JP3345138B2 - はんだ付け用フラックス - Google Patents

はんだ付け用フラックス

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子回路基板などをは
んだ付けした後、フラックス残渣を除去することなく使
用できるはんだ付け用フラックスに関する。
【0002】
【従来の技術】はんだ付け用フラックスとしては、ロジ
ンなどの天然樹脂に有機酸あるいは無機酸類を添加した
ものが良く知られている。しかし、近年、フラックス残
渣のフロン洗浄の廃止要求から、フラックス残渣の洗浄
除去をおこなわなくとも、腐食や絶縁性の低下を起こさ
ないフラックス組成が種々提案されている。たとえば、
特開平4−37497号公報には、フラックスに配合さ
れる活性剤をロジンに均一に分散させる工夫により、フ
ラックス残渣の電気絶縁性および非腐食性を確保して、
フラックス残渣の無洗浄化が達成できる旨の開示があ
る。
【0003】フラックス成分のロジン系残渣は、高湿度
雰囲気下でわずかながら吸湿して電気絶縁性が多少低下
する。また、フラックス残渣は連続した膜として存在す
るときに比べて、割れ、剥離などが生じていると絶縁抵
抗の低下割合が大きい。その理由は、フラックス残渣の
割れ目で結露が生じやすくリーク電流の通路を形成する
ためと考えられる。
【0004】ロジン系フラックス残渣の割れ防止には、
残渣の柔軟化、すなわち可塑剤の使用が効果的と考えら
れる。この種の提案としては、たとえば、特開昭55−
54298号にロジンフラックスであらかじめ周囲を被
覆したはんだ線の、フラックスにフタル酸ジオクチル、
フタル酸ジブチルなどの可塑剤を配合して、はんだ付け
前にフラックス皮膜の剥離、脱落を防止する方法が開示
されている。
【0005】しかし、これら可塑剤をロジン系フラック
スに添加した場合、室温程度の温度ではフラックス残渣
は柔軟性を示す、ところが自動車用の電子部品として寒
冷地で遭遇する−40℃程度の低温となると割れの発生
を防ぐことができない。また、特開昭60−13399
8号には、分子量200以上のオキシカルボン酸または
オキシカルボン酸誘導体を、ロジン類より多く添加した
フラックスを使用することにより、はんだ付け性や洗浄
性などの性質が向上する旨の開示がある。しかし、これ
を無洗浄フラックスの目的に使用した場合、フラックス
残渣に割れの発生はないものの表面がべとつき、異物が
付着しやすくなる。そのため基板上の回路間の短絡ない
し、絶縁抵抗の低下という新たな問題が生じる。
【0006】さらに、フラックスに含まれる活性剤は、
活性を保持するため各種酸類の使用が不可欠であり通
常、フラックスのpHは7未満の酸性状態で使用されて
いる。このためはんだ合金粉末とフラックスとの混練物
であるクリームはんだでは、はんだ合金の腐食が起きや
すく、大気中に放置した場合には短時間でクリームはん
だが固化して正常なスクリーン印刷ができなくなるとい
う問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、ロジン系の無洗浄可能なはんだ
付け用フラックスで、はんだ付け後のフラックス残渣
が、低温下で脆化、割れ、剥離などを起こすことのない
はんだ付け用フラックスを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のはんだ付け用フ
ラックスは、樹脂、油脂、溶剤、活性剤を含有するはん
だ付け用フラックスであって、該樹脂はカルボキシル基
を有するロジンを含有し、該油脂は水酸基をもちかつ−
10℃以下の凝固点を有するひまし油であり、該カルボ
キシル基を有するロジン100重量部に対して50〜9
0重量部含有し、塩基性物質を添加してpHが8を越え
11以下であることを特徴とする。
【0009】本発明のはんだ付け用フラックスは、通常
のものと同様に樹脂、油脂、溶剤、活性剤を主成分とし
て形成され、電子回路などのはんだ付けした後、フラッ
クス残渣を洗浄することなく使用するものである。樹脂
成分はロジン類で構成され、分子内にカルボキシル基を
有するものであればよく、たとえば、天然ロジン、水添
ロジン、重合ロジンなどが利用できる。
【0010】油脂は、−10℃以下の凝固点を有するも
