JP3352258B2 - ゴルフボールの製造方法、該製造方法に使用する成形型及び該製造方法により製造したゴルフボール - Google Patents

ゴルフボールの製造方法、該製造方法に使用する成形型及び該製造方法により製造したゴルフボール

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JP3352258B2
JP3352258B2 JP32066394A JP32066394A JP3352258B2 JP 3352258 B2 JP3352258 B2 JP 3352258B2 JP 32066394 A JP32066394 A JP 32066394A JP 32066394 A JP32066394 A JP 32066394A JP 3352258 B2 JP3352258 B2 JP 3352258B2
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憲吾 岡
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフボールに関し、
詳しくは、ディンプルと交差しない大円通路のないゴル
フボールにおける製造効率、飛行特性、外観等の向上に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ゴルフボールでは、図16に示
すように上下一対の半割金型1A,1Bにより、その表
面にディンプルを形成する。この半割金型1A,1Bに
は、ディンプル形成用突起2を突設した半球状の型面3
を凹設している。これら半割金型1A,1Bの接合部4
を重ね合わせると型面3に囲まれた球状のキャビティが
形成され、このキャビティ内で合成樹脂材料を射出成形
するか、あるいは未成形の外皮を予め形成したゴルフボ
ールをキャビティ内に配置し、加圧成形することにより
ディンプルが形成される。
【0003】図17に示すように、上記半割金型1A,
1Bを用いて形成したゴルフボール5では、上記半割金
型1A,1Bの接合部分4に対応する部分(シーム部5
a)にバリ6が発生する。このバリ6は、上記ディンプ
ル形成工程の後に研削加工等により除去される。しか
し、シーム部5aにディンプル8が存在すると、凹凸面
を研削することになるため、バリ6を十分に除去するの
は困難である。そのため、各半割金型1A,1Bの型面
3の接合部4の近傍には、ディンプル形成用突起2は配
置されていない。よって、上記半割金型1A,1Bを用
いて製造したゴルフボール5では、上記バリ6を研削切
除すると、図18に示すようにシーム部5aにディンプ
ル8と全く交差しない大円通路9が存在する。
【0004】この大円通路9は、ゴルフボール5の飛行
特性、特に、空力学的対称性に悪影響を与え、打球した
ゴルフボール5の軌道が曲がる原因となる。また、大円
通路9が存在するとゴルフボール5の外観が損なわれ
る。これに対して、従来より、上記大円通路9を有さな
いゴルフボールが提案されている。
【0005】例えば、特開昭61−173907号公
報、特開昭62−47379号公報には、図19に示す
ように、半割金型10A,10Bの接合部11を突出部
12と切欠部13を交互に設けた凹凸形状とし、ゴルフ
ボール14に形成されるシーム部14aを、この凹凸形
状に対応する折れ線とすることにより、上記大円通路9
が形成されないようにすることが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記接
合部11を凹凸状とした半割金型10A,10Bを使用
して製造したゴルフボールには、以下の問題がある。ま
ず、図20に示すように、各半割金型10A,10Bの
型面15,15が構成する空間が半球であると仮定した
場合の半割金型10A,10Bの接合部に対応する円
(仮想赤道L)を想定すると、半割金型10A,10B
の壁面のうち突出部12が、この仮想赤道Lを越えてゴ
ルフボール14の外周を覆っている。そのため、成形工
程後にゴルフボール14が半割金型10A,10Bから
抜き出しにくく、製造効率低下の原因となる。
【0007】また、上記のようにシーム部14Aを折れ
線状としていても、図21に示すように、仮想赤道Lの
上下に仮想赤道Lと平行に広がるディンプルのランド部
であって、半割金型10A,10Bの接合部に対応する
部分(帯状ランド部M)は、上記仮想赤道Lの近傍、す
なわち仮想赤道Lから10mm程度の範囲(仮想赤道L
と隣接する第1列目のディンプル8−1,8−2の付
