JP3642521B2 - トナー帯電ローラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置に用いるトナー帯電ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成装置では、感光体表面に形成される静電潜像を、現像装置によってトナー画像として可視化している。静電潜像をトナー画像とする現像には多種の方式が用いられている。たとえば2成分現像方式では、キャリアである磁性粉と非磁性トナーとを撹拌混合することによってトナーを摩擦帯電させ、その静電力によってトナーを磁性粉に付着させ、磁性粉は現像ローラに設けられる磁石片の磁力によって現像ローラに吸着されるので、トナーが現像ローラに保持される。また非磁性トナーを用いる1成分現像方式では、トナー供給ローラおよび/またはトナー薄層化ブレードと現像ローラとの摩擦によってトナーを帯電させ、その静電力によってトナーは現像ローラの表面上に保持される。
【0003】
前述した各現像方式のうち、特に非磁性トナーを用いる1成分現像方式では、トナーに対する磁力の拘束力がないので、トナーはトナー供給ローラおよび/またはトナー薄層化ブレードと現像ローラの間で安定した状態で摩擦されることが難しく、トナーに対する帯電が不安定になり易いという問題があった。特に高温高湿の環境下においては、トナーの帯電が不安定になり易いという問題が顕著である。
【0004】
このような問題の解決を試みる先行技術が、たとえば特開平11−119546公報に開示されている。この先行技術は、非磁性1成分現像トナーの帯電を、不安定な摩擦帯電のみに依存することなく、トナー帯電ローラを設けてその放電によってトナーを帯電させ、現像ローラ表面上に安定してトナーの薄層を形成し、画像のかぶりを防止するというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した先行技術には、次のような問題がある。低温低湿の環境では、トナーの抵抗値が増大するので、トナーは摩擦帯電しやすくなる。このような状態で、トナー帯電ローラによって放電電圧が加えられると、トナーの帯電量が大きくなりすぎ像担持体(感光体)上にトナーが乗り移りにくくなるので、画像濃度が低下して異常画像が形成されるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、使用環境に関らずトナーを安定して帯電させることのできるトナー帯電ローラを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、導電性を有する軸体と、軸体の外周面に設けられる導電弾性層と、導電弾性層のさらに外周に設けられる抵抗調整層とを備え、放電または電荷注入によりトナーを帯電させるトナー帯電ローラであって、
直径が30mmの金属製ローラを14rpmで回転させつつ、軸体の両端にそれぞれ0.735Nの力をかけて金属製ローラに圧接し、
高温高湿の環境で、金属製ローラとの間に1000ボルトの電圧を印加したときの抵抗値R1000が5×107〜1×109Ωであり、金属製ローラとの間に500ボルトの電圧を印加したときの抵抗値R500と前記抵抗値R1000との比(R500/R1000)が、2以下であり、
抵抗調整層は、
少なくともフッ素化オレフィン樹脂とアクリル樹脂とを含む混合物によって厚みが50〜100μmに形成されることを特徴とするトナー帯電ローラである。
【0008】
本発明に従えば、1000ボルト(V)の電圧が印加されたときの抵抗値R1000が、好適な範囲になるように設定されるので、過剰な放電が抑制される。したがって、トナー帯電ローラによってトナーに対し放電するとき、トナーの帯電量が異常に大きくなることがないので、トナーの乗り移り不足による画像濃度の低下を防止することができる。また500V印加時の抵抗値と1000V印加時の抵抗値との比(R500/R1000)を2以下とすることによって、トナー帯電ローラ内における抵抗値の部分的なばらつきに起因する放電量のばらつきが抑制される。したがって、トナー帯電ローラによってトナーに対し放電するとき、トナーの帯電量が均一化されるので、トナー画像の品質が向上する。また、抵抗調整層は、少なくともフッ素化オレフィン樹脂とアクリル樹脂とを含む混合物によって厚みが50〜100μmに形成されるので、トナー付着による汚れの少ないトナー帯電ローラを実現することができる。
