JP3352066B2 - 電荷付与部材 - Google Patents

電荷付与部材

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JP3352066B2
JP3352066B2 JP2000008205A JP2000008205A JP3352066B2 JP 3352066 B2 JP3352066 B2 JP 3352066B2 JP 2000008205 A JP2000008205 A JP 2000008205A JP 2000008205 A JP2000008205 A JP 2000008205A JP 3352066 B2 JP3352066 B2 JP 3352066B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置に用
いる導電性ローラなどの電荷付与部材に関して、特に感
光体上の転写後の残留トナーを感光体上から除去するた
めの電荷付与部材に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザプリンタおよび複写機などの電子
写真装置における典型的な先行技術は、転写後に感光体
に残留したトナーを、クリーナブレードによって強制的
に掻取る構成を有する。この先行技術では、クリーナブ
レードによって除去された廃トナーを回収するための空
間を確保する必要があり、構成が大型化するとともに、
発生する廃トナーが廃棄され、無駄になるという問題も
ある。
【0003】この問題を解決する他の先行技術は、特開
平8−137368に開示される。この先行技術では、
現像装置において、トナーが正規の負の帯電極性に摩擦
帯電され、感光体上にトナー像を形成する。転写後、感
光体上に残留した残留トナーは掻取るのではなく、摺擦
ブレード、または導電性ローラによって摺擦され、正規
の負の帯電極性に揃えられる。これによって残留トナー
は、現像装置の現像スリーブに引寄せられ、感光体表面
が清掃処理され、クリーナレス方式の構成が実現され
る。摺擦ブレードおよび導電性ローラには、電圧を印加
することによって、より安定してトナーの帯電極性を制
御することができる。
【0004】この先行技術では、摺擦ブレードおよび導
電性ローラの表面の導電性に関する構成が開示されてい
ない。摺擦ブレードおよび導電性ローラの表面の抵抗値
が高くなると、電圧降下によって、トナーの帯電性が低
下し、したがって前記抵抗値の制御が重要である。摺擦
ブレードおよび導電性ローラの抵抗値が、低温低湿、た
とえば室温10℃、相対湿度10%などの環境条件下で
は、前記抵抗値が上昇し、このような場合、トナーの帯
電性にばらつきが生じ、クリーニング状態が不安定にな
り、感光体上の残留トナーを確実に回収することができ
ないおそれが生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、感光
体上に転写後に残留している残留トナーを、低温低湿か
ら高温多湿の広い環境条件下で、安定して良好に帯電さ
せ、回収することができるようにした電荷付与部材を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、感光体の露光
領域より移動方向上流で、感光体の表面を帯電する帯電
ローラに接触して配置され、転写後感光体上に残留する
トナーを現像時の帯電極性に変化させる電荷付与部材で
あって、現像時のトナーの摩擦帯電極性と摩擦帯電序列
が逆極性であり、帯電ローラの表面の体積固有抵抗以上
の体積固有抵抗を有する材料で表面が形成され、帯電ロ
ーラとともに、現像時のトナーの摩擦帯電極性と同一極
性の電位が与えられ、与えられる電位の絶対値が帯電ロ
ーラより大きいことを特徴とする電荷付与部材である。
また本発明は、感光体の露光領域より移動方向上流に配
置された感光体の表面を帯電する主帯電手段よりもさら
に上流で、感光体に接触して配置され、転写後感光体上
に残留するトナーを現像時の帯電極性に変化させる電荷
付与部材であって、現像時のトナーの摩擦帯電極性と摩
擦帯電序列が逆極性であり、帯電ローラの表面の体積固
有抵抗以上の体積固有抵抗を有する材料で表面が形成さ
れ、帯電ローラとともに、現像時のトナーの摩擦帯電極
性と同一極性の電位が与えられ、与えられる電位の絶対
値が帯電ローラより大きいことを特徴とする電荷付与部
