JP3344815B2 - 非水リチウム二次電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

非水リチウム二次電池用正極活物質の製造方法

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JP3344815B2 JP05122094A JP5122094A JP3344815B2 JP 3344815 B2 JP3344815 B2 JP 3344815B2 JP 05122094 A JP05122094 A JP 05122094A JP 5122094 A JP5122094 A JP 5122094A JP 3344815 B2 JP3344815 B2 JP 3344815B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、正極活物質としてLi
NiO2 を用いた非水リチウム二次電池の充放電容量の
高容量化に関し、さらに詳しくは高容量化をもたらす非
水リチウム二次電池用正極活物質の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LiNiO2 正極活物質を製造するに
は、従来次のような技術が用いられていた。すなわち、
リチウム塩およびニッケル塩の各原料を有機溶剤中で微
粉砕・混合した後に乾燥・成形し、約750℃の温度で
24時間酸素気流中で焼成してLiNiO2 を合成し、
リチウムイオンの移動を容易にして容量を高めるように
その結晶構造を発達させていた。
【0003】このような従来の技術においては、望まし
い結晶構造を発達させるためには、出発原料の粒径をで
きるだけ微細にし、焼成によって反応を促進することが
望ましいと考えられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際の電池に
おいては、容量を高める手段としてLiNiO2 粉体の
充填密度を高めることも要求される。充填密度を高める
ためには、LiNiO2粉体の粒径分布が適正であるこ
とおよび個々の粒子が高密度であることが要求される。
しかしながら従来の技術において採用されている焼成温
度では原料粒径が大きすぎるとLiNiO2 結晶相の合
成が不十分となるため原料粒径を細かくしている。その
結果、原料粉の充填が低くなるため焼成によって得られ
るLiNiO2 粒子の密度は低くなってしまうという課
題があった。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、LiN
iO2 を正極活物質として用いた非水リチウム二次電池
における、体積当たりの充放電容量を高めるために、充
填密度の高いLiNiO2 粉体の製造方法の開発にあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するため鋭意研究を行った結果、出発原料のニ
ッケル粉体の粒径を規定し、リチウム成分を水および有
機酸によって混合することによって、高い充放電容量と
高い充填密度を有するLiNiO2 粉体が得られること
を見いだした。
【0007】 すなわち本発明は、第1に、リチウム原
料としてのリチウム化合物とニッケル原料としてのニッ
ケル化合物とを用いてLiNiO粉末を製造する方法
において、出発原料の一つであるニッケル化合物の二次
以上の凝集粒子が平均径100μmを越えず5μm以上
の範囲内の大きさとなるように調整した後、該ニッケル
化合物を、リチウムイオンと水溶性有機酸とを含有する
水溶液中にて懸濁撹拌後乾燥し、次いで該乾燥物を酸化
性雰囲気中で焼成することによってLiNiO粉末と
成すことを特徴とする非水リチウム二次電池用正極活物
質の製造方法を、第2に、リチウム原料としてのリチウ
ム化合物とニッケル原料としてのニッケル化合物とを用
いてLiNiO粉末を製造する方法において、出発原
料の一つであるニッケル化合物の二次以上の凝集粒子が
平均径100μmを越えず5μm以上の範囲内の大きさ
となるように調整した後、該ニッケル化合物を、リチウ
ムイオンとクエン酸とを含有する水溶液中にて懸濁撹拌
後乾燥し、次いで該乾燥物を酸化性雰囲気中で焼成する
ことによってLiNiO粉末と成すことを特徴とする
非水リチウム二次電池用正極活物質の製造方法を、第3
に、前記ニッケル化合物が水酸化ニッケル、ニッケル酸