【0009】
また本発明は、低温低湿の環境において計測される前記抵抗値R1000を低温低湿抵抗値RLLとし、高温高湿の環境において計測される前記抵抗値R1000を高温高湿抵抗値RHHとするとき、前記両抵抗値の比(RLL/RHH)が、10以上であることを特徴とする。
【0010】
本発明に従えば、低温低湿抵抗値RLLと高温高湿抵抗値RHHとの比(RLL/RHH)が、10以上、すなわち低温低湿下で抵抗値RLLが増大するので、トナーが帯電しやすい環境である低温低湿下においても、定電圧に制御されて印加される電圧の降下が起り、放電量を制御することができる。このことによって、高温高湿および低温低湿の使用環境に関らずトナーの帯電量を安定化させることができ、トナー画像の品質を向上することができる。
【0011】
また本発明は、前記導電弾性層は、エピクロルヒドリンゴムを含む弾性体によって形成されることを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、導電弾性層は、他のゴムに比較して体積固有抵抗の小さなエピクロルヒドリンゴムを含む弾性体によって形成されるので、その導電性の調整を容易に行うことができ、低温低湿抵抗値RLLと高温高湿抵抗値RHHとの比を大きくすることができる。
【0015】
また本発明は、前記いずれかに記載のトナー帯電ローラが、設けられることを特徴とする現像装置である。
【0016】
本発明に従えば、トナー付着による汚染を防止し安定した放電量を保つことができるトナー帯電ローラが設けられるので、現像剤トナーの帯電量が安定し、安定した品質のトナー画像を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態であるトナー帯電ローラ1の構成を簡略化して示す断面図である。トナー帯電ローラ1は、導電性を有する軸体2と、軸体2の外周面に設けられる導電弾性層3と、導電弾性層3のさらに外周に設けられる抵抗調整層4とを備える。軸体2は、両端を軸支したり駆動部品を嵌合するために両端部に加工の施された細長い直円柱状を有し、たとえば鉄、アルミニウム合金やステンレス鋼などからなる金属製部材である。
【0018】
導電弾性層3は、エピクロルヒドリンゴムに導電性付与剤を添加し、その体積固有抵抗の調整された弾性体によって軸体2の外周に形成される。エピクロルヒドリンゴムに添加される導電性付与剤には、カーボンブラック、酸化錫および酸化チタンなどの無機金属、またはイオン導電剤などが用いられる。このように、導電弾性層3の導電性は、導電性付与剤の添加によって調整されるけれども、導電性付与剤の添加量が多過ぎると抵抗値が低下するとともに、抵抗値の低下によって高温高湿環境と低温低湿環境との両環境における抵抗値の差が小さくなるので、低温低湿環境下におけるトナー帯電ローラの放電量が増大し異常画像形成の原因となる。
【0019】
したがって、導電弾性層3を形成する素材には、同用途に用いられるたとえばブタジエンゴムのように体積固有抵抗が1014〜1015Ω・cmと高いものよりも、エピクロルヒドリンゴムのように体積固有抵抗が109〜1010Ω・cmと比較的低いものを用い、少量の導電性付与剤の添加によって所望の抵抗値に容易に調整できることが望ましい。なお、導電弾性層3には、加工性向上のために、シリカ、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムなどが添加されても良い。
【0020】