のであればよく、分子中に水酸基を多く有するひまし油
が特に好ましく、精製ひまし油、脱臭精製ひまし油さら
に変性ひまし油などを例示することができる。すなわ
ち、ひまし油はその主成分がオキシ脂肪酸の誘導体であ
り上記の要件を満たしている。油脂の凝固温度が−10
℃を越えて高い場合、はんだ付け後のフラックス残渣は
低温環境下で可塑性が乏しく割れが防止できない。
【0011】ロジンと油脂との組合せは、たとえば、ク
リームはんだフラックスの例では、ひまし油がクリーム
の粘度調節に使用されている。したがって、その添加量
の上限はロジンに対して6重量%程度とされている。本
発明では上記のような少量の添加ではフラックスの可塑
化できず、少なくともロジン100重量部に対して50
重量部添加する。このためフラックス中での油脂の役割
は、従来のものと異なる。すなわち、油脂の添加量が5
0重量部未満ではフラックスを可塑化することができ
ず、低温下でフラックス残渣に割れが発生して絶縁不良
となりやすいので好ましくない。一方、油脂の添加量が
90重量部を超えると、フラックス残渣の乾燥が不十分
となり、表面のべとつきにより導電性異物が付着して絶
縁性を低下させるので好ましくない。
【0012】また、フラックス中にひまし油のように水
酸基をもつ油脂と、カルボキシル基をもつロジンとが混
合されていると、はんだ付けの際の加熱によりわずかな
がらエステル化反応が起きて両者は結合する。この結合
反応は、フラックス残渣の可塑性の観点からは好ましく
はないが、反応がフラックスの表面層で部分的に進行す
るため、フラックス残渣の表面は乾燥状態となる。この
ためフラックス残渣のべとつき防止と、低温下での割れ
防止ができる。
【0013】上記の様にカルボキシル基を有するロジン
に油脂を添加した本発明のフラックスでは、低温放置で
の残渣割れは顕著に抑制できるが、冷熱を繰り返し加え
られる環境下では上記の効果を十分発揮せず残渣割れが
発生する場合がある。これは冷熱の繰り返しによりカル
ボキシル基を有するロジンと油脂との間でエステル化反
応が過度に進行したためである。このような場合はカル
ボキシル基を有するロジンの一部をカルボキシル基をも
たないロジン、すなわち、予めエステル化されたロジン
で置換することで冷熱の繰り返しによっても特性が変化
しない組成とすることで解決できる。本発明では通常の
フラックスにおいてもロジンと共にあるいはロジンに代
えて公知のロジンエステル、たとえば、ロジンのペンタ
エリスリットエステル(pentaerythritol ester)などを
そのまま使用することができる。このロジンエステルの
比率はカルボキシル基を有するロジンとロジンエステル
とを加えたロジン類を100重量%とした場合に60重
量%以下であり、これよりロジンエステルの量が多くな
るとフラックス残渣がべとつくため好ましくない。
【0014】フラックスのpHは7〜11であるのが好
ましい。さらに8を越え11以下の弱アルカリ性がさら
に好ましい。フラックスのpHを7〜11にするには塩
基性物質を添加することで達成できる。この塩基性物質
の種類は、はんだ付け時の活性剤の作用を大きく損なわ
ないものであれば使用できる。特にはんだ付けの温度で
蒸発もしくは分解しやすいものが好ましくアミン類が好
適である。さらにアミン類のなかでもはんだ付け温度を
大きく上回らない沸点を有するものが好ましい。たとえ
ば230℃付近ではんだ付けされるPb−Snはんだの
場合にはヘキシルアミン(沸点130℃)、オクチルア
ミン(沸点180℃)などを用いるのが好ましい。フラ
ックスのpHが7未満の領域でははんだ合金の腐食抑制
作用が乏しく、大気下で腐食が起きる。一方、フラック
スのpHが11を越えるとはんだ合金の腐食抑制作用は
低下することはないが、塩基性物質が多くなるため相対
的に活性剤の存在比率が下がり、はんだの広がり性が低
下する。よってフラックスのpH7〜11が、特に腐食
抑制作用とはんだ広がり性の両立した実用的な領域であ
る。
【0015】本発明には、上記ロジン、油脂以外の成分
として、公知の活性剤、溶剤などが配合される。溶剤と
しては、通常のフラックスに使用される溶剤の他に1,
4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオールの少なくとも1種を用いることが
