JP3348521B2 - 導電性被検査材の誘導加熱探傷装置 - Google Patents

導電性被検査材の誘導加熱探傷装置

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JP3348521B2
JP3348521B2 JP13977994A JP13977994A JP3348521B2 JP 3348521 B2 JP3348521 B2 JP 3348521B2 JP 13977994 A JP13977994 A JP 13977994A JP 13977994 A JP13977994 A JP 13977994A JP 3348521 B2 JP3348521 B2 JP 3348521B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性被検査材の表面
を誘導加熱したときの表面温度の不均一性に基づいて表
面疵を探傷する誘導加熱探傷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】導電性被検査材に電磁誘導により誘導電
流を発生させることによって導電性被検査材の表面を加
熱するとともにその導電性被検査材の表面温度を測定
し、その表面温度の不均一性に基づいて導電性被検査材
の表面疵を探傷する導電性被検査材の誘導加熱探傷装置
の一種に、導電性被検査材の表面に放射率均等化粉体を
塗布してから誘導加熱する形式のものがある。このよう
な探傷装置では、電磁誘導によって発生する渦電流が表
皮効果によって表面に集中させられると、導電性被検査
材の表面が渦電流損失などによって加熱されるが、表面
疵が存在する部分は他の部分よりも渦電流の流れが変化
させられてその部分の発熱量も変化するので、表面温度
が他の部分よりも局部的に変化した部分が表面疵として
判定されるようになっている。
【0003】また、上記放射率均等化粉体は、カーボン
やチタンなどの粒子をアクリル樹脂或いはエポキシ樹脂
により絶縁被覆した微細な粒子である。導電性被検査材
の表面には、擦れ跡などのように反射率が高い部分が存
在するなどにより表面状態によって放射率が異なること
から、そのような放射率の差異によって表面温度が正確
に測定されなくなることを防止するため、上記のような
放射率均等化粉体が、上記表面温度測定に先立って導電
性被検査材の表面に予め塗布される。
【0004】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、上記従来の誘
導加熱探傷装置においては、導電性被検査材の表面に塗
布された放射率均等化粉体を積極的に除去する手段を備
えていないことから、熱処理を行う後工程が存在する
と、導電性被検査材の表面に付着した放射率均等化粉体
がその熱処理過程において意図しない浸炭が発生して導
電性被検査材の品質を低下させたり、或いは熱処理炉の
耐火煉瓦と反応してその耐久性を損なったり、更には、
放射率均等化粉体の廃棄に伴う環境上の問題があった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、誘導加熱探傷の
後に導電性被検査材の表面に塗布された放射率均等化粉
体を積極的に除去することができる誘導加熱探傷装置を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の要旨とするところは、導電性被検査材の表面
に放射率均等化粉体を塗布し、電磁誘導により誘導電流
を発生させることによってその導電性被検査材の表面を
加熱し、その導電性被検査材の表面温度を測定し、その
表面温度の不均一性に基づいて導電性被検査材の表面疵
を探傷する導電性被検査材の誘導加熱探傷装置におい
て、長手状の導電性被検査材をその一端から通過させる
貫通穴を備えた箱状の本体と、その箱状の本体内に設け
られ、前記導電性被検査材の側面に向かい且つその側面
の幅方向に配列された複数本のノズルを有する噴射ガン
とを含み、前記表面温度が検出された導電性被検査材の
表面に付着する放射率均等化粉体を除去する粉体除去装
置を設けたことにある。
【0007】
【作用】このようにすれば、粉体除去装置により、表面
温度が検出された後の導電性被検査材の表面に付着する
放射率均等化粉体が除去される。また、導電性被検査材
の側面の幅方向に配列された複数本のノズルから圧縮気
体が噴射されるので、導電性被検査材の側面に付着した
放射率均等化粉体が効率よく除去される。
【0008】
