JP3347655B2 - 過酸化水素の製造方法 - Google Patents

過酸化水素の製造方法

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    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B15/00Peroxides; Peroxyhydrates; Peroxyacids or salts thereof; Superoxides; Ozonides
    • C01B15/01Hydrogen peroxide
    • C01B15/022Preparation from organic compounds
    • C01B15/026Preparation from organic compounds from alcohols

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は第二アルコールを分
子状酸素で酸化することにより過酸化水素を製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】過酸化水素は多数の用途に使用するため
に大規模に製造されている市販の薬品である。過酸化水
素を製造するために商業的に最も多く使用されている方
法は、アントラハイドロキノンを酸化する工程、過酸化
水素を抽出する工程及び前記酸化工程で生成したアント
ラキノンを還元してアントラハイドロキノンを生成させ
る工程からなる。しかしながら、この方法は大きな設備
投資を必要としかつ溶剤の使用と種々のプロセス流の効
率的な再循環とを必要とする。
【0003】水素と酸素との直接反応を行う方法を開発
するために多くの努力がなされているが、今日まで、こ
の形式の方法は商業的に広く採用されるには至っていな
い。
【0004】また、第二アルコールを酸化することによ
って過酸化水素を製造することも知られている。イソプ
ロパノールを酸化することによって有機物質(organic)
と過酸化水素の混合物が生成する〔J. Am. Chem. Soc.,
81,6461(1959);米国特許第2,869,989号、米国特許第3,
156,531号、米国特許第3,294,488号及び英国特許第758,
907号明細書参照)。過酸化水素の製造に使用可能な原
料として挙げられている他の第二アルコールとしては1-
フェニルエタノール及びシクロヘキサノールが挙げられ
る;例えば、米国特許第2,871,102号明細書参照。同様
に、米国特許第5,254,326号、米国特許第4,975,266号及
び米国特許第4,897,252号明細書には、1-フェニルエタノ
ールを液相中で、分子状酸素で酸化することにより過酸
化水素を製造することが記載されている。
【0005】また、過酸化水素はジアリールメタノール
のごとき高沸点第二アルコールの酸化によっても形成さ
れ、この場合、過酸化水素は反応混合物から気相で分離
される;米国特許第4,303,632号明細書参照。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は第二アルコー
ルの酸化によって過酸化水素を製造するための改善され
た方法に関する。特に、本発明は第一アルコール及び/
又はエーテルと混合した第二アルコールを液相中で、分
子状酸素で酸化することにより過酸化水素を製造する方
法に関する。
【0007】従来技術によれば、工業的な観点から第二
アルコールを適当な圧力及び温度条件下で分子状酸素で
酸化して、過酸化水素と対応するケトンとを一緒に製造
する場合には、副反応が生起し、この副反応によって過
酸化水素への選択率が減少する。従って、この形式の方
法を改善することにより、一般的な反応条件下で所望の
過酸化水素への選択率を増大させ、過酸化水素の分解及
び過酸化水素と反応剤との反応、即ち、原料として使用
した第二アルコールとの反応又は反応によって生成した
ケトン類との反応を回避することが望ましい。
【0008】更に、反応速度を増大させることが望まし
い;その理由は反応速度を増大させることにより反応装
置の規模を小さくでき、従って、商業的規模で製造プロ
セスを実施するのに必要な設備投資が減少するからであ
る。反応速度の増大は反応温度を上昇させることにより
達成されるが、過酸化水素への選択率が低下し、操作上
の危険性が増大する。過酸化水素溶液は全てある程度の
不安定性を示すことが知られている。従って、過酸化水
素を取扱う際に、その分解を防止することは、ガスと熱
(98.3 kJ/mol)が安全性の問題を生じるという理由で
非常に重要である。過酸化水素の分解速度は温度が10℃
上昇するごとに約2.3倍増大することが知られている。
有機化合物の存在下で過酸化水素を製造し、取扱う場合
に固有の危険性は、例えば下記の文献に記載されてい
る:Swern著“Organic Peroxide”,1970年 Wiley Inter
science(ニューヨーク所在)発行、第26頁;Daanc, Chem
icaland Engineering News,第4頁,1984年11月19日発
