JP3351417B2 - 露光方法 - Google Patents

露光方法

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JP3351417B2
JP3351417B2 JP2000100521A JP2000100521A JP3351417B2 JP 3351417 B2 JP3351417 B2 JP 3351417B2 JP 2000100521 A JP2000100521 A JP 2000100521A JP 2000100521 A JP2000100521 A JP 2000100521A JP 3351417 B2 JP3351417 B2 JP 3351417B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体等の回路パター
ン形成技術、特にリソグラフィー工程で使われるマス
ク、あるいはそのマスクを使った投影露光方法、及び露
光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体等の回路パターン形成に際して、
現在の微細化したLSIの場合、実際のパターンの5倍
から10倍に拡大された遮光部分と透過部分とからなる
原版(マスク、レチクル)を、縮小投影型露光装置を用
いて、半導体基板(ウェハ)等の表面に塗布された感光
性膜(レジスト)上に結像し、これを感光する方法がと
られる。
【0003】従来、使用されるレチクル上には、転写す
べき回路パターンが、投影型露光装置の倍率だけ拡大さ
れて描画されており、従ってウェハ上には回路パターン
が所望の大きさとなって転写される。従来この種の装置
においては、図15に示す如く照明光束L10は、照明
光学系の瞳面(フーリエ変換面)付近に、投影光学系P
Lの瞳epとほぼ共役に配置されたほぼ円形の開口絞り
100により照明光学系の光軸を中心とする円形領域内
を通る光束L11となってレチクル(マスク)Rを照明
していた。ここで、光束を表す実線は1点から出た光の
主光線を表している。
【0004】このとき、照明光学系の開口数と投影光学
系PLのレチクル側開口数との比、所謂σ値は開口絞り
100により決定され、その値は0.3〜0.6程度が
一般的である。照明光L11はレチクルRにパターニン
グされたパターンPPにより回折され、パターンPPか
らは0次回折光Do、+1次回折光Dr、−1次回折光
Dlが発生する。それぞれの回折光は投影光学系PLに
より集光され、ウェハ(試料基板)W上に干渉縞を発生
させる。この干渉縞がパターンPPの像である。
【0005】このとき、0次回折光Doと±1次回折光
Dr、Dlとのなす角θはsinθ=λ/P(λ:露光波
長、P:パターンピッチ)により決まる。パターンピッ
チが微細化するとsinθが大きくなり、sinθが投影光学
系のレチクル側開口数(NAR)より大きくなると±1次
回折光Dr、Dlは投影光学系PLに入射できなくな
る。
【0006】このとき、ウェハW上には0次回折Doの
みしか到達せず干渉縞は生じない。つまりsinθ>NAR
となる場合にはパターンPPの像は得られず、パターン
PPをウェハW上に転写することができなくなってしま
う。
【0007】以上より従来の露光装置においては、sin
θ=λ/P≒NARとなるピッチPは次式で得られ、こ
のピッチPがウェハW上に転写可能となるパターンのレ
チクル上での最小ピッチである。
【0008】 P≒λ/NAR …(1) 従って、最小パターン幅としては、この半分の0.5×
λ/NAR程度となるが、実際には焦点深度との関係
上、0.6×λ/NAR程度が最小パターン幅となって
いる。これを投影光学系の像面 (ウェハW) 側に直すと
0.6×λ/NA W(NAWは投影光学系のウェハ側開口
数であり、NAW=B・NAR、Bは投影光学系の縮小
率) 程度となる。
【0009】以後、この値を投影光学系の解像限界と呼
ぶ。この投影光学系自体の解像限界以上に微細なパター
ンを転写するために、レチクルパターン自体を変更して
解像度を高めようという方法も提案されている。これは
位相シフトと呼ばれる方法であり、レチクル上に他の部
分とは透過光の位相がπだけずれる、いわゆる位相シフ
ター膜を形成し、位相シフター部と、他の部分との透過
光の干渉効果(特に相殺効果)を利用して解像度、及び
焦点深度を高めるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の投影型露光装置
においては、ウェハ上に転写可能な回路パターンの微細
度(サイズ)は、露光波長をλ、投影光学系のウェハ側
開口数をNAWとして、0.6×λ/NAW程度が限界で
あった。これは、光が波動である為に生じる回折現象の
為であり、従って露光波長をより短くすれば解像度は原
理的には向上する。
【0011】しかし、波長が200nmより短くなる
と、これを透過する適当な光学材料が存在せず、また空
気による吸収が発生するなど問題点が多い。また開口数
NAWは現在、既に技術的限界にあり、これ以上の大NA
化は望めない状況である。また、位相シフト法を使用し
た露光では解像度の向上、及び焦点深度の増大は可能で
あるが、位相シフト法で使用する位相シフター付レチク
ルは、製造工程が複雑で、従って欠陥の発生率が高く、
また製造コストもきわめて高価となる。また、検査方法
及び修正方法も未だ確立されていないなど問題点が多
く、実用化には多くの問題が残る。
【0012】現在のLSI製造工程においては、成膜、
フォトリソグラフィー(回路パターン転写)、エッチン
グのサイクルが20回程度繰り返されるのが普通であ
る。また、各膜の膜厚は0.05μmから1μm程度で
あり、従って工程が進むにつれウェハ上には数μm程度
の段差が形成され、この上部と下部に同時にパターニン
グを行なうには、焦点深度の大きな投影型露光方法が必
要になる。
【0013】一方で、焦点深度を拡大する1つの手法と
して、多重焦点露光法も知られている。この露光方法に
よる深度増大法においては、特に単独で存在するパター
ン(パターンサイズに対してパターン以外のサイズが
1:3程度以上であるパターン、以後孤立パターンと略
す)に対して、通常の露光方法に比べ、大きな実用上の
焦点深度が得られるが、解像度を向上することは原理的
に不可能であった。
【0014】本発明はこの様な現状に鑑みてなされたも
ので、従来と同じ遮光部と透過部から成るレチクル(マ
スク)を使用し、かつ高解像度及び深い焦点深度を得ら
れる露光方法、及び装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的の為に請求項1
に記載の発明においては、照明光学系を通してマスクに
照明光を照射し、投影光学系を介して照明光で感光基板
を露光する方法において、周期的な第1パターンを第1
の露光量で感光基板上に転写し、第1パターンとは異な
る形状を持ち、感光基板上で第1パターンの一部と重ね
合わされる第2パターンを、第1の露光量よりも小さい
第2の露光量で感光基板上に転写することとした。また
請求項に記載の発明では、照明光学系を通してマスク
に照明光を照射し、投影光学系を介して照明光で感光基
板を露光する方法において、感光基板上に転写されると
市松模様パターンが形成される第1パターンを照明し
て、市松模様パターンを感光基板上に形成し、第1パタ
ーンとは異なる形状の第2パターンを、感光基板上で第
1パターンの一部と重ね合わせるように感光基板上に転
写し、これにより前記第1パターンと前記第2パターン
との重ね合わせ露光部分を前記基板上に形成すべきパタ
ーンとすることとした。また請求項17に記載の発明で
は、照明光学系を通してマスクに照明光を照射し、投影
光学系を介して照明光で感光基板を露光する方法におい
て、複数の要素パターンが所定方向に周期的に配列され
た第1パターンを、感光基板上に転写し、所定方向にお
ける大きさが、要素パターンの所定方向における大きさ
の2〜3倍程度の大きさを持つ第2パターンを、感光基
板上で前記第1パターンの一部と重ね合わせるように感
