JP3347056B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

液晶表示装置の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置のラ
ビング配向処理方法に関するものであり、特に、ラビン
グ布とローラとの間に設ける両面粘着テープの改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置中の液晶分子を所定方向に
配向させる一方法として、ラビング法がある。このラビ
ング法は、液晶表示装置の製造時に、ガラス基板上の透
明電極を覆う配向膜を、ラビング布を用いて特定の方向
にこする(ラビングする)という配向処理方法である。
【0003】すなわち、ガラス基板上に透明電極を形成
し、この透明電極上に配向膜を形成した後、ラビング台
にこのガラス基板を載せ、ラビング布を巻き付けたロー
ラを回転させながら、配向膜の表面を特定方向にラビン
グすると、液晶分子の長軸方向はラビング方向と平行な
方向に配向されるようになる。
【0004】そして、ローラにラビング布を巻き付ける
ために、従来、基材の両面にほぼ同厚(例えば30μ
m)の粘着層を形成している両面粘着テープが用いられ
ている。この両面粘着テープをローラとラビング布との
間に介在させることによって、ローラ側の粘着層がロー
ラの外周面に貼られ、かつラビング布側の粘着層がラビ
ング布の裏地に貼られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような一般的な両面粘着テープを用いて、ラビング布を
ローラに巻き付ける場合、粘着層の膜厚が薄い(例え
ば、20μm)と、ラビング布の裏地への食い込み量が
不足して、ラビング布に対する粘着力が弱くなり、ロー
ラの回転中にラビング布が剥離を起こしやすくなる。
【0006】逆に、粘着層の膜厚が厚すぎると、両面粘
着テープがローラに強固に貼られてしまうので、摩耗し
たラビング布を交換するために、両面粘着テープをロー
ラから剥がす際、粘着剤がローラの外周面に残りやすく
なって作業性が劣化してしまう。
【0007】そのため、従来は上記のような不具合を極
力抑えるため、粘着層の膜厚が30μm程度の両面粘着
テープを用いているが、ラビング布の剥離を防止すると
いう観点からも、ラビング布交換時の作業性を劣化させ
ないという観点からも、不十分な効果しか期待できなか
った。
【0008】また、特許番号第2683137号公報で
は、両面粘着テープの粘着層の厚みをローラ側とラビン
グ布側で厚みを変える、すなわち、ローラ側の粘着層が
ラビング布側の粘着層より厚く形成することにより、作
業性が改善でき、ラビング配向処理を効率よくできるこ
とを提案している。
【0009】しかし、ラビング布の交換時やローラの点
検時に、ローラの表面にごみが付着したり、きずが発生
したりすると、その凹凸によって、配向膜が影響を受
け、表示品位を低下させるという問題点がある。
【0010】さらに、ローラにラビング布を貼る際、ラ
ビング布側の粘着層が厚いと、気泡やずれが発生しやす
い。そのため、気泡やずれが一旦発生すると、その凹
凸、ずれが拡大されるため、均一な配向処理ができない
という問題点がある。
【0011】また、ローラにラビング布を貼る際、ラビ
ング布側の粘着層が厚いと、その粘着の影響を受け、ラ
ビング布を強く引っ張って巻き付けることができない。
そのため、ラビング布が均一な状態でなくなって、均一
な配向処理ができないという問題点がある。さらに、ラ
ビング布側の粘着層が厚いと、その粘着の影響を受け、
ラビング布(例えば、レーヨン、コットンなど)の種類
に応じて、ローラに巻き付ける張り具合をうまく調整す
ることができないという問題点がある。
【0012】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであり、ラビング布の剥離事故が確実
に防止でき、均一な配向処理ができるとともに、ラビン
グ布交換時の作業性が良好な液晶表示装置のラビング配
向処理方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置の
製造方法は、絶縁性基板の上の透明電極を被覆する配向
膜を形成した後、両面粘着テープを介して、ラビング布
を巻き付けたローラを回転させながら、前記ラビング布
により、前記配向膜をラビングする液晶表示装置の製造
方法において、前記両面粘着テープを構成する前記ラビ
ング布側の粘着層を、前記ローラ側の粘着層よりも薄く
したことを特徴とする。
【0014】上記方法による作用を説明する。ローラ側
