JP3351559B2 - モノリシック集積回路の接続コンタクト用保護回路 - Google Patents

モノリシック集積回路の接続コンタクト用保護回路

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JP3351559B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CMOS技術で構成さ
れたモノリシック集積回路、特に静電放電装置を具備
し、入力/出力段の接続コンタクトを静電放電から保護
する保護回路に関する。ここで使用される用語“静電放
電”(以下ESDという)とはESDパルスによって発
生させられたインパルス電流を意味する。しかしなが
ら、保護は各接続コンタクトに供給され、ラッチアップ
として知られている望ましくないサイリスタ状の導電を
生じさせる可能性がある定常電流にも及んでいる。
【0002】本発明はさらに接続コンタクトの領域中の
静電荷が放電装置によって中性化されるESDパルスか
らモノリシック集積回路を保護する方法に関する。
【0003】
【従来の技術】静電放電(以下ESDという)パルス
は、最悪の場合に少なくとも2つの半導体領域の間にお
いて絶縁破壊を生じさせ、回路に機能を停止させる短絡
チャンネルを形成する。MOSトランジスタの薄いゲー
ト酸化物は特に損傷を受け易い。ESDパルスのもう1
つの頻繁な影響は、それが適切な半導体構造を介してラ
ッチアップを誘導し、それによって短絡回路が結晶にお
いて発達し、結果的に局部的な過熱による機能不良を生
じさせることである。上記のようなこのラッチアップ状
態はまた特にCMOS入力/出力段において接続コンタ
クトに供給された定常過負荷電流によって開始されるこ
ともある。CMOS技術、特に別のサブ回路と一緒でも
可能な相補出力トランジスタ対において要求されるタブ
領域は、ラッチアップ状態に置かれることができる基体
を介して相互接続されたサイリスタ状の回路構造を生成
し、入力電流が保持電流より下に低下するまでこの状態
のままである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ESDパルスにより破
壊されることから接続接触を保護するために、低い値に
過負荷電圧を制限し、したがって可能な限り接触領域内
のESDパルスを中性化するESD放電装置が一般に設
けられている。例えば、逆方向に通常動作し、それらの
順方向および短絡方向の両方向において排出効果を呈す
る放電用のダイオードが利用される。しかしながら、絶
縁破壊しきい値は使用されるプロセス技術に応じて広範
囲にわたって変動し、各接続コンタクトと関連した全て
の機能ユニットを高い信頼性で保護することは困難であ
る。MOS回路において、nチャンネル出力トランジス
タは特にラッチアップが生成されることによって損傷を
受け易い。
【0005】したがって、本発明の目的は、特に適切な
回路設計によって異なる技術的パラメータに適合される
ことが可能なESDパルスからパワーオフまたはパワー
オン状態であるモノリシック集積回路の全ての接続コン
タクトを高い信頼性で保護することが可能であり、処理
ステップを追加せずに容易に製造することのできる回路
および方法を提供することである。
【0006】本発明は、CMOS回路技術で構成された
入力/出力段を備え、静電気保護のための放電手段を具
備しているモノリシック集積回路の保護回路において、
入力/出力と接続される入力/出力段の接続コンタクト
の領域においてp型の半導体基体中に形成されCMOS
回路を保護する少なくとも1つの4層装置を具備し、こ
の4層装置は、規定されたスイッチングしきい値および
接続コンタクトから電源供給端子までの低い抵抗の電流
路を有し、その4層装置は、p型の半導体基体中の第1
および第2の半導体ゾーン内にそれぞれ形成された2つ
のトランジスタ構造によって構成されており、その第1
の半導体ゾーンには半導体表面に平行に延在する横方向
トランジスタ構造が形成され、この横方向トランジスタ
構造はp型の半導体基体によって構成されたベース領域
とこのベース領域によって分離されたn型の第1および
第2の領域とを含むnpnトランジスタとして構成さ
れ、半導体基体中の第2の半導体ゾーンには縦方向トラ
