こ
れらを重量比で10:1:1で混合して粉末ろう材を調
製した。また、比較例として純Siを同じく粉末ろう材
として用意した。上記粉末ろう材を用い、塗布量を変え
て図1に示す逆T字型隙間充填性試験を行った。具体的
には、JIS A3003合金を相手材1として水平に
置き、同じくJIS A3003合金を母材2として両
面に上記粉末ろう材をフローコート法によって塗布した
後、これを相手材1上にT字状に配置するとともに、そ
の設置面の一端に棒状のスペーサ3を配置して相手材1
と母材2との間に小隙間4を形成した。これらを600
℃×5分で加熱して不活性雰囲気中でフラックスを用い
たろう付を行うと、ろう材と母材および相手材の一部と
が溶解して上記小隙間4にろう付部5が形成された。ろ
う付後、図2、3に示すようにろう付部5の充填長さL
と最大侵食深さDとを測定し、その結果を表1に示し
た。
【0013】
【表1】
【0014】表から明らかなように、ろう材Si含有量
を15wt%とした試験片では、少ない塗布量、塗布
回数で良好なろう付性(隙間充填性)が得られており、
母材の溶解量(最大侵食深さ)も適度に得られている。
特にSi含有量20〜30wt%では最大浸食深さが比
較的浅く、良好なろう付接合部を得ることができる。こ
れに対し、Si含有量が60wt%を越えるものや純S
iでは、最大侵食深さが深く、母材が過度に侵食されて
いることが示されている。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアルミニ
ウム合金粉末によれば、過共晶のアルミニウム合金を使
用するので、従来公知のろう材よりも一段と少ないろう
材量で、同等もしくはそれ以上のろう付性を得ることが
できる。よって、粉末ろう材の使用量および塗布回数を
低減することができ、ろう付け性を損なうことなく製造
コストを大幅に低減することができる。また、上記アル
ミニウム合金におけるSi量を質量%で15%越〜60
%とすれるので、上記作用が確実に得られるとともに、
過度な接合材の溶解が防止され、良好なろう付が確保さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例におけるろう付試験での試験
材の組立状態を示す斜視図である。
【図2】 同じくろう付後のろう付部の拡大正面図であ
る。
【図3】 同じくろう付後のろう付部の拡大側面図であ
る。
【符号の説明】
1 相手材 2 母材 4 小隙間 5 ろう付部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−200344(JP,A) 特開 平7−314177(JP,A) 特開 平5−305492(JP,A) 特開 昭57−1590(JP,A) 特開 昭58−93852(JP,A) 特開 平6−58214(JP,A) 特開 平6−254695(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/28 B23K 1/00 - 1/19

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合部に付着させてろう付に供するろう
    材であって、粉末状の過共晶Al−Si系合金から
    り、質量%で、Si:15越〜60%を含有し、残部が
    Alからなることを特徴とすることを特徴とするろう付
    性に優れるアルミニウム合金粉末ろう材。
  2. 【請求項2】 フラックスとアルミニウム合金粉末とが
    混合されてなることを特徴とする請求項1記載のろう付
    性に優れるアルミニウム合金粉末ろう材。
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