JP3345498B2 - 平版用インキ - Google Patents

平版用インキ

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JP3345498B2
JP3345498B2 JP2809694A JP2809694A JP3345498B2 JP 3345498 B2 JP3345498 B2 JP 3345498B2 JP 2809694 A JP2809694 A JP 2809694A JP 2809694 A JP2809694 A JP 2809694A JP 3345498 B2 JP3345498 B2 JP 3345498B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種印刷適性に優れた平
版用インキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷の基本的原理とはインキと水の
反発性を利用して印刷版の画像部にインキをのせて、紙
面へと転写させることである。この様に平版印刷にはイ
ンキと反発させる水として湿し水が使われ、この供給量
のコントロールが平版印刷の難しさの一つとして挙げら
れている。すなわち、湿し水の供給量の多い少ないによ
り様々なトラブルが発生する。仮に湿し水が適正供給量
より多く供給されて印刷が行われたなら、インキが湿し
水と混じり過ぎ、乳化現象が起きて版にインキが転写し
なくなり、ひいては印刷紙面に適正量のインキがのらな
くなる。反対に湿し水が適正量より少ないと、非画像部
にインキがのり、地汚れという現象を引き起こす。この
様なトラブルを防ぐために使用する印刷版、インキ、湿
し水等種々検討、創意工夫されてきた。しかし、平版印
刷自体種々ファクターのバランスの上に成り立って行わ
れており、このバランスを崩さずに上記の様なトラブル
を防ぐには非常に困難であった。
【0003】特にインキだけに限って述べるなら、上記
のトラブルを解決する方法として、インキの水幅を広げ
る手法が取られてきた。例を挙げると、界面活性剤等を
用いた調節が試みられているが、インキの水反発性の低
下をまねき汚れにつながることが多い。また、ビヒクル
自体の変更、さらには表面処理した顔料の使用等が挙げ
られるが、インキの他の特性を大きく崩すことが多く、
大幅に水幅を広げることはできなかった。また、特開平
4−202272号公報に記載されてるように高吸水性
樹脂微粒子をインキ中に導入して湿し水を適正量にコン
トロールしようとの試みがあるが、湿し水供給量が少な
いときでも徐々にインキ中に水を含んでしまうため乳化
しやすくなり、反対に湿し水が多い場合は余分な水をイ
ンキ中に含む形になり乳化することが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は実際の
印刷に於て地汚れ、乳化、インキミストが少なく、より
印刷適正に優れた平版用インキを提供をすることにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下に述べ
る本発明により達成される。すなわち、脂肪族炭化水素
媒体に可溶で、重合しても可溶な重合体を形成する前記
化1または化2で示されるモノマーから成る重合体存在
下で、前記脂肪族炭化水素媒体に可溶で、重合により不
溶化する前記化3または化4で示されるモノマーを前記
重合体に対して40〜10重量%重合して得られる白色
の樹脂微粒子を含有する平版用インキにより解決され
る。
【0006】化1においてR1は水素原子、メチル基を
表わし、R2は炭素数6〜18のアルキル基を表わす。
また、X1はエステル、アミド結合を表わす。化2にお
いてR3は炭素数6〜18のアルキル基を表わし、X2
酸素原子、メチレン基を表わす。化3においてR4は水
素原子、メチル基、カルボン酸基を表わし、R5は水素
原子、炭素数1〜5のアルキル基を表わし 、R6は水素
原子、メチル基、カルボン酸基を表わし、X3はエステ
ル、アミド結合を表わす。化4においてR7は水素原
子、メチル基を表わし、R8は水素原子 、炭素数1〜4
のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基を
表わし 、X4は0〜10個のエチレンオキサイド鎖を表
す。