ンジスタが形成され、この縦方向トランジスタは半導体
基体中にウエル領域として形成されたn型の第3の領域
と、この第3の領域内に形成されたp型の第4の領域を
含み、p型の半導体基体とn型の第3の領域とp型の第
4の領域とにより縦方向pnpトランジスタとして構成
され、保護回路はさらに、4層装置の一部分が保護すべ
きCMOSトランジスタの部分を含んで別の4層構造を
形成するとき4層装置の一部分と保護すべきCMOSト
ランジスタとの間で基体中を流れる電流を阻止する手段
を具備していることを特徴とする。
【0007】所定の集積回路における電流排出電流路の
抵抗およびスイッチングしきい値のレベルは一般にES
Dおよびラッチアップ試験によって量的に検査される。
ESD試験において、例えば数キロボルトに充電された
100ピコファラドキャパシタは短時間で1500オームの抵
抗を通じて接続コンタクトに放電される。これは数アン
ペアのピーク電流を発生することができる静電放電の効
果が限定された方法でシミュレートされることを可能に
する。ラッチアップ試験において、定常またはゆっくり
増加する電流が電源を通して各接続コンタクトに供給さ
れ、回路中の寄生サイリスタがトリガーされるか否かが
決定される。この試験において寄生サイリスタがトリガ
ーされずに50ミリアンペアの電流値が達せられた場合、
回路は多数の適用に対して十分にラッチ防止されている
と考えられる。
【0008】本発明およびその他の利点は、添付図面を
参照してさらに詳細に説明されるであろう。
【実施例】図1に示された半導体チップの断面図は図3
のラインF−F´における断面にほぼ対応する。関連し
た接続線は概略的に示されているに過ぎない。“n”ま
たは“p”として示されている異なる導電性タイプの種
々の領域はp型基体Sb中に形成される。個々の領域の
形成はできる限り使用される各プロセス技術に適合され
るため保護回路は処理ステップを追加せずに製造される
ことができる。
【0009】第1の半導体ゾーンH1 は下にあるn+
の第1の領域z1 のための結合パッドである接続コンタ
クトAを含む。第1の領域z1 は結合パッドAより大き
い領域を占有し、それを越えて延在する。1つのエッジ
に平行な接触導体すなわちコンタクトa1 は第1の領域
z1 に設けられている。それは第1および第2の低抵抗
相互接続f1 ,f2 によってnチャンネル出力トランジ
スタt1 およびpチャンネル出力トランジスタt2 のド
レインコンタクトD1 ,D2 にそれぞれ接続されてい
る。第1の領域z1 は、結合パッドAに直接接続された
一端を有する低い値の抵抗rn(第1の抵抗)を形成す
る(図2および図4を参照)。
【0010】第1の領域は、n+ 型の第2の領域z2 に
よって包囲され、2つの領域は狭い基体壁stによって
分離される。第2の領域z2 の少なくとも一部分は図3
に示されるように第1の領域z1 の周囲にリングを形成
することが有効である。これは一側だけに配置される
か、交差指状(インターデジタル)にされるか、蛇行状
にされるか、または島状にされたような他の実施例を排
除するものでない。重要なのは基体壁stが回路構造の
配置によって限定された長さおよび幅を有することであ
る。第2の領域zはコンタクトを介して基体電源に接続
され、それは第1の電源供給端子VSSにより行われて
いる。基体Sbへの接触はp+ 型の領域zsを通して行
われ、これはまた示されているように第2の領域z2 に
隣接している。示された領域z1 ,z2 ,zsは第1の
半導体ゾーンH1 を限定する。図2および図4に示され
たように、第1の領域z1 および横方向に配置された第
2の領域z2 によって放電電流を流すためのnpn導電
型の寄生トランジスタtaが形成される。その分布され
たコレクタK1 (図4参照)は第1の領域z1 のエッジ
部分により、そのベースB1 は基体壁stにより、また
そのエミッタE1 は第2の領域z2 によって形成され
る。基体壁stの幅および長さによって寄生トランジス
タtaの電流利得および電流生成量が設定される。
【0011】第1の半導体ゾーンH1 に隣接している第
2の半導体ゾーンH2 は、3層装置すなわち図2および
図4に示されているような基体pnpトランジスタts
を含む。基体トランジスタは以下の領域によって形成さ
れる。エミッタE2 はp+型の第3の領域z3 によって
