JP3352029B2 - 金属基材とセラミック基材との接合体 - Google Patents
金属基材とセラミック基材との接合体Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放熱性が要求され
る金属基材とセラミック基材との接合体に関するもので
ある。
る金属基材とセラミック基材との接合体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、金属基材とセラミック基材との接
合等による複合化の技術が益々進展しており、特にセラ
ミック配線基板において、パワーICなどの発熱部品か
ら発生する熱を効率よく放熱するためにセラミック配線
基板に放熱板として金属基材を接合する技術として利用
され、半導体素子の集積化のためには欠かせない技術と
なっている。
合等による複合化の技術が益々進展しており、特にセラ
ミック配線基板において、パワーICなどの発熱部品か
ら発生する熱を効率よく放熱するためにセラミック配線
基板に放熱板として金属基材を接合する技術として利用
され、半導体素子の集積化のためには欠かせない技術と
なっている。
【0003】金属基材とセラミック基材の接合体を得る
最も簡便な方法として、従来から接着剤によって基材間
を接合する方法が用いられており、この接着剤は接合体
の大きさ、用途によって適宜選択されている。例えば、
接合する金属基材とセラミック基材との間の熱膨張係数
の差が大きい場合には、変性エポキシ系、ウレタン系、
シリコーン系等の可撓性に富んだ接着剤が使用され、接
合する基材間の熱伝導性を向上させる目的としては、例
えば、銀、銅、窒化アルミニウム、シリコンカーバイド
等の熱伝導性に優れた粒子(熱伝導性フィラー)を混ぜ
込んだ接着剤が選択されている。
最も簡便な方法として、従来から接着剤によって基材間
を接合する方法が用いられており、この接着剤は接合体
の大きさ、用途によって適宜選択されている。例えば、
接合する金属基材とセラミック基材との間の熱膨張係数
の差が大きい場合には、変性エポキシ系、ウレタン系、
シリコーン系等の可撓性に富んだ接着剤が使用され、接
合する基材間の熱伝導性を向上させる目的としては、例
えば、銀、銅、窒化アルミニウム、シリコンカーバイド
等の熱伝導性に優れた粒子(熱伝導性フィラー)を混ぜ
込んだ接着剤が選択されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年金属基材
とセラミック基材の接合体における熱抵抗のさらなる低
減が求められるようになってきており、上記接着剤を用
いるだけでは、その要望に応えることが困難な状況にな
ってきた。
とセラミック基材の接合体における熱抵抗のさらなる低
減が求められるようになってきており、上記接着剤を用
いるだけでは、その要望に応えることが困難な状況にな
ってきた。
【0005】これは、熱抵抗を抑えるために上記接着剤
の厚みを薄く形成して接合しようとしても、接合対象と
なるセラミック基材及び金属基材は反りやうねりを有す
るため、接合界面に空気層が形成され、この空気層にて
熱の伝導が遮断されてしまうからである。
の厚みを薄く形成して接合しようとしても、接合対象と
なるセラミック基材及び金属基材は反りやうねりを有す
るため、接合界面に空気層が形成され、この空気層にて
熱の伝導が遮断されてしまうからである。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、金属基材とセラミック基材の反りやうねりの影響
を受けることなく熱伝導性を向上することができる金属
基材とセラミック基材の接合体を提供することを目的と
するものである。
あり、金属基材とセラミック基材の反りやうねりの影響
を受けることなく熱伝導性を向上することができる金属
基材とセラミック基材の接合体を提供することを目的と
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、金属
基材1とセラミック基材2とが接着剤3を介して張り合
わされた接合体Aにおいて、金属基材1とセラミック基
材2の少なくとも一方に、外圧により変形可能な金属伝
熱体5を直接的に接合すると共に、この金属伝熱体5を
金属基材1とセラミック基材2との間に離散的に配置し
て成ることを特徴とするものである。
基材1とセラミック基材2とが接着剤3を介して張り合
わされた接合体Aにおいて、金属基材1とセラミック基
材2の少なくとも一方に、外圧により変形可能な金属伝
熱体5を直接的に接合すると共に、この金属伝熱体5を
金属基材1とセラミック基材2との間に離散的に配置し
て成ることを特徴とするものである。
【0008】また請求項2に記載の発明は、金属伝熱体
5を金属伝熱体5の融点以上に加熱した状態で、金属基
材1とセラミック基材2とで金属伝熱体5を挟んで加圧
することにより、金属伝熱体5を金属基材1とセラミッ
ク基材2の少なくとも一方に直接的に接合して成ること
を特徴とするものである。
5を金属伝熱体5の融点以上に加熱した状態で、金属基
材1とセラミック基材2とで金属伝熱体5を挟んで加圧
することにより、金属伝熱体5を金属基材1とセラミッ
ク基材2の少なくとも一方に直接的に接合して成ること
を特徴とするものである。
【0009】また請求項3の発明は、金属伝熱体5とし
て、融点が金属基材1及びセラミック基材2の融点より
も低いものを用いて成ることを特徴とするものである。
て、融点が金属基材1及びセラミック基材2の融点より
も低いものを用いて成ることを特徴とするものである。
【0010】また請求項4の発明は、金属伝熱体5を突
起物として形成して成ることを特徴とするものである。
起物として形成して成ることを特徴とするものである。
【0011】また請求項5の発明は、金属伝熱体5がは
んだ材料であることを特徴とするものである。
んだ材料であることを特徴とするものである。
【0012】また請求項6の発明は、金属基材1と対向
する面がメタライズされたセラミック基材2から成るこ
とを特徴とするものである。
する面がメタライズされたセラミック基材2から成るこ
とを特徴とするものである。
【0013】また請求項7の発明は、金属基材1とセラ
ミック基材2との間にスペーサー8を介在させて成るこ
とを特徴とするものである。
ミック基材2との間にスペーサー8を介在させて成るこ
とを特徴とするものである。
【0014】また請求項8の発明は、セラミック基材2
としてセラミック配線基板2aを用い、該セラミック配
線基板2a上における発熱部品9の搭載位置の裏面及び
その近傍に配置される金属伝熱体5の占有密度が他の部
分における金属伝熱体5の占有密度よりも高いことを特
徴とするものである。
としてセラミック配線基板2aを用い、該セラミック配
線基板2a上における発熱部品9の搭載位置の裏面及び
その近傍に配置される金属伝熱体5の占有密度が他の部
分における金属伝熱体5の占有密度よりも高いことを特
徴とするものである。
【0015】また請求項9の発明は、セラミック基材2
としてセラミック配線基板2aを用い、該セラミック配
線基板2aの配線11上におけるワイヤボンディングが
なされる部分の裏面及びその近傍に配置される金属伝熱
体5の占有密度が他の部分における金属伝熱体5の占有
密度よりも高いことを特徴とするものである。
としてセラミック配線基板2aを用い、該セラミック配
線基板2aの配線11上におけるワイヤボンディングが
なされる部分の裏面及びその近傍に配置される金属伝熱
体5の占有密度が他の部分における金属伝熱体5の占有
密度よりも高いことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
する。
【0017】図1(a)乃至(c)は、本発明の実施の
形態の例を示すものである。この図1(a)乃至(c)
に示すように、本発明に係る金属基材1とセラミック基
材2との接合体Aは、金属基材1とセラミック基材2と
を接着剤3を介して張り合わせることによって作製され
ているものである。また金属基材1とセラミック基材2
の少なくとも一方には、外圧により変形可能な金属伝熱
体5が直接的に接合してあり、このように少なくとも一
方の基材1に直接的に接続された金属伝熱体5を金属基
材1とセラミック基材2の間に配置したものである。そ
のため基材1,2に直接接合された金属伝熱体5により
金属基材1とセラミック基材2との接合界面における熱
伝導性を向上して、接合体Aの金属基材1とセラミック
基材2間の熱伝導性を向上することができるものであ
る。
形態の例を示すものである。この図1(a)乃至(c)
に示すように、本発明に係る金属基材1とセラミック基
材2との接合体Aは、金属基材1とセラミック基材2と
を接着剤3を介して張り合わせることによって作製され
ているものである。また金属基材1とセラミック基材2
の少なくとも一方には、外圧により変形可能な金属伝熱
体5が直接的に接合してあり、このように少なくとも一
方の基材1に直接的に接続された金属伝熱体5を金属基
材1とセラミック基材2の間に配置したものである。そ
のため基材1,2に直接接合された金属伝熱体5により
金属基材1とセラミック基材2との接合界面における熱
伝導性を向上して、接合体Aの金属基材1とセラミック
基材2間の熱伝導性を向上することができるものであ
る。
【0018】ここで、直接的に接合するとは、接着剤等
を用いず、例えばメッキ法、はんだ・ろう材接合法、ス
パッタリング法、イオンプレーティング法、厚膜ペース
ト法、金属拡散接合法等を用いて金属学的あるいは化学
的に金属伝熱体5が金属基材1やセラミック基材2の表
面に接合していることを言う。
を用いず、例えばメッキ法、はんだ・ろう材接合法、ス
パッタリング法、イオンプレーティング法、厚膜ペース
ト法、金属拡散接合法等を用いて金属学的あるいは化学
的に金属伝熱体5が金属基材1やセラミック基材2の表
面に接合していることを言う。
【0019】ここで、図1(a)は、金属基材1に複数
個の金属伝熱体5が離散的に直接接合している例を、図
1(b)は、セラミック基材2に突起物状に形成された
複数個の金属伝熱体5が離散的に直接接合している例
を、また図1(c)は金属基材1及びセラミック基材2
に突起物の形状に形成された複数個の金属伝熱体5が離
散的に直接接合している例をそれぞれ示している。
個の金属伝熱体5が離散的に直接接合している例を、図