【0007】平版用インキとは大まかに分け顔料、ビヒ
クル、溶剤、種々の添加物から構成される。インキの性
質上、種々の色相の顔料をビヒクル中に分散しなければ
ならず、それに用いられる樹脂や溶剤は疎水性を残しつ
つある範囲で極性のコントロールをし、種々の顔料を分
散してインキを製造する。このため、インキ自体に適度
な極性があるため湿し水が多いと少量ながらでも徐々に
水を含んでしまう。また、湿し水が少ないと版(非画像
部)との反発が弱くなり地汚れが生じる。すなわち、あ
る程度疎水性を強め湿し水との乳化を防ぎ、版(画像
部)にインキの乗りを悪くしない程度で極性を小さくす
る必要がある。
【0008】上記の様な条件を満たすには請求項1に示
す樹脂微粒子を含有するインキにより達成される。この
様な樹脂微粒子をインキ中に数%導入する事で乳化、地
汚れの少ない、水幅の広い平版インキが得られる。以
下、その理由を説明する。
【0009】化1または化2で示されるモノマーを重合
して得られる重合体に対して化3または化4で示される
モノマーを40〜10重量部の割合で該重合体の存在下
で重合することにより該樹脂微粒子が得られる。得られ
た該樹脂微粒子は重合体が数ミクロンからサブミクロン
の非常に小さい粒子で存在しており、その表面には化1
または化2から成る長鎖のアルキル鎖の重合体で覆われ
て分散安定状態にいると考えられる。このため樹脂微粒
子表面は疎水性が強く、またその内部は適度な極性を持
った構造をとっている。
【0010】上記の様な性質を持った樹脂微粒子のた
め、化1または化2と化3または化4から成る微粒子を
形成することのできる任意の組成比の樹脂微粒子を平版
インキに導入することができる。もし、この様な微粒子
の形態ではなく化1または化2と化3または化4から成
る共重合体の場合はインキ中に導入できる組成比が狭い
範囲で限定されてしまい、また導入できても以下で説明
するような効果を得ることはできない。
【0011】平版印刷はインキ、版等の界面特性が非常
に重要な印刷方法であり、インキの界面特性を改善でき
れば非常に良い印刷適性を持つインキが出来上がると考
えられる。この様にインキ界面に影響を及ぼすには、イ
ンキに対して機能を持った添加剤を非常に少量加えれば
容易に界面特性が改善出来ることが考えられる。しか
し、界面活性剤の様なものを添加すると印刷時のインキ
界面だけではなくインキ全体に作用し、インキ本来のバ
ランスを崩してしまう。そこで、界面だけに作用して、
インキ全体のバランスを崩さないようにするには添加剤
をインキ中に混じり合わせた形で導入し、通常ではイン
キに影響を及ぼさず印刷時のインキ薄膜の界面に極在化
させる必要がある。
【0012】上記の条件を満たす形態としては該樹脂微
粒子が非常に有効である。前記した該樹脂微粒子はその
微粒子形態のためインキ自体とは混じり合っているが、
その反面、顔料粒子と同様に非常に大きい表面積を持っ
ており、印刷時のインキの薄膜に極在化する事によりイ
ンキ界面に大きく影響を及ぼしていると考えられる。ま
た、微粒子表面には疎水性の高い重合体が吸着してお
り、それが効率的に印刷時のインキ薄膜の界面を疎水性
の高い状態にしていると考えられる。この様に印刷時の
インキ界面(版上)等は疎水性が高いため安定な状態で
存在しており、高速印刷中に版や転写ロールから徐々に
剥がれてインキミストを発生するようなことはない。
【0013】この様に印刷時に於けるインキ界面の疎水
性が高いと言うことは、平版印刷の基本原理である疎水
性(インキ)と親水性(湿し水)との反発により画像を
形成することを、インキ全体のバランスを崩さずに更に
押し進めたまでで、非常にベーシックな考え方であると
同時に非常に有効な方法である。ただ、インキのバラン
スを崩さずにインキ界面だけの疎水性を高めるのは非常
に難しく、ただ単に長鎖アルキル鎖からなる重合体をイ
ンキに導入しても、耐地汚れ性は向上するものの耐乳化
性が悪化するなどインキ全体のバランスを崩してしま
う。
【0014】また、化1または化2と化3または化4か
ら成る樹脂微粒子と同様の組成の共重合体でも、微粒子
形態を形成していないため、ある程度は水幅を広げる作
用はあるもののインキ全体のバランスを崩さずにインキ
界面だけの疎水性を高めるのは難しい。この様に微粒子
形態はこの技術のキーポイントの1つである。反対にも
うひとつの微粒子である顔料に分散性向上の表面処理を
