JP3351353B2 - 自動車用冷房装置 - Google Patents

自動車用冷房装置

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JP3351353B2 JP27014298A JP27014298A JP3351353B2 JP 3351353 B2 JP3351353 B2 JP 3351353B2 JP 27014298 A JP27014298 A JP 27014298A JP 27014298 A JP27014298 A JP 27014298A JP 3351353 B2 JP3351353 B2 JP 3351353B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用冷房装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用冷房装置としてエンジンを停止
した状態で冷房を利かせるようにした蓄冷式冷房装置が
ある。この蓄冷式冷房装置は、図3に示すように冷媒を
圧縮する圧縮機1と、圧縮された冷媒を液化する凝縮器
2と、液化した冷媒を貯溜する受液器3と、受液器3か
ら供給される高温・高圧の液冷媒を減圧・膨張させて低
温・低圧の霧状の冷媒にする膨張弁4と、霧状の冷媒を
蒸発させて車室内に送る空気を冷却する蒸発器6等によ
り構成された冷房装置において、蒸発器6に並列に膨張
弁7を介して蓄冷器例えば、蓄冷パネル9を接続し、蒸
発器6及び蓄冷パネル9の冷媒の流入側に夫々設けた切
換弁としての電磁弁11、12をオン・オフ制御して、
受液器3から供給される冷媒を蒸発器6と蓄冷パネル9
とに交互に流し、蒸発器6により車室内を冷房しなが
ら、蓄冷パネル9を冷却して蓄冷する。蒸発器6と蓄冷
パネル9との冷媒供給の時間比率は、蒸発器6/蓄冷パ
ネル9=T1/T2、(T1>T2)とされている。また、
前記各構成要素は、冷却回路を構成する冷媒通路21〜
27により接続されている。そして、エンジン停止時に
蓄冷パネル9に蓄冷した冷気を放出して車室内を冷却す
る。
【0003】蒸発器6、蓄冷パネル9の各出口側通路2
4、27に膨張弁4、7の制御手段としての感熱筒(感
温管)5、8が設けられており、これらの蒸発器6、冷
却パネル9から圧縮機1に戻る冷媒が低圧(低温)にな
り過ぎないように膨張弁4、7を制御して冷媒の流量を
制御し、圧縮機1を保護している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の蓄冷式冷房装置は、冷媒が蒸発器6と蓄冷パネル9
とに交互に流されるために蓄冷パネル9の蓄冷時間が長
くなるという問題がある。蓄冷パネル9への冷媒供給時
間を多くすると、蓄冷時間を短縮することはできるが、
蒸発器6への冷媒供給量が減り、車室内への吹き出し温
度が大きく変動するという問題がある。また、蓄冷パネ
ル9の蓄冷が進行すると出口側の冷媒の温度が下がる即
ち、感熱筒8が検出する冷媒の温度が下がり、これに伴
い膨張弁7の開度が閉じる方向となり、当該蓄冷パネル
9に流れる冷媒流量が減少し、蓄冷時間が長くなる要因
となる。
【0005】このため、本発明では、蒸発器による車室
内への吹き出し温度の変動を小さくしつつ、蓄冷器側の
冷媒供給時間比率を大きくして蓄冷時間の短縮を図るよ
うにした自動車用冷房装置を提供することを目的として
いる。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1では、圧縮機で圧縮した冷媒を凝
縮器で液化して受液器に貯溜し、この受液器からの液冷
媒を第1の膨張弁で膨張させて蒸発器に供給し、この蒸
発器により車室内に送る空気に冷熱を放出させると共
に、前記受液器からの冷媒を切換弁により前記蒸発器と
交互に取り込み、第2の膨張弁で膨張させて蓄冷器に供
給し、この蓄冷器により冷熱を蓄冷する。前記蒸発器の
出口側の温度により前記第2の膨張弁の冷媒流量を制御
することにより、蓄冷器に供給される冷媒流量が低下し
難くなり、蓄冷時間が短縮される。
【0007】前記蓄冷器を通過した冷媒は、蒸発器に送
ることで熱交換されて圧縮機に送られることで、蓄冷器
で熱交換されずに冷えたままの冷媒が圧縮機に送られる
ことが防止され、圧縮機の保護が図られる。請求項2の
発明では、切換弁により受液器からの冷媒を蒸発器に供
給するときに蓄冷器の冷媒の出口側に設けた逆流防止用
制御弁を閉弁させて、蒸発器により暖められた冷媒が蓄
冷器に逆流することを防止する。これにより、蓄冷ロス
が無くなり、蓄冷時間が短縮する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施例を例示的に詳しく説明する。図1は、本発明
の自動車用冷房装置の第1の実施の形態の概略構成図を
示す。尚、図1において、図3に示す構成要素と同一の