1(b)は、セラミック基材2に突起物状に形成された
複数個の金属伝熱体5が離散的に直接接合している例
を、また図1(c)は金属基材1及びセラミック基材2
に突起物の形状に形成された複数個の金属伝熱体5が離
散的に直接接合している例をそれぞれ示している。
【0020】本発明に係る接合体Aに使用する金属基材
1は、要求品質、コスト等に応じて適宜選択されるもの
であり、セラミック基材2についても酸化物系、窒化物
系、炭化物系のもの等が適宜選択されるものである。
1は、要求品質、コスト等に応じて適宜選択されるもの
であり、セラミック基材2についても酸化物系、窒化物
系、炭化物系のもの等が適宜選択されるものである。
【0021】接着剤3は接合体Aの使用目的に応じて任
意に選択されるものであり、熱伝導性の向上を特に重視
する場合には熱伝導性フィラーを含有するものを用い、
接着剤3の層4の機械的自由度を重視して接合体Aを曲
げ易くする場合にはウレタン系やシリコーン系のもの等
を用いるものである。また耐火性が要求される場合は、
ポリイミド系のものを使用することができる。
意に選択されるものであり、熱伝導性の向上を特に重視
する場合には熱伝導性フィラーを含有するものを用い、
接着剤3の層4の機械的自由度を重視して接合体Aを曲
げ易くする場合にはウレタン系やシリコーン系のもの等
を用いるものである。また耐火性が要求される場合は、
ポリイミド系のものを使用することができる。
【0022】なお、ヒートサイクルにおいて、基材1、
2間の熱膨張率の違いによって生じる基材1、2と接着
剤3の層4との間にかかる応力によって基材1、2と接
着剤3の層4との接合が解離することを防ぐ等の目的の
ために、接着剤3の層4の機械的自由度が重視される場
合には接着剤3のゴム硬度を70以下にすることが好ま
しい。
2間の熱膨張率の違いによって生じる基材1、2と接着
剤3の層4との間にかかる応力によって基材1、2と接
着剤3の層4との接合が解離することを防ぐ等の目的の
ために、接着剤3の層4の機械的自由度が重視される場
合には接着剤3のゴム硬度を70以下にすることが好ま
しい。
【0023】金属伝熱体5の材質については、外圧によ
って変形するものであれば特に指定はしないが、使用す
る接着剤3よりも少なくとも1桁以上大きい熱伝導率が
期待できる金属が好ましい。
って変形するものであれば特に指定はしないが、使用す
る接着剤3よりも少なくとも1桁以上大きい熱伝導率が
期待できる金属が好ましい。
【0024】外圧で容易に変形可能な金属伝熱体5とし
ては、Inやその合金等が例示できるほか、各種金属ワ
イヤ等も可撓性を付与する材料としては好適である。ま
た熱を加えることによって外圧変形が容易なろう材やは
んだ材料等を使用することもでき、特にSnを主成分と
するはんだ材料は低コストで入手することができると同
時に比較的低融点であるので製造上好適である。
ては、Inやその合金等が例示できるほか、各種金属ワ
イヤ等も可撓性を付与する材料としては好適である。ま
た熱を加えることによって外圧変形が容易なろう材やは
んだ材料等を使用することもでき、特にSnを主成分と
するはんだ材料は低コストで入手することができると同
時に比較的低融点であるので製造上好適である。
【0025】なお、金属伝熱体5として比較的低融点で
あるはんだ材料を用いる場合であって、かつ、金属伝熱
体5をセラミック基材2側に直接接合する場合は、セラ
ミック基材2の表面を、前述のメッキ法、スパッタリン
グ法等の適当な手法により予めメタライズして金属膜を
形成しておくと、容易に金属伝熱体5をセラミック基材
2に対して直接的に接合できるので、好ましい。
あるはんだ材料を用いる場合であって、かつ、金属伝熱
体5をセラミック基材2側に直接接合する場合は、セラ
ミック基材2の表面を、前述のメッキ法、スパッタリン
グ法等の適当な手法により予めメタライズして金属膜を
形成しておくと、容易に金属伝熱体5をセラミック基材
2に対して直接的に接合できるので、好ましい。
【0026】また金属基材1とセラミック基材2のうち
の一方の基材1、2に直接的に接合された金属伝熱体5
における、他方の基材1、2と接着剤3を介して、ある
いは直接的に接合される面は、予め平坦化しておくこと
が好ましい。
の一方の基材1、2に直接的に接合された金属伝熱体5
における、他方の基材1、2と接着剤3を介して、ある
いは直接的に接合される面は、予め平坦化しておくこと
が好ましい。
【0027】ここで平坦化とは、上記他方の基材1、2
に接合される面に外圧をかけて他方の基材1、2の形状
に追随した形状にすることを言い、金属伝熱体5を基材
1、2に直接的に接合した際の高さバラツキの矯正や、
基材1,2が反りやうねりを有する場合に有効である。
に接合される面に外圧をかけて他方の基材1、2の形状
に追随した形状にすることを言い、金属伝熱体5を基材
1、2に直接的に接合した際の高さバラツキの矯正や、
基材1,2が反りやうねりを有する場合に有効である。
【0028】一般に反りやうねりを有する基材1,2同
士を重ね合わせた場合、部分的に基材1,2間のギャッ
プが広い箇所が生じる。従って、金属伝熱体5と上記他
方の基材1,2とを直接的に接合しようとする際におい
ては、金属伝熱体5のうち、基材1,2間のギャップが
広い箇所に位置するものにおいては、基材1、2との間
に隙間が生じ、その結果接合体Aの熱伝導率が部分的に
悪くなる恐れがある。
士を重ね合わせた場合、部分的に基材1,2間のギャッ
プが広い箇所が生じる。従って、金属伝熱体5と上記他
方の基材1,2とを直接的に接合しようとする際におい
ては、金属伝熱体5のうち、基材1,2間のギャップが
広い箇所に位置するものにおいては、基材1、2との間
に隙間が生じ、その結果接合体Aの熱伝導率が部分的に
悪くなる恐れがある。
【0029】そこで上記のように、金属伝熱体5の平坦
化を行うと、金属伝熱体5と上記他方の基材1,2を全
ての箇所において直接的に接続することができ、あるい
は金属伝熱体5と上記他方の基材1,2間の接着剤3が
介在する隙間を均一にすることができ、接合体Aの熱伝
導率のバラツキを低減することができるものである。
化を行うと、金属伝熱体5と上記他方の基材1,2を全
ての箇所において直接的に接続することができ、あるい
は金属伝熱体5と上記他方の基材1,2間の接着剤3が
介在する隙間を均一にすることができ、接合体Aの熱伝
導率のバラツキを低減することができるものである。
【0030】特に金属伝熱体5として上記のようにはん
だ材料等の比較的低温で液化する材料や、In系や各種
金属ワイヤ等のように外圧により容易に変形する材料を
用いると、反りやうねりを有する基材1,2に対して金
属伝熱体5の形状を容易に追随させることができ、金属
伝熱体5を容易に平坦化することができて、熱伝導率の
バラツキの低減に有効なものである。
だ材料等の比較的低温で液化する材料や、In系や各種
金属ワイヤ等のように外圧により容易に変形する材料を
用いると、反りやうねりを有する基材1,2に対して金
属伝熱体5の形状を容易に追随させることができ、金属
伝熱体5を容易に平坦化することができて、熱伝導率の
バラツキの低減に有効なものである。
【0031】また金属伝熱体5の平坦化を、接合体Aを
構成する金属基材1とセラミック基材2を用いて行うこ
とができる。すなわち、金属伝熱体5を一方の基材1、
2に直接的に接合した後、この一方の基材1、2の金属
伝熱体5を形成した面と、他方の基材1,2を重ねて加
圧することによって、金属伝熱体5の形状を他方の基材
1,2の形状と追随させ、その後両基材を直接的に、あ
るいは接着剤3を介して接合するものである。このよう
にすると、両基材1、2にいかなる反りやうねりが存在
する場合であっても、基材1、2の接合面全面におい
て、確実に金属伝熱体5の平坦化を行うことができ、金
属伝熱体5を上記他方の基材1,2の全ての箇所におい
て確実に直接的に接合することができ、あるいは金属伝
熱体5を上記他方の基材1,2間と、接着剤3が介在す
る隙間を確実に均一にして接合することができるもので
ある。また基材1、2間に荷重をかけると共に熱を加え
て金属伝熱体5を溶融させることにより金属伝熱体5の
形状を他方の基材1,2の形状と追随させて平坦化する
こともでき、このようにすると金属伝熱体5を平坦化す
ると同時に、一方の基材1、2に直接的に接続されてい
る金属伝熱体5を他方の1、2に直接的に接続すること
ができる。この場合は、加熱の際に金属基材1とセラミ
ック基材2が溶融しないように、金属伝熱体5として、
はんだ材料等のように、金属基材1とセラミック基材2
の融点よりも低い融点を有するものを使用するのが好ま
しい。
構成する金属基材1とセラミック基材2を用いて行うこ
とができる。すなわち、金属伝熱体5を一方の基材1、
2に直接的に接合した後、この一方の基材1、2の金属
伝熱体5を形成した面と、他方の基材1,2を重ねて加
圧することによって、金属伝熱体5の形状を他方の基材
1,2の形状と追随させ、その後両基材を直接的に、あ
るいは接着剤3を介して接合するものである。このよう
にすると、両基材1、2にいかなる反りやうねりが存在
する場合であっても、基材1、2の接合面全面におい
て、確実に金属伝熱体5の平坦化を行うことができ、金
属伝熱体5を上記他方の基材1,2の全ての箇所におい
て確実に直接的に接合することができ、あるいは金属伝
熱体5を上記他方の基材1,2間と、接着剤3が介在す
る隙間を確実に均一にして接合することができるもので
ある。また基材1、2間に荷重をかけると共に熱を加え
て金属伝熱体5を溶融させることにより金属伝熱体5の
形状を他方の基材1,2の形状と追随させて平坦化する
こともでき、このようにすると金属伝熱体5を平坦化す
ると同時に、一方の基材1、2に直接的に接続されてい
る金属伝熱体5を他方の1、2に直接的に接続すること
ができる。この場合は、加熱の際に金属基材1とセラミ
ック基材2が溶融しないように、金属伝熱体5として、
はんだ材料等のように、金属基材1とセラミック基材2
の融点よりも低い融点を有するものを使用するのが好ま
しい。
【0032】金属伝熱体5としてはんだ材料を使用する
場合、はんだ材料としては特に指定はないが、例えば接
合体Aのセラミック基材2がセラミック配線基板2aと
して使用され、その表面に部品の搭載が行われる場合に
は、融点が部品接続温度よりも高いはんだ材料を使用す
