JP3352901B2 - ポリエステル樹脂組成物、それからなるシリコンウェハーキャリア及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物、それからなるシリコンウェハーキャリア及びその製造方法

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JP3352901B2
JP3352901B2 JP4064497A JP4064497A JP3352901B2 JP 3352901 B2 JP3352901 B2 JP 3352901B2 JP 4064497 A JP4064497 A JP 4064497A JP 4064497 A JP4064497 A JP 4064497A JP 3352901 B2 JP3352901 B2 JP 3352901B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル樹脂
に、溶融粘度比が特定の範囲にあるポリエーテルエステ
ルアミドと変性ポリオレフィンを特定量配合してなる永
久帯電防止性に優れ、シリコンウェハーキャリアを成形
したときに金属不純物の成形物表面への滲みだしがシリ
コンウェハーの表面汚れとして支障を及ぼさない程度に
まで少なく、永久的な帯電防止性を備えたポリエステル
樹脂組成物及びそれからなるシリコンウェハーキャリア
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル樹脂は、成形性、機械的特
性、耐熱性、耐薬品性、耐クリープ、耐衝撃性、剛性等
に優れているので広く使われており、シリコンウェハー
キャリア分野用材料として用いられている。
【0003】ところで、ポリエステル樹脂には、摩擦、
剥離などによって著しく帯電し易く、その帯電は成形物
の種種の障害をもたらすと共に、使用時には放電による
衝撃を与えたり、埃の付着をもたらすなどの好ましくな
い点がある。そのため、帯電防止性を必要とする用途に
は使用が制限されている。
【0004】ポリエステル樹脂組成物の帯電防止性を向
上するため、帯電防止剤を添加して帯電防止性を向上さ
せる方法が知られている。
【0005】プラスチックの帯電防止方法としては、内
部添加型と塗布型がある。塗布型では、別工程が必要で
あり、製造プロセス上、内部添加型の方が好ましい。
【0006】内部添加型による方法ではこれまでアルキ
ルスルホン酸塩やアルキルベンゼンスルホン酸塩等のイ
オン性界面活性剤をポリマー中に練り込む方法が、効果
や経済性に優れるために一般的に採用されてきた。例え
ば、ホスホニウム塩を利用したものとして、特開昭62
−230835号公報がある。
【0007】しかし、こうした低分子量の界面活性剤を
利用する方法では、界面活性剤が表面に滲み出すため
に、当初の効果は高いものの、拭いたり、洗浄したりす
ると帯電防止効果がなくなる点で問題がある。
【0008】シリコンウェハーキャリアは成形後、通常
様々な条件で、シリコンウェハーキャリアの加熱処理工
程、洗浄工程での搬送用、保管用に用いられる。
【0009】ポリブチレンテレフタレート(以下、PB
Tと略する場合がある)樹脂が半導体シリコンウェハー
キャリアの運搬や保管の目的で使用される場合、シリコ
ンウェハーキャリアの表面に不純物が大量に滲み出す場
合がある。このとき、シリコンウェハーキャリア表面の
不純物がシリコンウェハーに転写し、シリコンウェハー
の表面汚れとなってデバイスの結晶欠如や電気特性の低
下などの原因となる。このときシリコンウェハーは品質
上使用に供し得ない状態になる。
【0010】シリコンウェハーキャリアは、たとえば、
歪み除去のためのアニール工程、残存揮発成分を除去す
るための脱ガス工程、表面の不純物、付着物を除去する
洗浄工程及びそれに続く乾燥工程を経て用いられる。
【0011】この時、シリコンウェハーキャリア中の不
純物は成形品の加熱処理により表面に滲み出すことが多
く、従って、シリコンウェハーキャリアは成形直後の不
純物の滲みだしがないことのみならず、成形後の各種条
件での熱処理工程においても不純物の滲みがないことが
望まれている。
【0012】ところで、ポリエーテルエステルアミド
は、帯電防止性が良好であることが知られているが、他
の熱可塑性樹脂との相溶性が悪いため層状剥離が起きた
り、好ましい機械的性質を有する樹脂組成物を得ること
が出来なかった。