【発明の効果】したがって、誘導加熱探傷の後工程にお
いて熱処理が行われる場合でも、その熱処理工程におい
ては導電性被検査材の表面から放射率均等化粉体が除去
されていることから、導電性被検査材の表面に付着した
放射率均等化粉体がその熱処理過程において意図しない
浸炭が発生して導電性被検査材の品質を低下させたり、
或いは熱処理炉の耐火煉瓦と反応してその耐久性を損な
ったりすることが好適に解消される。更に、繰り返し放
射率均等化粉体を再使用することで、廃棄による環境へ
の問題も生じない。
【0009】
【0010】また、好適には、粉体除去装置の箱状の本
体内に接続されてその本体内の空気を吸引する集塵装置
がさらに含まれ、前記噴射ガンによる圧縮気体の噴射に
よって前記導電性被検査材から離れた放射率均等化粉体
がその集塵装置により回収される。このような乾式の集
塵装置により回収された放射率均等化粉体は、適当な再
生処理を必要に応じて適宜行うことにより、容易に再使
用され得る利点がある。
【0011】また、好適には、上記集塵装置は、遠心力
によって放射率均等化粉体を分離する第1集塵機と、濾
布を通して吸引することにより放射率均等化粉体を分離
する第2集塵機と、それら第1集塵機および第2集塵機
を通して前記箱状の本体内の空気を吸引する吸引ブロア
とを備えて構成される。このようにすれば、第1集塵機
によって予め能率よく放射率均等化粉体が除去された
後、第2集塵機によって気体中の細かな放射率均等化粉
体が除去されるので、専ら第1集塵機によって捕捉され
た放射率均等化粉体を取り出すことにより、予め定めら
れた粒度分布の放射率均等化粉体を容易に再使用するこ
とができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本発明の一実施例の誘導加熱探
傷装置を示す平面図である。図において、導電性被検査
材10は、1辺が10数センチ程度の矩形断面を有し且
つ10メートル程度の長さを有する圧延されたビレット
であり、鋼などの磁性金属材、或いはステンレス鋼、ア
ルミニウム合金、銅合金などの非磁性金属材から成るも
のである。
【0013】導電性被検査材10は、図示しない搬送ロ
ーラや2つのピンチローラユニット12および14によ
って支持され且つ図示しない駆動装置によってそれらピ
ンチローラユニット12および14などが回転駆動され
ることにより、その断面の対角線が略垂直および水平と
なる状態でその長手方向に一定の速度で搬送され、その
搬送過程で粉体塗布装置16、誘導コイル18、粉体除
去装置20を順次通過させられるようになっている。
【0014】図2は、上記粉体塗布装置16をその出口
側から見た斜視図である。粉体塗布装置16には、導電
性被検査材10を通過させるためにその断面より僅かに
大きい貫通穴22が備えられており、高周波数電源装置
24には、その貫通穴22から出た導電性被検査材10
を通過させるためのその断面より僅かに大きな形状の貫
通穴26を有する誘導コイル18が立設されている。ま
た、ピンチローラユニット14は、図示しない駆動装置
によって回転駆動される駆動ローラ28と、この駆動ロ
ーラ28に対向し導電性被検査材10を押圧する押圧ロ
ーラ30とから構成されている。なお、前記ピンチロー
ラユニット12もこのピンチローラユニット14と同様
に構成されている。また、粉体除去装置20にも上記粉
体塗布装置16と同様に貫通穴32が備えられている。
【0015】上記粉体塗布装置16は、たとえば図3に
示すように箱状の本体17と、その本体17内において
所定の距離を隔てた導電性被検査材10の4つの側面に
向かって放射率均等化粉体34をそれぞれ放出する4つ
の塗布ガン36とを備えている。この塗布ガン36は導
電性被検査材10の各側面の幅方向の中心の真上におい
て一定の距離を隔てて位置させられている。また、この
塗布ガン36は、図4に示すように、図示しないホッパ
に接続される粉体供給ポート38と、圧縮空気が供給さ
れる圧縮空気接続ポート40と、放射率均等化粉体34
を吐出する吐出ポート42と、100kV程度の負の高
電圧を出力する高圧電源44と電気的に接続されて吐出
ポート42に設けられた静電電極46とを備えており、
負に帯電した放射率均等化粉体34を噴射するように構
成されている。導電性被検査材10は、図示しない搬送
ローラや2つのピンチローラユニット12および14な
どを介して接地されているので、放射率均等化粉体34
はクーロン力によって吸引され、静電塗装の原理にした
がって導電性被検査材10の表面に均一に塗布される。
