JP2016130860A - 光学表示パネルの連続製造方法および光学表示パネルの連続製造システム - Google Patents

光学表示パネルの連続製造方法および光学表示パネルの連続製造システム Download PDF

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Satoshi Hirata
聡 平田
近藤 誠司
Seiji Kondo
誠司 近藤
和也 秦
Kazuya Hata
和也 秦
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Abstract

【課題】貼付時に偏光フィルムのシート片が振動することを抑制して貼付気泡の発生を防ぐことを目的とする。
【解決手段】光学表示パネルの連続製造方法は、貼付工程におけるシート片の貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、貼付処理の貼付速度が、剥離工程で剥離される、キャリアフィルム搬送部によるキャリアフィルムの搬送速度より速く、かつ、貼付位置から剥離部の先端部までの間で、シート片に生じた撓みがなくなるように、貼付速度およびキャリアフィルムの搬送速度を設定し、および貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、貼付位置から剥離部の先端部までの距離(L)が、剥離部の先端部からキャリアフィルムが折り返された部分である屈曲部までの距離(Ls)より長くなるように、貼付処理の貼付速度が、キャリアフィルム搬送部によるキャリアフィルムの搬送速度よりも速くなるように制御する速度制御工程を有する。
【選択図】図2A

Description

本発明は、キャリアフィルムから剥離された偏光フィルムのシート片を粘着剤を介して光学セルに貼り付けて光学表示パネルを形成する光学表示パネルの連続製造方法および光学表示パネルの連続製造システムに関する。
粘着剤を介して偏光フィルムのシート片が形成されているキャリアフィルムを内側にして剥離手段の先端で折り返して当該キャリアフィルムから偏光フィルムのシート片を粘着剤とともに剥離するとともに、剥離された偏光フィルムのシート片を粘着剤を介して光学セルに貼り付ける方法が知られている(特許文献1)。
特開2004−361741号公報
しかしながら、図7に示すように、キャリアフィルム712を剥離手段741を用いてその内側に折り返して剥離しながら、当該剥離された偏光フィルムのシート片714と光学セル740とを一対の貼付手段(750a,750b)で挟んで貼り付ける方法の場合、例えば、貼付時にシート片714が振動して、貼付後の光学セル740に貼付気泡が発生し、画像表示不良の原因となるため改善が望まれていた。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであって、貼付時に偏光フィルムのシート片が振動することを抑制して貼付気泡の発生を防ぐことができる光学表示パネルの連続製造方法および光学表示パネルの連続製造システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、以下の本発明を完成するに至ったものである。
本発明は、粘着剤を介して偏光フィルムのシート片が形成されているキャリアフィルムをキャリアフィルム搬送部で搬送するキャリアフィルム搬送工程と、前記キャリアフィルム搬送工程により搬送されたキャリアフィルムを内側にして先端で折り返して当該キャリアフィルムから偏光フィルムを粘着剤とともに剥離部で剥離する剥離工程と、前記剥離工程によりシート片が剥離されたキャリアフィルムを巻取部で巻き取る巻取工程と、光学セルを搬送しながら、前記剥離工程によりキャリアフィルムから剥離されたシート片を粘着剤を介して当該光学セルに貼付部で貼り付けて光学表示パネルを形成する貼付工程とを有する光学表示パネルの連続製造方法であって、
前記貼付工程における前記シート片の貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、前記貼付処理の貼付速度が、前記剥離工程で剥離される、前記キャリアフィルム搬送部によるキャリアフィルムの搬送速度より速く、かつ、前記貼付位置から前記剥離部の先端部までの間で、前記シート片に生じた撓みがなくなるように、前記貼付速度および前記キャリアフィルムの搬送速度を設定し、および
前記貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、前記貼付位置から前記剥離部の先端部までの距離(L)が、前記剥離部の先端部から前記キャリアフィルムが折り返された部分である屈曲部までの距離(Ls)より長くなるように、前記貼付処理の貼付速度が、前記キャリアフィルム搬送部による前記キャリアフィルムの搬送速度よりも速くなるように制御する速度制御工程を有する。
上記発明において、貼付開始から貼付終了までの期間をT、撓みがなくなるときの時間をtとすると、t/T=0.3以下である構成が例示される。
この構成によって、キャリアフィルムから剥離された偏光フィルムのシート片の撓みをなくすことができるため、貼付時のシート片の振動を抑制でき、貼付気泡の発生を防ぐことができる。
本発明において、キャリアフィルム搬送部は、巻取部を含まない構成、あるいは巻取部を一部に含む構成である。
上記発明において、前記キャリアフィルム搬送部が、前記剥離部の搬送上流側に配置されて前記キャリアフィルムを搬送する上流側フィルム供給部または前記剥離部の搬送下流側に配置されて前記キャリアフィルムを搬送する下流側フィルム供給部を有し、
前記速度制御工程で、前記キャリアフィルムを搬送するために、前記上流側フィルム供給部または下流側フィルム供給部が駆動制御されることが好ましい。また、前記キャリアフィルム搬送部が、上流側フィルム供給部および下流側フィルム供給部の両方を有し、前記速度制御部が、前記キャリアフィルムを搬送するために、前記上流側フィルム供給部および下流側フィルム供給部を駆動制御してもよい。
