JP3344434B2 - フェライト系ステンレス鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤ - Google Patents
フェライト系ステンレス鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤInfo
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Description
接用ステンレス鋼ワイヤに関するものであり、さらに詳
しくは、ガスシールドアーク溶接によるフェライト系ス
テンレス鋼の良好な溶接を可能とするフェライト系ステ
ンレス鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤに関するもの
である。
性に優れたステンレス鋼が使用されており、このような
自動車用排気処理系の溶接には、高価でかつ熱疲労特性
に劣る高Niステンレス鋼ワイヤに代えて、安価な高C
rステンレス鋼ワイヤが使用されていた。
Cr−(Si−Mn)系溶接用ステンレス鋼ワイヤで
は、高温強度や耐食性等が劣るため、Nbの添加により
これらの特性を改善する試みがなされた。
−(Si−Mn)系溶接用ステンレス鋼ワイヤにおい
て、Nbの添加により、高温強度や耐食性等の改善が図
られたが、この反面、耐溶接割れ性に劣るものになるこ
とがあるという問題点があり、このため、高温強度,耐
食性に優れていると共に耐溶接割れ性にも優れたフェラ
イト系ステンレス鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤの
開発が望まれているという課題があった。
がみてなされたものであって、高温強度,耐食性に優れ
ていると共に耐溶接割れ性にも優れ、溶接割れ性を生じ
がたいフェライト系ステンレス鋼用ガスシールドアーク
溶接ワイヤを提供することを目的としている。
ト系ステンレス鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤは、
重量%で、C:0.015%以下、Si:0.9〜1.
5%、Mn:1.0%以下、P:0.030%以下、
S:0.010%以下、Cr:15.0〜25.0%、
Nb:1.0%以下、N:0.02%以下、残部Feお
よび不純物よりなり、 (C+N)/Si:0.030以下 10(C+N)/(Nb×Si):0.04〜0.60
を満足することを特徴としている。
レス鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤの成分組成(重
量%)の限定理由について説明する。
含有量が多すぎるとマルテンサイトを生成して硬さが過
大なものとなり、溶接割れを発生するおそれがでてくる
ので、0.015%以下としている。
溶接用ステンレス鋼ワイヤを用いて、JIS Z 31
53によるT形溶接割れ試験を行ったところ、溶接ワイ
ヤ中のNbにより高温割れを生じやすいものとなってい
た。そこで、割れが生じた部分を詳細に観察したとこ
ろ、このような割れは粒界に析出したNb炭化物,Nb
窒化物に沿って発生していることがわかった。
することによって、Nb炭化物,Nb窒化物の粒界析出
を抑制することにより、割れの発生を阻止できることを
見い出した。
レス鋼ワイヤの耐溶接割れ性を向上させるのに有用な元
素であるが、Si含有量が少ないと耐溶接割れ性が不足
であり、0.9%以上含有させることが必要であった。
しかし、Si含有量が多すぎると靭性が劣化するので、
1.5%以下とした。
する元素であるので、脱酸に有効な量を含有させること
が望ましいが、多すぎると耐食性や耐酸化性を低下させ
ることとなるので、1.0%以下としている。
部の靭性を劣化させることとなるので、0.03%以下
としている。
部の靭性を劣化させたり耐食性を低下させたりすること
となるので、0.01%以下としている。
接部の強度を高めると共に、耐食性ならびに耐酸化性を
向上させるのに有用な元素であって、Cr含有量が少な
いと耐食性ならびに耐酸化性の向上が得がたくなるの
で、15.0%以上としている。しかし、あまり多く添
加しても効果の向上はさほど得られず、歩留りを低下し
てコストの上昇をもたらすこととなるので、25.0%
以下とした。
素であるが、多く含有させると耐溶接割れ性が低下して
溶接割れを生じやすくするので、1.0%以下としてい
る。
接部分の靭性を劣化させるので、0.02%以下として
いる。
割れ性が低下することとなるので、(C+N)/Si比
で0.030以下であるようにすることが望ましい。
C),Nb窒化物(NbN)の粒界析出を抑制し、溶接
割れの発生を防止して耐溶接割れ性を向上させることが
可能であるが、Si含有量が少ないと耐溶接割れ性の向
上が十分でなく、また、Nb含有量が多くなると高温強
度,耐食性は向上するものの耐溶接割れ性が低下するの
で、このようなSi,Nb含有量とC,N含有量との関
連で、10(C+N)/(Nb×Si)において0.0
4〜0.60の範囲であるようにすることが望ましい。
鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤでは、上述した構成
としており、Siを適量添加することによって、Nb炭
窒化物の粒界析出を抑制するようにしているので、Nb
炭窒化物が粒界に析出することによりこのNb炭窒化物
に沿って割れを生ずるのが防止されて、高温強度および
耐食性に優れていると共に耐溶接割れ性にも優れた溶接
継手部の形成に適するフェライト系ステンレス鋼用ガス
シールドアーク溶接ワイヤとなる。
したのち圧延および線引を行うことによって、直径1.