施したものや、疎水性の高い重合体で表面処理したもの
はその顔料のインキに占める割合からインキ全体から組
み直す必要があり、またそのような表面処理した顔料を
表面処理していない顔料に少量添加してインキの処方を
組むなど考えられるが、出来上がったインキへの顔料添
加は容易ではなく、添加剤的に手軽に既存の種々のイン
キには適用出来ない。
【0015】次に、長鎖アルキル鎖を有する重合体で表
面処理した無機微粒子を少量、インキ中に添加出来れば
前記の該樹脂微粒子と同様の効果が期待されるが、無機
微粒子は、顔料同様当然なんらかの色を持っておりイン
キの色調に大きく影響を及ぼし、色調を変えてしまう場
合があるので安易に導入できない。その点、樹脂微粒子
はガラス転移温度のコントロールにより最終的にはバイ
ンダー(ビヒクル)の一部となるのでそのような心配は
ない。
【0016】以上の様な機能を発揮する該樹脂微粒子は
化1または化2に示すモノマーと化3または化4に示す
モノマーを用いる比率は化1または化2に対して化3ま
たは化4が40〜10重量%の比率が好ましい。この比
率が40重量%を越えると合成面からは化1または化2
から成る重合体が樹脂微粒子形成の分散安定剤の役目を
なしており重合体が少ないと微粒子を形成しない場合が
あり、また特性面からは化1または化2から成る疎水成
分が減少するので乳化に弱くなる。反対に10重量%未
満だと樹脂微粒子は形成するが、分散剤である化1また
は化2からなる重合体が多すぎるため形成される微粒子
はサブミクロン以下で非常に小さくなり混合ポリマーと
変わらなくなる。この化1または化2と化3または化4
の比率は添加する平版インキにより任意に変化するが、
基本的にはインキ界面で疎水性の機能を発揮する化1ま
たは化2に示すモノマーが多い。また、合成面で言えば
化1または化2からなる重合体は前記したように分散安
定剤の役目もしており多い方が好ましく、化3または化
4は化1または化2に対して25〜10重量%の方がよ
り好ましい。
【0017】本発明で言うこのような化1または化2に
示されるモノマーから成る重合体は脂肪族炭化水素媒体
中に可溶で長鎖のアルキル基がついていれば特には制限
ないがないが、これを構成するモノマーとしては例えば
以下のようなものが挙げられる。n−ヘキシルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアク
リレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレ
ート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリル
メタクリレート、ステアリルメタクリレート、n−ヘキ
シルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテ
ル、オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテ
ル、ステアリルビニルエーテル、n−ヘキシル酸ビニ
ル、2−エチルヘキシル酸ビニル、オクチル酸ビニル、
ラウリル酸ビニル、ステアリル酸ビニル、N−n−ヘキ
シルアクリルアミド、N−2−エチルヘキシルアクリル
アミド、N−オクチルアクリルアミド、N−ラウリルア
クリルアミド、N−ステアリルアクリルアミド、N−n
−ヘキシルメタクリルアミド、N−2−エチルヘキシル
メタクリルアミド、N−オクチルメタクリルアミド、N
−ラウリルメタクリルアミド、N−ステアリルメタクリ
ルアミドなど長鎖アルキル基を含むモノマーが挙げられ
る。
【0018】また化3または化4に示されるモノマーか
ら成る重合体も同様にモノマー状態では該媒体に可溶で
あり、重合により媒体に不溶となるものであれば特には
制限しないが好ましい例として例えばスチレン及びその
誘導体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、クロロ酢酸
ビニル等の炭素数1から5までの脂肪族カルボン酸のビ
ニルエステル、安息香酸ビニルエステル、あるいはアク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタ
コン酸およびこれらの炭素数1から5までのアルキルエ
