JP3351687B2 - 雑音消去に用いられるフィルタ演算装置及びフィルタ演算方法 - Google Patents

雑音消去に用いられるフィルタ演算装置及びフィルタ演算方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィルタ演算装置及
びフィルタ演算方法に関し、特に、適応フィルタを用い
た雑音除去処理、特に、エコーキャンセラやアンテナア
レイ、マイクロホンアレイなどの適応アレイ処理に適用
されるフィルタ演算装置及びフィルタ演算方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】複数のアンテナやマイクロホンを用いて
構成したアンテナアレイやマイクロホンアレイにおける
信号処理においては、未知の方向から到来する雑音を自
動的に除くため、主として適応フィルタが用いられてい
る。特に拘束条件付きの適応フィルタは、目的の方向に
対するアレイの応答を保ったまま未知の方向からの雑音
を除くような適応処理を行えるので便利であり、広く用
いられている。
【0003】従来、拘束条件付き適応フィルタは、文献
(Haykin 著、Adaptive Filter Theory,PRENTICE HALL)
に詳述されているように、線形方程式で表される拘束条
件のもとで遅延線タップフィルタの出力を最小化して最
適なフィルタ係数を求めるものである。拘束条件は、あ
る方向や周波数に関してのフィルタの応答を定めるもの
であり、一般には複素数により表す必要があるため、フ
ィルタ係数も複素数で表すことになるが、複素数のフィ
ルタは、同じタップ数なら実数のフィルタに比べ計算量
が多くなるという問題がある。
【0004】例えば、図2に示すように、複数チャネル
の入力信号Xが各チャネル(センサ1、…センサi、…
センサMに対応)の遅延線タップ付きフィルタWに入力
されるとき、拘束条件付き最小分散フィルタは、フィル
タ出力パワーの期待値 E[y2 ]=E[WH XXH W]=WH RW (1) (E[ ]は期待値)を、目的の方向に対する応答を一
定に保つという条件下で最小にすることにより得られ
る。ここで、iチャネルのjタップ目のフィルタ係数を
ijとすると、 フィルタW=(w11,w12,…,wij-1,wij
ij+1,…,wMLT 、 また、iチャネルのjタップ目に加えられる信号をxij
とすると、 入力信号X=(x11,x12,…,xij-1,xij
ij+1,…,xMLT である。また、R=E[XXH
はXの自己相関行列、Mはチャネル数、Lはタップ数で
ある。
【0005】また、拘束条件は、 AH W=G (2) と表される。ここで、Gは拘束条件の数Kの大きさの定
数値の列ベクトルで、例えば[1,1,…,1]であ
り、Aは異なった周波数に関する方向制御ベクトルak
を列ベクトルとする行列であり、 A=[a1 ,…,aK ] (3) である。上式の成分の各ベクトルak (k=1,…,
K)は
【0006】
【数1】
【0007】である。ここで、τ2 ,…,τN は1番目
のチャネルを基準としたときの各チャネルに入力する信
号の伝搬時間差、ωk は角周波数である。伝播時間差
は、信号の入射するアンテナやセンサなどの位置と入射
する信号の空間的な角度から決まる。
【0008】式(1)と(2)による最小化問題をラグ
ランジュの未定係数法により直接解いてもよいが、逐次
入力する信号に対して適応的に処理するため、例えばLe
astMean Square (LMS)適応フィルタを用いて反復
的に求めることが多い。この場合、n回めの反復による
更新後のフィルタ係数Wn は、例えば、文献(O.L.Fros
t,III,"Algorithm for Linearly Constrained Adaptive
Array Processing", Proceeding of the IEEE, Vol.6
0, No.8, pp.926-935(1972))にも詳述されている射影型
のLMSアルゴリズムにより次式で表される。
【0009】 Wn =P[Wn-1 −μyn X]+F (5) ここで、Wn はn回の更新後のフィルタ係数、Pは拘束
条件により定まる部分空間への射影行列、Fは該部分空
間から拘束条件を満たす空間への平行移動ベクトル、μ
はステップサイズであり、 P=I−A(AH A)-1H (6) F=A(AH A)-1G (7) と計算される。ここで、(4)式が複素数で表されてい
