JP3351703B2 - 射出成形機用ノズルの温度制御方法および温度制御装置 - Google Patents

射出成形機用ノズルの温度制御方法および温度制御装置

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JP3351703B2 JP09434497A JP9434497A JP3351703B2 JP 3351703 B2 JP3351703 B2 JP 3351703B2 JP 09434497 A JP09434497 A JP 09434497A JP 9434497 A JP9434497 A JP 9434497A JP 3351703 B2 JP3351703 B2 JP 3351703B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出ノズルと射出
シリンダとが複数個の加熱ゾーンに分けられ、それぞれ
の加熱ゾーンに加熱ヒータが設けられている射出成形機
用ノズルの温度制御方法および温度制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】射出成形機は、周知のように、樹脂材料
を混練溶融するための射出シリンダを備えている。そし
て、その先方端には、この射出シリンダで溶融された樹
脂を金型へ射出するための射出ノズルが設けられてい
る。このような、射出シリンダと射出ノズルの外周部に
は加熱ヒータが設けられている。したがって、射出シリ
ンダに樹脂材料を供給し、スクリュウを回転駆動する
と、加熱ヒータから加えられる熱と、スクリュウの回転
による剪断力、摩擦力等による発熱作用とにより樹脂材
料は、可塑化される。そこで、スクリュウを軸方向に駆
動すると、可塑化された溶融樹脂は冷却されている金型
へ射出され、成形品を得ることはできる。
【0003】ところで、射出ノズルの先端部は、冷却さ
れている金型に接触し、また後端部は比較的高い温度に
なっている射出シリンダに機械的に接続されているの
で、射出ノズルには、先端部と後端部において温度差が
生じている。この温度差が安定成形の阻害要因となり、
また射出ノズルから押し出された溶融樹脂がノズル先端
部から垂れる、いわゆる糸曵、鼻たれ現象等が生じる。
そこで、実公平5ー12020号により、射出ノズルに
複数個のヒータを設け、これらのヒータで囲まれる領域
の温度を検出する複数個の温度センサを、さらに設け、
そして個々のヒータを個別に制御するようにΨた射出ノ
ズルが提案されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、上記目的を達成するために、射出ノズルと、この射
出ノズルが取り付けられている射出シリンダとからな
り、これらが3個以上の加熱ゾーンに分けられ、それぞ
れの加熱ゾーンに加熱器が設けられている射出成形機用
ノズルの温度を制御するとき、前記射出ノズルの加熱ゾ
ーンに設けられている加熱器は、射出シリンダの加熱ゾ
ーンも含む、前記加熱器に隣接する加熱ゾーンの検出温
度を検出部位の断面積比により重み付けをして平均化し
た値を制御用温度として設定温度になるようにフイード
バック制御するように構成される。請求項2に記載の発
明は、射出ノズルと、この射出ノズルが取り付けられて
いる射出シリンダとからなり、これらが3個以上の加熱
ゾーンに分けられ、それぞれの加熱ゾーンに加熱器が設
けられている射出成形機用ノズルの温度を制御すると
き、前記射出ノズルの加熱ゾーンに設けられている加熱
器は、射出シリンダの加熱ゾーンも含む、前記加熱器に
隣接する加熱ゾーンの検出温度を検出部位の断面積比に
より重み付けをして平均化した値を制御用温度として設
定温度になるようにフイードバック制御すると共に、前
記加熱器に隣接した他の加熱器は検出温度を制御用温度
として設定温度になるようにフイードバック制御するよ
うに構成される。 請求項3に記載の発明は、射出ノ
ズルと、この射出ノズルが取り付けられている射出シリ
ンダとからなり、これらが3個以上の加熱ゾーンに分け
られ、それぞれの加熱ゾーンに加熱器が設けられている
射出成形機用ノズルの温度を制御する制御装置であっ
て、前記制御装置は、温度設定器と、この温度設定器で
設定される設定温度と検出される制御用温度あるいは演
算される制御用温度とが入力される加え合わせ点と、前
記加え合わせ点で得られる偏差がなくなるように演算操
作する調節器と、演算器とを備え、前記演算器は、射出