ることが好ましく、この場合はセラミック配線基板2a
上の搭載部品の接続を、基材1、2間の接合が損なわれ
ることがないような温度に加熱して行うことができるも
のである。また、金属伝熱体5としてはんだ材料を使用
し基材1、2間を接合する際に荷重をかけると共に熱を
加える場合に用いる接着剤3としては、シリコーン系接
着剤のように耐熱性に優れたものを選択するものであ
る。
場合、はんだ材料としては特に指定はないが、例えば接
合体Aのセラミック基材2がセラミック配線基板2aと
して使用され、その表面に部品の搭載が行われる場合に
は、融点が部品接続温度よりも高いはんだ材料を使用す
ることが好ましく、この場合はセラミック配線基板2a
上の搭載部品の接続を、基材1、2間の接合が損なわれ
ることがないような温度に加熱して行うことができるも
のである。また、金属伝熱体5としてはんだ材料を使用
し基材1、2間を接合する際に荷重をかけると共に熱を
加える場合に用いる接着剤3としては、シリコーン系接
着剤のように耐熱性に優れたものを選択するものであ
る。
【0033】また上記のように金属伝熱体5の平坦化を
行い、あるいは接着剤3を用いて基材1、2同士を接合
するにあたって、基材1、2間に外力をかける場合は、
金属伝熱体5や接着剤3が基材1、2間から外側へはみ
出す場合がある。そこで図2に示すように、両基材1、
2の間に、基材1、2間の厚みを適当な厚みに保持する
スペーサー8を適当な数配置することができる。このよ
うにすると、基材1、2間の厚みはスペーサー8によっ
て規制されるため、基材1、2同士を金属伝熱体5を介
して、あるいは金属伝熱体5及び接着剤3を介して加圧
しても、基材1、2間の距離が、狭まり過ぎることがな
くなり、このため、両基材1、2の隙間から金属伝熱体
5や接着剤3が外側にはみ出ることを防ぐことができる
ものである。
行い、あるいは接着剤3を用いて基材1、2同士を接合
するにあたって、基材1、2間に外力をかける場合は、
金属伝熱体5や接着剤3が基材1、2間から外側へはみ
出す場合がある。そこで図2に示すように、両基材1、
2の間に、基材1、2間の厚みを適当な厚みに保持する
スペーサー8を適当な数配置することができる。このよ
うにすると、基材1、2間の厚みはスペーサー8によっ
て規制されるため、基材1、2同士を金属伝熱体5を介
して、あるいは金属伝熱体5及び接着剤3を介して加圧
しても、基材1、2間の距離が、狭まり過ぎることがな
くなり、このため、両基材1、2の隙間から金属伝熱体
5や接着剤3が外側にはみ出ることを防ぐことができる
ものである。
【0034】以上のようにして図1(a)乃至(c)に
示す金属基材1とセラミック基材2との接合体Aが形成
されているものである。
示す金属基材1とセラミック基材2との接合体Aが形成
されているものである。
【0035】このうち、図1(a)、(b)に示すもの
では、複数の金属伝熱体5を基材1、2間に離散的に配
置すると共に、一方の基材1,2に直接的に接合し、他
方の基材1,2に接着剤3を介して接合したものであ
る。ここで離散的に配置するとは、複数の金属伝熱体5
を金属基材1とセラミック基材2との間のギャップに沿
って間隔をあけて配置することをいい、隣合う金属伝熱
体5間には、接着剤3が介在しているものである。この
図1(a)、(b)に示すものでは、両基材1,2間の
熱膨張率の差が大きく、接合体Aが加熱された際に金属
基材1とセラミック基材2との間の熱膨張係数の差のた
めに両基材1、2間に応力がかかっても、金属伝熱体5
間、並びに金属伝熱体5と金属基材1またはセラミック
基材との間に介在する接着剤3の弾性変形にて応力を吸
収することができ、金属伝熱体5と両基材1、2との接
合界面への応力の集中を緩和して基材1、2と金属伝熱
体5との接合が解離することを防止することができる。
特に図1(a)に示す金属伝熱体5よりも断面積を小さ
くして突起物として成形された金属伝熱体5を用いた図
1(b)に示すものでは、金属伝熱体5と両基材1、2
との接合界面への応力の集中を緩和する効果が高く、接
合体Aの寸法が大きくなって応力の影響が高くなる場合
であっても、基材1、2と金属伝熱体5との接合が解離
することを防止することができる。
では、複数の金属伝熱体5を基材1、2間に離散的に配
置すると共に、一方の基材1,2に直接的に接合し、他
方の基材1,2に接着剤3を介して接合したものであ
る。ここで離散的に配置するとは、複数の金属伝熱体5
を金属基材1とセラミック基材2との間のギャップに沿
って間隔をあけて配置することをいい、隣合う金属伝熱
体5間には、接着剤3が介在しているものである。この
図1(a)、(b)に示すものでは、両基材1,2間の
熱膨張率の差が大きく、接合体Aが加熱された際に金属
基材1とセラミック基材2との間の熱膨張係数の差のた
めに両基材1、2間に応力がかかっても、金属伝熱体5
間、並びに金属伝熱体5と金属基材1またはセラミック
基材との間に介在する接着剤3の弾性変形にて応力を吸
収することができ、金属伝熱体5と両基材1、2との接
合界面への応力の集中を緩和して基材1、2と金属伝熱
体5との接合が解離することを防止することができる。
特に図1(a)に示す金属伝熱体5よりも断面積を小さ
くして突起物として成形された金属伝熱体5を用いた図
1(b)に示すものでは、金属伝熱体5と両基材1、2
との接合界面への応力の集中を緩和する効果が高く、接
合体Aの寸法が大きくなって応力の影響が高くなる場合
であっても、基材1、2と金属伝熱体5との接合が解離
することを防止することができる。
【0036】また図1(c)に示すものでは、金属基材
1及びセラミック基材2の間に突起物として成形された
複数個の金属伝熱体5が離散的に配置されていると共
に、この金属伝熱体5が金属基材1及びセラミック基材
2の双方に直接接合しているものであり、そのため、接
合界面の応力を緩和する効果は図1(a)、(b)に示
すものの方がより高いものであるが、金属伝熱体5と両
基材1、2の間には接着剤3が介在していないため、接
合体Aの熱伝導率を非常に優れたものとすることができ
る。
1及びセラミック基材2の間に突起物として成形された
複数個の金属伝熱体5が離散的に配置されていると共
に、この金属伝熱体5が金属基材1及びセラミック基材
2の双方に直接接合しているものであり、そのため、接
合界面の応力を緩和する効果は図1(a)、(b)に示
すものの方がより高いものであるが、金属伝熱体5と両
基材1、2の間には接着剤3が介在していないため、接
合体Aの熱伝導率を非常に優れたものとすることができ
る。
【0037】ここで、金属伝熱体5が離散的に配置さ
れ、あるいは突起物状に成形される場合、この金属伝熱
体5の形状については、特に指定するものではなく、層
状、球状、柱状、針状等の種々の形状のものを用いるこ
とができる。また寸法についても特に指定するものでは
ないが、数十μm〜数cm角または数十μm〜数mm径
程度であり、高さあるいは厚みが両基材1、2を重ね合
わせた際に両基材1、2の反りやうねりによって生じる
隙間程度のものが好ましい。
れ、あるいは突起物状に成形される場合、この金属伝熱
体5の形状については、特に指定するものではなく、層
状、球状、柱状、針状等の種々の形状のものを用いるこ
とができる。また寸法についても特に指定するものでは
ないが、数十μm〜数cm角または数十μm〜数mm径
程度であり、高さあるいは厚みが両基材1、2を重ね合
わせた際に両基材1、2の反りやうねりによって生じる
隙間程度のものが好ましい。
【0038】上記のように、本発明の金属基材1とセラ
ミック基材2の接合体Aは、基材1、2の反りやうねり
に追随して変形可能な金属伝熱体5を介在させているの
で、熱伝導性フィラーを含む接着剤のみで接合された従
来の接合体よりも熱伝導性が優れたものとすることがで
きるものである。
ミック基材2の接合体Aは、基材1、2の反りやうねり
に追随して変形可能な金属伝熱体5を介在させているの
で、熱伝導性フィラーを含む接着剤のみで接合された従
来の接合体よりも熱伝導性が優れたものとすることがで
きるものである。
【0039】本発明の金属基材1とセラミック基材2と
の接合体Aの具体的な応用例を図3乃至図6に示す。
の接合体Aの具体的な応用例を図3乃至図6に示す。
【0040】図3は、接合体Aのセラミック基材2がセ
ラミック配線基板2aとして使用されるものである。こ
のセラミック基材2には一方の面に配線11が形成され
ており、他方の面は、複数の突起物状の金属伝熱体5が
均等に配置してあると共に複数のスペーサー8が配置さ
れた接着剤3の層4を介して金属基材1と接合してあ
る。また配線11上には所定の位置にパワーIC等の発
熱部品9が搭載されてある。
ラミック配線基板2aとして使用されるものである。こ
のセラミック基材2には一方の面に配線11が形成され
ており、他方の面は、複数の突起物状の金属伝熱体5が
均等に配置してあると共に複数のスペーサー8が配置さ
れた接着剤3の層4を介して金属基材1と接合してあ
る。また配線11上には所定の位置にパワーIC等の発
熱部品9が搭載されてある。
【0041】このように形成された接合体Aにおいて、
セラミック配線基板2aに形成されている回路を駆動さ
せると、発熱部品9から熱が発生するが、接合体Aは金
属基材1とセラミック基材2の間に配置される金属伝熱
体5により熱伝導率が高められているため、発熱部品9
から発生した熱を、セラミック基材2から金属基材1側
へ速やかに放熱することができるものである。
セラミック配線基板2aに形成されている回路を駆動さ
せると、発熱部品9から熱が発生するが、接合体Aは金
属基材1とセラミック基材2の間に配置される金属伝熱
体5により熱伝導率が高められているため、発熱部品9
から発生した熱を、セラミック基材2から金属基材1側
へ速やかに放熱することができるものである。
【0042】また図4は、図3に示す構成において、発
熱部品9の搭載位置の裏面及びその近傍においては接着
剤3の層4に配置されている突起物状の金属伝熱体5の
占有密度を、他の部分における金属伝熱体5の占有密度
よりも高くしたものであり、そのため接合体Aの熱伝導
率は、発熱部品9の搭載位置及びその近傍が、他の部分
よりも高められるものである。
熱部品9の搭載位置の裏面及びその近傍においては接着
剤3の層4に配置されている突起物状の金属伝熱体5の
占有密度を、他の部分における金属伝熱体5の占有密度