光基板上に転写することとした。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【作用】上記各請求項に記載の発明によれば、上述した
ような多重露光方法を使用することにより、微細なパタ
ーンも高精度に転写できるという効果を得ることができ
る。加えて請求項1に記載の発明によれば、周期的な第
1パターンを第1の露光量で、第1パターンとは異なる
形状の第2パターンを第1パターンの一部と重ね合わせ
ながら第2の露光量で、それぞれ感光基板上に転写する
ように構成されている。即ち各マスクパターンはそれぞ
れ応じた露光量で、且つ各マスクパターン間での露光量
バランスも鑑みて露光量設定を行うので、基板上に高解
像度で最終的なパターン形成を行うことができる。また
請求項に記載の発明では、市松模様パターンを形成す
るために第1パターンを感光基板上に形成し、それとは
異なる形状の第2パターンを第1パターンの一部と重ね
合わせるように転写するよう構成されている。このため
細かいパターンであっても市松模様パターンを利用する
ことにより比較的容易に形成するころが可能となる。ま
た請求項17に記載の発明では、複数の要素パターンが
周期的に配列された第1パターンを転写し、要素パター
ンの幅よりも2〜3倍程度の大きい幅を持つ第2パター
ンを第1パターンの一部と重ね合わせ転写するように構
成されている。このため最終的にパターン形状を規定す
るための第2パターンの製造が比較的容易となるという
効果を得ることができる。なお、レチクルパターンとフ
ーリエ変換の関係となる照明光学系中の面内において、
レチクルを照明する照明光束が光軸以外の1点以上を中
心とする1つ以上の領域に集中した投影露光装置を使用
すると、特に周期的なレチクルパターンに対して、解像
度及び焦点深度を増大することができる。
【0021】以下、図面を用いてこの原理について説明
する。
【0022】従来の投影露光装置では、レチクルに対し
て上方から種々の入射角で入射する露光光が無差別に用
いられ、レチクルパターンで発生した0次、±1次、±
2次、…の各回折光がほぼ無制限に投影光学系を透過し
てウェハ上に結像していた。
【0023】これに対して、本発明の投影露光装置で
は、図16の如く照明光L10から照明光学系中のレチ
クルパターン面と略フーリエ変換の関係となる面内に於
いて、照明光学系の光軸AXが通る中央部以外に透過部
を有する遮光板100’を設け、照明光学系の光軸上を
通らない光束、つまりレチクルパターンに対して特定の
方向と角度で斜めに入射する任意の2つの光束L12、
L13、或いは2n本(nは自然数)の光束を形成さ
せ、レチクルパターンPPを照明する。レチクルパター
ンPPは通常、光透過部と遮光部とが所定のピッチで繰
り返し形成された周期構造を有するパターンを多く含ん
でいる。そしてレチクルパターンPPで発生した0次回
折光と±1次回折光とを投影光学系PLを介してウェハ
W上に結像させる。
【0024】すなわち、レチクルパターンPPの微細度
に応じてパターンPPに所定の方向と角度で2本、或い
は2n本の光束を入射させることによって、最適な0次
回折光と±1次光を発生させることにより、従来では十
分に解像できなかったパターンをウェハW上に高コント
ラストに、かつ、大きい焦点深度を持って結像させるこ
とが可能となる。ここで、レチクルRに入射する光束L
12、L13は、前述の遮光板100’によって投影光
学系PLの光軸AXに対して対称に所定の角度ψだけ傾
いて入射する主光線を有する2本の光束に変換されたも
のである。ここでも、光束を表す実線は1点から出た光
の主光線を表している。まず図16に基づいて照明光L
12による回折光について説明する。照明光L12はレ
チクルパターンPPにより回折され0次回折光Do、+
1次回折光Dr、−1次回折光Dlを発生する。しかし
ながら、照明光L12は投影光学系PLの光軸AXに対
して角度ψだけ傾いてレチクルパターンPPに入射する
ので、0次回折光Doもまた投影光学系PLの光軸AX
に対して角度ψだけ傾いた方向に進行する。ここで、投
影光学系PLは両側テレセントリック系とする。
【0025】従って、+1次光Drは光軸AXに対して
θp+ψの方向に進行し、−1次回折光Dlは光軸AX
に対してθm−ψの方向に進行する。このとき、θp、θ
mはそれぞれ sin(θp+ψ)−sinψ=λ/P …(2) sin(θm−ψ)−sinψ=λ/P …(3) である。
【0026】仮にいま+1次回折光Dr、−1次回折光
Dlの両方が投影光学系PLに入射しているとする。レ
チクルパターンPPの微細化に伴って回折角が増大する
と、先ずθp+ψの方向に進行する+1次回折光Drが
投影光学系PLを透過できなくなる(sin(θp+ψ)>N
Rとなる)。しかし、照明光L12が光軸AXに対し
て傾いて入射しているため、このときの回折角でも−1
次回折光Dlは、投影光学系PLを透過可能となる(si
n(θm−ψ)<NARとなる)。
【0027】従って、ウェハW上には0次回折光Doと
−1次回折光Dlの2光束による干渉縞が生じる。
【0028】この干渉縞はレチクルパターンPPの像で
ありレチクルパターンPPが1:1のラインアンドスペ
ースの時、約90%のコントラストとなり、表面にレジ
ストが塗布されたウェハW上にパターンPPをパターニ
ングすることが可能となる。このときの解像限界は、 sin(θm−ψ)=NAR …(4) となるときであり、従って、 NAR+sinψ=λ/P P=λ/(NAR+sinψ) …(5) がレチクル上の転写可能な最小パターンのピッチであ
る。
【0029】今、sinψを0.5×NAR程度に定めると
すれば転写可能なレチクル上のパターンの最小ピッチは P=λ/(NAR+0.5NAR)=2λ/3NAR …(6) である。
【0030】一方、図15に示したように、照明光が投
影光学系PLの光軸AXを中心とする円形領域内を通る
光束である従来の露光装置の場合、解像限界は(1)式
に示したようにP≒λ/NARであった。従って、従来
の露光装置より高い解像度が実現できる。
【0031】照明光L13についても同様に考えて、+
1次光Dr1は光軸AXに対してθp 1−ψの方向に進行
し、−1次回折光Dl1は光軸AXに対してθm1+ψの
方向に進行する。Do1は0次回折光を表している。
【0032】このとき、θp1、θm1はそれぞれ sin(θm1+ψ)−sinψ=λ/P …(7) sin(θp1−ψ)+sinψ=λ/P …(8) であり、解像限界はsin(θp1−ψ)=NARのときであ
る。
【0033】従って、照明光L12の場合と同様に
(5)式に示すパターンピッチが転写可能なパターンの
最小ピッチとなる。照明光L12とL13の両方を使う
ことにより投影光学系の光軸に対して光量重心が偏らな
いようにしている。
【0034】次に、レチクルパターンに対して特定の入
射方向と入射角で露光光を入射して、0次回折光と1次
回折光とを用いてウェハ上に結像パターンを形成するこ
とにより、焦点深度が大きくなる理由を説明する。
【0035】ウェハが投影光学系の焦点位置に一致して
いる場合には、レチクル上の1点を出てウェハ上の一点
に達する各回折光は、投影光学系のどの部分を通るもの
であってもすべて等しい光路長を有する。このため、従
来のように0次回折光が投影光学系の瞳面のほぼ中心を
貫通する場合でも、0次回折光とその他の回折光とで光
路長は相等しく、相互の波面収差も0である。しかし、
ウェハが投影光学系の焦点位置に一致していない場合
(デフォーカスを起こした場合)、斜めに入射する高次
の回折光の光路長は光軸付近を通る0次回折光に対して
焦点前方(投影光学系から遠ざかる方)では短く、焦点
後方(投影光学系に近づく方)では長くなり、その差は
入射角の差に応じたものとなる。従って、0次、1次、
…の各回折光は相互に波面収差を形成して焦点位置の前
後における結像パターンのぼけを発生する。この波面収
差ΔWは次式で表される。
【0036】ΔW=1/2×(NA)2Δf Δf:デフォーカス量 NA:瞳面上の中心からの距離を開口数で表した値 従って、瞳面のほぼ中心を貫通する0次回折光(ΔW=
0)に対して、瞳面の周囲、半径r1(〔NA〕を単位