また、前記上流側フィルム供給部がフィードロールを有して構成されていることが好ましい。また前記下流側フィルム供給部がフィードロールを有して構成されていることが好ましい。
また、他の本発明は、粘着剤を介して偏光フィルムのシート片が形成されているキャリアフィルムを搬送するキャリアフィルム搬送部と、前記キャリアフィルム搬送部により搬送されたキャリアフィルムを内側にして先端で折り返して当該キャリアフィルムからシート片を粘着剤とともに剥離する剥離部と、前記剥離部によりシート片が剥離されたキャリアフィルムを巻き取る巻取部と、光学セルを搬送しながら、前記剥離部でキャリアフィルムから剥離されたシート片を粘着剤を介して当該光学セルに貼り付けて光学表示パネルを形成する貼付部とを有する、光学表示パネルの連続製造システムであって、
前記貼付部による前記シート片の貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、前記貼付処理の貼付速度が、前記剥離部で剥離される、前記キャリアフィルム搬送部によるキャリアフィルムの搬送速度より速く、かつ、前記貼付部の貼付位置から前記剥離部の先端部までの間で、貼付中の前記シート片に生じた撓みがなくなるように、前記貼付速度および前記キャリアフィルムの搬送速度を設定し、および
前記貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、前記貼付部の貼付位置から前記剥離部の先端部までの距離(L)が、前記剥離部の先端部から前記キャリアフィルムが折り返された部分である屈曲部までの距離(Ls)より長くなるように、前記貼付部による貼付速度が、前記キャリアフィルム搬送部による前記キャリアフィルムの搬送速度よりも速くなるように制御する速度制御部を有する。
上記発明において、貼付開始から貼付終了までの期間をT、撓みがなくなるときの時間をtとすると、t/T=0.3以下である構成が例示される。
この構成によって、キャリアフィルムから剥離された偏光フィルムのシート片の撓みをなくすことができるため、貼付時のシート片の振動を抑制でき、貼付気泡の発生を防ぐことができる。本発明において、キャリアフィルム搬送部は巻取部と異なる構成である。
上記発明において、前記キャリアフィルム搬送部が、前記剥離部の搬送上流側に配置されて前記キャリアフィルムを搬送する上流側フィルム供給部または前記剥離部の搬送下流側に配置されて前記キャリアフィルムを搬送する下流側フィルム供給部を有し、前記速度制御部が、前記キャリアフィルムを搬送するために、前記上流側フィルム供給部または下流側フィルム供給部を駆動制御することが好ましい。また、前記キャリアフィルム搬送部が、上流側フィルム供給部および下流側フィルム供給部の両方を有し、前記速度制御部が、前記キャリアフィルムを搬送するために、前記上流側フィルム供給部および下流側フィルム供給部を駆動制御してもよい。
また、前記上流側フィルム供給部がフィードロールを有して構成されていることが好ましい。また前記下流側フィルム供給部がフィードロールを有して構成されていることが好ましい。
前記上流側フィルム供給部のフィードロールは、第1ロールとこの第1ロールと対向して配置される第2ロールとを有し、第1ロールと第2ロールとの間にキャリアフィルム(例えば、シート片が形成された状態のキャリアフィルム)を挟持しながら、第1、第2ロールが回転しキャリアフィルムを搬送する構成が例示される。第1ロール、第2ロールのいずれか一方が駆動ロールでもよく、両方が駆動ロールでもよい。
前記下流側フィルム供給部のフィードロールは、第1ロールとこの第1ロールと対向して配置される第2ロールとを有し、第1ロールと第2ロールとの間にキャリアフィルム(例えば、シート片が剥離部で剥離された状態のキャリアフィルム)を挟持しながら、第1、第2ロールが回転しキャリアフィルムを搬送する構成が例示される。第1ロール、第2ロールのいずれか一方が駆動ロールでもよく、両方が駆動ロールでもよい。
上記発明において、前記貼付部が、前記シート片を前記光学セル面に押圧する貼付ロールと、該貼付ロールに対向して配置される受けロールとを有し、該貼付ロールと該受けロールとの間に該シート片と該光学セルとを挟持しつつ搬送しながら、該光学セル面に該シート片を貼り付け、前記速度制御部が、前記貼付ロールおよび/または前記受けロールを駆動制御することが好ましい。
貼付速度は、キャリアフィルムから剥離されたシート片が貼付位置に送られて、光学セルに貼り付けられるときの単位時間当たりの移動速度である。例えば、貼付ロールおよび受けロールでシート片を光学セルに貼り付けるときのシート片および光学セルの移動速度(搬送速度)に対応する。キャリアフィルムの搬送速度は、キャリアフィルムがキャリアフィルム搬送部で搬送されるときの単位時間当りの移動速度である。
本発明の光学表示パネルの連続製造方法および光学表示パネルの連続製造システムは、以下の作用をするものと推測される。偏光フィルムのシート片先端が貼付部の貼付位置に送りこまれる際に、シート片先端部はキャリアフィルムが剥離されているために不安定となっていて撓みやすく、貼付開始直後においては、撓みが生じやすい、この撓みが生じることで、貼付中にシート片が振動しやすくなり貼付気泡発生の原因になる。また、撓みがない状態であっても、貼付速度よりキャリアフィルムの搬送速度が大きいと撓みが発生する可能性があるため、これを防ぐ必要がある。図1A、1Bに、貼付速度とキャリアフィルムの搬送速度に差がある場合に撓みが発生するメカニズムを示す。図1Aは、キャリアフィルム12の搬送速度Vs(t)が貼付速度Vh(t)より大きい場合を示し、貼付位置P1から剥離部40の先端部40aまでの間で、偏光フィルムのシート片13が撓みやすく、振動が生じやすい。図1Aにおけるキャリアフィルム12の折り返し屈曲部12aは、剥離部40の先端部40aに外周に沿って形成されている。一方、図1Bは、貼付速度Vh(t)がキャリアフィルムの搬送速度Vs(t)より大きい場合を示し、キャリアフィルム12の折り返し屈曲部12aが剥離部40の先端部40aよりも突出して形成され、キャリアフィルム12が剥離部40から浮いた状態になる。このとき、シート片13は撓んだり、振動することなく貼付け可能となる。
