JP3351106B2 - 導電性被検査材の誘導加熱探傷装置 - Google Patents

導電性被検査材の誘導加熱探傷装置

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JP3351106B2 JP15253094A JP15253094A JP3351106B2 JP 3351106 B2 JP3351106 B2 JP 3351106B2 JP 15253094 A JP15253094 A JP 15253094A JP 15253094 A JP15253094 A JP 15253094A JP 3351106 B2 JP3351106 B2 JP 3351106B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性被検査材の表面
を誘導加熱したときの表面温度の不均一性に基づいて表
面疵を探傷する誘導加熱探傷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】導電性被検査材に電磁誘導により誘導電
流を発生させることによって導電性被検査材の表面を加
熱するとともにその導電性被検査材の表面温度を測定
し、その表面温度の不均一性に基づいて導電性被検査材
の表面疵を探傷する導電性被検査材の誘導加熱探傷方法
或いは装置が知られている。このような探傷方法では、
電磁誘導によって発生する渦電流が表皮効果によって表
皮に集中させられると、導電性被検査材の表面が渦電流
損失などによって加熱されるが、表面疵が存在する部分
は他の部分よりも渦電流の流れが変化させられてその部
分の発熱量も変化するので、表面温度が他の部分よりも
局部的に変化した部分が表面疵として判定されるように
なっている。
【0003】
【発明が解決すべき課題】しかし、前記従来の誘導加熱
探傷方法においては、加熱コイルを通過した導電性被検
査材の表面温度を測定するように放射温度計を配置する
のが一般的であったが、このような場合には、表面加熱
により発生した疵による温度の分布が熱伝導によって平
均化されてしまう過程で表面温度が測定されることか
ら、疵の検出精度が得られなかった。
【0004】特に、ステンレス鋼、アルミニウム合金、
銅合金のような、渦電流浸透深さδが大きく且つ熱伝導
率が高い導電性被検査材では、表面加熱により発生した
疵による温度の分布が現れ難く、また現れたとしてもそ
の疵による温度分布が速やかに平均化され易いので、か
かる不都合が顕著となる。また、導電性被検査材の表面
状態が均一でない場合、たとえば擦れ跡などが存在する
とその部分の放射率が低下することから、カーボンやチ
タンなどの粒子をアクリル樹脂或いはエポキシ樹脂によ
り絶縁被覆した微細な放射率均等化粉体を塗布した後に
誘導加熱が行われるが、その放射率均等化粉体に含まれ
る絶縁被覆樹脂の溶融を回避するためには、精々80乃
至100℃程度までしか誘導加熱を行うことができない
ので、このような放射率均等化粉体を用いる場合でも、
比較的低い表面温度にしか誘導加熱され得ないので、上
記の不都合が顕著となる。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、たとえ非磁性の
被検査材であっても、或いは放射率均等化粉体を用いる
ために加熱温度に制限がある場合でも、高い疵検出精度
が得られる誘導加熱探傷装置を提供することにある。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の要旨とするところは、導電性被検査材に電磁
誘導により誘導電流を発生させ、その誘導電流によって
その導電性被検査材の表面を加熱し、その導電性被検査
材の表面温度を測定し、その表面温度の不均一性に基づ
いてその導電性被検査材の表面疵を探傷する導電性被検
査材の誘導加熱探傷装置であって、(a) 所定の速度で長
手方向に移動させられる長手状の導電性被検査材の側面
に近接して配置された誘導コイルと、(b) その誘導コイ
ルを高周波電流で駆動することにより前記導電性被検査
材の表面を加熱するコイル駆動装置と、(c) 前記誘導コ
イルの前記導電性被検査材の移動方向に平行な幅方向の
中間部分において厚み方向に貫通するように形成された
スリットと、(d) そのスリットを通して前記導電性被検
査材の表面表面温度を非接触にて測定する放射温度測定
装置とを、含むことにある。
【0010】
