JP3351224B2 - 電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ

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JP3351224B2
JP3351224B2 JP03751996A JP3751996A JP3351224B2 JP 3351224 B2 JP3351224 B2 JP 3351224B2 JP 03751996 A JP03751996 A JP 03751996A JP 3751996 A JP3751996 A JP 3751996A JP 3351224 B2 JP3351224 B2 JP 3351224B2
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anode foil
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俊彦 和泉田
滋朗 市村
誠一 宮嶋
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日立エーアイシー株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電解コンデンサに関
する。
【0002】
【従来の技術】アルミ電解コンデンサ等の電解コンデン
サは、小形化や tanδ特性等の改善のため、例えば貫通
孔を設けた陽極箔を2枚重ね合せ、これらにセパレータ
と陰極箔とを重ねたものを巻回して形成したコンデンサ
素子を用いている。すなわち、貫通孔を設けた陽極箔
は、通常、貫通孔を設けない陽極箔に比べて容量が低い
が、2枚重ねることによって単位体積あたりの容量を増
加でき、かつ含浸性が良い。そのため tanδ特性が良
く、小形化の可能な電解コンデンサが得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の構造の
電解コンデンサでは、より一層小形化することが困難な
欠点がある。そのため、貫通孔を設けた陽極箔をもう1
枚重ねて3枚重ねた陽極箔とする構造も考えられる。し
かし、貫通孔を設けた陽極箔は一般的に機械的強度が低
い。そのため、巻回する際に、陽極箔が折れたり、切れ
たりし損傷し易く、特に内側の陽極箔ほど巻回径が小さ
いため大きな機械的ストレスがかかり、折れたりする傾
向が大きく、信頼性が低い欠点がある。
【0004】本発明は、以上の欠点を改良し、小形化で
き、陽極箔の損傷を防止できる信頼性の高い電解コンデ
ンサを提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して
重ね合せて巻回してなるコンデンサ素子を有する電解コ
ンデンサにおいて、貫通孔を設けない陽極箔に、貫通孔
を設けた陽極箔を2枚以上重ねることを特徴とする電解
コンデンサを提供するものである。
【0006】陽極箔を3枚以上重ね、そのうちの1枚に
貫通孔を設けない陽極箔を用いているため、重ねた陽極
箔が全体的に折り曲げに対して機械的強度が向上する。
また、陽極箔を2枚重ねた場合に比較して単位体積あた
りの容量が増加し、より一層小形化できる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。陽極箔は、アルミ等の弁作用金属
のエッチング箔に陽極酸化皮膜を形成した箔を用いる。
そして図1に示す通り、貫通孔を設けない陽極箔1を一
番内側に配置する。そしてこの陽極箔1の外側に、貫通
孔2及び3を各々設けた陽極箔4及び5を重ねる。な
お、図2に示す通り、貫通孔を設けない陽極箔6を中央
に配置し、貫通孔7及び8を各々設けた陽極箔9及び1
0を陽極箔6の両側に重ねてもよい。しかし、貫通孔を
設けない陽極箔は、貫通孔を設けた陽極箔よりも機械的
強度が大きいので、機械的ストレスが大きい内側に配置
する方がより好ましい。また、貫通孔を設けた2枚以上
の陽極箔は、より機械的強度の大きい方を内側に配置す
る方が好ましい。
【0008】例えば、機械的強度は次の通りに測定す
る。すなわち、化成後の2cm×15cm角の大きさの陽極
箔の中央部を円筒状の金属棒に引っ掛け、折り曲げて陽
極箔の両端を合せ、この端に200gの重りをつるした
クリップを留めて引っ張る。そして金属棒の径を変え
て、陽極箔が破断する際の金属棒の径を測定する。この