よりも高くしたものであり、そのため接合体Aの熱伝導
率は、発熱部品9の搭載位置及びその近傍が、他の部分
よりも高められるものである。
【0043】このように形成された接合体Aにおいて、
セラミック配線基板2aに形成されている回路を駆動さ
せると、発熱部品9から熱が発生し、その熱により接合
体Aは発熱部品9の搭載位置が集中的に加熱されるが、
接合体Aの熱伝導率は、発熱部品9の搭載位置及びその
近傍が、他の部分よりも高められているため、発熱部品
9から発生した熱は接合体Aにおける発熱部品9の搭載
位置及びその近傍において効率良く速やかに放熱される
ものである。
セラミック配線基板2aに形成されている回路を駆動さ
せると、発熱部品9から熱が発生し、その熱により接合
体Aは発熱部品9の搭載位置が集中的に加熱されるが、
接合体Aの熱伝導率は、発熱部品9の搭載位置及びその
近傍が、他の部分よりも高められているため、発熱部品
9から発生した熱は接合体Aにおける発熱部品9の搭載
位置及びその近傍において効率良く速やかに放熱される
ものである。
【0044】図5は、図3、4に示すものと同様に、接
合体Aのセラミック基材2がセラミック配線基板2aと
して使用されるものであり、このセラミック基材2には
一方の面に配線11が形成されており、他方の面は、複
数の突起物状の金属伝熱体5及びスペーサー8が配置さ
れた接着剤3の層4を介して金属基材1と接合してあ
り、配線11上には所定の位置に発熱部品9がベアチッ
プ実装されてある。また更にこの図5に示すものでは、
発熱部品9上の配線(図示せず)とセラミック配線基板
2a上の配線11とをアルミニウムワイヤ等のワイヤ9
aにより結線されているものである。
合体Aのセラミック基材2がセラミック配線基板2aと
して使用されるものであり、このセラミック基材2には
一方の面に配線11が形成されており、他方の面は、複
数の突起物状の金属伝熱体5及びスペーサー8が配置さ
れた接着剤3の層4を介して金属基材1と接合してあ
り、配線11上には所定の位置に発熱部品9がベアチッ
プ実装されてある。また更にこの図5に示すものでは、
発熱部品9上の配線(図示せず)とセラミック配線基板
2a上の配線11とをアルミニウムワイヤ等のワイヤ9
aにより結線されているものである。
【0045】ここで、発熱部品9の搭載位置の裏面及び
その近傍、並びに配線11上のワイヤ9aとの接続位置
の裏面及びその近傍においては、接着剤3の層4に配置
されている突起物状の金属伝熱体5の占有密度は、他の
部分における金属伝熱体5の占有密度よりも高くされて
ある。
その近傍、並びに配線11上のワイヤ9aとの接続位置
の裏面及びその近傍においては、接着剤3の層4に配置
されている突起物状の金属伝熱体5の占有密度は、他の
部分における金属伝熱体5の占有密度よりも高くされて
ある。
【0046】このように形成された接合体Aにおいて、
セラミック配線基板2aに形成されている回路を駆動さ
せると、発熱部品9から熱が発生し、接合体Aは発熱部
品9の搭載位置が集中的に加熱されるが、接合体Aの熱
伝導率は、発熱部品9の搭載位置及びその近傍が、他の
部分よりも高められているため、発熱部品9から発生し
た熱は接合体Aにおける発熱部品9の搭載位置及びその
近傍において速やかに放熱されるものである。
セラミック配線基板2aに形成されている回路を駆動さ
せると、発熱部品9から熱が発生し、接合体Aは発熱部
品9の搭載位置が集中的に加熱されるが、接合体Aの熱
伝導率は、発熱部品9の搭載位置及びその近傍が、他の
部分よりも高められているため、発熱部品9から発生し
た熱は接合体Aにおける発熱部品9の搭載位置及びその
近傍において速やかに放熱されるものである。
【0047】また配線11とワイヤ9aとのワイヤボン
ディングを行うにあたり、超音波によりワイヤボンディ
ングを行うワイヤボンダーから発せられる超音波が接着
剤3の層4に吸収されてボンディング不良を起こすこと
を、配線11上のワイヤボンディング位置の裏面及びそ
の近傍に高い占有密度にて配置されている金属伝熱体5
により防ぐことができるものである。
ディングを行うにあたり、超音波によりワイヤボンディ
ングを行うワイヤボンダーから発せられる超音波が接着
剤3の層4に吸収されてボンディング不良を起こすこと
を、配線11上のワイヤボンディング位置の裏面及びそ
の近傍に高い占有密度にて配置されている金属伝熱体5
により防ぐことができるものである。
【0048】図6は、図5に示す構成に加えて、配線1
1上の所望の位置に、銅製等のリードフレーム10を、
図1(c)に示す金属基材1とセラミック基材2との接
合の場合と同様に、突起物状の金属伝熱体5を配線11
とリードフレーム10に直接的に接合すると共に、この
金属伝熱体5を覆うように接着剤3の層4を形成し、か
つ配線11とリードフレームとの間にスペーサー8を介
在させて接合したものである。
1上の所望の位置に、銅製等のリードフレーム10を、
図1(c)に示す金属基材1とセラミック基材2との接
合の場合と同様に、突起物状の金属伝熱体5を配線11
とリードフレーム10に直接的に接合すると共に、この
金属伝熱体5を覆うように接着剤3の層4を形成し、か
つ配線11とリードフレームとの間にスペーサー8を介
在させて接合したものである。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。 ( 実施例1) 金属基材1として厚み2mmのアルミニウム基板を用意
し、セラミック基材2として厚み1mmのアルミナ基板
を用意した。 (2) セラミック基材2の表面を熱リン酸処理を用い
て粗面化処理し、一面の全面に厚み10μmの無電解銅
めっき及び厚み3μmの無電解Niめっきを施して予め
メタライズした後、このメタライズを施した面にSn−
Ag系クリーム半田((株)日本スペリア製、「Sn9
6」)を印刷塗布して、セラミック基材2の一面の全面
に2mm間隔で2×2×0.1mmtの寸法の複数の金
属伝熱体5を離散的に形成した。
し、セラミック基材2として厚み1mmのアルミナ基板
を用意した。 (2) セラミック基材2の表面を熱リン酸処理を用い
て粗面化処理し、一面の全面に厚み10μmの無電解銅
めっき及び厚み3μmの無電解Niめっきを施して予め
メタライズした後、このメタライズを施した面にSn−
Ag系クリーム半田((株)日本スペリア製、「Sn9
6」)を印刷塗布して、セラミック基材2の一面の全面
に2mm間隔で2×2×0.1mmtの寸法の複数の金
属伝熱体5を離散的に形成した。
【0050】次いで、リフロー炉により250℃の温度
で上記金属伝熱体5を一旦溶融・固化させた後、金属基
材1をセラミック基材2の金属伝熱体5を形成した面に
重ね合わせて250℃の温度で再リフローし、金属基材
の自重にて金属伝熱体5の先端を平坦化した。 (3) 上記セラミック基材2の、金属伝熱体5を形成
した面に、熱伝導性フィラー入りシリコーン接着剤3
(東芝シリコーン(株)製、「TSE3280−G」)
を塗布し、その上から金属基材1を重ね合わせて接着す
ると共に厚み100μmの接着剤3の層4を形成し、1
50℃の温度で1時間加熱硬化させて、図1 (a)に示す構成の接合体Aを得た。 (実施例2) (1) 実施例1と同じ (2) セラミック基材2の一面全面にIn−Pbクリ
ーム半田(インジウムコーポレーション社製)を印刷塗
布して、セラミック基材2の一面の全面に2mm間隔で
2×2×0.1mmtの寸法の複数の金属伝熱体5を離
散的に形成した以外は、実施例1と同様に行った。 (3) 実施例1と同じ (実施例3) (1) セラミック基材として窒化アルミニウムを用い
た以外は、実施例1と同じ。 (2) 厚膜印刷法によって、セラミック基材2の一面
全面にAg−Pbペースト(ESL社製、「960
1」)によるメタライズをあらかじめ形成した以外は実
施例1と同じ。 (3) 実施例1と同じ。 (実施例4) (1) 実施例1と同じ (2) In−Pbクリーム半田インジウムコーポレー
ション社製)を用いて、マスキングを使用したスパッタ
リング法にて金属伝熱体5を形成した以外は実施例2と
同じ。 (3) 実施例1と同じ。 (実施例5) (1) 実施例3と同じ。 (2) スパッタリング法により、セラミック基材2の
一面全面に予め銅をメタライズした以外は、実施例4と
同じ。 (実施例6) (1) 実施例1と同じ。 (2) セラミック基材2の表面を熱リン酸を用いて粗
面化処理し、所定の箇所に厚み10μmの無電解銅めっ
き及び厚み3μmの無電解Niめっきを施した後、この
メタライズを施した面にワイヤボンディング法を用いて
Al−Siワイヤ(田中貴金属工業(株)製)を圧着す
ることにより、高さ0.1mmのワイヤによる複数の金
属伝熱体5を形成した。ここでこの金属伝熱体5のセラ
ミック基材上の占有面積は、実施例1における金属伝熱
体5の占有面積と同等になるようにした。 (3) 上記のセラミック基材2上に形成したワイヤ状
の金属伝熱体5を形成した面の全面に熱伝導性フィラー
入りシリコーン系接着剤3(東芝シリコーン(株)製、
「TSE3280−G」)を200μmの厚みで塗布し
た後、金属基材1を金属伝熱体5に重ね合わせて10k
g/cm2の加圧力にてプレスして、金属伝熱体5の金
属基材1側の先端を平坦化すると共に金属基材1とセラ
ミック基材2を金属伝熱体5及び接着剤3を介在させて
接合し、接合体Aを得た。 (実施例7) (1) 実施例3と同じ。 (2) 実施例6と同じ (3) 実施例6と同じ (実施例8) (1) セラミック基材2として厚み1mmのシリコン
カーバイド基板を用いた以外は実施例1と同じ。 (2) 実施例6と同じ。 (3) 実施例6と同じ。 (比較例1) (1) 実施例1と同じ。 (2) 金属基材1及びセラミック基材2のいずれに
も、金属伝熱体5を形成しなかった。 (3) セラミック基材2と金属基材1を、熱伝導性フ
ィラー入りシリコーン系接着剤3(東芝シリコーン
(株)製、「TSE3281−G」)を用いて直接接着
すると共に、厚み100μmの接着剤の層を形成して、
接合体を得た。
で上記金属伝熱体5を一旦溶融・固化させた後、金属基
材1をセラミック基材2の金属伝熱体5を形成した面に
重ね合わせて250℃の温度で再リフローし、金属基材
の自重にて金属伝熱体5の先端を平坦化した。 (3) 上記セラミック基材2の、金属伝熱体5を形成