る場合は、以上の計算を複素数で行う必要があることが
わかる。
【0010】ただし、上記文献では、目的の方向からの
信号が同位相となるように時間遅延を施した後、その目
的の信号に関する拘束条件を設定しているため、入力チ
ャネル間の時間差がないものとして扱えるため、拘束条
件を実数で表すことが可能になっており、この拘束条件
のもとでの最適フィルタの計算も実数で行っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
文献により開示された方法では、目的とする方向が複数
ある場合、それに応じて拘束条件も複数の方向について
定めることになるが、一つの方向に関する拘束条件は入
力信号の遅延処理により実数で表すことができても、他
の方向に関する拘束条件は入力信号のチャネル間の時間
差を表現するために複素数が必要となり、これに伴い、
フィルタ係数を求める演算も複素数で行わなければなら
ず、計算量が多くなるという問題があった。
【0012】また、文献A(K.Takao et. al., "An ada
ptive antenna array under directional constraint",
IEEE Trans. Antennas Propagat., vol.AP-24, pp.662
-669, Sept.1976 )は、周波数ごとに拘束条件を設定
し、かつ実数で計算する方法を開示しているが、拘束条
件を十分多くしないと目的とする方向の周波数特性にリ
ップルが生じやすいという問題がある。
【0013】また、文献B(K.M.Buckley, "Spatial Sp
ectral Filtering with Lineraly Constrained Minimum
Variance Beamformers", IEEE Trans. acousics, spee
ch,and signal processing, Vol.ASSP-35, No.3, Mar.
1987 )は、入力信号の相関行列の固有値展開に基づい
て拘束条件を設定しているが、固有値展開は計算量が多
いため、特に、目的の方向を頻繁に変更する場合に問題
がある。
【0014】本発明のフィルタ演算装置及びフィルタ演
算方法はこのような課題に着目してなされたものであ
り、複数の方向に関する拘束条件を遅延を表すフィルタ
係数からなるベクトルにより実数で設定し、このときフ
ィルタ係数の振幅の大きいものを含むベクトルを優先的
に選択することによって、固有値展開しなくとも高い精
度で、少ない演算量と少ない拘束条件でフィルタ演算を
行なうことができるフィルタ演算装置及びフィルタ演算
方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明に係るフィルタ演算装置は、複数のチ
ャネルの各々に入力された入力信号間の時間差と振幅の
うち少なくとも一方を各チャネルごとに計算する時間差
計算手段と、この時間差計算手段によって計算された入
力信号間の時間差と振幅のうち少なくとも一方に対応す
るフィルタ係数を有する第1のフィルタを各々計算する
遅延フィルタ計算手段と、この遅延フィルタ計算手段に
よって計算された各遅延フィルタの係数を組み合わせて
作成されるベクトルを、前記各チャネルに接続された第
2のフィルタの長さとチャネル数の積よりも少ない数だ
け作成して行列の要素とし、このような要素からなる行
列を係数行列とする線形方程式を拘束条件として定める
拘束条件計算手段と、前記係数行列による拘束条件に基
づいて前記各チャネルに接続された前記第2のフィルタ
について最適なフィルタ係数を演算するフィルタ係数演
算手段とを具備する。
【0016】また、第2の発明に係るフィルタ演算装置
は、第1の発明に係るフィルタ演算装置において、前記
フィルタ係数演算手段は、前記拘束条件により定まる空
間への写像行列を求める手段を具備する。
【0017】また、第3の発明に係るフィルタ演算方法
は、複数のチャネルの各々に入力された入力信号間の時
間差と振幅のうち少なくとも一方を各チャネルごとに計
算する時間差計算工程と、この時間差計算工程において
計算された入力信号間の時間差と振幅のうち少なくとも
一方に対応するフィルタ係数を有する第1のフィルタを
各々計算する遅延フィルタ計算工程と、この遅延フィル
タ計算工程において計算された各遅延フィルタの係数を
