JP3345172B2 - マグネトロン駆動用電源 - Google Patents
マグネトロン駆動用電源Info
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Description
加熱装置、あるいは、医療機器、乾燥器、ガス励起装置
などマグネトロンから得られるマイクロ波を利用する機
器に用いるマグネトロン駆動用の電源に関するものであ
る。
用いて説明する。図4は従来のマグネトロン駆動用電源
を示す回路図である。マグネトロン駆動用電源は昇圧ト
ランス5と高圧整流回路11とマグネトロンによって構
成され、昇圧トランス5は商用電源1から得られる50
Hzあるいは60Hzの交流電圧を昇圧し、その昇圧さ
れた交流高電圧を高圧整流回路11が直流高電圧に整流
してマグネトロン12を付勢しマイクロ波を発生する。
ンス5は50Hzあるいは60Hzの交流電圧を昇圧す
るため、非常に大型化し重量も非常に重いものであっ
た。そこで、この昇圧トランス5を小型化するために、
50Hzあるいは60Hzの交流電圧を一旦20kHz
以上の高周波交流電圧に変換し、この高周波交流電圧を
昇圧する構成とすることにより、昇圧トランス5の小型
化を図る回路構成としたものが国内のインバータ電子レ
ンジに採用されている。
れているマグネトロン駆動用電源の回路図を示してい
る。商用電源1の交流電圧は、整流回路2によって単方
向電圧に整流され、半導体スイッチ素子8を有するイン
バータ回路14に供給される。また、この半導体スイッ
チ素子8はバイポーラジャンクショントランジスタ(B
JT)やMOS電界効果トランジスタ(MOSFET)
や絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)など
の自己転流機能を有するトランジスタと、これと逆並列
に接続されたダイオードによって構成されている。整流
回路の単方向電圧はこのインバータ回路14によって2
0kHz以上の交流電圧に変換される。インバータ回路
14を構成する昇圧トランス5はその1次巻線に発生し
た高周波交流電圧を昇圧して高電圧の高周波交流電圧を
出力する。この高電圧の高周波交流電圧は高圧整流回路
11によって整流され直流高電圧に変換される。マグネ
トロン12はこの直流高電圧により付勢されマイクロ波
を放出する。インバータ回路14に設けられた共振回路
は半導体スイッチ素子8のスイッチング損失を低減する
作用を有する。この作用について図6を用いて説明す
る。
電圧Vと、その電流Iを示したものである。半導体スイ
ッチ素子8に印加される電圧は、共振コンデンサ4と昇
圧トランスの1次巻線によって構成される共振回路によ
って正弦波状に変化する。このため、その傾きdV/d
tは緩やかになる。半導体スイッチ素子8がターンオフ
する際に発生するスイッチング損失は、電圧Vと電流I
が交差する部分で生じる。このため半導体スイッチ素子
8に印加される電圧の変化が緩やかであるほどスイッチ
ング損失は軽減される。
成においては以下に挙げるような課題があった。
と同じ回路構成のものを200V系の商用電源を電力供
給源として使用することを考えると、共振コンデンサ4
は電流値が大きいため、また、インバータ回路14の動
作周波数を数十kHz〜数百kHz程度にした場合、そ
の容量が数百nF〜数十nFとなりセラミックコンデン
サなどのようにコロナ放電が起こりにくいコンデンサを
用いることは電源のサイズが大型化するため実用的でな
い。このため、電流を多く流せ、かつ必要とする容量を
得るために共振コンデンサ4にはフィルムコンデンサが
用いられる。しかし、インバータ回路14を構成する共
振回路の共振現象のため共振コンデンサ4の印加電圧が
1000Vを越えてしまい共振コンデンサ4の内部にお
いて電極間でコロナ放電が発生してしまう。このため、
誘電体膜を厚くしたり、沿面距離を長くするなどのよう
にしてコロナ放電を防ぐ必要がある。しかしながらこの
ように誘電体膜を厚くすると、コンデンサの容量は
(1)式で決定されるので、誘電体膜を厚くすると電極
の対向面積を大きくする必要がある。また、沿面距離を
長くすると、少なくともその半分は長さが長くなる。そ
の結果、共振コンデンサ4が非常に大型化し、マグネト
ロン駆動用電源を家電品である電子レンジのように限ら
れた電源室しか与えられないようなものに搭載すること
が困難になる。
動用電源の問題点を解決するものであり、共振コンデン
サの印加電圧を低減し、信頼性の高いマグネトロン駆動