近)に集中しており、空力学的対称性は十分に改善され
ているわけではない。この場合、各半割金型10A,1
0Bの接合部14の凹凸段差Aを大きくすれば、上記帯
状ランド部Mを仮想赤道Lから離れた位置に設けること
ができる。しかし、凹凸段差Aを大きくすると、半割金
型10A,10Bが仮想赤道Lを越えてゴルフボール1
4を覆っている部分の面積が広くなり、ゴルフボール1
4の半割金型10A,10Bからゴルフボール14を抜
き出すのが一層困難となるため、凹凸段差Aを大きく設
定するのは限界がある。
【0008】本発明は、上記従来のゴルフボールにおけ
る問題を解決し、ディンプルと交差しない大円通路のな
いゴルフボールにおける製造効率の向上と、飛行特性等
の向上を図るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】従って、請求項1は、一
対の可撓型と、該可撓型をそれぞれ収容する一対の外型
を備え、上記一対の可撓型は、それぞれ多数のディンプ
ル形成用突起を突設した型面を備えると共に少なくとも
一部分が可撓性を有する材料からなり、かつ、該一対の
可撓型の各接合部は、凹部と凸部とを周方向に交互に設
けた凹凸状とし、上記可撓型の接合部を重ね合わせて形
成したキャビティ内で、加圧工程によりゴルフボールの
外皮を成形することを特徴とするゴルフボールの製造方
法を提供するものである。
【0010】上記可撓型の凹凸段差は、請求項2のよう
に、上記ディンプル形成用突起により形成されるディン
プルの最大直径の1.5倍以上5.75倍以下であるこ
とが好ましい。
【0011】また、上記可撓型の凹凸段差は、請求項3
のように、10mm以上23mm以下であることが好ま
しい。
【0012】請求項4は、一対の可撓型と、該可撓型を
それぞれ収容する一対の外型を備え、上記一対の可撓型
は、それぞれ多数のディンプル形成用突起を突設した型
面を備えると共に少なくとも一部分が可撓性を有する材
料からなり、かつ、該一対の可撓型の各接合部は、凹部
と凸部とを周方向に交互に設けた凹凸状としていること
を特徴とするゴルフボール用金型を提供している。
【0013】請求項5は、一対の可撓型と、該可撓型を
それぞれ収容する一対の外型を備え、上記一対の可撓型
は、それぞれ多数のディンプル形成用突起を突設した型
面を備えると共に少なくとも一部分が可撓性を有する材
料からなり、かつ、該一対の可撓型の各接合部は、凹部
と凸部とを周方向に交互に設けた凹凸状としているゴル
フボールの成形型を用い、上記可撓型の接合部を重ね合
わせて形成したキャビティ内で、加圧工程によりゴルフ
ボールの外皮を成形したことを特徴とするゴルフボール
を提供している。
【0014】
【作用】請求項1のゴルフボールの製造方法では、少な
くとも一部分が可撓性を有する材料からなる可撓型の接
合部を重ね合わせて形成したキャビティ内で、加圧工程
によりゴルフボールの外皮を成形するため、成形工程後
にゴルフボールを容易に取り出すことができる。
【0015】請求項2のように、可撓型の凹凸段差を上
記ディンプル形成用突起により形成されるディンプルの
最大直径の1.5倍以上、あるいは、請求項3のよう
に、可撓型の凹凸段差を10mm以上に設定した場合に
は、帯状ランド部が仮想赤道から離れた位置に形成され
て空力学的対称性の高いゴルフボールが製造される。
【0016】請求項4のゴルフボール成形型は、少なく
とも一部分が可撓性を有する材料からなる可撓型を備え
るため、外皮の成形工程後にゴルフボールを容易に取り
出すことができる。また、請求項4のゴルフボールの成
形型では、可撓型の接合部を凹凸状としているため、接
合部の凹凸段差を大きく設定することにより、帯状ラン
ド部が仮想赤道から離れた位置に形成された空力学的対
称性の高いゴルフボールが製造される。
【0017】請求項5のゴルフボールは、少なくとも一
部分が可撓性を有する材料からなると共に、接合部を凹
凸状とした一対の可撓型により外皮を成形するため、帯
状ランド部が仮想赤道から離れた位置に形成され、空力
学的対称性が高い。
【0018】
【実施例】次に、図面に示す実施例に基づいて本発明に
ついて詳細に説明する。図1は、第1実施例に係る製造
方法に使用するゴルフボールの成形型を示しており、こ
の成形型は、一対の半割型21A,21Bからなる。こ
の半割型21A,21Bは、それぞれ可撓性を有する可
撓型22A,22Bと、この可撓型22A,22Bを収
容する金属製の外型23A,23Bとを備えた二重構造