組み合わせて作成されるベクトルを、前記各チャネルに
接続された第2のフィルタの長さとチャネル数の積より
も少ない数だけ作成して行列の要素とし、このような要
素からなる行列を係数行列とする線形方程式を拘束条件
として定める拘束条件計算工程と、前記係数行列による
拘束条件に基づいて前記各チャネルに接続された前記第
2のフィルタについて最適なフィルタ係数を演算するフ
ィルタ係数演算工程とを具備する。
【0018】また、第4の発明に係るフィルタ演算方法
は、第3の発明に係るフィルタ演算方法において、前記
フィルタ係数演算工程は、前記拘束条件により定まる空
間への写像行列を求める工程を具備する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、位相回転
を表す複素数により拘束条件の設定を行うのではなく、
マイクロホンアレイなどから入力した複数の入力信号を
拘束条件付き適応フィルタにより処理する際、複数の方
向に関する拘束条件設定を実数で行って少ない計算量で
フィルタの演算を行うようにする。しかも目的方向に対
する整相処理なしでフィルタ処理を行うようにする。
【0020】図1は第1実施形態に係るフィルタ演算装
置の構成を示す図であり、時間差計算部1と、遅延フィ
ルタ計算部2と、拘束条件計算部3と、適応演算部4と
から構成される。まず、拘束条件に基づいて設定された
方向から信号が到来する場合の各チャネルの信号の時間
差を時間差計算部1により求め、求めた各チャネルの時
間差を実現する遅延フィルタを遅延フィルタ計算部2に
より求める。次に、該遅延フィルタのフィルタ係数から
拘束条件計算部3により拘束条件を設定し、設定した拘
束条件のもとで適応演算部4において適応的に最適なフ
ィルタ係数を求める。
【0021】以下に、図1に示す各処理部の動作を詳細
に説明する。まず、時間差計算部1では、与えられた方
向から信号が到来すると仮定したときのチャネル間の信
号の時間差を計算する。この時間差は、信号が入力され
るセンサの配置と信号の到来を仮定する方向から計算で
き、例えば、センサアレイと到来方向が図3のような設
定であるとして、1番目のセンサの座標を(x1 ,y
1 )、i番目のセンサの座標を(xi ,yi )、到来方
向をθとすると、信号がi番目のセンサと1番目のセン
サに入射するときの信号の時間差τi =ri /cは、 τi (θ)=((xi −x12 +(yi −y121/2 × cos(θ−tan -1((yi −y1 )/(xi −x1 ))) (8) により求めることができる。ただし、cは信号の伝搬速
度である。なお、ここでは簡略化のため2次元平面上で
説明したが、3次元空間への拡張は容易である。
【0022】次に、遅延フィルタ計算部2では、例え
ば、文献(音響システムとデジタル処理pp.215)
に述べられているように、sinc関数を時間軸上でシ
フトしてから窓掛けして有限長にすることにより、上で
求めた時間差τi の遅延を実現するデジタルフィルタを
生成する。ここでチャネル当たりのフィルタ長をLとす
ると、遅延フィルタhi (n) は、例えば次式により計算
できる。
【0023】 hi (n) =(0.54−0.46cos(2πn/L)) *sin(π(n−To −τi /Ts ))/(π(n−To −τi /Ts )) (n=1,…,L) (9) ここで、To はフィルタ長を有限にしたときのフィルタ
の誤差を小さくするために挿入する遅延であり、これに
よりフィルタの最大振幅の点をフィルタの中ほどにシフ
トさせるようにする。例えば、To =L/2、L=50
を用いる。Tsは入力信号のサンプリング周期であり、
例えば0.125msecを用いる。
【0024】フィルタ係数演算部では、求めた遅延フィ
ルタhi (n) の係数に基づいて拘束条件を設定し、射影
LMSで用いる射影行列Pと、該部分空間から拘束条件
を満たす空間への平行移動ベクトルFを求める。
【0025】ここで拘束条件の設定とは上記した式
(2)の行列AとGを決めることであり、ここでは遅延