行; Schwoegler, Chemicaland Engineering News,第4
頁,1985年1月7日発行; Mackenzie, Chem. Eng.,1990
年6月発行,第84-90頁。
【0009】従って、反応温度を上昇させることは、過
酸化水素への選択率が低下するという理由及び明らかに
安全性に問題が生じるという理由から、望ましいもので
はない。反応速度を増大させる可能性のある他の方法
は、反応器内の酸素分圧を増大させることである。圧力
の増大も装置費用を増大させるが、過酸化水素への選択
率を所望の水準で得ることができないことは明らかであ
る。従って、現在の方法に従った場合には、大きな反応
速度と過酸化水素への選択率とを同時に達成することは
不可能である。
【0010】
【課題を解決するための手段】従って、現在の技術にお
いては、第二アルコールの分子状酸素による酸化の速度
と、この反応における過酸化水素への選択率とを同時に
増大させることのできる安全な方法を開発することが必
要であると考えられる。驚くべきことに、液相での第二
アルコールの分子状酸素による酸化を、第一アルコール
及び/又はエーテルを混合して行った場合には、上記の
2つの目的を同時に達成し得ることが認められた。この
方法においては、所与の温度において、第二アルコール
の酸化速度と選択率とが、過酸化水素の形成に関して、
実質的に増大する。この現象は驚くべきことであり全く
予測し得なかったことである;何故ならば、反応混合物
中の第二アルコールの濃度は、純粋な第二アルコールの
濃度よりも低いが、それにも拘らず、反応混合物中の第
二アルコールの酸化速度は、純粋な第二アルコールの酸
化速度よりも明らかに大きいからである。これらの結果
は、添加された第一アルコール及び/又はエーテルが過
酸化水素の分解を防止しかつ反応の進行を促進ししかも
最終停止反応(end-finishing reaction)を増大させない
こと、即ち第一アルコール及び/又はエーテルは第二ア
ルコールの酸化可能性(oxidability)kp/kt3/2を増大
させることを示している。本発明によって達成される第
二アルコールの酸化速度と過酸化水素への選択率との増
大は、現在の方法と比較して技術的な観点から大きな利
点であると考えられる。本発明の方法においてその分子
中に第三水素原子(tertiary hydrogen atom)又はベンジ
を含有していない第一アルコール及び/又はエーテ
ルを使用した場合には、これらの化合物は第二アルコー
ルの酸化を行う通常の条件下では著しく酸化されること
がなく、従って、これらの化合物は実際には不活性溶剤
であると考えられる。
【0011】本発明によれば、第一アルコール及び/又
はエーテルと混合した第二アルコールを液相中で中間温
度(moderate temperature)で分子状酸素で酸化する。
【0012】本発明で使用する酸化剤は分子状酸素であ
る。空気は適当な酸素供給源であるが、純粋な酸素、酸
素富化空気、窒素で稀釈した空気及びアルゴン、二酸化
炭素等のごとき種々の不活性化合物で稀釈した空気も使
用し得る。
【0013】温度及び圧力条件は反応混合物を実質的に
液相に保持するように選択される。許容される反応速度
と過酸化水素への選択率を達成するために、60〜160
℃、好ましくは80〜140℃の中間温度を使用する。
【0014】合理的な反応速度を達成するためには、十
分に高い酸素分圧を用いて操作することが重要である。
供給ガス中の酸素の分圧は、約0.1〜15 kg/cm2、さらに
好ましくは0.2〜5 kg/cm2でなければならない。
【0015】反応帯域の全圧は液相に反応混合物を保持
するのに十分なものでなければならない。一般的に、1
〜40 kg/cm2、好ましくは2〜10 kg/cm2の範囲の圧力が
有効である。
【0016】反応帯域では、過酸化物の分解を促進する
他の化合物の金属製異物(metalliccontaminants)を避け
なければならない。また、公知の過酸化物安定化剤、例
えばアルカリ金属塩及び水酸化物、錫酸ナトリウム、ピ
ロ燐酸ナトリウム、有機ホスホン酸類、エチレンジアミ
ン四酢酸(EDTA)、ジピコリン酸、安息香酸、アミノトリ
(メチレンホスホン)酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-
ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホス
ホン)酸、ピロ燐酸及び/又はこれらの塩類を使用して
もよい。
【0017】過酸化水素を製造するための分子状酸素に
よる第二アルコール類の酸化は発熱反応であり、反応熱
を除去することが必要である。これは、例えば反応混合
物の一部を熱交換器に通して循環させることによって達
成し得る。別法として、反応熱は反応混合物の諸成分の
部分蒸発又は凝縮によって除去し得る。
【0018】本発明に従ってケトン及び過酸化水素に酸
化し得る第二アルコールとしては、次の一般式 〔式中、R1及びR2は同一であるか又は異なり、それぞ
れアルキル基、アリールアルキル基(すなわちアリール