【作用】このようにすれば、コイル駆動装置が、誘導コ
イルを高周波電流で駆動することにより前記導電性被検
査材の表面を加熱すると、放射温度測定装置は、誘導コ
イルの前記導電性被検査材の移動方向に平行な幅方向の
中間部分において厚み方向に貫通するように形成された
スリットを通して、導電性被検査材の表面温度を非接触
にて測定することができる。
【0011】
【発明の効果】長手状の導電性被検査材の表面であって
誘導コイルの電磁誘導により誘導加熱されている場所、
すなわち誘導コイルの幅方向の中間部分に対応する場所
の表面温度が放射温度測定装置にて測定されることか
ら、疵による温度分布が顕著に維持される期間内で検出
された温度信号STに基づいて疵判定が行われるので、
たとえ非磁性の被検査材であっても、或いは放射率均等
化粉体を用いるために加熱温度に制限がある場合でも、
高い疵検出精度が得られる。
【0012】ここで、好適には、前記長手状の導電性被
検査材は断面矩形の角材であり、前記誘導コイルのスリ
ットは、前記長手状の導電性被検査材の4つの側面のう
ちの1つの側面の幅寸法よりも長く形成されたものであ
り、前記放射温度測定装置は、そのスリットを通して上
記導電性被検査材の1つの側面をその幅方向全体を温度
測定するものである。このようにすれば、1つの放射温
度測定装置によって導電性被検査材の1つの側面をその
幅方向全体が温度測定され得、また、コーナ部に対応し
た放射温度測定装置を設けることにより、導電性被検査
材の表面疵を漏れなく探傷できる利点がある。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本発明の一実施例の誘導加熱探
傷装置を示す平面図である。図において、導電性被検査
材10は、1辺が10数センチ程度の矩形断面を有し且
つ10メートル程度の長さを有する圧延されたビレット
であり、鋼などの磁性金属材、或いはステンレス鋼、ア
ルミニウム合金、銅合金などの非磁性金属材から成るも
のである。
【0014】導電性被検査材10は、図示しない搬送ロ
ーラや2つのピンチローラユニット12および14によ
って支持され且つ図示しない駆動装置によってそれらピ
ンチローラユニット12および14などが回転駆動され
ることにより、その断面の対角線が略垂直および水平と
なる状態でその長手方向に一定の速度で搬送され、その
搬送過程で粉体塗布装置16、誘導コイル18、粉体除
去装置20を順次通過させられるようになっている。
【0015】図2は、上記粉体塗布装置16をその出口
側から見た斜視図である。粉体塗布装置16には、導電
性被検査材10を通過させるためにその断面より僅かに
大きい貫通穴22が備えられており、高周波電源装置2
4には、その貫通穴22から出た導電性被検査材10を
通過させるためのその断面より僅かに大きな形状の貫通
穴26を有する誘導コイル18が立設されている。ま
た、ピンチローラユニット14は、図示しない駆動装置
によって回転駆動される駆動ローラ28と、この駆動ロ
ーラ28に対向して導電性被検査材10を押圧する押圧
ローラ30とから構成されている。なお、前記ピンチロ
ーラユニット12もこのピンチローラユニット14と同
様に構成されている。また、粉体除去装置20にも上記
粉体塗布装置16と同様に貫通穴32が備えられてい
る。
【0016】上記粉体塗布装置16は、たとえば図3に
示すように箱状の本体17と、その本体17内において
所定の距離を隔てた導電性被検査材10の4つの側面に
向かって粉体34をそれぞれ放出する4つの塗布ガン3
6とを備えている。この塗布ガン36は導電性被検査材
10の各側面の幅方向の中心の真上において一定の距離
を隔てて位置させられている。また、この塗布ガン36
は、図4に示すように、図示しないホッパに接続される
粉体供給ポート38と、圧縮空気が供給される圧縮空気
接続ポート40と、粉体34を吐出する吐出ポート42
と、100kV程度の負の高電圧を出力する高圧電源4
4と電気的に接続されて吐出ポート42に設けられた静
電電極46とを備えており、負に帯電した粉体34を噴
射するように構成されている。導電性被検査材10は、
図示しない搬送ローラや2つのピンチローラユニット1
2および14などを介して接地されているので、粉体3
4はクーロン力によって吸引され、静電塗装の原理にし
たがって導電性被検査材10の表面に均一に吸着・塗布
される。粉体塗布装置16内で余った粉体34はダクト