材である。
【0007】本発明に従えば、たとえば直円筒状ドラム
などの感光体上に、帯電ローラなどの主帯電手段によっ
て一様に帯電され、その感光体が露光領域でレーザ光な
どによって露光され、その露光部分の表面電位が減衰さ
れて中和され、静電潜像が形成される。静電潜像を顕像
化するトナーは、現像装置において現像ローラまたはト
ナー層規制部材との摩擦接触によって正規の摩擦帯電極
性、たとえば負に帯電しており、感光体の前記露光部分
とトナーとの静電力によって静電潜像が現像される。感
光体上のトナー像は、たとえば正極性の帯電を行う転写
手段によって、転写媒体、たとえば記録紙上に転写さ
れ、その後、定着される。
【0008】転写後、感光体上に残留する残留トナー
は、感光体の回転によって帯電部に達し、本発明の電荷
付与部材に接触する。この電荷付与部材は、表面が摩擦
帯電序列がトナーとは逆極性方向にあり、体積固有抵抗
がたとえば106〜1013Ω・cmの材料から成り、電
圧印加手段によって、感光体、帯電ローラとの間に、所
定電圧を印加して、表面をトナーの現像時の正規の摩擦
帯電極性であるたとえば負極性とは逆極性、たとえば正
極性に帯電されている。したがって残留トナーは、電荷
付与部材との摩擦接触によって現像時の正規の摩擦帯電
極性、たとえば負極性となるように電荷が付与される。
その結果、感光体と残留トナーの静電力が弱くなり、容
易に現像装置に回収され、新規トナーと混合して再使用
に供される。
【0009】電荷付与部材の少なくとも表面の体積抵抗
がたとえば106Ω・cm未満であるとき、導電性が良
好になりすぎ、電圧を印加しても、トナーの現像時の正
規の帯電極性と逆極性方向に、従ってトナーとの摩擦接
触によってトナーを前記逆極性に帯電させることが困難
になる。逆に前記体積抵抗がたとえば1013Ω・cmを
超えると、電荷付与部材に電圧を印加することによる残
留トナーの電荷が過剰に帯電し、スパークなどによる電
圧降下を引起こしやすく、周辺部材に障害を生ずるおそ
れが大きくなる。このため電荷付与部材の表面材料の体
積固有抵抗はたとえば106〜1013Ω・cmの範囲と
される。
【0010】
【0011】本発明に従えば、感光体の表面に主帯電の
ために帯電ローラが接触し、感光体上を一様な極性に帯
電し、その後、露光領域でレーザ光などが照射されて感
光体の表面に静電潜像が形成されるが、本発明に従う電
荷付与部材は、この帯電ローラに接触して配置される。
前述のように転写手段において転写媒体に転写された後
の感光体上の残留トナーは、現像時の摩擦帯電極性とは
逆極性、たとえば正極性となり、感光体の回転に伴い帯
電領域に移送され、感光体から帯電ローラに移動する。
帯電ローラ上の残留トナーは、反対極性に帯電された電
荷付与部材と摺擦して、現像時の摩擦帯電極性と同一極
性に変化される。極性が変化したトナーは、再び帯電ロ
ーラから感光体上に弱い静電力で担持され、現像装置に
至り、現像ローラに移って回収される。
【0012】残留トナーが、現像時の摩擦帯電極性とは
逆極性、たとえば正極性のままで帯電ローラに付着する
と、その帯電ローラに残留トナーが付着したままとなっ
て固着するので、帯電ローラが汚損され、感光体を所定
レベルで均一に帯電することが困難となり画像品質が劣
ることになる。本発明はこの問題を解決する。
【0013】
【0014】感光体に露光前に一様な帯電を行うための
主帯電のための帯電ローラの少なくとも表面は、電荷付
与部材の前述の体積固有抵抗未満の値を有し、すなわち
電荷付与部材の表面の体積固有抵抗は、帯電ローラの表
面の体積固有抵抗以上であり、したがって帯電ローラと
感光体との間の放電電流が充分に流れ、感光体の表面を
安定に、均一な電荷分布で帯電させることができるよう
になる。後述の実施の形態では、帯電ローラには、たと
えば−1500Vの電位V1が与えられ、この帯電ロー
ラの極性は、トナーの現像時の摩擦帯電極性と同一であ
る。
【0015】電荷付与部材には、後述の実施の形態で
は、−2500Vの電位V3が与えられ、この電位V3
は、帯電ローラよりも大きい絶対値を有する電位であ
り、その電位が、トナーの現像時の摩擦帯電極性と同一
極性であることによって、現像時の摩擦帯電極性とは逆
極性に変化した残留トナーが、前述のように電荷付与部
材との摩擦接触による作用とともに、現像時の摩擦帯電