用電源を提供することを目的とするものである。
を解決するために以下のような構成とした。
して得られる単方向電源と、前記単方向電源の電源電圧
を高周波交流電圧に変換するインバータ回路と、前記イ
ンバータ回路の出力を高圧直流電力に整流する高圧整流
回路とを備えたマグネトロン駆動用電源において、前記
インバータ回路は昇圧トランスの1次巻線と共振コンデ
ンサによって構成される共振回路と、20kHzから1
00kHzで動作しIGBTによって構成され前記共振回路
を励起する複数の半導体スイッチ素子を有し、前記共振
回路を構成する昇圧トランスの1次巻線のインダクタン
スと共振コンデンサの容量によって求まる共振回路の特
性インピーダンスZoを8オーム以下となるようにし
た。
御部を設けるとともに、共振コンデンサの印加電圧を検
出する検知手段を設け、前記検知手段の検知信号に基づ
き前記制御部によりインバータ回路から出力される電力
を減少する構成とした。
のである。
の1次巻線のインダクタンスと共振コンデンサの容量に
よって求まる共振回路の特性インピーダンスZoを8オ
ーム以下となるようにすることによって共振コンデンサ
の印加電圧を低減できるという作用を有する。
る検知部を設け、共振コンデンサの印加電圧が基準値を
越えるとインバータ回路の出力電力を減少する構成とす
ることにより共振コンデンサの印加電圧を基準値以下に
できる。
る。
動用電源を示す回路図である。図1において1は商用電
源などの交流電源である。整流回路2は交流電源1から
与えられた電圧を単方向電圧に整流しインバータ回路1
4に供給する。なお、このようにインバータ回路14に
加えられる単方向電源は交流電源1と、これを整流する
整流回路2によって構成してもよいし、バッテリーなど
の直流電圧源を用いてもよい。インバータ回路14は整
流回路2の出力にたいして並列に接続された共振コンデ
ンサ3、4の直列接続体と、半導体スイッチ素子8、9
の直列接続体と、半導体スイッチ素子8、9にそれぞれ
並列に接続されたスナバコンデンサ6、7と共振コンデ
ンサ3、4の接続点と半導体スイッチ素子8、9の接続
点に1次巻線を接続する昇圧トランス5によって構成さ
れ、半導体スイッチ素子8、9を交互にオンオフするこ
とによって共振コンデンサ3、4と昇圧トランス5の1
次巻線からなる共振回路を励起し高周波交流電力を発生
する。また、半導体スイッチ素子8および9は、バイポ
ーラントランジスタ(以下BJTと略記)や絶縁ゲート
バイポーラトランジスタ(以下IGBTと略記)等のト
ランジスタと、このトランジスタに逆並列に接続された
ダイオードによって構成されている。インバータ回路1
4によって発生した高周波交流電力は昇圧トランス5の
1次巻線と磁気結合された昇圧トランス5の2次巻線と
ヒータ巻線に伝送される。昇圧トランス5の2次巻線に
発生する高電圧の高周波交流電圧は高圧整流回路11に
よって整流され直流高電圧に変換される。マグネトロン
12は高圧整流回路11の出力 する高圧直流電圧と昇圧
トランス5のヒータ巻線から供給される電力を受けてマ
イクロ波を放出する。
回路を構成する共振コンデンサ3、4の容量と昇圧トラ
ンス5の1次巻線のインダクタンスによって特徴づけら
れるものとして共振回路の特性インピーダンスZoを
(2)式によって定義する。
サ4の印加電圧との関係を図2に示す。
スZoの増加に伴って共振コンデンサ4の印加電圧も増
加している。電子レンジなどのように限られた電源室内
にマグネトロン駆動用電源を配置する場合コンデンサの
大きさは可能な限り小さくすることが望まれる。また、
実際にこれに用いられる共振コンデンサの誘電体膜の厚
さは5〜8μm程度である。このような厚さの誘電体膜
において電極とのコンタクト部分に著しい損傷を与える
コロナ放電(有害コロナ放電)はコンデンサの印加電圧
が1000vを越えるとその頻度が高くなる。本実施例
のマグネトロン駆動用電源によれば(2)式によって定
義した特性インピーダンスZoを8以下になるように共
振回路の設計をしているため共振回路の印加電圧が10
00Vを越えることがなく、共振コンデンサ内部でコロ
ナ放電が起きることはない。
る。図3は本発明の他の実施例を示した回路図であり、
図1と同符号のものは同一の構成要素であり説明を省略
する。図3において13は共振コンデンサ4に印加する
電圧を検出する検知部であり、共振コンデンサ4に印加
される電圧が基準値を越えるとインバータ回路が出力す
る電力が減少するように半導体スイッチ素子8、9を制