できる。このジオールによりフラックス残渣の割れ防止
性が高まる。またこのフラックスをクリームはんだに使
用する場合には、さらにチクソ剤などを添加してもよ
い。その配合割合は特に限定されるものでなく、フラッ
クスの使用形態によって、通常用いられる配合割合をそ
のまま適用できる。
【0016】また本発明のフラックスに使用する上記の
活性剤の種類も特に限定されないが、はんだ付け温度で
揮発して残留しにくく、かつ多少残留しても電気絶縁性
に悪影響を及ぼさないものが好ましい。たとえば、芳香
族カルボン酸、より具体的には安息香酸、サリチル酸、
フタル酸などが利用できる。本発明のフラックスは、ク
リームはんだ用フラックスとして好適であるが、一般の
液状フラックス、やに入りはんだ用フラックスとしても
使用することができる。
【0017】
【作用】本発明のはんだ付け用フラックスは、樹脂にカ
ルボキシル基をもつロジンと、油脂に凝固温度が−10
℃以下の油脂を多量に含んでいる。このためはんだ付け
後のフラックス残渣が−40℃の低温下でも可塑性を有
し、割れや、剥離などの発生が防止できる。その結果、
フラックス残渣に結露が生じても電子回路の絶縁性低下
を防ぐことができる。また、フラックス残渣が乾燥状態
を維持できるので導電性異物の付着による絶縁性の低下
も防止できる。
【0018】また、はんだ付けの際の熱によりロジン類
のカルボキシル基と油脂の水酸基との間で部分的なエス
テル化反応が進行し、特にその反応はフラックス層の表
面部で起こりやすいため、残渣表面部での乾燥度が高
く、導電性異物の付着による回路トラブルを回避するこ
とができる。さらに、予めカルボキシル基をエステル化
したロジンでロジンの一部を置換することで残渣の乾燥
を高めるとともにはんだの腐食を防止することができ
る。
【0019】本発明のフラックスをクリームはんだ用の
フラックスとして使用する場合は、油脂類はチクソ剤と
して作用し、印刷性を向上させることができる。さらに
腐食生成物によるクリームの固化が防止され、印刷が不
可能になるまでの時間を大幅に延ばすことができる。ま
た本発明のフラックスは、はんだ付け後も腐食性が低く
維持されるため、フラックス残渣によるはんだ付け部の
腐食を防止できるという効果も有する。
【0020】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1)表1に示す組成の樹脂であるカルボキシル
基をもつロジンと、油脂のひまし油、溶剤としてのブチ
ルカルビトール、活性剤としての有機酸(フタル酸、安
息香酸、セバシン酸、ジフェニル酢酸の混合)および添
加剤としての硬化ひまし油をそれぞれ混合した後、15
0℃で加熱溶解して実施例No1〜3および比較例No
10〜12の6種のフラックスを作製した。
【0021】作製した各フラックスをガラス繊維強化エ
ポキシ樹脂基板上に形成されたJIS2型櫛歯電極の上
に塗布し、通常の錫一鉛共晶はんだのリフロー条件(最
高加熱温度240℃)で加熱した後、冷却した。
【0022】
【表1】 その後フラックス残渣の乾燥度試験をJIS Z319
7に基づき、フラックス残渣の表面へのチョーク粉の付
着の有無を調べた。結果を表2に示す。表2に示すよう
に本実施例No1〜3の各試料はいずれもチョーク粉の
付着がなく、表面のべとつきは認められなかった。
【0023】比較例のNo10は、ひまし油の量が40
重量部と少なくチョーク粉の付着がないが、No11の
ひまし油が100重量部とロジンと等量となるとチョー
ク粉の付着が認められた。No12は樹脂のロジンにカ
ルボキシル基のないロジンエステルを使用した場合でチ
ョーク粉の付着が認められた。したがって、表面のべと
つきを防ぐには、油脂の凝固温度とその量およびロジン
にカルボキシル基をもつものを使用することが必要であ
る。
【0024】次に上記の各試料を−40℃の恒温槽中で
30分間保持した後、室温に取り出しフラックス残渣に
割れなどの表面異状の有無を倍率25倍の顕微鏡で観察
した。その結果を表2に示す。表2に示すように本実施
例No1〜3ではいずれもフ
【0025】
【表2】 ラックス残渣に割れは観察されなかった。一方、ひまし
