JP3354095B2 - 口腔用組成物 - Google Patents
口腔用組成物Info
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は口腔用組成物、さら
に詳しくは歯の再石灰化作用を促進し、安定性に優れた
口腔用組成物に関する。
に詳しくは歯の再石灰化作用を促進し、安定性に優れた
口腔用組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】歯質の主成分はハイドロキシアパタイト
（Ｃａ10（ＰＯ4）6（ＯＨ）2）であり、口中において
は通常、リン酸イオンやカルシウムイオンの溶出（脱
灰）と、リン酸カルシウムやハイドロキシアパタイトへ
の結晶化（再石灰化）が平衡状態にある。ここでムシ歯
の原因菌が産生する酸は、脱灰を促進することが知られ
ている。すなわちムシ歯は、歯垢を構成するストレプト
コッカス・ミュータンス（Streptococcus mutans）等の
細菌がショ糖等を分解して乳酸を主とする有機酸を産生
し、これがｐＨを低下させてカルシウム等を溶出させる
ことにより生じる。ところでムシ歯の初期においては、
通常透明なエナメル質に白斑（ホワイトスポット）が生
じるが、フッ素イオンやカルシウムイオンは再石灰化を
促進することにより、かかる白斑を消失させ、エナメル
質を再透明化することが知られている。
（Ｃａ10（ＰＯ4）6（ＯＨ）2）であり、口中において
は通常、リン酸イオンやカルシウムイオンの溶出（脱
灰）と、リン酸カルシウムやハイドロキシアパタイトへ
の結晶化（再石灰化）が平衡状態にある。ここでムシ歯
の原因菌が産生する酸は、脱灰を促進することが知られ
ている。すなわちムシ歯は、歯垢を構成するストレプト
コッカス・ミュータンス（Streptococcus mutans）等の
細菌がショ糖等を分解して乳酸を主とする有機酸を産生
し、これがｐＨを低下させてカルシウム等を溶出させる
ことにより生じる。ところでムシ歯の初期においては、
通常透明なエナメル質に白斑（ホワイトスポット）が生
じるが、フッ素イオンやカルシウムイオンは再石灰化を
促進することにより、かかる白斑を消失させ、エナメル
質を再透明化することが知られている。
【０００３】しかしながら、フッ素イオンとカルシウム
イオンとを共存させると、フッ化カルシウムの沈澱を生
じてしまい、白斑を消失させることができない。このた
めかかる問題を解決するため、次のような技術が知られ
ている。
イオンとを共存させると、フッ化カルシウムの沈澱を生
じてしまい、白斑を消失させることができない。このた
めかかる問題を解決するため、次のような技術が知られ
ている。
【０００４】フッ素イオン水溶液と、カルシウムイオン
水溶液とを別の容器に保持し、使用に際して適宜混合し
て用いる、２剤系口腔衛生用品（特開昭５２−６１２３
６号公報、特開昭５８−２１９１０７号公報）、糖リン
酸エステルによりフッ化カルシウムをコロイド状に分散
させ、再石灰化を促進する口腔用組成物（特開平３−７
２４１５号公報）。
水溶液とを別の容器に保持し、使用に際して適宜混合し
て用いる、２剤系口腔衛生用品（特開昭５２−６１２３
６号公報、特開昭５８−２１９１０７号公報）、糖リン
酸エステルによりフッ化カルシウムをコロイド状に分散
させ、再石灰化を促進する口腔用組成物（特開平３−７
２４１５号公報）。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
５２−６１２３６号公報、特開昭５８−２１９１０７号
公報の技術では、製造工程が複雑になるうえ、使用に際
して２液を混合しなければならず、簡便性の点で問題が
あった。また特開平３−７２４１５号公報の技術では、
比較的高濃度のフッ化カルシウムをコロイド状に分散さ
せることは容易ではなく、また一般的に歯磨き剤に用い
られているアルキル硫酸エステル塩、Ｎ−アシルアミノ
酸等のアニオン界面活性剤が存在すると、上記糖リン酸
エステルの分散効果はほぼ完全に消失してしまうという
問題を有する。
５２−６１２３６号公報、特開昭５８−２１９１０７号
公報の技術では、製造工程が複雑になるうえ、使用に際
して２液を混合しなければならず、簡便性の点で問題が
あった。また特開平３−７２４１５号公報の技術では、
比較的高濃度のフッ化カルシウムをコロイド状に分散さ