基で置換されたアルキル基)及び/又はアリール基であ
る〕で表される有機化合物であって、少なくとも1個の
炭素原子を有し、該炭素原子に1個の水素原子、1個の
水酸基及び2個の有機基それぞれを結合した有機化合物
が挙げられる。
【0019】好ましいアルキル基としては、(C1〜C6)
アルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、
n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチ
ル基、イソペンチル基、1-メチルブチル基、1-エチルプ
ロピル基、ネオペンチル基,tert-ペンチル基、n-ヘキシ
ル基、イソヘキシル基などが挙げられる。好ましいアリ
ール基としては、(C6〜C18)アリール基、例えばフェ
ニル基、ニトロフェニル基、クロロフェニル基、メトキ
シフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル
基、トリメチルフェニル基、ナフチル基、ナフチルフェ
ニル基、ビフェニル基などが挙げられる。好ましいアリ
ールアルキル基としては、(C7〜C20)アリールアルキ
ル基、例えばベンジル基及びフェネチル基が挙げられ
る。前記の置換基R1及びR2は、これらが分子状酸素に
よる酸化反応を妨げないように、好ましくはこれらが第
三級炭素原子を含有していなくともよいように、選択し
なければならない。
【0020】本発明に従って過酸化水素及びケトンに酸
化し得る第二アルコールの具体例は、脂肪族アルコー
ル、例えば2-プロパノール、2-ブタノール、2-及び3-ペ
ンタノール、2-及び3-ヘキサノール、2-、3-及び4-オク
タノール、3,3'-ジメチル-2-ブタノールなど、並びに芳
香族アルコール、例えばジフェニルメタノール、1-フェ
ニルエタノール、1-フェニルプロパノール、1-フェニル
-2-プロパノール、1-フェニルブタノール、1-フェニル-
2-ブタノール、4-フェニル-2-ブタノールなどである。
【0021】本発明で使用し得る第一アルコールとして
は、直鎖の(C2〜C6)第一級脂肪族モノアルコール、例
えばエタノール、1-プロパノール、1-ブタノール、1-ペ
ンタノール、1-ヘキサノール、1-オクタノール及び1-ヘ
キサデカノール; 分岐鎖の(C4〜C16)第一級脂肪族モ
ノアルコール、例えば2-メチルペンタノール、2,2-ジメ
チルプロパノール、3-メチルブタノール、2-エチルヘキ
サノール、2,2,4-トリメチルペンタノール;芳香族アル
コール、例えば2-フェニルエタノール、2-及び3-フェニ
ルプロパノール;並びにジオール類及びポリオール類、
例えば1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,
1,1,-トリ(ヒドロキシメチル)プロパンなどが挙げられ
る。
【0022】本発明の範囲内で使用し得るエーテルは、
脂肪族エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジ-n-ブ
チルエーテルなど; エチレングリコールエーテル類、
ジエチレングリコールエーテル類及びトリエチレングリ
コールエーテル類、例えばエチレングリコールジプロピ
ルエーテル、エチレングリコールジヘキシルエーテル、
エチレングリコールジフェニルエーテル、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブ
チルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジブチルエーテルなど;
プロピレングリコールエーテル類、ジプロピレングリコ
ールエーテル類及びトリプロピレングリコールエーテル
類、例えばプロピレングリコールジフェニルエーテル、
ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピ
レングリコールジメチルエーテルなど;環状エーテル
類、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3-ジオ
キソラン並びにこれらのアルキル誘導体及びアリール誘
導体;クラウンエーテル類;芳香族エーテル類、例えば
ジベンジルエーテル並びにそのアルキル誘導体及びアリ
ール誘導体などである。同様に、重合体状エーテル類、
例えばポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキ
シド)及びポリ(エチレンオキシド-コ-プロピレンオキシ
ド)も本発明の範囲内で都合よく使用し得る。また、分
子中に別の官能基を有するエーテル類も都合よく使用し
得、これらは第二アルコールの酸化条件において安定で
ある。これらの群には、第一アルコール型の官能基を有
するエーテル類、例えば2-エトキシエタノール、2-(2-
エトキシエトキシ)エタノールなど;及びエステル基含
有エーテル類、例えばジエチレングリコールジ酢酸エス
テル、ジエチレングリコールモノ酢酸エステル、トリエ
チレングリコール安息香酸エステルなどが包含される。
【0023】それぞれの場合に使用し得る第二アルコー