径が小さいほど陽極箔の機械的強度が大きい。そしてこ
の方法により機械的強度を測定した場合、図2の通り中
央部に貫通孔を設けない陽極箔を配置したものは、その
外側の方に重ねた貫通孔7を設けた陽極箔9と、内側の
方に重ねた貫通孔8を設けた陽極箔10とを、金属棒の
径の比で前者5に対して後者1以上となるように組み合
わせる方が好ましい。すなわち、陽極箔9の金属棒の径
/陽極箔10の金属棒の径≦5にする。この比が5より
大きくなると陽極箔9又は陽極箔10が折れたり切れた
りし易くなる。なお、図1及び図2とも貫通孔を設けた
陽極箔を2枚重ねているが、3枚以上重ねてもよい。
【0009】また、陰極箔11は、アルミ等の弁作用金
属のエッチング箔等を用いる。セパレータ12は、密度
0.4〜0.7、厚さ30〜60μmのクラフト紙やマ
ニラ紙等を用いる。そして、陽極箔5の表面にセパレー
タ12を重ね、さらに陰極箔11を重ねる。
【0010】コンデンサ素子は、陽極箔1,4及び5
(又は6,9及び10)、セパレータ12及び陰極箔1
1を重ねたものを巻回して形成している。また、コンデ
ンサ素子にはエチレングリコール等を主成分とする電解
液を含浸している。そしてコンデンサ素子をアルミ等の
金属製または絶縁性樹脂製のケースに収納し、蓋をして
密閉し電解コンデンサを構成する。
【0011】次に上記電解コンデンサの製造方法を説明
する。先ず、貫通孔を設けない陽極箔を製造するには、
アルミ箔等を硫酸等を主成分とするエッチング液中に浸
漬してその表面をエッチング処理する。この処理後、ホ
ウ酸アンモニウム等の水溶液中にエッチングした箔を浸
漬し、定格電圧の1.4倍までの電圧を印加して化成
し、陽極酸化皮膜を形成する。化成後、リード線を取り
付け、陽極箔を形成する。
【0012】また、貫通孔を設けた陽極箔を製造するに
は、アルミ箔等を先ず硫酸等を主成分とするエッチング
液中に浸漬して表面をエッチング処理する。次に、塩酸
等を主成分とするエッチング液中に箔を浸漬してエッチ
ング処理し、貫通孔を形成する。このエッチング処理
後、貫通孔を設けない陽極箔と同様に、ホウ酸アンモニ
ウム等の水溶液を用いて化成し、陽極酸化皮膜を形成
し、その後、リード線を接続する。
【0013】そして、貫通孔を設けない陽極箔を内側ま
たは中間層にして、貫通孔を設けた陽極箔を2枚以上重
ねる。
【0014】また、陰極箔は、アルミ箔等を硫酸等を主
成分とするエッチング液中に浸漬してエッチング処理
し、表面をエッチングするエッチング処理後、リード線
を接続する。
【0015】そして陽極箔にセパレータを介してこの陰
極箔を重ね合せ、巻回してコンデンサ素子を形成する。
【0016】コンデンサ素子を形成後、電解液を含浸す
る。含浸処理後、リード線に蓋を取り付ける。蓋を取り
付けた後、ケースにコンデンサ素子を収納し、コンバウ
ンド等を充填してコンデンサ素子をケースに固定する。
固定後、蓋をケースに取り付け密閉する。密閉後、エー
ジング処理して、陽極箔の陽極酸化皮膜を修復する。エ
ージング処理後、ケースに絶縁性スリーブを被覆して電
解コンデンサとする。
【0017】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、貫通孔を
設けない陽極箔に、貫通孔を設けた陽極箔を2枚以上重
ねているため、小形化が可能で陽極箔の折れや切断等の
損傷を防止でき、信頼性の高い電解コンデンサが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のコンデンサ素子の一部の断面
図を示す。
【図2】本発明の他の実施例のコンデンサ素子の一部の
断面図を示す。
【符号の説明】 1,6…貫通孔を設けない陽極箔、 2,3,7,8…
貫通孔、4,5,9,10…貫通孔を設けた陽極箔、
11…陰極箔、12…セパレータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/055

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極箔と陰極箔とをセパレータを介して
    重ね合せて巻回してなるコンデンサ素子を有する電解コ
    ンデンサにおいて、貫通孔を設けない陽極箔に、貫通孔
    を設けた陽極箔を2枚以上重ねることを特徴とする電解
    コンデンサ。
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