で構成されている。
【0019】上記可撓型22A,22Bは、シリコーン
ゴム製である。しかし、可撓型22A,22Bの材質
は、シリコーンゴムに限定されず、フッ素ゴム、アクリ
ルゴム等の可撓性を有し、かつゴルフボールのカバーを
構成する樹脂材料の成形温度に十分耐え得る材料であれ
ばよい。図2(A),(B)及び図3に示すように、可
撓型22A,22Bは、半球殻状であって、内周面を多
数のディンプル形成用突起24を突設した型面25とし
ている。また、可撓型22A,22Bの接合部26は、
矩形状の切欠部27と突出部28とを交互に設けた凹凸
状としている。第1実施例では、凹凸段差Aを23mm
(仮想赤道L上に位置するディンプル41の最大径の
5.75倍)に設定しており、突出部28の先端28a
が仮想赤道28aを越えた位置にあると共に、切欠部2
7の底部27aは仮想赤道Lから離れた位置にある。第
1実施例では、接合部26を、このような凹凸状とし
て、仮想赤道Lに対応する部分にもディンプル形成用突
起24を設けている。また、可撓型22A,22Bの外
周面29には、円柱状の突起からなる位置決め用の突起
30A,30B,30Cを突設している。
【0020】第1実施例では、成形したゴルフボール4
0Aのディンプル41(図8参照)が以下の緒元を有す
るように、上記ディンプル形成用突起24の形状、個数
等を設定している。まず、ディンプル総数は246個で
ある。図4で示すように、ディンプル41の両端に共通
接線を引いたときの接点aと接点bの間の距離(ディン
プル直径l)が4.0mmである。上記接点aと接点b
の二等分線からディンプル41の最深部へ降ろした線分
cdの長さ(ディンプル深さm)は0.23mmであ
る。図4中斜線を付した部分で表されるディンプル41
内の容積(ディンプル容積v)が1.42mm3であ
る。ディンプル容積の総和(ディンプル総容積)は34
9mm3である。
【0021】上記外型23A,23Bは、銅・亜鉛合金
等の金属材料のような硬質材料からなる。図5に示すよ
うに、外型23A,23Bの接合面31には、上記可撓
型22A,22Bを収容するための半球状の凹部32を
設けている。また、この凹部32の縁部には、位置決め
用の突起30A〜30Cが配置される溝33A,33
B,33C,33D,33Eを設けている。
【0022】次に、上記金型を使用したゴルフボールの
製造方法について説明する。まず、図6に示すように、
ゴルフボール本体35を未成形の外皮36で被覆する。
本実施例では、ゴルフボール本体35は、リキッドセン
ター(図示せず)に糸ゴム層35aを設けてなる。上記
リキッドセンターは、天然ゴム、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、硫化亜鉛等の充填剤、硫黄、加硫促進剤等か
らなる袋体であって、内部に水、グリセリン、クレー、
硫酸バリウム等からなるペースト状の比重調整剤を注入
してある。また、糸ゴム層35aを構成する糸ゴムは、
天然ゴム、イソプロピレン、あるいはそれらのブレンド
ゴム等からなる。
【0023】上記外皮36は、バラタ製であるが、合成
トランスポリイソプレン、ガッタパーチャ、ハイスチレ
ンジ、1,2−ポリブタジエン、トランスポリブタジエ
ン等のその他の合成樹脂製であってもよい。
【0024】次に、図7に示すように、上記外皮36で
被覆したゴルフボール本体35に可撓型22A,22B
を取付ける。この際、一方の可撓型22Aの切欠部27
に他方の可撓型22Bの突出部28を挿入するようにし
て、可撓型22A,22Bを組み合わせ、外皮36で被
覆されたゴルフボール本体35を可撓型22A,22B
の型面25が形成するキャビティ内に収容する。
【0025】続いて、上記可撓型22A,22Bを、一
方の外型23Aの凹部32内に収容する。この際、各可
撓型22A,22Bに設けた突起30A〜30Cを、外
型23Aの溝33A〜33Eに嵌めることにより、可撓
型22A,22Bを外型23Aに対して位置決めする。
次に、同様にして、他方の外型23Bの凹部32に可撓
型22A,22Bを収容し、上記図1で示すように、外
皮36で被覆したゴルフボール本体35を、可撓型22
A,22Bで覆い、この可撓型22A,22Bを外型2
3A,23Bで覆った状態とする。
【0026】次に、上記外型23A,23Bを加熱する
と共に、図1中矢印Pで示す方向に押圧し、加熱、加圧
成形により外皮36の表面にディンプル41を形成す
る。このディンプル成形工程の後、まず、外型23A,