抵抗調整層4は、少なくともフッ素化オレフィン樹脂とアクリル樹脂とを溶剤に溶解して作製される塗料を、導電弾性層3の外周にコーティングすることによって厚みが50μm以上100μm以下に形成される。フッ素化オレフィン樹脂に含まれるフッ素分子が、トナー帯電ローラ1の最外層表面に配列するので、濡れ性が向上し、表面にトナーが付着して固着するトラブルがなくなる。また、アクリル樹脂は、一帯電トナーを安定して帯電させる効果もある。
【0021】
前述のように構成されるトナー帯電ローラ1の抵抗値が、主として導電弾性層3の体積固有抵抗を調整することによって、所望の値になるように設定される。図2は、トナー帯電ローラ1の抵抗値を測定する方法を示す概略図である。図2を参照してトナー帯電ローラ1の抵抗値測定方法を説明する。
【0022】
直径d1:7mm、導電弾性層3および抵抗調整層4の形成されている部分の長さL1:240mmのトナー帯電ローラ1と、直径d2:30mm、長さL2:250mmのアルミニウム合金からなる金属製ローラ6とを準備し、トナー帯電ローラ1の軸線と金属製ローラ6の軸線とが同一仮想平面内において平行になるように配置し、それぞれ回転可能に軸支する。金属製ローラ6を図示しない駆動手段に接続して回転速度14rpmで回転させつつ、トナー帯電ローラ1の軸体2の両端にそれぞれ0.735Nの力をかけて金属製ローラ6に圧接する。
【0023】
この状態で、トナー帯電ローラ1に直流電源7を接続し、直流電圧V1を印加する。金属製ローラ6のアース側には抵抗値Ryが既知である既知抵抗8を接続し、既知抵抗8の両端の電圧V2を電圧計9によって計測する。トナー帯電ローラ1に印加される電圧V1は、以下の式(1)によって与えられる。
V1=(Rx+Ry)・I …(1)
ここで、I=V2/Ry
Rx:トナー帯電ローラの抵抗値
【0024】
式(1)を展開することによって、トナー帯電ローラの抵抗値Rxは、次の式(2)によって求めることができる。
Rx={(V1−V2)/V2}・Ry …(2)
【0025】
本実施の形態のトナー帯電ローラ1は、金属製ローラ6との間に1000Vの電圧V1を印加したときの抵抗値R1000が5×107〜1×109Ωになるように設定され、金属製ローラ6との間に500Vの電圧V1を印加したときの抵抗値R500と前記抵抗値R1000との比(R500/R1000)が、2以下になるように設定される。
【0026】
またトナー帯電ローラ1は、低温低湿の環境において計測される抵抗値R1000を低温低湿抵抗値RLLとし、高温高湿の環境において計測される抵抗値R1000を高温高湿抵抗値RHHとするとき、低温低湿抵抗値RLLと高温高湿抵抗値RHHとの比(RLL/RHH)が、10以上になるように設定される。ここで、低温低湿とは、温度:15℃、相対湿度:10%の環境であり、高温高湿とは、温度:32.5℃、相対湿度:85%の環境である。以下にトナー帯電ローラ1の抵抗値および抵抗値の比の範囲限定理由について説明する。
【0027】
高温高湿の環境におけるR1000が、5×107Ω未満では、トナーに対する放電量が増加し、前述したような異常画像が形成される。また、トナーとトナー帯電ローラとの間で異常放電が生じて画像の乱れが生じやすくなる。一方R1000が、1×109Ωを超えると、トナーに対する放電量が不足するので、トナーの飛散が生じやすく、かぶり等の画像不良が生じやすくなる。したがって、高温高湿の環境におけるR1000を、5×107〜1×109Ωとするのが好ましい。
【0028】
抵抗値R500と抵抗値R1000との比(R500/R1000)が、2を超えると、トナー帯電ローラ内における抵抗値の部分的なばらつきに起因する放電量のばらつきが大きくなるので、トナー帯電ローラによってトナーに対し放電するとき、トナーの帯電量にばらつきが生じてトナー画像に現像むらが発生しやすくなりその品質が悪化する。したがって、前記比(R500/R1000)を2以下とするのが好ましい。
【0029】