ノズルの加熱ゾーンに設けられている制御する加熱器に
隣接した、射出シリンダの加熱ゾーンも含む、加熱ゾー
ンの検出温度から検出部位の断面積比により重み付けを
して平均化した制御用温度を演算するように構成されて
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、複数個の加熱器の中で他の加熱器に挟ま
れている加熱器は、隣接した加熱ゾーンの検出温度によ
り重み付けをして演算される値を制御用温度としてフイ
ードバック制御するように構成される。すなわち、本発
明は、上記目的を達成するために、射出ノズルと、この
射出ノズルが取り付けられている射出シリンダとからな
り、これらが複数個の加熱ゾーンに分けられ、それぞれ
の加熱ゾーンに加熱器が設けられている射出成形機用ノ
ズルの温度を制御するとき、前記射出ノズルの加熱ゾー
ンに設けられている加熱器は、その隣接する加熱ゾーン
の検出温度を検出部位の断面積比により重み付けをして
平均化した値を制御用温度としてフイードバック制御す
るように構成される。請求項2に記載の発明は、射出ノ
ズルと、この射出ノズルが取り付けられている射出シリ
ンダとからなり、これらが複数個の加熱ゾーンに分けら
れ、それぞれの加熱ゾーンに加熱器が設けられている射
出成形機用ノズルの温度を制御するとき、前記射出ノズ
ルの加熱ゾーンに設けられている加熱器は、その隣接す
る加熱ゾーンの検出温度を検出部位の断面積比により重
み付けをして平均化した値を制御用温度としてフイード
バック制御すると共に、前記加熱器に隣接した他の加熱
器は検出温度を制御用温度としてフイードバック制御す
るように構成される。請求項3に記載の発明は、射出ノ
ズルと、この射出ノズルが取り付けられている射出シリ
ンダとからなり、これらが複数個の加熱ゾーンに分けら
れ、それぞれの加熱ゾーンに加熱器が設けられている射
出成形機用ノズルの温度を制御する制御装置であって、
前記制御装置は、温度設定器と、この温度設定器で設定
される設定温度と検出される制御用温度あるいは演算さ
れる制御用温度とが入力される加え合わせ点と、前記加
え合わせ点で得られる偏差がなくなるように演算操作す
る調節器と、演算器とを備え、前記演算器は、制御する
加熱器に隣接した加熱ゾーンの検出温度から検出部位の
断面積比により重み付けをして平均化した制御用温度を
演算するように構成されている。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、図1により本発明の実施の
形態を説明する。本実施の形態に係わる温度制御装置C
が適用される射出機は、周知のように、射出ノズルNを
備えている。そして、この射出ノズルNは、周知の態様
で射出シリンダSに取り付けられている。射出ノズルN
は、本実施の形態では第1、2の加熱ゾーン31、32
に便宜上分けられ、そしてこれらの加熱ゾーン31、3
2に対応して射出ノズルNの外周部に第1、2の加熱器
41、42が取り付けられている。射出シリンダSも、
複数個の第3、4…の加熱ゾーン33、34、…に分け
られ、そしてこれらの加熱ゾーン33、34、…にも同
様に加熱器が取り付けられている。しかしながら、図1
においては、射出ノズルNに隣接した第3の加熱ゾーン
33に取り付けられた1個の第3の加熱器43のみが示
されている。
【0007】射出ノズルNには、第1の加熱ゾーン31
の温度を検出するために第1の温度センサ51が、また
射出シリンダSには、第3の加熱ゾーン33の温度を検
出するために、第2の温度センサ52が設けられてい
る。なお、第2の加熱ゾーン32の温度は、直接には計
測されないので、この第32加熱ゾーン32には温度セ
ンサは設けられていない。
【0008】第1〜第3の加熱器41、42および43
を制御する温度制御装置Cは、第1〜3の設定器1、
2、3、第1〜3の加え合わせ点11、12、13、制
御動作が比例積分微分動作すなわちPID動作する第1
〜3の調節器21、22、23、演算器24等から構成
されている。そして、第1の設定器1と第1の加え合わ
せ点11は、信号ラインaにより、また第1の加え合わ
せ点11と第1の温度センサ51は、信号ラインbによ
りそれぞれ接続され、この第1の加え合わせ点11で得
られる偏差信号は、信号ラインcにより第1の調節器1
1に入力されるようになっている。第1の調節器11と
第1の加熱器41は、信号ラインdにより接続されてい
る。
【0009】第2の設定器2と第1の加え合わせ点12