【0013】これらの問題を解決するため相溶化剤を使
用するケースが多く、たとえば、特開平2−70739
号公報に記載の方法が知られている。
【0014】このような方法によって相溶性の問題が改
良されているものの多量の相溶化剤の添加によって樹脂
組成物中の不純物の量が多くなると言う欠点があった。
【0015】そのため、ポリエステル樹脂に含有出来る
ポリエーテルエステルアミドの量には限界があり、おの
ずと表面抵抗率は1013〜1012Ω(測定電圧500
V)の帯電防止性を示すにとどまっていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
の解消を目的とするものであり、本発明の課題は熱処理
した時に、不純物、特に金属不純物のシリコンウェハー
キャリア表面への滲みだしが、シリコンウェハーの表面
汚れとして支障を及ぼさない程度にまで少なく、かつ表
面抵抗率が1012〜1011Ω(測定電圧500V)の範
囲である永久帯電防止性を備えた成形し得るポリエステ
ル樹脂組成物及びそれからなるシリコンウェハーキャリ
アを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討の
結果、変性ポリオレフィンとポリエーテルエステルアミ
ドをポリエステル樹脂に添加することによって、ポリエ
ーテルエステルアミドとポリエステル樹脂を溶融混練す
る場合に起こる押出時のバラス効果を押さえ、ポリエー
テルエステルアミド多量配合時の生産性を改善するとと
もに、このようにして得られるポリエステル樹脂組成物
に表面抵抗率1012〜1011Ω(測定電圧500V)の
永久帯電防止性を持たせることができることを見出し
た。
【0018】そして、この樹脂組成物を射出成形して得
られる成形物、特にシリコンウェハーキャリアは、成形
過程で表層にポリエーテルエステルアミドの偏析が生
じ、良好な帯電防止性を備える成形物、特にシリコンウ
ェハーキャリアとなることを見出し、本発明に到達し
た。
【0019】即ち、本発明は(A)固有粘度が0.6〜
1.20であるポリエステル樹脂100重量部に対して
(B)260℃での見掛けのせん断速度1000sec-1
における見掛けの溶融粘度が10〜1000(Pa・
S)の範囲にあるポリエーテルエステルアミドを31〜
100重量部及び(C)変性ポリオレフィンを1〜40
重量部の範囲で配合して得られる樹脂組成物であり、成
形物としたときの成形物表面抵抗率が1012〜1011Ω
(測定電圧500V)である、ポリエステル樹脂組成物
である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】[ポリエステル樹脂]本発明で用いられる
(A)成分のポリエステル樹脂は、テレフタル酸、また
は2,6−ナフタリンジカルボン酸あるいはこれらのエス
テル形成性誘導体を主たる酸成分とし、エチレングリコ
ール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール等の脂肪族ジオールを主たるジオール成分としてな
る芳香族ポリエステルである。
【0021】主たる成分とは、30モル%好ましくは2
0モル%、更に好ましくは10モル%までの共重合成分
の共重合を許容すること意味する。
【0022】これらの中で結晶化速度の速いポリブチレ
ンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレン−2,6−ナフ
タレートが好ましく、ポリブチレンテレフタレートが特
に好ましい。
【0023】またポリエステル樹脂としては、上述のポ
リエステルの一部を共重合成分が置換したものでもよ
く、かかる共重合成分としては、イソフタル酸、フタル
酸;メチルテレフタル酸、メチルイソフタル酸等のアル
キル置換フタル酸類;2,6−ナフタリンジカルボン酸、
2,7−ナフタリンジカルボン酸、1,5−ナフタリンジカル
ボン酸等のナフタリンジカルボン酸類;4,4−ジフェニ
ルジカルボン酸、3,4−ジフェニルジカルボン酸等のジ
フェニルジカルボン酸類、4,4−ジフェノキシエタンジ
カルボン酸等のジフェノキシエタンジカルボン酸類等の
芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサ
ンジカルボン酸類などの脂肪族または脂環族ジカルボン
酸;1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジ
オール;ハイドロキノン、レゾルシン等のジヒドロキシ
ベンゼン類;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プ
ロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−スルホン等
のビスフェノール類、ビスフェノール類とエチレングリ
コールなどのグリコールとから得られるエーテルジオー
ルなどの芳香族ジオール;ε−オキシカプロオン酸、ヒ
ドロキシ安息香酸、ヒドロキシエトキシ安息香酸等のオ
キシカルボン酸等が挙げられる。
【0024】さらに上述の芳香族ポリエステルに分岐成
分として、トリメシン酸、トリメリット酸のごとき多官
能のエステル形成能を有する酸またはグリセリン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能
基のエステル形成能を有するアルコールを1.0モル%
以下、好ましくは0.5モル%以下、更に好ましくは
0.3モル%以下を共重合せしめてもよい。
【0025】本発明に用いられるポリエステル樹脂は少
なくとも1段の固相重合工程で重縮合されたものが好ま
しい。その固相重合方法に関しては、従来から蓄積され
た方法で製造することが出来る。
【0026】本発明で用いられるポリエステル樹脂は固
有粘度が0.6〜1.20である。固有粘度が0.6よ
り小さいと十分な特性が得られず、1.20より大きく
なると溶融粘度が高く流動性が低下して成形性が損なわ
れるため好ましくない。ここで、固有粘度は35℃にお
けるオルトクロルフェノール中での測定値である。
【0027】[ポリエーテルエステルアミド]本発明で
用いられる(B)成分のポリエーテルエステルアミド
は、ポリアミド成分とポリエステル成分とがジカルボン
酸を介してエステル結合したものである。
【0028】ポリエーテルエステルアミドとして、好ま
しくは(B1)両末端にカルボキシル基を有するポリア
ミドと(B2)ビスフェノール類のエチレンオキシド付
加物とから誘導されるポリエーテルエステルアミドであ
る。
【0029】この場合、両末端にカルボキシル基を有す
るポリアミド(B1)の数平均分子量は、好ましくは5
00〜5000、さらに好ましくは500〜3000で
ある。数平均分子量が500未満ではポリエーテルエス
テルアミド自体の耐熱性が低下し、5000を超えると
反応性が低下するためポリエーテルエステルアミドの製
造コストが高くなる。
【0030】ビスフェノール類のエチレンオキシド付加
物(B2)の数平均分子量は、好ましくは1600〜3
000であり、エチレンオキシドモル数が32〜60の
ものを使用することがさらに好ましい。数平均分子量が
1600未満では、帯電防止性が不十分であり、300
0を超えると反応性が低下するためポリエーテルエステ
ルアミドの製造コストが高くなる。
【0031】ポリエーテルエステルアミドの製造方法は
特に限定されず公知の方法を利用することができる。た
とえば、アミド形成性モノマー及びジカルボン酸を反応
させて両末端にカルボキシル基を有するポリアミド(B
1)を形成させ、これにビスフェノール類のエチレンオ
キシド付加物(2)を加えて、高温、減圧下で重合反応
を行う方法が挙げられる。
【0032】本発明において用いられるポリエーテルエ
ステルアミド(B)は260℃での見掛けのせん断速度
1000sec-1における見掛けの溶融粘度が10〜1
000(Pa・S)の範囲にある。このとき、ポリエス
テル樹脂(A)の見掛けの溶融粘度に対するポリエーテ
ルエステルアミド(B)の溶融粘度の比は0.01〜1
であることが好ましい。
【0033】溶融粘度についてこの条件を満たせば、本
質的に相溶性が小さく溶融粘度特性の異なる本発明に用
いられるポリエステル樹脂(A)及びポリエーテルエス
テルアミド(B)の両成分を溶融混合して成形すること
により、優れた永久制電性を備える成形物となるように
ポリエーテルエステルアミドを微分散化させることがで
きる。
【0034】本発明におけるポリエーテルエステルアミ
ド(B)の配合量は、ポリエステル樹脂(A)100重
量部に対して、31〜100重量部、好ましくは34〜
47重量部である。ポリエーテルエステルアミドが31
重量部未満であると得られる成形物の表面抵抗率を10
12〜1011Ω(測定電圧500V)の範囲内にすること
ができず、永久帯電防止性を付与できない。逆に100
重量部を超えると機械強度及び生産性が低下し好ましく