本発明の速度制御部はキャリアフィルム搬送速度(キャリアフィルム搬送部による搬送速度)および貼付部の貼付速度をそれぞれ制御し、貼付速度(Vh(t))をキャリアフィルムの搬送速度(Vs(t))より大きくすることで、貼付初期にシート片に発生した撓みを解消し、かつ貼付部の貼付位置から剥離部の先端部までの間で、シート片に生じた撓みがなくなるように、貼付速度(Vh(t))およびキャリアフィルムの搬送速度(Vs(t))を設定することで、貼付中にも発生する可能性のあるシート片の撓みをなくすことができる。
本発明の「前記貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、前記貼付処理の貼付速度(Vh(t))が、前記剥離工程で剥離される前記キャリアフィルムの搬送速度(Vs(t))より速く(Vh(t)>Vs(t))、かつ、前記貼付位置から前記剥離部の先端部までの間で、前記シート片に生じた撓みがなくなるように、前記貼付速度(Vh(t))および前記帯状キャリアフィルムの搬送速度(Vs(t))を設定」するとの条件は、以下の条件式(1)で示すことができる。
<条件式1>
Figure 2016130860

条件式(1)を満たすtが0<t<Tの範囲にあること。
上記条件式(1)において、Lは貼付位置P1から剥離部40の先端部40aまでの直線距離[mm]、tは時間[秒]、Vh(t)は貼付速度[mm/秒]、Vs(t)はキャリアフィルムの搬送速度[mm/秒]、Tは貼付時間(期間)[秒]である。Lfは、貼付位置P1から剥離部40の先端部40aまでの偏光フィルムのシート片の実際の長さであり、ビデオ装置で撮影した画像を解析することで長さLfを算出できる。
図2Aは、上記条件式(1)を説明するための図である。この条件式(1)の左辺は貼付速度Vh(t)とキャリアフィルム搬送速度Vs(t)の速度差によって解消された撓み量を示している。条件式(1)の右辺は偏光フィルムのシート片の実際の撓み量を示している。貼付開始から、貼付終了までの間で撓みを解消する必要があるため、条件式(1)を満たすtが0<t<Tの範囲にあることが必要である。例えば、貼付開始から貼付終了までの時間(期間)をT、撓みがなくなる時の時間(時刻)をtとすると、t/T=0.3以下にすることが好ましい。t/T=0.3以下は、貼付処理を複数回行ってT期間において偏光フィルムのシート片の撓みがなくなる時間(t)を測定し、平均化して得ることができる。
また、光学フィルムの曲げに対する剛性(曲げ剛性)が小さいほど、偏光フィルムのシート片が撓みやすく、光学セルに貼付けた時に気泡が発生しやすい。本発明は、偏光フィルムの単位幅当たりの曲げ剛性が5N・mm2/mm以下の偏光フィルムに特に好適に用いられる。単位幅当たりの曲げ剛性(E×I)は材料の曲がりにくさを表す。Eは偏光フィルムの縦弾性率[N/mm2]、Iは単位幅当たりの断面二次モーメントを表し、I=b×h3/12である。ここでbは単位幅[1mm]、hは偏光フィルムの厚み[mm]である。
図2Aに示すように、さらに、本発明の速度制御部は、貼付部(50a、50b)の貼付位置P1から剥離部40の先端部40aまでの距離(L)が、剥離部40の先端部40aからキャリアフィルム12が折り返された部分である屈曲部12aまでの距離(Ls)より長くなるように、貼付部による貼付速度が、キャリアフィルム搬送部によるキャリアフィルムの搬送速度よりも速くなるように制御することで、キャリアフィルム12の屈曲部12aが貼付部(50a、50b)に巻き込まれることを防止する。
本発明の「貼付手段の貼付位置から剥離部の先端部までの距離(L)が、剥離部の先端部からキャリアフィルムが折り返された部分である屈曲部までの距離(Ls)より長くなるように」するとの条件は、以下の条件式(2)で示すことができる。
<条件式2>
Figure 2016130860
上記条件式(2)において、Lは貼付位置P1から剥離部40の先端部40aまでの直線距離[mm]、tは時間[秒]、Vh(t)は貼付速度[mm/秒]、Vs(t)はキャリアフィルムの搬送速度[mm/秒]、Tは貼付時間(期間)[秒]である。
上記条件式(2)を満たすことで、Vh(t)>Vs(t)の時に剥離部から浮いたキャリアフィルムが貼付部に巻き込まれないようにすることができる。
以上の条件式(1)および(2)を満たすことで、貼付中に偏光フィルムのシート片の撓みや振動を抑制でき、かつ貼付部へのキャリアフィルムの巻き込みを防止できる。
貼付時の偏光フィルムのシート片の撓み状態を説明するための図。 貼付時のキャリアフィルムの撓み状態を説明するための図。 条件式(1)、(2)を説明するための図。 条件式(1)を説明するための図。 光学表示パネルの連続製造システムの一例を示した概略図。 実施形態1の速度制御部の一例を示した概略図。 実施形態2の速度制御部の一例を示した概略図。 剥離部と貼付部の一例を示した概略図。 実施例1の速度条件を示す図。 比較例1の速度条件を示す図。 比較例2の速度条件を示す図。 比較例3の速度条件を示す図。 比較例4の速度条件を示す図。 比較例5の速度条件を示す図。 従来の貼付部による貼付時の偏光フィルムのシート片の振動状態の一例を示す図。
(偏光フィルムおよび連続ロール)
本実施形態において、偏光フィルムがキャリアフィルムに形成されている形態は特に制限されない。例えば、ロール状に巻かれた連続ロールで構成されていてもよい。連続ロールとしては、例えば、(1)キャリアフィルムと当該キャリアフィルム上に粘着剤を介して形成された偏光フィルムとを有する光学フィルム積層体をロール状に巻いたものが挙げられる。この場合、光学表示パネルの連続製造システムは、偏光フィルムから偏光フィルムのシート片を形成するために、キャリアフィルムを切断せずに残して、当該偏光フィルムおよび粘着剤を所定間隔に切断(ハーフカット)する切断手段を有する。この切断において、例えば、連続製造システム内の欠点検査装置の検査結果に基づいて、良品のシート片と、不良品のシート片を区別するように切断が行われてもよい。
