JP3348220B2 - 電気機器からのpcb回収方法と装置 - Google Patents

電気機器からのpcb回収方法と装置

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JP3348220B2
JP3348220B2 JP2000034529A JP2000034529A JP3348220B2 JP 3348220 B2 JP3348220 B2 JP 3348220B2 JP 2000034529 A JP2000034529 A JP 2000034529A JP 2000034529 A JP2000034529 A JP 2000034529A JP 3348220 B2 JP3348220 B2 JP 3348220B2
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/82Recycling of waste of electrical or electronic equipment [WEEE]

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  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)
  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現在電力会社等で
PCB汚染物として保管を余儀なくされている、特別管
理産業廃物としての変圧器等について、現在法律で処理
が認可されている金属、プラスチック類、ガラス質から
PCB含有油を脱脂洗浄により除去し、洗浄液からPC
B含有油のみを効果的に分離回収してほぼ完全なリサイ
クルとPCBの一切の外部への逸散阻止を実現する電気
機器からのPCBの回収方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】PCBは、化学的安定性、耐熱性、高絶
縁性等の特性を有しており、これらの特性を利用してト
ランスおよびコンデンサー等の電気機器の電気絶縁油、
感圧紙、機械油、可塑剤および塗料等に使用されてき
た。しかしながら、PCBは1968年のカネミ油症事
件をきっかけとして環境汚染の実態が明らかになり、1
974年までに製造、輸入、開放形用途での使用が禁止
された。さらに、1992年には廃PCB、PCBを含
む廃油およびPCB汚染物が廃棄物処理法に基づく特別
管理産業廃棄物に指定され、事業所等での保管が義務付
けられた。その結果、現在は相当数のトランス等が事業
所等に保管されている。
【0003】抜き取り回収されたPCBの無害化につい
ては特開平10−225632号等にて確立されている
が、PCBが付着する機器ケース、PCBが含浸したコ
ンデンサ素子、変圧器鉄心、コイル等からのPCB回収
は容易ではなく、種々の提案もなされている。
【0004】すなわち、特開昭56−111078号に
あっては、「予め細片化したアルミニューム箔と絶縁紙
が交互に層をなして巻回されているコンデンサ素子や、
アルミニューム板や鋼線、アルミニューム線と絶縁紙で
構成されている変圧器コイル等の電気部品にマイクロ波
を照射すると、特に三価〜五価のPCBは他に比較して
双極子モーメントが大きいために優先的に振動し発熱し
て気化する。またアルミニュームに生じるうず電流によ
る発熱が加わり効果的に加熱され気化する。この発熱の
ために絶縁紙も熱せられるが、この場合には、前述の通
りPCBが気化した後に炭化することになるために従来
のように炭化が進行した絶縁紙自体に吸着されるという
ことはなくなり、極めて分離効率が良好となる」として
いる。
【0005】特開平11−286463号にあっては、
「溶剤洗浄の前処理として、常温で液体である溶剤を冷
媒と間接的に熱交換させて低温に保持されている溶剤に
鉄心を浸漬した後、低温の状態にある鉄心をプレス機で
破砕すれば溶剤洗浄に適した破砕が得られるとともに、
PCBを含むミストが大量に発生することがなく、PC
