JP5594228B2 - 2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを含む重合体、分散剤及び顔料分散液 - Google Patents

2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを含む重合体、分散剤及び顔料分散液 Download PDF

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Description

本発明は、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを含む重合体、分散剤及び顔料分散液に関する。
顔料分散液には、取扱い性および各種塗布方法における塗布適性の点から、低粘度であること並びに分散液の粘度を長期間に渡り維持できるような分散安定性が要求される。更に、最近では印刷物の鮮映性及び隠蔽性向上の目的から微粒分散が求められるめ、これに対応可能な分散性の優れた分散剤の要求が高まっている。
カーボンブラック等の顔料にアクリル系高分子等の高分子分散剤を配合した顔料インク及び顔料分散体が提案されている(特許文献1〜3)。しかし、これら顔料インク及び顔料分散体では、分散剤として用いられるアクリル系高分子の顔料への吸着が十分ではないため、分散液の粘度、分散安定性および分散粒径の点で十分なものではなかった。更に取扱い時に泡立ちが見られる場合があるという課題もあった。
ところで、低粘度の反応希釈剤として、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラート(東亞合成株式会社製、オキサゾリドンアクリレート、商品名:アロニックスMT−1000)が知られている。このオキサゾリドンアクリレートは、低粘度であるため、インクジェットインキやグラビアインキ分野に適用されている。
また、インキ及びコーティング剤に用いる重合体の単量体成分として、オキサゾリドンアクリレートが例示されている(特許文献4及び5)。しかし、これらの重合体は、乳化重合によって得られるものであり、重合時に使用する乳化剤に起因して泡立ちし易いという問題がある。加えて、最終製品中にも乳化剤が混入するため、耐水・耐湿性及び耐熱性が劣ることが懸念される。また、これらに記載の重合体はいずれも分散剤として使用できるものではない。
特表平10−502097号公報 特開平6−100810号公報 特開平11−12528号公報 特開平10−7752号公報 特開平5−214042号公報
本発明の目的は、顔料の微粒分散が可能であり、得られる顔料分散液の粘度も低く、且つ長期間に渡り安定な顔料の分散性を維持することができる、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを含む重合体、前記重合体を含む分散剤及び前記分散剤を含む顔料分散液を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、顔料分散剤及び顔料分散液に、単量体成分として、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを含み、水及び/又は有機溶剤を媒体とした溶液重合により製造される重合体を用いることで、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の重合体、分散剤及び顔料分散液に関する。
1. 単量体成分として、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを含み、水及び/又は有機溶剤を媒体とした溶液重合により製造される重合体。
2. 単量体成分として、更に(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群から選ばれる化合物を含み、前記2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを5〜99重量%、及び前記(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群から選ばれる化合物を1〜95重量%含む、前記項1に記載の重合体。
3. 重量平均分子量が2000〜50000である、前記項1又は2に記載の重合体。
4. 前記項1〜3に記載の重合体を含む分散剤。
5. 前記項4に記載の分散剤を含む顔料分散液。
本発明の重合体によれば、顔料の微粒分散が可能であり、得られる分散液の粘度も低く、且つ長期間に渡り安定な分散性を維持することができる。本発明の重合体は、更に、取扱いの際に泡立ち等の不具合が発生することもない。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の重合体は、単量体成分として、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを含み、水及び/又は有機溶剤を媒体とした溶液重合により製造されることを特徴とする。
この様に、本発明の重合体は、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを単量体成分として含むため、そのオキサゾリドン構造が、カーボンブラック及びフタロシアニングリーン等の顔料と強い吸着力を示すことができる。また、オキサゾリドン構造を含む重合体に顔料を分散させると、顔料の分散性が優れるため、低粘度の顔料分散液が得ることができ、顔料の分散性を長期間保つことができる。このため、本発明の重合体は、塗料及びインクの原料として有用である。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
(1)重合体を構成する単量体成分
単量体成分である2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートは、以下の化学式で表される。
Figure 0005594228
2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートは、例えば、アロニックスMT−1000(オキサゾリドンアクリレート)として東亞合成株式会社から市販されており、水溶性アクリレートであり、淡黄色の液体である。