48を介して回収されるようになっている。
【0017】また、上記粉体除去装置20は、たとえば
図5に示すように箱状の本体21と、その本体21にお
いて所定の距離を隔てた導電性被検査材10の4つの側
面に向かって4kg/cm2程度の圧縮空気をそれぞれ放出す
る4つの空気噴射ガン50とを備えている。この空気噴
射ガン50は、導電性被検査材10の側面に向かって突
き出すようにその側面の幅方向に配列された複数本のノ
ズル52を備えており、そのノズル52から噴射された
圧縮空気によって、導電性被検査材10の表面に静電的
に塗布された粉体34が容易に除去されるようになって
いる。除去された粉体34は、ダクト54を介して回収
されるようになっている。
【0018】上記粉体塗布装置16のダクト48および
粉体除去装置20のダクト54は、図1に示すように、
集塵装置56に接続されており、粉体塗布装置16内に
おいて余った粉体34や粉体除去装置20内において除
去された粉体34が集塵装置56において回収され、再
使用され得るようになっている。
【0019】すなわち、上記集塵装置56は、上記ダク
ト48および54に接続されたサイクロン式の一次集塵
機58と、この一次集塵機58にダクト60を介して接
続されたフィルタ式の二次集塵機62と、それら一次集
塵機58および二次集塵機62を通して粉体塗布装置1
6や粉体除去装置20内の空気を吸引する吸引ブロア6
4とから構成されている。上記一次集塵機58は、吸入
空気を逆テーパ状の空間内で回転させることにより遠心
力に従って粉体34を連続的に能率よく除去する形式の
ものである。また、上記二次集塵機62は、濾布を通し
て吸入空気を吸引することにより空気中に混在する比較
的微細な粒径の粉体34を除去する形式のものである。
上記一次集塵機58および二次集塵機62により回収さ
れた粉体34は、定期的に取り出され、清浄化処理され
た後に、再使用される。
【0020】ここで、上記粉体34は、カーボン粒子、
チタン粒子などの40乃至100μm程度の粒径の粒子
がエポキシ樹脂或いはアクリル樹脂などの絶縁樹脂によ
り被覆された放射率均等化粉体である。カーボン粒子が
樹脂被覆されたものは黒色であり、チタン粒子が樹脂被
覆されたものは白色乃至灰色であるが、いずれも表面温
度に対応したエネルギ放射をすることにより、導電性被
検査材10の表面状態に起因する赤外線放射率のばらつ
きを防止して均一化するとともに放射率を高める。上記
絶縁樹脂は、カーボン粒子、チタン粒子などを電気的に
絶縁するためのものであるが、比較的低い温度で軟化或
いは溶融開始するために、導電性被検査材10の表面加
熱温度が最高でも100℃程度以下に制限される。
【0021】前記粉体塗布装置16においては、矩形断
面の1辺が150mmである導電性被検査材10を40m
/分程度の速度で搬送しながら、90g/分程度の粉体
34が導電性被検査材10の表面に塗布されるように、
各塗布ガン36からの粉体34の吐出量が設定されてい
る。このときの導電性被検査材10の表面における粉体
34の平均塗布厚みは7μmであるから、粉体34の平
均粒径の1/6の厚みとなる。すなわち、粉体34は導
電性被検査材10の表面においてまばらに付着している
状態となるように設定されているのである。
【0022】上記粉体34の塗布厚みが大きくなり過ぎ
て相互に積み重なる状態となると、導電性被検査材10
の表面から最も外側の粉体34までの熱伝導が低下して
導電性被検査材10の温度に対応したエネルギの赤外線
放射ができなくなる。また、粉体34の塗布厚みが小さ
くなり過ぎると、粉体34の塗布効果すなわち導電性被
検査材10の表面において相互の擦れ跡のように光沢が
あるために放射率が低い部分に起因して温度が低く検出
される場所の放射率を高めて放射率を均一化するととも
に全体の放射率を高めるという効果が得られなくなる。
このような意味から、粉体34の塗布量は、その平均粒
径の1/15乃至1/3の厚みとされることが望まし
い。
【0023】図6および図7に示すように、前記誘導コ
イル18は、導電性被検査材10の断面形状よりも僅か
に大きい貫通穴26を形成するように20乃至40mm
程度の幅寸法の銅などの帯状金属部材が環状に曲成され
た環状部70と、その帯状金属部材の両端部がセラミッ
ク製或いは樹脂製の絶縁板72を介して相互に固定され
た直線部74とから構成されている。上記帯状金属部材
の誘導コイル18の長手方向に平行な幅方向の中央部に