B含有油を効率よく回収できることを見出した。すなわ
ち、この発明は複数枚の硅素鋼板が積層して構成され、
PCB含有油が残留している鉄心を冷媒により間接的に
低温保持されている溶剤に浸漬後破砕手段に付し、つい
で破砕された鉄心を洗浄手段に付してPCB含有油を洗
浄溶剤中に溶出させ、該洗浄溶剤中からPCB含有油が
分離されるとして、前処理として鉄心を低温の溶剤中に
浸漬してから鉄心を破砕するため、破砕時にPCBを含
むミストの発生が無く、環境への影響を考慮する必要が
ない。また、浸漬槽と洗浄槽において同種類の溶剤が使
用される場合は、蒸留塔で分離された溶剤を洗浄槽ある
いは低温浸漬槽へ循環して再使用できる」としている。
【0006】特開平11−302206号にあっては、
「複数枚の硅素鋼板が積層して構成され、PCB含有油
が残留している鉄心を夫々の硅素鋼板間の隙間が拡大で
きる程度の圧力で該鉄心の積層面に対して垂直方向から
プレスして変形させ、ついで該鉄心を減圧超音波洗浄手
段に付してPCB含有油を洗浄溶剤中に溶出させ、該洗
浄溶剤中からPCB含有油を蒸留装置で分離させるとし
て、前処理として鉄心を細かく破砕する必要がないの
で、破砕時にPCBを含むミストおよび切屑等の発生が
なく、環境への影響を考慮する必要がない。また、鉄心
をプレスすることにより、硅素鋼板間の隙間が拡大する
ので、硅素鋼板間に染込んでいるPCB含有油を高効率
で回収することが可能である」としている。
【0007】上記の諸例はいずれも絶縁紙を介装のコイ
ル積層体の鉄心という最も厄介な多隙間部材についてで
あって、機器ケースについては通常の洗浄剤による処理
が採られるのが普通である。この場合、洗浄廃液には他
の油と同じく洗浄前に含まれる分散剤、乳化剤等の界面
活性剤が油滴をエマルジョン状に分散しているので、凝
集(塩析等エマルジョンを分解する薬品等の使用や炭及
び多孔質のセラミックや繊維質を利用して吸着)→フロ
ック化→除去、若しくは直接濾過(遠心分離、薄膜フィ
ルター、中空フィルター)による排水可能なレベルまで
への清浄化が採られる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】叙上の従来の鉄心につ
いての処理手段は、いずれも細片化、冷却しての破砕、
プレス変形等の作業者にとってPCB飛散のおそれある
危険な作業とその後のガス化PCBの凝縮、蒸留搭によ
る抽出、蒸留装置による抽出というPCB気化工程を有
し、PCBガスの逸散の危険に周囲環境をさらすという
難点がある。
【0009】また、叙上の提案では鉄心以外のリサイク
ル可能なケース、フタ等については一切言及がなく、こ
れでは可能な限りリサイクルを前提しての処理をとり行
なうには不完全である。
【0010】一方、機器ケースについては、既述の如く
清浄化廃水処理を原則とする現行法による容器等の洗浄
はトリクロロエタン等の溶剤洗浄を認可している。しか
し、これでは地下水汚染、作業環境の悪化等指摘されて
おり、時代にそぐわない。
【0011】また、現在有る油水分離技術において、分
離後の処理水は水質汚濁防止法の油分の排水基準値まで
下げて排水するというもので(鉱物油5ppm、動植物油
30ppm)あるが、本願で分離、抽出するものはPCB
であり、特定有害物質として排水基準が水質汚濁防止法
により規定されており、これによると、排水基準は0.
003mg(PCB)/kg(水)であり、該容器を洗浄す
る場合と同様に排水するのは無理がある。また、どんな
に微量であってもこのPCBを外部に排水等で放出する
ということは、河川、海域の汚染はもとより、小魚から
中型、大型魚、そして、人間へと食物連鎖により体内へ
蓄積されることになり、大きな影響を与えるものと考え
られる。
【0012】ちなみに、2000年1月29日付朝日新
聞にあっては、図4に示すタイトルとイラストのもとに
下記の記事が掲載されていた。
【0013】「日本人のダイオキシン類摂取量の約6割
を占めるコプラナーPCBの発生源として、約30年前
に使用が禁止されたPCB(ポリ塩化ビフェニール)が
大きな割合を占め、最近も減っていないことが、横浜国