の粘着層の膜厚が厚いために、クッションとなって、ロ
ーラの表面に発生したきずやごみの付着による凹凸の影
響を減少させることができ、均一な配向処理ができる。
特に、ローラがアルミであれば、ローラの表面にきずが
つきやすいため、ローラ側の粘着層がクッションとな
り、ローラの表面の凹凸の影響を減少させる効果が大き
い。また、ローラがセラミックであれば、ローラの表面
がざらついているが、ローラ側の粘着層がクッションと
なっているため、ローラの表面のざらつきの影響を減少
させる効果が大きい。さらに、ローラの表面がざらつい
ているが、ローラ側の粘着層の膜厚と接着力により、ラ
ビング布を貼りやすくすることができる。
【0015】ラビング布側の粘着層がローラ側の粘着層
よりも薄いことにより、ローラにラビング布を貼る際、
気泡やずれの発生を抑えることができ、均一な配向処理
ができる。また、ローラにラビング布を貼る際、ラビン
グ布側の粘着層が薄いことにより、ラビング布を強く引
っ張って巻き付けることができるため、ラビング布によ
れやねじれが発生しないため、均一な配向処理ができ
る。
【0016】さらに、ラビング布側の粘着層が薄いた
め、ラビング布の種類に応じて、ローラに巻き付ける張
り具合をうまく調整することができ、ラビング布をロー
ラに巻き付ける際、作業性が良くなる。このように、均
一な配向処理ができるため、生産性を高めることができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】ラビング処理方法の実施形態につ
いて、図1から図3を用いて説明する。図3はラビング
工程図である。絶縁性を有するガラス基板1上にITO
膜からなる透明電極2をパターン形成し、この透明電極
2を覆ってポリイミド等からなる配向膜3を形成した
後、ガラス基板1をラビング台4上に載せ、両面粘着テ
ープ5を介して、ラビング布6を巻き付けたローラ7を
矢印方向へ回転させながら、配向膜3の表面をラビング
している様子を示している。
【0018】ここで、図2に示すように、上記両面粘着
テープ5は、ポリエチレンテレフタレート(PET)製
で膜厚25μmからなる基材8の両面に、アクリル系粘
着剤からなり膜厚の異なる粘着層9、10を形成してい
る。
【0019】具体的には、ラビング布側の粘着層9の膜
厚が44μmで、接着力が4000gf/25mm、ロ
ーラ側の粘着層10の膜厚が54μmで、接着力が90
0gf/25mmのものを用いた。基材8の厚みは、ラ
ビング布側の粘着層9とローラ側の粘着層10に比べ
て、約1/2の膜厚である。両面粘着テープ5の全体の
厚さは123μmである。
【0020】この両面粘着テープ5は、ラビング布側の
粘着層がローラ側の粘着層よりも薄く、ラビング布側の
粘着層の接着力がローラ側の粘着層の接着力よりも強い
ことが特徴である。
【0021】ラビング布6をローラ7に巻き付けると、
図1に示すような構成となる。ラビング布側の粘着層9
は、コットン製クロスのような平面性の悪い表面に対し
ても充分接着できる接着力が必要であり、ラビング布の
裏地6aに充分食い込むための接着力も必要であり、ロ
ーラ7が回転中にラビング布6が剥離事故を起こさない
接着力も必要である。このようなことを考慮して、ラビ
ング布側の粘着層9の接着力と膜厚が決定される。
【0022】また、ローラ側の粘着層10は、配向処理
時ローラ7からラビング布が剥がれなくて、かつ、ラビ
ング布を交換するとき、ローラ7から両面粘着テープ5
を簡単に剥がせることができるような条件が必要であ
る。このようなことを考慮して、ローラ側の粘着層10
の接着力と膜厚が決定される。
【0023】このような構成にすることにより、次のよ
うな効果がある。ローラ側の粘着層10の膜厚が厚いた
めに、クッションとなって、ローラ7の表面に発生した
きずやごみの付着による凹凸の影響を減少させることが
でき、均一な配向処理ができる。特に、ローラがアルミ
であれば、ローラの表面にきずがつきやすいため、ロー
ラ側の粘着層がクッションとなり、ローラの表面の凹凸
の影響を減少させる効果が大きい。また、ローラがセラ
ミックであれば、ローラの表面がざらついているが、ロ
ーラ側の粘着層がクッションとなっているため、ローラ
の表面のざらつきの影響を減少させる効果が大きい。さ
らに、ローラの表面がざらついているが、ローラ側の粘
着層の膜厚と接着力により、ラビング布を貼りやすくす
ることができる。
【0024】ラビング布側の粘着層9がローラ側の粘着
層10よりも薄いことにより、ローラ7にラビング布6
を貼る際、気泡やずれの発生を抑えることができ、均一
な配向処理ができる。また、ローラ7にラビング布6を