化物、オキシ水酸化ニッケルおよび炭酸ニッケルからな
る群から選択される少なくとも1種のニッケル化合物で
あることを特徴とする第1または2記載の非水リチウム
二次電池用正極活物質の製造方法を提供する。
【0008】
【作用】一般にLiNiO2 の製造原料としてはニッケ
ル塩とリチウム塩が使用されているが、これらは工業的
な量で生産されているので原料コストを安価に抑えるこ
とができるため従来から用いられてきた。ニッケル原料
の中では、水酸化ニッケルが最も多く生産されている。
その他、水酸化ニッケルを熱処理し、脱水操作を施して
得た酸化ニッケルや、オキシ水酸化ニッケルも使用され
るが、これらの製造量は水酸化ニッケルに比較すると少
ない。
【0009】ニッケル原料は一般的に非常に微細な一次
粒が凝集した二次粒からなる粉末として供給されてい
る。一次粒子の大きさは0.1μm程度であり、二次粒
子としての大きさは、極端に大きい場合には1mm以上と
なり、逆に小さなものは一次粒子の10倍程度の1μm
程度である。また二次粒中の一次粒の充填は、50%以
上となることが多い。
【0010】従来法では、ニッケル原料とリチウム原料
とを有機溶媒中で混合していたが、これらの原料は粒子
径を1μm以下にすることが望ましいと考えられていた
ため、混合と同時に粉砕も行なわれていた。その目的
は、ニッケルとリチウムの両成分を相互に微細かつ均質
に分散混合させることによって焼成時の反応性を高め、
結果として得られるLiNiO2 粉体が均質な結晶構造
を備えたものとなるようにするためであった。
【0011】しかしながら、粉砕処理の影響としてニッ
ケルとリチウムの原料混合粉体は密度が極めて低いとい
う欠点があった。例えば、粉砕時の密度は0.3g/cc程
度になり、加圧処理を行なっても1.0g/cc程度にしか
ならなかった。
【0012】これらの粉砕原料を用いて、通常の焼成温
度750℃で焼成しても、この温度域では高密度に焼結
できず、そのため焼結前の密度の低さがそのまま維持さ
れていた。
【0013】本発明は、上記従来技術の欠点を解消する
もので、焼成条件に関わりなく充填密度を高めるため、
粗大な二次粒子径のニッケル原料を使用し、その後の工
程でもその粒子径が維持されるようにした。反面、粒径
が大きいとリチウム成分との反応性の低下につながるこ
とから、これを防ぐための有効な混合方法も以下に示す
ように案出した。
【0014】本発明法において、用いる出発原料はニッ
ケル化合物の二次粒子であり、その平均粒径は100μ
mを越えず5μm以上の範囲のものが好ましい。これは
市販の試薬を150メッシュよりもフルイ目の細かなス
クリーンによって分級すれば得ることができる。またリ
チウム原料としては、コストなどから判断して水酸化リ
チウムで充分であるが、炭酸リチウムや有機酸のリチウ
ム塩を用いることもできる。
【0015】上記範囲の平均粒径を有するニッケル原料
粒子を、攪拌機によって攪拌しながら水酸化リチウムと
クエン酸を代表とする有機酸との水溶液に懸濁させる
が、この時には、従来法のようにメディアを用いること
は避けるべきである。次いで懸濁液を加熱あるいは減圧
操作によって濃縮・乾燥する。従来法ではリチウム塩の
溶解や偏析を防ぐために有機溶剤を使用していたが、本
法では有機酸の水溶液を使用するので防爆や毒性対策を
採る必要がなく工業的生産に適するものである。
【0016】複数元素を水と有機酸を用いて濃縮乾燥す
ることは錯体重合法あるいは有機酸ゲル化法と呼ばれ公
知な方法である。これは出発原料を全てカルボン酸を代
表とする大過剰の有機酸で水中に溶解し、原料元素の水
溶液の状態を経た後に有機酸の重合・ゲル化並びに重合
物と原料元素との反応を行なう方法である。その結果、
原料元素は有機重合物の構造の中にイオンの形で取り込
まれ、そのため複数の元素は均質な分散となり、かつ微
細な粉末が得られるため物質合成には効果的であるとさ
れる。
【0017】本発明法が上記方法と根本的に異なる点
は、2種以上の原料のうちの1種を水中に溶解させては
ならないことである。ここで言う1種とは、ニッケル原
料を指しており、粒子形態をその後の工程においても維
持させる必要があるため、原料として水溶性のニッケル
原料を用いることができない。また、大過剰の有機酸に
より水溶液を強酸性にしてニッケル原料を溶解させるこ
ともできない。
【0018】本発明法で有機酸を使用する目的は以下の
通りである。一般に水中でリチウムと混合を行なう手法