した面に、熱伝導性フィラー入りシリコーン接着剤3
(東芝シリコーン(株)製、「TSE3280−G」)
を塗布し、その上から金属基材1を重ね合わせて接着す
ると共に厚み100μmの接着剤3の層4を形成し、1
50℃の温度で1時間加熱硬化させて、図1 (a)に示す構成の接合体Aを得た。 (実施例2) (1) 実施例1と同じ (2) セラミック基材2の一面全面にIn−Pbクリ
ーム半田(インジウムコーポレーション社製)を印刷塗
布して、セラミック基材2の一面の全面に2mm間隔で
2×2×0.1mmtの寸法の複数の金属伝熱体5を離
散的に形成した以外は、実施例1と同様に行った。 (3) 実施例1と同じ (実施例3) (1) セラミック基材として窒化アルミニウムを用い
た以外は、実施例1と同じ。 (2) 厚膜印刷法によって、セラミック基材2の一面
全面にAg−Pbペースト(ESL社製、「960
1」)によるメタライズをあらかじめ形成した以外は実
施例1と同じ。 (3) 実施例1と同じ。 (実施例4) (1) 実施例1と同じ (2) In−Pbクリーム半田インジウムコーポレー
ション社製)を用いて、マスキングを使用したスパッタ
リング法にて金属伝熱体5を形成した以外は実施例2と
同じ。 (3) 実施例1と同じ。 (実施例5) (1) 実施例3と同じ。 (2) スパッタリング法により、セラミック基材2の
一面全面に予め銅をメタライズした以外は、実施例4と
同じ。 (実施例6) (1) 実施例1と同じ。 (2) セラミック基材2の表面を熱リン酸を用いて粗
面化処理し、所定の箇所に厚み10μmの無電解銅めっ
き及び厚み3μmの無電解Niめっきを施した後、この
メタライズを施した面にワイヤボンディング法を用いて
Al−Siワイヤ(田中貴金属工業(株)製)を圧着す
ることにより、高さ0.1mmのワイヤによる複数の金
属伝熱体5を形成した。ここでこの金属伝熱体5のセラ
ミック基材上の占有面積は、実施例1における金属伝熱
体5の占有面積と同等になるようにした。 (3) 上記のセラミック基材2上に形成したワイヤ状
の金属伝熱体5を形成した面の全面に熱伝導性フィラー
入りシリコーン系接着剤3(東芝シリコーン(株)製、
「TSE3280−G」)を200μmの厚みで塗布し
た後、金属基材1を金属伝熱体5に重ね合わせて10k
g/cm2の加圧力にてプレスして、金属伝熱体5の金
属基材1側の先端を平坦化すると共に金属基材1とセラ
ミック基材2を金属伝熱体5及び接着剤3を介在させて
接合し、接合体Aを得た。 (実施例7) (1) 実施例3と同じ。 (2) 実施例6と同じ (3) 実施例6と同じ (実施例8) (1) セラミック基材2として厚み1mmのシリコン
カーバイド基板を用いた以外は実施例1と同じ。 (2) 実施例6と同じ。 (3) 実施例6と同じ。 (比較例1) (1) 実施例1と同じ。 (2) 金属基材1及びセラミック基材2のいずれに
も、金属伝熱体5を形成しなかった。 (3) セラミック基材2と金属基材1を、熱伝導性フ
ィラー入りシリコーン系接着剤3(東芝シリコーン
(株)製、「TSE3281−G」)を用いて直接接着
すると共に、厚み100μmの接着剤の層を形成して、
接合体を得た。
【0051】表1に、実施例1乃至8及び比較例1の接
合体のそれぞれの熱抵抗を、比較例1のものを100と
して示す。
合体のそれぞれの熱抵抗を、比較例1のものを100と
して示す。
【0052】
【表1】 表1から判るように、実施例1乃至8のものの熱抵抗
は、比較例1において熱伝導性の良い接着剤を用いたに
もかかわらず、比較例1のものの1/2程度であり、基
材1、2に金属伝熱体5を離散的に直接接合させること
による熱抵抗の低減の効果が確認できた。 (実施例9) (1) 金属基材1として厚み2mmのアルミニウム基
板を用意し、その表面に厚み0.1μmのZnめっき及
び厚み2μmのNiめっきを施した。
は、比較例1において熱伝導性の良い接着剤を用いたに
もかかわらず、比較例1のものの1/2程度であり、基
材1、2に金属伝熱体5を離散的に直接接合させること
による熱抵抗の低減の効果が確認できた。 (実施例9) (1) 金属基材1として厚み2mmのアルミニウム基
板を用意し、その表面に厚み0.1μmのZnめっき及
び厚み2μmのNiめっきを施した。
【0053】またセラミック基材2として、厚み1mm
のアルミナ基板を用意した。 (2) 金属基材1の一面にフォトソルダーレジストを
形成し、露光・現像により所定の箇所のレジストを除去
した後、この除去した部分に露出する金属基材1上のN
iめっき層表面にSn−Ag系クリーム半田(日本スペ
リア社製、「Sn96」)をスクリーン印刷により塗布
し、その後リフロー炉を通して260℃でクリーム半田
を溶融固化することによって、金属基材1の一面全面に
2mm間隔で2×2×厚み0.1mmの寸法の金属伝熱
体5を形成し、次いでソルダーレジストをアルカリ除去
した。 (3) 熱伝導性フィラー入りシリコーン系接着剤3
(東芝シリコーン(株)製、「TSE3280−G」)
を、金属基材1の金属伝熱体5が形成されている面に塗
布し、その上からセラミック基材2を重ね合わせると共
に厚み100μmの接着剤3の層4を形成して、図1
(b)に示す構造の接合体Aを得た。 (比較例2) (1) 実施例9と同じ。 (2) 金属基材1及びセラミック基材2のいずれに
も、金属伝熱体5を形成しなかった。 (3) セラミック基材2と金属基材1を、熱伝導性フ
ィラー入りシリコーン系接着剤3(東芝シリコーン
(株)製、「TSE3280−G」)を用いて直接接着
すると共に厚み100μmの接着剤3の層4を形成し
て、接合体を得た。
のアルミナ基板を用意した。 (2) 金属基材1の一面にフォトソルダーレジストを
形成し、露光・現像により所定の箇所のレジストを除去
した後、この除去した部分に露出する金属基材1上のN
iめっき層表面にSn−Ag系クリーム半田(日本スペ
リア社製、「Sn96」)をスクリーン印刷により塗布
し、その後リフロー炉を通して260℃でクリーム半田
を溶融固化することによって、金属基材1の一面全面に
2mm間隔で2×2×厚み0.1mmの寸法の金属伝熱
体5を形成し、次いでソルダーレジストをアルカリ除去
した。 (3) 熱伝導性フィラー入りシリコーン系接着剤3
(東芝シリコーン(株)製、「TSE3280−G」)
を、金属基材1の金属伝熱体5が形成されている面に塗
布し、その上からセラミック基材2を重ね合わせると共
に厚み100μmの接着剤3の層4を形成して、図1
(b)に示す構造の接合体Aを得た。 (比較例2) (1) 実施例9と同じ。 (2) 金属基材1及びセラミック基材2のいずれに
も、金属伝熱体5を形成しなかった。 (3) セラミック基材2と金属基材1を、熱伝導性フ
ィラー入りシリコーン系接着剤3(東芝シリコーン
(株)製、「TSE3280−G」)を用いて直接接着
すると共に厚み100μmの接着剤3の層4を形成し
て、接合体を得た。
【0054】表2に、実施例9及び比較例2の接合体の
それぞれの熱抵抗を測定した結果を、比較例2のものを
100として示す。
それぞれの熱抵抗を測定した結果を、比較例2のものを
100として示す。
【0055】
【表2】 表2から判るように、実施例9の熱抵抗は、比較例2に
おいて熱伝導性の良い接着剤を用いたにもかかわらず、
比較例2のものの1/2程度であり、基材1、2に突起
物状の金属伝熱体5を離散的に直接接合させることによ
る熱抵抗の低減の効果が確認できた。 (実施例10) (1) 実施例9と同じ (2) 実施例9の方法により金属基材1に金属伝熱体
5を形成すると共に、実施例4の方法によりセラミック
基材2にも金属伝熱体5を形成した。ここでそれぞれの
基材1,2に形成した金属伝熱体5の基材1,2上の占
有面積の合計は、実施例1における金属伝熱体5の占有
面積と同等になるようにした。 (3) 熱伝導性フィラー入りシリコーン系接着剤3
(東芝シリコーン(株)製、「TSE3280−G」)
を、金属基材1及びセラミック基材2の金属伝熱体5が
形成されている面にそれぞれ塗布し、両基材1,2の金
属伝熱体5を形成した面同士を重ね合わせると共に、厚
み100μmの接着剤3の層4を形成して、図1(a)
と図1(b)とを組み合わせた構造の接合体Aを得た。
おいて熱伝導性の良い接着剤を用いたにもかかわらず、
比較例2のものの1/2程度であり、基材1、2に突起
物状の金属伝熱体5を離散的に直接接合させることによ
る熱抵抗の低減の効果が確認できた。 (実施例10) (1) 実施例9と同じ (2) 実施例9の方法により金属基材1に金属伝熱体
5を形成すると共に、実施例4の方法によりセラミック
基材2にも金属伝熱体5を形成した。ここでそれぞれの
基材1,2に形成した金属伝熱体5の基材1,2上の占
有面積の合計は、実施例1における金属伝熱体5の占有
面積と同等になるようにした。 (3) 熱伝導性フィラー入りシリコーン系接着剤3
(東芝シリコーン(株)製、「TSE3280−G」)
を、金属基材1及びセラミック基材2の金属伝熱体5が
形成されている面にそれぞれ塗布し、両基材1,2の金
属伝熱体5を形成した面同士を重ね合わせると共に、厚
み100μmの接着剤3の層4を形成して、図1(a)
と図1(b)とを組み合わせた構造の接合体Aを得た。
【0056】表3に、実施例10の接合体Aの熱抵抗
を、比較例2のものを100として示す。
を、比較例2のものを100として示す。
【0057】
【表3】 表3から判るように、実施例10の熱抵抗は、比較例2
において熱伝導性の良い接着剤を用いたにもかかわら
ず、比較例2のものの1/2程度であり、基材1、2に
金属伝熱体5を離散的に直接接合させることによる熱抵
抗の低減の効果が確認できた。 (実施例11) (1) 金属基材1として厚み2mmのCu−W合金基
板を用意し、厚み3μmのNiめっきを施した。またセ
ラミック基材2として厚み1mmのアルミナ基板を用意
した。 (2) セラミック基材2に、Ti系ろう材(田中貴金
属工業(株)製、「TKC641」)を所定の位置に配
置し、850℃で加熱することによって溶解させて直接
接合し、セラミック基材2の一面全面に2mm間隔で2
×2×厚み0.1mmの寸法の金属伝熱体5を形成し
た。 (3) 上記の金属伝熱体5を直接接合したセラミック
基材2を上記金属基材1に重ね合わせ、800℃で熱処
理することにより、金属伝熱体5の平坦化を行うと共に