は、たとえば5乃至10mm程度の幅寸法のスリット7
6が厚み方向に貫通して環状部70の全周に対応する長
さで形成されている。このため、図8に示すように、図
示しないフレームにより支持された2台の放射温度測定
装置78a、78bにより、スリット76を通して導電
性被検査材10の1対の側面の温度が測定されるととも
に、同様に図示しないフレームにより支持された2台の
放射温度測定装置78c、78dにより、スリット76
を通して導電性被検査材10の2つのコーナ部の表面温
度が測定されるようになっている。
【0024】上記放射温度測定装置78a、78b、7
8c、78dは、導電性被検査材10の表面から放射さ
れる赤外線を図示しない一次元方向に多数の検出素子が
検出面に配列された赤外線検出センサのその検出面に集
光し、導電性被検査材10の長手方向に直角な方向にた
とえば200Hz程度の周波数で走査される測定点の表
面温度を測定するものである。図9の (a)は、上記放射
温度測定装置78a、78bによりスリット76を通し
て検出された導電性被検査材10の側面の幅方向の温度
分布に対応する温度検出信号STを示している。なお、
図6に示すように、上記誘導コイル18は、その長手方
向に連通する冷却液通路80を内部に備えた中空構造と
なっており、高周波駆動電流によって発生する熱を冷却
するようになっている。
【0025】導電性被検査材10の表面疵を探傷するこ
とを目的として、高周波電源装置24からは、100k
Hz程度の周波数の高周波駆動電流が上記誘導コイル1
8に供給される。これにより、導電性被検査材10が磁
性金属材料であれば渦電流損失などによって表面から5
0μm程度まで加熱され、非磁性金属材料であれば渦電
流損失によって表面から1.5mm程度まで加熱され
る。すなわち、導電性被検査材10の表面における渦電
流をI0 、周波数をf、透磁率をμ、導電率をσとする
と、導電性被検査材10内に発生する渦電流Iは、数式
1に示すように、表面からの距離xに関連して減衰し、
数式1の指数部が−1となるxの値(浸透深さ)をδm
mとすると、数式2により表される。このように、表皮
効果によって渦電流Iが表層に集中することにより、導
電性被検査材10の表面が加熱されるのである。
【0026】
【数1】
【0027】
【数2】
【0028】図1の探傷制御装置66は、CPU、RO
M、RAMなどを有するよく知られたマイクロコンピュ
ータを備えており、ROMに予め記憶されたプログラム
に従って入力信号を処理することにより、放射温度測定
装置78a、78b、78c、78dから出力される温
度検出信号STに基づいて導電性被検査材10の表面
疵、たとえばビレットの長手方向に伸びる線状疵、曲線
状の小さな割れであるヘゲ疵、コーナ部のコーナ割れな
どを判定し、疵位置を出力するとともに、導電性被検査
材10の表面の疵位置をインクで表示する図示しない疵
マーカを作動させる。
【0029】図10は、上記探傷制御装置66の演算制
御作動の要部、すなわち導電性被検査材10の走行中に
おける疵検出作動を説明するフローチャートである。
【0030】先ず、図示しない起動操作が行われること
により、導電性被検査材10が図1の矢印方向へ一定の
速度で搬送されると同時に、粉体塗布装置16が作動さ
せられて粉体34が導電性被検査材10の側面に吸着・
塗布され、誘導コイル18に高周波電流が供給され、粉
体除去装置20において粉体が除去される。このとき、
上記誘導コイル18により、導電性被検査材10の表面
が常温よりも20乃至50℃程度加熱される。
【0031】この状態において、図10のステップSS
1では、放射温度測定装置78a、78b、78c、7
8dから出力される温度検出信号STの1単位である1
走査分の信号が入力されたか否かが判断される。図9の
(a) 段は、導電性被検査材10の所定の側面における1
走査分の温度検出信号STを例示している。このステッ
プSS1の判断が否定された場合は1走査分の信号が入
力されるまで待機させられるが、肯定された場合は、ス
テップSS2の平均処理以下が実行される。上記放射温
度測定装置78a、78b、78c、78dにおいて電
気的に決められる温度測定点の走査周期に同期して、上
記ステップSS2以下の処理が実行されることになる。
上記ステップSS1は温度検出信号読込工程或いは温度
検出信号読込手段に対応している。
【0032】ステップSS2では、入力された温度検出
信号STの平均値が、よく知られた適当な区間内におけ