重合体の単量体成分として、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを含むことで、重合体の(共)重合性が優れ、重合体を分散剤として用いた場合には、優れた顔料分散性を得ることができる。
重合体は、単量体成分として、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートのみを含有しても良いし、更に(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群から選ばれる化合物を含有しても良い。
本発明の重合体は、単量体成分として、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを含むものであり、この重合体は、水及び/又は有機溶剤を媒体(溶媒)とした溶液重合により製造される。この様に、前記重合媒体は、水系(水及びアルコール等を含む)と有機溶剤系に大別される。重合媒体については、後述する。
溶液重合に水系媒体を用いる場合、顔料分散液の溶媒への親和性に優れ、顔料の分散性が向上するという理由から、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる成分を用いることが好ましい。
溶液重合に有機溶剤系媒体を用いる場合、(メタ)アクリル酸アルキルエステル用いることが好ましく、アルキル基が、炭素数1〜18の炭化水素基であるものが好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基が、炭素数1〜12であるものがより好ましい。更に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中でも、顔料分散液の溶媒への親和性に優れ、顔料の分散性が向上するという理由から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルから選ばれる(メタ)アクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましく、(メタ)アクリル酸メチルを用いることがより好ましい。
2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートの含有割合は、顔料への吸着力が増し、顔料の分散性を向上させることができるという理由から、重合体に含まれる全単量体を100重量%とした場合、単量体成分として、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートのみを含有しても良いし、5〜99重量%が好ましく、10〜80重量%がより好ましい。
(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群から選ばれる化合物の含有割合は、分散安定性の点から、重合体に含まれる全単量体を100重量%とした場合、1〜95重量%が好ましく、20〜90重量%がより好ましい。
本発明の重合体には、その他の単量体成分として、更に、不飽和酸無水物、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、芳香族ビニル化合物、含窒素不飽和化合物、不飽和スルホン酸、不飽和アミド及びポリアルキレンオキシド骨格を含む(メタ)アクリル酸のエステル等を含んでもよい。
不飽和酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、β−メチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
含窒素不飽和化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
不飽和スルホン酸としては、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、アクリロキシベンゼンスルホン酸、メタクリロキシベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチルアクリレート等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
不飽和アミドとしては、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリアルキレンオキシド骨格を含む(メタ)アクリル酸のエステルとしては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、ポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数は、2以上。)のモノ(メタ)アクリル酸エステル;メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の、アルコキシポリアルキレングリコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら不飽和酸無水物、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、芳香族ビニル化合物、含窒素不飽和化合物、不飽和スルホン酸、不飽和アミド及びポリアルキレンオキシド骨格を含む(メタ)アクリル酸のエステル等の単量体成分の含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができ、重合体に含まれる全単量体を100重量%とした場合、30重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましい。
(2)重合工程
単量体成分として、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを含む本発明の重合体は、水及び/又は有機溶剤を媒体(溶媒)とした溶液重合により製造されるものである。
溶液重合には、重合開始剤として過酸化物及びアゾ化合物を用いることが好ましい。