油が少ない試料No10では割れが観察された。その後
に実施した絶縁抵抗試験において、No10は他の試料
より1桁程度抵抗値が低下していることが確認された。
【0026】No11、12はひまし油の添加量が多い
のでフラックス残渣が可塑化されており実施例と同様割
れは認められなかった。 (実施例2)ロジンとして重合ロジン、塩基性物質とし
てn−ヘキシルアミンを用い、油脂、溶剤、活性剤、添
加剤は実施例1と同様なものを用い、実施例1と同様の
手順で実施例No4、5および比較例No13、14の
4種のフラックスを作製した。各フラックスの組成とp
Hを表3に示す。
【0027】作製した各フラックスについて実施例1と
同様の残渣割れ試験および乾燥度試験をおこなった。結
果を表4に示す。表4に示すようにいずれもフラックス
残渣に割れは観察されず、またチョーク粉の付着も観察
されなかった。次に各フラックスをJIS Z3197
に基づき、はんだの広がり試験を実施し、広がり率が8
5%以上のものを良、85%未満のものを不良と判定し
た。結
【0028】
【表3】 果を表4に示す。表4に示すように実施例では良好なは
んだ付け性を示した。比較例No14のフラックスでは
pHが11.2と高いのではんだの広がり性が不良であ
った。次にPb−Sn共晶組織のはんだ粉末を用意し、
その90重量部に対して各フラックスを10重量部添加
して混練し、クリームはんだを作製した。これをメタル
マスクとスキージを用いる通常の印刷の試料とした。こ
の試料を印刷工程で、印刷を中断して放置し、クリーム
の固化により印刷できなくなるまでの時間を測定した。
結果を印刷耐久時間として表4に示す。表4よりpH7
未満のフラックスを用いた比較例No13では4時間後
にクリームが固化し印刷が不可能になった。これに対し
て本実施例No4、5のフラックスを用いたクリームで
は24時間あるいはそれ以上放置後も印刷可能で有り大
幅な印刷耐久性の向上が認められた。なお、比較例No
14のpH11.2のフラックスを用いたクリームの印
刷耐久性は本実施例No4、5と同じ48時間以上であ
ったがはんだ広がり性が充分でない。
【0029】
【表4】 注:* JIS Z3137による ** クリームはんだの大気中放置により印刷できなく
までの時間 (実施例3)ロジンエステルとしてロジンのペンタエリ
スリットエステルを用いた他は実施例2と同様にして実
施例No6および比較例No15、16のフラックスを
作製した。得られたフラックスのpHはいずれも8.6
〜8.8の範囲にあった。作製したフラックスを実施例
1と同様の櫛歯電極上に塗布しリフローした。その後フ
ラックス残渣の乾燥度試験をおこなった。結果を表5に
示す。表5に示すように本実施例No6およびロジンエ
ステルを含まない比較例No15ではチョーク粉の付着
がなく、表面のべとつきは認められなかった。比較例N
o16はロジンエステルの比率が70%と高いため、チ
ョーク粉の付着が認められた。次に上記の各試料を12
5℃と−40℃を上限温度、下限温度とする冷熱サイク
ル試験(1サイクル1時間)にかけ、100サイクル経
過した後室温に取り出し、フラックス残渣の割れの有無
を観察した。その結果、表5に示すように本実施例No
6ではフラックス残渣に割れは観察されなかった。一
方、ロジンエステルを含まない比較例No15では割れ
が観察された。
【0030】
【表5】
【0031】(実施例4)溶剤に1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ールを用いた他は、実施例2と同様にして表6に示す組
成の実施例No7〜9および比較例No17〜19の6
種のフラックスを作製した。得られたフラックスのpH
はいずれも8.6であった。作製したフラックスについ
て実施例3と同様の試験を実施した。その結果を表6に
示す。乾燥度試験ではいずれのフラックス残渣にもチョ
ーク粉の付着は認められなかった。冷熱サイクル試験で
は本実施例No7〜9の残渣には割れが観察されなかっ
が、比較例No17〜19の残渣には多数の割れが観察
された。
【0032】
【表6】
【0033】
【発明の効果】本発明のはんだ付け用フラックスでは、
油脂が樹脂のロジンに溶解した状態であり、可塑性を有
