JPH09157307A - 重合体微粒子及びその製造方法並びにインク組成物 - Google Patents

重合体微粒子及びその製造方法並びにインク組成物

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JPH09157307A
JPH09157307A JP34479095A JP34479095A JPH09157307A JP H09157307 A JPH09157307 A JP H09157307A JP 34479095 A JP34479095 A JP 34479095A JP 34479095 A JP34479095 A JP 34479095A JP H09157307 A JPH09157307 A JP H09157307A
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ethanol
weight
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polymer fine
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JP34479095A
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Shoji Nishihara
昭二 西原
Koji Takazawa
孝次 高澤
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散安定性に優れ、サブミクロン以下の粒子
径を有する重合体微粒子並びに貯蔵安定性、環境保全性
及び乾燥性に優れたインク組成物を提供する。 【解決手段】 (A) ラジカル重合可能な不飽和基を1個
もつ単量体と(B) ラジカル重合可能な不飽和基を2個以
上もつ架橋性単量体とを、分散安定剤の存在下、エタノ
ール/水混合溶媒中で分散重合する。平均粒径が0.0
1〜0.3μmである重合体微粒子が得られる。得られ
た重合体微粒子の分散液に染料を加えてインク組成物を
製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重合体微粒子及び
その製造方法に関し、さらに詳しくは、分散安定性に優
れた重合体微粒子及びその製造方法、並びに貯蔵安定
性、環境保全性及び乾燥性に優れたインク組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、重合体微粒子は、化粧品、イン
ク、塗料、液晶セルスペーサー等の種々の分野で使用さ
れている。特に、サブミクロンあるいはそれ以下の粒径
を有する重合体微粒子は、媒体中で分散安定性に優れ、
長期保存中に沈降しにくいため、染料等の担体としてイ
ンクや塗料の分野で注目されている。
【0003】一般に、サブミクロンあるいはそれ以下の
粒径を有する重合体微粒子の合成方法としては、水中で
の乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、トルエンなど
の非極性溶媒中での逆相乳化重合法等が挙げられる
(「高分子」、第44巻、第291頁、5月号、199
5年、社団法人高分子学会)。これらの重合法で生成し
た重合体は溶媒に分散した状態で得られるため、染料等
を添加することでそのままインクあるいは塗料に用いる
ことができ、また、生成重合体を乾燥後、別の溶媒系で
置換することもできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、インク、塗料等
の分野では環境保全の見地から、トルエン、メチルエチ
ルケトン等の有機溶媒系の代わりに水系溶媒を使用する
ことが望まれている。しかしながら、水系溶媒のインク
や塗料は有機溶媒を用いたものに比べて乾燥が遅い。こ
のため、溶媒の乾燥性及び環境適合性の両面を満足する
水系溶媒としてエタノールやエタノールを50%以上含
むエタノール/水混合溶媒が考えられる。ところが、こ
れらのエタノール系溶媒は一般に溶媒中での重合体微粒
子のミセルの形成を阻害するために、上記の乳化重合法
で合成した重合体微粒子をエタノール系溶媒に添加する
と重合体微粒子が凝集、沈殿し易い。また、従来知られ
ている分散重合や懸濁重合ではインク・塗料の分野で要
求される0.3μm以下程度の小径の微粒子を形成する
ことはできない。
【0005】本発明の目的は、分散安定性に優れ且つサ
ブミクロン以下、特に0.01〜0.3μmの粒子径を
有する重合体微粒子を提供することにある。また、本発