とする)を通る1次回折光では、 ΔW=1/2×r1 2Δf の波面収差をもつこととなり、焦点位置の前後での解像
度、すなわち焦点深度を低くしている。
【0037】一方、本発明で使用する投影型露光装置の
場合、例えば図16の如く、θm=2ψとなる入射角で
レチクルパターンPPに2つの光束を入射した場合、パ
ターンPPからの0次回折光Doと1次回折光Dlとが
瞳面ep上でほぼ中心から等距離となる位置(共に半径
2とする)を通るようになり、0次回折光Doと1次回
折光Dlの波面収差は相等しく、ΔW=1/2×r2 2Δ
fとなり、0次回折光に対する1次回折光の収差は零と
なって、ある範囲内ではデフォーカスによるぼけが無く
なる。従って、その分だけ従来装置よりも焦点深度が大
きくなることになる。
【0038】以上、本発明で使用する投影型露光装置で
は、特に周期的なパターンについて、解像度及び焦点深
度の増大が可能である。
【0039】本発明に於いては、レチクル上の異なる複
数のパターンを、ウェハ上の同一の部分に重ね合わせ露
光して1つの回路パターンを形成する。従って、半導体
ウェハ等の被露光基板上に形成されるパターンは、複数
のレチクルパターンの合成像となる。この合成像は、各
複数のレチクルパターンを、その透過率に応じて“0”
部(概遮光部)と、“1”部(概透過部)とすれば、こ
れら複数のレチクルパターンの論理和として形成され
る。すなわち、各レチクルパターンのすべてが“0”部
(概遮光部)の部分のみが、他の部分と異なった状態と
なる。使用する感光性膜(フォトレジスト)がポジ型
(光照射部が除去される)であれば、重ね合わせるレチ
クルパターンのすべてが“0”部となる部分のみレジス
トが残り、他部はレジストが除去された、いわゆる孤立
ラインパターン、あるいは、孤立アイランドパターンが
形成される。
【0040】使用するフォトレジストがネガ型(光照射
部が残膜する)であれば、いわゆる孤立スペースパター
ン、あるいは、孤立ホールパターンが形成される。
【0041】このとき、重ね合わされる複数のレチクル
パターンのうち、少なくとも1つはほぼ周期的な配列を
有するパターンであり、かつ、使用する投影型露光装置
の照明光学系は、前述の如く、このほぼ周期的な配列か
ら成るパターンについて、解像度及び焦点深度を、最大
とするよう調整されているものとする。また、重ね合わ
せにより形成すべき回路パターンのうち、特に重要であ
るものは周期的配列から成るパターン、あるいは周期的
配列から成る複数のパターンからの合成で作ることによ
り、合成像の実質的な焦点深度の増大が可能となる。
【0042】あるいは、同一の投影光学系を使用して
も、線幅の太いパターン程焦点深度が深くなる性質を利
用し、上記の周期的配列から成るパターン以外のパター
ンの線幅は、投影光学系の解像限界の2倍程度以上とす
れば、重ね合わせるレチクルパターンのすべてにおい
て、投影像の焦点深度を十分に大きくとることが可能と
なる。
【0043】
【発明の実施の形態】図1は本発明で使用する投影型露
光装置の実施例であって、水銀ランプ1を発した照明光
(i線、又はg線)は楕円鏡2で第2焦点に集光され
る。第2焦点には照明光の遮断、解放を行うシャッター
3が配置され、モータ4によって駆動される。シャッタ
ー3を通った照明光はリレーレンズ(コリメータレン
ズ)5でほぼ平行光束にされ、フライアイレンズ6に入
射する。
【0044】フライアイレンズ6の各エレメントレンズ
の射出端の夫々に形成される2次光源(点光源像の集
合)からの各光束は、リレーレンズ7によって集光さ
れ、ミラーM1で反射された後、光分割器8の入射部8
Aに重畳される。従って、入射部8Aの位置で、照明光
束の強度分布はほぼ均一なものになっている。図1では
フライアイレンズ6の射出側に現れる点光源像のうち光
軸上の1つの点光源からの光束のみを代表的に図示し
た。
【0045】さて、光分割器8は入射部8Aからの照明
光を複数の射出部8B、8Cへほぼ等しい強度で分割す
る。射出部8B、8Cの各断面積はともに等しいものと
し、その中心点は光軸AXから所定量だけ偏心させてお
く。この光分割器8の詳しい構造については後で述べ
る。尚、射出部8B、8Cは、投影露光をケーラ−照明
で行うために、投影レンズPLの射出瞳ep(又は入射
瞳)と共役な面9、即ちフーリエ変換面内に配置され
る。
【0046】射出部8B、8C上の一点から射出した発
散光束は第1リレーレンズ(コリメータレンズ)10に
よってほぼ平行光束となってレチクルブラインドARB
を一様な照度で照明する。図1では簡略のために、射出
部8B、8C上の一点から発散した光束の進行状態のみ
を示してある。レチクルブラインドARBは4辺のエッ
ジ位置を駆動部11によって任意に調整することによっ
て、レチクルR上の照明領域を制限するものである。レ
チクルブラインドARBによって決まる矩形開口部を通
った照明光束には、図1の場合、基本的には光軸AXに
関して対称的に傾いた複数(射出部8B、8C……の数
に対応)の平行光束だけが含まれ、光軸AXと平行に進
む平行光束は存在しない。
【0047】これら平行光束は第2リレーレンズ12で
集光され、ミラーM2で反射された後、主コンデンサー
レンズ13に入射して再び互いに入射角が異なる複数の
平行光束となってレチクルRを照射する。この際、レチ
クルRのパターン面(投影レンズPLと対向する面)
は、主コンデンサーレンズ13と第2リレーレンズ12
との合成系に関してレチクルブラインドARBと共役に
なっているため、レチクルR上にはレチクルブラインド
ARBの矩形開口像が投影されることになる。
【0048】レチクルRの透明部を通った照明光は投影
レンズPLを介してウェハW上に投影され、フォトレジ
スト層にレチクルRのパターン像が結像される。ここ
で、図1のレチクルブラインドARBからウェハWまで
の光路中に示した破線は、瞳共役を意味する光線であ
る。先に述べたように、本実施例ではレチクルRを対称
的に傾いた少なくとも2光束で照明することによって、
通常のレチクルパターン構成であっても、解像力と焦点
深度とを高めるものであり、この機能を達成するために
新規に設けられたものが光分割器8である。
【0049】ここで、図2を参照して、照明光束の詳細
な振る舞いについて説明する。図2は図1中の光分割器
8の2つの射出部8B、8CからレチクルRまでの系を
模式的に表したものであり、特に射出部8B側の照明光
束の進み方を示したものである。まず、射出部8Bの射
出端の中心が光軸AXからΔHだけ偏心しているものと
する。そして、射出端の両端の点P1、P2から発生した
光束の夫々がレチクルRまで進む様子を実線で示した。
また、図2中の光路内に示した破線L1、L2は、それぞ
れ点P1、P2からの光束の1本の光線を表し、瞳空間で
は光軸AXと平行になるものとする。この図2から明ら
かなように、点P1、P2は第2リレーレンズ12と主コ
ンデンサーレンズ13との間の瞳空間内の面EP’で点
1’、P2’として結像する。従って、面EP’は面9
と共役であり、同様にフーリエ変換面である。
【0050】さて、点P1(点P1’)からの光束はレチ
クルR上ではほぼ平行光束となって一定領域内を照射
し、点P2(点P2’)からの光束もほぼ平行光束となっ
て一定領域内を照明する。このとき、レチクルR上に達
する2つの平行光束は角度Δθだけ入射角がずれてい
る。この角度Δθは面9内での点P1と点P2のずれ、す
なわち射出部8Bの実効的な光源としての大きさ(又は
断面積)に依存して決まるもので、射出部8Bの断面積
が限りなく小さくなれば角度Δθも限りなく小さくな
る。しかしながら、実際には射出部8Bの射出端に形成
される光源像には実用上ある程度の大きさ(ただし瞳径
よりは十分に小さい)があり、角度Δθを完全に零にす
ることは難しく、また完全に零にする必要はない。ま
た、射出部8Bの端面(光源像)は2次元的な大きさを
持っているため、角度Δθは図2中の紙面内の方向以外
に紙面と垂直な方向にも存在する。そして、先に図16
で述べたように、射出部8Bからの光束の中心線は光軸
AXに対して角度ψだけ傾いており、この角度ψはずれ