形成され、それは低抵抗の第2の相互接続f2 に接続さ
れ、n型の第4の領域z4 によって構成された第1のタ
ブ領域W1 中に配置されている。第1のタブ領域は正の
電源に接続された第2の電源供給端子VDDにn+ 接触
領域zw1 およびタブ領域コンタクトw1 を介して接続
されている。
【0012】基体トランジスタtsのベースB2 は第1
のタブ(ウエル)領域W1 によって、またコレクタK2
は基体Sbによって形成される。基体トランジスタの寸
法および結果的にその電流生成量は第3および第4の領
域z3 ,z4 の共通の領域の寸法によって決定される。
電流利得は垂直構造および関連した不純物プロフィール
に依存しており、それはイオン注入または拡散により形
成されることができ、したがって使用されるプロセス技
術によって決定される。第3の領域z3 は、接続コンタ
クトa2 ,a3 を有するp+ 抵抗rp(=第2の抵抗)
として構成される(図4参照)ことが有効であり、コン
タクトa2 は第3の相互接続f3 によって低抵抗の第2
の相互接続f2 に接続されている。純粋の入力回路およ
び入力/出力回路において、コンタクトa3 は一般に単
一処理チップ上で関連した内部入力段Iに接続する機能
を行う。これは、入力回路Iが図4に示されているよう
に2つの抵抗rp,rnを備えたT部分によって結合パ
ッドAから減結合される利点を有する。したがって、p
+ 抵抗rpはn+ 抵抗rnより実質的に大きい値を有す
る。
【0013】図1において、第2の半導体ゾーンH2 は
nチャンネル出力トランジスタt2によって後続され、
そのp+ ソースおよびドレイン領域zs2 ,zd2 は第
2のn型タブ領域W2 に配置されている。ソースコンタ
クトS2 、タブ領域コンタクトw2 およびn+ 接触領域
zw2 は第2の電源供給端子VDDに共通にされてい
る。第1の半導体ゾーンH1 の他方の側は、n+ ソース
およびドレイン領域zs1 ,zd1 が基体Sb内に直接
配置されたnチャンネル出力トランジスタt1があり、
端子S1 およびさらに別のp+ 基体接触領域zs,zs
´,z5 は第1の電源供給端子VSSに接続されてい
る。
【0014】図1に示されたようなnおよびpチャンネ
ル出力トランジスタt1 およびt2間の空間的分離はラ
ッチアップを防止する共通の手段である。複数の基体接
触領域zs,zs´,z5 は第1の電源供給端子VSS
に基体電流を排出することによって同じ目的で機能す
る。
【0015】図1に示された好ましい実施例において、
上記の目的は第1および第2の半導体ゾーンH1 ,H2
のラッチアップによって制御され、結合パッドAと第1
の電源供給端子VSSとの間に実効的な放電用の電流路
を設けることによって達成される。ラッチアップは、通
常の動作状態下では到達されないスイッチングしきい値
より上で発生する。他方、n型タブ領域W2 のようなト
リガー可能な別の構造の任意の寄生ラッチアップは第1
の半導体ゾーンH1 が、特に正および負の電源供給端子
VDD,VSS間に低抵抗の短絡路を提供した場合には
阻止される。所望の電用の電流路sa(図4参照)は結
合パッドAと基体電源供給端子VSS(=第1の電源供
給端子)との間にのみ設けられる。別の構造において、
電流排出路はまた第2の電源供給端子VDDに接続され
る。
【0016】本発明によると、寄生ラッチアップは以下
のように阻止される。主にpチャンネル出力トランジス
タt2 のタブ領域W2 を含んでいる寄生的にトリガー可
能なn型タブ領域は、各n型タブ領域の貫通深度の約5
乃至50倍に等しい第1の半導体ゾーンH1 から安全な距
離に配置されなければならない。しかしながら、決定要
因は第1の半導体ゾーンH1 とトリガー可能なn型タブ
領域との間に形成された基体バルク抵抗の値である。第
1の近似の程度でバルク抵抗は、基体壁stからの距離
に対する隣接したn型タブ領域エッジ長の比、垂直構造
の厚さおよび基体ドーピング濃度に依存する。これはn
型タブ領域エッジ長が基体壁stの実効長と比較して小
さい限り適応する。
【0017】したがって、望ましくない基体電流i3 ,
i4 の流れを遮断する装置(図4参照)に対して、すな
わち第1または第2の電源供給端子VSS,VDDにこ
れらの電流を排出する収集装置に対して使用されること