構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0009】図1において、蓄冷パネル9は、冷媒の入
口側が通路26を介して受液器3と蒸発器6とを接続す
る通路23の電磁弁11の上流側に接続され、冷媒の出
口側が通路28を介して通路23の膨張弁4の下流側に
接続されている。また、通路26には膨張弁7の上流側
に電磁弁12が設けられており、通路28には逆流防止
用の制御弁としての電磁弁13が設けられている。そし
て、蒸発器6の冷媒の出口側の通路24に膨張弁7を制
御する感熱筒8が設けられている。
【0010】電磁弁11、12、13は、図示しない制
御装置により制御される。そして、電磁弁11と12
は、所定の時間比率で交互にオン・オフ制御され、蓄冷
パネル9側の冷媒供給時間比率は、図3に示す従来の冷
房装置に比べて大きく設定されている。電磁弁13は、
電磁弁12と同期してオン・オフ制御され、電磁弁11
がオン(開弁)、電磁弁12がオフ(閉弁)の時にオフ
(閉弁)となり、電磁弁11がオフ、電磁弁12がオン
の時にオンとなり、通路28を通して蒸発器6で暖めら
れた冷媒が冷却パネル9に逆流することを防止する。
【0011】以下に作用を説明する。電磁弁11がオ
ン、電磁弁12、13がオフのときには、受液器3から
供給される液冷媒は、通路23、膨張弁4を通して蒸発
器6に流れ、当該蒸発器6により車室内に送られる空気
を冷却した後通路24、通路25を通して圧縮機1に送
られる。感熱筒5は、蒸発器6の冷媒の出口側の温度に
応じて膨張弁4の開度を制御して、蒸発器6への冷媒量
を制御する。
【0012】所定時間経過後、電磁弁11がオフ、電磁
弁12、13がオンになると、受液器3から供給される
液冷媒は、通路26、膨張弁7を通して蓄冷パネル9に
流れ、当該蓄冷パネル9を冷却した後通路28を通って
蒸発器6に流入し、車室内に送られる空気を冷却した後
通路25を通して圧縮機1に送られる。膨張弁7を制御
する感熱筒8は、蒸発器6の冷媒の出口側に設けられて
いることで、蓄冷パネル9の出口側に設けた場合に比し
て冷媒を検出する温度が上がり、蓄冷パネル9の冷却が
進んでも膨張弁7を開度を大きく維持する。即ち、蓄冷
パネル9の膨張弁7が開き易くなり、冷媒流量が低下し
難くなる。この結果、蓄冷パネル9を流れる冷媒量が多
くなり、蓄冷時間が短縮される。
【0013】また、蓄冷パネル9から出た冷媒は十分に
冷却能力を有しており、蒸発器6により車室内に送られ
る空気を冷却する。従って、蒸発器6には常時冷媒が流
れることとなり、車室内への吹き出し温度の変動が小さ
くなり、冷房効果が向上する。そして、吹き出し温度の
変動が小さくなることで、蓄冷パネル9側の冷媒供給時
間比率を上げることができ、蓄冷時間の短縮が図られ
る。
【0014】更に、蓄冷パネル9を通った冷媒が蒸発器
6を通り完全に熱交換されることで、蓄冷パネル9で熱
交換されずに冷えた状態のままの冷媒が圧縮機1に送ら
れることが防止され、圧縮機1の保護が図られる。所定
時間経過後、電磁弁11がオン、電磁弁12、13がオ
フとなり、再び受液器3から冷媒が蒸発器6に流れ、車
室内に送られる空気を冷却する。このとき電磁弁13に
より蒸発器6で暖められた冷媒が蓄冷パネル9に逆流す
ることが防止され、冷媒逆流による蓄冷パネル9の蓄冷
ロスが無くなり、蓄冷時間が短くなる。
【0015】図2は、本発明の自動車用冷房装置の第2
の実施の形態の概略構成図を示す。尚、図2において、
図1に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を
付して説明を省略する。図2において蒸発器15は、二
層構造とされており、第1の蒸発器16は、冷媒の入口
側が受液器3に接続され、冷媒の出口側が通路25に接
続されている。第2の蒸発器17は、冷媒の入口側が通
路28により蓄冷パネル9の冷媒の出口側に接続され、
冷媒の出口側が通路29により通路25に接続されてい
る。そして、通路28に逆流防止用の電磁弁13が設け
られている。蓄冷パネル9の冷媒の入口側は、通路26
により通路23の電磁弁11の上流側に接続され、当該
通路26に電磁弁12が設けられている。
【0016】蒸発器16の冷媒入口側に設けられている
膨張弁4を制御する感熱筒5は、当該蒸発器16の冷媒
出口側の通路24に設けられており、蓄冷パネル9の冷
媒の入口側に設けられている膨張弁7を制御する感熱筒
8は、蒸発器17の冷媒の出口側の通路29に設けられ
ている。電磁弁11がオン、電磁弁12、13がオフの
ときには受液器3から供給される液冷媒は、通路23、
膨張弁4を通して蒸発器16に流れて車室内に送られる
空気を冷却した後通路24、通路25を通して圧縮機1
に送られる。感熱筒5は、蒸発器16の冷媒の出口側の
温度に応じて膨張弁4の開度を制御して、蒸発器16へ
の冷媒流量を制御する。