23Bを互いに離反させて、凹部32からゴルフボール
40Aごと可撓型22A,22Bを取り出す。その後、
ディンプル41が成形されたゴルフボール40から、可
撓型22A,22Bを取り外す。上記したように可撓型
22A,22Bは、可撓性を有する材料からなるため、
簡単にゴルフボール40Aから取り外すことができる。
【0027】最後に、ゴルフボール40の表面の上記可
撓型22A,22Bの接合部26と対応する位置に、形
成されたバリを研磨除去する。
【0028】上記第1実施例の製造方法で製造したゴル
フボール40を図8に示す。このゴルフボール40Aに
は、上記可撓型22A,22Bの接合部26と対応する
位置に帯状ランド部Mが形成されている。上記したよう
に第1実施例では、可撓型22A,22Bの凹凸段差A
を23mm(仮想赤道L上に位置するディンプルの最大
直径の5.75倍)に設定しているため、仮想赤道L上
にもディンプル41が形成され、また、上記帯状ランド
部Mも仮想赤道Lから離れた位置にある。よって、第1
実施例のゴルフボールは、空力学的に対称に近い配置で
ディンプル41が配置されており、ゴルフボールの打球
の仕方による飛距離のばらつきが小さい。
【0029】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。第2実施例では、図9に示すように、可撓型22
A,22Bの凹凸段差Aを15mm(仮想赤道に位置す
るディンプルの最大径の直径の3.75倍)に設定して
いる。また、第2実施例の可撓型22A,22Bでは、
製造したゴルフボール40Bのディンプル41(図10
参照)の緒元が上記第1実施例と同一となるようにディ
ンプル形成用突起24を設けている。第2実施例のその
他の点は、上記した第1実施例と同一であり、外皮36
で被覆したゴルフボール本体35に取付けた可撓型22
A,22Bを、外型23A,23Bの凹部32内に収容
し、加熱下の加圧成形により外皮36にディンプル41
を形成し、外型23A,23Bから取り出したゴルフボ
ール40Bから可撓型22A,22Bを取り外す。この
際、可撓型22A,22Bは可撓性を有するため、上記
のように凹凸段差Aを大きく設定していても、ゴルフボ
ール40Bを容易に取り出すことができる。
【0030】第2実施例の製造方法により製造したゴル
フボールを図10に示す。上記したように可撓型22
A,22Bの凹凸段差Aを15mmに設定しているた
め、このゴルフボール40Bの帯状ランド部Mは仮想赤
道Lから離れた位置に形成されており、ディンプル41
は空力学的に対称に近い配置で配置されている。
【0031】本発明は、上記実施例に限定されるもので
はなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施例
では、可撓型22A,22Bの凹凸段差Aを15mm、
23mmに設定しているが、上記凹凸段差Aの位置を1
5mm以上(仮想赤道に位置するディンプルの最大径の
1.5倍以上)に設定すれば、帯状ランド部Mを仮想赤
道Lから離した位置に形成することができるため、ゴル
フボールの空力学的対称性を確保することができる。
【0032】また、上記実施例では、可撓型22A,2
2Bの接合部26は、矩形状の切欠部27と突起部28
を交互に設けることにより、凹凸状としているが、図1
1(A)に示すように可撓型22A’,22B’の接合
部26を曲線状としてもよい。図11(B)に示すよう
に、この形状の可撓型22A’,22B’を使用して製
造したゴルフボール40Cは、接合部26に対応する位
置にディンプルのないランド部43が存在し、このラン
ド部43は、いわば野球用ボールの縫い目のような形態
でゴルフボール40C上に形成されている。
【0033】また、上記実施例では、可撓型22A,2
2Bは全体を可撓性を有する材料で形成しているが、必
ずしも可撓型22A,22Bの全体を可撓性を有する材
料で形成する必要はない。例えば、図12(A)で示す
ように、可撓型22A’’,22B’’の型面25の開
口側を上記実施例と同様の可撓性を有する材料よりなる
可撓部45、型面25の底部側を金属等の硬質な材料か
らなる硬質部46としてもよい。また、図12(B)で
示すように、上記図11(A)で示した形状の可撓型2
2A’’’,22B’’’の両端部に金属等の硬質な材
料からなる部分47A,47Bを設けてもよい。
【0034】本発明の製造方法で製造したゴルフボール
の性能を確認するための実験を行った。上記第1実施例
に係る凹凸段差Aが23mmである可撓型22A,22
