JPH04355910A - マスク及び露光方法及び露光装置 - Google Patents

マスク及び露光方法及び露光装置

Info

Publication number
JPH04355910A
JPH04355910A JP3032996A JP3299691A JPH04355910A JP H04355910 A JPH04355910 A JP H04355910A JP 3032996 A JP3032996 A JP 3032996A JP 3299691 A JP3299691 A JP 3299691A JP H04355910 A JPH04355910 A JP H04355910A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
exposure
patterns
light
reticle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3032996A
Other languages
English (en)
Inventor
Naomasa Shiraishi
直正 白石
Shigeru Hirukawa
茂 蛭川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP3032996A priority Critical patent/JPH04355910A/ja
Publication of JPH04355910A publication Critical patent/JPH04355910A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70425Imaging strategies, e.g. for increasing throughput or resolution, printing product fields larger than the image field or compensating lithography- or non-lithography errors, e.g. proximity correction, mix-and-match, stitching or double patterning
    • G03F7/70466Multiple exposures, e.g. combination of fine and coarse exposures, double patterning or multiple exposures for printing a single feature

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体等の回路パター
ン形成技術、特にリソグラフィー工程で使われるマスク
、あるいはそのマスクを使った投影露光方法、及び露光
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体等の回路パターン形成に際して、
現在の微細化したLSIの場合、実際のパターンの5倍
から10倍に拡大された遮光部分と透過部分とからなる
原版(マスク、レチクル)を、縮小投影型露光装置を用
いて、半導体基板(ウェハ)等の表面に塗布された感光
性膜(レジスト)上に結像し、これを感光する方法がと
られる。
【0003】従来、使用されるレチクル上には、転写す
べき回路パターンが、投影型露光装置の倍率だけ拡大さ
れて描画されており、従ってウェハ上には回路パターン
が所望の大きさとなって転写される。従来この種の装置
においては、図15に示す如く照明光束L10は、照明
光学系の瞳面(フーリエ変換面)付近に、投影光学系P
Lの瞳epとほぼ共役に配置されたほぼ円形の開口絞り
100により照明光学系の光軸を中心とする円形領域内
を通る光束L11となってレチクル(マスク)Rを照明
していた。ここで、光束を表す実線は1点から出た光の
主光線を表している。
【0004】このとき照明光学系の開口数と投影光学系
PLのレチクル側開口数の比、所謂σ値は開口絞り10
0により決定され、その値は0.3〜0.6程度が一般
的である。照明光L11はレチクルRにパターニングさ
れたパターンPPにより回折され、パターンPPからは
0次回折光D0 、+1次回折光Dr、−1次回折光D
lが発生する。それぞれの回折光は投影光学系PLによ
り集光され、ウェハ( 試料基板)W上に干渉縞を発生
させる。この干渉縞がパターンPPの像である。
【0005】このとき0次回折光D0 と±1次回折光
Dr、Dlのなす角θはsinθ=λ/P(λ:露光波
長、P:パターンピッチ)により決まる。パターンピッ
チが微細化するとsinθが大きくなり、sinθが投
影光学系のレチクル側開口数 (NAR ) より大き
くなると±1次回折光Dr、Dlは投影光学系PLに入
射できなくなる。
【0006】このときウェハW上には0次回折D0 の
みしか到達せず干渉縞は生じない。つまり sinθ>
NAR となる場合にはパターンPPの像は得られず、
パターンPPをウェハW上に転写することができなくな
ってしまう。以上より従来の露光装置においては、si
nθ=λ/P≒NAR となるピッチPは次式で得られ
、  P≒λ/NAR               
                         
     ……(1)このピッチPがウェハW上に転写
可能となるパターンのレチクル上での最小ピッチである
【0007】従って最小パターン幅としては、この半分
の0.5×λ/NAR 程度となるが、実際には焦点深
度との関係上、0.6×λ/NAR 程度が最小パター
ン幅となっている。これを投影光学計の像面 (ウェハ
W) 側に直すと0.6×λ/NAW ( NAW は
投影光学系のウェハ側開口数であり、NAW =B・N
AR 、Bは投影光学系の縮小率) 程度となる。
【0008】以後この値を投影光学系の解像限界と呼ぶ
。この投影光学系自体の解像限界以上に微細なパターン
を転写するために、レチクルパターン自体を変更して解
像度を高めようという方法も提案されている。これは位
相シフトと呼ばれる方法であり、レチクル上に他の部分
とは透過光の位相がπだけずれる、いわゆる位相シフタ
ー膜を形成し、位相シフター部と、他の部分との透過光
の干渉効果(特に相殺効果)を利用して解像度、及び焦
点深度を高めるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の投影型露光装置
においては、ウェハ上に転写可能な回路パターンの微細
度(サイズ)は、露光波長をλ、投影光学系のウェハ側
開口数をNAW として、0.6×λ/NAW 程度が
限界であった。これは、光が波動である為に生じる回折
現象の為であり、従って露光波長をより短くすれば解像
度は原理的には向上する。
【0010】しかし波長が 200nmより短くなると
、これを透過する適当な光学材料が存在せず、また空気
による吸収が発生するなど問題点が多い。また開口数N
AW は現在、既に技術的限界にあり、これ以上の大N
A化は望めない状況である。また、位相シフト法を使用
した露光では解像度の向上、及び焦点深度の増大は可能
であるが、位相シフト法で使用する位相シフター付レチ
クルは、製造工程が複雑で、従って欠陥の発生率が高く
、また製造コストもきわめて高価となる。また、検査方
法及び修正方法も未だ確立されていないなど問題点が多
く、実用化には多くの問題が残る。
【0011】現在のLSI製造工程においては、成膜、
フォトリソグラフィー( 回路パターン転写) 、エッ
チングのサイクルが20回程度繰り返されるのが普通で
ある。また各膜の膜厚は0.05μmから1μm程度で
あり、従って工程が進むにつれウェハ上には数μm程度
の段差が形成され、この上部と下部に同時にパターニン
グを行なうには、焦点深度の大きな投影型露光方法が必
要になる。
【0012】一方で、焦点深度を拡大する1つの手法と
して、多重焦点露光法も知られている。この露光方法に
よる深度増大法においては、特に単独で存在するパター
ン(パターンサイズに対してパターン以外のサイズが1
:3程度以上であるパターン、以後孤立パターンと略す
) に対して、通常の露光方法に比べ、大きな実用上の
焦点深度が得られるが、解像度を向上することは原理的
に不可能であった。
【0013】本発明はこの様な現状に鑑みてなされたも
ので、従来と同じ遮光部と透過部から成るレチクル(マ
スク)を使用し、かつ高解像度及び深い焦点深度を得ら
れる露光方法、及び装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的の為に本発明の
おいては、レチクルパターンのフーリエ変換面となる照