極性に確実に変化することができるようになる。
【0016】また本発明は、単独での体積固有抵抗が1
13Ω・cmを越えるベース樹脂に導電性フィラを分
散させて体積固有抵抗を1010〜1013Ω・cmに
調整した表面層を有することを特徴とする。また本発明
は、表面層の体積固有抵抗の環境変動値を、室温15
℃、相対湿度10%RHである低温低湿における表面層
の体積固有抵抗R1と、室温25℃、相対湿度85%R
Hである高温多湿時における表面層の体積固有抵抗R2
との比率R1/R2と定義するとき、この環境変動値
は、10以下であることを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、電荷付与部材に前述のよ
うに電位を与えることによって、残留トナーを現像時の
摩擦帯電極性と同一極性に確実に帯電させることが容易
になる。
【0018】
【0019】本発明に従えば、電荷付与部材の少なくと
も表面の体積固有抵抗を前述のように1010〜1013Ω
・cmに選ぶために、体積固有抵抗1013Ω・cmを超
える合成樹脂に導電性フィラを添加分散する。したがっ
て電荷付与部材の体積固有抵抗を、低温低湿から高温多
湿の広い環境条件下で、安定して保つことができる。ベ
ース樹脂は、イオン導電性によって、高抵抗で電流を通
す特性を有する。イオン導電性は、樹脂中の親水基によ
ってもたらされる。樹脂の体積固有抵抗が10 6〜10
13Ω・cmである場合、その樹脂は親水基を多く含み、
したがって低温低湿時には体積固有抵抗が増大し、高温
多湿時には体積固有抵抗が減少し、このように環境安定
性が劣る。本発明では前述のように体積固有抵抗が10
13Ω・cmを超えるベース樹脂を用い、このような樹脂
は、親水基をほとんど含んでおらず、環境安定性が良好
である。このような樹脂中に、導電性フィラを添加分散
することによって、その表面を好ましい体積固有抵抗1
10〜1013Ω・cmを実現する。電荷付与部材は、ロ
ーラであってもよいが、無端状ベルト、またはブレード
などであってもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
電荷付与部材として用いられる導電性ローラの軸線に直
角な断面図である。導電性ローラ1は基本的に、導電性
軸体2と、その軸体2の外周面に形成される導電弾性層
3と、導電弾性層3の外周面に形成される抵抗調整層4
とから成る。軸体2は、両端を軸支したり、駆動部品を
嵌合するため精密加工をした細長い直円柱状であり、金
属、たとえば鉄、アルミニウム合金、ステンレス鋼など
が好適に用いられる。
【0021】図2は、図1に示される導電性ローラ1を
備える電子写真装置であるレーザプリンタ5の一部を示
す断面図である。直円柱状ドラムである感光体6は、帯
電ローラ7によって、たとえば負の電荷がその表面に均
一に付加されて感光体6の表面が均一に負の極性に帯電
される。感光体6は、図2の矢符8で示されるように、
帯電ローラ7から露光領域9に向けて回転駆動される。
この露光領域9では、露光手段11からのレーザ光によ
って画像が露光され、露光部分の電荷が中和されて静電
潜像が形成される。
【0022】感光体6はさらに回転駆動されて、現像装
置12で現像ローラ13によって1成分系トナー14が
供給される。このトナー14は、現像装置12において
撹拌手段15などによって相互に摩擦接触し、負の摩擦
帯電極性に摩擦帯電している。現像ローラ13には、−
400Vの電位が与えられる。したがってこの負極性の
トナー14は、現像ローラ13から、感光体6の露光さ
れて中和された露光部分に静電吸引力によって付着さ
れ、静電潜像が顕像化され、トナー像16が形成され
る。このトナー像16は、感光体6の回転に従い、転写
ローラ17の働きによって、転写媒体である記録紙18
上に静電力によって転写され、こうして記録紙18上に
は、トナー像19が転写される。トナー像19は、記録
紙18に、加熱または圧力などの作用によって定着され
る。転写ローラ17は、導電性ローラであって、たとえ
ば+1000Vの電位が印加される。
【0023】感光体6は剛性であり、接地電位に保たれ
たアルミニウムなどの金属から成るドラム本体の外周面
に感光層が形成されて構成される。帯電ローラ7は、導
電性軸体23の外周面に導電弾性層24が形成されて構
成される。この帯電ローラ7の軸体23には、電源25