ない。
【0035】[変性ポリオレフィン]本発明における変
性ポリオレフィン(C)とは、不飽和エポキシ化合物
(C1)と一種類以上のエチレン系不飽和化合物(C
2)とが共重合されてなる共重合体である。
【0036】変性ポリオレフィン(C)は不飽和エポキ
シ化合物(C1)を0.1〜50重量%、好ましくは1
〜30重量%共重合成分として含有する。
【0037】不飽和エポキシ化合物(C1)とは分子中
にエポキシ基を有し、エチレン系不飽和化合物と共重合
しうる不飽和基を有する化合物であり、例えば、下記一
般式(1)、(2)で表わされる不飽和グリシジルエス
テル、不飽和グリシジルエーテルが挙げられる。
【0038】
【化1】
【0039】
【化2】
【0040】不飽和エポキシ化合物(C1)として、具
体的にはグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリ
レート、イタコン酸グリシジルエステル類、アリルグリ
シジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテ
ル、スチレン−P−グリシジルエーテルが例示される。
【0041】本発明の用いられるエチレン系不飽和化合
物(C2)とはオレフィン類、炭素数2〜6の飽和カル
ボン酸のビニルエステル類、炭素数1〜8の飽和アルコ
ール成分とアクリル酸または、メタクリル酸とのエステ
ル類及びマレイン酸エステル類及びメタクリル酸エステ
ル類及びフマル酸エステル類、ハロゲン化ビニル類、ス
チレン類、ニトリル類、ビニルエーテル類及びアクリル
アミド類などが挙げられる。
【0042】具体的にはエチレン、プロピレン、ブテン
−1、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジエチル、フマル
酸ジエチル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、
アクリロニトリル、イソブチルビニルエーテル及びアク
リルアミド等が例示される。これらのうちでも特にエチ
レン、酢酸ビニル、アクリル酸メチルが好ましい。
【0043】変性ポリオレフィンは種種の方法でつくる
ことができる。不飽和エポキシ化合物が共重合体の主鎖
中に導入されるランダム共重合方法及び不飽和エポキシ
化合物が共重合体の測鎖として導入されるグラフト共重
合方法のいずれをも採りうる。
【0044】本発明において(C)成分の変性ポリオレ
フィンの配合量は、ポリエステル樹脂(A)100重量
部に対して1〜40重量部、好ましくは3〜10重量部
である。変性ポリオレフィンが1重量部未満であると目
的とする永久帯電防止性を樹脂組成物及び成形物に付与
することができず、また押出時のバラス効果を押さえ生
産性を上げる効果が小さい。逆に40重量部を超えると
機械強度が低下し好ましくない。
【0045】本発明のポリエステル樹脂組成物は成形物
とされたときに、表面抵抗率1012〜1011Ω(測定電
圧500V)の永久帯電防止性を備えることができる。
【0046】成形物が射出成形により成形されたシリコ
ンウェハーキャリアであるとき、該シリコンウェハーキ
ャリアは熱処理したときに、不純物、特に金属不純物の
シリコンウェハーキャリア表面への滲みだしが、シリコ
ンウェハーの表面汚れとして支障を及ぼさない程度にま
で少なく、表面抵抗率1012〜1011Ω(測定電圧50
0V)の永久帯電防止性を備える。
【0047】この場合の熱処理は、例えば、シリコンウ
ェハーキャリアを純水中で2時間、80℃の温度で浸漬
することである。
【0048】[添加剤]本発明では用途に応じて顔料及
び染料を添加することが可能である。無機顔料としては
公知のものであるが、例として二酸化チタン、酸化亜
鉛、三酸化アンチモン、硫化亜鉛、塩基性炭素鉛、塩基
性硫酸鉛、塩基性珪酸鉛、リトボン、金属酸化物、金属
硫化物、カーボンブラック及びグラファイトがある。
【0049】有機顔料は、例としてアゾ−、アゾメチル
−、メチン−、インダンスロン−、アントラキノン−、
ピランスロン−、フラバンスロン−、ベンザンスロン
−、フタロシアニン−、ペリノン−、ペリレン−、ジオ
キサジン−、チオインジゴ−、イソインドリン−、イソ
インドリノン−、キナクリドン−、ピルールピロール−
及びキノフタロンがある。
【0050】有機染料は、例としてアンスラキノン系の
分散染料、アゾ染料の金属錯化合物及び蛍光染料があ
る。
【0051】本発明に用いられる樹脂組成物には、本発