ができる自由空間が生成される。このような収集装置は
例えばp+ 型の第5の領域z5 によって形成され、第1
の電源供給端子VSSに接続された複数の基体接触領域
である。もう1つの可能性(図1に示されていない)
は、第2の電源供給端子VDDに基体電流を排出するn
+ 領域によって形成された補助コレクタを使用すること
である。さらに別の可能性はこれらの基体電流の領域に
おいて寄生トランジスタtaの電流利得を減少すること
である。個々の方法の利点は、それらの実効性がESD
およびラッチアップ試験によって量的に決定されること
ができ、レイアウト設計の選択的な補正が個々のメカニ
ズムが互いに作用せずに可能なことである。さらに、E
SD強度およびラッチアップ強度はある限界内において
互いに無関係に調節されることができる。
【0018】図2は結合パッドAに接続されたサイリス
タを概略的に示す。それは寄生トランジスタtaおよび
基体トランジスタtsから構成されている。ラッチアッ
プは第1および第2の基体電流i1 ,i2 によって発生
させられる。第1の基体電流は基体トランジスタtsの
ベースから寄生トランジスタtaのコレクタに流れ、第
2の基体電流は基体トランジスタtsのコレクタから寄
生トランジスタtaのベースに流れる。第1の電源供給
端子VSSへの基体電流i1 およびi2 の流れは基体抵
抗rs1 およびrs2 によってそれぞれ表される。基体
トランジスタtsのベースは第1のタブ領域W1 であ
り、第2の電源供給端子VDDに接続される。結合パッ
ドAはn+ 抵抗rnを通して基体トランジスタtsのエ
ミッタに接続される。
【0019】図2に示されたサイリスタは2つの異なる
方法でトリガーされることができる。結合パッドAにお
ける定常電流によって静電的に、基体トランジスタts
のベースが第2の電源供給端子VDDによってクランプ
されるか、或は結合パッドAにおけるインパルス電流に
よってダイナミックに、基体トランジスタtsのベース
が高いVDD/VSS合計キャパシタンス(例えば数ナ
ノファラド)によってダイナミックにクランプされる。
ダイナミックなトリガーはESDパルスからの保護にと
って重要である。ベース電流i1 の結果として、基体ト
ランジスタtsはコレクタ電流i2 を寄生トランジスタ
taのベースに送り、それはさらにそのコレクタ電流に
よって基体トランジスタtsのベース電流を増加させ
る。この正のフィードバック機構はサイリスタのトリガ
ープロセスを開始させるが、電流の大きさは結合パッド
Aにおいて利用可能な範囲に限られる。図4においてs
aで示された適切な過電流の電流路は図2には示されて
いない。
【0020】図2に示されたサイリスタの第2のトリガ
ープロセスは、基体トランジスタtsのエミッタにおけ
る高い電圧上昇率du/dtによって開始されることが
できる。これは例えば結果として 100ボルト/ナノ秒程
度の電圧上昇率になるESDパルスによって発生させら
れる。放電パルスはほぼ10ナノ秒後に約1キロボルト乃
至10キロボルト程度の最大電圧に達する。関連した電流
は接続コンタクトにおいて効果的な手段を介して排出さ
れなかった場合、半導体チップにおいて局部的な破壊を
生じさせることは明らかである。このような高い上昇率
において、基体トランジスタtsはベースエミッタおよ
びベースコレクタキャパシタンスc1,c2 の直列の組
合せに沿って非導電性寄生トランジスタtaのベースを
引込み、このトランジスタを駆動して弱い導電状態にす
る。トランジスタは、サイリスタが完全にオンになるま
で上記された正のフィードバック機構によってもっと強
く導通させられる。このオン切替え機構は供給された電
源およびパワーオフ状態の両方で発生し、また回路の外
側の分離装置の場合に発生し、したがって接続コンタク
トを通して静電的な放電からの保護を行う。
【0021】図3は結合パッドAの領域における半導体
チップの一部分を概略的な平面図で示す。図1の断面で
示された半導体領域はほぼラインF−F´に沿って位置
している。左側にはnチャンネル出力トランジスタt1
があり、ドレインコンタクトD1 が第1の相互接続f1
によって第1の領域z1 のコンタクトa1 に接続されて
いる。結合パッドAおよびコンタクトa1 を具備した第
1の領域z1 は全ての側面で結合パッドAを越えて延在