によって−1500Vの電位V1が印加される。帯電ロ
ーラ7は、感光体6の表面の感光層を、たとえば−60
0Vに一様に帯電させる。電荷付与のための導電性ロー
ラ1の軸体2には、電源26が、帯電ローラ7の軸体2
との間に接続される。この電源26の電位V2は、たと
えば−1000Vである。こうして電荷付与のための導
電性ローラ1の軸体2には、接地電位に対してV3(=
V1+V2=−2500V)の電位が印加された状態と
なっている。こうして帯電ローラ7に与えられる電位V
1(=−1500V)は、現像装置12におけるトナー
14の現像時の正規の摩擦帯電極性と同一極性、すなわ
ちこの実施例では負極性の電位が印加される。電荷付与
のための導電性ローラ1に印加される電位V3(=V1
+V2)は、現像装置12におけるトナー14の現像時
の摩擦帯電極性と同一極性、すなわち負極性であって、
その電位V3の絶対値|V3|は、帯電ローラ7に与え
られる電位の絶対値|V1|を超える値である。
【0024】感光体6の表面には、転写後、残留トナー
21が残留して付着している。この残留トナー21は、
転写ローラ17による転写後、現像時の摩擦帯電極性と
は逆極性である正極性に帯電しているものがある。正極
性に帯電した残留トナー21は、感光体6の表面から帯
電ローラ7の表面に移動し、参照符28で示されるよう
に、帯電ローラ7の表面から導電性ローラ1に接触し、
摺擦される。帯電付与の導電性ローラ1の働きによっ
て、残留トナー21,28は、現像装置12における現
像時の帯電極性、すなわち負極性に帯電され、参照符3
1で示されるように帯電ローラ7から感光体6上に参照
符32で示されるように移り、これによって現像装置1
2でトナー32が回収される。したがって残留トナー2
1によって感光体6の表面および帯電ローラ7の表面が
クリーナレス方式で清掃処理されることになる。
【0025】電荷付与のための導電性ローラ1の抵抗調
整層4は、体積固有抵抗106〜1013Ω・cmを有
し、好ましくは1010〜1013Ω・cmに選ばれる。抵
抗調整層4の体積固有抵抗が、106Ω・cm未満で
は、残留トナー21の摩擦帯電が困難になり、また10
13Ω・cmを超えると、電位V3の印加による効果が不
充分になる。こうして特に体積固有抵抗が1010〜10
13Ω・cmでは、低温低湿から高温多湿までの広い環境
条件下で、安定した体積固有抵抗を保つことができる。
【0026】電荷付与の導電性ローラ1の抵抗調整層4
は、現像装置12におけるトナー14の正規の摩擦帯電
による極性、たとえばこの実施の形態では負極性に対し
て、摩擦帯電序列の逆極性となる合成樹脂材料を含む。
トナー14の少なくとも外周面の材料が、スチレンアク
リル樹脂の場合、これに対して電荷付与の導電性ローラ
1の抵抗調整層4がたとえばポリカーボネートウレタン
樹脂をベースとする場合、トナー14と導電性ローラ1
との摩擦接触によって、導電性ローラ1の抵抗調整層4
は正極性に帯電し、帯電ローラ7の表面上のトナー28
は、現像装置12における正規の負極性に変化されるこ
とになる。また摩擦帯電序列から抵抗調整層に用いられ
るベース樹脂としては、前記ポリカーボネートウレタン
樹脂の他に、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シリコー
ン樹脂などが用いられる。こうして電荷付与の導電性ロ
ーラ1の抵抗調整層4が、摩擦帯電序列でトナー14の
正規の極性とは逆極性に選ばれることによって、さらに
その導電性ローラ1にトナー14の正規のたとえば負極
性と同一極性である電位V3が印加されることによっ
て、転写後の残留トナー21,28を、トナー14の正
規の負極性に確実に変化させることができるようにな
る。抵抗調整層4を、前述の体積固有抵抗106〜10
13Ω・cm、好ましくは1010〜1013Ω・cmに構成
するために、本発明では、体積固有抵抗1013Ω・cm
を超える合成樹脂に、導電性フィラを添加分散する。導
電性フィラは、カーボンブラックなどのカーボン粒子で
あってもよく、または金属粒子、またはその酸化物の粒
子であってもよく、たとえば酸化チタン、酸化すずまた
は酸化亜鉛の粒子であってもよい。カーボンブラックを
用いる場合、抵抗調整層における添加量を5〜15重量
%にすることによって、目標の体積固有抵抗として変形
追従性が得られやすい。また指標として平均粒子径30