ル/第一アルコール及び/又はエーテルの重量比は臨界
的ではない。最適比率は、選択されるアルコール及びエ
ーテルの性質に左右され、それぞれの場合について当業
者は容易に決定できる。一般に、この重量比は約90/10
〜 10/90、さらに好ましくは85/15 〜 15/85の範囲
にあるということができる。
【0024】反応混合物からの過酸化水素の単離及び精
製は公知の方法に従って行い得る。しかしながら、反応
媒体中で達成し得る過酸化水素のより高い選択性及びよ
り高い濃度により酸化反応中に形成される副生物の量が
相当に減少する結果として、これらの操作は本発明の範
囲内で相当に簡略化される。
【0025】前記の記載から、当業者は本発明の必須要
件を容易に定め得、しかも本発明の範囲から離脱するこ
となく、本発明のいくつかの改変及び修飾を行って、所
定の反応速度及び過酸化水素に対する選択性に応じて、
本発明を異種々の反応条件で種々の第一アルコール及び
/又はエーテルと混合して種々の第二アルコールの酸化
に適用し得る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下の実施例により本発明の方法
を例証する。本発明は実施例のみに限定されるものでは
ない。実施例中の過酸化水素に対する選択性の値(すな
わち選択率)及び相対酸化速度は、次の通り定義され
る。 H2O2の選択率(%)=(生成したH2O2のモル数/転化し
た第二アルコールのモル数)× 100 相対速度=(第一アルコール及び/又はエーテルと混合
した第二アルコールの酸化速度)/(同一条件での第二
アルコールのみの酸化速度)
【0027】実施例1〜11 これらの実施例は、本発明に従って種々の第一アルコー
ル及びエーテルと混合して液相中で大気圧で行った1-フ
ェニルエタノールの酸化と、比較例として従来法に従っ
て(第一アルコール及び/又はエーテルの不存在下で)
行った1-フェニルエタノールの酸化とに関するものであ
る。酸化は温度計と攪拌装置を取り付けた250ml容のガ
ラス製反応器で行った。この反応フラスコを温度調節し
た加熱浴中に入れて、反応温度を115℃に一定に保っ
た。評価試験を開始する前に、第二アルコールか又は第
二アルコールと第一アルコール及び/又はエーテルの混
合物を選択した反応温度に加熱した。この温度に達した
際に、空気を15.5リットル/時間の流量で吹き込むこと
によって空気の注入を開始し、反応を開始させた。反応
媒体中の過酸化水素の濃度を沃素滴定によって測定し
た。残りの反応生成物の分析はガスクロマトグラフィー
で行った。得られた評価試験の結果を表1に示す。従来
法に従って(第一アルコール及び/又はエーテルの不存
在下で)行った1-フェニルエタノールのみの酸化を比較
例として挙げた。本発明の方法による1-フェニルエタノ
ールの酸化は、従来法による酸化よりも大きい速度で且
つより高い過酸化水素選択率で行われることが明確に認
めることができる。
【0028】 表1 1-フェニルエタノールの酸化 実施例 第一アルコール 第二アルコール/第一アルコール 相対速度 H2O2選択率 No. 及び(又は)エーテルの重量比 (%) 1(比較例) 100/00 1 29.3 2 2-(2-エトキシエトキシエタノール) 50/50 5.6 56.0 3 2-オクタノール 50/50 1.2 46.6 4 1-ヘキサノール 50/50 1.5 49.5 5 1-ヘキサノール 50/50 1.7 61.2 6 1,6-ヘキサンジオール 50/50 1.4 38.2 7 1,6-ヘキサンジオール 50/50 2.4 60.8 8 2-フェニルエタノール 70/30 1.5 46.8 9 2-フェニルエタノール 50/50 1.6 60.7 10 ポリ(エチレンオキシド)* 50/50 2.3 − 11 シ゛エチレンク゛リコールシ゛メチルエーテル 50/50 5.5 98.0 (*)分子量600
【0029】実施例12〜13 これらの実施例は、本発明の方法に従って2-(2-エトキ
シエトキシ)エタノール(エーテル−第一アルコール)と
混合して行った1-フェニルエタノールの酸化と、比較例
として従来法に従って(第一アルコール及び/又はエー
テルの不存在下で)行った1-フェニルエタノールの酸化
とに関するものである。酸化は125℃の温度で行った以
外は実施例1〜11に記載の方法に従って行った。得られ
た結果を表2に示す。
【0030】 表2 1-フェニルエタノールの酸化 実施例 1-フェニルエタノール/2-(2-エトキシエトキシ)エタノール 相対速度 H2O2選択率 No. の重量比(重量/重量) (%) 12(比較例) 100/0 1 38.4 13 70/30 1.24 44.3
【0031】実施例14〜15 これらの実施例は、本発明の方法に従って2-(2-エトキ
シエトキシ)エタノールと混合して行った1-フェニルエ
タノールの酸化と、比較例として(従来法に従って)第
一アルコール及びエーテルの不存在下で同じ条件で行っ
た1-フェニルエタノールの酸化とに関するものである。
酸化は、105℃の温度で行った以外は、実施例1〜11に
記載の方法を用いて行った。得られた結果を表3に示