する。
【0022】第2の相互接続f2 もまたコンタクトa1
に接続され、これはpチャンネル出力トランジスタt2
のドレインコンタクトD2 に到達する。トランジスタt
2は第2のn型タブ領域W2 中に配置され、それはn+
接触領域zw2 およびタブ領域コンタクトw2 を介して
第2の電源供給端子VDDに接続されている。
【0023】結合パッドAからのコンタクトa1 の距離
を通って、また第1の領域z1 によって低い値のn+
抗rn(図2および図4参照)が形成され、低抵抗の相
互接続f1 ,f2 から結合パッドAを電気的に分離す
る。この第1の領域z1 は同じn+ 導電型の環状の第2
の領域z2 によって包囲され、2つの領域は狭い基体壁
stによって互いに分離されている。第2の領域z2
は、p型基体に接触を行うように機能する環状の付加的
なp+ 領域zsによって包囲されている。環状領域zs
および隣接した第2の領域z2 は接触させられ、第1の
電源供給端子VSSに接続される。図示の都合上、図3
において個々の領域に対する接触は1度だけ示されてい
る。複数のワイヤレベルから構成された低抵抗の相互接
続は接点を持つラインとして示されている。
【0024】第1の領域z1 および第2の領域z2 によ
る包囲部上の結合パッドAの中心位置はもちろん必須で
あるが、しかしこのようにして寄生トランジスタtaに
加えて、付加的な保護を提供する大領域ダイオードが第
1の領域z1 によって結合パッドAの直下に形成される
ためそれらは非常に有効である。第1の電源供給端子V
SSに接続された図1および図3のn+ 領域z2'は類似
の目的を達成する。
【0025】第2の半導体ゾーンH2 において、基体は
垂直pnpトランジスタとして設計された基体トランジ
スタtsを形成する領域を含む。ベースはn型の第4の
領域z4 によって形成される第1のタブ領域W1 に対応
する。第1のタブ領域W1に対する接触は、第1のタブ
領域コンタクトw1 を介して第2の電源供給端子VDD
に接続される接続される低抵抗のn+ 接触領域zw1 を
通して行われる。タブ領域はpn接合によってn型材料
から分離されるp+ 型の第3の領域z3 を含み、コンタ
クトa2 および第3の相互接続f3 を介して第2の相互
接続f2 に接続される。第3の領域z3 は長方形の抵抗
素子として図3に示されており、その第2の端子はコン
タクトa3 によって形成される。このp+ 抵抗rp(図
2および図4参照)および第4の相互接続f4 を介し
て、図3において単に概略的に示された入力回路Iは結
合パッドAに接続される。純粋な出力段において、第4
の相互接続f4 および関連した接続コンタクトa3 は不
要である。
【0026】図3において、第1の半導体ゾーンH1 に
よりトリガー可能な第2のタブ領域W2 は距離s3 だけ
基体壁stから分離され、複数の基体コンタクトsk
(示されていない)を介して第1の電源供給端子VSS
に接続されたp+ 型の第5の領域z5 が設けられる。第
1および第2の半導体ゾーンH1 ,H2 の間にも第5の
領域z5 によって形成されたp+ 基体接触領域が存在す
る。しかしながら、第5の領域z5 は第2のタブ領域W
2 の領域におけるものより著しく狭い。第1および第2
の半導体ゾーン、中間基体接触領域、および基体壁st
の幅s1 の間の距離s2 を通して所望されたサイリスタ
のトリガー特性は限定された方法で適切な回路構造によ
って影響されることができる。
【0027】図4は図1および図3に示されたものの詳
細な等化回路を示す。結合パッドAに接続された第1の
領域z1 は、第1および第2の相互接続f1 ,f2 が接
続されるn+ 抵抗rnを形成する。さらに、第2の領域
z2 および基体壁stと共に第1の領域z1 は横方向の
npnトランジスタすなわち寄生トランジスタtaを形
成する。寄生トランジスタtaは基体壁stに沿った第
1の領域z1 において多数のコレクタとして図4に示さ
れている分布コレクタK1 を有している。これらのコレ
クタ中の3つは抵抗rnの3つのタップ1,2,3に接
続される。
【0028】タップ1はコンタクトa1 の影響の範囲の
外側に位置している図3中のz1のエッジ領域である。
タップ3は、ほぼコンタクトa1 に沿って位置している