立大学の益永茂樹教授(環境化学)らの研究で分った。
PCBはずさんな管理による紛失や漏出が指摘されてい
るが、ダイオキシン類の発生源としても警戒の必要性が
出てきた。
【0014】毒性が強いコプラナーPCBは、ごみ焼却
で生成されるほか、工業製品として使われたPCBにも
含まれる。発生源はこの2つが大半を占めるとみられ
る。
【0015】益永教授は、燃焼でできるもの(燃焼由
来)とPCBに含まれるもの(工業由来)では特徴が異
なることに着目。島根県・宍道湖の堆積物の層を年代ご
とに分析した。その結果、PCBが普及する前の194
0年代はほとんどが燃焼由来だった。盛んに使われた6
0年代には工業由来が約8割に増加。使用や製造が禁止
された72年ごろから減ったが、70年代後半以降現在
まで5割前後で推移していた。同教授はほかの湖底や沿
岸の海底も同様と見ている。
【0016】PCBは、揮発・沈着したり、水で流され
たりして環境中に拡散する。分析されたコプラナーPC
Bが、かつて放出されたPCBの残留物がたまったもの
か、管理がずさんで漏れ続けているPCBによるもの
か、はっきりしない。だが、最近も減っていないことか
ら漏れている疑いが強い。
【0017】保管されているはずのPCBがなくなる例
は後を絶たない。92年の厚生省調査では、PCBを使
ったトランスなどの7%が紛失していた。禁止されるま
での国内使用量は累計で約5万4千トンにのぼる。
【0018】厚生省によると、日本人のダイオキシン類
の1日平均摂取量は体重1キロあたり約2ピコグラム
(ピコは1兆分の1。最も毒性の強いダイオキシンに換
算)。約6割がコプラナーPCBで、ほとんどが魚介類
から摂取している。厚生省は1日4ピコグラム以下な
ら、一生摂取し続けても健康には影響しないとしてい
る。」 排水基準合致で安心すべきものでないことは明らかであ
る。
【0019】本発明は叙上の事情に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、鉄心をも含めたPCB使
用の電気機器のほぼ完全なリサイクルを可能とし、か
つ、時代の要請に応える完璧なるPCB逸出阻止を実現
する電気機器からのPCBの回収方法と回収装置を提供
することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の電気機器からのPCB回収方法は、PCBを
抜き取りした電気機器のフタ、ケースについては、PC
Bが水中に混濁することのないノズルの温水洗浄よりな
る低圧温水洗浄、次いでPCBがエマルジョン化する植
物系の洗浄剤使用の超音波洗浄、温水すすぎ仕上げ洗浄
にてPCB除去をとり行ない、鉄心については、上記低
圧温水洗浄、超音波洗浄、温水すすぎ仕上げ洗浄の外側
洗浄の後、オフライン上の分解選別ヤードに移して紙、
木、繊維質と鉄材に分けたうえ当該鉄材をオンライン上
の該超音波洗浄前に載せて、再度超音波洗浄、温水すす
ぎ仕上げ洗浄を受けさせて積層内部を含む全層部のPC
B除去を行ない、該低圧温水洗浄と温水すすぎ仕上げ洗
浄からのエマルジョン無しの排水については、分離タン
クでの浮上油回収にてPCBを回収すると共に、下記の
静浄水は再利用に付し、該超音波洗浄からのエマルジョ
ンの排水については、攪拌タンクにて食可能な海草等の
植物から抽出したエキスを主成分とした凝集剤とカチオ
ン系の食品添加物をメインとした凝固剤との投入にてP
CBをフロック化したうえ濾過回収すると共に、静浄水
は再利用に付して外部への廃棄は一切無きものとし、前
記紙、木、繊維質並びに該フロックは超臨界抽出装置に
てPCBの完全抽出分離するとし、最初の解体を含む該
全ての洗浄工程は閉塞空間にて排気回収のもとにとり行
なうとしたものである。
【0021】本発明の電気機器からのPCBの回収装置
は、PCB抜き取りの電気機器のフタ、ケース、鉄心解
体ヤードと、該フタ、ケース、鉄心についての低圧温水
洗浄ブース、植物系の洗浄剤使用の超音波洗浄ブース、
温水すすぎ仕上げ洗浄ブースの各オンラインと、温水す
すぎ仕上げ洗浄後の鉄心をオフラインで解体後鉄材のみ