粉体塗布装置16内で余った放射率均等化粉体34はダ
クト48を介して回収されるようになっている。
【0016】また、上記粉体除去装置20は、たとえば
図5に示すように箱状の本体21と、その本体21内に
おいて所定の距離を隔てた導電性被検査材10の4つの
側面に向かって4kg/cm2程度の圧縮空気をそれぞれ放出
する4つの空気噴射ガン50とを、備えている。この空
気噴射ガン50は、導電性被検査材10の側面に向かっ
て突き出すようにその側面の幅方向に配列された複数本
のノズル52を備えており、そのノズル52から噴射さ
れた圧縮空気によって、導電性被検査材10の表面に静
電的に塗布された放射率均等化粉体34が容易に除去さ
れるようになっている。除去された放射率均等化粉体3
4は、ダクト54を介して回収されるようになってい
る。
【0017】上記粉体塗布装置16のダクト48および
粉体除去装置20のダクト54は、図1に示すように、
集塵装置56に接続されており、粉体塗布装置16内に
おいて余った放射率均等化粉体34や粉体除去装置20
内において除去された放射率均等化粉体34が集塵装置
56において回収され、再使用され得るようになってい
る。
【0018】すなわち、上記集塵装置56は、上記ダク
ト48および54に接続された一次集塵機58と、この
一次集塵機58にダクト60を介して接続された二次集
塵機62と、それら一次集塵機58および二次集塵機6
2を通して粉体塗布装置16や粉体除去装置20内の空
気を吸引する吸引ブロア64とから構成されている。上
記一次集塵機58は、吸入空気を逆テーパ状の空間内で
回転させることにより遠心力に従って放射率均等化粉体
34を連続的に能率よく除去する形式のものである。ま
た、上記二次集塵機62は、濾布を通して吸入空気を吸
引することにより空気中に混在する比較的微細な粒径の
放射率均等化粉体34を除去する形式のものである。上
記一次集塵機58および二次集塵機62により回収され
た放射率均等化粉体34は、定期的に取り出され、清浄
化処理された後に、再使用される。
【0019】ここで、上記放射率均等化粉体34は、カ
ーボン粒子、チタン粒子などの40乃至100μm程度
の粒径の粒子がエボキシ樹脂或いはアクリル樹脂などの
絶縁樹脂により被覆されたものである。カーボン粒子が
樹脂被覆されたものは黒色であり、チタン粒子が樹脂被
覆されたものは白色乃至灰色であるが、いずれも表面温
度に対応したエネルギ放射をすることにより、導電性被
検査材10の表面状態に起因する赤外線放射率のばらつ
きを防止して均一化するとともに放射率を高める。上記
絶縁樹脂は、カーボン粒子、チタン粒子などを電気的に
絶縁するためのものであるが、比較的低い温度で軟化或
いは溶融開始するために、導電性被検査材10の表面加
熱温度が最高でも100℃程度以下に制限される。
【0020】前記粉体塗布装置16においては、矩形断
面の1辺が150mmである導電性被検査材10を40m
/分程度の速度で搬送しながら、90g/分程度の放射
率均等化粉体34が導電性被検査材10の表面に塗布さ
れるように、各塗布ガン36からの放射率均等化粉体3
4の吐出量が設定されている。このときの導電性被検査
材10の表面における放射率均等化粉体34の平均塗布
厚みは7μmであるから、放射率均等化粉体34の平均
粒径の1/6の厚みとなる。すなわち、放射率均等化粉
体34は導電性被検査材10の表面においてまばらに付
着している状態となるように設定されているのである。
【0021】上記放射率均等化粉体34の塗布厚みが大
きくなり過ぎて相互に積み重なる状態となると、導電性
被検査材10の表面から最も外側の放射率均等化粉体3
4までの熱伝導が低下して導電性被検査材10の温度に
対応したエネルギの赤外線放射ができなくなる。また、
放射率均等化粉体34の塗布厚みが小さくなり過ぎる
と、放射率均等化粉体34の塗布効果すなわち導電性被
検査材10の表面において相互の擦れ跡のように光沢が
あるために放射率が低い部分に起因して温度が低く検出
される場所の放射率を高めて放射率を均一化するととも
に全体の放射率を高めるという効果が得られなくなる。
このような意味から、放射率均等化粉体34の塗布量
は、その平均粒径の1/15乃至1/3の厚みとされる
ことが望ましい。
【0022】図6および図7に示すように、前記誘導コ
イル18は、導電性被検査材10の断面形状よりも僅か
に大きい貫通穴26を形成するように20乃至40mm
程度の幅寸法の銅などの帯状金属部材が環状に曲成され
た環状部70と、その帯状金属部材の両端部がセラミッ