では乾燥中に溶解度の高いリチウム塩が偏析して、粗大
に成長するため、当然に望ましい結晶構造は得られな
い。一方、有機酸は乾燥による水分の減少に伴い水溶液
の粘性を高めるとともに、リチウム塩を形成して偏析並
びに成長を防止する他、乾燥により有機酸あるいは塩が
固化して樹脂状になることにより焼成途中に有機物が分
解するに至る時まで、ニッケル原料粒子を機械的に保護
し粒子の微細化を防止する働きを有する。
【0019】本発明で得られる乾燥物はモルタルまたは
樹脂状であり、次いでこれらを酸化雰囲気望ましくは酸
素気流中において、公知の焼成条件下(焼成温度750
℃、保持時間は10〜30時間程度)で熱処理を行な
い、外観が黒色の塊を得る。
【0020】上記工程中の混合粉体を示差熱分析する
と、用いる原料の種類と工程条件によって一定の数値と
はならないが、700℃前後において、吸熱ピークが観
察される。この温度よりも低温側であるとサイクル特性
の低下が顕著に観察されるが、これは適切な結晶構造が
未発達であることに起因するものと考えられる。
【0021】これらのことから、熱処理は、上記吸熱ピ
ークの示す温度よりも高温側で行なうことが好ましく、
適正な熱処理温度は、熱分析結果の吸熱ピークの温度以
上750℃付近以下であると考えられる。
【0022】次いで正極活物質とするために塊を解砕し
て分級するが、一般的に電池用の正極材用活物質粉末は
充填性および保存時の放電防止性の点から、経験的にそ
の粒径は平均粒径が50μm以下5μm以上の範囲が好
ましいとされている。従って本発明におけるLiNiO
2 粉末の製造においても、焼成による収縮率(量的な多
少に関わらず予期しなければならない)を最大限50%
とすれば出発原料のニッケル化合物の平均径は最高10
0μmであればよく、逆に焼成収縮のない場合は最低5
μmとなるが、好ましい平均粒径は10〜30μmであ
る。
【0023】尚、上記焼成に変え、乾燥物の粉砕物、ま
たは焼成温度よりも低温度にて仮焼をした粉体を、加圧
成形した後、焼成してもよい。但し、その場合において
もニッケル原料の粒子を粉砕によって微細にすることは
本発明の意図するところを無意味にしてしまうことにな
る。
【0024】電池容量の確保に適した焼成温度域では、
LiNiO2 は密度を高めるための焼結度が不十分であ
り、このことはLiNiO2 粒子同士の焼結の結合度が
低いことを意味している。従って解砕は容易であり、ニ
ッケル原料粒子に基づくLiNiO2 粒子が最終段階で
微細になって充填性が低下するのを防ぎ、併せて分級に
よる収縮低下を抑制できる。
【0025】その他、ニッケルとリチウムとの成分比率
を僅かに変化させることにより電池特性の改善を行うこ
とも考えられている。リチウム原料とニッケル原料との
成分比はモル比において正確にLi/Ni=1/1でな
くても、Li/Ni=1±0.05/1の範囲であれ
ば、電池特性においてLi/Ni=1/1と同程度の効
果が得られることがわかっている。
【0026】本発明における電池の容量は、以下の方法
で評価した。上記の方法で得られたLiNiO2 粉末を
正極活物質として用い、これに導電剤としてケッチェン
ブラック、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン
(P.T.F.E)を重量比で8:1:1の割合で混練
し、2t/cm2 で直径37mmの円盤状に加圧成形を行っ
た。得られた成形体を図1に示す試験セルの正極体4と
成し、一方、同図中の負極7にはリチウムの金属板(厚
み0.7mm)から切り抜いたものを使用するとともに、
電解液としてプロピレンカーボネイト(PC)と1,2
−ジメトキシエタン(DME)の体積比1:1の混合液
に6フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )を0.5mol/
l 濃度溶解させたものを用いた。
【0027】上記図1に示す二次電池を用いて放電容量
を求めたが、これによって得られた値は重量当りの容量
であり、容量当りの容量の評価には充填性を加味して示
す必要がある。充填性の評価は一般的な粉体特性の評価
方法であるタップかさ密度を用い、さらに容積当りの容
量はタップかさ密度と上記方法によって得た容量の積を
指標とする。また、繰り返しによる放電容量の低下につ
いても併記し、二次電池としての耐久性を相対評価し
た。