金属基材1側にも金属伝熱体5の先端を直接接合し、そ
の後、両基材1、2間のギャップにウレタン系の接着剤
3((株)アサヒ化学研究所製)を充填して厚み100
μmの接着剤3の層4を形成し、図1(c)に示す構造
の接合体Aを得た。 (実施例12) (1) 実施例11と同じ。 (2) 実施例2と同じ。 (3) 接着剤3としてウレタン系の接着剤3((株)
アサヒ化学研究所製)を用いた以外は、実施例11と同
じ。 (実施例13) (1) 実施例11と同じ。 (2) 実施例2と同じ。 (3) 接着剤3としてポリイミド系の接着剤3(宇部
興産製)を用いた以外は実施例11と同じ。 (比較例3) (1) 実施例11と同じ。 (2) 金属基材1及びセラミック基材2のいずれに
も、金属伝熱体5を形成しなかった。 (3) セラミック基材2と金属基材1を、熱伝導性フ
ィラー入りシリコーン系接着剤3(東芝シリコーン
(株)製、「TSE3280−G」)を用いて直接接着
すると共に厚み100μmの接着剤3の層4を形成し
て、接合体を得た。
において熱伝導性の良い接着剤を用いたにもかかわら
ず、比較例2のものの1/2程度であり、基材1、2に
金属伝熱体5を離散的に直接接合させることによる熱抵
抗の低減の効果が確認できた。 (実施例11) (1) 金属基材1として厚み2mmのCu−W合金基
板を用意し、厚み3μmのNiめっきを施した。またセ
ラミック基材2として厚み1mmのアルミナ基板を用意
した。 (2) セラミック基材2に、Ti系ろう材(田中貴金
属工業(株)製、「TKC641」)を所定の位置に配
置し、850℃で加熱することによって溶解させて直接
接合し、セラミック基材2の一面全面に2mm間隔で2
×2×厚み0.1mmの寸法の金属伝熱体5を形成し
た。 (3) 上記の金属伝熱体5を直接接合したセラミック
基材2を上記金属基材1に重ね合わせ、800℃で熱処
理することにより、金属伝熱体5の平坦化を行うと共に
金属基材1側にも金属伝熱体5の先端を直接接合し、そ
の後、両基材1、2間のギャップにウレタン系の接着剤
3((株)アサヒ化学研究所製)を充填して厚み100
μmの接着剤3の層4を形成し、図1(c)に示す構造
の接合体Aを得た。 (実施例12) (1) 実施例11と同じ。 (2) 実施例2と同じ。 (3) 接着剤3としてウレタン系の接着剤3((株)
アサヒ化学研究所製)を用いた以外は、実施例11と同
じ。 (実施例13) (1) 実施例11と同じ。 (2) 実施例2と同じ。 (3) 接着剤3としてポリイミド系の接着剤3(宇部
興産製)を用いた以外は実施例11と同じ。 (比較例3) (1) 実施例11と同じ。 (2) 金属基材1及びセラミック基材2のいずれに
も、金属伝熱体5を形成しなかった。 (3) セラミック基材2と金属基材1を、熱伝導性フ
ィラー入りシリコーン系接着剤3(東芝シリコーン
(株)製、「TSE3280−G」)を用いて直接接着
すると共に厚み100μmの接着剤3の層4を形成し
て、接合体を得た。
【0058】表4に、実施例11乃至13及び比較例3
の接合体のそれぞれの熱抵抗を測定した結果を、比較例
3のものを100として示す。
の接合体のそれぞれの熱抵抗を測定した結果を、比較例
3のものを100として示す。
【0059】
【表4】 表4から判るように、比較例3において熱伝導性の良い
接着剤を用いたにもかかわらず、実施例11乃至13の
熱抵抗は、比較例3のものの1/2程度であり、双方の
基材1、2に金属伝熱体5を直接接合させることによる
熱抵抗の低減の効果が確認できた。 (実施例14) (1) 実施例1と同じ。 (2) セラミック基材2の表面を熱リン酸を用いて粗
面化処理し、一面全面に厚み10μmの無電解銅めっき
及び厚み3μmの無電解Niめっきを施して予めメタラ
イズした後、Sn−Ag系クリーム半田((株)日本ス
ペリア製、「Sn96」)を印刷塗布して、セラミック
基材2の一面全面に2mm間隔で2×2×厚み0.1m
mの寸法の金属伝熱体5を形成した。 (3) 上記セラミック基材2の、金属伝熱体5を形成
した面に、熱伝導性フィラー入りシリコーン接着剤3
(東芝シリコーン(株)製、「TSE3280−G」)
を塗布し、その上から金属基材1を重ね合わせ、250
℃に加熱すると共に50kg/cm2の圧力で5分間加
圧し、金属伝熱体5を溶融すると共に平坦化した後、1
50℃で1時間加熱して接着剤3を硬化させ、100μ
mの接着剤3の層4を形成し、図1(a)に示す構成の
接合体Aを得た。
接着剤を用いたにもかかわらず、実施例11乃至13の
熱抵抗は、比較例3のものの1/2程度であり、双方の
基材1、2に金属伝熱体5を直接接合させることによる
熱抵抗の低減の効果が確認できた。 (実施例14) (1) 実施例1と同じ。 (2) セラミック基材2の表面を熱リン酸を用いて粗
面化処理し、一面全面に厚み10μmの無電解銅めっき
及び厚み3μmの無電解Niめっきを施して予めメタラ
イズした後、Sn−Ag系クリーム半田((株)日本ス
ペリア製、「Sn96」)を印刷塗布して、セラミック
基材2の一面全面に2mm間隔で2×2×厚み0.1m
mの寸法の金属伝熱体5を形成した。 (3) 上記セラミック基材2の、金属伝熱体5を形成
した面に、熱伝導性フィラー入りシリコーン接着剤3
(東芝シリコーン(株)製、「TSE3280−G」)
を塗布し、その上から金属基材1を重ね合わせ、250
℃に加熱すると共に50kg/cm2の圧力で5分間加
圧し、金属伝熱体5を溶融すると共に平坦化した後、1
50℃で1時間加熱して接着剤3を硬化させ、100μ
mの接着剤3の層4を形成し、図1(a)に示す構成の
接合体Aを得た。
【0060】表5に、実施例14の接合体Aの熱抵抗の
測定を行った結果を、比較例1のものを100として示
す。
測定を行った結果を、比較例1のものを100として示
す。
【0061】
【表5】 表5から判るように、接着剤3の硬化時にプレスを行っ
た実施例14のものの熱抵抗は実施例1よりも小さくな
り、金属伝熱体5を半田材料で形成し、金属伝熱体5の
先端とそれに対向する基材1,2との間のギャップを狭
くすることによる熱抵抗の低減の効果が確認できた。 (実施例15) (1) 実施例11と同じ。 (2) 実施例14と同じ。 (3) 両基材1,2を重ね合わせる際に、厚み100
μmの複数個のチップをスペーサー8として両基材1,
2の間に挟み込んだ以外は、実施例14と同じ。
た実施例14のものの熱抵抗は実施例1よりも小さくな
り、金属伝熱体5を半田材料で形成し、金属伝熱体5の
先端とそれに対向する基材1,2との間のギャップを狭
くすることによる熱抵抗の低減の効果が確認できた。 (実施例15) (1) 実施例11と同じ。 (2) 実施例14と同じ。 (3) 両基材1,2を重ね合わせる際に、厚み100
μmの複数個のチップをスペーサー8として両基材1,
2の間に挟み込んだ以外は、実施例14と同じ。
【0062】表6に、実施例15の接合体Aの熱抵抗を
測定した結果を、比較例1のものを100として示す。
測定した結果を、比較例1のものを100として示す。
【0063】
【表6】 表6から判るように、実施例15のものはスペーサー8
を用いたため、熱抵抗は実施例14のものよりも若干大
きくなったが、半田材料からなる金属伝熱体5を加圧し
た際に半田材料が横方向に流れたり、予め塗布された接
着剤3が接着剤3の層4からはみ出たりすることが軽減
され、作業面での改善がなされた。 (実施例16) 実施例15においてセラミック基材2の接着剤3の層4
と反対側の面に配線11を形成すると共に発熱部品9の
搭載部分を設けてセラミック配線基板2aとし、接着剤
3として熱伝導性フィラー入りシリコーン系接着剤3
(東芝シリコーン社製、「TSE3280−G」)を用
い、金属伝熱体5(1.5×1.5×厚み0.1mm)
を接着剤3の層4に2mm間隔で均一に配置するように
設けて、図3の構成の接合体Aを得た。 (実施例17) 実施例16においてセラミック基材2の接着剤3の層4
と反対側の面に配線11を形成すると共に発熱部品9の
搭載部分を設けてセラミック配線基板2aとし、接着剤
3として熱伝導フィラー入りシリコーン系接着剤3(東
芝シリコーン社製、「TSE3280−G」)を用い、
発熱部品9の搭載位置の裏面に相当する部分及びその近
傍以外の部分では、金属伝熱体5は接着剤3の層4に2
mm間隔で均一に配置するように設けると共に、発熱部
品9の搭載位置の裏面に相当する部分及びその近傍で
は、金属伝熱体5を他の部分における金属伝熱体5の占
有密度の2倍となるように設けて、図4の構成の接合体
Aを得た。 (比較例4) 接着剤3の層4内に金属伝熱体5を配置しなかったこと
以外は実施例16と同様の方法を用いて接合体Aを得
た。
を用いたため、熱抵抗は実施例14のものよりも若干大
きくなったが、半田材料からなる金属伝熱体5を加圧し
た際に半田材料が横方向に流れたり、予め塗布された接
着剤3が接着剤3の層4からはみ出たりすることが軽減
され、作業面での改善がなされた。 (実施例16) 実施例15においてセラミック基材2の接着剤3の層4
と反対側の面に配線11を形成すると共に発熱部品9の
搭載部分を設けてセラミック配線基板2aとし、接着剤
3として熱伝導性フィラー入りシリコーン系接着剤3
(東芝シリコーン社製、「TSE3280−G」)を用
い、金属伝熱体5(1.5×1.5×厚み0.1mm)
を接着剤3の層4に2mm間隔で均一に配置するように
設けて、図3の構成の接合体Aを得た。 (実施例17) 実施例16においてセラミック基材2の接着剤3の層4
と反対側の面に配線11を形成すると共に発熱部品9の
搭載部分を設けてセラミック配線基板2aとし、接着剤
3として熱伝導フィラー入りシリコーン系接着剤3(東
芝シリコーン社製、「TSE3280−G」)を用い、
発熱部品9の搭載位置の裏面に相当する部分及びその近
傍以外の部分では、金属伝熱体5は接着剤3の層4に2
mm間隔で均一に配置するように設けると共に、発熱部
品9の搭載位置の裏面に相当する部分及びその近傍で
は、金属伝熱体5を他の部分における金属伝熱体5の占
有密度の2倍となるように設けて、図4の構成の接合体
Aを得た。 (比較例4) 接着剤3の層4内に金属伝熱体5を配置しなかったこと
以外は実施例16と同様の方法を用いて接合体Aを得
た。
【0064】実施例16、実施例17、及び比較例4の
接合体Aにおいて、接合体Aの金属基材1側にそれぞれ