B及びこの可撓型22A,22Bを使用して製造したゴ
ルフボール40A(図8)と、上記第2実施例に係る凹
凸段差Aが15mmである可撓型22A,22B及びこ
の可撓型22A,22Bを使用して製造したゴルフボー
ル40B(図10)を実験に供した。また、比較例とし
て、図13に示すように、凹凸段差Aが5.8mm(仮
想赤道上に位置するディンプルの最大直径に対する比が
1.45倍)である半割金型48A,48Bを使用して
製造したゴルフボール49(図14)を実験に供した。
【0035】第1の実験では、ゴルフボールの可撓型か
らの抜き出す際の、抜き出し易さを調べた。実験結果は
下記の表1に示す通りである。この表1に示すように、
第1実施例及び第2実施例では、ゴルフボールを容易に
可撓型から取り出せることが確認できた。一方、比較例
の場合、ゴルフボールを可撓型から取り出すことができ
るが、やや困難であった。
【0036】
【表1】
【0037】第2の実験では、シーム打ちとポール打ち
の2種類の打ち方でゴルフボールを打ち、その飛距離
(キャリー)と弾道高さを比較した。ここでシーム打ち
とは、図15(A)で示すように、仮想赤道Lを含む平
面と直交し、かつ仮想赤道Lの中心Oを通る直線がバッ
クスピンの回転軸R1となる打ち方をいう。一方、ポー
ル打ちとは、図15(B)で示すように、仮想赤道Lを
含む平面上にあり、かつ上記回転軸R1と直交する線が
バックスピンの回転軸R2となる打ち方をいう。また、
第2の実験では、ツルテンパー社製のスイングロボット
を使用して、ドライバー(ウッド#1)によりヘッドス
ピード45m/s、スピン速度3500rpm、打ち出
し角度10.5度の条件で打球した。第1実施例、第2
実施例及び比較例のそれぞれについてポール打ちで20
球、シーム打ちで20球打った平均の飛距離及び弾道高
さを表1に示す。
【0038】第1実施例及び第2実施例では、ポール打
ちとシーム打ちでの飛距離の差は、1〜3ヤード程度で
あるのに対して、比較例ではポール打ちとシーム打ちで
の飛距離の差は8ヤード程度であり、本発明に係るゴル
フボールは、ポール打ちとシーム打ちでの飛距離のばら
つきが小さいことが確認できた。また、第1実施例及び
第2実施例では、ポール打ちとシーム打ちでの弾道高さ
の差は、0.1〜0.4度程度であるのに対して、比較
例ではポール打ちとシーム打ちでの弾道高さの差は、
1.2度であり、本発明に係るゴルフボールは、ポール
打ちとシーム打ちで弾道高さのばらつきが小さいことが
確認できた。以上のように、本発明のゴルフボールは、
ポール打ちとシーム打ちでの飛距離及び弾道高さのばら
つき、すなわち打ち方による飛距離及び弾道高さのばら
つきが小さく、空力学的対称性に優れていることが確認
できる。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1のゴルフボールの製造方法では、少なくとも一部分が
可撓性を有する材料からなる可撓型の接合部を重ね合わ
せて形成したキャビティ内で、加圧工程によりゴルフボ
ールの外皮を成形するため、成形工程後にゴルフボール
を容易に取り出すことができ、製造効率を向上すること
ができる。
【0040】請求項2のように、可撓型の凹凸段差を上
記ディンプル形成用突起により形成されるディンプルの
最大直径の1.5倍以上、あるいは、請求項3のよう
に、可撓型の凹凸段差を10mm以上に設定した場合に
は、帯状ランド部が仮想赤道から離れた位置に形成さ
れ、空力学的対称性の高いゴルフボールを製造すること
ができる。
【0041】請求項4のゴルフボール成形型は、少なく
とも一部分が可撓性を有する材料からなる可撓型を備え
るため、外皮の成形工程後にゴルフボールを容易に取り
出すことができ、製造効率を向上することができる。ま
た、請求項4のゴルフボールの成形型では、可撓型の接
合部を凹凸状とているため、接合部の凹凸段差を大きく
設定することにより、帯状ランド部が仮想赤道から離れ
た位置に形成された空力学的対称性の高いゴルフボール
を製造することができる。
【0042】請求項5のゴルフボールは、少なくとも一
部分が可撓性を有する材料からなると共に、接合部を凹
凸状とした一対の可撓型により外皮を成形するため、帯
状ランド部が仮想赤道から離れた位置に形成され、空力
学的対称性が高く、ゴルフボールの打ち方による、飛距
離や弾道高さ等のばらつきが小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係るゴルフボールの成