低温低湿抵抗値RLLと高温高湿抵抗値RHHとの比(RLL/RHH)が、10未満では、低温低湿環境における放電量が増加し、トナーの帯電量も多くなりすぎるので、前述したような異常画像が形成される。したがって、比(RLL/RHH)を10以上とした。なお比(RLL/RHH)は100以上に設定されることが、より好ましい。比(RLL/RHH)が100以上に設定されることによって、トナーが摩擦帯電しやすい低温低湿環境でのトナー帯電ローラによる放電が抑制されるので、トナー帯電量の不所望な増加が一層防止される。
【0030】
図3は、本発明の他の実施の形態である現像装置10の構成を簡略化して示す図である。図3に示す現像装置10は、本発明の実施の形態であるトナー帯電ローラ1を備える。本実施の形態の現像装置10は、電子写真装置であるレーザプリンタなどにたとえばカートリッジ式に装着されて使用される。図3には、レーザプリンタの一部を構成する感光体21および帯電器22が図示されている。
【0031】
現像装置10は、中空容器であるハウジング11と、ハウジング11に回転自在に支持される現像ローラ12と、現像ローラ12の軸線方向に平行に軸線が位置するように配置されハウジング11に回転自在に支持される供給ローラ13と、ハウジング11に一端部15が装着され他端部である遊端部16が現像ローラ12の外周面に当接するように配置される現像ブレード14と、現像ローラ12の軸線方向に平行に軸線が位置するように配置され現像ローラ12に圧接されるように設けられるトナー帯電ローラ1とを含む。
【0032】
ハウジング11は、硬質樹脂または鋼製の大略直方体形状の中空容器であり、その内部空間には、非磁性1成分現像剤17(トナー1成分からなる現像剤であるので、以後現像剤を便宜上トナーと呼ぶ)が収容される。
【0033】
供給ローラ13は、図3中の矢符に示す方向に軸線まわりに回転することによって、外周面にトナー17を担持し現像ローラ12表面にトナー17を供給する。また供給ローラ13は、現像ローラ12の回転方向とは、逆の方向に回転するので、現像終了後に現像ローラ12の表面に残留するトナーを除去することができる。
【0034】
供給ローラ13によって現像ローラ12の表面に供給されたトナー17は、現像ローラ12の表面に当接する前記現像ブレード14によって摩擦帯電される。現像ローラ12表面のトナー17は、現像ブレード14よりも現像ローラ12の回転方向下流側に設けられるトナー帯電ローラ1の放電によってさらに帯電される。このとき、トナー帯電ローラ1は、ローラ内の抵抗のばらつきが小さく、高温高湿下における抵抗値が適正範囲に選択され、また低温低湿下の抵抗値と高温高湿下の抵抗値との比も適正範囲に選択されているので、使用環境に対応して適正なばらつきのない放電量が実現される。このことによって、トナー17は使用環境に関らず適正かつ安定した帯電量に保たれる。
【0035】
帯電器22で一様に帯電された後、図示しない露光手段によって露光されて感光体21表面に形成される静電潜像を、前記適正かつ安定した帯電量のトナー17が、現像ローラ12表面から感光体21表面に移動して現像するので、良好な品質の画像を安定して形成することが実現される。
【0036】
(実施例)
以下に本発明の実施例を説明する。後述する実施例および比較例のトナー帯電ローラをそれぞれ作製し、作製された各トナー帯電ローラについて、抵抗値および濡れ性を測定するとともに、各トナー帯電ローラの設けられた現像装置を用いて形成された画像の品質を評価した。
【0037】
(実施例1)
直径:5mm、長さ:250mmのめっきした鋼製軸体を準備し、前記軸体の外周に導電弾性層としてエピクロルヒドリンゴムを被覆成形後、研削によって直径:7mmに仕上た。さらに溶剤としてメチルイソブチルケトン(MIBK)を1000重量部に対して、フッ素化オレフィン樹脂50重量部とアクリル樹脂50重量部とを混合して作製した塗料を、抵抗調整層として前記エピクロルヒドリンゴムの外周に厚みが50μmになるように調整して塗布し、トナー帯電ローラを作製した。
【0038】
(実施例2)
実施例1において作製した塗料を厚みが100μmになるように調整して塗布した以外は、実施例1と同様にしてトナー帯電ローラを作成した。