せることは容易ではなく、また一般的に歯磨き剤に用い
られているアルキル硫酸エステル塩、Ｎ−アシルアミノ
酸等のアニオン界面活性剤が存在すると、上記糖リン酸
エステルの分散効果はほぼ完全に消失してしまうという
問題を有する。
【０００６】したがって本発明は、アニオン界面活性剤
が存在する場合でも、フッ素イオンとカルシウムイオン
とからフッ化カルシウムが生成、沈澱することを抑制す
ることにより、歯の再石灰化効果を促進する口腔用組成
物を提供することを目的とする。
が存在する場合でも、フッ素イオンとカルシウムイオン
とからフッ化カルシウムが生成、沈澱することを抑制す
ることにより、歯の再石灰化効果を促進する口腔用組成
物を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、特定量のカルシウムイ
オン供給化合物（塩化カルシウムを除く）と特定量のフ
ッ素イオン供給化合物とを特定比率で含有し、さらに甘
味剤として知られている糖アルコールを含有することに
より、フッ化カルシウムの沈澱生成を抑制し、再石灰化
を促進することができることを見出し、本発明を完成し
た。
を達成すべく鋭意研究した結果、特定量のカルシウムイ
オン供給化合物（塩化カルシウムを除く）と特定量のフ
ッ素イオン供給化合物とを特定比率で含有し、さらに甘
味剤として知られている糖アルコールを含有することに
より、フッ化カルシウムの沈澱生成を抑制し、再石灰化
を促進することができることを見出し、本発明を完成し
た。
【０００８】すなわち本発明は、フッ素イオン供給化合
物をフッ素換算で０．００２〜１重量％、カルシウムイ
オン供給化合物（塩化カルシウムを除く）をカルシウム
換算で０．００１〜０．５重量％、及び糖アルコールを
５〜９９重量％含有し、フッ素イオン供給化合物の含有
量（フッ素換算）に対するカルシウムイオン供給化合物
の含有量（カルシウム換算）（重量比）が１／２以下で
ある口腔用組成物を提供するものである。
物をフッ素換算で０．００２〜１重量％、カルシウムイ
オン供給化合物（塩化カルシウムを除く）をカルシウム
換算で０．００１〜０．５重量％、及び糖アルコールを
５〜９９重量％含有し、フッ素イオン供給化合物の含有
量（フッ素換算）に対するカルシウムイオン供給化合物
の含有量（カルシウム換算）（重量比）が１／２以下で
ある口腔用組成物を提供するものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】本発明に用いるフッ素イオン供給
化合物は、無機化合物、有機化合物のいずれであっても
よい。具体的には例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カ
リウム、フッ化スズ、フッ化ケイ素酸ナトリウム、モノ
フルオロリン酸ナトリウム、フッ化アルミニウム、フッ
化銀、フッ化水素酸ヘキシルアミン、フッ化水素酸デカ
ノールアミン、フッ化水素酸オクタデセニルアミン等が
挙げられる。このうち安全性、溶解性、風味等の点から
モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウムが特
に好ましい。口腔用組成物中のフッ素イオン供給化合物
の配合量は、フッ素換算で０．００２〜１重量％であ
り、０．０１〜０．２重量％であることが好ましい。
０．００２〜１重量％であることにより、口腔用組成物
の風味や物性に悪影響を与えることなく、再石灰化の効
果を向上させることができる。
化合物は、無機化合物、有機化合物のいずれであっても
よい。具体的には例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カ
リウム、フッ化スズ、フッ化ケイ素酸ナトリウム、モノ
フルオロリン酸ナトリウム、フッ化アルミニウム、フッ
化銀、フッ化水素酸ヘキシルアミン、フッ化水素酸デカ
ノールアミン、フッ化水素酸オクタデセニルアミン等が
挙げられる。このうち安全性、溶解性、風味等の点から
モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウムが特
に好ましい。口腔用組成物中のフッ素イオン供給化合物
の配合量は、フッ素換算で０．００２〜１重量％であ
り、０．０１〜０．２重量％であることが好ましい。
０．００２〜１重量％であることにより、口腔用組成物