〜100nm、比表面積70〜150m2/g、DBP
吸油量50〜100mL/100g程度のカーボンブラ
ックが好ましく用いられる。
【0027】図3は、本発明の実施の他の形態における
レーザプリンタ5の簡略化した断面図である。この実施
の形態は前述の実施の形態に類似し、対応する部分には
同一の参照符を付す。注目すべきはこの実施の形態で
は、電荷付与の導電性ローラ1は、転写ローラ17と帯
電ローラ7との間で感光体6の表面に接触するようにし
て配置される。この導電性ローラ1には、前述のように
負極性の電位V3が印加される。そのほかの構成は、前
述の実施の形態と同様である。
【0028】転写後に感光体6上に残留している正極性
の残留トナー21aは、導電性ローラ1の抵抗調整層4
に摩擦接触することによって、またその導電性ローラ1
に印加されている電位V3の働きによって、負極性に変
化される。この負極性のトナー21bは、感光体6上を
移動し、また帯電ローラ7から感光体6上を移動し、現
像装置12で現像ローラ13に回収される。こうして感
光体6のクリーナレス方式の清掃処理が行われる。
【0029】本発明は、レーザプリンタだけでなく、複
写機、ファクシミリ装置およびそのほかの電子写真装置
に関連して広範囲に実施することができる。本発明の導
電性ローラは、感光体6の残留トナーの電荷を変化する
ために用いることができるだけでなく、帯電ローラ7、
転写ローラ17およびそのほかの電子写真装置において
用いられる各種のローラとして用いることができる。感
光体6は、前述のドラム状だけでなく、ベルト状であっ
てもよい。
【0030】図4は、導電性ローラ1の導電弾性層3を
形成する工程を説明するための断面図である。図5は、
導電性ローラ1の導電弾性層3上に抵抗調整層4を形成
する工程を説明するための断面図である。これらの図面
を参照して以下に、実施例を述べる。
【0031】実施例 ポリオールとしてポリイソプレン(出光興産社製)98
%にカーボンブラックを2%添加分散させ、これにイソ
シアネートとしてTDI(日本ポリウレタン社製T−8
0)をイソシアネートインデックスが1.05になるよ
うに混合し、触媒(東ソー社製TOYOCAT−NP)
を0.2%添加して導電弾性層原液34(図4参照)を
得た。
【0032】図4(1)に示すように下金型36に直円
筒状中金型37を組込んだ金型35内に、上金型38を
取除いた状態で、導電弾性層原液34を注入する。中金
型37の内径は約7mmφとなるように研削され、長さ
は約200mmである。次に図4(2)のように軸体2
の一方端を上金型38から挿入し、原液中を通して下金
型36の中心に設けた凹所39に挿入する。軸体2の他
方端は、図4(3)に示されるように、上金型38の中
心に設けた凹所40に軸体の他方端が入るようにして上
金型38を中金型37に取付ける。軸体2は、外径5m
mφ、長さ240mmの鋼棒(材質は快削鋼SUM23
B−D)を6〜8μmの厚さで無電解ニッケルめっきし
たものを使用した。図4(3)の状態では、軸体2の軸
線と、中金型37の内周面の軸線とは一致している。
【0033】図4(3)のように下金型36、中金型3
7および上金型38を組立てた金型35は、150±5
℃で約1時間加熱し、原液34を金型内で架橋硬化す
る。その後、脱型して図4(4)に示されるように80
℃で12時間加熱して、後架橋する。次に研削盤で外周
面を外径7mmφに研削して軸体2に厚み1mmの導電
弾性層3を形成した。
【0034】こうして形成された導電弾性層3の外周面
上に、図5に示すようにして、抵抗調整層4を形成す
る。先ず、図5(1)に示されるように、ポリカーボネ
ート系ポリウレタン(大日精化工業社製ME8220L
P)100重量部に、カーボンブラック(三菱化学社製
MHI5732)13部と表面平滑剤(東亜合成社製G
S−30)0.2部とを添加混合し、これをメチルエチ
ルケトンとジメチルホルムアミドとの1:1の希釈溶剤
150部に溶解した抵抗調整層原液42に容器41内で
導電弾性層3を浸漬する。その後、軸体2とともに、導
電弾性層3を引上げ、図5(2)に示されるように、乾
燥して、導電弾性層3上に厚み約80μmの抵抗調整層
4を構成し、本発明の導電性ローラ1を得た。
【0035】本導電性ローラ1の抵抗調整層4の体積固
有抵抗は1011Ω・cmであり、バラツキは少なく、耐