明は、サブミクロン以下、特に0.01〜0.3μmの
粒子径を有する重合体微粒子を含み、貯蔵安定性、環境
保全性及び乾燥性に優れた合成ラテックス及びインク組
成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従
えば、(A) ラジカル重合可能な不飽和基を1個有する単
量体と、(B) ラジカル重合可能な不飽和基を2個以上有
する架橋性単量体とを、分散安定剤の存在下、エタノー
ル/水混合溶媒中で重合することを特徴とする重合体微
粒子の製造方法が提供される。
【0007】本発明の第2の態様に従えば、本発明の重
合体微粒子の製造方法において、上記(A) +(B) 1重量
部に対して、上記分散安定剤を0.5〜2重量部、必要
に応じて、ラジカル重合性官能基を有し且つポリエチレ
ンオキシド鎖を含む単量体を0.01〜0.5重量部存
在させ、且つ過硫酸塩系の開始剤を用いて重合温度50
〜80℃にて重合された、平均粒径が0.01〜0.3
μmである重合体微粒子が提供される。
【0008】本発明の第3の態様に従えば、本発明の重
合体微粒子の製造方法において、上記(A) +(B) 1重量
部に対して、上記分散安定剤を0.5〜2重量部、必要
に応じて、ラジカル重合性官能基を有し且つポリエチレ
ンオキシド鎖を含む単量体を0.01〜0.5重量部存
在させ、且つ過硫酸塩系の開始剤を用いて重合温度50
〜80℃にて重合された、平均粒径が0.01〜0.3
μmである重合体微粒子を含む合成ラテックスが提供さ
れる。
【0009】本発明の第4の態様に従えば、上記本発明
により製造された平均粒径が0.01〜0.3μmの重
合体微粒子と、染料と、エタノールを50%以上含むエ
タノール系溶媒とを含むことを特徴とするインク組成物
が提供される。
【0010】本発明の重合体微粒子は、(A) ラジカル重
合可能な不飽和基を1個有する単量体と、(B) ラジカル
重合可能な不飽和基を2個以上有する架橋性単量体とを
共重合することにより得られる。
【0011】ラジカル重合可能な不飽和基を少なくとも
1個有する単量体(A) としては以下のものが挙げられ、
それらを単独または併用することができる。
【0012】1)アルキル(メタ)アクリレート、例え
ば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2ーエチ
ルヘキシル(メタ)アクリレートなど; 2)重合性芳香族化合物、例えば、スチレン、αーメチ
ルスチレン、t−ブチルスチレン、4−ビニルピリジン
など; 3)カルボキシル基含有単量体、例えば、アクリル酸、
メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、
フマル酸など; 4)ヒドロキシル基含有単量体、例えば、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、アリルアルコール、メタアリルアルコールな
ど; 5)含窒素アルキル(メタ)アクリレート、例えば、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレートなど; 6)重合性アミド、例えば、アクリル酸アミド、メタク
リル酸アミドなど; 7)重合性ニトリル、例えば、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリルなど; 8)重合性グリシジル化合物、例えば、グリシジル(メ
タ)アクリレートなど; 9)α−オレフィン、例えば、エチレン、プロピレンな
ど; 10)ビニル化合物、例えば、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニルなど; 11)ジエン化合物、例えば、ブタジエン、イソプレン
など。
【0013】また、分子内に2個以上ラジカル重合可能
な不飽和基を有する単量体(B) としては、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロー
ルアリロキシジ(メタ)アクリレート、1,1,1−ト
リスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、
1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メ
タ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチ
ルプロパンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリ
スヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、トリアリルトリメリテート、ジアリルテレフタレ
ート、ジアリルフタレート、アリル(メタ)アクリレー
ト、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0014】上記単量体(A) と単量体(B) との組合せと
しては、例えば、スチレンとジビニルベンゼン、スチレ
ン及びブチルアクリレートとジビニルベンゼンが好まし
い。
【0015】単量体(A) と(B) の比率は、得られる重合
体微粒子の粒径を一層小径にして良好な分散安定性を保
つために、重量比で(A) /(B) =99/1〜50/50
が好ましい。一層好ましくは、95/5〜70/30で
ある。
【0016】単量体(A) と(B) の共重合は、後述するエ
タノール/水混合溶媒中で分散安定剤の存在下で分散重
合により実行される。かかる分散安定剤として、例え
ば、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、
ポリ(2−エチル2−オキサゾリン)等のオキサゾリン
類、ポリビニルピロリドン等のピロリドン類、ポリエチ
レングリコール等のグリコール類などが挙げられる。分
散安定剤の分子量は特に限定されないが、上記単量体の
重合により形成される重合体微粒子の粒径をより小径に
するために分子量は1万以上であることが好ましい。分
散重合では、重合開始時には単量体、開始剤、分散安定
剤の全てが溶媒に溶解しており、重合開始後は、生成重
合体が溶解せずに析出する。この際、分散安定剤が析出
した重合体微粒子を取り囲み、化学的あるいは物理的吸
着によって重合生成物である微粒子中に組み込まれる。
分散安定剤の使用量は、単量体((A) +(B) )1重量部
当たり0.5〜2重量部、好ましくは単量体1重量部当
たり1.0〜1.5重量部である。単量体1重量部当た
り0.5重量部未満であると分散安定性が悪くなり、2
重量部を超えると系の粘度が高くなる。
【0017】さらに上記分散安定剤に加えて、ラジカル
重合性官能基を有し且つポリエチレンオキシド鎖を含む
単量体を系中に存在させて重合してもよい。かかる単量
体として、例えば、片末端にメタクリロイル基を有する
ポリエチレンオキシド鎖を有する単量体を挙げることが
でき、特に5〜20個のエチレンオキシドユニットを有
するものが好ましい。ラジカル重合性官能基を有し且つ
ポリエチレンオキシド鎖を含む単量体は、上記単量体
((A) +(B) )1重量部に対して0.01〜0.5重量
部存在させるのが好ましく、さらに好ましくは0.05
〜0.3重量部である。0.01重量部未満であると重
合体微粒子の分散安定性が悪くなり、0.5重量部を超
えると重合体粒子の粒径が大きくなるために好ましくな
い。このラジカル重合性官能基を有し且つポリエチレン
オキシド鎖を含む単量体は、分散重合の際に、単量体
(A) 及び(B) と共重合することによって化学結合を介し
て重合体微粒子の表面に形成される。
【0018】本発明の重合体微粒子の重合に使用される
溶媒はエタノール/水混合溶媒である。製造時の単量体
及び開始剤の溶解性並びに得られる合成ラテックスの乾
燥性の点から、エタノールと水との重量比が50/50
〜90/10であることが好ましい。
【0019】本発明に従えば、重合体微粒子の平均粒径
は、インク組成物や塗料中での重合体微粒子の分散安定
性の観点から、0.01〜0.3μmであることが好ま
しい。この範囲の平均粒径の重合体微粒子は、重合条件
及び分散安定剤の添加量を調節することによって得るこ
とができる。すなわち、上記(A) +(B) 1重量部に対し
て、上記分散安定剤を0.5〜2重量部、必要に応じ
て、ラジカル重合性官能基を有し且つポリエチレンオキ
シド鎖を含む単量体を0.01〜0.5重量部存在さ
せ、且つ過硫酸塩系の開始剤を用いて重合温度50〜8
0℃にて重合することによって得らることができる。
【0020】上記のようにして製造した重合体微粒子
は、エタノール/水混合媒体中で分散した状態(合成ラ
テックス)のままインクや塗料等の各種用途に使用する
こともできるが、溶媒置換、共沸、遠心分離、濾過、乾
燥などの手段により混合溶媒を除去して使用してもよ
い。
【0021】本発明によれば、本発明の製造方法で製造
された重合体微粒子を用いて、染料、エタノール系溶媒
を含むインク組成物を製造することができる。エタノー
ル系溶媒はエタノールあるいはエタノールが50%以上
のエタノールと水との混合溶媒にし得る。かかるインク