z1 のエッジ領域である。タップ2は、ほぼこれら2つ
のエッジ領域の間に存在する中間領域によって形成され
る。図3から第1の領域z1 のエッジ部分の約2/3は
主コレクタとしてタップ1に属していることが認められ
る。それは結合パッドAに到達するESDパルスまたは
過負荷電流に低抵抗の電流路saを提供する。この電流
路saの抵抗は寄生トランジスタtaのエミッタ電流路
中に示されている基体抵抗の値rsaによって本質的に
決定される。エミッタE1 は第2の領域z2 によって形
成される。
【0029】エミッタE1 によって注入された電流の一
部分は第2の領域z2 ではなく、基体Sb中に流入す
る。これは破線によって示されたコレクタによって分布
コレクタK1 中に表わされている。基体電流の一部分は
第1の基体電流i1 として第1の半導体ゾーンH1 中に
流入する。基体電流の望ましくない部分は第3の基体電
流としてpチャンネル出力トランジスタt2 の領域中に
流入する。
【0030】第2の半導体ゾーンH2 は垂直なpnpト
ランジスタすなわち基体トランジスタtsを形成する。
基体トランジスタtsのエミッタE2 はn+ 抵抗rnを
通して結合パッドAに接続される。ベースB2 は第1の
タブ領域W1 によって形成されたタブ領域抵抗rw1 を
通して第2の電源供給端子VDDに接続される。コレク
タK2 は基体Sbによって形成され、電流排出抵抗ta
のベースB1 に部分的に流れる第2の基体電流i1 を送
る。第1の基体電流i1 の一部分は基体トランジスタt
sのベースB2 に流入するため、これら2つのトランジ
スタはサイリスタの方法で相互作用することができる。
しかしながら、これは結合パッドAにおける電位がベー
ス−エミッタしきい値電圧だけベースB2 における電位
を越える場合に限って可能である。2つのトランジスタ
は2つの電源供給端子VDD,VSS間で短絡を発生さ
せることはできない。等価な抵抗rs1 およびrs2 は
第1および第2の半導体ゾーンH1 ,H2 の間の基体接
触領域zsに対応し、これは限定された方法で第1、第
2の基体電流i1 ,i2 をそれぞれ減少する。
【0031】分布コレクタK1 は寄生基体pnpトラン
ジスタt2 ´のベースに望ましくない基体電流i2 を供
給するが、結果的にはpチャンネル出力トランジスタt
2により自動的に行われる。特有の危険性とはこの寄生
トランジスタt2 ´の二重エミッタの1つが第2の電源
供給端子VDDに直接接続されることである。このトラ
ンジスタt2 ´の付勢時にこのエミッタ接続は結果的に
ベースB1 に流入する非常に大きい基体電流i4 を発生
し、これは第3の基体電流i3 と共に基体電流が寄生サ
イリスタta,t2 ´の正のフィードバック回路を形成
する。寄生サイリスタは、サイリスタ電流が低いインピ
ーダンスの第2の電源供給端子VDDから供給される限
り結合パッドAにおける電位と無関係にラッチする。し
かしながら、望ましくない基体電流i3 ,i4 は最も簡
単な場合では図3に示されている大領域基体接触であ
る、第1の半導体ゾーンH1 とトリガー可能なタブ領域
W2 との間の適切な収集装置z5 によって最小に維持さ
れる。望ましくない基体電流i3 およびi4 の電流排出
作用は基体抵抗rsおよびrs4 によって図4中にそれ
ぞれ表されている。
【0032】良く知られているように、nチャンネル出
力トランジスタt1 は二重エミッタを備えた基体npn
トランジスタt1 ´の形態で寄生素子によって短絡され
る。ドレイン端子D1 に属するエミッタの1つは第1の
相互接続f1 に接続され、ソース端子S1 に属する他方
のエミッタは第1の電源供給端子VSSに結合される。
寄生トランジスタtaにより寄生トランジスタt1 ´は
サイリスタの方法で相互作用することができないが、し
かし寄生基体pnpトランジスタt2 ´ではそれが可能
である。この望ましくない結果は上記に示されているよ
うな通常の手段、例えば図3に示されているような結合
パッドAの反対側での空間分離によって阻止される。
【0033】nチャンネル出力トランジスタt1 のバル
ク接続P1 は第1の電源供給端子VSSに関連したバル
ク等価抵抗rw1 を有する寄生基体npnトランジスタ
t1´のベースとの接続を形成し、pチャンネル出力ト