は、信号ラインeにより接続されている。演算器24
は、第1、2の温度センサ51、52と信号ラインf、
gで接続され、第2の加え合わせ点12とは信号ライン
hにより、また第2の加え合わせ点12と第2の調節器
22は信号ラインh’によりそれぞれ接続されている。
そして、この演算器24は、第1の加熱ゾーン31の検
出温度と、第3の加熱ゾーン33の検出温度とを重み付
けした平均値を、第2の加熱器42の制御用温度T32
して第2の加え合わせ点12へ出力するように構成され
ている。すなわち、演算器24は、第1の温度センサで
検出される第1の加熱ゾーン31の検出温度と、その部
位における射出ノズルNの断面積をそれぞれT31、A31
とし、同様に第3の加熱ゾーン33の検出温度と、その
部位における射出シリンダの断面積をそれぞれT33、A
33とすると、次式により制御用温度T32を演算するよう
に構成されている。 T32=α33・T33+α31・T31 (1) ただしα33=A33÷(A33+A31) α31=A31÷(A33+A31
【0010】第3の設定器3と第3の加え合わせ点13
は、信号ラインjにより、また第3の加え合わせ点13
と第2の温度センサ52は、信号ラインkにより接続さ
れ、この第3の加え合わせ点13で得られる偏差信号
は、信号ラインnにより第3の調節器23に入力される
ようになっている。第3の調節器23と第3の加熱器4
3は、信号ラインpにより接続されている。
【0011】次に、上記実施の形態の作用について説明
する。第1〜3の設定器1、2、3により第1〜3の加
熱器41、42、43の加熱温度を設定する。そして、
スクリュウKを回転駆動し、計量し、次いで軸方向に駆
動して射出する。このようにして、計量・射出している
ときの第1の加熱ゾーン31の温度T31は、第1の温度
センサ51により検出され、そして信号ラインbにより
第1の加え合わせ点11に入力される。第1の加え合わ
せ点11において設定温度と検出温度T31から偏差信号
が得られ、第1の調節器21に入力される。そして、こ
の第1の調節器21において、偏差信号に基づいてPI
D演算され、操作量が第1の加熱器41に出力され、第
1の加熱器41は設定温度になるようにフィードバック
制御される。
【0012】同様に、第3の加熱ゾーン33の温度T33
は、第2の温度センサ52により検出され、そして信号
ラインkにより第3の加え合わせ点13に入力される。
第3の加え合わせ点13において設定温度と検出温度T
33から偏差信号が得られ、第3の調節器23において偏
差信号に基づいてPID演算され、そして、この第3の
調節器23から操作量が第3の加熱器43に出力され、
第3の加熱器43は設定温度になるようにフィードバッ
ク制御される。
【0013】第2の加熱ゾーン32に隣接する第1、3
の加熱ゾーン31、33の温度T31、T33は、第
1、2の温度センサ51,52により検出され、そして
信号ラインf、gにより演算器24に入力される。演算
器24は、前述した式(1)により第2の加え合わせ点
12へ出力する制御用温度T32を演算する。第2の加
え合わせ点12により設定温度と制御用温度T32とか
ら偏差信号が得られ、そして第2の調節器22に入力さ
れる。この第2の調節器22において第1の調節器21
と同様にPID演算され、操作量が第2の加熱器42に
出力される。これにより、第2の加熱器42は、隣接す
る第1、3の加熱ゾーン31、33の検出温度T31
33が重み付けされた値で制御されることになる。
【0014】以上のように、本実施の形態によると、第
1、3の加熱器41、43は、設定温度と検出温度との
偏差がなくなるようにフィードバック制御されている
が、第2の加熱器42は、設定温度と、隣接する第1、
3の加熱ゾーン31、33の検出温度に重み付けされた
制御用温度T32との偏差がなくなるようにフィードバッ
ク制御されているので、射出ノズルNの第1、2の加熱
ゾーン31、32の温度が、図2において実線で示され
ているように、均一化される。これにより糸曵、鼻たれ
現象等の略完全に解消される。
【0015】本発明は、上記実施の形態に限定されるこ
となく実施できる。例えば、第1〜3の調節器21、2
2、23は、PID制御動作に限定されることなく比例
動作、積分動作等でも実施できるし、また、射出ノズル
Nを3個以上の加熱ゾーンに分け、そしてそれぞれの加
熱ゾーンに加熱器を設けて、検出温度によるフィードバ
ック制御と、前述したようにして演算した制御用温度に