【0039】
(比較例1)
実施例1において作製した塗料を厚みが10μmになるように調整して塗布した以外は、実施例1と同様にしてトナー帯電ローラを作成した。
【0040】
(比較例2)
カーボンが10重量%添加されたポリカーボネートウレタン塗料を抵抗調整層として厚みが50μmになるように調整して塗布した以外は、実施例1と同様にしてトナー帯電ローラを作成した。
【0041】
(比較例3)
直径:5mm、長さ:250mmのめっきした鋼製軸体を準備し、前記軸体の外周に導電弾性層として、エチレン−プロピレン系ゴム(EPDM)100重量部に対して導電性カーボン30重量部を添加混練した弾性体で前記軸体を被覆成形後、研削によって直径:7mmに仕上た。抵抗調整層として比較例2と同様の塗料を厚みが50μmになるように調整して塗布し、トナー帯電ローラを作成した。
【0042】
実施例1,2および比較例1〜3の各導電性ローラについて、先の図2に示した方法で、高温高湿下における1000V印加時の抵抗値R1000(=RHH)および500V印加時の抵抗値R500を測定するとともに、低温低湿下における1000V印加時の抵抗値R1000(=RLL)を測定した。ここで、前述と同様に、高温高湿とは、温度:32.5℃、相対湿度:85%であり、低温低湿とは、温度:15℃、相対湿度:10%である。
【0043】
濡れ性の評価は、次のようにして求める表面エネルギによって行った。COROTEC社(米国)製の表面エネルギ指示薬であるSURFACE TENSION INKをトナー帯電ローラ表面に少量塗布し、トナー帯電ローラ表面で水滴形状を保つことのできる前記INKの最大番号を求めた。前記INKには、塗布対象物の表面エネルギレベルに対応するように予め番号が付されているので、水滴形状を保つ当該INKの最大番号から表面エネルギを求めることができる。
【0044】
測定された表面エネルギを濡れ性の評価指標とした。表面エネルギが40dynes/cm以上を濡れ性良好(○)とし、40dynes/cm未満を濡れ性不良(×)と評価した。
【0045】
画像品質の評価は以下のように行った。現像カートリッジ(キヤノン株式会社製LBP−2050)を使用して、実施例1,2および比較例1〜3の各トナー帯電ローラを装着した。これらの現像カートリッジを用い、高温高湿と低温低湿との両環境下において非磁性1成分現像剤(トナー)で感光体表面に形成された25%1ドットパターンの静電潜像を現像した。このとき、感光体表面の静電潜像には、現像ローラのバイアス電圧に対して250Vの電位差が形成されるようにして現像した。
【0046】
感光体表面に形成されたトナー画像を記録紙に転写し定着した後、目視によってかぶりや濃度むら発生の有無を観察した。かぶりや濃度むらの発生が認められなかった場合を画質良好(○)とし、発生が認められた場合を画質不良(×)と評価した。
【0047】
結果を表1に合わせて示す。本発明の実施例1および実施例2のトナー帯電ローラは、濡れ性に優れ、高温高湿および低温低湿の環境に関らず優れた品質の画像形成が可能であった。
【0048】
比較例1のトナー帯電ローラは、抵抗値R1000が、5×107Ω未満であるので、高温高湿下で形成された画像にかぶりが発生し、画像品質が不良であった。比較例2のトナー帯電ローラは、抵抗値の比(R500/R1000)が、2を超えるので、高温高湿下で形成された画像に現像むらが発生し、画像品質が不良であった。比較例3のトナー帯電ローラは、抵抗値の比(RLL/RHH)が、10未満であるので、低温低湿化で形成された画像にかぶりが発生し、画像品質が不良であった。
【0049】
【表1】
Figure 0003642521