の風味や物性に悪影響を与えることなく、再石灰化の効
果を向上させることができる。
【００１０】本発明に用いるカルシウムイオン供給化合
物（塩化カルシウムを除く）は、無機化合物、有機化合
物のいずれであってもよい。具体的には例えば、臭化カ
ルシウム、硝酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン
酸カルシウム、酢酸カルシウム等が挙げられる。このう
ち安全性、溶解性、風味等の点から乳酸カルシウムが特
に好ましい。口腔用組成物中のカルシウムイオン供給化
合物の配合量は、カルシウム換算で０．００１〜０．５
重量％であり、０．００５〜０．１重量％であることが
好ましい。０．００１〜０．５重量％であることによ
り、口腔用組成物の風味や物性に悪影響を与えることな
く、再石灰化の効果を向上させることができる。
物（塩化カルシウムを除く）は、無機化合物、有機化合
物のいずれであってもよい。具体的には例えば、臭化カ
ルシウム、硝酸カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン
酸カルシウム、酢酸カルシウム等が挙げられる。このう
ち安全性、溶解性、風味等の点から乳酸カルシウムが特
に好ましい。口腔用組成物中のカルシウムイオン供給化
合物の配合量は、カルシウム換算で０．００１〜０．５
重量％であり、０．００５〜０．１重量％であることが
好ましい。０．００１〜０．５重量％であることによ
り、口腔用組成物の風味や物性に悪影響を与えることな
く、再石灰化の効果を向上させることができる。
【００１１】またフッ素イオン供給化合物の含有量（フ
ッ素換算）に対するカルシウムイオン供給化合物の含有
量（カルシウム換算）（重量比）は、１／２以下であ
り、１／１００〜１／３であることが好ましい。１／２
以下であれば、フッ化カルシウムの生成が抑制され、再
石灰化を促進することができる。
ッ素換算）に対するカルシウムイオン供給化合物の含有
量（カルシウム換算）（重量比）は、１／２以下であ
り、１／１００〜１／３であることが好ましい。１／２
以下であれば、フッ化カルシウムの生成が抑制され、再
石灰化を促進することができる。
【００１２】糖アルコールは、フッ化カルシウムの生成
を抑制するとともに、再石灰化を促進する効果を有する
ものである。糖アルコールとしては例えば、ラクチトー
ル、イソマルチトール、マルトトリイトール、イソマル
トトリイトール、パニトール、イソマルトテトライトー
ル、エリスリトール、アラビトール、リビトール、キシ
リトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール
等が挙げられる。かかる糖アルコールはＤ体、Ｌ体のい
ずれであってもよく、またその混合物であってもよい。
このうちキシリトールは、歯垢中のムシ歯原因菌の増殖
を抑制し、歯垢のｐＨ低下を抑制する効果を有する。し
たがって本発明においては、糖アルコール中のキシリト
ールの含有量（重量比）を、１／２以上とすることが好
ましく、２／３以上とすることが特に好ましい。
を抑制するとともに、再石灰化を促進する効果を有する
ものである。糖アルコールとしては例えば、ラクチトー
ル、イソマルチトール、マルトトリイトール、イソマル
トトリイトール、パニトール、イソマルトテトライトー
ル、エリスリトール、アラビトール、リビトール、キシ
リトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール
等が挙げられる。かかる糖アルコールはＤ体、Ｌ体のい
ずれであってもよく、またその混合物であってもよい。
このうちキシリトールは、歯垢中のムシ歯原因菌の増殖
を抑制し、歯垢のｐＨ低下を抑制する効果を有する。し
たがって本発明においては、糖アルコール中のキシリト
ールの含有量（重量比）を、１／２以上とすることが好
ましく、２／３以上とすることが特に好ましい。
【００１３】本発明の口腔用組成物は、水を含有しない
粉末状であってもよく、また水を含有するペースト状ま
たは液状であってもよい。水を含有する場合その含有量
は特に制限はないが、１〜９０重量％であることが好ま
しい。また水を含有する場合、糖アルコールの水に対す
る含有量は、２５重量％以上であることが好ましく、３