過酸化物としては、過酸化水素;過硫酸塩(過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等)等の無機過酸化物;ハイドロパーオキサイド(クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等)、ジアルキルパーオキサイド(tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等)、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル(tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート等)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、過コハク酸等の有機過酸化物が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記開始剤の中でも、重合安定性が良い点から、水系(水及びアルコール等を含む)を重合媒体として用いる場合は過硫酸アンモニウム等の過酸化物を用いることが好ましく、有機溶剤系を重合媒体として用いる場合は2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物を用いることが好ましい。
過酸化物及びアゾ化合物は夫々、単独で使用しても良いし、組み合わせて用いても良い。
重合開始剤の使用量は、その種類、重合条件等により選択されるが、安定に重合を行うために、前記重合体に含まれる全単量体100重量に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。
水系媒体における溶液重合の場合の反応系のpHは、エステル系単量体の安定性が良好となるという理由から、3〜10の範囲であることが好ましく、4〜9の範囲であることがより好ましい。
溶液重合の重合温度は、単量体の種類及び重合開始剤の種類等により、適宜、選択されるが、通常、40〜120℃であることが好ましく、60〜100℃であることがより好ましい。溶液重合は、この温度範囲において、一定温度で進めてもよいし、昇温及び/又は降温を組み合わせて進めてもよい。
溶液重合に要する重合時間は、好ましくは30分間以上、より好ましくは1時間以上である。但し、上限は、通常、8時間である。
溶液重合では、分子量を調節するための連鎖移動剤等を併用してもよい。
連鎖移動剤としては、メルカプト基含有化合物(エタンチオール、ブタンチオール、ドデカンチオール、ベンゼンチオール、トルエンチオール、α−トルエンチオール、フェネチルメルカプタン、メルカプトエタノール、3−メルカプトプロパノール、チオグリセリン、チオグリコール酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、α−メルカプトイソ酪酸、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸エチル、チオ酢酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、tert−テトラデシルメルカプタン等)、キサントゲンジスルフィド化合物(ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等)、チウラムジスルフィド化合物(テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等)、ハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、臭化エチレン等)、芳香族炭化水素(ペンタフェニルエタン、α−メチルスチレンダイマー等)等が挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
連鎖移動剤の使用量は、その種類、重合条件等により異なるが、前記重合体の単量体成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部程度である。
重合時の媒体には、水及び/又は有機溶剤が用いられる。
水系の重合媒体を使用する場合は、水単独で用いても良いし、水と有機溶剤の混合液を用いても良い。この場合、有機溶剤としては水への溶解度の高いものが好ましく、メタノール、エタノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)、1−プロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。これら溶剤の中でも、重合反応を制御しやすいという理由から、水とイソプロピルアルコールの混合液を用いることが好ましい。
水とイソプロピルアルコールの混合液を用いる場合、水とイソプロピルアルコールの混合比は、単量体の溶解性が良好で、重合安定性に優れるという理由から、90:10〜10:90程度が好ましく、80:20〜20:80程度がより好ましく、70:30〜30:70程度が更に好ましい。
また、有機溶剤のみを重合媒体とする場合は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン及びジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール(イソプロピルアルコール)、1−プロパノール、1−ブタノール及びtert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム及び塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン及びトルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル及び酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びプロピレングリコール等のグリコール、並びにこれらグリコールのグリコールエーテル及びグリコールエーテルアセテートが挙げられる。