2mmのワイヤに加工し、リールに巻き取って表1に示
す化学成分組成の発明例1〜4および比較例5〜9の溶
接用ステンレス鋼ワイヤを得た。
使用してこれを消耗電極とするMIG溶接を行った。
の母材(SUS430製)を使用した。また、溶接条件
は、表2に示すものとしてT形溶接割れ試験(JIS
Z3153)を行った。
ーチェックにより調べたところ、同じく表1に示す結果
であった。
1.5%の範囲内で且つ(C+N)/Si≦0.030
でさらに0.04≦10(C+N)/(Nb×Si)≦
0.60を満足するSiを含有させた本発明例1〜4で
は、溶接部における割れ数が著しく少ないものとなって
おり、耐溶接割れ性が良好であると共に、高温強度およ
び耐食性も良好なものであった。
有量が少ない比較例5の場合や、N含有量が多くかつS
i含有量が少ない比較例6の場合や、P含有量が多くか
つSi含有量が少ない比較例7の場合や、S含有量が多
くかつSi含有量が少ない比較例8の場合や、Si含有
量がさらに少ない比較例9の場合は、割れ発生数が多い
ものとなっていた。
鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤでは、重量%で、
C:0.015%以下、Si:0.9〜1.5%、M
n:1.0%以下、P:0.030%以下、S:0.0
10%以下、Cr:15.0〜25.0%、Nb:1.
0%以下、N:0.02%以下、残部Feおよび不純物
よりなり、(C+N)/Si:0.030以下,10
(C+N)/(Nb×Si):0.04〜0.60を満
たすものとしたから、溶接部における高温強度,耐食性
に優れていると共に、耐溶接割れ性にも優れており、溶
接部において溶接割れを生じがたいものとすることが可
能であるという著しく優れた効果がもたらされる。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.015%以下、S
i:0.9〜1.5%、Mn:1.0%以下、P:0.
030%以下、S:0.010%以下、Cr:15.0
〜25.0%、Nb:1.0%以下、N:0.02%以
下、残部Feおよび不純物よりなり、 (C+N)/Si:0.030以下 10(C+N)/(Nb×Si):0.04〜0.60 を満足することを特徴とするフェライト系ステンレス鋼
用ガスシールドアーク溶接ワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21445993A JP3344434B2 (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | フェライト系ステンレス鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21445993A JP3344434B2 (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | フェライト系ステンレス鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0760480A JPH0760480A (ja) | 1995-03-07 |
JP3344434B2 true JP3344434B2 (ja) | 2002-11-11 |
Family
ID=16656097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21445993A Expired - Lifetime JP3344434B2 (ja) | 1993-08-30 | 1993-08-30 | フェライト系ステンレス鋼用ガスシールドアーク溶接ワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3344434B2 (ja) |
-
1993
- 1993-08-30 JP JP21445993A patent/JP3344434B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0760480A (ja) | 1995-03-07 |
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