５〜３００重量％であることが特に好ましい。糖アルコ
ールの水に対する含有量が２５重量％以上であれば、フ
ッ化カルシウムの沈澱生成を抑制し、さらに口腔用組成
物の湿潤性も向上する。また口腔用組成物に対しては、
１５重量％以上が好ましく、３０重量％以上が特に好ま
しい。
粉末状であってもよく、また水を含有するペースト状ま
たは液状であってもよい。水を含有する場合その含有量
は特に制限はないが、１〜９０重量％であることが好ま
しい。また水を含有する場合、糖アルコールの水に対す
る含有量は、２５重量％以上であることが好ましく、３
５〜３００重量％であることが特に好ましい。糖アルコ
ールの水に対する含有量が２５重量％以上であれば、フ
ッ化カルシウムの沈澱生成を抑制し、さらに口腔用組成
物の湿潤性も向上する。また口腔用組成物に対しては、
１５重量％以上が好ましく、３０重量％以上が特に好ま
しい。
【００１４】本発明においては、口腔用組成物として一
般に用いられるアニオン界面活性剤、例えばラウリル硫
酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩、Ｎ−アシル
サルコシネート塩等のＮ−アシルアミノ酸塩等を含有し
てもよい。特にアニオン界面活性剤中のラウリル硫酸ナ
トリウムの含有量（重量比）が１／２以上である場合で
も、本発明の効果が損なわれることはない。
般に用いられるアニオン界面活性剤、例えばラウリル硫
酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩、Ｎ−アシル
サルコシネート塩等のＮ−アシルアミノ酸塩等を含有し
てもよい。特にアニオン界面活性剤中のラウリル硫酸ナ
トリウムの含有量（重量比）が１／２以上である場合で
も、本発明の効果が損なわれることはない。
【００１５】なお本発明においては、本発明の効果を害
さない範囲で、口腔用組成物として一般的に用いられて
いる、無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシ
ウム等の研磨剤、グリセリン、ポリエチレングリコール
等の湿潤剤、発泡剤、カルボキシメチルセルロースナト
リウム、カラギーナン等の粘結剤、サッカリンナトリウ
ム等の甘味剤、着色剤、パラオキシ安息香酸メチル等の
保存剤、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェ
ノール等の殺菌剤、消炎剤、香料等を添加することがで
きる。
さない範囲で、口腔用組成物として一般的に用いられて
いる、無水ケイ酸、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシ
ウム等の研磨剤、グリセリン、ポリエチレングリコール
等の湿潤剤、発泡剤、カルボキシメチルセルロースナト
リウム、カラギーナン等の粘結剤、サッカリンナトリウ
ム等の甘味剤、着色剤、パラオキシ安息香酸メチル等の
保存剤、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェ
ノール等の殺菌剤、消炎剤、香料等を添加することがで
きる。
【００１６】本発明の口腔用組成物は、水を含有する場
合、糖アルコール、フッ素イオン供給化合物、カルシウ
ムイオン供給化合物、及びその他の添加剤を、水に添加
して撹拌または混練することにより得ることができる。
また水を含有しない場合、粉体を混合することにより、
または粉体を水に混合、溶解し、脱水、乾燥等すること
により得ることができる。本発明の口腔用組成物は、粉
歯磨剤、潤性歯磨き剤、練り歯磨き剤、液状歯磨き剤、
洗口剤等として用いることができる。
合、糖アルコール、フッ素イオン供給化合物、カルシウ
ムイオン供給化合物、及びその他の添加剤を、水に添加
して撹拌または混練することにより得ることができる。
また水を含有しない場合、粉体を混合することにより、
または粉体を水に混合、溶解し、脱水、乾燥等すること
により得ることができる。本発明の口腔用組成物は、粉
歯磨剤、潤性歯磨き剤、練り歯磨き剤、液状歯磨き剤、
洗口剤等として用いることができる。
【００１７】
【実施例】次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【００１８】実施例１〜２、比較例１〜５ 表１に示す配合で、口腔用組成物（洗口液）を作成し