例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル及びエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル及びエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル及びエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル及びジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及びジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールエチルエーテル及びトリエチレングリコールエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテル及びトリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。これら溶剤の中でも、重合反応を制御しやすいという理由から、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いることが好ましい。
溶液重合後の反応液には、主として、上記(共)重合体が含まれている。但し、単量体の種類、重合条件等によって、未反応の単量体、この単量体が加水分解して生成したアルコール等が含まれることがあり、このような場合には、公知の方法により、除去又は低減化を図ることが好ましい。
具体的には、例えば、水及びイソプロピルアルコール(IPA)の重合媒体(水系)では、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートにアクリル酸(AA)を組み合わせ、開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)等の過硫酸塩を用いて、重合することが好ましい。また、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)の重合媒体(有機溶剤系)では、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートにアクリル酸メチル(MA)を組み合わせ、開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65)等のアゾ系開始剤を用いて、重合することが好ましい。
(3)重合体
本発明の重合体の重量平均分子量(Mw)は、顔料の分散性を長期間保つことができ、低粘度の顔料分散液が得られるという理由から、2000〜50000であることが好ましく、4000〜20000であることがより好ましい。この重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリアクリル酸ナトリウム等の標準物質を用いて測定することができる。
(4)分散剤
本発明の分散剤は、後述の顔料を分散させるための剤であり、上述の2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを含む重合体及び溶剤を含むものである。
溶剤は、例えば、前述の溶液重合に用いた媒体(溶媒)とすることが好ましい。例えば、水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルを使用することができる。
本発明においては、上記溶液重合が水系媒体(溶媒)を用いた場合、必要に応じて、中和工程を備えることができる。即ち、上記溶液重合により得られた(共)重合体が有する酸基(−COOH及び−SOH)を一部中和又は完全中和するものである。中和工程に用いられる中和剤としては、水酸化ナトリウム(水溶液)、アンモニア(水溶液)及び水酸化カリウム(水溶液)等が挙げられる。
分散剤のpHは、エステル系単量体の安定性が良好となるという理由から、通常、3〜10の範囲にあることが好ましく、4〜9の範囲にあることがより好ましい。
上記溶液重合に用いた水性媒体が、水及び有機溶剤を含有した場合には、この中和工程の前に、有機溶剤を留去する工程を備えてもよい。上記溶液重合に用いた溶剤を減圧留去等して、分散剤に含まれる重合体及び溶剤の濃度を調整しても良い。
分散剤は、固形分として、上記重合体を20〜60重量%含むことが好ましく、30〜50重量%含むことがより好ましい。
分散剤の粘度は、取扱い性の点から、通常、5,000mPa・s以下であることが好ましく、1,000mPa・s以下であることがより好ましい。
(5)顔料分散液
本発明の分散剤を含む顔料分散液は、上記分散剤に顔料が分散してなるものである。
顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の有機顔料及び無機顔料などが挙げられる。
有機顔料及び無機顔料としては、例えば、黒色顔料、緑色顔料、赤色顔料、マゼンタ顔料、白色顔料、黄色顔料、青色顔料、シアン顔料、橙色顔料、紫色顔料及び褐色顔料等が挙げられる。
黒色顔料としては、C.I.ピグメントブラック 1等のインダジン顔料、7であるカーボンブラック、10であるグラファイト、11であるマグネタイト、20等のアントラキノン顔料、31、32等のペリレン顔料が好ましい。
緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン 1、4等の染付けレーキ顔料、7、36等のフタロシアニン顔料(フタロシアニングリーン)、8等のアゾメチン金属錯体顔料が好ましい。
赤色又はマゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド 3等のモノアゾ系顔料、193等のモノアゾレーキ顔料、38等のジスアゾ顔料、2、5、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、22、23、31、32、112、114、146、147、150、170、187、188、210、213、238、245、253、256、258、266、268、269等のナフトールAS顔料、3、4、6等のβ−ナフトール顔料、49、53、68等β−ナフトールレーキ顔料、237、239、247等のナフトールASレーキ顔料、41等のピラゾロン顔料、48、52、57、58、63、64:1、200等のBONAレーキ顔料、81:1、169、172等のキサンテンレーキ顔料、88、181等のチオインジゴ顔料、122、202(C.I.ピグメントバイオレット 19との混合物を含む)、123、149、178、179、190、224等のペリレン顔料、144、166、214、220、221、242、262等の縮合アゾ顔料、168、177、263等のアントラキノン顔料、83等のアントラキノンレーキ顔料、171、175、176、185、208等のベンズイミダゾロン顔料、207、209、262等のキナクリドン顔料、254、255、264、270、272等のジケトピロロピロール顔料、257、271等のアゾメチン金属錯体顔料が好ましい。