組成物は、上記の製造方法で製造された重合体微粒子を
含む合成ラテックスに染料を添加することで容易に調製
できる。こうして得られたインク組成物は、染料が重合
体微粒子に付着した状態で存在しているために、印字あ
るいは印刷した際にインクのにじみを防ぐことができ
る。しかも、エタノールを含む溶媒を使用しているので
印字あるいは印刷した時の乾燥性及び環境性に優れる。
【0022】本発明のインク組成物に使用される有機染
料としては、例えば、酸性染料、直接染料、カチオン系
染料、媒染染料、酸性媒染染料、硫化染料、硫化建染染
料、建染染料、可溶性建染染料、アゾイック染料、分散
染料、反応性染料、酸化染料、合成繊維用染料、蛍光増
白剤等が好ましく、これらに限らず任意の有機染料を使
用できる。また、これらの有機染料を単独あるいは2種
以上混合して使用してもよい。
【0023】本発明のインク組成物中には重合体微粒子
の重合の際に使用した分散安定剤としての樹脂が含まれ
ているが、必要であれば他の樹脂を添加してもよい。例
えば、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸
エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ベンゾグアナミン
樹脂、アルキド樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、芳香族スルホンアミド樹脂、スチロール
樹脂などが挙げられる。樹脂は単独あるいは2種以上混
合して使用してもよい。
【0024】本発明のインク組成物は、インクジェット
プリンタ用インク、一般の印刷インクや塗料として、あ
るいは液晶ディスプレイのカラーフィルター作製用など
の特殊な用途にも使用することができる。それらの用途
に応じて本発明のインク組成物に適宜添加剤を加えても
よい。例えば、インクジェットプリンタ用インクとして
使用する場合、印字ヘッドの目詰まり防止剤、インクの
消泡剤、乾燥剤、殺菌剤、保湿剤、pH調整剤、印字へ
の耐水性付与剤などのインクジェットプリンタ用インク
に従来から用いられている各種添加剤を加えることがで
きる。
【0025】
【実施例】
〔重合体微粒子の製造〕 実施例1 冷却管、攪拌装置及び単量体投入用の500mlの滴下ロ
ートを装着した2リットルの三つ口フラスコに、エタノ
ール240g、水150g及びポリビニルピロリドン
(和光純薬製、商品名:K−30 分子量4万)40g
を加え、オイルバス中で70℃に加熱した。一方、スチ
レン60g及びジビニルベンゼン20gよりなる単量体
組成物をエタノール380g及び水150gに溶解し、
更に開始剤である過硫酸アンモニウム1gを溶解させ
て、この溶液を前記滴下ロートからフラスコ内に攪拌下
で5時間に渡って滴下した。滴下開始から20時間後に
重合を終了した。得られた重合体分散液中の重合体微粒
子の粒径をDLS(Dynamic Laser Light Scattering)
により測定したところ、0.12μmであった。
【0026】実施例2 冷却管、攪拌装置及び単量体投入用の500mlの滴下ロ
ートを装着した2リットルの三つ口フラスコに、エタノ
ール240g、水150g及びポリビニルピロリドン
(和光純薬製,商品名:K−30 分子量4万)50g
を加え、オイルバス中で70℃に加熱した。一方、スチ
レン50g、ジビニルベンゼン15g、アクリル酸10
gよりなる単量体組成物を、エタノール350g及び水
150gよりなる混合溶媒中に溶解し、更に過硫酸アン
モニウム1gを溶解させて、この溶液を上記滴下ロート
からフラスコ内に攪拌下で5時間に渡って滴下した。滴
下開始から20時間後に重合を終了した。得られた重合
体分散液中の重合体微粒子の粒径をDLSにより測定し
たところ、0.06μmであった。
【0027】実施例3 冷却管、攪拌装置及び単量体投入用の500mlの滴下
ロートを装着した2リットルの三つ口フラスコに、エタ
ノール240g、水150g及びポリビニルピロリドン
(和光純薬製、商品名:K−30 分子量4万)10g
を加え、オイルバス中で70℃に加熱した。一方、スチ
レン40g、ジビニルベンゼン15g、片末端にメタク
ロイル基を有するポリエチレンオキシドマクロモノマー
(新中村化学、商品名:M−90G)6gよりなる単量
体組成物を、エタノール350g及び水150gからな
る混合溶媒に溶解し、更に過硫酸カリウム1gを溶解さ
せて、この溶液を滴下ロートからフラスコ内に攪拌下で
5時間に渡って滴下した。滴下開始から20時間後に重
合を終了した。得られた重合体分散液中の重合体微粒子