た。
た。
【００１９】
【表１】
【００２０】試験例１ ７本の牛歯牙を各々２分割し、表面を鏡面研磨した後、
５mm×５mmの処置面を除いて油性マニキュアで被覆して
試験に供した。ＨＥＣで増粘した乳酸緩衝液（pH４．
５）に３７℃、５日間浸漬し、表層下脱灰を形成させ
た。ここで２分割した牛歯牙切片の内一方を再石灰化処
理群、もう一方を対照群（脱灰処理のみ）として振り分
け、再石灰化処理群について、以下の再石灰化処置を行
った。即ち、５分間の洗口液処置後水洗し、３７℃の人
工唾液（pH7.0、20mM HEPES Buffer+ CaCl2 由来の1.5
mM Ca2+ ＋ K2HPO4 由来の0.9 mM PO4 3-の溶液）に約８
時間浸漬した。次いでこれを水洗し、５分間の洗口液処
置の後、再び水洗し、さらに約１６時間の再石灰化処置
を行った。この一連の処置を１０回（１０日間）行った
後、エタノールとアセトンを用いて脱水、乾燥を行っ
た。そして再石灰化処理群、対照群ともポリエステル樹
脂にて包埋した後、切断して厚さ約１００μｍの研磨切
片を作製して軟Ｘ線写真撮影を行った。次いで、再石灰
化処理群、対照群の軟Ｘ線写真を比較、観察するととも
に、画像解析を行い再石灰化率を算出した。結果を表２
に示す。また再石灰化処理群の溶解性を、透明なものを
○、濁っているものを×として判断した。結果を表２に
示す。
５mm×５mmの処置面を除いて油性マニキュアで被覆して
試験に供した。ＨＥＣで増粘した乳酸緩衝液（pH４．
５）に３７℃、５日間浸漬し、表層下脱灰を形成させ
た。ここで２分割した牛歯牙切片の内一方を再石灰化処
理群、もう一方を対照群（脱灰処理のみ）として振り分
け、再石灰化処理群について、以下の再石灰化処置を行
った。即ち、５分間の洗口液処置後水洗し、３７℃の人
工唾液（pH7.0、20mM HEPES Buffer+ CaCl2 由来の1.5
mM Ca2+ ＋ K2HPO4 由来の0.9 mM PO4 3-の溶液）に約８
時間浸漬した。次いでこれを水洗し、５分間の洗口液処
置の後、再び水洗し、さらに約１６時間の再石灰化処置
を行った。この一連の処置を１０回（１０日間）行った
後、エタノールとアセトンを用いて脱水、乾燥を行っ
た。そして再石灰化処理群、対照群ともポリエステル樹
脂にて包埋した後、切断して厚さ約１００μｍの研磨切
片を作製して軟Ｘ線写真撮影を行った。次いで、再石灰
化処理群、対照群の軟Ｘ線写真を比較、観察するととも
に、画像解析を行い再石灰化率を算出した。結果を表２
に示す。また再石灰化処理群の溶解性を、透明なものを
○、濁っているものを×として判断した。結果を表２に
示す。
【００２１】
【表２】
【００２２】その結果、フッ化ナトリウム、乳酸カルシ
ウム、及び糖アルコールを含有する実施例１〜２は、比
較例１〜５と比べて再石灰化率が高いことが確認され
た。
ウム、及び糖アルコールを含有する実施例１〜２は、比
較例１〜５と比べて再石灰化率が高いことが確認され
た。
【００２３】実施例３、４及び比較例６ 表３に示す配合で、実施例４は粉歯磨剤、他の実施例及
び比較例は練歯磨剤を調製し、それぞれを上顎の前歯に
脱灰によると考えられる白斑を有する被験者５名ずつに
１ケ月間使用させた。その結果、実施例３、４では白斑
部位の縮小傾向が認められ、その効果が大きかった。一
方比較例６は全く変化が認められなかった。
び比較例は練歯磨剤を調製し、それぞれを上顎の前歯に
脱灰によると考えられる白斑を有する被験者５名ずつに
１ケ月間使用させた。その結果、実施例３、４では白斑
部位の縮小傾向が認められ、その効果が大きかった。一
方比較例６は全く変化が認められなかった。
【００２４】
【表３】
【００２５】
【発明の効果】本発明の口腔用組成物は、アニオン界面
活性剤が存在する場合でも、フッ素イオンとカルシウム
イオンとによるフッ化カルシウムの沈澱生成を抑制し、
歯の再石灰化促進効果が高い。
活性剤が存在する場合でも、フッ素イオンとカルシウム
イオンとによるフッ化カルシウムの沈澱生成を抑制し、