電圧は2000V以上であった。体積固有抵抗の環境変
動値は10以下であった。この環境変動値というのは、
室温15℃、相対湿度10%RHである低温低湿におけ
る抵抗調整層4の体積固有抵抗R1と、室温25℃、相
対湿度85%RHである高温多湿時における抵抗調整層
4の体積固有抵抗R2との比率R1/R2である。
【0036】また導電性ローラ1としてのマイクロ硬度
は45度、抵抗調整層4を塗工する前の状態で35度で
あった。なお前述のポリカーボネートポリウレタンME
8220LPのみの単独の体積固有抵抗は1014Ω・c
mであった。
【0037】図2のレーザプリンタ5において、トナー
14は、その少なくとも外周面がスチレンアクリルトナ
ーであり、抵抗調整層4のポリカーボネートポリウレタ
ンは、摩擦帯電序列で前記トナーに対して正極性であ
る。図2に示される実施の形態において、レーザプリン
タ5で黒領域が6%である原稿の複写100枚行ったと
ころ、電荷付与の導電性ローラ1、帯電ローラ7および
感光体6上の転写後の残留トナーによる汚れは見られな
かった。
【0038】比較例1 軸体2の外周面に、同軸に導電弾性層3を前述の実施例
と同様に構成し、JIS−A硬度80、体積固有抵抗1
11Ω・cmのポリエステル系熱可塑性ポリウレタン
(大日精化工業社製ME3148LP)にカーボンブラ
ック(三菱化学社製MA7)を体積固有抵抗が1010Ω
・cmとなるように添加分散した。前述の実施例と同じ
表面平滑剤と希釈溶剤とを使って抵抗調整層原液42を
得、これに軸体2とともに導電弾性層3を浸漬して厚み
80μmの抵抗調整層4を導電弾性層3上に構成した導
電性ローラを得た。この導電性ローラの体積抵抗値の前
記環境変動値は約100となった。
【0039】比較例2 抵抗調整層原液42に用いる導電性付与剤としてのカー
ボンブラックの代りにケッチンブラックを用いた以外は
前記の実施例と同様にして導電性ローラを得た。ケッチ
ンブラックはカーボンブラックよりも導電性がよく、カ
ーボンブラックよりも少量の添加で平均体積抵抗値が1
11Ω・cmとなり、前記環境変動値は、約100とな
り、また体積固有抵抗のバラツキが大きく、印加電圧は
1500Vでリークした。
【0040】比較例3 実施例における抵抗調整層4として用いられるポリカー
ボネート系ポリウレタンの代りに、PTFE樹脂(三井
フロロケミカル社製テフロン)を用いた。このテフロン
は、前述のトナーに対して、摩擦帯電序列で負極性であ
る。抵抗調整層4の体積固有抵抗は、1012Ω・cmに
調整された。実施例と同様に図2のレーザプリンタ5で
複写を行ったところ、電荷付与の導電性ローラ1および
帯電ローラ7上に、転写後の残留トナーによる汚れが確
認された。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、電荷付与部材の少なく
とも表面は、トナーの現像時の正規の摩擦帯電極性とは
逆極性である材料から成り、したがって転写後の残留ト
ナーと摩擦接触することによって、その残留トナーを、
現像時の摩擦帯電極性と同一に変化させることが可能で
あり、すなわち残留トナーの極性を現像時の摩擦帯電極
性に変化することができるとともに、その電荷付与部材
に電圧を印加して残留トナーの電荷の極性の変化を容易
にすることができ、こうして感光体上の残留トナーを、
現像装置で回収し、クリーナレス方式の構造が実現され
る。こうして低温低湿から高温多湿の広い環境条件下
で、残留トナーを安定して良好に帯電させ、回収するこ
とができるようになる。
【0042】感光体を露光前に一様に主帯電するための
帯電ローラに、電荷付与部材が接触して設けられること
によって、またはその主帯電のための主帯電手段よりも
さらに上流で、感光体に電荷付与部材が接触して設けら
れることによって、残留トナーが帯電ローラに付着した
ままになることがなく、残留トナーは帯電ローラから感
光体上を経て現像装置で確実に回収することが容易に可
能になり、清掃処理が円滑に行われる。
【0043】帯電ローラと感光体との間で主帯電のため
に必要な放電電流を充分に流すことができるようになる
とともに、電荷付与部材には、トナーの現像時の摩擦帯
電極性と同一極性であってしかも大きい絶対値を有する
電位を与えることによって、帯電ローラ上のトナーを、
現像時の摩擦帯電極性に確実に変化するようになり、そ