ステル類またはアミド類、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ジビ
ニルベンゼン、あるいはN−ビニル−2−ピロリドン、
N−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N,N
−ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート等含N
ビニルモノマー等、あるいは水酸基を有するモノマーと
しては2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げら
れる。
【0019】本発明で言う化1または化2から成る重合
体、そして化3または化4から成る該樹脂微粒子の分子
量は1000〜500000の範囲が好ましく、さらに
は10000〜50000の範囲が好ましい。分子量が
低すぎると版とインキの界面で作用する場合すぐにその
効果がなくなるし、また分子量が高すぎるとインキ全体
に行き渡らなくなり界面でその効果が発揮されなくなる
ので好ましくない。
【0020】以上の様な該樹脂微粒子は平版インキ全体
に対して0.5重量%〜5重量%の間で使用するのが好
ましい。この使用量は非常に重要であり、これより少な
い場合は効果が現れず、また多すぎるとインキの界面特
性のバランスを崩してしまうので好ましくはない。種々
の平版インキでその使用量は微妙に異なるが、さらに好
ましい使用量としては1重量%〜3重量%である。
【0021】この樹脂微粒子の添加方法としては種々の
方法が可能である。例えば、顔料をビビクル中に分散す
るときに添加するとか、インキ溶剤あるいはインキ用樹
脂に混ぜ込んで使用するとかインキ全体に添加剤が行き
渡る様な方法であればどの様な方法でも良い。その中で
も好ましい方法として出来上がった平版インキに後添加
として樹脂微粒子を添加して3本ロールにてよく混練す
る方法である。この方法であると今までの製造プロセス
を変更せずに非常にフレキシブルに対応できる。
【0022】また添加できる平版インキ用ビヒクルとし
ては特に制限は無いが、溶剤及び/または樹脂より成る
ビヒクルは顔料を分散させインキに流動性を与え印刷面
に顔料を固着させる役目をする液成分で、その中の樹脂
としてはロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノ
ール樹脂、ケトン樹脂、ポリアミド樹脂、マレイン酸樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、
メラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられ、紫外線硬化型ビ
ヒクルなども使用できる。
【0023】次に平版インキに使用されている顔料に関
しても特に制限はない。酸化チタン、酸化亜鉛などの無
機顔料、体質顔料、フタロシアニン顔料、アゾ顔料など
の有機顔料またそれらに種々の表面処理を施したものな
ど、平版インキ用として使われ、インキとして成ってい
るものなら問題なく使用できる。
【0024】添加剤としては必要に応じて乾燥剤、沈降
防止剤、酸化防止剤等やパラフィンワックス、カルパナ
ワックス等のワックス類を添加してもその効果に悪影響
を及ぼさない。
【0025】本発明で用いられる重合体の合成に当たっ
ては必ずしも溶媒を必要としないが重合体の重合熱によ
る発熱をコントロールし、再現性良い結果を得るために
脂肪族炭化水素を重合溶媒として使用するのが好ましく
以下に挙げられる溶剤等が使用できる。ノルマルパラフ
ィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、脂環式炭
化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素などが挙げられ、安
全性、揮発性の面から実用上好ましくはシェルゾル71
(シェル石油製)、アイソパーO,アイソパーH,アイ
ソパーK,アイソパーL,アイソパーG(アイソパーは
エクソン社の商品名)やアイピーソルベント(出光石油
化学製)等が使用できる。
【0026】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、効果はもとより本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0027】合成例1 攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却管を備えた