量ΔHと関連して、ΔH=m・sinψ(ただしmは定
数)の関係にある。また、一例として、光軸AXに関し
て対称に配置された他の射出部8Cからの照明光束の振
る舞いも、射出部8Bからの光束を光軸AXを中心に折
り返したようになる。
【0051】再び図1を参照して装置の構成を説明す
る。ウェハWは2次元に移動するウェハステージWST
上に載置され、モータ20によって駆動される。ウェハ
ステージWSTの座標位置はステージWST上の移動鏡
と投影レンズPLの下端に取り付けされた固定鏡との相
対距離をレーザビームを用いた干渉計21によって逐次
モニターされる。
【0052】一方、レチクルRも2次元に微動するレチ
クルステージRST上に載置され、不図示のモータ等に
よって駆動される。レチクルRの光軸AXに対するアラ
イメントは、レチクルアライメント系22によって行わ
れ、レチクルRとウェハWの直接的なアライメント(ダ
イ・バイ・ダイアライメント)はTTR(スルー・ザ・
レチクル)アライメント系23によって行われる。さら
にウェハWの単独のアライメントは、投影レンズPLを
介してウェハW上のマークを検出するTTL(スルー・
ザ・レンズ)アライメント系24、或いは投影レンズP
Lの視野に接近した位置で投影レンズPLを介すること
なくウェハW上のマークを検出するOFF−AXIS
(オフ・アキシス)アライメント系25によって行われ
る。
【0053】各アライメント系22、23、24、25
からのアライメント信号は制御装置30によって統括的
に処理され、ウェハステージWST、又はレチクルステ
ージRSTの精密な位置決めに使われる。この制御装置
30は、シャッター3の開閉用のモータ4、光分割器8
の射出部8B、8Cの位置を調整するモータ(不図
示)、レチクルブラインドARBの駆動部11、及びウ
ェハステージWSTの駆動用のモータ20等の制御も行
う。尚、図1中には示していないが、水銀灯1から主コ
ンデンサーレンズ13までの照明系の光路中の適当な位
置には、レチクルRへの照明光量(露光量)を検出する
測光素子が設けられ、積分回路と組み合わせることで、
シャッター3を適正露光量で閉じる自動露光制御が行わ
れる。
【0054】次に、図3、図4を参照して、光分割器8
の詳細な構成について説明する。図3は光分割器8を横
から見た様子を示し、図4は、図3を光軸AXの方向か
ら見た図である。入射部8Aからの光束は光ファイバー
80によって4つに分割され、それぞれ4つの射出部8
B、8C、8D、8Eに導かれる。4つの射出部8B、
8C、8D、8Eの夫々は、瞳共役面9上の瞳像範囲9
A内に位置するように可変長支持棒81B、81C、8
1D、81Eによって支持される。そして4本の支持棒
81B〜81Eは、環状のガイド83に沿って円周方向
に移動可能な可動部材82B、82C、82D、82E
の夫々に結合される。4本の支持棒81B〜81Eは、
各射出部8B〜8Eを光軸AXに対して放射方向に移動
させる。これら支持棒81B〜81Eと可動部材82B
〜82Eとはモータによって駆動される。尚、入射部8
Aの光ファイバーを保持する金具は、光軸AXを中心と
して自在に回転できるように構成され、4つの射出部8
B〜8Eの回動によって生じる光ファイバー80のスト
レスを低減する。
【0055】本実施例で使用する装置では、4つの射出
部8B〜8Eを設けたが、その数は4つに限定されるも
のではなく、2つ(原理的には1つ)以上であればよ
い。また、本実施例では照明光束の分割を光ファイバー
により行なったが、他の部材、例えば回折格子や多面プ
リズムなどを用いても良い。また光分割器8よりレチク
ルR側に、さらに別のフライアイレンズを追加しても良
い。このとき、フライアイレンズは単独のものであって
も複数のフライアイレンズ群より成っていても良い。
【0056】また、投影レンズPLはここでは屈折系と
したが反射系であっても良く、また反射屈折系であって
もよい。またその投影倍率は任意でよいが、微細なパタ
ーンの露光・転写の為には縮小系であることが望まし
い。さらに、光源として水銀ランプを使用したが、他の
光源、例えば輝線ランプやレーザー光源等であってもか
まわない。
【0057】次に、本発明による方法で使用するレチク
ルパターンの原理的な一例と露光方法について、図5を
参照して説明する。図5は、本発明による方法で孤立ラ
インパターン(ポジ型レジスト使用時)、あるいは孤立
スペースパターン(ネガ型レジスト使用時)を形成する
為の模式的なパターン例を示す。
【0058】まず図5(A)に示すように、重ね合わせ
露光すべき一方のパターンPAは、一例として3本の遮
光性ラインパターンPA1、PA2、PA3をラインアン
ドスペース状(デューティ1:1)にしておく。そし
て、このパターンPA(レチクル)上の特定の点に光軸
AXが通るようにレチクルRを位置決めして、ウェハW
上のレジスト層に1回目の露光を行う。この図5(A)
の場合、本来ウェハW上に形成すべき孤立ラインパター
ンは遮光性パターンPA2である。
【0059】図5(A)のように周期性を持ったパター
ンPAの投影にあたって、図1に示した装置は極めて有
効である。先にも述べた通り、図1の装置はレチクルR
上のパターンの周期性に合わせて照明光学系内の複数の
射出部8B〜8Eの位置を最適化するため、パターンP
Aが微細化してもコントラストが高く(つまり解像度が
高く)なり、焦点深度が深くなるといった特徴がある。
【0060】もし仮に、ウェハW上に形成すべき本来の
孤立ラインパターンPA2のみをレチクルR上に設け
て、図1の装置で投影露光を行なっても、ラインパター
ンPA 2のみでは±1次回折成分がほとんど発生しない
ため、十分な解像は望めない。すなわち、図5(A)に
示した両脇のラインパターンPA1、PA3は、パターン
PAに全体として周期性を与える為のダミーパターンと
して作用する。
【0061】さて、図5(A)の1回目の露光時のレジ
スト層への露光量(ドーズ量)は、一例としてレジスト
層が現像時に完全に除去される最小露光量Eth(又は
膜減りが開始される最小露光量Ec)よりも大きくなる
ように設定される。図6(A)は1回目露光によってポ
ジ型レジスト層に与えられた露光量の分布(強度分布と
相似)IAを断面方向で表したものである。図6(A)
の縦軸は露光量を表し、横軸はパターンPAの周期方向
での位置を表す。
【0062】ここで、具体的な数値例をあげてみる。
今、ウェハW上に形成すべきラインパターンPA2の線
幅を0.3μm(ピッチ0.6μm)、露光用照明光の
波長λを365nm(i線)、そして投影レンズPLの
縮小倍率を1/5とすると、回折角の理論式から、照明
光学系内の1つの射出部から発生してレチクルRを照明
する光束の入射角ψは、図16で説明したように次式で
表される。
【0063】 sin2ψ=λ/5・P=0.365×10-6/(5×0.6×10-6) ≒0.122 従って、入射角ψは約3.5°になる。
【0064】次に、図5(B)に示すように重ね合わせ
露光すべき他方のパターンPBをパターンPAの代りに
配置してウェハW上の同一位置に2回目の露光を行う。
このとき、パターンPBの幅Dbは、先のパターンPA
の両脇のラインパターンPA 1とPA3の間隔Daよりも
狭く、かつラインパターンPA2の線幅よりは大きく定
められている。すなわち、パターンPBはウェハW上に
潜像として形成されたラインパターンPA2の像のみを
遮光し、その周辺は全て透過部とするような形状、大き
さに定められている。従って、図5のようなパターン形
状の場合、ラインパターンPAのピッチPから、パター
ンPBの幅Dbは0.5P<Db<1.5Pの範囲に設
定される。このパターンPBのみによってレジスト層に
与えられる露光量分布は、図6(B)に示すようにIB
となる。ここで2回目の露光の際も、レジスト層には最
小露光量Ethよりも大きな露光量が与えられたものと
する。こうしてウェハW上に2重露光が行われると、レ
ジスト層には図6(A)の分布IAと図6(B)の分布
IBとの合成された光量分布ISが図6(C)に示すよ
うに与えられる。この図6(C)から明らかなように、
合成された光量分布ISの像(合成像と呼ぶ)は、周期