また、連続ロールとして、例えば、(2)キャリアフィルムと当該キャリアフィルム上に粘着剤を介して形成された偏光フィルムのシート片とを有する光学フィルム積層体をロール状に巻いたもの(いわゆる切り目入り偏光フィルムの連続ロール)が挙げられる。
例えば、図3に示す第1連続ロール1は、第1キャリアフィルム12と、第1キャリアフィルム12に第1粘着剤を介して形成された第1偏光フィルム13を有する第1光学フィルム積層体11をロール状に巻いたものである。
偏光フィルムは、例えば、偏光子(厚さは1.5〜80μm程度)と、偏光子の片面または両面に偏光子保護フィルム(厚さは一般的に1〜500μm程度)が接着剤または接着剤なしで形成される。第1光学フィルム積層体11を構成する他のフィルムとして、例えば、位相差フィルム(厚さは一般的に10〜200μm)、視角補償フィルム、輝度向上フィルム、表面保護フィルム等が挙げられる。光学フィルム積層体の厚みは、例えば、10μm〜500μmの範囲が挙げられる。偏光フィルムとキャリアフィルムとの間に介在する粘着剤は、特に制限されず、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤等が挙げられる。粘着剤の層厚みは、例えば、10〜50μmの範囲が好ましい。粘着剤とキャリアフィルムとの剥離力としては、例えば、0.15(N/50mm幅サンプル)が例示されるが、特にこれに限定されない。剥離力は、JIS Z0237に準じて測定される。
キャリアフィルムは、例えばプラスチックフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート系フィルム、ポリオレフィン系フィルム等)等の従来公知のフィルムを用いることができる。また、必要に応じシリコーン系や長鎖アルキル系、フッ素系や硫化モリブデン等の適宜な剥離剤でコート処理したものなどの、従来に準じた適宜なものを用いうる。
光学表示パネルは、光学セルの片面または両面に少なくとも偏光フィルムのシート片が形成されたものであり、必要に応じて駆動回路が組込まれる。光学セルは、例えば、液晶セル、有機ELセルが挙げられる。液晶セルは、例えば、垂直配向(VA)型、面内スイッチング(IPS)型などの任意なタイプのものを用いることができる。図3に示す光学セル4は、対向配置される一対の基板(第1基板41、第2基板42)間に液晶層が封止された液晶セルである。
(実施形態1)
本実施形態に係る光学表示パネルの連続製造システムは、粘着剤を介して偏光フィルムのシート片が形成されているキャリアフィルムを搬送するキャリアフィルム搬送部と、前記キャリアフィルム搬送部により搬送されたキャリアフィルムを内側にして先端で折り返して当該キャリアフィルムからシート片を粘着剤とともに剥離する剥離部と、前記剥離部によりシート片が剥離されたキャリアフィルムを巻き取る巻取部と、光学セルを搬送しながら、前記剥離部でキャリアフィルムから剥離されたシート片を粘着剤を介して当該光学セルに貼り付けて光学表示パネルを形成する貼付部と、前記巻取部および前記貼付部の搬送速度を制御する速度制御部とを有する。
そして、速度制御部は、前記貼付部による前記シート片の貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、前記貼付処理の貼付速度が、前記剥離部で剥離される、前記キャリアフィルム搬送部によるキャリアフィルムの搬送速度より速く、かつ、前記貼付部の貼付位置から前記剥離部の先端部までの間で、貼付中の前記シート片に生じた撓みがなくなるように、前記貼付速度および前記キャリアフィルムの搬送速度を設定し、および、前記貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、前記貼付部の貼付位置から前記剥離部の先端部までの距離(L)が、前記剥離部の先端部から前記キャリアフィルムが折り返された部分である屈曲部までの距離(Ls)より長くなるように、前記貼付部による貼付速度が、前記キャリアフィルム搬送部による前記キャリアフィルムの搬送速度よりも速くなるように制御する。以下、図3〜5を参照しながら、本実施形態に係る光学表示パネルの連続製造システムおよび光学表示パネルの連続製造方法をさらに具体的に説明するが、本発明は本実施形態の態様に限定されるものではない。
光学表示パネルの連続製造システムは、第1キャリアフィルム搬送部101と、第1光学セル搬送部102と、第1貼付部103(第1貼付ロール50a、第1駆動ロール50b)と、第2光学セル搬送部104と、第2キャリアフィルム搬送部と、第2貼付部(第2貼付ロール、第2駆動ロール)と、光学表示パネル搬送部とを有する。本実施形態では、光学セルの上側から偏光フィルムのシート片を貼り付けて、次いで、シート片を貼り付けた光学セルを反転(裏表反転、必要に応じて90°旋回)させて、当該光学セルの上側から偏光フィルムのシート片を貼り付けているが、光学セルの下側からシート片を貼り付け、光学セルを反転させて、光学セルの下側からシート片を貼り付けてもよく、光学セルの上側からシート片を貼り付け、光学セルを反転させないで、光学セルの下側からシート片を貼り付けてもよく、光学セルの下側からシート片を貼り付け、光学セルを反転させないで、光学セルの上側からシート片を貼り付けてもよい。
(第1光学セル搬送部)
第1光学セル搬送部102は、第1貼付部103に光学セル4を供給し搬送する。本実施形態では、第1光学セル搬送部102は、搬送ロール80および吸着プレート等を有して構成される。搬送ロール80を回転させることで、あるいは吸着プレートを移送させることで、光学セル4を製造ライン下流側へ搬送する。第1シート片13の貼付処理において、第1光学セル搬送部102は、後述する第1速度制御部110に制御され、光学セル4を貼付部の貼付位置に搬送する。
(第1キャリアフィルム搬送部)
第1キャリアフィルム搬送部101は、第1連続ロール1から第1光学フィルム積層体11を繰り出し、第1偏光フィルムおよび粘着剤を所定間隔で切断して第1偏光フィルムのシート片(第1シート片)13を第1キャリアフィルム12上に形成し、第1剥離部40の先端で第1キャリアフィルム12を内側にして折り返して、第1キャリアフィルム12から第1シート片13および粘着剤を剥離し、第1貼付部103に供給する。そのために、第1キャリアフィルム搬送部101は、第1切断部20、第1ダンサーロール30、第1剥離部40、上流側フィルム供給部90、第1巻取部60を有する。