明光学系中の面内に於いて、前記レチクルパターンを照
明する照明光量分布が前記照明光軸以外の任意の一つ以
上の点をそれぞれ中心とする任意の1つ以上の領域に集
中している投影型露光装置を使用するものとした。
【0015】また、被露光基板(半導体ウェハ等)の表
面に形成された感光性膜の露光は複数のサブ露光に分割
して行い、かつ、この複数のサブ露光のそれぞれに於い
て、前記レチクルと前記被露光基板との位置関係は投影
光学系の光軸と垂直な面内に於いて、相対的に異なる位
置となるようにした。このときのレチクルとウェハとの
相対位置関係は、ウェハ上の少なくとも1つ以上の領域
が、前記複数のサブ露光の全てに於いて、前記レチクル
上のそれぞれ異なるパターンの重ね合わせ露光となるも
のとした。
【0016】また、このとき上記の重ね合わせ露光され
る複数のパターンのうち、少なくとも1つはほぼ周期的
に配列されたパターン群より成るものとした。或いは、
上記重ね合わせ露光される複数のパターンのうち少なく
とも2つはほぼ周期的に配列されたパターン群より成る
ものとし、かつ、それらの周期的なパターンの周期又は
方向性はそれぞれ異なるものとした。
【0017】さらに上記周期的パターンを形成するパタ
ーン群は前記投影光学系の解像限界以下程度に微細なも
のであり、それ以外のパターンは上記解像限界の2倍以
上程度に大きなパターン又はパターン群より成るものと
した。また、前記複数のサブ露光のそれぞれに於いて、
前記レチクルと前記被露光物(半導体ウェハ等)との前
記相対的位置関係の変更は、前記被露光物を保持するス
テージの前記投影光学系の光軸に対する移動により成さ
れるものとした。
【0018】
【作用】本発明で使用するレチクルパターンとフーリエ
変換の関係となる照明光学系中の面内に於いて、レチク
ルを照明する照明光束が光軸以外の1点以上を中心とす
る1つ以上の領域に集中した投影型露光装置を使用する
と、特に周期的なレチクルパターンに対して、解像度及
び焦点深度を増大することができる。
【0019】以下、図面を用いてこの原理について説明
する。従来の投影露光装置では、レチクルに対して上方
から種々の入射角で入射する露光光が無差別に用いられ
、レチクルパターンで発生した0次、±1次、±2次、
…の各回折光がほぼ無制限に投影光学系を透過してウェ
ハ上に結像していた。これに対して、本発明の投影露光
装置では、図16の如く照明光L10から照明光学系中
のレチクルパターン面と略フーリエ変換の関係となる面
内に於いて、照明光学系の光軸AXが通る中央部以外に
透過部を有する遮光板100’を設け、照明光学系の光
軸上を通らない光束、つまりレチクルパターンに対して
特定の方向と角度で斜めに入射する任意の2つの光束L
12、L13、或いは2n本(nは自然数)の光束を形
成させ、レチクルパターンPPを照明する。レチクルパ
ターンPPは通常、光透過部と遮光部とが所定のピッチ
で繰り返し形成された周期構造を有するパターンを多く
含んでいる。そしてレチクルパターンPPで発生した0
次回折光と±1次回折光とを投影光学系PLを介してウ
ェハW上に結像させる。
【0020】すなわち、レチクルパターンPPの微細度
に応じてパターンPPに所定の方向と角度で2本、或い
は2n本の光束を入射させることによって、最適な0次
回折光と±1次光を発生させることにより従来では十分
に解像できなかったパターンをウェハW上に高コントラ
ストに、かつ、大きい焦点深度を持って結像させること
が可能となる。ここで、レチクルRに入射する光束L1
2、L13は、前述の遮光板100’によって投影光学
系PLの光軸AXに対して対称に所定の角度ψだけ傾い
て入射する主光線を有する2本の光束に変換されたもの
である。ここでも、光束を表す実線は1点から出た光の
主光線を表している。まず図16に基づいて照明光L1
2による回折光について説明する。照明光L12はレチ
クルパターンPPにより回折され0次回折光D0 、+
1次回折光Dr、−1次回折光Dlを発生する。しかし
ながら、照明光L12は投影光学系PLの光軸AXに対
して角度ψだけ傾いてレチクルパターンPPに入射する
ので、0次回折光D0 もまた投影光学系PLの光軸A
Xに対して角度ψだけ傾いた方向に進行する。ここで、
投影光学系PLは両側テレセントリック系とする。
【0021】従って、+1次光Drは光軸AXに対して
θP +ψの方向に進行し、−1次回折光Dlは光軸A
Xに対してθm −ψの方向に進行する。このときθP
 、θm はそれぞれ sin(θP +ψ)−sinψ=λ/P      
                  ……(2)si
n(θm +ψ)−sinψ=λ/P        
                ……(3)である。
【0022】仮にいま+1次回折光Dr、−1次回折光
Dlの両方が投影光学系PLに入射しているとする。レ
チクルパターンPPの微細化に伴って回折角が増大する
と先ずθP +ψの方向に進行する+1次回折光Drが
投影光学系PLを透過できなくなる(sin(θP +
ψ)>NAR となる)。しかし照明光L12が光軸A
Xに対して傾いて入射している為、このときの回折角で
も−1次回折光Dlは、投影光学系PLを透過可能とな
る(sin(θm +ψ)<NAR となる)。
【0023】従って、ウェハW上には0次回折光D0 
と−1次回折光Dlの2光束による干渉縞が生じる。こ
の干渉縞はレチクルパターンPPの像でありレチクルパ
ターンPPが1:1のラインアンドスペースの時、約9
0%のコントラストとなり、表面にレジストが塗布され
へたウェハW上にパターンPPをパターニングすること
が可能となる。このときの解像限界は、 sin(θm +ψ)=NAR           
                        …
…(4)となるときであり、従って NAR +sinψ=λ/P P=λ/(NAR +sinψ)          
                      ……(
5)がレチクル上の転写可能な最小パターンのピッチで
ある。
【0024】今sinψを0.5×NAR 程度に定め
るとすれば転写可能なレチクル上のパターンの最小ピッ
チは P=λ/(NAR +0.5NAR )=2λ/3NA
R             ……(6)である。一方
、図15に示したように、照明光が投影光学系PLの光
軸AXを中心とする円形領域内を通る光束である従来の
露光装置の場合、解像限界は(1)式に示したようにP
≒λ/NAR であった。従って、従来の露光装置より
高い解像度が実現できる。
【0025】照明光L13についても同様に考えて、+
1次光Dr1 は光軸AXに対してθP1−ψの方向に
進行し、−1 次回折光Dl1 は光軸AXに対してθ
m1+ψの方向に進行する。D01は0次回折光を表し
ている。このときθP1、θm1はそれぞれ sin(θm1+ψ)−sinψ=λ/P      
                  ……(7)si
n(θP1−ψ)+sinψ=λ/P        
                ……(8)であり、
解像限界はsin(θP1−ψ)=NAR のときであ
る。
【0026】従って、照明光L12の場合と同様に(5
)式に示すパターンピッチが転写可能なパターンの最小
ピッチとなる。照明光L12とL13の両方を使うこと
により投影光学系の光軸に対して光量重心が偏らないよ
うにしている。次に、レチクルパターンに対して特定の
入射方向と入射角で露光光を入射して、0次回折光と1
次回折光とを用いてウェハ上に結像パターンを形成する
ことにより、焦点深度が大きくなる理由を説明する。
【0027】ウェハが投影光学系の焦点位置に一致して
いる場合には、レチクル上の1点を出てウェハ上の一点
に達する各回折光は、投影光学系のどの部分を通るもの
であってもすべて等しい光路長を有する。このため従来
のように0次回折光が投影光学系の瞳面のほぼ中心を貫
通する場合でも、0次回折光とその他の回折光とで光路
長は相等しく、相互の波面収差も0である。しかし、ウ
ェハが投影光学系の焦点位置に一致していない場合(デ
フォーカスを起こした場合)、斜めに入射する高次の回
折光の光路長は光軸付近を通る0次回折光に対して焦点
前方(投影光学系から遠ざかる方)では短く、焦点後方
(投影光学系に近づく方)では長くなりその差は入射角
の差に応じたものとなる。従って、0次、1次、…の各
回折光は相互に波面収差を形成して焦点位置の前後にお
ける結像パターンのぼけを発生する。この波面収差ΔW
は、次式、 ΔW=1/2×(NA)2 Δf Δf:デフォーカス量 NA:瞳面上の中心からの距離を開口数で表した値で表
され、従って、瞳面のほぼ中心を貫通する0次回折光(
ΔW=0)に対して、瞳面の周囲、半径r1 (〔NA
〕を単位とする)を通る1次回折光では、ΔW=1/2