の粒径をDLSにより測定したところ、0.08μmで
あった。
【0028】比較例1 冷却管、攪拌装置及び単量体投入用の500mlの滴下ロ
ートを装着した2リットルの三つ口フラスコに、エタノ
ール240g、水150g及びポリビニルピロリドン
(和光純薬製,商品名:K−30 分子量4万)40g
を加え、オイルバス中で70℃に加熱した。一方、単量
体としてスチレン100gをエタノール380g及び水
150gよりなる混合溶媒に溶解し、更に過硫酸アンモ
ニウム1gを溶解させて、この溶液中を上記滴下ロート
からフラスコ内に攪拌下で5時間に渡って滴下した。滴
下開始から20時間後に重合を終了した。得られた重合
体分散液中の重合体微粒子の粒径をDLSにより測定し
たところ、0.35μmであった。
【0029】実施例1〜3及び比較例1で得られた重合
体分散液を、50℃の恒温槽中に100時間保存して貯
蔵安定性を試験した。実施例1〜3の分散液中の微粒子
は沈降していなかったが、比較例1の分散液中の微粒子
は全て沈降した。
【0030】〔インク組成物の調製〕 実施例4 実施例1で得られた重合体微粒子の分散液100重量部
にローダミンBエキストラを0.2重量部を添加し、攪
拌、混合して蛍光顔料インクを得た。このインクをイン
クジェットプリンター(ヒューレット・パッカード社製
Deskjet 505J)で紙上に印刷し、印字物を得た。
【0031】実施例5 実施例2で得られた重合体微粒子の分散液100重量部
にローダミンBエキストラを0.2重量部を添加し、攪
拌、混合して蛍光顔料インクを得た。このインクを実施
例4で用いたインクジェットプリンターで紙上に印刷
し、印字物を得た。
【0032】実施例6 実施例3で得られた重合体微粒子の分散液100重量部
に、Kayacryl Blue N2G 0.2重量部を添加し、攪拌、
混合して青色顔料インクを得た。このインクを実施例4
で用いたインクジェットプリンターで紙上に印刷し、印
字物を得た。
【0033】実施例7 実施例1で得られた重合体微粒子の分散液100重量部
に、IR820Bを0.2重量部添加し、攪拌、混合し
て青色顔料インクを得た。このインクを実施例4で用い
たインクジェットプリンターで紙上に印刷し、印字物を
得た。
【0034】比較例2 実施例1で得られた重合体微粒子の分散液を乾燥後、重
合体微粒子12重量部に水88重量部を添加した。これ
を、3時間ボ−ルミルで攪拌後、Kayacryl Blue N2G
0.2重量部を添加し、攪拌・混合して青色顔料インク
を得た。このインクを実施例4で用いたインクジェット
プリンターで紙上に印刷し、印字物を得た。
【0035】比較例3 ポリビニルピロリドン12重量部とKayacryl Blue N2G
0.2重量部をエタノール60重量部と水28重量部に
溶解して青色染料インクを得た。このインクを実施例4
で用いたインクジェットプリンターで紙上に印刷し、印
字物を得た。
【0036】比較例4 比較例1で得られた重合体微粒子の分散液100重量部
に、Kayacryl Blue N2G 0.2重量部を添加し、攪拌、
混合して青色顔料インクを得た。このインクを実施例4
で用いたインクジェットプリンターで紙上に印刷し、印
字物を得た。
【0037】〔貯蔵安定性試験〕上記実施例及び比較例
で製造した重合体微粒子の分散液及び作製したインクを
50℃の恒温槽中に100時間保存した後、重合体微粒
子の沈降を調べた。
【0038】〔乾燥性試験〕上記作製したインクを普通
紙上に実施例4で用いたインクジェットプリンタで印字
し、印字から0.5秒後に指でこすり、印字がそのまま
であれば○、かすれた場合には×と評価した。
【0039】〔滲み込み性試験〕上記作製したインクを
普通紙上にインクジェットプリンタで印字し、ノズル口
径に対して印字されたドット径を測定した。実施例4で
得られたインクによる印字を基準にしてその広がりが1
0%以下の場合を○、10%以上の場合を×として評価
した。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかなように、実施例1〜3で
製造された本発明の重合体微粒子は沈降がなく分散安定
性に優れ、実施例4〜7で作製された重合体微粒子を含
む本発明のインク組成物は、染料の担体である重合体微
粒子の分散安定性に優れるだけでなく、印字物の乾燥性
及び耐滲み込み性に優れていることがわかる。
【0042】
【発明の効果】本発明の方法により製造された重合体微
粒子は、インク組成物や塗料用に好適な粒径を有し、エ
タノールまたはエタノール/水混合溶媒中で優れた安定