第1切断部20は、吸着部21で第1キャリアフィルム12側から第1光学フィルム積層体11を固定しておいて、第1偏光フィルムおよび粘着剤を切断し、第1キャリアフィルム12上に第1シート片13を形成する。第1切断部20としては、例えばカッター、レーザー装置などが挙げられる。
第1ダンサーロール30は、第1キャリアフィルム12の張力を保持する機能を持つ。第1ダンサーロール30は、後述する上流側フィルム供給部90と第1剥離部40との間に位置している。第1ダンサーロール30は、貼付最中の第1シート片13が第1キャリアフィルム12から離脱(剥離完了)した後に、第1剥離部40の先端(剥離点)から張り出した状態の第1キャリアフィルム12を自動的に上流側に戻す(第1キャリアフィルム12が張り出し分の距離Lsを無くす)。
上流側フィルム供給部90は、不図示のモータで回転駆動される第1ロール90aとこの第1ロール90aと対向して配置され、第1ロール90aに向かって不図示の付勢手段(例えば、圧縮バネ、板バネなど)で押し付けられる第2ロール90bとを有するフィードロールで構成され、第1剥離部40より搬送上流側に配置される(図4A参照)。第1ロール90aと第2ロール90bとの間に第1キャリアフィルム12(シート片13が形成された状態の第1キャリアフィルム12)が挟持され、第1ロール90aが回転することで、第2ロール90bが従動して回転し、第1キャリアフィルム12を下流側の第1剥離部40へ搬送する。第1シート片13の貼付過程において、上流側フィルム供給部90による第1キャリアフィルム12の搬送速度Vs(t)は、後述する第1速度制御部110によって制御される。
上流側フィルム供給部90(フィードロール)を構成する第1ロール90aと第2ロール90bに使用される材質として、例えば、金属、ゴム、樹脂が挙げられる。これら材質は、ロール全体に使用されていてもよく、少なくともロール外表面に構成されていてもよい。
なお、別実施形態として、上流側フィルム供給部90は、フィードロールに代えてサクションロールで構成され、サクションロールで第1キャリアフィルム12を吸引搬送する構成でもよい。
第1剥離部40は、光学セル4に第1シート片13を貼り付ける場合に、その先端で第1キャリアフィルム12を内側にして折り返して、第1キャリアフィルム12から第1シート片13および粘着剤を剥離する。本実施形態では、第1剥離部40としては、先端に先鋭ナイフエッジ部を用いているが、これに限定されるものではない。
第1巻取部60は、第1シート片13および粘着剤が剥離された第1キャリアフィルム12を巻き取る。第1シート片13の貼付過程において、第1巻取部60は、後述する第1速度制御部110によって制御される。
(第1貼付部)
第1貼付部103は、第1光学セル搬送部102により供給された光学セル4の上側から第1キャリアフィルム搬送部101により供給された第1シート片13を粘着剤を介して貼り付ける。本実施形態では、第1貼付部103は、第1貼付ロール50a、第1駆動ロール50b(受けロールに相当する)で構成される。第1駆動ロール50bは、不図示のモータによって回転駆動される。第1シート片13の貼付過程において、第1駆動ロール50bの回転速度は、貼付速度Vh(t)に相当し、第1駆動ロール50bは、後述する速度制御部110によって制御される。なお、第1駆動ロール50bの駆動に応じて、第1貼付ロール50aが従動する機構であるが、これに制限されず、駆動と従動が逆の機構でもよく、両方が駆動機構であってもよい。
(第1速度制御部)
第1速度制御部110は、上流側フィルム供給部90(駆動側の第1ロール90a)および第1駆動ロール50bのそれぞれの回転速度を制御して、第1シート片13の貼付過程における、第1キャリアフィルム12の搬送速度、光学セル4にシート片13を貼り付ける貼付速度を制御する。第1速度制御部110は、第1巻取部60の巻取速度も制御する。
第1速度制御部110は、第1条件として、貼付速度(Vh(t))>キャリアフィルム搬送速度(Vs(t))、かつ、貼付位置P1から剥離部40の先端部40aまでの間で、第1シート片13に生じた撓みがなくなるように、貼付速度(Vh(t))およびキャリアフィルム搬送速度(Vs(t))を設定し、さらに、第2条件として、第1貼付部103(第1貼付ロール50a、第1駆動ロール50b)の貼付位置P1から第1剥離部40の先端部40aまでの距離(L)が、第1剥離部40の先端部40aからキャリアフィルム12が折り返された部分である屈曲部12aまでの距離(Ls)より長くなるように、第1貼付部103(第1貼付ロール50a、第1駆動ロール50b)による貼付速度Vh(t))が、上流側フィルム供給部90によるキャリアフィルムの搬送速度(Vs(t))よりも速くなるように制御する(図4A、図5参照)。
第1速度制御部110は、上記L>Lsの条件を満足するために、上流側フィルム供給部90の駆動側の第1ロール90aの回転速度を制御し、そして、第1巻取部60の巻取ロール60a(駆動側ロール)の回転速度、すなわち第1キャリアフィルム12の巻取速度を制御する。第1速度制御部110は、上流側フィルム供給部90によるキャリアフィルムの搬送速度が第1巻取部60によるキャリアフィルムの巻取速度よりも速くなるように、第1ロール90a、巻取ロール60aを制御する。
第1速度制御部110は、専用装置、専用回路で構成されていてもよく、コンピュータと上記各制御手順を実行するプログラムとの協働作用で構成されていてもよく、ファームウエアで構成されていてもよい。
(第2光学セル搬送部)
第2光学セル搬送部104は、第1貼付部103により第1シート片13が貼り付けられた光学セル4を搬送して第2貼付部に供給する。第2光学セル搬送部104には、第1シート片13が貼り付けられた光学セル4を90°水平回転させる回転機構(不図示)と、第1シート片13が貼り付けられた光学セル4を上下反転させる反転機構が備えられている。