性をもつパターンPAと周期性をもたない(孤立した)
パターンPBとのいずれにおいても遮光部となっている
部分(ラインパターンPA2)のみが十分に暗く、他の
部分は全て最小露光量Eth以上に明るくなっている。
従って、ポジ型レジストの場合には、図6(D)のよう
に現像によって最小露光量(スレッシホールド値)Et
h以下の部分が残膜した孤立ラインパターンPrとな
る。この孤立ラインパターンPrが図5(A)中のライ
ンパターンPA2に対応していることは明らかである。
【0065】以上の実施例では、周期性のパターンPA
の解像度を従来の露光方法に比べて、1.5〜2倍程度
に高めることが可能であり、同時に周期性パターンPA
の転写像(潜像)から孤立パターンのみを残すように、
別のパターンPBで2重露光するため、最終的にウェハ
W上に形成されるレジストパターンは極めて微細な孤立
パターンとなる。先に述べた通り、非周期性のパターン
PBの幅Dbは周期性パターンPAの1本のラインパタ
ーンの幅(ピッチ/2)に対して2〜3倍程度がよい。
周期性パターンPAの1本のラインパターン(PA2
の幅が従来の解像度の1/2〜1/1.5であるとき、
非周期性パターンPBの幅は、従来の解像限界の2倍程
度となり、パターンPBの投影に関しては十分な焦点深
度が得られる。
【0066】尚、ポジ型レジストの場合は、露光量と残
膜厚の関係が図17(A)に示すようになるが、ネガ型
レジストの場合は、図17(B)に示すようにレジスト
が完全に除去される最大露光量Ecとレジストが完全に
残膜する最小露光量Ethとが決められる。このため、
ネガ型レジストを使って図5(A)、図5(B)の露光
を行うと、従来よりも1.5〜2倍程度微細な孤立スペ
ースパターンを形成することができる。
【0067】図7及び図8は、共に、孤立アイランドパ
ターン(ポジ型レジスト使用時)及び孤立ホールパター
ン(ネガ型レジスト使用時)を形成するためのレチクル
パターン例を表わす。
【0068】図7(A)は、投影光学系の解像限界
(0.6×λ/NAR)程度以下に微細な遮光パターン
PAnが左右に3列、上下に3行の計9個が周期的に並
び、かつ遮光パターンPAnの中間に、遮光パターンP
Anより微細な遮光パターンPAsが配置されたもので
ある。この図7(A)の周期パターンのうち、実際にウ
ェハW上に形成すべきレジストパターンは、中央の遮光
パターンPA2である。
【0069】一方図7(B)は、上記の遮光パターンP
Anより、上下方向、左右方向、ともに2〜2.5倍程
度大きな遮光パターンPBを表わす。ここで、9個の遮
光パターンPAnはいずれも正方形とし、左右方向、上
下方向のスペース幅は、パターンPAnの幅と等しいも
のとする。さらに、中央の遮光パターンPA2を左右で
挟み込む遮光パターンPAnの間隔をDax、遮光パタ
ーンPA2を上下で挟み込む遮光パターンPAnの間隔
をDayとすると、図7(B)の遮光パターンPBの左
右方向の幅Dbxは、Dbx<Daxであり、上下方向
の幅DbyはDby<Dayである。
【0070】図7(A)の周期性パターンの投影像も図
6の場合と同様に、その周期性の為に、従来に比べて高
い解像度と、深い焦点深度をともなって露光される。一
方、図7(B)のパターンPBの投影像も十分な大きさ
を持つ為に、やはり深い焦点深度をともなって露光され
る。従って、2重露光による合成像により形成される孤
立アイランドパターンPS5(ポジ型レジスト使用時)
は、図7(C)に示すようにやはり十分な焦点深度を持
って形成されることとなる。この周期性パターンPAn
と、パターンPBとの重ね合わせは、9個の遮光パター
ンのうち中心の遮光パターンPA2と、パターンPBの
中心が一致するようにレチクルRとウェハWをそれぞれ
位置合わせして多重露光するものとする。周期性パター
ンPAnと、非周期性パターンPBとのいずれもが遮光
部となる部分(PA2)でのみ、レジストが残膜する理
由は図6に示す例と同様である。
【0071】なお、非周期的パターンPBの四隅は小さ
い方の周期的パターンPAsと重ね合わせにより合致す
るように配置されている。このため、複数のレチクルパ
ターンの重ね合わせでいずれもが遮光部の状態となる
が、周期的パターンPAsは解像限界に比べ十分小さ
く、ウェハW上の投影像において十分な遮光効果を与え
ることはない。その結果、周期的パターンPAsと非周
期パターンPBとの合致部にレジストパターンは形成さ
れない。周期的パターンPAsは、形成すべき孤立アイ
ランドパターンPS5の形状を、より正方形に近づける
ための補助的なパターン(コーナ強調)であり、従って
周期的パターンPAsがなくとも、孤立アイランドパタ
ーンPS5の形成は可能である。
【0072】図8(A)は、同図中左右方向に周期性を
有するラインアンドスペースパターンPA1、PA2、P
3を示し、図8(B)は同図中上下方向に周期性を有
するラインアンドスペースパターンPB1、PB2、PB
3を示す。これら2つのパターンの斜線部はいずれも遮
光部を表わす。これら2つの周期性パターンPA、PB
はいずれも周期的なパターンであり、従っていずれのパ
ターンの露光に於いても本発明の特徴である高解像度、
及び大焦点深度を得ることができる。この2つのパター
ンPA、PBの重ね合わせ露光による合成像(レジスト
像)が図8(C)に示す孤立アイランドパターンPS6
となる。
【0073】ここで、周期性パターンPAの左右のライ
ンパターンPA1とPA3の間隔をDaxとし、3本のラ
インパターンPA1、PA2、PA3の長さをともにDa
yとすると、他方の周期性パターンPBの上下のライン
パターンPB1とPB3の間隔Dbyは、Dby>Day
に設定され、3本のラインパターンPB1、PB2、PB
3の長さDbxは、Dbx<Daxに設定される。そし
て、ウェハW上に形成すべきレジストパターンは、ライ
ンパターンPA2とPB2の交差によってできる正方形部
分である。
【0074】この重ね合わせ露光においては、周期性パ
ターンPAの中心と周期性パターンPBの中心がウェハ
W上の同一点でそれぞれ一致するように多重露光を行な
う。なお、レジスト像として必要なのは、各3本の遮光
ラインパターンの中心のラインパターンPA2、PB2
交差部のみなので、他の部分で遮光部が重なり合わない
ように、各ラインアンドスペースの長さ(長辺側寸法)
は、幅(短辺側寸法)の3倍より短かい程度とする。あ
るいは各ラインアンドスペースパターンの長さをこれよ
り長くし、これにより発生する不必要な遮光部の重なり
に対して、さらに図7(B)のパターンPBと同等のパ
ターンを用意して重ね合わせ露光により、これを除去し
てもよい(不必要な遮光部はこれにより露光され
る。)。このことについては後で実施例として詳しく述
べる。
【0075】以上、図7、図8を用いて、孤立アイラン
ドパターンの形成例について説明したが、これはポジ型
レジストの使用を前提としたものである。ネガ型レジス
トを使用すれば同様の方法により、孤立ホールパターン
の形成が可能である。
【0076】また、以上の図6、図7、図8において、
周期的パターンの例として3本のラインパターン、ある
いは3行、3列のドットパターンを挙げたが、周期的パ
ターンを構成するライン、又はドットの個数はこれに限
ったものではなく、5本、あるいは7本等、または5行
5列等、任意でよい。また、周期的パターンの透光部と
遮光部の線幅比(デューティー)は、1:1に限らず任
意でよい。ただし、遮光部の線幅を、透光部の線幅に対
して2割程度大きくしたものが、実験的によりよい結果
を得られることがわかった。
【0077】また、周期的パターンの周期性は、それ程
厳密である必要はない。例えば周期的パターンを形成す
るパターン、すなわち3本ラインであれば両端の2本
は、中心部のパターンより細くなっていても良い。
【0078】以上、本発明により重ね合わせ露光(多重
露光)される様々なパターンの実施例について述べた
が、それらを応用した実際の各レチクルパターンのレチ
クル上での位置関係、及び重ね合わせ方法の実施例につ
いて図9、及び図10を用いて説明する。図9は一例と