1リッター4ツ口フラスコ内にラウリルメタクリレート
300gおよびアイピーソルベント(出光石油化学製)
300gを仕込み窒素置換しながら70℃でAIBN3
gを加えて重合を開始した。90℃で10時間重合して
ラウリルメタクリレートのホモポリマーを得た。次にス
チレンを60gを加えて、さらに2段階目の重合を行っ
た。同じく窒素置換しながらAIBNをスチレンに対し
て1%重量を加えて重合を開始させ約24時間重合し、
安定に分散した平均粒径0.38μm(コールターN4
にて測定)の白色樹脂微粒子を得た。
【0028】合成例2 攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却管を備えた
1リッター4ツ口フラスコ内にラウリルメタクリレート
300gおよびテトラエチルチウラムジスルフィド6
g、アイピーソルベント(出光石油化学製)300gを
仕込み窒素置換しながら90℃で約24時間重合した。
その後、全体を3リッターのメタノールに加え、沈澱し
たポリマーをデカンテーションにより分離し、さらにメ
タノールでより十分に洗浄を繰り返した。精製したポリ
マーの分子量をGPC−LALLS(光散乱法)により
測定し、数平均分子量6500であった。紫外分光光度
計によりポリマー末端のジチオカルバメート基の濃度を
定量し、ポリマー1分子当り2個のジチオカルバメート
基を有することが分かった。
【0029】上記のようにして得られたポリマーを10
0gとり、アイピーソルベント100gに溶解した後、
これにスチレン20gを加えてさらに70℃でAIBN
0.3gを加えることにより2段目の重合を行い、白色
に分散した安定な平均粒径0.33μmの樹脂分散液を
得た。
【0030】合成例3 攪拌機、温度計、窒素導入管および還流冷却管を備えた
1リッター4ツ口フラスコ内にラウリルメタクリレート
300gおよびアイピーソルベント(出光石油化学製)
300gを仕込み窒素置換しながら70℃でAIBN3
gを加えて重合を開始した。90℃で10時間重合して
ラウリルメタクリレートのホモポリマーを得た。次にス
チレンを100gを加えて、さらに2段階目の重合を行
った。同じく窒素置換しながらAIBNをスチレンに対
して1%重量を加えて重合を開始し約24時間重合し、
目的の白色の平均粒径0.45μmの樹脂微粒子を得
た。
【0031】
【0032】合成例5〜10前記した合成例と同様の方
法にて以下の樹脂微粒子を得た。また、合成例1〜
列挙した。
【表1】 合成例 分散剤の 樹脂微粒子の 組成比 モノマー モノマー (分散剤/樹脂微粒子) ──────────────────────────────────── 1 LMA St 100/20 2 LMA St 100/20 (シ゛チオカルハ゛メート含有) 3 LMA St 100/33.3 5 LMA St 100/50 6 LMA EMA 100/20 7 LMA MAA 100/15 8 SMA St 100/25 9 2EHMA St 100/15 10 LVE St 100/25 * LMA:ラウリルメタクリレート St :スチレン EMA:エチルメタクリレート MAA:メタクリル酸 SMA:ステアリルメタクリレート 2EHMA:2−エチルヘキシルメタクリレート LVE:ラウリルビニルエーテル
【0033】実施例1−8 合成例1−3,6−10で得られたポリマー溶液をそれ
ぞれ固形分が10g(対インキ1重量%)になるように
それぞれ秤り取りFグロスインキ墨(大日本インキ化学
工業社製;ニューチャンピオン)1Kgに添加し3本ロ
ールに3回通してよく混練し、8種類のインキを得た。
合成例と実施例の対応は以下の表2に示す。
【0034】実施例9−13 合成例1で得られたポリマー溶液をそれぞれ固形分が1
0g(対インキ1重量%)になるように秤り取りFグロ
スインキ赤、黄、藍、紫、群青(大日本インキ化学工業
社製;ニューチャンピオン)1Kgにそれぞれに添加し
3本ロールに3回通してよく混練し、5種類のインキを
得た。合成例と実施例の対応は以下の表2に示す。
【0035】実施例14 合成例1で得られた樹脂微粒子を固形分で2g(対イン
キ0.2重量%)になる様に、秤量し前記Fグロスイン