【0017】所定時間経過後、電磁弁11がオフ、電磁
弁12、13がオンになると、受液器3から供給される
液冷媒は、通路26、膨張弁7を通して蓄冷パネル9に
流れ、当該蓄冷パネル9を冷却した後通路28を通して
蒸発器17に流入し、車室内に送られる空気を冷却した
後通路29、25を通して圧縮機1に送られる。膨張弁
7を制御する感熱筒8は、蒸発器17の冷媒の出口側の
通路29に設けられていることで、蓄冷パネル9の膨張
弁7が開き易くなり、冷媒流量が低下し難くなる。この
結果、蓄冷パネル9を流れる冷媒量が多くなり、蓄冷時
間が短縮される。
【0018】このように蒸発器15は、蒸発器16と1
7とに交互に冷媒が流れることとなり、車室内への吹き
出し温度の変動が小さくなり、冷房効果が向上する。そ
して、吹き出し温度の変動が小さくなることで、蓄冷パ
ネル9側の冷媒供給時間比率を上げることができ、蓄冷
時間の短縮が図られる。所定時間経過後、電磁弁11が
オン、電磁弁12、13がオフとなり、受液器3から冷
媒が蒸発器6に流れ、当該蒸発器6により車室内に送ら
れる空気が冷却される。このとき電磁弁13により蒸発
器17で暖められた冷媒が蓄冷パネル9に逆流すること
が防止される。これにより、冷媒逆流による蓄冷パネル
9の蓄冷ロスが無くなり、蓄冷時間が短くなる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、蓄冷器を通過した冷媒
を圧縮機に送らず一旦蒸発器を通過させることで、冷却
器で熱交換されずに冷えた状態のままの冷媒が圧縮機に
送られることが防止され、蓄冷器に送られる冷媒の流量
を多くすることができ、蓄冷時間の短縮が図られると共
に、蓄冷器に送る冷媒の流量を多くしても圧縮機の保護
が図られる。また、蓄冷器から出た冷媒は、蒸発器を冷
却し、当該蒸発器には常時冷媒が流れることとなり、車
室内への吹き出し温度の変動が小さくなり、冷房効果が
向上する。また、蒸発器による吹き出し温度の変動が小
さくなることで、蓄冷器側の冷媒供給時間比率を上げる
ことができ、蓄冷時間の短縮が図られる。
【0020】また、第2の膨張弁は蒸発器の冷媒の出口
側の温度により制御されることで、冷媒を検出する温度
が上がり、膨張弁が開き易くなり、蓄冷器を流れる冷媒
量が多くなり、蓄冷時間が短縮される。請求項2の発明
によれば、逆流防止用切換弁により蒸発器で暖められた
冷媒が蓄冷器に逆流することが防止され、蓄冷器の蓄冷
ロスが無くなり、蓄冷時間が短くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動車用冷房装置の第1の実施の形態
の概略構成図である。
【図2】本発明の自動車用冷房装置の第2の実施の形態
の概略構成図である。
【図3】従来の自動車用冷房装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2 凝縮器 3 受液器 4、7 膨張弁 5、8 感熱筒 6、15 蒸発器 9 蓄冷パネル(蓄冷器) 11、12、13 電磁弁(切換弁)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−49967(JP,A) 特開 平9−300949(JP,A) 特開 平8−327169(JP,A) 特開 昭61−1961(JP,A) 特開 昭62−122816(JP,A) 特開 平10−53019(JP,A) 特開 昭63−213753(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/32 624 F25B 1/00 B60H 1/32 621 F25B 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮され
    た冷媒を液化する凝縮器と、前記液冷媒を貯溜する受液
    器と、前記受液器からの冷媒を膨張させる第1の膨張弁
    と、前記膨張した冷媒の冷熱を車室内に送る空気に放出
    する蒸発器と、冷媒の入口側が前記受液器に接続され、
    出口側が前記蒸発器の冷媒の入口側に接続された蓄冷器
    と、前記蓄冷器の冷媒入口側に接続され前記蒸発器の出
    口側の温度により冷媒流量が制御され前記受液器からの
    冷媒を膨張させる第2の膨張弁と、前記受液器からの冷
    媒を前記蒸発器と前記蓄冷器とに交互に供給する切換弁
    とを備えたことを特徴とする自動車用冷房装置。
  2. 【請求項2】 前記蓄冷器の冷媒の出口側に逆流防止用
    制御弁を設け、前記切換弁と同期して制御し、前記受液
    器からの冷媒を前記蒸発器に供給するときに閉弁させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動車用冷房装置。
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