×r1 2 Δf の波面収差をもつこととなり、焦点位置の前後での解像
度、すなわち焦点深度を低くしている。
【0028】一方、本発明で使用する投影型露光装置の
場合、例えば図16の如く、θm =2ψとなる入射角
でレチクルパターンPPに2つの光束を入射した場合、
パターンPPからの0次回折光D0 と1次回折光Dl
とが瞳面ep上でほぼ中心から等距離となる位置(共に
半径r2 とする)を通るようになり、0次回折光D0
 と1次回折光Dlの波面収差は相等しく、ΔW=1/
2×r2 2 Δfとなり、0次回折光に対する1次回
折光の収差は零となって、ある範囲内ではデフォーカス
によるぼけが無くなる。従ってその分だけ従来装置より
も焦点深度が大きくなることになる。
【0029】以上、本発明で使用する投影型露光装置で
は、特に周期的なパターンについて、解像度及び焦点深
度の増大が可能である。本発明に於いては、レチクル上
の異なる複数のパターンを、ウェハ上の同一の部分に重
ね合わせ露光して1つの回路パターンを形成する。従っ
て、半導体ウェハ等の被露光基板上に形成されるパター
ンは、複数のレチクルパターンの合成像となる。この合
成像は、各複数のレチクルパターンを、その透過率に応
じて“0”部(概遮光部)と、“1”部(概透過部)と
すれば、これら複数のレチクルパターンの論理和として
形成される。すなわち、各レチクルパターンのすべてが
“0”部(概遮光部)の部分のみが、他の部分と異なっ
た状態となる。使用する感光性膜(フォトレジスト)が
ポジ型(光照射部が除去される)であれば、重ね合わせ
るレチクルパターンのすべてが“0”部となる部分のみ
レジストが残り、他部はレジストが除去された、いわゆ
る孤立ラインパターン、あるいは、孤立アイランドパタ
ーンが形成される。
【0030】使用するフォトレジストがネガ型(光照射
部が残膜する)であれば、いわゆる孤立スペースパター
ン、あるいは、孤立ホールパターンが形成される。この
とき、重ね合わされる複数のレチクルパターンのうち、
少なくとも1つはほぼ周期的な配列を有するパターンで
あり、かつ、使用する投影型露光装置の照明光学系は、
前述の如く、このほぼ周期的な配列から成るパターンに
ついて、解像度及び焦点深度を、最大とするよう調整さ
れているものとする。また、重ね合わせにより形成すべ
き回路パターンのうち、特に重要であるものは周期的配
列から成るパターン、あるいは周期的配列から成る複数
のパターンからの合成で作ることにより、合成像の実質
的な焦点深度の増大が可能となる。
【0031】あるいは、同一の投影光学系を使用しても
、線幅の太いパターン程焦点深度が深くなる性質を利用
し、上記の周期的配列から成るパターン以外のパターン
の線幅は、投影光学系の解像限界の2倍程度以上とすれ
ば、重ね合わせるレチクルパターンのすべてにおいて、
投影像の焦点深度を十分に大きくとることが可能となる
【0032】
【実施例】図1は本発明で使用する投影型露光装置の実
施例であって、水銀ランプ1を発した照明光(i線、又
はg線)は楕円鏡2で第2焦点に集光される。第2焦点
には照明光の遮断、解放を行うシャッター3が配置され
、モータ4によって駆動される。シャッター3を通った
照明光はリレーレンズ(コリメータレンズ)5でほぼ平
行光束にされ、フライアイレンズ6に入射する。フライ
アイレンズ6の各エレメントレンズの射出端の夫々に形
成される2次光源(点光源像の集合)からの各光束は、
リレーレンズ7によって集光され、ミラーM1 で反射
された後、光分割器8の入射部8Aに重畳される。従っ
て、入射部8Aの位置で、照明光束の強度分布はほぼ均
一なものになっている。図1ではフライアイレンズ6の
射出側に現れる点光源像のうち光軸上の1つの点光源か
らの光束のみを代表的に図示した。さて、光分割器8は
入射部8Aからの照明光を複数の射出部8B、8Cへほ
ぼ等しい強度で分割する。射出部8B、8Cの各断面積
はともに等しいものとし、その中心点は光軸AXから所
定量だけ偏心させておく。この光分割器8の詳しい構造
については後で述べる。尚、射出部8B、8Cは、投影
露光をケーラ−照明で行うために、投影レンズPLの射
出瞳ep(又は入射瞳)と共役な面9、即ちフーリエ変
換面内に配置される。
【0033】射出部8B、8C上の一点から射出した発
散光束は第1リレーレンズ(コリメータレンズ)10に
よってほぼ平行光束となってレチクルブラインドARB
を一様な照度で照明する。図1では簡略のために、射出
部8B、8C上の一点から発散した光束の進行状態のみ
を示してある。レチクルブラインドARBは4辺のエッ
ジ位置を駆動部11によって任意に調整することによっ
て、レチクルR上の照明領域を制限するものである。レ
チクルブラインドARBによって決まる矩形開口部を通
った照明光束には、図1の場合、基本的には光軸AXに
関して対称的に傾いた複数(射出部8B、8C……の数
に対応)の平行光束だけが含まれ、光軸AXと平行に進
む平行光束は存在しない。これら平行光束は第2リレー
レンズ12で集光され、ミラーM2 で反射された後、
主コンデンサーレンズ13に入射して再び互いに入射角
が異なる複数の平行光束となってレチクルRを照射する
。 この際、レチクルRのパターン面(投影レンズPLと対
向する面)は、主コンデンサーレンズ13と第2リレー
レンズ12との合成系に関してレチクルブラインドAR
Bと共役になっているため、レチクルR上にはレチクル
ブラインドARBの矩形開口像が投影されることになる
【0034】レチクルRの透明部を通った照明光は投影
レンズPLを介してウェハW上に投影され、フォトレジ
スト層にレチクルRのパターン像が結像される。ここで
図1のレチクルブラインドARBからウェハWまでの光
路中に示した破線は、瞳共役を意味する光線である。先
に述べたように、本実施例ではレチクルRを対称的に傾
いた少なくとも2光束で照明することによって、通常の
レチクルパターン構成であっても、解像力と焦点深度と
を高めるものであり、この機能を達成するために新規に
設けられたものが光分割器8である。
【0035】ここで図2を参照して、照明光束の詳細な
振る舞いについて説明する。図2は図1中の光分割器8
の2つの射出部8B、8CからレチクルRまでの系を模
式的に表したものであり、特に射出部8B側の照明光束
の進み方を示したものである。まず射出部8Bの射出端
の中心が光軸AXからΔHだけ偏心しているものとする
。そして射出端の両端の点P1 、P2 から発生した
光束の夫々がレチクルRまで進む様子を実線で示した。 また図2中の光路内に示した破線L1 、L2 は、そ
れぞれ点P1 、P2 からの光束の1本の光線を表し
、瞳空間では光軸AXと平行になるものとする。この図
2から明らかなように、点P1 、P2 は第2リレー
レンズ12と主コンデンサーレンズ13との間の瞳空間
内の面EP’で点P1 ’、P2 ’として結像する。 従って、面EP’は面9と共役であり、同様にフーリエ
変換面である。さて、点P1 (点P1 ’)からの光
束はレチクルR上ではほぼ平行光束となって一定領域内
を照射し、点P2 (点P2 ’)からの光束もほぼ平
行光束となって一定領域内を照明する。このとき、レチ
クルR上に達する2つの平行光束は角度Δθだけ入射角
がずれている。この角度Δθは面9内での点P1 と点
P2 のずれ、すなわち射出部8Bの実効的な光源とし
ての大きさ(又は断面積)に依存して決まるもので、射
出部8Bの断面積が限りなく小さくなれば角度Δθも限
りなく小さくなる。しかしながら、実際には射出部8B
の射出端に形成される光源像には実用上ある程度の大き
さ(ただし瞳径よりは十分に小さい)があり、角度Δθ
を完全に零にすることは難しく、また完全に零にする必
要はない。また、射出部8Bの端面(光源像)は2次元
的な大きさを持っているため、角度Δθは図2中の紙面
内の方向以外に紙面と垂直な方向にも存在する。そして
、先に図16で述べたように、射出部8Bからの光束の
中心線は光軸AXに対して角度ψだけ傾いており、この
角度ψはずれ量ΔHと関連して、ΔH=m・sinψ(
ただしmは定数)の関係にある。また、一例として、光
軸AXに関して対称に配置された他の射出部8Cからの
照明光束の振る舞いも、射出部8Bからの光束を光軸A
Xを中心に折り返したようになる。
【0036】再び図1を参照して装置の構成を説明する
。ウェハWは2次元に移動するウェハステージWST上
に載置され、モータ20によって駆動される。ウェハス
テージWSTの座標位置はステージWST上の移動鏡と
投影レンズPLの下端に取り付けされた固定鏡との相対
距離をレーザビームを用いた干渉計21によって逐次モ
ニターされる。
【0037】一方、レチクルRも2次元に微動するレチ
クルステージRST上に載置され、不図示のモータ等に