白色顔料としては、C.I.ピグメントホワイト4である酸化亜鉛、6である酸化チタン、7である硫化亜鉛、12である酸化ジルコニウム(ジルコニウムホワイト)、18である炭酸カルシウム、19である酸化アルミニウム・酸化ケイ素(カオリンクレー)、21又は22である硫酸バリウム、23である水酸化アルミニウム(アルミナホワイト)、27である酸化ケイ素、28であるケイ酸カルシウムが好ましい。白色顔料に使用される無機粒子は単体でもよいし、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン等の酸化物や有機金属化合物、有機化合物との複合粒子であってもよい。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、10、65、73、74、75、97、98、111、116、130、167、205等のモノアゾ顔料、61、62、100、168、169、183、191、206、209、212等のモノアゾレーキ顔料、12、13、14、16、17、55、63、77、81、83、97、83、124、126、127、152、155、172、174、176、214、219等のジスアゾ顔料、24、108、193、199等のアントラキノン顔料、60等のモノアゾピラゾロン顔料、93、95、128、166等の縮合アゾ顔料、109、110、139、173、185等のイソインドリン顔料、120、151、154、175、180、181、194等のベンズイミダゾロン顔料、117、150、153等のアゾメチン金属錯体顔料、138等のキノフタロン顔料、213等のキノキサリン顔料が好ましい。
青色又はシアン顔料としては、C.I.プグメントブルー25、26等のナフトールAS顔料、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17:1等のフタロシアニン顔料、1、24:1、56等の染付けレーキ顔料、60等のアントラキノン系顔料が好ましい。
橙色顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ 1等のモノアゾ顔料、2、3、5等のβ−ナフトール顔料、4、24、38、74等のナフトールAS顔料、13、34等のピラゾロン顔料、36、60、62、64、72等のベンズイミダゾロン顔料、15、16等のジスアゾ顔料、17、46等のβ−ナフトールレーキ顔料、19等のナフタレンスルホン酸レーキ顔料、43等のペリノン顔料、48、49等のキナクリドン顔料、51等のアントラキノン系顔料、61等のイソインドリノン顔料、66等のイソインドリン系顔料、68等のアゾメチン金属錯体顔料、71、73、81等のジケトピロロピロール顔料が好ましい。
褐色顔料としては、C.I.ピグメントブラウン 5等のBONAレーキ顔料、23、41、42等の縮合アゾ顔料、25、32等のベンズイミダゾロン顔料が好ましい。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット 1、2、3、27等の染付けレーキ顔料、13、17、25、50等のナフトールAS顔料、5:1等のアントラキノンレーキ顔料、19等のキナクリドン顔料、23、37等のジオキサジン顔料、29等のペリレン顔料、32等のベンズイミダゾロン顔料、38等のチオインジゴ顔料が好ましい。
これら顔料の中でも、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートとの吸着性が強く、低粘度の顔料分散液が得られるという理由から、フタロシアニングリーン及びカーボンブラック等の顔料を用いることが好ましい。
分散剤と混合する顔料の平均粒径(分散前粒径)は、顔料の分散に適しているという理由から、0.01〜50μmが好ましく、0.1〜30μmがより好ましく、0.5〜25μmが更に好ましい。
本発明の顔料分散液には、上記分散剤及び顔料に、必要に応じて、溶剤を更に追加して、分散剤及び顔料の濃度を調整することや、顔料分散液の粘度を調整することができる。追加する溶剤としては、例えば、前述の溶液重合で用いる媒体(溶媒)と同種類の溶剤を用いることができ、例えば、水及びプロピレングリコールモノメチルエーテルを使用することができる。
本発明の顔料分散液は、顔料及び分散剤を公知の方法で均一に混練分散して調製することができる。分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、ソルトミル、アトライター、ロールミル、アジテーター、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル及びペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。例えば、特定溶剤中に分散剤及び顔料をを添加し、ジルコニアビーズを充填したビーズミルで分散させ(粉砕処理)、所定の平均粒径が得られるまで分散を行い、顔料分散液を得ることができる。この様にして、顔料が分散剤に被覆された顔料分散液を得ることができる。
顔料分散液のpHは、エステル系単量体の安定性が良好となるという理由から、通常、3〜10の範囲にあることが好ましく、4〜9の範囲にあることがより好ましい。
前記顔料分散液の粘度は、取扱いが容易であるという理由から低粘度であることが好ましい。顔料分散液の粘度はE型粘度計又はB型粘度計等の回転粘度計を用いて測定することができ、例えばE型粘度計の10rpm粘度においては、通常、200mPa・s以下であることが好ましく、150mPa・s以下であることがより好ましい。更に、この顔料分散液の粘度は貯蔵期間中もできる限り変動が少なく、低い粘度が保たれていることが好ましい。