歯の再石灰化促進効果が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 舛木 恵子 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (72)発明者 山崎 元 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (72)発明者 岡島 美由紀 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (72)発明者 上山 弘樹 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (72)発明者 前田 晃嗣 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (56)参考文献 特開 平11−12143（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61K 7/00 - 7/50
Claims (5)
- 【請求項１】 フッ素イオン供給化合物をフッ素換算で
０．００２〜１重量％、カルシウムイオン供給化合物
（塩化カルシウムを除く）をカルシウム換算で０．００
１〜０．５重量％、及び糖アルコールを５〜９９重量％
含有し、フッ素イオン供給化合物の含有量（フッ素換
算）に対するカルシウムイオン供給化合物の含有量（カ
ルシウム換算）（重量比）が１／２以下である口腔用組
成物。 - 【請求項２】 フッ素イオン供給化合物の含有量（フッ
素換算）に対するカルシウムイオン供給化合物の含有量
（カルシウム換算）（重量比）が１／１００〜１／３で
ある請求項１記載の口腔用組成物。 - 【請求項３】 糖アルコールの１／２以上（重量比）が
キシリトールである請求項１または２記載の口腔用組成
物。 - 【請求項４】 さらに水を含有するものである請求項１
〜３のいずれか１項記載の口腔用組成物。 - 【請求項５】 糖アルコールの水に対する含有量が２５
重量％以上である請求項４記載の口腔用組成物。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP00933098A JP3354095B2 (ja) | 1997-08-04 | 1998-01-21 | 口腔用組成物 |
| TW87111638A TW528602B (en) | 1997-08-04 | 1998-07-17 | Composition for use in oral cavity comprising fluorine ion providing compound, calcium ion providing compound and sugar alcohol |
| CNB981168612A CN1151772C (zh) | 1997-08-04 | 1998-08-03 | 口腔用组合物 |
| HK99102768A HK1017610A1 (en) | 1997-08-04 | 1999-06-30 | Composition for use in oral cavity. |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9-209010 | 1997-08-04 | ||
| JP20901097 | 1997-08-04 | ||
| JP00933098A JP3354095B2 (ja) | 1997-08-04 | 1998-01-21 | 口腔用組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11106322A JPH11106322A (ja) | 1999-04-20 |
| JP3354095B2 true JP3354095B2 (ja) | 2002-12-09 |
Family
ID=26344031
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP00933098A Expired - Fee Related JP3354095B2 (ja) | 1997-08-04 | 1998-01-21 | 口腔用組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3354095B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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