ク製或いは樹脂製の絶縁板72を介して相互に固定され
た直線部74とから構成されている。上記帯状金属部材
の誘導コイル18の長手方向に平行な幅方向の中央部に
は、たとえば5乃至10mm程度の幅寸法のスリット7
6が厚み方向に貫通して環状部70の全周に対応する長
さで形成されている。このため、図8に示すように、図
示しないフレームにより支持された2台の放射温度測定
装置78a、78bにより、スリット76を通して導電
性被検査材10の1対の側面の温度が測定されるととも
に、同様に図示しないフレームにより支持された2台の
放射温度測定装置78c、78dにより、スリット76
を通して導電性被検査材10の2つのコーナ部の表面温
度が測定されるようになっている。上記放射温度測定装
置78a〜78dにより導電性被検査材10の上半分の
側面が測定されるが、残りの側面は導電性被検査材10
を180°回転し、再搬送して探傷する。もちろん、導
電性被検査材10を一度で全側面が測定できるように放
射温度測定装置を設けてもよい。
【0023】上記放射温度測定装置78a、78b、7
8c、78dは、導電性被検査材10の表面から放射さ
れる赤外線を図示しない一次元方向に多数の検出素子が
検出面に配列された赤外線検出センサのその検出面に集
光し、導電性被検査材10の長手方向に直角な方向にた
とえば200Hz程度の周波数で走査される測定点の表
面温度を測定するものである。図9の上段は、上記放射
温度測定装置78a、78bによりスリット76を通し
て検出された導電性被検査材10の側面の幅方向の温度
分布に対応する温度検出信号STを示している。なお、
図6に示すように、上記誘導コイル18は、その長手方
向に連通する冷却液通路80を内部に備えており、高周
波駆動電流によって発生する熱を冷却するようになって
いる。
【0024】導電性被検査材10の表面疵を探傷するこ
とを目的として、高周波電源装置24からは、100k
Hz程度の周波数の高周波駆動電流が上記誘導コイル1
8に供給される。これにより、導電性被検査材10が磁
性金属材料であれば渦電流損失などによって表面から5
0μm程度まで加熱され、非磁性金属材料であれば渦電
流損失によって表面から1.5mm程度まで加熱され
る。すなわち、導電性被検査材10の表面における渦電
流をI0 、周波数をf、透磁率をμ、導電率をσとする
と、導電性被検査材10内に発生する渦電流Iは、数式
1に示すように、表面からの距離xに関連して減衰し、
数式1の指数部が−1となるxの値(浸透深さ)をδm
mとすると、数式2により表される。このように、表皮
効果によって渦電流Iが表層に集中することにより、導
電性被検査材10の表面が加熱されるのである。
【0025】
【数1】
【0026】
【数2】
【0027】図1の探傷制御装置66は、CPU、RO
M、RAMなどを有するよく知られたマイクロコンピュ
ータを備えており、ROMに予め記憶されたプログラム
に従って入力信号を処理することにより、放射温度測定
装置78a、78b、78c、78dから出力される温
度検出信号STに基づいて導電性被検査材10の表面
疵、たとえばビレットの長手方向に伸びる線状疵、曲線
状の小さな割れであるヘゲ疵、コーナ部のコーナ割れな
どを判定し、疵位置を出力するとともに、導電性被検査
材10の表面の疵位置をインクで表示する図示しない疵
マーカを作動させる。
【0028】図10は、上記探傷制御装置66の演算制
御作動の要部、すなわち導電性被検査材10の走行中に
おける疵検出作動を説明するフローチャートである。
【0029】先ず、図示しない起動操作が行われること
により、導電性被検査材10が図1の矢印方向へ一定の
速度で搬送されると同時に、粉体塗布装置16が作動さ
せられて放射率均等化粉体34が導電性被検査材10の
側面に塗布され、誘導コイル18に高周波電流が供給さ
れ、粉体除去装置20において放射率均等化粉体34が
除去される。このとき、上記誘導コイル18により、導
電性被検査材10の表面が常温よりも20乃至50℃程
度加熱される。
【0030】この状態において、図のステップSS1で
は、放射温度測定装置78a、78b、78c、78d
から出力される温度検出信号STの1単位である1走査
分の信号が入力されたか否かが判断される。図9の上段
は、導電性被検査材10の所定の側面における1走査分
の温度検出信号STを例示している。このステップSS
1の判断が否定された場合は1走査分の信号が入力され
るまで待機させられるが、肯定された場合は、ステップ