を超音波洗浄前のオンライン上に戻す紙、木、繊維質と
鉄材分離用オフライン分解選別ヤードと、該低圧温水洗
浄、温水すすぎ仕上げ洗浄からの排水を分離タンクでP
CBを浮上分離回収する油水分離回収装置と、該超音波
洗浄からの排水を攪拌タンクにて食可能な海草等の植物
から抽出したエキスを主成分とした凝集剤とカチオン系
の食品添加物をメインとした凝固剤との投入にてフロッ
ク化したうえ濾過してPCB回収を行う油分除去装置と
から成り、当該油水分離回収装置と油分除去装置の静浄
水は全て再利用に付すると共に該オンライン上の諸洗浄
工程、該鉄心解体ヤードは排気回収装置を備えた閉塞空
間内に配備するとしたものである。
【0022】
【作用】フタ、ケース、鉄心について本洗浄の洗浄剤含
有洗浄液での超音波洗浄の前洗いとして低圧温水洗浄工
程が挿入されるが、この前洗いを省略して直接本洗浄に
付した場合、洗浄液の消耗は激しく、使用量と後処理の
経費上から実用性が問題とされる(PCB含有油の入っ
た変圧器から該油を抜き取った後、該変圧器には油の粘
性により必然的に該油が付着して残存する。これは思い
のほか多量に残っており(絶縁紙等に染み込んだ油分が
経時とともに滲出してくる)油量100L位の変圧器に
おいて、600ccから1500cc位残る)が、前洗いを
行なうことによって本洗浄の負担は大幅に軽減する。
【0023】しかも、この低圧温水洗浄は、濃油分除去
を目的とした粘性付着しているものを融解と衝撃とで剥
ぎ取るもので効果的である。
【0024】そして、この処理液は緩やかな低圧の衝撃
で融解した油分がエマルジョンとなって水中に溶け込む
ことなく水上に浮上して集まるので、上層のみを回収
し、下層は静浄水として再利用に供し得るとの利点があ
る。
【0025】一方、植物系洗浄剤を使用の超音波洗浄に
あっては、完璧に油分の付着を解消させてしまうが、油
分はエマルジョンとなって水中に分散してしまう。しか
し、これに食可能な海草等の植物から抽出したエキスを
主成分とした凝集剤にて油分のみを吸着させ、さらに、
水との分離を容易にするためカチオン系の食品添加物を
メインとした凝固剤を投入してフロック化するので、両
者は完全に分離し得る。
【0026】ここにおいて、上記の植物系洗浄剤の採用
については、一般には石油系のものが使用されるが(単
価が非常に安い)、これの多用は、水路に放出すれば微
生物、小魚など簡単に死滅させるほど毒性が強く、環境
浄化が問われている現在、これの使用は好ましくない。
一例として以前よく使われていた洗剤が、ゴキブリにか
けると死んでしまうということがいわれ、大きな反響を
呼んだ。また通常行なわれるヒメダカによる急性毒性検
査においても、この洗剤は数秒で死滅する。本発明採用
の植物系洗剤では48h生存している。
【0027】さらに、現行法にて認可されている処理可
能な洗浄は、トリクロロエチレン等の有機溶剤を使用し
たものであるが、現在環境問題が社会的に大きく取り上
げられている現状から好ましくなく、さらに作業環境悪
化による作業員の健康に及ぼす影響も大きいものと考え
られ、適当ではないと考えられる。
【0028】かかる観点からして本発明の洗浄剤の選択
は理想的である。
【0029】なお、上記フロックは完璧なる抽出技術と
して確立の超臨界抽出にてPCBを分離された後は無害
な固形物(組成分は上記の如く植物から抽出したエキス
を主成分としたものと食品添加物のため)として安心し
て焼却等の処分が可能となる。
【0030】また、分離された水はエマルジョンの全て
を除去されているので、新たに洗浄剤を加えて再利用し
得、一切排水を出さない。
【0031】本発明のPCBに対する処理は揮発を促す
ような高温をあえて避けているので、PCBのガス化は
生じない。そして、蒸気発生を伴う全ての工程室では排
気回収のもとで空気の循環をしているので外部へのPC
B逸散は一切生じる恐れがない。
【0032】しかして、ここに処理工場内の作業者にも
工場外の環境にも安全なPCB回収処理手段が実現され
た。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1〜4に