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、1000Vの電圧が印加されたときの抵抗値R1000が、好適な範囲になるように設定されるので、過剰な放電が抑制される。したがって、トナー帯電ローラによってトナーに対し放電するとき、トナーの帯電量が異常に大きくなることがないので、トナーの乗り移り不足による画像濃度の低下を防止することができる。また500V印加時の抵抗値と1000V印加時の抵抗値との比(R500/R1000)を2以下とすることによって、トナー帯電ローラ内における抵抗値の部分的なばらつきに起因する放電量のばらつきが抑制される。したがって、トナー帯電ローラによってトナーに対し放電するとき、トナーの帯電量が均一化されるので、トナー画像の品質が向上する。また、トナー付着による汚れの少ないトナー帯電ローラが実現される。
【0051】
また本発明によれば、低温低湿抵抗値RLLと高温高湿抵抗値RHHとの比(
LL/RHH)が、10以上、すなわち低温低湿下で抵抗値RLLが増大するので、トナーが帯電しやすい環境である低温低湿下においても、定電圧に制御されて印加される電圧の降下が起り、放電量を制御することができる。このことによって、高温高湿および低温低湿の使用環境に関らずトナーの帯電量を安定化させることができ、トナー画像の品質を向上することができる。
【0052】
また本発明によれば、導電弾性層は、他のゴムに比較して体積固有抵抗の小さなエピクロルヒドリンゴムを含む弾性体によって形成されるので、その導電性の調整を容易に行うことができ、低温低湿抵抗値RLLと高温高湿抵抗値RHHとの比を大きくすることができる。
【0054】
また本発明によれば、トナー付着による汚染を防止し安定した放電量を保つことができるトナー帯電ローラを用いるので、現像剤トナーの帯電量が安定し、安定した品質のトナー画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態であるトナー帯電ローラ1の構成を簡略化して示す断面図である。
【図2】 トナー帯電ローラ1の抵抗値を測定する方法を示す概略図である。
【図3】 本発明の他の実施の形態である現像装置10の構成を簡略化して示す図である。
【符号の説明】
1 トナー帯電ローラ
2 軸体
3 導電弾性層
4 抵抗調整層
10 現像装置

Claims (4)

  1. 導電性を有する軸体と、軸体の外周面に設けられる導電弾性層と、導電弾性層のさらに外周に設けられる抵抗調整層とを備え、放電または電荷注入によりトナーを帯電させるトナー帯電ローラであって、
    直径が30mmの金属製ローラを14rpmで回転させつつ、軸体の両端にそれぞれ0.735Nの力をかけて金属製ローラに圧接し、
    高温高湿の環境で、金属製ローラとの間に1000ボルトの電圧を印加したときの抵抗値R1000が5×107〜1×109Ωであり、金属製ローラとの間に500ボルトの電圧を印加したときの抵抗値R500と前記抵抗値R1000との比(R500/R1000)が、2以下であり、
    抵抗調整層は、
    少なくともフッ素化オレフィン樹脂とアクリル樹脂とを含む混合物によって厚みが50〜100μmに形成されることを特徴とするトナー帯電ローラ。
  2. 低温低湿の環境において計測される前記抵抗値R1000を低温低湿抵抗値RLLとし、高温高湿の環境において計測される前記抵抗値R1000を高温高湿抵抗値RHHとするとき、前記両抵抗値の比(RLL/RHH)が、10以上であることを特徴とする請求項1記載のトナー帯電ローラ。
  3. 前記導電弾性層は、
    エピクロルヒドリンゴムを含む弾性体によって形成されることを特徴とする請求項1または2記載のトナー帯電ローラ。
  4. 前記請求項1〜3のいずれかに記載のトナー帯電ローラが設けられることを特徴とする現像装置。
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JP5068056B2 (ja) * 2006-10-11 2012-11-07 株式会社日立製作所 障害回復方法、計算機システム及び管理サーバ

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