貼る際、ラビング布側の粘着層9が薄いことにより、ラ
ビング布を強く引っ張って巻き付けることができるた
め、ラビング布によれやねじれが発生しないため、均一
な配向処理ができる。
【0025】さらに、ラビング布側の粘着層9が薄いた
め、ラビング布の種類に応じて、ローラ7に巻き付ける
張り具合をうまく調整することができ、ラビング布6を
ローラ7に巻き付ける際、作業性が良くなる。このよう
に、均一な配向処理ができるため、生産性を高めること
ができる。
【0026】そして、上記のようにラビング配向処理さ
れたガラス基板1は、同様にラビング配向処理された別
のガラス基板と貼り合わされ、これをカッティングして
多数の空セルを作製した後、空セル中に液晶を封入し
て、液晶表示装置が完成される。このとき、セル中の液
晶分子の長軸方向は、ラビング方向と平行な方向に配向
される。
【0027】なお、両面粘着テープ5の粘着層9、10
の膜厚と接着力は、粘着剤の種類、ラビング布6、ロー
ラ7の材質により決定されるのは、いうまでもない。
【0028】
【発明の効果】ローラ側の粘着層の膜厚が厚いために、
クッションとなって、ローラの表面に発生したきずやご
みの付着による凹凸の影響を減少させることができ、均
一な配向処理ができる。特に、ローラがアルミであれ
ば、ローラの表面にきずがつきやすいため、ローラ側の
粘着層がクッションとなり、ローラの表面の凹凸の影響
を減少させる効果が大きい。また、ローラがセラミック
であれば、ローラの表面がざらついているが、ローラ側
の粘着層がクッションとなっているため、ローラの表面
のざらつきの影響を減少させる効果が大きい。さらに、
ローラの表面がざらついているが、ローラ側の粘着層の
膜厚と接着力により、ラビング布を貼りやすくすること
ができる。
【0029】ラビング布側の粘着層がローラ側の粘着層
よりも薄いことにより、ローラにラビング布を貼る際、
気泡やずれの発生を抑えることができ、均一な配向処理
ができる。また、ローラにラビング布を貼る際、ラビン
グ布側の粘着層が薄いことにより、ラビング布を強く引
っ張って巻き付けることができるため、ラビング布によ
れやねじれが発生しないため、均一な配向処理ができ
る。
【0030】さらに、ラビング布側の粘着層が薄いた
め、ラビング布の種類に応じて、ローラに巻き付ける張
り具合をうまく調整することができ、ラビング布をロー
ラに巻き付ける際、作業性が良くなる。このように、均
一な配向処理ができるため、生産性を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラビング布6をローラ7に巻き付けた状態を示
す断面図である。
【図2】両面粘着テープ5の断面図である。
【図3】ラビング配向処理の工程を示す図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 透明電極 3 配向膜 4 ラビング台 5 両面粘着テープ 6 ラビング布 6a 裏地 7 ローラ 8 基材 9 10 粘着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−296882(JP,A) 特開 昭62−226127(JP,A) 特開 平8−160428(JP,A) 特開 平6−43459(JP,A) 特開 平3−264926(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337 500

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板の上の透明電極を被覆する配
    向膜を形成した後、両面粘着テープを介して、ラビング
    布を巻き付けたローラを回転させながら、前記ラビング
    布により、前記配向膜をラビングする液晶表示装置の製
    造方法において、 前記両面粘着テープを構成する前記ラビング布側の粘着
    層を、前記ローラ側の粘着層よりも薄くしたことを特徴
    とする液晶表示装置の製造方法。
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JP2006241430A (ja) * 2005-02-03 2006-09-14 Sekisui Chem Co Ltd ラビングクロス固定用両面粘着テープ及びラビングクロスの剥離方法
JP2010256377A (ja) * 2007-08-31 2010-11-11 Kuraray Trading Kk ローラ巻着用ラビングシート

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