よるフィードバック制御とを組み合わせて実施できるこ
とも明らかである。
【0016】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、射出ノ
ズルと、この射出ノズルが取り付けられている射出シリ
ンダとからなり、これらが3個以上の加熱ゾーンに分け
られ、それぞれの加熱ゾーンに加熱器が設けられている
射出成形機用ノズルの温度を制御するとき、前記射出ノ
ズルの加熱ゾーンに設けられている加熱器は、射出シリ
ンダの加熱ゾーンも含む、前記加熱器に隣接する加熱ゾ
ーンの検出温度を検出部位の断面積比により重み付けを
して平均化した値を制御用温度として設定温度になるよ
うにフイードバック制御するように構成されているの
で、射出ノズル内の溶融樹脂の温度が軸方向により一層
均一化される。したがって、本発明によると、小物精密
成形においても糸曵、鼻たれ現象等をより完全に解消
し、安定した成形が、温度センサの数が少なくて得られ
るという、本発明に特有の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を、射出ノズルおよび射
出シリンダ部分の一部を断面にして示す制御ブロック線
図である。
【図2】 射出ノズルと温度との関係を示す図である。
【符号の説明】
N 射出ノズル C 制御装置 1、 2、 3 設定器 11、12、13 第1〜3の加え合わせ点 21、22、23 第1〜3の調節器 24 演算器 31、32、33 第1〜3の加熱ゾーン 41、42、43 第1〜3の加熱器 51、52 第1、2の温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/20 B29C 45/72 - 45/74 B29C 45/78

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】射出ノズルと、この射出ノズルが取り付け
    られている射出シリンダとからなり、これらが3個以上
    加熱ゾーンに分けられ、それぞれの加熱ゾーンに加熱
    器が設けられている射出成形機用ノズルの温度を制御す
    るとき、 前記射出ノズルの加熱ゾーンに設けられている加熱器
    は、射出シリンダの加熱ゾーンも含む、前記加熱器に隣
    接する加熱ゾーンの検出温度を検出部位の断面積比によ
    り重み付けをして平均化した値を制御用温度として設定
    温度になるようにフイードバック制御する、ことを特徴
    とする射出成形機用ノズルの温度制御方法。
  2. 【請求項2】射出ノズルと、この射出ノズルが取り付け
    られている射出シリンダとからなり、これらが3個以上
    の加熱ゾーンに分けられ、それぞれの加熱ゾーンに加熱
    器が設けられている射出成形機用ノズルの温度を制御す
    るとき、 前記射出ノズルの加熱ゾーンに設けられている加熱器
    は、射出シリンダの加熱ゾーンも含む、前記加熱器に隣
    接する加熱ゾーンの検出温度を検出部位の断面積比によ
    り重み付けをして平均化した値を制御用温度として設定
    温度になるようにフイードバック制御すると共に、前記
    加熱器に隣接した他の加熱器は検出温度を制御用温度と
    して設定温度になるようにフイードバック制御する、こ
    とを特徴とする射出成形機用ノズルの温度制御方法。
  3. 【請求項3】射出ノズルと、この射出ノズルが取り付け
    られている射出シリンダとからなり、これらが3個以上
    の加熱ゾーンに分けられ、それぞれの加熱ゾーンに加熱
    器が設けられている射出成形機用ノズルの温度を制御す
    る制御装置であって、 前記制御装置は、温度設定器と、この温度設定器で設定
    される設定温度と検出される制御用温度あるいは演算さ
    れる制御用温度とが入力される加え合わせ点と、前記加
    え合わせ点で得られる偏差がなくなるように演算操作す
    る調節器と、演算器とを備え、 前記演算器は、射出ノズルの加熱ゾーンに設けられてい
    る制御する加熱器に隣接した、射出シリンダの加熱ゾー
    ンも含む、加熱ゾーンの検出温度から検出部位の断面積
    比により重み付けをして平均化した制御用温度を演算す
    るように構成されていることを特徴とする射出成形機用
    ノズルの温度制御装置。
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