顔料分散液中の顔料(分散剤被覆顔料)の粒径は、印刷物の鮮映性や塗布物の遮蔽性が良好であるという理由から、0.005〜0.5μmが好ましく、0.01〜0.45μmがより好ましく、0.015〜0.4μmが更に好ましい。尚、顔料の粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置UPA−250(日機装製)を用いて測定することができる。
顔料分散液に含まれる前記分散剤の濃度は、分散安定性が良好であるという理由から、5〜20重量%であることが好ましい。
顔料分散液に含まれる前記顔料の濃度は、高すぎると分散液の粘度が高くなり、低すぎると十分な鮮映性及び遮蔽性が得られないという理由から、5〜50重量%であることが好ましい。また、同様の理由から顔料分散液に含まれる前記溶剤の濃度は、30〜90重量%であることが好ましい。
(6)用途
本発明の顔料分散液は、顔料の分散性を長期間保つことができ、顔料分散液を低粘度とすることができることから、流動性に優れるため、特に印刷用途に好ましく使用できるものである。本発明の組成物の使用方法としては常法に従えば良く、通常の方法に従い、基材上に印刷又は塗布した後、水及び/又は有機溶剤を乾燥除去する方法等が挙げられる。この際、必要に応じて加熱等の操作により架橋が施されても良い。
本発明の顔料分散液を適用する基材としては、セルロースを主成分とした普通紙;ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート及びポリイミド等のプラスチックフィルム又はシート;これらプラスチックで処理した紙;金属;並びに木材及び合成木材等が挙げられる。本発明の顔料分散液は、特に紙及びプラスチックフィルムに対して好適に用いられる。
基材に顔料分散液を塗布又は印刷する方法としては、常法に従えば良く、オフセット、グラビアオフセット、グラビア、スクリーン及びインクジェット等が挙げられる。本願発明の顔料分散液は低粘度であるため、特にインクジェット方式に好ましく使用できる。
水及び/又は有機溶剤の乾燥は、室温または加熱条件下で行われる。加熱される際は、通常40〜150℃程度の温度で水及び/又は有機溶剤が乾燥除去される。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。尚、下記において、「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
(1)実施例1
攪拌機及びコンデンサを備えたフラスコへ、脱イオン水180g及びイソプロピルアルコール(IPA)120gを仕込み80℃に保持した。この反応器へ、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラート(東亞合成製アロニックスMT−1000)を100g、アクリル酸(AA)200gを混合した単量体300g、及び、15%過硫酸アンモニウム(APS)水溶液40gを4時間かけて供給した(チャージ)。滴下終了後、反応液を80℃で1時間保持した。次いで、脱イオン水を投入しながらイソプロピルアルコールを減圧留去した。その後、反応液を50℃に保持し、32%水酸化ナトリウム水溶液を供給して中和した。この様にして、固形分濃度が40重量%、pHが4.5の分散剤E1を得た。
分散剤E1の重量平均分子量(Mw)を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。GPCの測定条件は、HLC8020システム(東ソー(株)製)を使い、カラムはG4000PWxl、G3000PWxl、G2500PWxl(東ソー(株)製)を連結して使用し、溶離液は0.1MNaCl+リン酸バッファー(PH7)とし、検量線はポリアクリル酸Na(創和科学製)を使用して作成した(カラム温度:40℃、流量;0.8ミリリットル/分、検出器温度:40℃)。測定の結果、Mwは9000であった。
円筒形容器へ、分散剤E1を1.69g、脱イオン水11.06g、カーボンブラック(EVONICDEGUSSA製ColorBlackS160)2.25g、メディア(ジルコニアビーズ)30gを投入した。ペイントシェーカーで1時間粉砕した後、ポリネットでジルコニアビーズを濾別し、カーボンブラックの分散液A1を得た。
分散液A1の粉砕当日の粘度、及び、25℃で7日放置後の粘度を、E型粘度計を用いて25℃で10rpm及び100rpmの条件で測定した。分散液の粉砕当日の10rpm粘度は82mPa・s、100rpm粘度は20mPa・s、7日後の10rpm粘度は92mPa・s、100rpm粘度は23mPa・sであった。
また、分散液の粉砕当日の顔料(分散剤被覆顔料)のメジアン粒径を、動的光散乱式粒度分布測定装置UPA−250(日機装製)を用いて測定した。メジアン粒径は0.21μmであった。
(2)実施例11
攪拌機及びコンデンサを備えたフラスコへ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)440gを仕込み85℃に保持した。この反応器へ、アロニックスMT−1000を100g、アクリル酸メチル200gを混合した単量体300g、及び、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業製V−65)の5%PGM溶液10gを6時間かけて供給した。滴下終了後、反応液を85℃で1時間保持した。このようにして、固形分濃度が40重量%の分散剤E11を得た。
分散剤E11のMwを、GPCで測定した。GPCの測定条件は、HLC8020システムを使い、カラムはGMHxl−Lを4本連結して使用し、溶離液はTHFとし、検量線はポリスチレン(東ソー製)を使用して作成した。測定の結果、Mwは17000であった。
円筒形容器へ、分散剤E11を1.69g、PGM11.06g、カーボンブラック(EVONICDEGUSSA製ColorBlackS160)2.25g、メディア(ジルコニアビーズ)30gを投入した。ペイントシェーカーで1時間粉砕した後、ポリネットでジルコニアビーズを濾別し、カーボンブラックの分散液A11を得た。