SS2の平均処理以下が実行される。上記放射温度測定
装置78a、78b、78c、78dにおいて電気的に
決められる温度測定点の走査周期に同期して、上記ステ
ップSS2以下の処理が実行されることになる。上記ス
テップSS1は温度検出信号読込工程或いは温度検出信
号読込手段に対応している。
【0031】ステップSS2では、入力された温度検出
信号STの平均値が、よく知られた適当な区間内におけ
る移動平均演算処理、或いは適当な遮断周波数を有する
ローパスアクティブフィルタ演算処理などが実行される
ことにより、平均温度信号STAVに変換される。この平
均温度信号STAVは疵が存在しない場所の表面温度とし
て取り扱われるものであり、図9の上から2段目はその
平均温度信号STAVを例示している。このステップSS
2は、平均処理工程或いは平均処理手段に対応してい
る。
【0032】続くステップSS3では、前記温度検出信
号STから上記平均温度信号STAVを差し引く差分演算
が実行されることにより、導電性被検査材10の表面に
おける局部的な温度変化量を示す温度変化量信号すなわ
ち疵信号SΔT(ST−ST AV)が算出される。図9の
上から3段目はこの疵信号SΔTを例示している。この
ステップSS3は、温度変化量算出工程或いは温度変化
量算出手段に対応している。
【0033】次いで、ステップSS4では、疵判定を容
易とするために、疵信号SΔTの絶対値|SΔT|が算
出される。図9の下段はこの疵信号SΔTの絶対値|S
ΔT|を例示している。このステップSS4は、絶対値
算出工程或いは絶対値算出手段に対応している。
【0034】そして、ステップSS5では、上記疵信号
SΔTの絶対値|SΔT|が予め設定された判断基準値
Thを超えるか否かが判断される。この判断基準値Th
は、導電性被検査材10の表面疵を判定するために予め
実験的に求められた値であり、たとえば2℃程度の値が
採用される。このステップSS5は、疵判定工程或いは
疵判定手段に対応している。
【0035】上記ステップSS5の判断が否定された場
合は、本ルーチンが終了させられてステップSS1以下
が再び実行されるが、肯定された場合は、ステップSS
6において疵判定信号が図示しない疵マーカ等へ出力さ
れると同時に疵位置が記憶されてから、本ルーチンが終
了させられる。
【0036】上述のように、本実施例によれば、粉体除
去装置20により、表面温度が検出された後の導電性被
検査材10の表面に付着する放射率均等化粉体34が除
去されるので、誘導加熱探傷の後工程において熱処理が
行われる場合でも、その熱処理工程においては導電性被
検査材10の表面から放射率均等化粉体34が除去され
ている。したがって、本実施例によれば、導電性被検査
材10の表面に付着した放射率均等化粉体34がその熱
処理過程において意図しない浸炭が発生して導電性被検
査材の品質を低下させたり、或いは熱処理炉の耐火煉瓦
と反応してその耐久性を損なったりすることが好適に解
消される。
【0037】また、本実施例によれば、粉体除去装置2
0は、長手状の導電性被検査材10をその一端から通過
させる貫通穴32を備えた箱状の本体21と、その箱状
の本体21内に設けられ、導電性被検査材10の側面に
向かい且つその側面の幅方向に配列された複数本のノズ
ル52を有する空気噴射ガン50とを、含んで構成され
る。このようにすれば、導電性被検査材10の側面の幅
方向に配列された複数本のノズル52から圧縮気体が噴
射されるので、導電性被検査材10の側面に付着した放
射率均等化粉体34が効率よく除去される。
【0038】また、本実施例では、粉体除去装置20の
箱状の本体21内に接続されてその本体21内の空気を
吸引する集塵装置56がさらに含まれ、前記噴射ガン5
0による圧縮気体の噴射によって導電性被検査材10か
ら離れた放射率均等化粉体34がその集塵装置56によ
り回収される。このような乾式の集塵装置56により回
収された放射率均等化粉体34は、適当な再生処理を必
要に応じて適宜行うことにより、容易に再使用され得る
利点がある。
【0039】また、本実施例では、上記集塵装置56
は、遠心力によって粉体を分離する一次集塵機58と、
濾布を通して吸引することにより粉体を分離する二次集
塵機62と、それら一次集塵機58および二次集塵機6
2を通して前記箱状の本体21内の空気を吸引する吸引
ブロア64とを備えて構成される。このようにすれば、
一次集塵機58によって予め能率よく放射率均等化粉体
34が除去された後、二次集塵機62によって気体中の
細かな放射率均等化粉体34が除去されるので、専ら一