同じ放熱フィンを取り付けると共に、セラミック配線基
板2aの表面に発熱部品9として小型トランスを搭載し
て回路を駆動させ、それぞれの接合体Aの放熱特性をサ
ーモグラフによって観察したところ、実施例16及び実
施例17のものは、比較例4のものよりも熱伝導速度が
速いことが確認された。また発熱部品9の搭載部の裏面
及びその近傍に金属伝熱体5を高密度に配置した実例例
17のもののほうが、実施例16のものと比較して効率
的に発生した熱を逃がすことができることが確認でき
た。 (実施例18) 実施例17の構成において、発熱部品9としてパワーI
Cを用い、この発熱部品9と配線11とを接続するワイ
ヤ9aが、配線11と接続される位置の裏面に相当する
部分及びその近傍にも、発熱部品9の搭載位置の裏面に
相当する部分及びその近傍と同様に金属伝熱体5を他の
部分における金属伝熱体5の占有密度の2倍となるよう
に設けて、図5の構成の接合体Aを得た。
接合体Aにおいて、接合体Aの金属基材1側にそれぞれ
同じ放熱フィンを取り付けると共に、セラミック配線基
板2aの表面に発熱部品9として小型トランスを搭載し
て回路を駆動させ、それぞれの接合体Aの放熱特性をサ
ーモグラフによって観察したところ、実施例16及び実
施例17のものは、比較例4のものよりも熱伝導速度が
速いことが確認された。また発熱部品9の搭載部の裏面
及びその近傍に金属伝熱体5を高密度に配置した実例例
17のもののほうが、実施例16のものと比較して効率
的に発生した熱を逃がすことができることが確認でき
た。 (実施例18) 実施例17の構成において、発熱部品9としてパワーI
Cを用い、この発熱部品9と配線11とを接続するワイ
ヤ9aが、配線11と接続される位置の裏面に相当する
部分及びその近傍にも、発熱部品9の搭載位置の裏面に
相当する部分及びその近傍と同様に金属伝熱体5を他の
部分における金属伝熱体5の占有密度の2倍となるよう
に設けて、図5の構成の接合体Aを得た。
【0065】実施例18の接合体Aでは、配線11上の
ワイヤ9aとの接続位置の裏面及びその近傍に、他の部
分よりも高密度に金属伝熱体5を配置したので、配線1
1とワイヤ9aとのワイヤボンド時に配線11上のワイ
ヤ9aとの接続位置に印加される超音波が接着剤3の層
4に吸収されることを高密度の金属伝熱体5にて抑制す
ることができ、その結果ワイヤ9aの結線不良が低減
し、作業面での改善がなされたことが確認できた。 (実施例19) 実施例18の構成に加えて、セラミック配線基板2aの
配線11上の一部に、Sn−Ag系半田((株)日本ス
ペリア製、「Sn96」)を印刷することによって0.
5×0.5×高さ0.1mmの寸法の複数の金属伝熱体
5を0.5mmの間隔で形成し、250℃の温度でリフ
ローした後、銅製のリードフレーム10を、配線11上
の金属伝熱体5を形成した箇所に重ね、250℃の温度
で再リフローした。その後、リードフレーム10と配線
11とのギャップ内に接着剤3(東芝シリコーン社製、
「TSE3250」)をシリンジにて注入し、リードフ
レーム10と配線11の間の接合層の厚みが100μm
である接合構造を形成して、図6に示す構成の接合体A
を得た。
ワイヤ9aとの接続位置の裏面及びその近傍に、他の部
分よりも高密度に金属伝熱体5を配置したので、配線1
1とワイヤ9aとのワイヤボンド時に配線11上のワイ
ヤ9aとの接続位置に印加される超音波が接着剤3の層
4に吸収されることを高密度の金属伝熱体5にて抑制す
ることができ、その結果ワイヤ9aの結線不良が低減
し、作業面での改善がなされたことが確認できた。 (実施例19) 実施例18の構成に加えて、セラミック配線基板2aの
配線11上の一部に、Sn−Ag系半田((株)日本ス
ペリア製、「Sn96」)を印刷することによって0.
5×0.5×高さ0.1mmの寸法の複数の金属伝熱体
5を0.5mmの間隔で形成し、250℃の温度でリフ
ローした後、銅製のリードフレーム10を、配線11上
の金属伝熱体5を形成した箇所に重ね、250℃の温度
で再リフローした。その後、リードフレーム10と配線
11とのギャップ内に接着剤3(東芝シリコーン社製、
「TSE3250」)をシリンジにて注入し、リードフ
レーム10と配線11の間の接合層の厚みが100μm
である接合構造を形成して、図6に示す構成の接合体A
を得た。
【0066】実施例19の接合体Aでは、裏面側の金属
基材1とセラミック配線基板2aとの接合と、表側のリ
ードフレーム10とセラミック配線基板2a上の配線1
1との接合を、それぞれ金属伝熱体5を用いて同時に行
えるので、導体厚みが必要な大電流回路を効率的に形成
することができた。
基材1とセラミック配線基板2aとの接合と、表側のリ
ードフレーム10とセラミック配線基板2a上の配線1
1との接合を、それぞれ金属伝熱体5を用いて同時に行
えるので、導体厚みが必要な大電流回路を効率的に形成
することができた。
【0067】また、リードフレーム10の接続が行われ
ない配線11は制御用回路として利用することができ、
大電流回路と制御回路とが共存する配線板を得ることも
できた。
ない配線11は制御用回路として利用することができ、
大電流回路と制御回路とが共存する配線板を得ることも
できた。
【0068】
【発明の効果】上記のように請求項1の発明は、金属基
材とセラミック基材とが接着剤を介して張り合わされた
接合体において、金属基材とセラミック基材の少なくと
も一方に、外圧により変形可能な金属伝熱体を直接的に
接合すると共に、この金属伝熱体を金属基材とセラミッ
ク基材との間に配置するため、金属基材とセラミック基
材との間の熱伝導率を高めることができ、その結果、熱
伝導性フィラーを含む接着剤のみで接合された従来の接
合体よりも熱伝導性に優れた金属基材とセラミック基材
の接合体を得ることができるものである。また一方の基
材に直接的に接合された金属伝熱体の、他方の基材に対
向する面を予め加圧することによって、金属伝熱体の形
状を他方の基材の形状に容易に追随させることができ、
反りやうねりを有する基材を用いる場合でも金属伝熱体
と基材との間に隙間が生じて熱伝導性が部分的に悪くな
ることを防ぎ、熱伝導性のばらつきの小さい金属基材と
セラミック基材との接合体を得ることができるものであ
る。
材とセラミック基材とが接着剤を介して張り合わされた
接合体において、金属基材とセラミック基材の少なくと
も一方に、外圧により変形可能な金属伝熱体を直接的に
接合すると共に、この金属伝熱体を金属基材とセラミッ
ク基材との間に配置するため、金属基材とセラミック基
材との間の熱伝導率を高めることができ、その結果、熱
伝導性フィラーを含む接着剤のみで接合された従来の接
合体よりも熱伝導性に優れた金属基材とセラミック基材
の接合体を得ることができるものである。また一方の基
材に直接的に接合された金属伝熱体の、他方の基材に対
向する面を予め加圧することによって、金属伝熱体の形
状を他方の基材の形状に容易に追随させることができ、
反りやうねりを有する基材を用いる場合でも金属伝熱体
と基材との間に隙間が生じて熱伝導性が部分的に悪くな
ることを防ぎ、熱伝導性のばらつきの小さい金属基材と
セラミック基材との接合体を得ることができるものであ
る。
【0069】また、金属伝熱体を金属基材とセラミック
基材との間に離散的に配置するため、両基材間の熱膨張
率の差が大きく、接合体が加熱された際に金属基材とセ
ラミック基材との間の熱膨張係数の差のために両基材間
に応力がかかっても、金属伝熱体間に介在する接着剤の
弾性変形にて応力を吸収することができ、金属伝熱体と
両基材との接合界面への応力の集中を緩和して基材と金
属伝熱体との接合が解離することを防止することができ
るものである。
基材との間に離散的に配置するため、両基材間の熱膨張
率の差が大きく、接合体が加熱された際に金属基材とセ
ラミック基材との間の熱膨張係数の差のために両基材間
に応力がかかっても、金属伝熱体間に介在する接着剤の
弾性変形にて応力を吸収することができ、金属伝熱体と
両基材との接合界面への応力の集中を緩和して基材と金
属伝熱体との接合が解離することを防止することができ
るものである。
【0070】また請求項2の発明は、金属伝熱体を金属
伝熱体の融点以上に加熱した状態で、金属基材とセラミ
ック基材とで金属伝熱体を挟んで加圧することにより、
金属伝熱体を金属基材とセラミック基材の少なくとも一
方に直接的に接合するため、金属伝熱体の形状を他方の
基材の形状に更に容易に追随させることができ、同時に
金属伝熱体を双方の基材に接合することもできるもので
ある。
伝熱体の融点以上に加熱した状態で、金属基材とセラミ
ック基材とで金属伝熱体を挟んで加圧することにより、
金属伝熱体を金属基材とセラミック基材の少なくとも一
方に直接的に接合するため、金属伝熱体の形状を他方の
基材の形状に更に容易に追随させることができ、同時に
金属伝熱体を双方の基材に接合することもできるもので
ある。
【0071】また請求項3の発明は、金属伝熱体とし
て、融点が金属基材及びセラミック基材の融点よりも低
いものを用いるため、金属伝熱体を基材に接合した状態
で金属伝熱体を加熱して溶融する場合、基材が溶融する
おそれがないものである。
て、融点が金属基材及びセラミック基材の融点よりも低
いものを用いるため、金属伝熱体を基材に接合した状態
で金属伝熱体を加熱して溶融する場合、基材が溶融する
おそれがないものである。
【0072】また請求項4の発明は、金属伝熱体を突起
物として形成するため、金属伝熱体と両基材との接合界
面への応力の集中を緩和する効果が高く、接合体の寸法
が大きくなって応力の影響が高くなる場合であっても、
基材と金属伝熱体との接合が解離することを防止するこ
とができるものである。
物として形成するため、金属伝熱体と両基材との接合界
面への応力の集中を緩和する効果が高く、接合体の寸法
が大きくなって応力の影響が高くなる場合であっても、
基材と金属伝熱体との接合が解離することを防止するこ
とができるものである。
【0073】また請求項5の発明は、金属伝熱体がはん
だ材料であるため、基材間に金属伝熱体を介在させた
後、外部から基材に僅かに荷重をかけて加圧すると共に
加熱することによって、反りやうねりを有する基材を用
いる場合でも、金属伝熱体と基材との間に隙間が生じて
熱伝導性が部分的に悪くなることを防ぎ、熱伝導性のば
らつきの小さい金属基材とセラミック基材との接合体を