る移動平均演算処理、或いは適当な遮断周波数を有する
ローパスアクティブフィルタ演算処理などが実行される
ことにより、平均温度信号STAVに変換される。この平
均温度信号STAVは疵が存在しない場所の表面温度とし
て取り扱われるものであり、図9の(b) はその平均温度
信号STAVを例示している。このステップSS2は、平
均処理工程或いは平均処理手段に対応している。
【0033】続くステップSS3では、前記温度検出信
号STから上記平均温度信号STAVを差し引く差分演算
が実行されることにより、導電性被検査材10の表面に
おける局部的な温度変化量を示す温度変化量信号すなわ
ち疵信号SΔT(ST−ST AV)が算出される。図9の
(c) はこの疵信号SΔTを例示している。このステップ
SS3は、温度変化量算出工程或いは温度変化量算出手
段に対応している。
【0034】次いで、ステップSS4では、疵判定を容
易とするために、疵信号SΔTの絶対値|SΔT|が算
出される。図9の(d) はこの疵信号SΔTの絶対値|S
ΔT|を例示している。このステップSS4は、絶対値
算出工程或いは絶対値算出手段に対応している。
【0035】そして、ステップSS5では、上記疵信号
SΔTの絶対値|SΔT|が予め設定された判断基準値
Thを超えるか否かが判断される。この判断基準値Th
は、導電性被検査材10の表面疵を判定するために予め
実験的に求められた値であり、たとえば2℃程度の値が
採用される。このステップSS5は、疵判定工程或いは
疵判定手段に対応している。
【0036】上記ステップSS5の判断が否定された場
合は、本ルーチンが終了させられてステップSS1以下
が再び実行されるが、肯定された場合は、ステップSS
6において疵判定信号が図示しない疵マーカ等へ出力さ
れると同時に疵位置が記憶されてから、本ルーチンが終
了させられる。
【0037】上述のように、本実施例によれば、コイル
駆動装置として機能する高周波電源装置24が、誘導コ
イル18を100kHz程度の高周波電流で駆動するこ
とにより導電性被検査材10の表面を加熱すると、この
ような加熱工程においては、放射温度測定装置78a、
78b、78c、78dにより、誘導コイル18の導電
性被検査材10の移動方向に平行な幅方向の中間部分に
おいて厚み方向に貫通するように形成されたスリット7
6を通して、導電性被検査材10の表面温度が測定され
る。すなわち、この温度測定工程においては、導電性被
検査材10の表面であって誘導コイル18の電磁誘導に
より誘導加熱されている場所自体の表面温度が測定され
る。このように、導電性被検査材10の表面であって誘
導コイル18の電磁誘導により誘導加熱されている場
所、すなわち誘導コイル18直下の場所の表面温度が測
定されることから、疵による温度分布が顕著に維持され
る期間内で検出された温度検出信号STに基づいて疵判
定が行われるので、たとえ浸透深さδが大きく疵による
温度分布が現れ難い非磁性金属でも、疵の検出精度が充
分に得られる。因に、誘導コイル18を通過した後で
は、疵による温度の分布が熱伝導によって平均化されて
しまうのである。
【0038】また、本実施例によれば、スリット76
は、誘導コイル18の環状部70の全周にわたって形成
されている結果、導電性被検査材10の4つの側面のう
ちの1つの側面の幅寸法よりも充分に長く形成されてい
るので、放射温度測定装置78a、78bは、そのスリ
ット76を通して導電性被検査材10の側面の幅方向全
体を温度測定でき、放射温度測定装置78c、78dは
導電性被検査材10のコーナ部をスリット76を通して
温度測定できる。但し、本実施例では、導電性被検査材
10の上半分の側面を一度に測定するため、残りの側面
は導電性被検査材10を180°回転させて再度搬送さ
せられる。もちろん、一度に全側面を測定するように放
射温度測定装置78を設置してもよい。
【0039】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0040】
【0041】また、前述の実施例のスリット76は、誘
導コイル18の環状部70の全周にわたって形成されて
いたが、半周であってもよいし、導電性被検査材10の
矩形断面の1辺に対応する長さであってもよい。
【0042】また、前述の実施例のスリット76は、誘
導コイル18の幅方向中央部に形成されていたが、幅方
向中央部から導電性被検査材10の搬送方向側へ偏った