基づいて説明する。
【0034】図1において、建家1は解体ヤード2と鉄
心3、ケース4、フタ5のステージ3a、4a、5aと
当該ステージ3a、4a、5aを搭載して走行のローラ
ーコンベヤ3b、4b、5bのスタート部を収容してい
る。建家1の排気10は回収されて、PCBを含む内気
の外部への逸散を防止している。
【0035】コンベヤ3b、4b、5bには順次広い範
囲に噴出ジェットが霧化することなく行き渡るタイプの
ノズルを装備の低圧温水洗浄ブース3c、4c、5c
(3分〜5分)次いで植物系の洗浄剤使用の超音波洗浄
ブース3d、4d、5dさらに温水すすぎブース3e、
4e、5eが続き、図示例にあっては、乾燥ブース3
f、4f、5fさらにn‐ヘキサン槽より成る検査ブー
ス(n‐ヘキサンに移行するPCBの量を計測して洗浄
度合を知る)3g、4g、5gを加えている。
【0036】上記の各ブースは既述の建家1と同じくそ
の排気11、12、13、14、15は回収される。
【0037】終端の建家6はストックヤード7となる。
【0038】図中8は天井走行クレーン、9はホイスト
クレーンを夫々示す。
【0039】上記低圧(強すぎる衝撃はPCBの飛散を
招く)温水洗浄ブース、超音波洗浄ブース、温水すすぎ
ブース等は夫々の処理物に対応させて設計されるもの
で、例えば有底筒体のケース4の場合では低圧温水洗浄
ブース4cとしては逆さ姿勢のケース4の下方から水圧
で回転しながら噴出ジェットを周囲に撒散するヘッドを
有するものを配し、天端の筒底に対しては上方から撒射
ノズルのヘッドを有するものを配して対応するを良しと
する。
【0040】また、既に終了のうち必要と思われる前工
程を再度受けさせる変更も配慮すべきである。
【0041】積層体の鉄心3は外面洗浄を完了した温水
すすぎブース3e終了後、オフラインの分解選別ヤード
16に移し、ここで紙、木、繊維質と解体されて全面を
露呈された鉄材とに分別し、前者は超臨界抽出装置17
に送るとし、後者は超音波洗浄ブース3dに戻して、隠
蔽されて洗浄作用を受け得なかった部分の洗浄を行な
う。
【0042】低圧温水洗浄ブース3c、4c、5c並び
に温水すすぎブース3e、4e、5eからのエマルジョ
ン化していないで油、水が分離状態にある排水は全て図
2に示す油水分離回収装置18に送られる。
【0043】すなわち、排水ビット18aにプールされ
た排水は、上層の油と水とをフロートポンプ18bがサ
イホン18dを介して槽を連続させた分離タンク18c
に汲み上げられる。
【0044】分離タンク18cには予めやや冷めた水が
張られており、ここに投入される排水中の油分は冷却固
化されて明確に浮上分離するので、円筒状のオイルスキ
マー18eが油分の粘性を利用して付着させスキマー1
8eにて掻き落として回収タンク18fに回収してい
く。
【0045】当該回収タンク18fの油は貯油タンク1
9に集められる。該分離タンク18cの最終サイホン1
8dからの水はエマルジョンも固形油も含まない(PC
B濃度は0.0005ppm以下)ので再利用に供され
る。
【0046】前記の超音波洗浄ブース3d、4d、5d
にあっては、洗浄剤としては植物系の洗浄剤が選択さ
れ、この精密洗浄は30分位で完全にエマルジョン化の
脱脂洗浄を達成する。
【0047】概ね液中油分濃度0.5%位で洗浄液は交
換される。
【0048】植物系の洗浄剤の具体例としては、商品名
イオン洗浄剤SNE‐GF88として有限会社S・N・
E総合研究所が製造したものがある。成分は次の通り。 脂肪酸ジエタノールアミド(ヤシ油系)……12% 脂肪酸メチルエトキシレート(植物系)…… 5% 樹皮酵素抽出エキス…………………………… 5% コーン油成分…………………………………… 5% キラヤ抽出物…………………………………0.3% 海草成分………………………………………… 5% ユッカフォム抽出液…………………………0.3% 蒸留水……………………………………………18% 天然ミネラルイオン水……………………49.4% PH……………………………………………9.3% 有害性検査は次の通り。 ヒメダカによる急性毒性 48時間 LC5