して先の図5、図7、図8の夫々に示したパターンPA
とパターンPBとの両方を一緒に描画したレチクルRの
パターン配置図である。このレチクルRはIC製造プロ
セス中のコンタクトホール形成に使われるものである。
【0079】図9において、レチクルRのパターン形成
領域は遮光帯SBで囲まれており、その外側にはレチク
ルアライメント用のマークRM1、RM2が形成されてい
る。パターン領域内には、黒の正方形ドットで表したパ
ターンPAと白の正方形ドットで表したパターンPBと
が規則的にX、Y方向に配列される。そして、これらパ
ターンPA、PBの周辺は全て光透過部となっている。
【0080】このレチクルは、2つのパターンPA、P
Bの重ね合わせ露光をネガレジストに対して行うことで
孤立ホール(コンタクトホール)パターンが形成される
ものとする。メモリーICにおいては、一般的に単位メ
モリーセルが規則的に(周期的に)配列してメモリーセ
ル群を形成している。従って、各メモリーセルに対応す
るコンタクトホールもまた、周期的に配列されている。
図9においても、パターンPAとパターンPBの各中心
は、いずれもX方向のピッチがPx、Y方向のピッチが
Pyで配列されており、かつパターンPBは、パターン
PAと、それぞれ(Px/2、Py/2)離れたところ
に形成されている。
【0081】このようなレチクルRを使用して、先ずウ
ェハW上に適性露光量Eth以上で第1の露光を行な
う。従って、ウェハ表面のレジストは、各パターンP
A、PBに応じた光量で露光される。続いて、レチクル
RとウェハWとのX、Y方向での相対位置を、ウェハス
テージWST、又はレチクルステージRSTによって
(Px/2、Py/2)(レチクル上寸法)だけ移動さ
せてから適性露光量Eth以上で第2の露光を行う。図
9の場合は右斜め上に動かす。この移動は図1に示した
装置の場合、ウェハステージWSTの駆動用のモータ2
0、干渉計21、及び制御装置30で行われる。
【0082】前述のとおり、パターンPAとパターンP
Bとの距離は、(Px/2、Py/2)であったから、
上記第1と第2の露光により、ウェハW上において、パ
ターンPAとパターンPBは重ね合わせ露光されること
になる。
【0083】尚、図9のレチクルパターン配置から明ら
かなようにパターンPAとパターンPBとをウェハW上
で精密に重ね合わせる相対移動方向は4方向に存在す
る。すなわち図9の紙面内でレチクルR、又はウェハW
を斜め右上、斜め左上、斜め右下、及び斜め左下のいず
れか一方向に移動させることができる。どの方向に相対
移動を行うかは任意に設定できる。
【0084】また、図9のパターン配置の場合、パター
ン形成領域内の最外周に位置するパターンPA(黒の正
方形)のうち、Y方向の一辺に並ぶ列とX方向の一辺に
並ぶ列に存在する各パターンPAは、パターンPBと2
重露光されることがなく、残膜することになる。この残
りパターンはコンタクトホールパターンとしては不完全
なものであるから、レジスト像として形成されないこと
が望ましい。
【0085】そこで、図9中の最外周のパターンPAの
並びと遮光帯SBとの間に幅Px、Py程度の余白(透
明部)を設けておくとよい。このようにすると、その余
白部が最外周のパターンPAの潜像と2重露光され、不
要な残りパターンの形成を防止することができる。
【0086】以上のようにして、ネガレジストを用いた
場合、ウェハW上には図7(C)のレジストパターンP
S5、又は図8(C)のレジストパターンPS6のよう
なコンタクトホールが、X、Y方向にピッチPx/2
M、Py/2M(ただし1/Mは投影倍率)で形成され
る。このようなコンタクトホールパターンは周期性を持
つものの、各ホールパターンが離散的に配置しているた
め、実質的には孤立パターンと考えてよく、図1に示し
た露光装置に、従来通りのコンタクトホール形成用のレ
チクルパターンを設定して露光しても、十分な解像が得
られない。
【0087】図10は、図9のレチクルパターンを、図
8に示したパターンPAとパターンPBで構成した場合
の2重露光の様子を表したものである。X方向に周期性
をもつパターンPAとY方向に周期性をもつパターンP
Bとの2重露光によって、コンタクトホールとなるレジ
ストパターンPS6が形成される。同図中、破線で示し
たパターンPA、PBは1回目の露光によるもので、実
線で示したパターンPA、PBは2回目の露光によるも
のである。
【0088】図11は、多重露光すべきレチクルパター
ンの別の位置関係を示す実施例である。本実施例では、
レチクルRとウェハWとを2回ずらして3回の重ね合わ
せ露光を行うものとする。先の図8、又は図10に示し
たように、回折光の発生しやすい周期性パターンPA、
PBを使う場合、回折効率から考えると、各パターンP
A、PBのラインアンドスペースの繰り返し数は極力多
い方が好ましい。
【0089】そこで、3つのパターンPA、PB、PC
を同一レチクル上に形成する。パターンPAはX方向に
周期性を有するデューティほぼ1:1の回折格子状に形
成され、その遮光ラインパターン(斜線部)は5本とし
てある。パターンPBはY方向に周期性を有するデュー
ティほぼ1:1の回折格子状に形成され、その遮光ライ
ンパターン(斜線部)は5本としてある。
【0090】ここで、パターンPAの中心とパターンP
Bの中心とはY方向にΔYだけ離れ、3番目のパターン
PCの中心は、パターンPBの中心から距離ΔXだけX
方向に離して形成された正方形の遮光部(斜線部)であ
る。また、パターンPCの周辺の領域ABは2つのパタ
ーンPAとPBを重ね合わせたときの形状、及び面積と
ほぼ等しい。また、各パターンPA、PB、PCの周辺
はいずれも透明部分である。コンタクトホールパターン
の形成にあたっては、パターンPAの中央の遮光ライン
パターンとパターンPBの中央の遮光ラインパターンと
の重ね合わせによる正方形の重複部が使われる。パター
ンPCは、パターンPAとPBの重ね合わせによって生
じた不要な重複部(潜像)を消去するためのものであ
る。
【0091】このようなレチクルを使用し、ウェハに対
して第1の露光を行った後、その第1の露光位置から、
レチクルRとウェハWとの各面内方向の相対的位置をレ
チクル上で(0、+ΔY)だけずらして第2の露光を行
う。その後、第1の露光位置から、レチクルRとウェハ
Wとの各面内方向の相対位置をレチクル上で(−ΔX、
−ΔY)だけずらして第3の露光を行う。
【0092】図12は、図11中のパターンPAとパタ
ーンPBとを重ね合わせ露光したときにネガレジスト上
に形成される潜像PA’、PB’の様子を示したもので
ある。図12中、破線は各パターンの潜像のエッジを表
し、黒く塗り潰した複数の孤立領域は2回の重ね合わせ
露光によって全く露光されなかった未露光部分を表す。
これら複数の孤立領域のうち、中央の正方形パターンP
S8は、3回目のパターンPCとの重ね合わせ露光によ
っても未露光のままであり、パターンPS8の周辺に位
置する他の未露光の孤立領域は、パターンPCの周囲の
透明部(領域AB)によって完全に感光される。従っ
て、最終的にウェハW上には正方形のパターンPS8の
みが形成される。ネガレジストの場合、現像によってパ
ターンPS8の部分が除去され、その周辺のレジストは
ほぼ完全に残膜した状態になるため、先の図10で説明
したのと同様に、コンタクトホールパターンが形成され
る。
【0093】図13は、図11に示した1組のパターン
配列の複数を規則的にレチクルR上に形成してコンタク
トホールパターンを作る場合の一例を示すものである。
図13中、図11のパターンPAは○印で表し、パター
ンPBは□印で表し、パターンPCは△印で表してあ
る。このようなレチクルRを用いて、同様にウェハWと
の相対位置ずらしを2回行い、3回の重ね合わせ露光を
行うと、ウェハWのレジストにはX方向のピッチがΔ
X、Y方向のピッチがΔYのコンタクトホールパターン
群が形成される。
【0094】以上の図11、又は図13に於いては、レ
チクル中に形成するパターンをPA、PB、PCの3個
としたが、数はこれに限定されるものではなく、2個、
4個等のパターンを作っておき、各2回、4回の重ね合
