JP3351968B2 - 面状電気暖房器 - Google Patents

面状電気暖房器

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JP3351968B2
JP3351968B2 JP30427796A JP30427796A JP3351968B2 JP 3351968 B2 JP3351968 B2 JP 3351968B2 JP 30427796 A JP30427796 A JP 30427796A JP 30427796 A JP30427796 A JP 30427796A JP 3351968 B2 JP3351968 B2 JP 3351968B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芯材に発熱線を巻
回して形成した線状発熱体を暖房器本体に配設し、該発
熱線への通電を制御して暖房を行う面状電気暖房器に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電気暖房器を電気カーペットにお
いて説明すると、電気カーペットは、断熱性のよいフェ
ルト等の裏布に発熱体(温度検知用の温度検知線が一体
のものは、発熱体のみ,温度検知用の感熱体が別線のも
のは、発熱体と感熱体をそれぞれ)が蛇行状に配設さ
せ、この裏布にタフトされた表布が接着固定されて暖房
器本体が形成され、この暖房器本体の外面角部にコント
ローラが設けられ、このコントローラに上記発熱線への
通電を制御して暖房器本体の表面温度を設定温度に制御
する制御回路が設けられていた。
【0003】上記電気カーペットに用いる発熱体40を
第1の従来例として図7に示す。図7において、ポリエ
ステル等でなる巻芯41に銅合金でなる発熱線42が螺
旋状に巻回され、この発熱線42に異常な温度上昇によ
る過熱が生じた場合に融解するナイロン等でなる絶縁体
43が設けられ、この絶縁体43に当該絶縁体が融解し
たことを検知する検知線44が螺旋状に巻回され、この
検知線44が耐熱塩化ビニル等でなる絶縁用外被45で
覆われて形成されていた。なお、温度検知用の検知線が
一体となっている発熱体の場合は、制御用温度検知と兼
用される。
【0004】しかし、図7に示したような発熱体40を
使用する電気カーペットであれば、発熱線42に流れる
電流で磁界が発生していた。そこで、発熱線から発生す
る磁界を互いに打ち消すことによって、磁界の発生を押
えるようとするものが、特開平4−278125号公報
に開示されており、これを第2の従来例として図8に示
して説明する。
【0005】図8において、発熱体60に第1の発熱線
52,第2の発熱線54を設け、第1の発熱線52と第
2の発熱線54とには、逆向きの電流が流れるよう構成
される。すなわち、ポリエステル製の巻芯51に、銅合
金製の第1の発熱体52が螺旋状に巻回され、第1の発
熱線52にポリイミド等のピンホールのない耐熱絶縁体
53が設けられ、この耐熱絶縁体53に第2の発熱線5
4が螺旋状に巻回され、この第2の発熱線54にナイロ
ン等でなる絶縁体55が設けられ、この絶縁体55に、
温度制御用の検知線56が螺旋状に巻回され、この検知
線56が耐熱塩化ビニル等でなる絶縁用外被57で覆わ
れて形成されていた。
【0006】第3の従来例としては図9に示すものがあ
り、近距離して平行な巻芯71,72にそれぞれ第1の
発熱線73、第2の発熱線74を螺旋状に巻回して、第
1の発熱線73、第2の発熱線74にそれぞれ絶縁体7
5が設けられ、この絶縁体75に当該絶縁体75が溶解
したことを検知する検知線76が螺旋状に巻回され、こ
の検知線76が耐熱塩化ビニル等でなる絶縁用外被77
で覆われて形成されていた。なお、温度検知用の検知線
が一体の発熱体については、制御用温度検知と兼用され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術の欠
点問題を具体的に記載する。第2の従来例、第3の従来
例に示すような発熱体使用の電気カーペットであれば、
第1の発熱線、第2の発熱線から発生する磁界を互いに
打ち消すことによって、磁界の発生を押えることはでき
るが、電気カーペットの制御不能の場合、あるいは、外
部過熱、発熱線の半断線状態等で発熱体が異常過熱した
場合には、過熱検知が上手くできないという安全機能面
において不安定要素がある。
【0008】その理由は本来の安全機能動作は、第2の