のようなトナーの回収が確実になる。
【0044】電荷付与部材の少なくとも表面の体積固有
抵抗を好ましくは、1010〜1013Ω・cmに選ぶこと
によって、この電荷付与部材に電圧を印加したとき、ト
ナーを、現像時の摩擦帯電極性に確実に変化させること
が可能になる。
【0045】電荷付与部材を上述の好ましい体積固有抵
抗とするために、親水基が少ない高い体積固有抵抗10
13Ω・cmを超える合成樹脂に、導電性フィラを添加分
散し、こうして低温低湿から高温高湿までの広い環境条
件下で、環境変動値を10以下として、安定した体積固
有抵抗を有する電荷付与部材が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の電荷付与部材として用
いられる導電性ローラの軸線に直角な断面図である。
【図2】図1に示される導電性ローラ1を備えるレーザ
プリンタなどの電子写真装置5の一部を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の実施の他の形態におけるレーザプリン
タ5の簡略化した断面図である。
【図4】導電性ローラ1の導電弾性層3を形成する工程
を説明するための断面図である。
【図5】導電性ローラ1の導電弾性層3上に抵抗調整層
4を形成する工程を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 導電性ローラ 2 軸体 3 導電弾性層 4 抵抗調整層 5 レーザプリンタ 6 感光体 7 帯電ローラ 12 現像装置 13 現像ローラ 17 転写ローラ 21,28 残留トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−96994(JP,A) 特開 平10−213945(JP,A) 特開 平10−247036(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 21/00 G03G 21/10 - 21/12 G03G 15/02 - 15/02 103 G03G 15/22 - 15/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光体の露光領域より移動方向上流で、
    感光体の表面を帯電する帯電ローラに接触して配置さ
    れ、転写後感光体上に残留するトナーを現像時の帯電極
    性に変化させる電荷付与部材であって、 現像時のトナーの摩擦帯電極性と摩擦帯電序列が逆極性
    であり、帯電ローラの表面の体積固有抵抗以上の体積固
    有抵抗を有する材料で表面が形成され、 帯電ローラとともに、現像時のトナーの摩擦帯電極性と
    同一極性の電位が与えられ、与えられる電位の絶対値が
    帯電ローラより大きいことを特徴とする電荷付与部材。
  2. 【請求項2】 感光体の露光領域より移動方向上流に配
    置された感光体の表面を帯電する主帯電手段よりもさら
    に上流で、感光体に接触して配置され、転写後感光体上
    に残留するトナーを現像時の帯電極性に変化させる電荷
    付与部材であって、 現像時のトナーの摩擦帯電極性と摩擦帯電序列が逆極性
    であり、帯電ローラの表面の体積固有抵抗以上の体積固
    有抵抗を有する材料で表面が形成され、 帯電ローラとともに、現像時のトナーの摩擦帯電極性と
    同一極性の電位が与えられ、与えられる電位の絶対値が
    帯電ローラより大きいことを特徴とする電荷付与部材。
  3. 【請求項3】 単独での体積固有抵抗が1013Ω・c
    mを越えるベース樹脂に導電性フィラを分散させて体積
    固有抵抗を1010〜1013Ω・cmに調整した表面
    層を有することを特徴とする請求項1または2記載の電
    荷付与部材。
  4. 【請求項4】 表面層の体積固有抵抗の環境変動値を、
    室温15℃、相対湿度10%RHである低温低湿におけ
    る表面層の体積固有抵抗R1と、室温25℃、相対湿度
    85%RHである高温多湿時における表面層の体積固有
    抵抗R2との比率R1/R2と定義するとき、この環境
    変動値は、10以下であることを特徴とする請求項3記
    載の電荷付与部材。
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