よって駆動される。レチクルRの光軸AXに対するアラ
イメントは、レチクルアライメント系22によって行わ
れ、レチクルRとウェハWの直接的なアライメント(ダ
イ・バイ・ダイアライメント)はTTR(スルー・ザ・
レチクル)アライメント系23によって行われる。さら
にウェハWの単独のアライメントは、投影レンズPLを
介してウェハW上のマークを検出するTTL(スルー・
ザ・レンズ)アライメント系24、或いは投影レンズP
Lの視野に接近した位置で投影レンズPLを介すること
なくウェハW上のマークを検出するOFF−AXIS(
オフ・アキシス)アライメント系25によって行われる
。各アライメント系22、23、24、25からのアラ
イメント信号は制御装置30によって統括的に処理され
、ウェハステージWST、又はレチクルステージRST
の精密な位置決めに使われる。この制御装置30は、シ
ャッター3の開閉用のモータ4、光分割器8の射出部8
B、8Cの位置を調整するモータ(不図示)、レチクル
ブラインドARBの駆動部11、及びウェハステージW
STの駆動用のモータ20等の制御も行う。尚、図1中
には示していないが、水銀灯1から主コンデンサーレン
ズ13までの照明系の光路中の適当な位置には、レチク
ルRへの照明光量(露光量)を検出する測光素子が設け
られ、積分回路と組み合わせることで、シャッター3を
適正露光量で閉じる自動露光制御が行われる。
【0038】次に、図3、図4を参照して、光分割器8
の詳細な構成について説明する。図3は光分割器8を横
から見た様子を示し、図4は、図3を光軸AXの方向か
ら見た図である。入射部8Aからの光束は光ファイバー
80によって4つに分割され、それぞれ4つの射出部8
B、8C、8D、8Eに導かれる。4つの射出部8B、
8C、8D、8Eの夫々は、瞳共役面9上の瞳像範囲9
A内に位置するように可変長支持棒81B、81C、8
1D、81Eによって支持される。そして4本の支持棒
81B〜81Eは、環状のガイド83に沿って円周方向
に移動可能な可動部材82B、82C、82D、82E
の夫々に結合される。4本の支持棒81B〜81Eは、
各射出部8B〜8Eを光軸AXに対して放射方向に移動
させる。これら支持棒81B〜81Eと可動部材82B
〜82Eとはモータによって駆動される。尚、入射部8
Aの光ファイバーを保持する金具は、光軸AXを中心と
して自在に回転できるように構成され、4つの射出部8
B〜8Eの回動によって生じる光ファイバー80のスト
レスを低減する。
【0039】本実施例で使用する装置では、4つの射出
部8B〜8Eを設けたが、その数は4つに限定されるも
のではなく、2つ(原理的には1つ)以上であればよい
。また、本実施例では照明光束の分割を光ファイバーに
より行なったが、他の部材、例えば回折格子や多面プリ
ズムなどを用いても良い。また光分割器8よりレチクル
R側に、さらに別のフライアイレンズを追加しても良い
。このとき、フライアイレンズは単独のものであっても
複数のフライアイレンズ群より成っていても良い。
【0040】また、投影レンズPLはここでは屈折系と
したが反射系であっても良く、また反射屈折系であって
もよい。またその投影倍率は任意でよいが、微細なパタ
ーンの露光・転写の為には縮小系であることが望ましい
。さらに、光源として水銀ランプを使用したが、他の光
源、例えば輝線ランプやレーザー光源等であってもかま
わない。
【0041】次に本発明による方法で使用するレチクル
パターンの原理的な一例と露光方法について、図5を参
照して説明する。図5は、本発明による方法で孤立ライ
ンパターン(ポジ型レジスト使用時)、あるいは孤立ス
ペースパターン(ネガ型レジスト使用時)を形成する為
の模式的なパターン例を示す。まず図5(A)に示すよ
うに、重ね合わせ露光すべき一方のパターンPAは、一
例として3本の遮光性ラインパターンPA1 、PA2
 、PA3 をラインアンドスペース状(デューティ1
:1)にしておく。そして、このパターンPA(レチク
ル)上の特定の点に光軸AXが通るようにレチクルRを
位置決めして、ウェハW上のレジスト層に1回目の露光
を行う。この図5(A)の場合、本来ウェハW上に形成
すべき孤立ラインパターンは遮光性パターンPA2 で
ある。 図5(A)のように周期性を持ったパターンPAの投影
にあたって、図1に示した装置は極めて有効である。先
にも述べた通り、図1の装置はレチクルR上のパターン
の周期性に合わせて照明光学系内の複数の射出部8B〜
8Eの位置を最適化するため、パターンPAが微細化し
てもコントラストが高く(つまり解像度が高く)なり、
焦点深度が深くなるといった特徴がある。もし仮に、ウ
ェハW上に形成すべき本来の孤立ラインパターンPA2
 のみをレチクルR上に設けて、図1の装置で投影露光
を行なっても、ラインパターンPA2 のみでは±1次
回折成分がほとんど発生しないため、十分な解像は望め
ない。すなわち、図5(A)に示した両脇のラインパタ
ーンPA1、PA3 は、パターンPAに全体として周
期性を与える為のダミーパターンとして作用する。
【0042】さて、図5(A)の1回目の露光時のレジ
スト層への露光量(ドーズ量)は、一例としてレジスト
層が現像時に完全に除去される最小露光量Eth(又は
膜減りが開始される最小露光量Ec)よりも大きくなる
ように設定される。図6(A)は1回目露光によってポ
ジ型レジスト層に与えられた露光量の分布(強度分布と
相似)IAを断面方向で表したものである。図6(A)
の縦軸は露光量を表し、横軸はパターンPAの周期方向
での位置を表す。
【0043】ここで具体的な数値例をあげてみる。今、
ウェハW上に形成すべきラインパターンPA2 の線幅
を0.3μm(ピッチ0.6μm)、露光用照明光の波
長λを365nm(i線)、そして投影レンズPLの縮
小倍率を1/5とすると、回折角の理論式から、照明光
学系内の1つの射出部から発生してレチクルRを照明す
る光束の入射角ψは、図16で説明したように次式で表
される。 sin2ψ=λ/5・P=0.365×10−6/(5
×0.6×10−6)          ≒0.12
2 従って入射角ψは約3.5°になる。
【0044】次に図5(B)に示すように重ね合わせ露
光すべき他方のパターンPBをパターンPAの代りに配
置してウェハW上の同一位置に2回目の露光を行う。こ
のとき、パターンPBの幅Dbは、先のパターンPAの
両脇のラインパターンPA1 とPA3 の間隔Daよ
りも狭く、かつラインパターンPA2 の線幅よりは大
きく定められている。すなわち、パターンPBはウェハ
W上に潜像として形成されたラインパターンPA2 の
像のみを遮光し、その周辺は全て透過部とするような形
状、大きさに定められている。従って、図5のようなパ
ターン形状の場合、ラインパターンPAのピッチPから
、パターンPBの幅Dbは0.5P<Db<1.5Pの
範囲に設定される。このパターンPBのみによってレジ
スト層に与えられる露光量分布は、図6(B)に示すよ
うにIBとなる。ここで2回目の露光の際も、レジスト
層には最小露光量Ethよりも大きな露光量が与えられ
たものとする。こうしてウェハW上に2重露光が行われ
るとレジスト層には図6(A)の分布IAと図6(B)
の分布IBとの合成された光量分布ISが図6(C)に
示すように与えられる。この図6(C)から明らかなよ
うに、合成された光量分布ISの像(合成像と呼ぶ)は
、周期性をもつパターンPAと周期性をもたない(孤立
した)パターンPBとのいずれにおいても遮光部となっ
ている部分(ラインパターンPA2 )のみが十分に暗
く、他の部分は全て最小露光量Eth以上に明るくなっ
ている。従ってポジ型レジストの場合には、図6(D)
のように現像によって最小露光量(スレッシホールド値
)Eth以下の部分が残膜した孤立ラインパターンPr
となる。この孤立ラインパターンPrが図5(A)中の
ラインパターンPA2 に対応していることは明らかで
ある。
【0045】以上の実施例では、周期性のパターンPA
の解像度を従来の露光方法に比べて、1.5〜2倍程度
に高めることが可能であり、同時に周期性パターンPA
の転写像(潜像)から孤立パターンのみを残すように、
別のパターンPBで2重露光するため、最終的にウェハ
W上に形成されるレジストパターンは極めて微細な孤立
パターンとなる。先に述べた通り、非周期性のパターン
PBの幅Dbは周期性パターンPAの1本のラインパタ
ーンの幅(ピッチ/2)に対して2〜3倍程度がよい。 周期性パターンPAの1本のラインパターン(PA2 
)の幅が従来の解像度の1/2〜1/1.5であるとき
、非周期性パターンPBの幅は、従来の解像限界の2倍
程度となり、パターンPBの投影に関しては十分な焦点
深度が得られる。
【0046】尚、ポジ型レジストの場合は、露光量と残