す。
【0032】 表3 1-フェニルエタノールの酸化 実施例 1-フェニルエタノール/2-(2-エトキシエトキシ)エタノール 相対速度 H2O2選択率 No. の重量比(重量/重量) (%) 14(比較例) 100/0 1 52.7 15 70/30 7.84 94.1
【0033】実施例16〜17 これらの実施例は、本発明の方法に従って2-(2-エトキ
シエトキシ)エタノールと混合して行った脂肪族第二ア
ルコールである2-オクタノールの酸化と、比較例として
従来法に従って同じ条件で行った2-オクタノールの酸化
とに関するものである。酸化は実施例1〜11に記載の方
法を用いて行った。得られた結果を表4に示す。
【0034】 表4 2-オクタノールの酸化 実施例 2-オクタノール/2-(2-エトキシエトキシエタノール) 2-オクタノールの酸化速度 No. の重量比(重量/重量) (モル/時間,リットル) 16(比較例) 100/0 0.00 17 50/50 0.153
【0035】実施例18〜19 攪拌装置を備え、加圧下で操作できる攪拌型タンク(Aut
oclave Engineers製)に、1-フェニルエタノール(実施例
18) 500mlを装填するか又は1-フェニルエタノール/1-
ヘキサノールの重量比で50/50の混合物(実施例19) 500
mlを装填した。600 r.p.mのモーター駆動式の2スクリ
ュー攪拌機で攪拌を開始した。反応液を110℃まで加熱
し、その温度で、窒素(91%)と酸素(9%)の混合ガスの
供給を吹き込み装置も用いて50 Nリットル/時間の流量
で開始した。これらの条件下で反応混合物を210分間保
持した後に、反応器の圧力を常圧に戻し、反応混合物を
室温まで冷却した。最後に反応液を分析した。得られた
結果を表5に示す。
【0036】 表5 1-フェニルエタノールの酸化 実施例 1-フェニルエタノール/1-ヘキサノール 相対速度 H2O2選択率 No. の重量比(重量/重量) (%) 18(比較例) 100/0 1 62 19 50/50 2.4 75
【0037】実施例20〜21 これらの実施例は、本発明の方法に従ってジエチレング
リコールジメチルエーテルと混合して行ったジフェニル
カルビノールの酸化と、比較例としてエーテルの不存在
下で同じ条件で行ったジフェニルカルビノールの酸化
(従来技術)とに関する。酸化は1-フェニルエタノールの
代わりにジフェニルカルビノールを使用した以外は、実
施例1〜11に記載の方法を用いて行った。得られた結果
を表6に示す。
【0038】 表6 ジフェニルカルビノールの酸化 実施例 シ゛フェニルカルヒ゛ノール/シ゛エチレンク゛リコール 相対速度 H2O2選択率 No. シ゛メチルエーテルの重量比(重量/重量) (%) 20(比較例) 100/0 1 1.77 21 50/50 6.6
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−97607(JP,A) 特開 平2−188411(JP,A) 特公 昭44−17493(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 15/026 CA(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第二アルコールを液相中で、分子状酸素
    で酸化することにより過酸化水素を製造する方法におい
    て、第二アルコールの酸化を第一アルコール及び/又は
    エーテルを混合して行うことを特徴とする、過酸化水素
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 反応混合物中の第二アルコール/第一ア
    ルコール及び(又は)エーテルの重量比は90/10 〜 10/
    90である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 酸化反応を60〜160℃の温度で行う、請
    求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 酸化における全圧は1〜40 kg/cm2であ
    る、請求項1〜3の いずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 第一アルコール及び/又はエーテルは第
    三水素原子又はベンジルを含有していないものであ
    、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 使用する第二アルコールが1-フェニルエ
    タノールである、請求項1〜5のいずれかに記載の方
    法。
JP29739397A 1996-10-30 1997-10-29 過酸化水素の製造方法 Expired - Fee Related JP3347655B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

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