明の目的を損なわない範囲で、ガラス状強化剤、粉粒
状、板状充填剤、難燃剤、離型剤、潤滑剤、滑剤、核
剤、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐光(候)安定
剤、その他成分以外の熱可塑性樹脂、衝撃改良剤等の改
質剤など、添加剤を含有することができる。
【0052】[製造方法]本発明の樹脂組成物は任意の
配合方法により配合して得られる。通常これらの配合成
分はより均一に分散させることが好ましく、その全部も
しくは一部を同時にあるいは均一に分散させることが好
ましく、その全部もしくは一部を同時にあるいは別々に
例えばブレンダー、ニーダー、バンバリーミキサー、ロ
ール、押出機等の混合機で混合し均質化させる方法を用
いることが出来る。
【0053】更に予めドライブレンドされた組成物を加
熱した押出機で溶融混練して均質化した後針金状に押出
し、次いで所望の長さに切断して粒状化する方法などを
用いることができる。
【0054】シリコンウェーハーキャリアを成形する場
合、ポリエステル樹脂(A)の見掛けの溶融粘度に対す
るポリエーテルエステルアミド(B)の溶融粘度の比が
0.01〜1になるようなシリンダー温度、射出速度、
射出圧力で成形することが必要である。
【0055】このような条件を選ぶことによってポリエ
ーテルエステルアミドは、シリコンウェハーキャリア表
層部で厚さ約0.5μm、好ましくは0.4〜0.6μ
m、更に好ましくは0.45〜0.55μmのスジ状に
分散し、1012〜1011Ωの表面抵抗率を示すようにな
る。
【0056】つまり、通常のポリエステル樹脂の成形時
の条件より高速、高圧で成形することが好ましい。例え
ば、三菱80MSP射出成形機を用いた場合、シリンダ
ー温度250℃、金型温度60℃、射出速度/射出圧力
比40〜60%で成形することが望ましい。このように
して得られたシリコンウェハーキャリアは優れた永久帯
電防止性を備える。
【0057】本発明シリコンウェーハーキャリアは、一
般の熱可塑性樹脂の成形機によって成形することができ
る。
【0058】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。な
お、特性の評価は下記の評価方法による。
【0059】[表面固有抵抗]表面固有抵抗は超絶縁計
(東亜電波工業(株)製SM−10E)を用いて測定し
た。
【0060】[帯電圧減衰時間]帯電圧減衰時間はオネ
ストメータ(シシド静電気(株)製 スタチックH−0
110)により半減衰時間を測定した。
【0061】[押出性]前述のスクリュー径44mmのベ
ント付き2軸押出機(日本製鉄所(株)TEX44S−
30AW−2V)を用い、仕込み量10Kgの引き取り
性を評価した。
【0062】[アルカリ金属溶出量]アルカリ金属溶出
量の評価は、試料(シリコンウェーハーキャリアの5m
m角フレークス状粉砕物)10gを80℃の超純水80
ml中に120分間浸漬処理した後、原子吸光光度計
(日立製作所製 Z8100)を用いて、浸漬処理後の
超純水中の溶出アルカリ金属の量を分析することにより
行った。
【0063】[実施例1〜5、比較例1〜8]表1に記
載の原料は下記のものを使用した。 ・ポリブチレンテレフタレート(PBT) 帝人(株)製 TRB−QK ・ポリエーテルエステルアミド(PEEA) 三洋化成(株)製 ペレスタット6321 ・グリシジル変性ポリオレフィンアクリル酸エステル 住友化学工業(株)製 BF−7M (モノマー成分としてエチレン64重量%、グリシジル
メタクリレート6重量%及びアクリル酸メチル30重量
%からなる共重合体)
【0064】
【表1】
【0065】表1に記載の各種原料を表1に記載の量割
合で予め均一にドライブレンドした後、スクリュー径4
4mmのベント付き二軸押出機を用いてシリンダー温度1
80〜310℃、スクリュー回転数160rpm、吐出量
40kg/hにて溶融混練し、ダイスから吐出するスレッ
ドを冷却後、切断して成形用ペレットを得た。
【0066】次いでこのペレットを用いて射出圧力75
0kg/cm2、射出速度70cm3/sec、冷却時間
15秒、及び全成形サイクル25秒の条件で射出成形に
よりシリコンウェハーキャリアを作成した。さらに、こ
のキャリアの側面部を必要な大きさに切断して試験片と
した。この試験片について上記の評価を行った。
【0067】このシリコンウェーハーキャリアの成形の