フィルタhi (n) を用い、例えば、 HL-K =(h1 (L-K) ,h1 (L-K-1) ,…,h1 (1) ,0,…,0, h2 (L-K) ,h2 (L-K-1) ,…,h2 (1) ,0,…,0, : : hM (L-K) ,hM (L-K-1) ,…,hM (1) ,0,…,0)TL-K+1 =(h1 (L-K+1) ,h1 (L-K) ,…,h1 (1) ,0,…,0, : : hM (L-K+1) ,hM (L-K) ,…,hM (1) ,0,…,0)T : : HL =(h1 (L) ,h1 (L-1) ,…,h1 (1) , hM (L) ,hM (L-1) ,…,hM (1) )TL+1 =(0,h1 (L) ,…,h1 (3) ,h1 (2) , : 0,hM (L) ,…,hM (3) ,hM (2) )T : : HL+k =(0,…,0,h1 (L) ,…,h(k+1) , : 0,…,0,hM (L) ,…,h(k+1) )T (10) のような列ベクトルを要素とする行列を生成して、これ
を、 A=[HL-K ,…,HL ,…,HL+K ] (11) と定める。この列ベクトルは遅延フィルタ全体を含むベ
クトルHL を真ん中の列とし、これを1点ずつずらした
ものをその両側に置くようにしたものである。なお、こ
こで拘束条件の数Kは2K+1としたが、これに限る必
要はなく、例えば、式(10)のHL-K からHL までの
列ベクトルを用いて A=[HL-K ,HL-K+1 ,…,HL ] (12) とK=K+1個の条件式で表す形に簡略化することも可
能である。簡略化の方法は他にも、HL のLを1つおき
にとる等、さまざまな方法が考えられ、Kが少ない程計
算量は少なくなる。
【0026】上式は、1つの方向に関する拘束を表して
いるが、複数の方向に関する拘束条件は、式(11)の
行列Aのさらなる要素として、別の方向に関する遅延フ
ィルタの係数からなる列ベクトルを付け加えるだけでよ
い。例えば、式(11)にもう1つの方向に関する拘束
条件を加えると、行列Aは、 A=[HL-K ,…,HL ,…,HL+K ,H′L-K ,…,H′L ,…,H′L+K ] (13) とすることができる。ここでH′はもう1つの方向に関
する遅延フィルタによる列ベクトルである。この場合、
拘束条件の数は2×(2K+1)となる。
【0027】次に、拘束条件を設定する方向に対するア
レイの応答を行列Gに設定する。行列Gは大きさK×1
の行列であり、拘束条件の行列が式(11)の行列の場
合は、例えば、
【0028】
【数2】 で定義する。ここでg1 ,g2 は拘束条件を設定する方
向に対するアレイの応答であり、感度を高く保ちたい場
合は1とし、感度を低くしてその方向を死角としたい場
合は0とするようにする。
【0029】なお、拘束条件の行列Aの列ベクトルとG
の内容を、単なる遅延フィルタでなく、例えばバンドパ
スフィルタなどの係数に置き換えることにより、その方
向の応答に対する周波数応答を設定することも可能であ
る。
【0030】以上のように決めた拘束条件を表す行列
A、Gから、式(6)(7)により射影行列Pと平行移
動ベクトルFを計算する。次に、適応演算部4では、射
影行列Pと平行移動ベクトルFとを用いて適応フィルタ
の計算を行う。すなわち、式(5)を用いてフィルタ係
数Wn を求める。適応フィルタはここに述べた通常のL
MSに限る必要はなく、Normalized LMSでもRecursive
Least Square(RLS)でもよい。また、式(5)によ
る適応フィルタの更新は通常入力の1サンプルごとに行
うが、計算量がかさむので、ブロック適応フィルタと
し、N回、例えば50回に1回だけ式(5)を実行し、
あとは式(5)のμyn Xの項の50サンプル分の平均
ベクトルを計算して、更新ではこの平均ベクトルを使う
ようにしてもよい。
【0031】次に、上記したフィルタ処理の流れを図4
のフローチャートを参照して説明する。まず、初期設定
として、チャネル数M、タップ数L、拘束する方向1つ
当たりの拘束条件の数を入力する(ステップS1)。次
に、拘束する方向の数、方向の値とその方向に関する応
答を入力する(ステップS2)。次に、入力した拘束条
件の方向の値から、チャネル間の信号の時間差を式
(8)により計算する。時間差はすべてのチャネルにつ
いて計算する(ステップS3)。次に、ステップS3で
計算した時間差からチャネルごとの遅延フィルタの係数
を式(9)により求める(ステップ4)。次に、遅延フ
ィルタの値を用いて拘束条件の行列Aを式(10)から
(13)に従って求める(ステップ5)。
【0032】次に、行列Aから式(6)、(7)により
射影行列Pと平行移動ベクトルFを求める(ステップ
6)。次に、求めたA,P,Fを用いて式(5)により
適応フィルタの計算を行う(ステップ7)。拘束条件と