御するよう制御部10に信号を送信する。これによって
インバータ回路14の出力電力が減少し、共振コンデン
サ4に印加する電圧が減少するため共振コンデンサ内部
でコロナ放電が連続して起きることがなく安全なマグネ
トロン駆動用電源を構成することが出来るという効果を
有する。
用電源によれば以下の効果を有する。
スの1次巻線のインダクタンスと共振コンデンサの容量
によって求まる共振回路の特性インピーダンスZoを8
オーム以下となるようにすることにより共振コンデンサ
の印加電圧が1000V以上にならないため共振コンデ
ンサ内部でコロナ放電が起きることがなく安全なマグネ
トロン駆動用電源を提供できる。
する制御部を設けるとともに共振コンデンサの印加電圧
を検出する検知手段を設け、前記検知手段の検知信号に
基づき前記制御部によりインバータ回路から出力される
電力を減少する構成とすることにより共振コンデンサの
印加電圧が基準値を越えるとインバータ回路の出力電力
を減少することにより共振コンデンサ内部でのコロナ放
電現象が連続して起きることがなく安全なマグネトロン
駆動用電源を提供できる。
回路図
ーダンスZoと共振コンデンサ4の印加電圧の関係を示
す図
を示す回路図
図
ッチ素子8の電圧電流特性を示す図
Claims (2)
- 【請求項1】 100Vまたは200Vの商用電源を整
流して得られる単方向電源と、前記単方向電源の電源電
圧を高周波交流電圧に変換するインバータ回路と、前記
インバータ回路の出力を高圧直流電力に整流する高圧整
流回路とを備えたマグネトロン駆動用電源において、前
記インバータ回路は昇圧トランスの1次巻線とフィルム
コンデンサからなる共振コンデンサによって構成される
共振回路と、20kHzから100kHzで動作しIGBT
によって構成され前記共振回路を励起する複数の半導体
スイッチ素子を有し、前記共振回路を構成する昇圧トラ
ンスの1次巻線のインダクタンスと共振コンデンサの容
量によって求まる共振回路の特性インピーダンスZoを
8オーム以下とし、共振コンデンサの印加電圧を100
0V以下となるようにしたマグネトロン駆動用電源。 - 【請求項2】 半導体スイッチ素子をオンオフ制御する
制御部を設けるとともに共振コンデンサの印加電圧を検
出する検知手段を設け、前記共振コンデンサの印加電圧
が基準電圧を超過すると、前記検知手段は前記制御部に
検知信号をあたえ、この検知信号によりインバータ回路
から出力される電力を減少する構成とした請求項1記載
のマグネトロン駆動用電源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11534794A JP3345172B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | マグネトロン駆動用電源 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11534794A JP3345172B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | マグネトロン駆動用電源 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07320855A JPH07320855A (ja) | 1995-12-08 |
JP3345172B2 true JP3345172B2 (ja) | 2002-11-18 |
Family
ID=14660282
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11534794A Expired - Fee Related JP3345172B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | マグネトロン駆動用電源 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3345172B2 (ja) |
-
1994
- 1994-05-27 JP JP11534794A patent/JP3345172B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07320855A (ja) | 1995-12-08 |
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