位置に形成されてもよい。
【0043】また、前述の実施例の誘導コイル18は、
環状に曲成された1周分の帯状金属部材により構成され
たものであったが、電線が複数回巻き回されて構成され
たものでもよい。
【0044】また、前述の実施例の粉体塗布装置16に
おいて、塗布ガン36は導電性被検査材10の各側面の
幅方向の中心の真上において一定の距離を隔てて位置さ
せられていたが、この位置は、導電性被検査材10の断
面形状の大きさが変更されるに伴って自動的に変更され
るようにしてもよい。
【0045】また、前述の実施例では、疵信号の絶対値
|SΔT|の大きさが判断基準値Thを超えたことを以
て疵と判定されていたが、その疵信号の絶対値|SΔT
|の大きさが判断基準値Thを超えた点が複数回の走査
毎に同じ幅方向位置において連続して存在することを以
て疵と判定するようにしてもよい。
【0046】また、前述の実施例において、導電性被検
査材10の存在が検出されている間だけ、高周波駆動電
流が誘導コイル18に供給され、或いは塗布ガン36に
より粉体34が塗布されるようにしてもよい。
【0047】また、前述の実施例の導電性被検査材10
は断面矩形であったが、円形断面でもよい。
【0048】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の誘導加熱探傷装置を示す平
面図である。
【図2】図1の粉体塗布装置および誘導コイルを示す斜
視図である。
【図3】図1の粉体塗布装置の内部構造を説明する図で
ある。
【図4】図1の粉体塗布装置内の塗布ガンおよびその粉
体塗布作動を説明する図である。
【図5】図1の粉体除去装置の内部構造を説明する図で
ある。
【図6】図1の誘導コイルの要部の一部を切り欠いて示
す拡大正面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】図1の誘導加熱探傷装置に備えられた放射温度
測定装置を示す図である。
【図9】図8の放射温度測定装置から得られた温度検出
信号波形、および図10の作動により信号処理された波
形をそれぞれ示す図である。
【図10】図1の誘導加熱探傷装置に備えられた探傷制
御装置の作動を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10:導電性被検査材 18:誘導コイル 24:高周波電源装置(コイル駆動装置) 76:スリット 78:放射温度測定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 泰三 愛知県名古屋市南区泉楽通4−3−2 (56)参考文献 特開 平2−298846(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 25/72

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性被検査材に電磁誘導により誘導電
    流を発生させ、該誘導電流によって該導電性被検査材の
    表面を加熱し、該導電性被検査材の表面温度を測定し、
    該表面温度の不均一性に基づいて該導電性被検査材の表
    面疵を探傷する導電性被検査材の誘導加熱探傷装置であ
    って、 所定の速度で長手方向に移動させられる長手状の導電性
    被検査材の側面に近接して配置された誘導コイルと、 該誘導コイルを高周波電流で駆動することにより前記導
    電性被検査材の表面を加熱するコイル駆動装置と、 前記誘導コイルの前記導電性被検査材の移動方向に平行
    な幅方向の中間部分において厚み方向に貫通するように
    形成されたスリットと、 該スリットを通して前記導電性被検査材の表面温度を非
    接触にて測定する放射温度測定装置とを含むことを特徴
    とする導電性被検査材の誘導加熱探傷装置。
  2. 【請求項2】 前記長手状の導電性被検査材は断面矩形
    の角材であり、前記誘導コイルのスリットは、前記長手
    状の導電性被検査材の4つの側面のうちの1つの側面の
    幅寸法よりも長く形成されたものであり、前記放射温度
    測定装置は、該スリットを通して前記導電性被検査材の
    1つの側面をその幅方向全体を温度測定するものである
    請求項の導電性被検査材の誘導加熱探傷装置。
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