際の、ポリエーテルエステルアミドの260℃における
見掛けのせん断速度1000sec-1での見掛けの溶融
粘度は65(Pa・S)であった。また、ポリエーテル
エステルアミドのポリエステル樹脂の見掛けの溶融粘度
に対する比は0.65(剪断速度1000sec-1、シ
リンダー温度250℃であった。
【0068】本発明の組成物(実施例1〜3)は、変性
ポリオレフィン配合によって押出性が良好で、樹脂ペレ
ットを得ることが出来た。一方、単にPEEA含有率を
上げると2軸押出機のダイスから溶融樹脂が出る際、バ
ラス効果のため、スレッドを引き取ることが非常に困難
であり(比較例3、4、5)、樹脂ペレットを得ること
が出来ない。
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】実施例1〜3は押出性が良好で、表面抵抗
率が1012Ω以下の帯電防止性を示している。これに対
しPEEA含有量が18〜15wt%の場合、1012Ω以
下の表面抵抗率は実現出来ない(比較例1、2)。
【0072】以上のように、PEEAと変性ポリオレフ
ィンアクリル酸エステル(BF−7M)を組み合わせる
ことによって、今まで出すことが出来なかった表面抵抗
率を出すことに成功した。
【0073】PEEAとBF−7Mの添加系(実施例
4、5)の溶出金属は、PBT(TRB−QK)のみ
(比較例8)及びPEEA15重量%系(比較例7)に
比較して溶出金属の増量はなく、シリコンウェハーキャ
リアとして問題がない。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエステル樹脂組成
物により成形されたシリコンウェハーキャリアを熱処理
した時の金属不純物の表面への滲みだしが、シリコンウ
ェハーの表面汚れとして支障を及ぼさない程度にまで少
なく、かつ表面抵抗率が1012〜1011Ω(測定電圧5
00V)の永久帯電防止性を備えたシリコンウェハーキ
ャリアを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/26 C08L 67/00 - 67/02 C08L 77/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)固有粘度が0.6〜1.20であ
    るポリエステル樹脂100重量部に対して(B)260
    ℃での見掛けのせん断速度1000sec-1における見掛
    けの溶融粘度が10〜1000(Pa・S)の範囲にあ
    るポリエーテルエステルアミドを31〜100重量部及
    び(C)変性ポリオレフィン1〜40重量部の範囲で配
    合して得られる樹脂組成物であり、成形物としたときの
    成形物表面抵抗率が1012〜1011Ω(測定電圧500
    V)の範囲である、ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 変性ポリオレフィン(C)が不飽和エポ
    キシ化合物(C1)と一種類以上のエチレン系不飽和化
    合物(C2)とが共重合されてなる共重合体である請求
    項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエーテルエステルアミド(B)が、
    (B1)両末端にカルボキシル基を有するポリアミドと
    (B2)ビスフェノール類のエチレンオキシド付加物と
    から誘導されるポリエーテルエステルアミドである請求
    項1に記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載のポリエス
    テル樹脂組成物から成形されたシリコンウェハーキャリ
    ア。
  5. 【請求項5】 ポリエステル樹脂(A)がポリブチレン
    テレフタレートである請求項4に記載のシリコンウェハ
    ーキャリア。
  6. 【請求項6】 ポリエステル樹脂(A)の見掛けの溶融
    粘度に対するポリエーテルエステルアミド(B)の溶融
    粘度の比が0.01〜1となるシリンダー温度、射出速
    度及び射出圧力で請求項2に記載のポリエステル樹脂組
    成物を用いてシリコンウェハーキャリアを成形すること
    を特徴とする請求項3又は4に記載のシリコンウェハー
    キャリアの製造方法。
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