前述したように、光学セル4の他方面に偏光フィルムのシート片を貼り付けるための各種手段は、上記で説明した各種手段、装置等を用いることができる。第2キャリアフィルム搬送部は、第1キャリアフィルム搬送部と同様の装置で構成でき、第2貼付部は、第1貼付部と同様の装置で構成できる。例えば、第2ダンサーロールは第1ダンサーロール30と同様の装置で構成でき、第2巻取部は第1巻取部60と同様の装置で構成でき、第2貼付ロールおよび第2駆動ロールは第1貼付ロール50aおよび第1駆動ロール50bと同様の機構で構成できる。また、第2速度制御部は第1速度制御部110と同様の機能を有して構成される。
光学表示パネル搬送部(不図示)は、搬送ロールや吸着プレート等で構成でき、第2貼付部により作製された光学表示パネルYを下流へ搬送する。また、搬送下流側に、光学表示パネルYを検査するための検査装置が設置されていてもよい。この検査装置の検査目的、検査方法は特に制限されない。
(連続製造方法)
本実施形態に係る光学表示パネルの製造方法は、粘着剤を介して偏光フィルムのシート片が形成されているキャリアフィルムをキャリアフィルム搬送部で搬送するキャリアフィルム搬送工程と、前記キャリアフィルム搬送工程により搬送されたキャリアフィルムを内側にして先端で折り返して当該キャリアフィルムから偏光フィルムを粘着剤とともに剥離部で剥離する剥離工程と、前記剥離工程によりシート片が剥離されたキャリアフィルムを巻取部で巻き取る巻取工程と、光学セルを搬送しながら、前記剥離工程によりキャリアフィルムから剥離されたシート片を粘着剤を介して当該光学セルに貼付部で貼り付けて光学表示パネルを形成する貼付工程とを有する光学表示パネルの連続製造方法であって、
前記貼付工程における前記シート片の貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、前記貼付処理の貼付速度が、前記剥離工程で剥離される、前記キャリアフィルム搬送部によるキャリアフィルムの搬送速度より速く、かつ、前記貼付位置から前記剥離部の先端部までの間で、前記シート片に生じた撓みがなくなるように、前記貼付速度および前記キャリアフィルムの搬送速度を設定し、および
前記貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、前記貼付位置から前記剥離部の先端部までの距離(L)が、前記剥離部の先端部から前記キャリアフィルムが折り返された部分である屈曲部までの距離(Ls)より長くなるように、前記貼付処理の貼付速度が、前記キャリアフィルム搬送部による前記キャリアフィルムの搬送速度よりも速くなるように制御する速度制御工程を有する。
(第1貼付工程)
第1貼付工程は、第1連続ロールから繰り出し供給された第1偏光フィルムの第1シート片を、光学セルの第1基板に貼り付ける工程である。本実施形態では、第1キャリアフィルム12と、第1キャリアフィルム12上に形成された第1偏光フィルムとを有する第1光学フィルム積層体11をロール状に巻いた第1連続ロール1から第1光学フィルム積層体11を繰り出す。次いで、第1キャリアフィルム12を残して(切断せずに)第1偏光フィルムおよび粘着剤を切断して、第1キャリアフィルム12上に第1偏光フィルムの第1シート片13を形成する。次いで、第1剥離部40の先端で第1キャリアフィルム12を内側に折り返し搬送して、第1キャリアフィルム12から第1シート片13および粘着剤を剥離する。次いで、第1キャリアフィルム12が剥離された第1シート片13を、粘着剤を介して光学セル4の第1基板に貼り付ける。
(第1速度制御工程)
第1速度制御工程は、前記貼付工程における第1シート片13の貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、前記貼付処理の貼付速度(Vh(t))が、前記剥離工程で剥離される、前記キャリアフィルム搬送部による第1キャリアフィルム12の搬送速度(Vs(t))より速く(Vh(t)>Vs(t))、かつ、前記貼付位置から剥離部40の先端部40aまでの間で、第1シート片13に生じた撓みがなくなるように、前記貼付速度(Vh(t))および前記第1キャリアフィルム12の搬送速度(Vs(t))を設定し、および前記貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、前記貼付位置から前記剥離部40の先端部40aまでの距離(L)が、剥離部40の先端部40aから第1キャリアフィルム12が折り返された部分である屈曲部12aまでの距離(Ls)より長くなるように、貼付処理の貼付速度が、キャリアフィルム搬送部によるキャリアフィルムの搬送速度よりも速くなるように制御する。
また、本連続製造方法において、キャリアフィルム搬送工程は、キャリアフィルムの張力を保持可能に当該キャリアフィルムを搬送する工程を有している。本実施形態では、第1キャリアフィルム12の張力を保持するために、第1ダンサーロール30を用いている。
また、光学セル4の他方基板にも偏光フィルムを貼り付ける場合には、光学セルの回転および上下反転させる旋回工程を有する。旋回工程は、第1偏光フィルム14が貼り付けられた光学セル4を90°水平回転および上下反転させる工程である。なお、旋回工程として、光学セルの長辺と短辺の位置関係が逆転するように、前記長辺及び短辺のいずれとも平行でない1軸を中心に光学セルを反転させてもよい。そして、第2偏光フィルムのシート片を貼り付ける工程は、上記の第1貼付工程と同様であり、第2速度制御工程も上記の第1速度制御工程と同様である。
(実施形態2)
実施形態2は、上記実施形態1と異なる構成について説明する。実施形態2の第1キャリアフィルム搬送部101は、上流側フィルム供給部90の代わりに、下流側フィルム供給部95を備える。