次集塵機58によって捕捉された放射率均等化粉体34
を取り出すことにより、予め定められた粒度分布の放射
率均等化粉体34を容易に再使用することができる。
【0040】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0041】たとえば、前述の実施例の導電性被検査材
10は断面矩形であったが、断面円形であってもよい
し、長手状でなくてもよい。
【0042】また、前述の実施例の放射率均等化粉体3
4は、カーボン粒子或いはチタン粒子が樹脂により絶縁
被覆されたものであったが、放射率が比較的高い物質の
粒子であれば他の粒子が用いられてもよい。
【0043】また、前述の実施例の粉体除去装置20で
は、空気噴射ガン50から導電性被検査材10の各側面
へ圧縮空気が噴射されることにより放射率均等化粉体3
4が除去されていたが、液体を噴射する噴射ガンを用い
ることにより放射率均等化粉体34が除去されるように
してもよいのである。
【0044】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の誘導加熱探傷装置を示す平
面図である。
【図2】図1の粉体塗布装置および誘導コイルを示す斜
視図である。
【図3】図1の粉体塗布装置の内部構造を説明する図で
ある。
【図4】図1の粉体塗布装置内の塗布ガンおよびその粉
体塗布作動を説明する図である。
【図5】図1の粉体除去装置の内部構造を説明する図で
ある。
【図6】図1の誘導コイルの要部の一部を切り欠いて示
す拡大正面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】図1の誘導加熱探傷装置に備えられた放射温度
測定装置を示す図である。
【図9】図8の放射温度測定装置から得られた温度検出
信号波形、および図10の作動により信号処理された波
形をそれぞれ示す図である。
【図10】図1の誘導加熱探傷装置に備えられた探傷制
御装置の作動を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10:導電性被検査材 20:粉体除去装置 21:本体 32:貫通穴 50:空気噴射ガン 52:ノズル 56:集塵装置 58:一次集塵機 62:二次集塵機 64:吸引ブロア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 泰三 愛知県名古屋市南区泉楽通4−3−2 (56)参考文献 特開 平2−298846(JP,A) 特開 昭64−57135(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 25/72

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性被検査材の表面に放射率均等化粉
    体を塗布し、電磁誘導により誘導電流を発生させること
    によって該導電性被検査材の表面を加熱し、該導電性被
    検査材の表面温度を測定し、該表面温度の不均一性に基
    づいて該導電性被検査材の表面疵を探傷する導電性被検
    査材の誘導加熱探傷装置において、長手状の導電性被検査材をその一端から通過させる貫通
    穴を備えた箱状の本体と、該箱状の本体内に設けられ、
    前記導電性被検査材の側面に向かい且つ該側面の幅方向
    に配列された複数本のノズルを有する噴射ガンとを含
    み、 前記表面温度が検出された導電性被検査材の表面に
    付着する放射率均等化粉体を除去する粉体除去装置を
    設けたことを特徴とする導電性被検査材の誘導加熱探傷
    装置。
  2. 【請求項2】 前記箱状の本体内に接続されて該本体内
    の空気を吸引する集塵装置を含み、前記噴射ガンによる
    圧縮気体の噴射によって前記導電性被検査材から離れた
    放射率均等化粉体を該集塵装置により回収するものであ
    る請求項の導電性被検査材の誘導加熱探傷装置。
  3. 【請求項3】 前記集塵装置は、遠心力によって前記放
    射率均等化粉体を分離する第1集塵機と、濾布を通して
    吸引することにより放射率均等化粉体を分離する第2集
    塵機と、該第1集塵機および第2集塵機を通して前記箱
    状の本体内の空気を吸引する吸引ブロアとを備えたもの
    である請求項の導電性被検査材の誘導加熱探傷装置。
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