膜厚の関係が図17(A)に示すようになるが、ネガ型
レジストの場合は、図17(B)に示すようにレジスト
が完全に除去される最大露光量Ecとレジストが完全に
残膜する最小露光量Ethとが決められる。このため、
ネガ型レジストを使って図5(A)、図5(B)の露光
を行うと、従来よりも1.5〜2倍程度微細な孤立スペ
ースパターンを形成することができる。
【0047】図7及び図8は、共に、孤立アイランドパ
ターン(ポジ型レジスト使用時)及び孤立ホールパター
ン(ネガ型レジスト使用時)を形成するためのレチクル
パターン例を表わす。図7(A)は、投影光学系の解像
限界(0.6×λ/NAR )程度以下に微細な遮光パ
ターンPAnが左右に3列、上下に3行の計9個が周期
的に並び、かつ遮光パターンPAnの中間に、遮光パタ
ーンPAnより微細な遮光パターンPAsが配置された
ものである。この図7(A)の周期パターンのうち、実
際にウェハW上に形成すべきレジストパターンは、中央
の遮光パターンPA2 である。
【0048】一方図7(B)は、上記の遮光パターンP
Anより、上下方向、左右方向、ともに2〜2.5倍程
度大きな遮光パターンPBを表わす。ここで、9個の遮
光パターンPAnはいずれも正方形とし、左右方向、上
下方向のスペース幅は、パターンPAnの幅と等しいも
のとする。さらに中央の遮光パターンPA2 を左右で
挟み込む遮光パターンPAnの間隔をDax、遮光パタ
ーンPA2 を上下で挟み込む遮光パターンPAnの間
隔をDayとすると、図7(B)の遮光パターンPBの
左右方向の幅Dbxは、Dbx<Daxであり、上下方
向の幅DbyはDby<Dayである。
【0049】図7(A)の周期性パターンの投影像も図
6の場合と同様に、その周期性の為に、従来に比べて高
い解像度と、深い焦点深度をともなって露光される。一
方、図7(B)のパターンPBの投影像も十分な大きさ
を持つ為に、やはり深い焦点深度をともなって露光され
る。従って、2重露光による合成像により形成される孤
立アイランドパターンPS5(ポジ型レジスト使用時)
は、図7(C)に示すようにやはり十分な焦点深度を持
って形成されることとなる。この周期性パターンPAn
と、パターンPBとの重ね合わせは、9個の遮光パター
ンのうち中心の遮光パターンPA2 と、パターンPB
の中心が一致するようにレチクルRとウェハWをそれぞ
れ位置合わせして多重露光するものとする。周期性パタ
ーンPAnと、非周期性パターンPBとのいずれもが遮
光部となる部分(PA2 )でのみ、レジストが残膜す
る理由は図6に示す例と同様である。
【0050】なお、非周期的パターンPBの四隅は小さ
い方の周期的パターンPAsと重ね合わせにより合致す
るように配置されている。このため複数のレチクルパタ
ーンの重ね合わせでいずれもが遮光部の状態となるが、
周期的パターンPAsは解像限界に比べ十分小さく、ウ
ェハW上の投影像において十分な遮光効果を与えること
はない。その結果、周期的パターンPAsと非周期パタ
ーンPBとの合致部にレジストパターンは形成されない
。周期的パターンPAsは、形成すべき孤立アイランド
パターンPS5の形状を、より正方形に近づけるための
補助的なパターン(コーナ強調)であり、従って周期的
パターンPAsがなくとも、孤立アイランドパターンP
S5の形成は可能である。
【0051】図8(A)は、同図中左右方向に周期性を
有するラインアンドスペースパターンPA1 、PA2
 、PA3 を示し、図8(B)は同図中上下方向に周
期性を有するラインアンドスペースパターンPB1 、
PB2 、PB3 を示す。これら2つのパターンの斜
線部はいずれも遮光部を表わす。これら2つの周期性パ
ターンPA、PBはいずれも周期的なパターンであり、
従っていずれのパターンの露光に於いても本発明の特徴
である高解像度、及び大焦点深度を得ることができる。 この2つのパターンPA、PBの重ね合わせ露光による
合成像(レジスト像)が図8(C)に示す孤立アイラン
ドパターンPS6となる。ここで、周期性パターンPA
の左右のラインパターンPA1 とPA3 の間隔をD
axとし、3本のラインパターンPA1 、PA2 、
PA3 の長さをともにDayとすると、他方の周期性
パターンPBの上下のラインパターンPB1 とPB3
 の間隔Dbyは、Dby>Dayに設定され、3本の
ラインパターンPB1 、PB2 、PB3 の長さD
bxは、Dbx<Daxに設定される。そして、ウェハ
W上に形成すべきレジストパターンは、ラインパターン
PA2 とPB2 の交差によってできる正方形部分で
ある。この重ね合わせ露光においては、周期性パターン
PAの中心と周期性パターンPBの中心がウェハW上の
同一点でそれぞれ一致するように多重露光を行なう。な
お、レジスト像として必要なのは、各3本の遮光ライン
パターンの中心のラインパターンPA2 、PB2 の
交差部のみなので、他の部分で遮光部が重なり合わない
ように、各ラインアンドスペースの長さ(長辺側寸法)
は、幅(短辺側寸法)の3倍より短かい程度とする。あ
るいは各ラインアンドスペースパターンの長さをこれよ
り長くし、これにより発生する不必要な遮光部の重なり
に対して、さらに図7(B)のパターンPBと同等のパ
ターンを用意して重ね合わせ露光により、これを除去し
てもよい(不必要な遮光部はこれにより露光される。)
。このことについては後で実施例として詳しく述べる。
【0052】以上、図7、図8を用いて、孤立アイラン
ドパターンの形成例について説明したが、これはポジ型
レジストの使用を前提としたものである。ネガ型レジス
トを使用すれば同様の方法により、孤立ホールパターン
の形成が可能である。また、以上の図6、図7、図8に
おいて、周期的パターンの例として3本のラインパター
ン、あるいは3行、3列のドットパターンを挙げたが、
周期的パターンを構成するライン、又はドットの個数は
これに限ったものではなく、5本、あるいは7本等、ま
たは5行5列等、任意でよい。また、周期的パターンの
透光部と遮光部の線幅比(デューティー)は、1:1に
限らず任意でよい。ただし、遮光部の線幅を、透光部の
線幅に対して2割程度大きくしたものが、実験的により
よい結果を得られることがわかった。
【0053】また、周期的パターンの周期性は、それ程
厳密である必要はない。例えば周期的パターンを形成す
るパターン、すなわち3本ラインであれば両端の2本は
、中心部のパターンより細くなっていても良い。以上、
本発明により重ね合わせ露光(多重露光)される様々な
パターンの実施例について述べたが、それらを応用した
実際の各レチクルパターンのレチクル上での位置関係、
及び重ね合わせ方法の実施例について図9、及び図10
を用いて説明する。図9は一例として先の図5、図7、
図8の夫々に示したパターンPAとパターンPBとの両
方を一緒に描画したレチクルRのパターン配置図である
。このレチクルRはIC製造プロセス中のコンタクトホ
ール形成に使われるものである。図9において、レチク
ルRのパターン形成領域は遮光帯SBで囲まれており、
その外側にはレチクルアライメント用のマークRM1 
、RM2 が形成されている。パターン領域内には、黒
の正方形ドットで表したパターンPAと白の正方形ドッ
ト表したパターンPBとが規則的にX、Y方向に配列さ
れる。そしてこれらパターンPA、PBの周辺は全て光
透過部となっている。このレチクルは、2つのパターン
PA、PBの重ね合わせ露光をネガレジストに対して行
うことで孤立ホール(コンタクトホール)パターンが形
成されるものとする。メモリーICにおいては、一般的
に単位メモリーセルが規則的に(周期的に)配列してメ
モリーセル群を形成している。従って、各メモリーセル
に対応するコンタクトホールもまた、周期的に配列され
ている。図9においても、パターンPAとパターンPB
の各中心は、いずれもX方向のピッチがPx、Y方向の
ピッチがPyで配列されており、かつパターンPBは、
パターンPAと、それぞれ(Px/2、Py/2)離れ
たところに形成されている。
【0054】このようなレチクルRを使用して、先ずウ
ェハW上に適性露光量Eth以上で第1の露光を行なう
。従ってウェハ表面のレジストには、各パターンPA、
PBに応じた光量が露光される。続いて、レチクルRと
ウェハWとのX、Y方向での相対位置を、ウェハステー
ジWST、又はレチクルステージRSTによって(Px
/2、Py/2)(レチクル上寸法)だけ移動させてか
ら適性露光量Eth以上で第2の露光を行う。図9の場
合は右斜め上に動かす。この移動は図1に示した装置の
場合、ウェハステージWSTの駆動用のモータ20、干
渉計21、及び制御装置30で行われる。
【0055】前述のとおり、パターンPAとパターンP
Bとの距離は、(Px/2、Py/2)であったから、