得ることができるものである。
だ材料であるため、基材間に金属伝熱体を介在させた
後、外部から基材に僅かに荷重をかけて加圧すると共に
加熱することによって、反りやうねりを有する基材を用
いる場合でも、金属伝熱体と基材との間に隙間が生じて
熱伝導性が部分的に悪くなることを防ぎ、熱伝導性のば
らつきの小さい金属基材とセラミック基材との接合体を
得ることができるものである。
【0074】また請求項6の発明は、金属基材と対向す
る面がメタライズされたセラミック基材から成るため、
セラミック基材に金属伝熱体を直接的に接合する際、容
易に接合することができるものである。
る面がメタライズされたセラミック基材から成るため、
セラミック基材に金属伝熱体を直接的に接合する際、容
易に接合することができるものである。
【0075】また請求項7の発明は、金属基材とセラミ
ック基材との間にスペーサーを介在させるため、基材同
士を接合する際に荷重をかけながらはんだ材料を溶融さ
せても基材間の距離が、狭まり過ぎることがなくなり、
両基材のギャップが狭い領域に配置されているはんだ材
料が、該領域から横方向に流れ出るようなことを防ぐこ
とができると共に、予め塗布されていた接着剤が金属基
材とセラミック基材との間からはみ出ないようにするこ
とができるものである。
ック基材との間にスペーサーを介在させるため、基材同
士を接合する際に荷重をかけながらはんだ材料を溶融さ
せても基材間の距離が、狭まり過ぎることがなくなり、
両基材のギャップが狭い領域に配置されているはんだ材
料が、該領域から横方向に流れ出るようなことを防ぐこ
とができると共に、予め塗布されていた接着剤が金属基
材とセラミック基材との間からはみ出ないようにするこ
とができるものである。
【0076】また請求項8の発明は、セラミック基材と
してセラミック配線基板を用い、該セラミック配線基板
上における発熱部品の搭載位置の裏面及びその近傍に配
置される金属伝熱体の占有密度が他の部分における金属
伝熱体の占有密度よりも高いため、接合体の熱伝導率
は、発熱部品の搭載位置及びその近傍が他の部分よりも
高められ、発熱部品から発せられる熱を効率的に放熱す
ることができるものである。
してセラミック配線基板を用い、該セラミック配線基板
上における発熱部品の搭載位置の裏面及びその近傍に配
置される金属伝熱体の占有密度が他の部分における金属
伝熱体の占有密度よりも高いため、接合体の熱伝導率
は、発熱部品の搭載位置及びその近傍が他の部分よりも
高められ、発熱部品から発せられる熱を効率的に放熱す
ることができるものである。
【0077】また請求項9の発明は、セラミック基材と
してセラミック配線基板を用い、該セラミック配線基板
の配線上におけるワイヤボンディングがなされる部分の
裏面及びその近傍に配置される金属伝熱体の占有密度が
他の部分における金属伝熱体の占有密度よりも高いた
め、配線とワイヤとのワイヤボンディングを行うにあた
り、超音波によりワイヤボンディングを行うワイヤボン
ダーから発せられる超音波が接着剤の層に吸収されてボ
ンディング不良を起こすことを、配線上のワイヤボンデ
ィング位置の裏面及びその近傍に高い占有密度にて配置
されている金属伝熱体により防ぎ、ワイヤボンド接続を
歩留まり良く実施することができるものである。
してセラミック配線基板を用い、該セラミック配線基板
の配線上におけるワイヤボンディングがなされる部分の
裏面及びその近傍に配置される金属伝熱体の占有密度が
他の部分における金属伝熱体の占有密度よりも高いた
め、配線とワイヤとのワイヤボンディングを行うにあた
り、超音波によりワイヤボンディングを行うワイヤボン
ダーから発せられる超音波が接着剤の層に吸収されてボ
ンディング不良を起こすことを、配線上のワイヤボンデ
ィング位置の裏面及びその近傍に高い占有密度にて配置
されている金属伝熱体により防ぎ、ワイヤボンド接続を
歩留まり良く実施することができるものである。
【図1】(a)乃至(c)はそれぞれ本発明の実施の形
態の例を示す断面図である。
態の例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の他の例を示す断面図であ
る。
る。
【図3】本発明の実施の形態の更に他の例を示す断面図
である。
である。
【図4】本発明の実施の形態の更に他の例を示す断面図
である。
である。
【図5】本発明の実施の形態の更に他の例を示す断面図
である。
である。
【図6】本発明の実施の形態の更に他の例を示す断面図
である。
である。
A 接合体 1 金属基材 2 セラミック基材 2a セラミック配線基板 3 接着剤 4 接着剤の層 5 金属伝熱体 8 スペーサー 9 発熱部品 11 配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−208033(JP,A) 特開 昭57−156381(JP,A) 特公 平8−10710(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00
Claims (9)
- 【請求項1】 金属基材とセラミック基材とが接着剤を
介して張り合わされた接合体において、金属基材とセラ
ミック基材の少なくとも一方に、外圧により変形可能な
金属伝熱体を直接的に接合すると共に、この金属伝熱体
を金属基材とセラミック基材との間に離散的に配置して
成ることを特徴とする金属基材とセラミック基材との接
合体。 - 【請求項2】 金属伝熱体を金属伝熱体の融点以上に加
熱した状態で、金属基材とセラミック基材とで金属伝熱
体を挟んで加圧することにより、金属伝熱体を金属基材
とセラミック基材の少なくとも一方に直接的に接合して
成ることを特徴とする請求項1に記載の金属基材とセラ
ミック基材との接合体。 - 【請求項3】 金属伝熱体として、融点が金属基材及び
セラミック基材の融点よりも低いものを用いて成ること
を特徴とする請求項1又は2に記載の金属基材とセラミ
ック基材との接合体。 - 【請求項4】 金属伝熱体を突起物として形成して成る
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の金
属基材とセラミック基材との接合体。 - 【請求項5】 金属伝熱体がはんだ材料であることを特
徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の金属基材と
セラミック基材との接合体。 - 【請求項6】 金属基材と対向する面がメタライズされ
たセラミック基材から成ることを特徴とする請求項1乃
至5のいずれかに記載の金属基材とセラミッ基材との接
合体。 - 【請求項7】 金属基材とセラミック基材との間にスペ
ーサーを介在させて成ることを特徴とする請求項1乃至
6のいずれかに記載の金属基材とセラミック基材との接
合体。 - 【請求項8】 セラミック基材としてセラミック配線基
板を用い、該セラミック配線基板上における発熱部品の
搭載位置の裏面及びその近傍に配置される金属伝熱体の
占有密度が他の部分における金属伝熱体の占有密度より
も高いことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記
載の金属基材とセラミック基材との接合体。 - 【請求項9】 セラミック基材としてセラミック配線基
板を用い、該セラミック配線基板の配線上におけるワイ
ヤボンディングがなされる部分の裏面及びその近傍に配
置される金属伝熱体の占有密度が他の部分における金属
伝熱体の占有密度よりも高いことを特徴とする請求項1
乃至8のいずれかに記載の金属基材とセラミック基材と
の接合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16553198A JP3352029B2 (ja) | 1997-06-13 | 1998-06-12 | 金属基材とセラミック基材との接合体 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-157191 | 1997-06-13 | ||
JP15719197 | 1997-06-13 | ||
JP16553198A JP3352029B2 (ja) | 1997-06-13 | 1998-06-12 | 金属基材とセラミック基材との接合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1158596A JPH1158596A (ja) | 1999-03-02 |
JP3352029B2 true JP3352029B2 (ja) | 2002-12-03 |
Family
ID=26484743
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16553198A Expired - Fee Related JP3352029B2 (ja) | 1997-06-13 | 1998-06-12 | 金属基材とセラミック基材との接合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3352029B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5027592B2 (ja) * | 2007-08-20 | 2012-09-19 | パナソニック株式会社 | 静電霧化装置 |
JP6918311B2 (ja) * | 2017-05-11 | 2021-08-11 | 富士電機株式会社 | 金属接合体、金属接合体の製造方法、半導体装置および半導体装置の製造方法 |
-
1998
- 1998-06-12 JP JP16553198A patent/JP3352029B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1158596A (ja) | 1999-03-02 |
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Date | Code | Title | Description |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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