して設定する方向を変更するたびに上記のステップ2か
ら7を繰り返して行ってもよい。
【0033】以上に述べたように、実数係数による遅延
フィルタからなるベクトルをシフトした小数のベクトル
を用いて拘束条件付き適応フィルタの拘束条件を設定す
るようにしたため、固有値展開による次元の圧縮などを
行わなくとも、小数のベクトルで拘束条件を設定でき、
さらに複数方向に関する拘束条件の設定も実数により簡
単に少ない条件式で行うことができる。
【0034】なお、上記した時間差計算工程と、遅延フ
ィルタ計算工程と、拘束条件計算工程と、フィルタ係数
演算工程とはコンピュータプログラムとして、ハードデ
ィスク、フロッピーディスク、CD−ROMなどの記憶
媒体に記憶し、この記憶媒体を適当な計算機に搭載して
実行することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、複数の方向に関する拘
束条件を遅延フィルタからなるベクトルのうち、その振
幅の大きいベクトルを優先的に用いて設定するようにし
たので、拘束条件を少ない計算量で高精度で設定でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るフィルタ演算装置の構
成を示す図である。
【図2】複数の遅延フィルタの構成を示す図である。
【図3】センサと信号到来方向の関係を示す図である。
【図4】本実施形態のフィルタ処理の流れを示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1…時間差計算部、2…遅延フィルタ計算部、3…拘束
条件計算部、4…適応演算部。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のチャネルの各々に入力された入力
    信号間の時間差と振幅のうち少なくとも一方を各チャネ
    ルごとに計算する時間差計算手段と、 この時間差計算手段によって計算された入力信号間の時
    間差と振幅のうち少なくとも一方に対応するフィルタ係
    数を有する第1のフィルタを各々計算する遅延フィルタ
    計算手段と、 この遅延フィルタ計算手段によって計算された各遅延フ
    ィルタの係数を組み合わせて作成されるベクトルを、前
    記各チャネルに接続された第2のフィルタの長さとチャ
    ネル数の積よりも少ない数だけ作成して行列の要素と
    し、このような要素からなる行列を係数行列とする線形
    方程式を拘束条件として定める拘束条件計算手段と、 前記係数行列による拘束条件に基づいて前記各チャネル
    に接続された前記第2のフィルタについて最適なフィル
    タ係数を演算するフィルタ係数演算手段と、 を具備したことを特徴とするフィルタ演算装置。
  2. 【請求項2】 前記フィルタ係数演算手段は、前記拘束
    条件により定まる空間への写像行列を求める手段を具備
    することを特徴とする請求項1記載のフィルタ演算装
    置。
  3. 【請求項3】 複数のチャネルの各々に入力された入力
    信号間の時間差と振幅のうち少なくとも一方を各チャネ
    ルごとに計算する時間差計算工程と、 この時間差計算工程において計算された入力信号間の時
    間差と振幅のうち少なくとも一方に対応するフィルタ係
    数を有する第1のフィルタを各々計算する遅延フィルタ
    計算工程と、 この遅延フィルタ計算工程において計算された各遅延フ
    ィルタの係数を組み合わせて作成されるベクトルを、前
    記各チャネルに接続された第2のフィルタの長さとチャ
    ネル数の積よりも少ない数だけ作成して行列の要素と
    し、このような要素からなる行列を係数行列とする線形
    方程式を拘束条件として定める拘束条件計算工程と、 前記係数行列による拘束条件に基づいて前記各チャネル
    に接続された前記第2のフィルタについて最適なフィル
    タ係数を演算するフィルタ係数演算工程と、 を具備したことを特徴とするフィルタ演算方法。
  4. 【請求項4】 前記フィルタ係数演算工程は、前記拘束
    条件により定まる空間への写像行列を求める工程を具備
    することを特徴とする請求項3記載のフィルタ演算方
    法。
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