ランジスタt2 のバルク接続P2 は第2の電源供給端子
VDDに関連したバルク等価抵抗rw2 を有する寄生基
体pnpトランジスタt2'のベースとの接続を形成す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施例の接続コンタクトの領
域においてCMOS入力/出力段を備えた半導体チップ
の概略的な断面図。
【図2】接続コンタクトに接続された本発明によるサイ
リスタの等価回路の概略図。
【図3】図1の構造の概略的な平面図。
【図4】図1および図3に対する詳細な等価回路の概略
図。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−190973(JP,A) 特開 昭58−74081(JP,A) 特開 昭59−61169(JP,A) 特開 昭61−280649(JP,A) 特開 昭63−318767(JP,A) 実開 昭60−125749(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/822 H01L 27/04

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CMOS回路および入力/出力段を備
    え、CMOS回路の静電気保護のための放電手段を具備
    しているモノリシック集積回路の保護回路において、 入力/出力と接続される入力/出力段の接続コンタクト
    の領域においてp型の半導体基体中に形成されCMOS
    回路を保護する少なくとも1つの4層装置を具備し、 前記4層装置は、規定されたスイッチングしきい値およ
    び接続コンタクトから電源供給端子までの低い抵抗の電
    流路を有し、 前記4層装置は、前記p型の半導体基体中の第1および
    第2の半導体ゾーン内にそれぞれ形成された2つのトラ
    ンジスタ構造によって構成されており、その第1の半導
    体ゾーンには半導体表面に平行に延在する横方向トラン
    ジスタ構造が形成され、この横方向トランジスタ構造は
    p型の半導体基体によって構成されたベース領域とこの
    ベース領域によって分離されたn型の第1および第2の
    領域とを含むnpnトランジスタとして構成され、 半導体基体中の第2の半導体ゾーンには縦方向トランジ
    スタが形成され、この縦方向トランジスタは半導体基体
    中にウエル領域として形成されたn型の第3の領域と、
    この第3の領域内に形成されたp型の第4の領域を含
    み、p型の半導体基体とn型の第3の領域とp型の第4
    の領域とにより縦方向pnpトランジスタとして構成さ
    れ、 保護回路はさらに、前記4層装置の一部分が保護すべ
    MOSトランジスタの部分を含んで別の4層構造を形
    成するとき前記4層装置の一部分と保護すべきCMOS
    トランジスタとの間で基体中を流れる電流を阻止する手
    段を具備していることを特徴とする保護回路。
  2. 【請求項2】 前記第1の半導体ゾーンの第2の領域は
    第1の電源供給端子に接続され、 前記第1の半導体ゾーンの第1の領域は横方向に延在す
    る相互接続領域として構成され、 前記第2の半導体ゾーンの前記n型の第3の領域内に配
    置された前記p型の第4の領域は前記第1の領域の相互
    接続領域に接続され、 前記第1の半導体ゾーンの第1および第2の領域間の横
    方向の距離、第1および第2の半導体ゾーン間の距離、
    並びに各隣接した領域のエッジの長さは、絶縁破壊しき
    い値の到達後に第1および第2の半導体ゾーンのサイリ
    スタ状の相互作用によって制御される低い抵抗の放電手
    段が少なくとも1つの予め定められた導電値を有し、他
    方絶縁破壊しきい値が通常の動作条件下では到達されな
    いように選択されていることを特徴とする請求項記載
    の保護回路。
  3. 【請求項3】 第1および第2の半導体ゾーン間の距離
    は第1の半導体ゾーンとn型の別のトリガー可能なウエ
    ル領域との間の距離より小さく、第1の半導体ゾーンと
    前記別のウエル領域との間の中間の領域には望ましくな
    い基体電流を排出するための収集装置を含み、この収集