【0028】以下、実施例をもって詳細に説明するが本
発明の範囲はこれらに限定されるものでない。
【0029】
【実施例1】水酸化リチウムLiOHと平均径20μm
の水酸化ニッケルNi(OH)2 をモル比でLi/Ni
=1/1となるように秤量し、これらの粉末を水中に投
入した後、さらにクエン酸を水酸化ニッケルに対して5
0重量%加え、60℃で攪拌しながら乾燥した。次いで
該乾燥物を2cm程の塊にし、酸素気流中740℃におい
て20時間熱処理を行い、焼成物は乳鉢内にて粉砕して
150メッシュ以下の粉体を得た。平均径は16μmと
なった。
【0030】得られた粉末をXRD測定したところ、図
2に示すように従来報告されているLiNiO2 と同形
のパターンを得た。またこの粉末のかさ密度は2.53
g/ccであり理論密度5g/ccに対して51%であった。一
般に、平均粒径が大きくなるにつれて相対密度は高くな
るが、70%を超えることは希であり、本実施例で得ら
れたLiNiO2 粉末も同様の傾向であることが確かめ
られた。
【0031】上記の方法で得られたLiNiO2 粉末を
正極活物質として用い、これに導電剤としてケッチェン
ブラック、結着剤としてポリテトラフルオロエチレン
(P.T.F.E)を重量比で8:1:1の割合で加え
て混練し、2t/cm2 の圧力をかけて直径37mmの円盤状
の加圧成形体に成形を行って正極板とした。
【0032】次いで該正極板を図1に示すリチウム二次
電池である試験セルの正極4として用い、一方、負極7
にはリチウムの金属板(厚さ0.7mm)から切り抜いて
形成した円盤を負極板とした。またセパレーター5に
は、ポリプロピレンのフィルムを切り抜いたものを使用
し、電解液にはプロピレンカーボネート(PC)と、
1,2−ジメトキシエタン(DME)を体積比で1:1
に混合した混合液に6フッ化リン酸リチウム(LiPF
6 )を0.5mol/l 濃度溶解させたものを用いた。尚、
図1中1は正極リード線、2はセル固定用ナット、3は
正極集電体、4は正極、5はセパレーター、6はセパレ
ーター固定用スペーサー、7は負極、8は負極集電体、
9はセル固定用ビス、10は電解液注入栓、11は負極
リード線をそれぞれ表わす。
【0033】次いでこれらを図1の試験セルとして組み
立て、充放電試験を行った結果、図3に示すように従来
技術において報告されている中で最も優れた二次電池の
充電容量値の190mAh/g が得られた。
【0034】同様に出発原料である水酸化ニッケルとし
てその平均粒径が表1に示す値のものを用い、上記に示
す製造法によって正極活物質と成し、それぞれの放電容
量、かさ密度、積指標、繰り返しによる容量減少を求め
て、その結果を表1に併せて示した。これらの結果か
ら、出発原料として二次凝集体の平均粒径が100μm
を越えず5μmの範囲にあるものが本発明の目的に合致
することが判明した。
【0035】
【表1】
【0036】尚、水酸化ニッケル原料として42μmの
粒径のものを用いた場合の粒子構造を示すSEM写真を
図4に示し、これによって得られたLiNiO2 粉末の
粒子構造を示すSEM写真を図5に示した。
【0037】
【実施例2】水酸化リチウム1水和物LiOH・H2
と水酸化ニッケルを300℃で熱処理して得た平均粒径
30μmの酸化ニッケル(NiO)とを、モル比におい
てLi/Ni=0.97/1およびLi/Ni=1.0
3/1となるようにそれぞれ秤量し、クエン酸をリチウ
ムとニッケルの合量に対して60重量%添加して、水中
にて90℃4時間混合した後に冷却した。
【0038】次いで該冷却物を攪拌容器から取り出して
10mm以下に解砕し、充分に乾燥させ、酸素気流中で7
30℃、15時間熱処理を行って、平均粒径17μmの
LiNiO2 粉末を得た。
【0039】得られたLiNiO2 粉末をXRD測定し
たところ、実施例1に示した図2と同様のXRDパター
ンとなった。また、上記各自の出発組成比のLiNiO
2 粉末を用いて、実施例1に示す手段で正極の成形体と
成し、図1に示す試験セルに組み入れて充放電試験を行
った結果を表2にまとめた。この結果、放電容量も従来
品とほぼ同じ値が得られることがわかった。
【0040】
【表2】
【0041】
【実施例3】同様にLiOHと平均粒径15μmの塩基
性炭酸ニッケルをモル比でLi/Ni=1/1となるよ
うに秤量して、実施例1と同様の条件で乾燥した。次い
で得られた塊を450℃大気中で焼成し冷却後に、0.