性を示す。従って、本発明の重合体微粒子を用いたイン
ク組成物は染料の沈降がなく、乾燥性に優れ、しかも耐
滲み込み性に優れている。また、本発明のインク組成物
はエタノール系溶媒であるので環境適合性にも優れてい
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) ラジカル重合可能な不飽和基を1個
    有する単量体と、(B)ラジカル重合可能な不飽和基を2
    個以上有する架橋性単量体とを、分散安定剤の存在下、
    エタノール/水混合溶媒中で重合することを特徴とする
    重合体微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記分散安定剤の分子量が1万以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の重合体微粒子の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 上記エタノール/水混合溶媒のエタノー
    ル/水の重量比が50/50〜90/10であることを
    特徴とする請求項1記載の重合体微粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記(A) +(B) 1重量部に対して、上記
    分散安定剤を0.5〜2重量部存在させ、且つ過硫酸塩
    系の開始剤を用いて、重合温度50〜80℃にて重合す
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の
    重合体微粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 さらに、ラジカル重合性官能基を有し且
    つポリエチレンオキシド鎖を含む単量体を、上記(A) +
    (B) 1重量部に対して0.01〜0.5重量部存在させ
    て重合することを特徴とする請求項4記載の重合体微粒
    子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の製造方法で製造
    された平均粒径が0.01〜0.3μmである重合体微
    粒子。
  7. 【請求項7】 請求項4または5記載の製造方法で製造
    された平均粒径が0.01〜0.3μmである重合体微
    粒子を含むことを特徴とする合成ラテックス。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の重合体微粒子と、染料
    と、エタノールを50%以上含むエタノール系溶媒とを
    含むことを特徴とするインク組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002042338A1 (fr) * 2000-11-22 2002-05-30 Sekisui Chemical Co., Ltd. Particules de resine reticulees, emulsion de particules de resine reticulees destinee a etre utilisee lors de la production desdites particules de resine reticulees et procede pour produire lesdites particules de resine reticulees
CN111712526A (zh) * 2017-11-10 2020-09-25 Ddp特种电子材料美国公司 组分加成聚合

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WO2002042338A1 (fr) * 2000-11-22 2002-05-30 Sekisui Chemical Co., Ltd. Particules de resine reticulees, emulsion de particules de resine reticulees destinee a etre utilisee lors de la production desdites particules de resine reticulees et procede pour produire lesdites particules de resine reticulees
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