従来例の場合では、発熱線の異常過熱(170℃前後)
になると、絶縁体55は融解し検知線56が第2の発熱
線54に接触することで、本来絶縁されている箇所が回
路接続され安全機能が動作するに至る。しかし、第1の
発熱線52の半断線の異常加熱により発生した熱は拡散
してしまい、絶縁体55が溶解することなく、検知線5
6により異常加熱を検知することは困難であった。
【0009】また、第3の従来例の場合では、発熱線の
異常過熱(170℃前後)になると、絶縁体75は融解
し、検知線76が第1の発熱線73、あるいは、第2の
発熱線74に接触することで、本来絶縁されている箇所
が回路接続され安全機能が動作するに至る。しかし、異
常過熱時に検知線が接触して検知する前に第1の発熱線
73と第2の発熱線74とが短絡する恐れがあった。
【0010】本発明は、発熱体からの磁気の発生を低減
すると共に、発熱線の異常過熱を確実に検知できる面状
電気暖房器を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の電気暖房器は上
記のような課題を解決するもので、暖房器本体に配設さ
れた発熱体の構造改善に関するものである。磁界の発生
を押える目的で発熱体に第1の発熱線とそれに平行に逆
電流を流し、磁界を互いに打消し合うべく第2の発熱線
を設け、尚且つ発熱線の異常過熱時の安全機能動作が焼
損、発火等に至らないよう確実である構造とした。
【0012】
【0013】
【0014】本発明の発熱体は、図5に示す構造であ
、図5はポリエステル等でなり近接して平行に配置さ
れた、第1の巻芯1と第2の巻芯2に、それぞれに第1
の発熱線3、第2の発熱線4を螺旋状に巻回し、この第
1の発熱線3、第2の発熱線4にそれぞれ異常な温度上
昇による過熱が生じた場合に融解するナイロン等でなる
絶縁体5,6を設け、この絶縁体5に温度検知線7を螺
旋状に巻回し、絶縁体6に銅合金等からなる導線8を螺
旋状に巻回し、この温度検知線7と導線8が近接した状
態で耐熱塩化ビニル等でなる絶縁用外被9で覆って一体
としている。また、導線8の両端を短絡して、温度検知
線7の一端と接続していることで、上記第1の発熱線お
よび/または第2の発熱線の異常過熱を検知する検知手
段を形成している。
【0015】したがって、この発熱体10においては、
第1の発熱線3、第2の発熱線4にそれぞれ異常な温度
上昇による過熱が生じた場合にそれぞれ絶縁体5、絶縁
体6が融解して、第1の発熱線3には温度検知線7が、
第2の発熱線4には導線8が確実に接触する。
【0016】上記構成によれば、本発明の面状電気暖房
器は、発熱体の一端の第1の発熱線と第2の発熱線とを
直列に接続して、もう一端の第1発熱線と第2の発熱線
に電気を供給することで、第1の発熱線、第2の発熱線
に通電され暖房を行う。
【0017】この時に、第1の発熱線に流れる電流と第
2の発熱線とに流れる電流は、逆方向、同じ電流量であ
りその互いの発熱線が極近接しているため、互いに発生
している磁界が同じ強度で逆の方向性となり、磁界を互
いに打消し合う効果を発揮する。また、第1の発熱線と
第2の発熱線がそれぞれ異常な温度上昇による過熱が生
じた場合に融解するナイロン等でなる絶縁体を介して、
その温度異常を検知するため温度検知線、あるいは、導
線を設けた構造により異常時の安全機能動作が確実にな
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の面状電気暖房器の
各実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】<第1の実施の形態>本発明の電気暖房器
を電気カーペットに用いた第1の実施の形態を説明す
る。本発明の電気カーペットは、図1,図2に示すよう
に、断熱性の良い素材(例えばポリエステルのフェルト
等)からなる裏布11上に、通電により発熱する発熱線
を有する発熱体30を蛇行状に配設し、この発熱体30
の上からハードニーパンやタフト生地からなる表布12
を接着固定する。さらに、裏布11と表布12との全周
縁に、オーバーロック縫製した縫製部13を形成し、カ
ーペット本体15を形成する。また、このカーペット本
体15の角部に、上記発熱体の構成部である温度検知線
によって発熱線への通電を制御する制御回路(図4に示
す)を有したコントローラ14を設けている。
【0020】上記発熱体30は、図3に示すようにポリ