わせ露光を行なってもよい。また、パターンPA、P
B、PC等のパターン群を1ブロックとして、それが複
数ブロック存在していてもよい。
【0095】また、図5、図7、図11に示したよう
に、孤立したホールパターンのみを重ね合わせ露光で形
成する場合は、第1の露光、第2の露光、又は第3の露
光での照射光量(露光量)は、2回、又は3回共等しく
てもよく、むしろ各露光毎に異なっていることが望
ましい。例えば、周期的パターン(PA、PB)の露光
時には、非周期的パターン(PC)の露光時より照射光
量を大きくすると良い。
【0096】前述の図1に示す露光装置に於いてはこの
照射量の制御は、制御装置30及びシャッタ3、及び照
射量計(不図示)により行なう。制御装置30は現在行
なわれている露光が上部の第nの露光であることを認識
し、前述の照射量計からの出力信号に応じて照射光量を
求め、それが目標値に達したときに露光停止の指令をシ
ャッタ3の駆動モータ4へ送る。なお、図9、図10、
図13に示したように、同一レチクル上にパターンP
A、PB(又はPC)の組が規則的に複数設けられる場
合は第1の露光と、第2の露光、又は第3の露光での照
射光量は同一とすることが望ましい。
【0097】以上の各実施例で説明した方法でレチクル
とウェハとの相対位置の移動を実現する場合、図1の装
置では、ウェハーステージWSTが、制御装置30の指
示により、前述の第1と第2の露光の間に、あるいは第
2と第3の露光の間に移動するものとした。あるいは、
他の方法としてレチクルRを保持するステージRSTが
移動しても、両方のステージが移動してもかまわない。
ただし、現実の投影型露光装置の多くは、既に2次元移
動するウェハステージを有しており、これによりステッ
プアンドリピート、あるいはステップアンドスキャン露
光を行なっており、従って、ウェハステージWSTのみ
を干渉計21による計測座標値に基づいて移動する方法
は、従来の装置においても、最も簡単に実現できるもの
である。
【0098】図14は、本発明による露光方法に用いら
れるレチクルのほぼ全面を表わす図である。図14中に
示す投影レンズPLの有効エリア円91内、すなわち投
影光学系の解像度及びディストーション、照度均一性等
の諸性能が良好に保証される領域に内接するように、レ
チクルパターンエリア(パターン形成領域)92が存在
する。従来の露光方法においてはこのレチクルパターン
エリア92内のすべてに回路パターンを描画し、かつウ
ェハWへ露光転写可能であった。しかしながら、本発明
に於いては、例えば図9、図10に示す如く、第1露光
と第2露光に於いて、レチクルとウェハとの相対位置関
係が異なっている。図14に於いては、第1の露光に使
用されるエリアは破線93内となり、第2の露光に使用
されるエリアは2点鎖線94内となる。
【0099】従って、第1、第2の露光に、共に使用さ
れる領域(斜線部)が本発明を使用したときにおける有
効なレチクルパターンエリアとなり、従来のものより減
少することとなる。ただし、例えば現在のステップアン
ドリピート式投影型露光装置に於いては、図14に示す
ようにレチクルパターンエリア92の大きさ(X0
0)は、共に100mm前後(レチクル上寸法)であ
り、また、図9、図10に示す、第1の露光と第2の露
光との相対的位置ずれ量(Px/2、Py/2)は、ほ
ぼメモリーセルサイズと等しく、レチクル上の寸法で1
0μm前後である(図14中のΔX、ΔY)。
【0100】従って、従来のレチクル有効エリア10
0,000μm×100,000μmに対して本発明に
於いては(100,000−2×10)μm×(10
0,000−2×10)μmとなる。この値の比は、
1:0.9996であり、従って、本発明により減少す
るレチクルパターン有効エリアは、従来の場合の面積の
わずかに0.04%程度に過ぎないことになる。
【0101】なお、図14に於いては、特に投影光学系
の有効エリアが円形であるステップアンドリピート型の
投影型露光装置について示したが、他の投影型露光装
置、例えばステップアンドスキャン型の露光装置であっ
ても同様であり、減少するレチクルパターンエリアの面
積はやはり微少である。
【0102】以上の各実施例で、図1に示した装置を使
う場合、レチクルRとウェハWとの相対位置を(ΔX、
ΔY)だけずらす手法の1つとして、各アライメント系
22〜25におけるマーク検出中心を光学的(平行平板
ガラスの傾斜)、又は電気的にオフセットさせ、オフセ
ットしたマーク検出中心に対してレチクルRのマーク、
又はウェハWのマークを追い込むように、レチクルステ
ージRST、又はウェハステージWSTをサーボ制御し
てもよい。
【0103】さらに、今までの説明ではレチクルRとウ
ェハWのうちいずれか一方を(ΔX、ΔY)だけシフト
させるとしたが、レチクルRとウェハWの両方を逆方
向、又は同一方向にシフトさせてもよい。等倍投影光学
系で鏡像投影を行う装置では、レチクルとウェハを光軸
に対して逆方向に同一距離だけシフトさせることは意味
がないが、逆方向に異なる距離で、もしくは同一方向に
レチクルとウェハを移動させると同様のシフトが可能で
ある。また、縮小投影光学系(鏡像投影)の場合は、投
影倍率を1/Mとしたとき、レチクルの移動量に対して
ウェハの移動量が1/Mで逆方向にシフトさせることは
意味がないが、それ以外の移動量比によるシフト方法
(同一方向の移動も含む)であれば、同様の位置ずらし
が可能である。また、縮小投影の場合は、レチクルRと
ウェハWとは装置上で静止したままにして、投影光学系
のみを光軸AXと垂直な方向に平行移動させても、同様
に投影像とウェハとの相対的な位置ずらしができる。
【0104】以上の実施例においては、使用する投影型
露光装置は前述の如く、照明光学系中の瞳面において光
軸から偏心した位置に中心を有する局所領域に照明光束
の光量分布が集中しているものとしたが、変形例として
上記瞳面(若しくは、照明光学系内のフーリエ変換面)
上において輪帯状の光量分布を有する露光装置を使用す
ることもできる。この場合、輪帯状光量分布の外径はσ
値相当で0.6〜0.8程度、内径はσ値相当で0.3
〜0.6程度とするとよい。
【0105】
【発明の効果】上記各請求項に記載の発明によれば、上
述したような多重露光方法を使用することにより、微細
なパターンも高精度に転写できるという効果を得ること
ができる。加えて請求項1に記載の発明によれば、周期
的な第1パターンを第1の露光量で、第1パターンとは
異なる形状の第2パターンを第1パターンの一部と重ね
合わせながら第2の露光量で、それぞれ感光基板上に転
写するように構成されている。即ち各マスクパターンは
それぞれ応じた露光量で、且つ各マスクパターン間での
露光量バランスも鑑みて露光量設定を行うので、基板上
に高解像度で最終的なパターン形成を行うことができ
。また請求項に記載の発明では、市松模様パターン
を形成するために第1パターンを感光基板上に形成し、
それとは異なる形状の第2パターンを第1パターンの一
部と重ね合わせるように転写するよう構成されている。
このため細かいパターンであっても市松模様パターンを
利用することにより比較的容易に形成するころが可能と
なる。また請求項17に記載の発明では、複数の要素パ
ターンが周期的に配列された第1パターンを転写し、要
素パターンの幅よりも2〜3倍程度の大きい幅を持つ第
2パターンを第1パターンの一部と重ね合わせ転写する
ように構成されている。このため最終的にパターン形状
を規定するための第2パターンの製造が比較的容易とな
るという効果を得ることができる。更に、レチクルパタ
ーンとフーリエ変換の関係となる照明光学系中の面内に
おいて、レチクルを照明する照明光束が光軸以外の1点
以上を中心とする1つ以上の領域に集中した投影露光装
置を使用すると、特に周期的なレチクルパターンに対し
て、解像度及び焦点深度を増大することができるように
なり、従来では実現の難しかった微細パターン、特に微
細孤立パターンの良好な露光転写が可能となる。
【0106】また本実施例に示すように、多重露光すべ
き複数のパターンを別々のマスクに形成するのではな
く、一枚のマスク上に形成すれば、多重露光の際のマス