下流側フィルム供給部95は、不図示のモータで駆動される第1ロール95aとこの第1ロール95aと対向して配置され、第1ロール95aに向かって不図示の付勢手段(例えば、圧縮バネ、板バネなど)で押し付けられる第2ロール95bとを有するフィードロールで構成され、第1剥離部40より搬送下流側で第1巻取部60より搬送上流側に配置される(図4B参照)。第1ロール95aと第2ロール95bとの間に第1キャリアフィルム12(シート片13が剥離された後の第1キャリアフィルム12)が挟持され、第1ロール95aが回転することで、第2ロール95bが従動して回転し、第1キャリアフィルム12を搬送下流側の第1巻取部60へ搬送する。第1シート片13の貼付過程において、下流側フィルム供給部95による第1キャリアフィルム12の搬送速度Vs(t)は、上述と同様に第1速度制御部110によって制御される。
第1速度制御部110は、下流側フィルム供給部95(駆動側の第1ロール95a)および第1駆動ロール50bのそれぞれの回転速度を制御して、第1シート片13の貼付過程における、第1キャリアフィルム12の搬送速度、光学セル4にシート片13を貼り付ける貼付速度を制御する。
第1速度制御部110は、第1条件として、貼付速度(Vh(t))>キャリアフィルム搬送速度(Vs(t))、かつ、貼付位置P1から剥離部40の先端部40aまでの間で、第1シート片13に生じた撓みがなくなるように、貼付速度(Vh(t))およびキャリアフィルム搬送速度(Vs(t))を設定し、さらに、第2条件として、第1貼付部103(第1貼付ロール50a、第1駆動ロール50b)の貼付位置P1から第1剥離部40の先端部40aまでの距離(L)が、第1剥離部40の先端部40aからキャリアフィルム12が折り返された部分である屈曲部12aまでの距離(Ls)より長くなるように、第1貼付部103(第1貼付ロール50a、第1駆動ロール50b)による貼付速度Vh(t))が、下流側フィルム供給部95によるキャリアフィルムの搬送速度(Vs(t))よりも速くなるように制御する(図4B、図5参照)。
(実施形態3)
実施形態3は、上記実施形態1の上流側フィルム供給部90と実施形態2の下流側フィルム供給部95を両方備えた構成である。上流側フィルム供給部90と下流側フィルム供給部95の両方で、キャリアフィルムの搬送速度(Vs(t))を制御する。上流と下流(第1剥離部40を境とした上流と下流)の両方にフィルム供給部(フィードローラ)を配置することで、キャリアフィルムにテンションを掛けて搬送することが可能になる。例えば、下流側の供給速度(搬送速度)を上流側のそれよりも速くすることで、それらの間のキャリアフィルムにテンションを掛けることが可能になる。
(実施形態4)
実施形態4は、上記実施形態1の上流側フィルム供給部90および第1巻取部60とで第1キャリアフィルム12(第1光学フィルム積層体11)を搬送させる構成である。上流側フィルム供給部90と第1巻取部60の両方で、キャリアフィルムの搬送速度(Vs(t))を制御する。この構成では、第1剥離部40より搬送上流側にフィルム供給部(フィードローラ)を配置し、かつ第1剥離部40より搬送下流側にフィルム巻取部を配置することで、キャリアフィルムにテンションを掛けて搬送することが可能になる。
(実施形態5)
実施形態5は、上記実施形態2の下流側フィルム供給部95および第1巻取部60とで第1キャリアフィルム12(第1光学フィルム積層体11)を搬送させる構成である。下流側フィルム供給部95と第1巻取部60の両方で、キャリアフィルムの搬送速度(Vs(t))を制御する。
(別実施形態)
上記実施形態では、連続ロールから繰り出された光学フィルム積層体を所定間隔で切断(ハーフカット)するものであったが、本発明はとくにこの構成に制限されない。例えば、連続ロールから繰り出された光学フィルム積層体を欠点検査し、当該検査結果に基づいて欠点を避けるように切断(いわゆるスキップカット)してもよい。また、光学フィルム積層体に予め付された欠点情報を読み取り、当該欠点情報に基づいて欠点を避けるように切断してもよい。欠点情報は、欠点位置がわかるようにマーキングしたものでもよい。
また、第1および第2連続ロールの第1および第2偏光フィルムは予め切断されていてもよい。すなわち、第1および第2連続ロールとして、いわゆる切り目入り連続ロールを用いてもよい。この場合、第1切断部及び第2切断部が不要となるため、タクトタイムを短縮することができる。
図3、4Aの連続製造システムで、偏光フィルムのシート片(日東電工株式会社製VEG1724DU:400×700mm)を無アルカリガラスの光学セル(コーニング製:405×710mm)にその長辺側から貼り付けた。実施例および比較例では、貼付速度Vh(t)およびキャリアフィルムの搬送速度(上流側フィルム供給部によるキャリアフィルム搬送速度)Vs(t)をそれぞれ以下のように設定して貼り付けた。
実施例1は、貼付中の全領域でVh(t)>Vs(t)とした(0≦t≦Tの範囲でVh(t)>Vs(t))。Tは貼付開始から貼付終了までの時間(期間)であって、以下同様である。実施例1の速度条件を図6Aに示す。
比較例1は、貼付中の全領域でVh(t)>Vs(t)としたが、Vh(t)とVs(t)の差が小さく、貼付終了までに偏光フィルムのシート片の撓みがなくならない条件とした。比較例1の速度条件を図6Bに示す。
比較例2は、貼付中のある領域でVh(t)≦Vs(t)とし、それ以外の領域ではVh(t)>Vs(t)の差が小さく、貼付終了までに偏光フィルムのシート片の撓みがなくならない条件とした。(0<t<T1の範囲でVh(t)>Vs(t)、0<t<T1以外でVh(t)≦Vs(t))。比較例2の速度条件を図6Cに示す。
比較例3は、貼付中の全領域でVh(t)=Vs(t)とした(0≦t≦Tの範囲でVh(t)=Vs(t))。比較例3の速度条件を図6Dに示す。
比較例4は、貼付中の全領域でVh(t)<Vs(t)とした(0≦t≦Tの範囲でVh(t)<Vs(t))。比較例4の速度条件を図6Eに示す。
比較例5は、貼付中のある領域でVh(t)>Vs(t)とし、それ以外の領域ではVh(t)=Vs(t)であり、貼付終了までに偏光フィルムのシート片の撓みがなくならない条件とした。(0<t<T2の範囲でVh(t)>Vs(t)、0<t<T2以外でVh(t)=Vs(t))。比較例5の速度条件を図6Fに示す。
(評価方法)
(1)貼付終了時における偏光フィルムの撓み、振動の有無を目視検査で評価した。
(2)貼付後における偏光フィルムのシート片と光学セル間の気泡の有無を目視検査評価し、気泡発生率を算出した。