し−40℃の低温下においてもフラックス残渣の割れの
発生や脆化を防ぐことができる。このためフラックス残
渣を洗浄除去しなくても結露などによる絶縁性の低下を
防止することができる。このため自動車用電子回路のは
んだ付け用フラックスとして使用が可能となる。
【0034】また、はんだ付けの際の熱により、ロジン
のカルボキシル基と、油脂に含まれる水酸基との間で部
分的なエステル化反応が進行して、残渣表面部での乾燥
度が高くなる。そのため、フラックス残渣表面のべとつ
きがなく、導電性異物の付着による回路トラブルを回避
することができる。さらに本発明のフラックスをクリー
ムはんだ用のフラックスとして使用する場合は、油脂が
チクソ剤として作用するとともに腐食生成物によるクリ
ームの固化が防止され、印刷性が低下するまでの時間を
大幅に延ばすことができる。
フロントページの続き (73)特許権者 591283040 ソルダーコート株式会社 愛知県名古屋市緑区鳴海町字長田75番地 の1 (72)発明者 杉浦 元保 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 須藤 栄一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 鈴木 憲一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 浜本 弘 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 石田 英樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 白井 久雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 小野 博信 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 中村 充男 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 河合 健一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 田中 靖久 愛知県豊田市緑ケ丘3丁目65番地 大豊 工業株式会社内 (72)発明者 浅田 栄治 愛知県豊田市緑ケ丘3丁目65番地 大豊 工業株式会社内 (72)発明者 成田 雄彦 名古屋市緑区鳴海町字長田75番地の1 ソルダーコート株式会社内 (72)発明者 小島 広光 名古屋市緑区鳴海町字長田75番地の1 ソルダーコート株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−37497(JP,A) 特開 昭49−51145(JP,A) 特開 昭61−95797(JP,A) 特開 昭60−133998(JP,A) 特公 昭63−17039(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/363

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂、油脂、溶剤、活性剤を含有するはん
    だ付け用フラックスであって、該樹脂はカルボキシル基
    を有するロジンを含有し、該油脂は水酸基をもちかつ−
    10℃以下の凝固点を有するひまし油であり、該カルボ
    キシル基を有するロジン100重量部に対して50〜9
    0重量部含有し、塩基性物質を添加してpHが8を越え
    11以下であることを特徴とするはんだ付け用フラック
    ス。
  2. 【請求項2】含有するロジン類を100重量%とした場
    合該ロジン類の60重量%以下はエステル化されたロジ
    ンエステルである請求項1記載のはんだ付け用フラック
    ス。
  3. 【請求項3】該溶剤は1,4−ブタンジオール、1,5
    −ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールの内少
    なくとも1種を含む請求項1記載のはんだ付け用フラッ
    クス。
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