上記第1と第2の露光により、ウェハW上において、パ
ターンPAとパターンPBは重ね合わせ露光されること
になる。尚、図9のレチクルパターン配置から明らかな
ようにパターンPAとパターンPBとをウェハW上で精
密に重ね合わせる相対移動方向は4方向に存在する。す
なわち図9の紙面内でレチクルR、又はウェハWを斜め
右上、斜め左上、斜め右下、及び斜め左下のいずれか一
方向に移動させることができる。どの方向に相対移動を
行うかは任意に設定できる。また図9のパターン配置の
場合、パターン形成領域内の最外周に位置するパターン
PA(黒の正方形)のうち、Y方向の一辺に並ぶ列とX
方向の一辺に並ぶ列に存在する各パターンPAは、パタ
ーンPBと2重露光されることがなく、残膜することに
なる。この残りパターンはコンタクトホールパターンと
しては不完全なものであるから、レジスト像として形成
されないことが望ましい。そこで図9中の最外周のパタ
ーンPAの並びと遮光帯SBとの間に幅Px、Py程度
の余白(透明部)を設けておくとよい。このようにする
と、その余白部が最外周のパターンPAの潜像と2重露
光され、不要な残りパターンの形成を防止することがで
きる。
【0056】以上のようにして、ネガレジストを用いた
場合、ウェハW上には図7(C)のレジストパターンP
S5、又は図8(C)のレジストパターンPS6のよう
なコンタクトホールが、X、Y方向にピッチPx/2M
、Py/2M(ただし1/Mは投影倍率)で形成される
。このようなコンタクトホールパターンは周期性はもつ
ものの、各ホールパターンが離散的に配置しているため
、実質的には孤立パターンと考えてよく、図1に示した
露光装置に、従来通りのコンタクトホール形成用のレチ
クルパターンを設定して露光しても、十分な解像が得ら
れない。
【0057】図10は、図9のレチクルパターンを、図
8に示したパターンPAとパターンPBで構成した場合
の2重露光の様子を表したものである。X方向に周期性
をもつパターンPAとY方向に周期性をもつパターンP
Bとの2重露光によって、コンタクトホールとなるレジ
ストパターンPS6が形成される。同図中、破線で示し
たパターンPA、PBは1回目の露光によるもので、実
線で示したパターンPA、PBは2回目の露光によるも
のである。
【0058】図11は、多重露光すべきレチクルパター
ンの別の位置関係を示す実施例である。本実施例では、
レチクルRとウェハWとを2回ずらして3回の重ね合わ
せ露光を行うものとする。先の図8、又は図10に示し
たように、回折光の発生しやすい周期性パターンPA、
PBを使う場合、回折効率から考えると、各パターンP
A、PBのラインアンドスペースの繰り返し数は極力多
い方が好ましい。そこで3つのパターンPA、PB、P
Cを同一レチクル上に形成する。パターンPAはX方向
に周期性を有するデューティほぼ1:1の回折格子状に
形成され、その遮光ラインパターン(斜線部)は5本と
してある。パターンPBはY方向に周期性を有するデュ
ーティほぼ1:1の回折格子状に形成され、その遮光ラ
インパターン(斜線部)は5本としてある。ここでパタ
ーンPAの中心とパターンPBの中心とはY方向にΔY
だけ離れ、3番目のパターンPCの中心は、パターンP
Bの中心から距離ΔXだけX方向に離して形成された正
方形の遮光部(斜線部)である。またパターンPCの周
辺の領域ABは2つのパターンPAとPBを重ね合わせ
たときの形状、及び面積とほぼ等しい。また各パターン
PA、PB、PCの周辺はいずれも透明部分である。コ
ンタクトホールパターンの形成にあたっては、パターン
PAの中央の遮光ラインパターンとパターンPBの中央
の遮光ラインパターンとの重ね合わせによる正方形の重
複部が使われる。パターンPCは、パターンPAとPB
の重ね合わせによって生じた不要な重複部(潜像)を消
去するためのものである。
【0059】このようなレチクルを使用し、ウェハに対
して第1の露光を行った後、その第1の露光位置から、
レチクルRとウェハWとの各面内方向の相対的位置をレ
チクル上で(0、+ΔY)だけずらして第2の露光を行
う。その後、第1の露光位置から、レチクルRとウェハ
Wとの各面内方向の相対位置をレチクル上で(−ΔX、
−ΔY)だけずらして第3の露光を行う。
【0060】図12は、図11中のパターンPAとパタ
ーンPBとを重ね合わせ露光したときにネガレジスト上
に形成される潜像PA’、PB’の様子を示したもので
ある。図12中、破線は各パターンの潜像のエッジを表
し、黒く塗り潰した複数の孤立領域は2回の重ね合わせ
露光によって全く露光されなかった未露光部分を表す。 これら複数の孤立領域のうち、中央の正方形パターンP
S8は、3回目のパターンPCとの重ね合わせ露光によ
っても未露光のままであり、パターンPS8の周辺に位
置する他の未露光の孤立領域は、パターンPCの周囲の
透明部(領域AB)によって完全に感光される。従って
最終的にウェハW上には正方形のパターンPS8のみが
形成される。ネガレジストの場合、現像によってパター
ンPS8の部分が除去され、その周辺のレジストはほぼ
完全に残膜した状態になるため、先の図10で説明した
のと同様に、コンタクトホールパターンが形成される。
【0061】図13は、図11に示した1組のパターン
配列の複数を規則的にレチクルR上に形成してコンタク
トホールパターンを作る場合の一例を示すものである。 図13中、図11のパターンPAは○印で表し、パター
ンPBは□印で表し、パターンPCは△印で表してある
。このようなレチクルRを用いて、同様にウェハWとの
相対位置ずらしを2回行い、3回の重ね合わせ露光を行
うと、ウェハWのレジストにはX方向のピッチがΔX、
Y方向のピッチがΔYのコンタクトホールパターン群が
形成される。
【0062】以上の図11、又は図13に於いては、レ
チクル中に形成するパターンをPA、PB、PCの3個
としたが、数はこれに限定されるものではなく、2個、
4個等のパターンを作っておき、各2回、4回の重ね合
わせ露光を行なってもよい。また、パターンPA、PB
、PC等のパターン群を1ブロックとして、それが複数
ブロック存在していてもよい。
【0063】また、図5、図7、図11に示したように
、孤立したホールパターンのみを重ね合わせ露光で形成
する場合は、第1の露光、第2の露光、又は第3の露光
での照射光量(露光量)は、2回、又は3回共等しくな
ってもよく、むしろ各露光毎に異なっていることが望ま
しい。例えば、周期的パターン(PA、PB)の露光時
には、非周期的パターン(PC)の露光時より照射光量
を大きくするとよい。前述の図1に示す露光装置に於い
てはこの照射量の制御は、制御装置30及びシャッタ3
、及び照射量計(不図示)により行なう。制御装置30
は現在行なわれている露光が上部の第nの露光であるこ
とを認識し、前述の照射量計からの出力信号に応じて照
射光量を求め、それが目標値に達したときに露光停止の
指令をシャッタ3の駆動モータ4へ送る。なお、図9、
図10、図13に示したように、同一レチクル上にパタ
ーンPA、PB(又はPC)の組が規則的に複数設けら
れる場合は第1の露光と、第2の露光、又は第3の露光
での照射光量は同一とすることが望ましい。
【0064】以上の各実施例で説明した方法でレチクル
とウェハとの相対位置の移動を実現する場合、図1の装
置では、ウェハーステージWSTが、制御装置30の指
示により、前述の第1と第2の露光の間に、あるいは第
2と第3の露光の間に移動するものとした。あるいは、
他の方法としてレチクルRを保持するステージRSTが
移動しても、両方のステージが移動してもかまわない。 ただし、現実の投影型露光装置の多くは、既に2次元移
動するウェハステージを有しており、これによりステッ
プアンドリピート、あるいはステップアンドスキャン露
光を行なっており、従って、ウェハステージWSTのみ
を干渉計21による計測座標値に基づいて移動する方法
は、従来の装置においても、最も簡単に実現できるもの
である。
【0065】図14は、本発明による露光方法に用いら
れるレチクルのほぼ全面を表わす図である。図14中に
示す投影レンズPLの有効エリア円91内、すなわち投
影光学系の解像度及びディストーション、照度均一性等
の諸性能が良好に保証される領域に内接するように、レ
チクルパターンエリア(パターン形成領域)92が存在
する。従来の露光方法においてはこのレチクルパターン
エリア92内のすべてに回路パターンを描画し、かつウ
ェハWへ露光転写可能であった。しかしながら、本発明
に於いては、例えば図9、図10に示す如く、第1露光
と第2露光に於いて、レチクルとウェハとの相対位置関
係が異なっている。図14に於いては、第1の露光に使
用されるエリアは破線93内となり、第2の露光に使用
されるエリアは2点鎖線94内となる。