キ1Kgに添加して3本ロールにて3回通してよく混練
し、インキを得た。
【0036】実施例15 合成例1で得られた樹脂微粒子を固形分で60g(対イ
ンキ6重量%)になる様に秤量し前記Fグロスインキ1
Kgに添加して3本ロールにて4回通してよく混練し、
インキを得た。
【0037】比較例1 比較例として何も添加していない市販の平版用インキと
してFグロスインキ(大日本インキ化学工業社製;ニュ
ーチャンピオン)を同じく評価した。
【0038】
【0039】比較例3 合成例5で得られた樹脂微粒子を固形分で10g(対イ
ンキ1重量%)になる様に秤量し前記Fグロスインキ1
Kgに添加して3本ロールにて3回通してよく混練し、
インキを得た。
【0040】得られた平版インキ17種類について各々
宮腰機械製作所製フォーム印刷機にて市販のSKコート
紙(山陽国策パルプ社製)への印刷を行った。印刷版は
富士写真フィルム製PS版SG−IIを使用し、スピード
は100m/分で印刷試験を行った。湿し水としては東
京インキ製H液No.4を1%水溶液として使用した。
試験に際して湿し水の供給量を変化させ、湿し水の供給
量の少ない条件での印刷物上の地汚れを評価し、湿し水
の供給量の多いところではインキの乳化によるインキの
転写不良の発生の有無を評価することで、各々の平版イ
ンキの水幅を評価し、結果を表2に示した。
【表2】 ◎:非常に良好。乳化、地汚れ発生せず。 ○:良好。湿し水の供給量最大、最小でほんの少し乳
化、地汚れが発生。 △:少し不良。湿し水の供給量最大、最小で乳化、地汚
れが発生。 ×:不良。湿し水の供給量最大、最小に振るまでに乳
化、地汚れが発生。
【0041】
【発明の効果】本発明の平版インキは従来の平版インキ
と比較して水幅が大幅に広がり非常に刷り易く、扱い易
いインキである。従来、平版インキを用いた印刷は非常
に技術を必要とする作業であり、実際の印刷に於いては
熟練したオペレーターが必要であった。しかし、平版イ
ンキの水幅が大幅に広がることにより熟練したオペレー
ターは必要無くなり、誰でも容易に平版印刷が刷れるよ
うになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08F 20/54 C08F 20/54 (56)参考文献 特開 昭64−45448(JP,A) 特開 平3−152102(JP,A) 特開 平3−152103(JP,A) 特開 平3−181504(JP,A) 特開 平6−73261(JP,A) 特開 平6−228244(JP,A) 特開 昭60−127344(JP,A) 特開 平5−76824(JP,A) 特開 平2−80411(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20 C08F 2/00 - 2/44 C08F 16/00 - 16/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族炭化水素媒体に可溶で、重合して
    も可溶な重合体を形成する下記化1または化2で示され
    るモノマーから成る重合体存在下で、下記化3または化
    4で示されるモノマーを前記重合体に対して40〜10
    重量%重合して得られる樹脂微粒子を含有する平版用イ
    ンキ。 【化1】 (化1中R1は水素原子、メチル基を表わし、R2は炭素
    数6〜18のアルキル基を表わす。また、X1はエステ
    ル、アミド結合を表わす。) 【化2】 (化2中R3は炭素数6〜18のアルキル基を表わし、
    2は酸素原子、メチレン基を表わす。) 【化3】 (化3中R4は水素原子、メチル基、カルボン酸基を表
    わし、R5は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基を表
    わし 、R6は水素原子、メチル基、カルボン酸基を表わ
    し、X3はエステル、アミド結合を表わす。) 【化4】 (化4中R7は水素原子、メチル基を表わし、R8は水素
    原子、炭素数1〜4のアルキル基、メトキシ基、エトキ
    シ基、フェニル基を表わし 、X4は0〜10個のエチレ
    ンオキサイド鎖を表す。)
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