0値は570mg/l マウスによる急性経口毒性 20ml/kg以上 ウサギによる皮膚一次刺激性 ウサギ3匹の皮膚
に4時間適用したところ、試験品除去後1時間で全例の
無傷及び有傷に軽度〜はっきりした紅斑1、2点がみと
められたが、除去後24時間後には全例消出した。
【0049】超音波洗浄ブース3d、4d、5dからの
排水は図3に示す油分除去装置20に送られる。
【0050】油分除去装置20は、攪拌装置20aを有
する攪拌タンク20bに食可能な海草等の植物から抽出
したエキスを主成分とした粉状の凝集剤A投入用のホッ
パー20cとカチオン系の食品添加物をメインとした液
状の凝固剤B投入用の液量確認タンク20dを装備する
(処理排水に対してAの使用量は1%、Bは0.3%位
の割合が効果的)と共に抽出側に濾過ポンプ20eを介
してバックフィルター20fを配して成る。前記A、B
としては、株式会社ウェステックが製造元で株式会社シ
ンドウが販売元のNBP−A、BC9−B(2つセット
で総称をミキロシク)を使用した。
【0051】図中20gはB液のタンク、20hはその
吸い上げポンプ、20iは排水受で、この水は再利用さ
れる。
【0052】該バックフィルター20fで得られるフロ
ック21は、該超臨界抽出装置17に送られてPCBを
抽出されて、該凝集剤Aと凝固剤Bとの含有成分からな
る無害固形物となる。
【0053】叙上手段の分析結果は、n−ヘキサン抽出
−重量測定法により部材100g当りの残留油分が4mg
であった。これは試料をn−ヘキサン200ml中に入
れ、超音波洗浄を40分間行なうものでかなり厳格な条
件での油分測定である。またこの数値は部材採取試験法
をらくらくクリアー(基準値0.01mgPCB/kg以
下)しており、かつふき取り試験法においても残留油分
1mgにし、0.1mgPCB/100cm2以下をクリアー
するものである。
【0054】
【発明の効果】以上の如く本発明は構成されるので、実
用的なローコストで、工場内外に極めて安全性の高いP
CB回収手段を実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のPCB回収手段のコンベヤライン説明
図である。
【図2】本発明の油水分離回収装置の説明図である。
【図3】本発明の油分除去装置の説明図である。
【図4】新聞のタイトルとイラストを紹介したものであ
る。
【符号の説明】
1 ; 建家 2 ; 解体ヤード 3 ; 鉄心 3a ; ステージ 3b ; ローラーコンベヤ 3c ; 低圧温水洗浄ブース 3d ; 超音波洗浄ブース 3e ; 温水すすぎブース 3f ; 乾燥ブース 3g ; 検査ブース 4 ; ケース 4a ; ステージ 4b ; ローラーコンベヤ 4c ; 低圧温水洗浄ブース 4d ; 超音波洗浄ブース 4e ; 温水すすぎブース 4f ; 乾燥ブース 4g ; 検査ブース 5 ; フタ 5a ; ステージ 5b ; ローラーコンベヤ 5c ; 低圧温水洗浄ブース 5d ; 超音波洗浄ブース 5e ; 温水すすぎブース 5f ; 乾燥ブース 5g ; 検査ブース 6 ; 建家 7 ; ストックヤード 8 ; 天井走行クレーン 9 ; ホイストクレーン 10、11、12、13、14及び15 ; 排気 16 ; 分離選別ヤード 17 ; 超臨界抽出装置 18 ; 油水分離回収装置 18a ; 排水ビット 18b ; フロートポンプ 18c ; 分離タンク 18d ; サイホン 18e ; オイルスキマー 18f ; 回収タンク 19 ; 貯油タンク 20 ; 油分除去装置 20a ; 攪拌装置 20b ; 攪拌タンク 20c ; ホッパー 20d ; 液量確認タンク 20e ; ポンプ 20f ; バックフィルター 20g ; B液のタンク 20h ; 吸い上げポンプ 20i ; 排水受 21 ;フロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−289824(JP,A) 特開 平7−34096(JP,A) J.M.Levy,E.Storoz ynsky and M.Ashraf −Khorassani,Use of Modifiers in Supe rcritical Fluid Ex traction,American Chemical Society,米 国,488,336−361 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 5/00 B08B 3/02 B08B 3/12 C12F 1/52 C11D 3/382