【0066】従って、第1、第2の露光に、共に使用さ
れる領域(斜線部)が本発明を使用したときにおける有
効なレチクルパターンエリアとなり、従来のものより減
少することとなる。ただし、例えば現在のステップアン
ドリピート式投影型露光装置に於いては、図14に示す
ようにレチクルパターンエリア92の大きさ(X0 、
Y0 )は、共に100mm前後(レチクル上寸法)で
あり、また、図9、図10に示す、第1の露光と第2の
露光との相対的位置ずれ量(Px/2、Py/2)は、
ほぼメモリーセルサイズと等しく、レチクル上の寸法で
10μm前後である(図14中のΔX、ΔY)。
【0067】従って、従来のレチクル有効エリア100
,000μm×100,000μmに対して本発明に於
いては (100,000−2×10)μm×(100,000
−2×10)μmとなる。この値の比は、1:0.99
96であり、従って、本発明により減少するレチクルパ
ターン有効エリアは、従来の場合の面積のわずかに0.
04%程度に過ぎないことになる。
【0068】なお、図14に於いては、特に投影光学系
の有効エリアが円形であるステップアンドリピート型の
投影型露光装置について示したが、他の投影型露光装置
、例えばステップアンドスキャン型の露光装置であって
も同様であり、減少するレチクルパターンエリアの面積
はやはり微少である。以上の各実施例で、図1に示した
装置を使う場合、レチクルRとウェハWとの相対位置を
(ΔX、ΔY)だけずらす手法の1つとして、各アライ
メント系22〜25におけるマーク検出中心を光学的(
平行平板ガラスの傾斜)、又は電気的にオフセットさせ
、オフセットしたマーク検出中心に対してレチクルRの
マーク、又はウェハWのマークを追い込むように、レチ
クルステージRST、又はウェハステージWSTをサー
ボ制御してもよい。さらに、今までの説明ではレチクル
RとウェハWのうちいずれか一方を(ΔX、ΔY)だけ
シフトさせるとしたが、レチクルRとウェハWの両方を
逆方向、又は同一方向にシフトさせてもよい。等倍投影
光学系で鏡像投影を行う装置では、レチクルとウェハを
光軸に対して逆方向に同一距離だけシフトさせることは
意味がないが、逆方向に異なる距離で、もしくは同一方
向にレチクルとウェハを移動させると同様のシフトが可
能である。また縮小投影光学系(鏡像投影)の場合は、
投影倍率を1/Mとしたとき、レチクルの移動量に対し
てウェハの移動量が1/Mで逆方向にシフトさせること
は意味がないが、それ以外の移動量比によるシフト方法
(同一方向の移動も含む)であれば、同様の位置ずらし
が可能である。また縮小投影の場合は、レチクルRとウ
ェハWとは装置上で静止したままにして、投影光学系の
みを光軸AXと垂直な方向に平行移動させても、同様に
投影像とウェハとの相対的な位置ずらしができる。
【0069】
【発明の効果】以上の様に本発明によれば、1枚の原版
(マスク)中の異なる場所に設けられた1つの周期性パ
ターンと別のパターンとを重ね合わせ露光し、かつ、特
殊な照明光学系を有する投影型露光装置を使用すること
により、従来では実現の難しかった微細パターン、特に
微細孤立パターンの露光転写が可能となる。
【0070】また、本発明は多重露光すべき複数のパタ
ーンを別々のマスクに形成するのではなく、一枚のマス
ク上に形成する為、それだけスループットが高い。同時
にマスクの製造コストも低減される。また、重ね合わせ
られる複数のパターンは、同一マスク中の近接した位置
であるため、マスク製造誤差による重ね合わせずれの量
は極めて少なくすることができる。また、同一マスクに
重ね合わせるパターンが存在するため、アライメント誤
差に起因する重ね合わせ誤差は発生しない。
【0071】また、本発明で使用するマスクは、透過率
のみの情報を持つ通常のマスクであり、位相シフターを
設ける必要がないといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する投影露光装置の全体構成を示
す図、
【図2】図1の装置の照明系を模式的に表した光路図、
【図3】光分割器の構成を示す側面図、
【図4】光分割
器の構成を示す正面図、
【図5】本発明の露光方法の原
理及び動作を説明する斜視図、
【図6】図5の露光方法によって得られるパターン露光
時の光量分布を説明する図、
【図7】本発明の他の実施例によるレチクルパターンの
組合せを説明する図、
【図8】本発明の他の実施例によるレチクルパターンの
組合せを説明する図、
【図9】図8に示したレチクルパターンを設けたレチク
ルのパターン配置図、
【図10】図9のレチクルを使ったときの多重露光の様
式を示す図、
【図11】本発明の他の実施例によるレチクルパターン
の配置を示す図、
【図12】図11のレチクルパターンを多重露光とした
ときの様子を示す図、
【図13】図11のレチクルパターンを実際のレチクル
上に配列する場合の一例を示す図、
【図14】本発明を使用したレチクル上のパターン有効
領域を説明する図、
【図15】従来の投影露光装置の構成、及び露光状態を
説明する図、
【図16】本発明で使用する露光装置の原理を説明する
図、
【図17】レジスト層への露光量と残膜厚との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  回路パターン等の原版上のパターンを
    、投影光学系を介して被露光基板へ露光・転写せしめる
    投影型露光装置を使った露光方法であって、転写すべき
    原版上のパターン面に対してほぼフーリエ変換の関係と
    なる前記露光装置の照明光学系中の面内に於いて、該照
    明光学系の光軸以外の任意の1つ以上の点のそれぞれを
    中心とする任意の領域に、前記原版を照明するための照
    明光量を集中させ、前記被露光基板上の1つの被露光領
    域への露光を複数の露光に分割して行い、該複数の露光
    の夫々において、前記原版と前記被露光基板との前記投
    影光学系の光軸と垂直な面内での相対位置関係を異なら
    せ、前記複数の露光に於いて、前記被露光基板上の少な
    くとも1つ以上の領域は、前記複数の露光のすべてに於
    いて前記原版上のそれぞれ異なるパターンが重ね合わさ
    れて露光され、かつ、前記重ね合わせ露光される複数の
    パターンのうち、少なくとも1つはほぼ周期的に配列さ
    れたパターン群であることを特徴とするパターン露光方
    法。
  2. 【請求項2】  前記重ね合わせて露光される複数のパ
    ターンのうち、少なくとも2つはほぼ周期的に配列され
    たパターン群より成り、かつ、それらのパターンの周期
    又は方向性がそれぞれ異なっていることを特徴とする請
    求項1記載の露光方法。
  3. 【請求項3】  前記ほぼ周期的に配列されたパターン
    は、前記投影光学系の解像限界以下程度に微細なパター
    ン群から成り、それ以外のパターンは前記解像限界に比
    べて2倍程度以上大きなパターン、又はパターン群より
    成ることを特徴とする請求項1、又は請求項2記載の露
    光方法。
  4. 【請求項4】  前記原版と前記被露光基板との前記相
    対的位置関係の変更は前記被露光基板を保持するステー
    ジを前記投影光学系の光軸と垂直な方向に移動させて行
    うことを特徴とする前記請求項1、請求項2、又は請求
    項3記載の露光方法。
  5. 【請求項5】  前記請求項1から請求項4に記載され
    た露光方法を実現する露光装置。
  6. 【請求項6】  感光基板の感光層に露光すべき原画パ
    ターンを備えたマスクにおいて、前記感光層に転写可能
    な微細度の周期構造を持った第1パターンと、該第1パ
    ターンのうち特定の部分のみと合致し得る形状をもった
    第2パターンとを所定の間隔で近接して並置し、前記感
    光層への露光を少なくとも2回に分けて行い、1回目の
    露光と2回目の露光の間に前記第1パターンと第2パタ
    ーンの両影像と前記感光基板とを前記所定の間隔に応じ
    た量だけ相対的に移動させて、前記第1パターンの影像
    と前記第2パターンの影像とを前記感光層上で重ね合わ
    せ露光することによって、前記第1パターンのうち特定
    の部分のみのパターン形状を前記感光層に形成する如く
    使用することを特徴とするマスク。
  7. 【請求項7】  原画パターンを有するマスクを投影露
    光装置の投影光学系の物体面側に配置し、前記原画パタ
    ーンの転写される感光基板を前記投影光学系の像面側に
    配置し、前記投影露光装置の照明系からの照明光を前記
    マスクに照射して前記原画パターンの投影像を前記感光