エステル等からなる巻芯21に、銅合金でなる第1の発
熱線22を螺旋状に巻回し、該第1の発熱線22を異常
な温度上昇による過熱が生じた場合に融解(170℃前
後で融解)するナイロン等からなる絶縁体23で被覆す
る。また、該絶縁体23に当該絶縁体23が融解した
時、第1の発熱線22と短絡して安全装置を作動させる
と共に、温度制御するための検知も兼ねる温度検知線2
4を螺旋状に巻回す。さらに、当該温度検知線24を絶
縁体23と同質の絶縁体25を被覆し、当該絶縁体25
に第2の発熱線26を螺旋状に巻回し、当該第2の発熱
線26を耐熱塩化ビニル等からなる絶縁用外被で被覆し
て形成している。
【0021】そして、上記第1の発熱線22の一端2
2′をコントローラ14の制御回路に接続し、該第1の
発熱線の他端22を該第2の発熱線の一端26に接続
し、該第2の発熱線の他端26′を制御回路に接続して
いる。また、図4に示すように、上記第1の発熱線22
と第2の発熱線26との接続点を折り返し点として接続
しているから、通電が行われると電流が第1の発熱線を
流れて接続点から返って第2の発熱線26に流れ常に第
1の発熱線22と第2の発熱線26には逆方向の電流が
流れる。
【0022】次に、上記構成の電気カーペットの動作を
説明すると、制御回路から第1の発熱線22及び第2の
発熱線26に通電を行い、該第1の発熱線22及び第2
の発熱線26が発熱して温度が上昇すると、この温度を
温度検知線24が検知して、この温度検知線24からの
検知信号に基づいて、制御回路の自動温度調節器SCR
がOFF−ONしてこの自動温度調節器SCRに直列に
接続された、第1の発熱線22及び第2の発熱線26へ
の通電を制御して所望の温度での暖房を行う。
【0023】次に、制御回路部品故障(特に自動温度調
節器SCRがOFFしない故障)や、外部過熱また発熱
線の半断線等の異常状態が発生し、発熱線の異常温度上
昇となると焼損、発煙に至る前に制御回路の安全機能が
動作する。
【0024】その安全機能の動作を説明すると、第1の
発熱線22の一カ所でも上記の異常過熱(170℃前
後)になると、その箇所の第1の発熱線22を覆ってい
る絶縁体23が融解し、本来絶縁されている温度検知線
24と第1の発熱線22が短絡する。また、同じように
第2の発熱線26部が異常過熱になるとその箇所の絶縁
体25が融解し温度検知線24と第2の発熱線が短絡す
る。
【0025】このとき電気の流れは図4において、電源
スイッチSW→温度ヒューズT.F→抵抗R21(温度
ヒューズT.Fに一体の抵抗)→ダイオードD6→温度
検知線24→第1の発熱線22または第2の発熱線26
→電流ヒューズI.Fとなる。このように、本来抵抗R
21に流れない電流が流れ、抵抗R21が過熱されその
熱で温度ヒューズT.Fが動作することにより、発熱線
への通電を止め安全を保つことができる。
【0026】<第2の実施の形態>次に、本発明の第2
の実施の形態を説明する。なお、上記第1の実施の形態
と同一部分の詳細な説明は省略する。第1の実施の形態
とは発熱体の構成のみが異なるもので、図1,図2に示
す構成は同じである。
【0027】第2の実施の形態の発熱体は図5に示すよ
うに、ポリエステル等でなり近接して平行に配置された
第1の巻芯1及び第2の巻芯2に、それぞれ第1の発熱
線3,第2の発熱線4を螺旋状に巻回す。さらに、この
第1の発熱線3,第2の発熱線4に、それぞれ異常な温
度上昇による過熱が生じた場合に融解するナイロン等で
なる絶縁体5,絶縁体6を設ける。
【0028】そして、絶縁体5に温度検知線7を螺旋状
に巻回し、絶縁体6に銅合金等からなる導線8を螺旋状
に巻回し、この温度検知線7と導線8とが近接した状態
で耐熱塩化ビニル等でなる絶縁用外被9で覆って一体と
する。そして、上記第1の発熱線の一端3′をコントロ
ーラ14の制御回路に接続し、該第1の発熱線の他端3
を該第2の発熱線の一端4に接続し、該第2の発熱線の
他端4′を制御回路に接続する。
【0029】上記第1の発熱線3と第2の発熱線4との
接続点を折り返し点として接続しているから、通電が行
われると電流が第1の発熱線を流れて接続点から返って
第2の発熱線に流れ、常に第1の発熱線3と第2の発熱
線4には逆方向の電流が流れる。
【0030】次に、第2の実施の形態の動作説明する。
制御回路から第1の発熱線3及び第2の発熱線4に通電
を行い、該第1の発熱線3及び第2の発熱線4が発熱し