分散液A11の粉砕当日の10rpm粘度は80mPa・s、100rpm粘度は19mPa・s、7日後の10rpm粘度は90mPa・s、100rpm粘度は22mPa・sであった。
また、分散液の粉砕当日の顔料(分散剤被覆顔料)のメジアン粒径は0.20μmであった。
(3)比較例5
攪拌機及びコンデンサを備えたフラスコへ、脱イオン水250gを仕込み80℃に保持した。次いで、脱イオン水340g、ラテムルE−118B(花王製)を10g、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラート(東亞合成製アロニックスMT−1000)を100g、アクリル酸エチル300gをホモミキサーで乳化したプレエマルションを調整し、フラスコへ7.5g投入した。さらに、15%過硫酸アンモニウム水溶液を、フラスコへ15g投入した。30分保持した後、プレエマルション742g、15%過硫酸アンモニウム水溶液15gを4時間かけて供給した。滴下終了後、反応液を80℃で1時間保持した。この様にして、固形分濃度が40重量%、PHが4.5の分散剤C5を得た。Mwは、GPCでピークが検出されず測定できなかった。
円筒形容器へ、分散剤C5を1.69g、脱イオン水11.06g、カーボンブラック(EVONICDEGUSSA製ColorBlackS160)2.25g、メディア(ジルコニアビーズ)30gを投入した。ペイントシェーカーで1時間粉砕した後、ポリネットでジルコニアビーズを濾別しようとしたが、分散液の泡立ちが酷く濾過困難なため、分散液A105は取得できなかった。
その他の実施例及び比較例については、表中の配合成分に基づき、同様に重合体、分散剤及び顔料分散液を調製した。
以下に、表に記した成分等の詳細を以下に記す。
MT−1000:2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラート
IPA:イソプロピルアルコール
PGM:プロピレングリコールモノメチルエーテル
AA:アクリル酸
MA:アクリル酸メチル
APS:過硫酸アンモニウム
V−65:2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
ブラック:カーボンブラック(EVONIC DEGUSSA製 ColorBlack S160、分散前粒径:20μm)
グリーン:フタロシアニングリーン(BASF製 HELIOGEN GREEN L9361、分散前粒径:0.7〜1μm)
マゼンタ:マゼンタ顔料(CIBA製 クロモブタール ジェットマゼンタ DMQ)
シリカ:シリカ顔料(水澤化学工業製 ミズカシル P527、分散前粒径:1.5μm)
NV:分散剤中の重合体の濃度(固形分濃度)
(4)評価基準
<分散剤被覆顔料の粒径>
0.6μm以下であると、分散性に優れた分散剤である。0.4μm以下であれば、より好ましい。
<顔料分散液の粘度>
(i)粉砕当日の10rpm粘度(25℃)
200mPa・s以下であると、分散性に優れた分散剤である。150mPa・s以下であれば、より好ましい。
(ii)粉砕当日の100rpm粘度(25℃)
35mPa・s以下であると、分散性に優れた分散剤である。30mPa・s以下であれば、より好ましい。
(iii)25℃で7日放置後の10rpm粘度(25℃)
300mPa・s以下であると、分散性に優れた分散剤である。200mPa・s以下であれば、より好ましい。
(iv)25℃で7日放置後の100rpm粘度(25℃)
50mPa・s以下であると、分散性に優れた分散剤である。40mPa・s以下であれば、より好ましい。
Figure 0005594228
Figure 0005594228
Figure 0005594228
Figure 0005594228
比較例1〜4は、重合体の単量体成分として、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを含まないので、粉砕後の顔料の粒径は大きく、顔料分散液は粘度が高く、顔料の分散性を長期間保つことができなかった。
比較例5は、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを単量体成分として含み、乳化重合により調製した重合体であり、顔料分散液の泡立ちが酷く濾過困難なため、顔料分散液を取得できなかった。
一方、実施例1〜28は、単量体成分として、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを含み、水及び/又は有機溶剤を媒体とした溶液重合により製造される重合体を用いた分散剤及び顔料分散液であり、顔料(分散剤被覆顔料)粒径を小さくでき、微粒分散が可能であった。また、顔料分散液の泡立ちが発生することもなかった。更には、得られた顔料分散液の粘度は低く、且つ長期間に渡り安定な顔料の分散性を維持することができた。

Claims (5)

  1. 単量体成分として、2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを含み、水及び/又は有機溶剤を媒体とした溶液重合により製造される重合体及び溶剤を含有する顔料分散剤
  2. 前記重合体が、単量体成分として、更に(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群から選ばれる化合物を含み、前記2−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)エチル=アクリラートを5〜99重量%、及び前記(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなる群から選ばれる化合物を1〜95重量%含む、請求項1に記載の顔料分散剤
  3. 前記重合体の重量平均分子量が2000〜50000である、請求項1又は2に記載の顔料分散剤
  4. 顔料、及び請求項1〜3のいずれかに記載の顔料分散剤を含む顔料分散液。
  5. 前記顔料が、カーボンブラック又はフタロシアニングリーンである、請求項4に記載の顔料分散液。
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