ク交換が不要となるためそれだけスループットが高くな
る。
【0107】同時にマスクの製造コストも低減される。
また、重ね合わせられる複数のパターンは、同一マスク
中の近接した位置であるため、マスク製造誤差による重
ね合わせずれの量は極めて少なくすることができる。ま
た、同一マスクに重ね合わせるパターンが存在するた
め、アライメント誤差に起因する重ね合わせ誤差は発生
しない。
【0108】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する投影露光装置の全体構成を示
す図、
【図2】図1の装置の照明系を模式的に表した光路図、
【図3】光分割器の構成を示す側面図、
【図4】光分割器の構成を示す正面図、
【図5】本発明の露光方法の原理及び動作を説明する斜
視図、
【図6】図5の露光方法によって得られるパターン露光
時の光量分布を説明する図、
【図7】本発明の他の実施例によるレチクルパターンの
組合せを説明する図、
【図8】本発明の他の実施例によるレチクルパターンの
組合せを説明する図、
【図9】図8に示したレチクルパターンを設けたレチク
ルのパターン配置図、
【図10】図9のレチクルを使ったときの多重露光の様
式を示す図、
【図11】本発明の他の実施例によるレチクルパターン
の配置を示す図、
【図12】図11のレチクルパターンを多重露光とした
ときの様子を示す図、
【図13】図11のレチクルパターンを実際のレチクル
上に配列する場合の一例を示す図、
【図14】本発明を使用したレチクル上のパターン有効
領域を説明する図、
【図15】従来の投影露光装置の構成、及び露光状態を
説明する図、
【図16】本発明で使用する露光装置の原理を説明する
図、
【図17】レジスト層への露光量と残膜厚との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
1…光源、3…シャッター、8…光分割器、8B〜8E
…射出部、9…フーリエ変換面、20…モータ、21…
干渉計、30…制御装置、R…レチクル、W…ウェハ、
PL…投影光学系、RST…レチクルステージ、WST
…ウェハステージ、PA…第1の周期性パターン、PB
…第2のパターン、PC…第3のパターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 1/08 G03F 7/20 521

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 照明光学系を通してマスクに照明光を照
    射し、投影光学系を介して前記照明光で感光基板を露光
    する方法において、 周期的な第1パターンを第1の露光量で前記感光基板上
    に転写し、 前記第1パターンとは異なる形状を持ち、前記感光基板
    上で前記第1パターンの一部と重ね合わされる第2パタ
    ーンを、前記第1の露光量よりも小さい第2の露光量で
    前記感光基板上に転写することを特徴とする露光方法
  2. 【請求項2】 前記第1パターンの転写時に、前記照明
    光学系内で前記マスクのパターン面に対してほぼフーリ
    エ変換の関係となる所定面上での前記照明光の光量分布
    を中心部よりもその外側で高めることを特徴とする請求
    項1に記載の露光方法
  3. 【請求項3】 前記照明光は、前記所定面上での光量分
    布が前記照明光学系の光軸から偏心した局所領域内で高
    められることを特徴とする請求項2に記載の露光方法
  4. 【請求項4】 前記光量分布は、前記照明光学系の光軸
    からの距離がほぼ等しい複数の局所領域内でそれぞれ高
    められることを特徴とする請求項3に記載の露光方法
  5. 【請求項5】 前記第2パターンは、非周期的なパター
    ンであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に
    記載の露光方法
  6. 【請求項6】 前記照明光の前記第1パターンへの照射
    光量は、前記第2パターンへの照射光量よりも大きいこ
    とを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の露光
    方法
  7. 【請求項7】 前記第2パターンは、前記感光基板上に
    形成すべきパターンの形状を規定するためのパターンで
    あることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載
    の露光方法
  8. 【請求項8】 前記第1パターンと前記第2パターンと
    は、同一マスク上の異なる領域に形成されていることを
    特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の露光方
  9. 【請求項9】 照明光学系を通してマスクに照明光を照
    射し、投影光学系 を介して前記照明光で感光基板を露光
    する方法において前記感光基板上に転写されると市松模様パターンが形成
    される第1パターンを照明して、前記市松模様パターン
    を前記感光基板上に形成し前記第1パターンとは異なる形状の第2パターンを、前
    記感光基板上で前記第1パターンの一部と重ね合わせる
    ように前記感光基板上に転写し、これにより前記第1パ
    ターンと前記第2パターンとの重ね合わせ露光部分を前
    記基板上に形成すべきパターンとすることを特徴とする
    露光方法
  10. 【請求項10】 前記第1パターンは、前記市松模様パ
    ターンと、該市松模様パターン間に配置され且つ前記投
    影光学系の解像限界より小さい補助パターンとを有する
    ことを特徴とする請求項9に記載の露光方法
  11. 【請求項11】 前記第2パターンは、前記第1パター
    ン内の前記市松模様パターンを構成する1つの要素パタ
    ーンよりも大きいことを特徴とする請求項9又は10に
    記載の露光方法
  12. 【請求項12】 前記第2パターンは、前記要素パター
    ンより上下及び左右方向において2〜2.5倍程度大き
    いことを特徴とする請求項11に記載の露光方法
  13. 【請求項13】 前記第1パターンの中心部分と前記第
    2パターンの中心部分とが一致するように前記両パター
    ンを重ね合わせて露光することを特徴とする請求項9〜
    12の何れか一項に記載の露光方法
  14. 【請求項14】 前記第1パターンの転写時に、前記照
    明光学系内で前記マスクのパターン面に対してほぼフー
    リエ変換の関係となる所定面上での前記照明光の光量分
    布を中心部よりもその外側で高めることを特徴とする請
    求項1又は13に記載の露光方法
  15. 【請求項15】 前記照明光は、前記所定面上での光量
    分布が前記照明光学系の光軸から偏心した局所領域内で
    高められることを特徴とする請求項14に記載の露光方
  16. 【請求項16】 前記光量分布は、前記照明光学系の光
    軸からの距離がほぼ等しい複数の局所領域内でそれぞれ
    高められることを特徴とする請求項15に記載の露光方
  17. 【請求項17】 照明光学系を通してマスクに照明光を
    照射し、投影光学系を介して前記照明光で感光基板を露
    光する方法において複数の要素パターンが所定方向に周期的に配列された第
    1パターンを、前記感光基板上に転写し前記所定方向における大きさが、前記要素パターンの前
    記所定方向における大きさの2〜3倍程度の大きさを持
    つ第2パターンを、前記感光基板上で前記第1パターン
    の一部と重ね合わせるように前記感光基板上に転写する
    ことを特徴とする露光方法
  18. 【請求項18】 前記複数の要素パターンのうちの1つ
    は、前記感光基板上に形成すべき微細パターンに相当す
    ることを特徴とする請求項17に記載の露光方法
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