    装置は第1または第2の電源供給端子に接続されている
    ことを特徴とする請求項2記載の保護回路。
  4. 【請求項4】 第2の領域はリング状に第1の領域を少
    なくとも部分的に包囲しいることを特徴とする請求項
    3記載の保護回路。
  5. 【請求項5】 接続コンタクトが信号入力として機能す
    るサブ回路は接続コンタクトから離れている第3の領域
    のコンタクトへ接続されていることを特徴とする請求項
    4記載の保護回路。
  6. 【請求項6】 接続コンタクトの領域中の静電荷が抵抗
    を含む放電手段によって除去されることによって静電気
    放電パルスからCMOSトランジスタを含むモノリシッ
    ク集積回路を保護する方法において、 静電気放電パルスに対して、規定されたスイッチングし
    きい値を有する4層装置によって構成された低い抵抗の
    電流路が接続コンタクトから電源供給端子まで設けら
    れ、 前記4層装置は、p型の半導体基体中の第1および第2
    の半導体ゾーン内にそれぞれ形成された2つのトランジ
    スタ構造によって構成されており、その第1の半導体ゾ
    ーンには半導体表面に平行に延在する横方向トランジス
    タ構造が形成され、この横方向トランジスタ構造はp型
    の半導体基体によって構成されたベース領域とこのベー
    ス領域によって分離されたn型の第1および第2の領域
    とを含むnpnトランジスタとして構成され、 半導体基体中の第2の半導体ゾーンには縦方向トランジ
    スタが形成され、この縦方向トランジスタは半導体基体
    中にウエル領域として形成されたn型の第3の領域と、
    この第3の領域内に形成されたp型の第4の領域とを含
    み、p型の半導体基体とn型の第3の領域とp型の第4
    の領域とにより縦方向pnpトランジスタとして構成さ
    れ、 4層装置と別のトリガー可能なウエル領域との間の望ま
    しくない基体電流は、第1および第2の電源供給端子の
    少なくとも一方に電流を流す収集装置によって阻止され
    ることを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 第1の半導体ゾーンの第1の領域は半導
    体表面に平行に延在する低い抵抗の相互接続領域として
    形成され、接続コンタクトは第1の領域に接続されてい
    ることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 第1および第2の領域間の距離、第1お
    よび第2の半導体ゾーン間の距離、それらの各表面領域
    の面積、並びに各隣接した領域のエッジの長さによっ
    て、集合寄生電流の手段の導電性ならびに前記npnト
    ランジスタおよび前記pnpトランジスタのラッチアッ
    プ用のスイッチングしきい値が設定されることを特徴と
    する請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記横方向npnトランジスタのラッチ
    アップは他のウエル領域に対する距離の大きさ、および
    前記距離によって定められた中間ゾーンにおける収集装
    置によって望ましくない基体電流を遮断することによっ
    て阻止されることを特徴とする請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 望ましくない基体電流は基体と同じp
    型の第5の領域によって形成され第1の電源供給端子に
    接続されている基体接触領域によって遮断され、この第
    5の領域は前記npnトランジスタとCMOS回路のウ
    エル領域との間に配置されていることを特徴とする請求
    項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記第4の領域は接続コンタクトから
    離れた位置にあるコンタクトに接続された入力段のため
    の相互接続部を構成するように半導体基体表面に平行に
    延在することを特徴とする請求項7記載の方法。
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