5ton/cm2 の圧力で加圧成形し、径20mm、厚み2mmの
円盤状の成形体とし、次いで該成形体を焼成炉中におい
て酸素気流雰囲気中750℃において15時間焼成後、
円盤を解砕し、平均径9μmの粉末を得た。 得られた
LiNiO2 粉末をXRD測定したところ、実施例1に
示した図2と同様のXRDパターンとなった。さらにこ
の粉末を正極活物質として用い、以下実施例1と同様に
試験セルを組み立て充放電試験を行ったところ、図6に
示すように第1サイクル時の充電容量は206mAh/g
で、放電容量は196mAh/g であり、第2サイクル以降
は充放電容量とも180mAh/g 前後であった。また、か
さ密度は2.11g/ccであり、積は413、繰り返しに
よる容量低下は、10回後に26%であった。
【0042】
【比較例1】実施例1と同様にLiOH・H2 OとNi
(OH)2 とを、モル比でLi/Ni=1/1となるよ
うに秤量し、これらの粉末をエタノール中で50時間粉
砕・混合して平均粒径約2μmの粉末を得、次いで該粉
砕物を酸素気流中750℃において24時間熱処理を行
ってLiNiO2 粉末を得た。
【0043】得られたLiNiO2 粉末をXRD測定し
たところ、実施例1における図2と同様の結果を示した
が、この粉末をSEM写真で観察したところ、図7に示
すように、粒径が1μm程度にすぎなかった。
【0044】さらにこの粉末を用いて実施例1と同様に
図1に示す試験セルを作製して充放電量を測定したとこ
ろ、図8に示すように146mAh/g しか得られなかっ
た。また、かさ密度は1.20g/cc、積指標は175、
繰り返しによる容量低下は10回後に66%であった。
【0045】
【発明の効果】上述のように本発明は、出発原料として
二次粒子の粒径を100μmを越えず5μm以上の範囲
に限定したニッケル化合物を用いることによって理想の
LiNiO2 粉末を得、これを正極活物質として用いる
ことにより高放電容量かつ高充填性のリチウム二次電池
の製造を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る正極活物質または正極板の性能測
定試験に用いた試験セルの断面概略図である。
【図2】実施例1において作製したLiNiO2 のXR
D(X線回折図)である。
【図3】実施例1において作製した試験セルによる充放
電曲線である。
【図4】実施例1で用いたNi(OH)2 の粒子構造を
示すSEM写真である。
【図5】実施例1で得られたLiNiO2 の粒子構造を
示すSEM写真である。
【図6】実施例3において作製した試験セルによる充放
電曲線である。
【図7】比較例1で得られたLiNiO2 の粒子構造を
示すSEM写真である。
【図8】比較例1において作製した試験セルによる充放
電曲線である。
【符号の説明】
1 正極リード線 2 セル固定用ナット 3 正極集電体 4 正極 5 セパレーター 6 セパレーター固定用スペーサー 7 負極 8 負極集電体 9 セル固定用ビス 10 電解液注入栓 11 負極リード線
フロントページの続き (72)発明者 平岡 幸雄 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同和鉱業株式会社内 (72)発明者 芳賀 教雄 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同和鉱業株式会社内 (72)発明者 岡部 勝明 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同和鉱業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−163046(JP,A) 特開 平3−257004(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/58 H01M 10/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム原料としてのリチウム化合物と
    ニッケル原料としてのニッケル化合物とを用いてLiN
    iO粉末を製造する方法において、出発原料の一つで
    あるニッケル化合物の二次以上の凝集粒子が平均径10
    0μmを越えず5μm以上の範囲内の大きさとなるよう
    に調整した後、該ニッケル化合物を、リチウムイオンと
    水溶性有機酸とを含有する水溶液中にて懸濁撹拌後乾燥
    し、次いで該乾燥物を酸化性雰囲気中で焼成することに
    よってLiNiO粉末と成すことを特徴とする非水リ
    チウム二次電池用正極活物質の製造方法。
  2. 【請求項2】 リチウム原料としてのリチウム化合物と
    ニッケル原料としてのニッケル化合物とを用いてLiN
    iO粉末を製造する方法において、出発原料の一つで
    あるニッケル化合物の二次以上の凝集粒子が平均径10
    0μmを越えず5μm以上の範囲内の大きさとなるよう
    に調整した後、該ニッケル化合物を、リチウムイオンと
    クエン酸とを含有する水溶液中にて懸濁撹拌後乾燥し、
    次いで該乾燥物を酸化性雰囲気中で焼成することによっ
    てLiNiO粉末と成すことを特徴とする非水リチウ
    ム二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ニッケル化合物が水酸化ニッケル、
    ニッケル酸化物、オキシ水酸化ニッケルおよび炭酸ニッ
    ケルからなる群から選択される少なくとも1種のニッケ
    ル化合物であることを特徴とする請求項1または2記載
    の非水リチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
JP05122094A 1994-02-24 1994-02-24 非水リチウム二次電池用正極活物質の製造方法 Expired - Lifetime JP3344815B2 (ja)

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