(3)貼付後における位相差ムラの有無を目視検査評価し、位相差ムラ発生率を算出した。各評価方法における、評価数(N)は100台とした。表1に評価結果を示す。
Figure 2016130860
表1の結果からわかるように、実施例1の条件では、シート片の撓みや振動を無くすことができ、気泡や位相差ムラの不良発生をなくすことができた。一方、比較例1〜5の条件では、シート片の撓みや振動が起こり気泡不良が発生し、さらに比較例3および5の条件では位相差ムラの不良も発生した。また、上流側フィルム供給部90の代わりに下流側フィルム供給部95によってキャリアフィルム搬送速度を上記実施例、比較例と同様に制御した場合も同様の結果であった。
4 光学セル
11 第1光学フィルム積層体
12 第1キャリアフィルム
13 第1シート片
30 第1ダンサーロール
40 第1剥離部
50a、50a 第1、第2貼付ロール
60 第1巻取部
101 第1キャリアフィルム搬送部
102 第1光学セル搬送部
103 第1貼付部
110 第1速度制御部
Y 光学表示パネル

Claims (6)

  1. 粘着剤を介して偏光フィルムのシート片が形成されているキャリアフィルムをキャリアフィルム搬送部で搬送するキャリアフィルム搬送工程と、前記キャリアフィルム搬送工程により搬送されたキャリアフィルムを内側にして先端で折り返して当該キャリアフィルムから偏光フィルムを粘着剤とともに剥離部で剥離する剥離工程と、前記剥離工程によりシート片が剥離されたキャリアフィルムを巻取部で巻き取る巻取工程と、光学セルを搬送しながら、前記剥離工程によりキャリアフィルムから剥離されたシート片を粘着剤を介して当該光学セルに貼付部で貼り付けて光学表示パネルを形成する貼付工程とを有する光学表示パネルの連続製造方法であって、
    前記貼付工程における前記シート片の貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、前記貼付処理の貼付速度が、前記剥離工程で剥離される、前記キャリアフィルム搬送部によるキャリアフィルムの搬送速度より速く、かつ、前記貼付位置から前記剥離部の先端部までの間で、前記シート片に生じた撓みがなくなるように、前記貼付速度および前記キャリアフィルムの搬送速度を設定し、および
    前記貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、前記貼付位置から前記剥離部の先端部までの距離(L)が、前記剥離部の先端部から前記キャリアフィルムが折り返された部分である屈曲部までの距離(Ls)より長くなるように、前記貼付処理の貼付速度が、前記キャリアフィルム搬送部による前記キャリアフィルムの搬送速度よりも速くなるように制御する速度制御工程を有し、
    貼付開始から貼付終了までの期間をT、撓みがなくなるときの時間をtとすると、t/T=0.3以下である、光学表示パネルの連続製造方法。
  2. 前記キャリアフィルム搬送部が、前記剥離部の搬送上流側に配置されて前記キャリアフィルムを搬送する上流側フィルム供給部または前記剥離部の搬送下流側に配置されて前記キャリアフィルムを搬送する下流側フィルム供給部を有し、
    前記速度制御工程で、前記キャリアフィルムを搬送するために、前記上流側フィルム供給部または下流側フィルム供給部が駆動制御される、請求項1に記載の光学表示パネルの連続製造方法。
  3. 前記上流側フィルム供給部がフィードロールを有して構成されている、または前記下流側フィルム供給部がフィードロールを有して構成されている、請求項2に記載の光学表示パネルの連続製造方法。
  4. 粘着剤を介して偏光フィルムのシート片が形成されているキャリアフィルムを搬送するキャリアフィルム搬送部と、前記キャリアフィルム搬送部により搬送されたキャリアフィルムを内側にして先端で折り返して当該キャリアフィルムからシート片を粘着剤とともに剥離する剥離部と、前記剥離部によりシート片が剥離されたキャリアフィルムを巻き取る巻取部と、光学セルを搬送しながら、前記剥離部でキャリアフィルムから剥離されたシート片を粘着剤を介して当該光学セルに貼り付けて光学表示パネルを形成する貼付部とを有する、光学表示パネルの連続製造システムであって、
    前記貼付部による前記シート片の貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、前記貼付処理の貼付速度が、前記剥離部で剥離される、前記キャリアフィルム搬送部によるキャリアフィルムの搬送速度より速く、かつ、前記貼付部の貼付位置から前記剥離部の先端部までの間で、貼付中の前記シート片に生じた撓みがなくなるように、前記貼付速度および前記キャリアフィルムの搬送速度を設定し、および
    前記貼付処理の貼付開始から貼付終了までの間において、前記貼付部の貼付位置から前記剥離部の先端部までの距離(L)が、前記剥離部の先端部から前記キャリアフィルムが折り返された部分である屈曲部までの距離(Ls)より長くなるように、前記貼付部による貼付速度が、前記キャリアフィルム搬送部による前記キャリアフィルムの搬送速度よりも速くなるように制御する速度制御部を有し、
    貼付開始から貼付終了までの期間をT、撓みがなくなるときの時間をtとすると、t/T=0.3以下である光学表示パネルの連続製造システム。
  5. 前記キャリアフィルム搬送部が、前記剥離部の搬送上流側に配置されて前記キャリアフィルムを搬送する上流側フィルム供給部または前記剥離部の搬送下流側に配置されて前記キャリアフィルムを搬送する下流側フィルム供給部を有し、
    前記速度制御部が、前記キャリアフィルムを搬送するために、前記上流側フィルム供給部または下流側フィルム供給部を駆動制御する、請求項4に記載の光学表示パネルの連続製造システム。
  6. 前記上流側フィルム供給部がフィードロールを有して構成されている、または前記下流側フィルム供給部がフィードロールを有して構成されている、請求項5に記載の光学表示パネルの連続製造システム。
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