形型を示す断面図である。
【図2】 (A),(B)は第1実施例の可撓型を示す
斜視図である。
【図3】 第1実施例の可撓型を示す断面図である。
【図4】 ディンプルを示す断面図である。
【図5】 外型を示す斜視図である。
【図6】 ゴルフボール本体の形成作業を説明するため
の分解斜視図である。
【図7】 ディンプルの形成作業を説明するための分解
斜視図である。
【図8】 第1実施例に係るゴルフボールを示す正面図
である。
【図9】 第2実施例に係る可撓型を示す断面図であ
る。
【図10】 第2実施例に係るゴルフボールを示す正面
図である。
【図11】 (A)は本発明の他の実施例に係る可撓型
を示す分解斜視図、(B)は(A)の可撓型を使用して
製造したゴルフボールを示す斜視図である。
【図12】 (A),(B)は可撓型の他の例を示す斜
視図である。
【図13】 比較例のゴルフボールを製造するために使
用する成形型を示す断面図である。
【図14】 比較例のゴルフボールを示す正面図であ
る。
【図15】 (A)はシーム打ちを説明するための概略
図、(B)はポール打ちを説明するための概略図であ
る。
【図16】 従来の半割金型を示す断面図である。
【図17】 バリの発生を示すゴルフボールの正面図で
ある。
【図18】 従来のゴルフボールを示す正面図である。
【図19】 従来のゴルフボールの製造方法の一例を示
す分解斜視図である。
【図20】 図19の製造方法の問題点を説明するため
の断面図である。
【図21】 図19の半割金型で製造したゴルフボール
を示す正面図である。
【符号の説明】
22A,22B 可撓型 23A,23B 固定型 24 ディンプル形成用突起 25 型面 26 接合部 27 切欠部 28 突出部 30A〜30C 突起 32 凹部 33A〜33E 溝 35 ゴルフボール本体 36 外皮 40A,40B,40C ゴルフボール L 仮想赤道 M 帯状ランド部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A63B 45/00 A63B 37/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の可撓型と、該可撓型をそれぞれ収
    容する一対の外型を備え、 上記一対の可撓型は、それぞれ 多数のディンプル形成用
    突起を突設した型面を備えると共に少なくとも一部分が
    可撓性を有する材料からなり、かつ、該一対の可撓型の
    各接合部は、凹部と凸部とを周方向に交互に設けた凹凸
    状とし、 上記 可撓型の接合部を重ね合わせて形成したキャビティ
    内で、加圧工程によりゴルフボールの外皮を成形するこ
    とを特徴とするゴルフボールの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記可撓型の凹部と凸部の段差が、上記
    ディンプル形成用突起により形成されるディンプルの最
    大直径の1.5倍以上5.75倍以下である請求項1に
    記載のゴルフボールの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記可撓型の凹部と凸部の段差が、10
    mm以上23mm以下であることを特徴とする請求項1
    に記載のゴルフボールの製造方法。
  4. 【請求項4】 一対の可撓型と、該可撓型をそれぞれ収
    容する一対の外型を備え、 上記一対の可撓型は、それぞれ 多数のディンプル形成用
    突起を突設した型面を備えると共に少なくとも一部分が
    可撓性を有する材料からなり、かつ、該一対の可撓型の
    各接合部は、凹部と凸部とを周方向に交互に設けた凹凸
    状としていることを特徴とするゴルフボールの成形型。
  5. 【請求項5】 一対の可撓型と、該可撓型をそれぞれ収
    容する一対の外型を備え、 上記一対の可撓型は、それぞれ 多数のディンプル形成用
    突起を突設した型面を備えると共に少なくとも一部分が
    可撓性を有する材料からなり、かつ、該一対の可撓型の
    各接合部は、凹部と凸部とを周方向に交互に設けた凹凸
    状としているゴルフボールの成形型を用い、上記可撓型
    の接合部を重ね合わせて形成したキャビティ内で、加圧
    工程によりゴルフボールの外皮を成形したことを特徴と
    するゴルフボール。
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