    基板に露光する方法において、前記マスクには、微細な
    周期構造を持った第1パターンと、該第1パターンのう
    ち特定の部分のみと合致し得る形状をもった第2パター
    ンとが所定の間隔だけずらして設けられ;前記投影露光
    装置の照明系は、前記マスクに対してフーリエ変換の関
    係にある面内であって、かつ光軸から前記第1パターン
    の周期性に応じて決まる量だけ離れた領域に前記照明光
    を集中するように設定され、前記マスクと感光基板とを
    相対的に位置合わせした後、前記第1パターンと第2パ
    ターンとを前記感光基板に露光する第1露光工程と;該
    第1露光工程の後、前記第1パターンと前記第2パター
    ンとの所定の間隔に応じた量だけ、前記マスクの投影像
    と前記感光基板とを相対的にずらして、前記第2パター
    ンの像と前記感光基板上にすでに露光された前記第1パ
    ターンの像とが重なり合うように相対的に位置合わせす
    る工程と;前記マスク上の第1パターンと第2パターン
    を前記感光基板に露光する第2露光工程とを含むことを
    特徴とする露光方法。
  8. 【請求項8】  リソグラフィーに使用する投影式の露
    光装置において、(a)  微細な周期構造を持った第
    1パターンと、該第1パターンのうち特定の部分のみと
    合致し得る形状をもった第2パターンとが所定の間隔だ
    けずらして形成されたマスクを、前記投影式の露光装置
    内の投影光学系の物体面側に保持するマスクステージと
    ;(b)  前記投影光学系の像面側に感光基板を保持
    する基板ステージと; (c)  前記第1パターンの投影像と前記第2パター
    ンの投影像が、前記感光基板上の同一位置に択一的に投
    影され得るように、前記投影像と前記感光基板との相対
    位置をシフトさせるシフト手段と; (d)  前記マスクを照明する照明系であって、該照
    明系は光源と複数の光学素子とで構成され、該複数の光
    学素子によって前記投影光学系の瞳面とほぼ共役なフー
    リエ変換面を有し、該照明系はさらに、前記光源からの
    照明光を、前記フーリエ変換面内の光軸から前記マスク
    の第1パターンの周期に応じた量だけ離れた複数の領域
    の夫々に集中させる光分配器を備え; (e)  前記照明系からの照明光を前記マスクに照射
    して、前記第1パターンと第2パターンの各投影像の前
    記感光基板への露光動作回数を少なくとも2回に分ける
    とともに、各露光動作の間に前記シフト手段を作動させ
    る露光動作制御手段を備え、前記第1パターンのうち特
    定の部分のみのパターン形状を前記感光基板上に形成す
    ることを特徴とする露光装置。
JP3032996A 1991-02-27 1991-02-27 マスク及び露光方法及び露光装置 Pending JPH04355910A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3032996A JPH04355910A (ja) 1991-02-27 1991-02-27 マスク及び露光方法及び露光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3032996A JPH04355910A (ja) 1991-02-27 1991-02-27 マスク及び露光方法及び露光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04355910A true JPH04355910A (ja) 1992-12-09

Family

ID=12374466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3032996A Pending JPH04355910A (ja) 1991-02-27 1991-02-27 マスク及び露光方法及び露光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04355910A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5422205A (en) * 1993-03-03 1995-06-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Micropattern forming method
JP2001007020A (ja) * 2000-01-01 2001-01-12 Canon Inc 露光方法及び露光装置
US7032209B2 (en) 2002-08-02 2006-04-18 Sharp Kabushiki Kaisha Mask pattern and method for forming resist pattern using mask pattern thereof
JP2008083391A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Toshiba Microelectronics Corp 多重露光フォトマスク及びそのレイアウト方法、多重露光フォトマスクを用いた半導体装置の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5422205A (en) * 1993-03-03 1995-06-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Micropattern forming method
JP2001007020A (ja) * 2000-01-01 2001-01-12 Canon Inc 露光方法及び露光装置
US7032209B2 (en) 2002-08-02 2006-04-18 Sharp Kabushiki Kaisha Mask pattern and method for forming resist pattern using mask pattern thereof
JP2008083391A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Toshiba Microelectronics Corp 多重露光フォトマスク及びそのレイアウト方法、多重露光フォトマスクを用いた半導体装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6930754B1 (en) Multiple exposure method
JP3084761B2 (ja) 露光方法及びマスク
JPH0729808A (ja) 投影露光装置
JPH0567558A (ja) 露光方法
JP3293882B2 (ja) 投影露光装置
JPH04225357A (ja) 投影露光装置及び方法、並びに素子製造方法
JP3250563B2 (ja) フォトマスク、並びに露光方法及びその露光方法を用いた回路パターン素子製造方法、並びに露光装置
JP2000021720A (ja) 露光装置及びデバイス製造方法
JP3148818B2 (ja) 投影型露光装置
JP3351417B2 (ja) 露光方法
JP3302966B2 (ja) 露光装置の検査方法及び露光装置検査用フォトマスク
JPH04355910A (ja) マスク及び露光方法及び露光装置
JP3296296B2 (ja) 露光方法及び露光装置
JPH04225514A (ja) 投影露光装置及び方法、並びに素子製造方法
JPH06181167A (ja) 像形成方法及び該方法を用いてデバイスを製造する方法及び該方法に用いるフォトマスク
JPH04273428A (ja) 露光方法、半導体素子の形成方法、及びフォトマスク
JP3304960B2 (ja) 露光方法及びその露光方法を用いた回路パターン素子製造方法、並びに露光装置
JP3049776B2 (ja) 投影露光装置及び方法、並びに素子製造方法
JP3554246B2 (ja) 露光方法、露光装置、およびデバイス製造方法
JPH05217839A (ja) 投影露光装置
JP2980018B2 (ja) 露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法
JP3102087B2 (ja) 投影露光装置及び方法、並びに回路素子形成方法
JP3244076B2 (ja) 露光装置及び方法、並びに半導体素子の製造方法
JPH05326365A (ja) 投影露光装置
JP3337983B2 (ja) 露光方法及び露光装置