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PCBを抜き取りした電気機器のフタ、
    ケースについては、PCBが水中に混濁することのない
    ノズルの温水洗浄よりなる低圧温水洗浄、次いでPCB
    がエマルジョン化する植物系の洗浄剤使用の超音波洗
    浄、温水すすぎ仕上げ洗浄にてPCB除去をとり行な
    い、鉄心については、上記低圧温水洗浄、超音波洗浄、
    温水すすぎ仕上げ洗浄の外側洗浄の後、オフライン上の
    分解選別ヤードに移して紙、木、繊維質と鉄材に分けた
    うえ当該鉄材をオンライン上の該超音波洗浄前に載せ
    て、再度超音波洗浄、温水すすぎ仕上げ洗浄を受けさせ
    て積層内部を含む全層部のPCB除去を行ない、該低圧
    温水洗浄と温水すすぎ仕上げ洗浄からのエマルジョン無
    しの排水については、分離タンクでの浮上油回収にてP
    CBを回収すると共に、下部の清浄水は再利用に付し、
    該超音波洗浄からのエマルジョンの排水については、攪
    拌タンクにて食可能な海草等の植物から抽出したエキス
    を主成分とした凝集剤とカチオン系の食品添加物をメイ
    ンとした凝固剤との投入にてPCBをフロック化したう
    え濾過回収すると共に、かつ、清浄水は再利用に付して
    外部への廃棄は一切無きものとし、前記紙、木、繊維質
    並びに該フロックは超臨界抽出装置にてPCBの完全抽
    出分離するとし、最初の解体を含む該全ての洗浄工程は
    閉塞空間にて排気回収のもとにとり行なうとしたことを
    特徴とする電気機器からのPCB回収方法。
  2. 【請求項2】 PCB抜き取りの電気機器のフタ、ケー
    ス、鉄心解体ヤードと、該フタ、ケース、鉄心について
    の低圧温水洗浄ブース、植物系の洗浄剤使用の超音波洗
    浄ブース、温水すすぎ仕上げ洗浄ブースの各オンライン
    と、温水すすぎ仕上げ洗浄後の鉄心をオフラインで解体
    後鉄材のみを超音波洗浄前のオンライン上に戻す紙、
    木、繊維質と鉄材分離用紙、木、繊維質は超臨界抽出装
    置にてPCBの完全抽出分離することを前提のオフライ
    ン分解選別ヤードと、該低圧温水洗浄、温水すすぎ仕上
    げ洗浄からの排水を分離タンクでPCBを浮上分離回収
    する油水分離回収装置と、該超音波洗浄からの排水を攪
    拌タンクにて食可能な海草等の植物から抽出したエキス
    を主成分とした凝集剤とカチオン系の食品添加物をメイ
    ンとした凝固剤との投入にてフロック化したうえ濾過し
    てPCB回収を行なう該フロックは超臨界抽出装置にて
    PCBの完全抽出分離することを前提の油分除去装置
    、前記紙、木、繊維質並びに該フロックからPCBを
    完全抽出分離する超臨界抽出装置とから成り、当該油水
    分離回収装置と油分除去装置の清浄水は全て再利用に付
    すると共に該オンライン上の諸洗浄工程、該鉄心解体ヤ
    ードは排気回収装置を備えた閉塞空間内に配備するとし
    たことを特徴とする電気機器からのPCBの回収装置。
  3. 【請求項3】 オンライン末尾に乾燥ブース、n−ヘキ
    サン槽より成る検査ブースを付加した請求項2記載の電
    気機器からのPCBの回収装置。
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