て温度が上昇するとこの温度を温度検知線7が検知し
て、この温度検知線7からの検知信号に基づいて、制御
回路の自動温度調節器SCRがOFF−ONしてこの自
動温度調節器SCRに直列に接続された、第1の発熱線
3及び第2の発熱線4への通電を制御して所望の温度で
の暖房を行う。
【0031】異常温度上昇時の安全機能の動作説明する
と、第1の発熱線3の異常過熱(170℃前後)になる
と、第1の発熱線3を覆っている絶縁体5が融解して温
度検知線7と短絡する。また、同じように第2の発熱線
4が異常過熱になって絶縁体6が融解して導線8と短絡
する。図6に示すように、この導線は両端8,8′を短
絡して温度検知線の一端7と接続しているため、第1の
実施の形態で説明したように、第1の発熱線3、また
は、第2の発熱線4のどちらかが異常となっても、本来
抵抗R21に流れない電流が流れ、抵抗R21が過熱さ
れその熱で温度ヒューズT.Fを動作させ安全を保つこ
とができる。
【0032】
【発明の効果】本発明の電気暖房器は、上記のような構
成であるため、第1の発熱線と第2の発熱線により、通
電時に発生する磁界を低減て、電磁ノイズの発生を防
止すると共に、発熱線を2本設けた場合でも、第2の導
線の両端を短絡して第1の導線の一端と接続すること
で、上記第1の発熱線および/または第2の発熱線の異
常過熱を検知した場合には、第1の発熱線と第2の発熱
線への通電を止める保全手段を設けているので、発熱線
の半断線等の異常発熱時に、2本の発熱線が互いに短絡
することなく、安全機能動作を確実に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面状電気暖房器を示す概略平面図であ
る。
【図2】図1の面状電気暖房器本体の断面図である。
【図3】本発明の面状電気暖房器の第1の実施の形態の
発熱体の要部拡大図である。
【図4】本発明の電気暖房器の第1の実施の形態に用い
る回路図である。
【図5】本発明の面状電気暖房器の第2の実施の形態の
発熱体の要部拡大図である。
【図6】本発明の電気暖房器の第2の実施の形態に用い
る発熱体接続部の回路図である。
【図7】第1の従来例の面状電気暖房器に用いる発熱体
の要部拡大図である。
【図8】第2の従来例の面状電気暖房器に用いる発熱体
の要部拡大図である。
【図9】第3の従来例の面状電気暖房器に用いる発熱体
の要部拡大図である。
【符号の説明】
1,2,21 巻芯 3,22 第1の発熱線 4,26 第2の発熱線 5,6,23,25 絶縁体 7,24 温度検知線 8 導線 9,27 絶縁用外被 10,30 発熱体 15 カーペット本体 11 裏布 12 表布 13 縫製部 14 コントローラ SCR 自動温度調節器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 3/00 F24D 13/02 H05B 3/56 H05B 3/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱体を暖房器本体に面的に配設し、該
    発熱体への通電を制御して暖房を行う面状電気暖房器に
    おいて、 第1の巻芯と、該第1の巻芯に巻回す第1の発熱線と、
    該第1の発熱線を被覆する第1の絶縁体と、該第1の絶
    縁体に巻回す第1の導線とから構成する第1の発熱体
    と、 第2の巻芯と、該第2の巻芯に巻回す第2の発熱線と、
    該第2の発熱線を被覆する第2の絶縁体と、該第2の絶
    縁体に巻回す第2の導線とから構成する第2の発熱体と
    を備え、 上記第1の発熱体と第2の発熱体とを、平行に配置して
    その両者を絶縁用外被で覆い一体にした一体型発熱体と
    し、上記第1の発熱線と第2の発熱線に逆方向の電流を
    流すとともに、 上記第2の導線の両端を短絡して上記第1の導線の一端
    に接続することで、上記第1の発熱線および/または第
    2の発熱線の異常過熱を検知した場合には、第1の発熱
    線と第2の発熱線への通電を止める保全手段を設けたこ
    とを特徴とする面状電気暖房器。
  2. 【請求項2】 上記発熱体を暖房器本体に配設した状態
    で、上記第1の発熱線と第2の発熱線とを直列に接続す
    ることを特徴とする請求項1に記載の面状電気暖房器。
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