JP3343550B2 - 物品の移動を駆動する成型体 - Google Patents

物品の移動を駆動する成型体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御された音響振
動を利用して物品の移動を駆動することのできる成型体
に関する。本発明の成形体は、各種の加工機、超音波モ
ータ、自動車部品あるいは電気製品などの分野で用いる
ことができる。
【0002】
【従来の技術】機械振動子として、電磁効果による電磁
式振動子と圧電効果による圧電振動子とが知られている
が、電磁式振動子に比較して圧電振動子は小型化できる
ため、現在では圧電振動子が電磁式振動子に代わり広く
用いられている。圧電振動子の応用分野は広く、水中ソ
ナー、魚群探知機、探傷計、厚み計、流量計、液面計、
粘度計、遅延線、メカニカルフィルター、洗浄機、霧化
機、溶接機、切削加工機及び超音波モータなどに用いら
れている。
【0003】従来の圧電振動子の一般的な構成を図7に
示す。図7の圧電振動子10は、圧電セラミック1がリ
ン青銅(弾性体)2に接着剤で接合された構成にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
圧電振動子では、目的とする振動モードだけを励起しよ
うとしても、目的とする振動モードに近い固有振動数を
持つ不要な振動も一緒に取り出されてしまうという問題
がある。
【0005】本発明は、音響振動制御材料を利用して、
物品の所望の方向への移動を駆動することのできる成型
体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、成型体の表面
に配置した物品を、その表面に沿って一定の方向に移動
させるための成型体であって、該成型体が、母材中に複
数の高弾性繊維がそれぞれ成型体表面に対して角度をも
って同一の方向に規則的に配向配置されてなる層と圧電
振動子との積層体であることを特徴とする物品の移動を
駆動する成型体にある。
【0007】本発明はまた、成型体の表面に配置した物
品を、該表面上にて環状方向に移動させるための成型体
であって、該成型体が、母材中に複数の高弾性繊維が該
表面に沿って順次角度を変えて規則的に配向配置されて
いる層と圧電振動子との積層体であることを特徴とする
物品の移動を駆動する成型体にもある。
【0008】本発明の成形体の好ましい態様は次の通り
である。 (1)母材中に複数の高弾性繊維がそれぞれ互いに平行
に配置されている。 (2)母材が樹脂もしくは樹脂の炭素化物である。 (3)母材に圧電材料が含まれている。 (4)高弾性繊維の引張弾性率が100GPa以上であ
る。 (5)複合材料の繊維方向の引張弾性率が、繊維と直交
する方向の引張弾性率の2倍以上である。 (6)高弾性繊維が、炭素繊維もしくは炭素含有繊維で
ある。
【0009】
【実施例】以下、本発明の原理と構成を添付図面により
説明する。
【0010】音響振動制御材料と圧電振動子とを組合せ
た圧電振動体(積層体あるいは成型体という)の構成を
図1に斜視図として示す。図1において、番号11は、
分極された圧電セラミック素子(圧電振動子)を示して
おり、その分極方向は図中に矢印で示した方向である。
圧電セラミック素子の両側には銀電極が焼き付けられて
いる。番号12は、密度が1.8g/cm3、引張弾性
率が240GPaである強化基材の炭素繊維を一方向に
配向させた、ポリアミド樹脂を母材とした炭素繊維強化
プラスチック成型体を示す。母材のプラスチックの密度
は1.5g/cm3である。
【0011】図1の炭素繊維強化プラスチック成型体
(異方性複合材料)における繊維方向の引っ張り弾性率
は120GPaであって、繊維と直角方向の引っ張り弾
性率は10GPaである。番号11の圧電セラミック素
子と番号12の炭素繊維強化プラスチック成型体とは、
エポキシ系接着剤を用いて接着一体化され、圧電振動体
10とされている。
【0012】圧電振動体に、図1に示したように配線を
施し、高周波電圧を印加する。この圧電振動体に高周波
電圧を印加すると、炭素繊維強化プラスチック成型体の
両側に配置した圧電セラミック素子は、同位相で伸縮振
動する。この圧電振動体10は、X、Y、そしてZ方向
に伸縮振動が可能であって、曲げ振動は励起されること
が困難である。この図1の構造を持つ圧電振動体のアド
ミッタンス特性をインピーダンスアナライザーにより測
定した。測定によると、ほぼ88.8KHzと1.5M
Hz付近に共振応答があった。この振動をインピーダン
スアナライザーにより求めた固有振動数で振動変位を測
定した結果、Y方向とZ方向との伸縮振動が確認され
た。
【0013】次に有限要素法により振動解析したとこ
ろ、X方向の一次の縦振動の共振周波数は約54.1K
Hzであり、Y方向の一次の縦振動の共振周波数は約8
1.2KHzであり、そしてZ方向は約1.4MHzで
あった。しかし、有限要素法で求めたX方向の一次縦振
動の約54.1KHzの共振周波数は、インピーダンス
アナライザーにより測定したアドミッタンス特性では共
振応答がその付近では存在しなかった。また振動変位の
測定でも共振応答はなかった。
【0014】図1のように炭素繊維がX方向に配向した
炭素繊維強化複合材料では、X方向の縦振動は抑制さ
れ、Y方向の振動が強く励起されている。また、より機
械的損失の少ない圧電振動体10を製作するため炭素繊
維複合材料の弾性率を向上させる必要がある場合には、
炭素繊維複合材料を熱処理して樹脂部分を炭素化する方
法もある。
【0015】図1では圧電セラミック振動子を振動源と
したが、他の振動源を用いた場合においても、本発明の
音響振動制御材料を用いれば、不要な振動を抑制するこ
とができる。
【0016】図1において、圧電振動体と構造、寸法は
同じであるが、炭素繊維複合材料の炭素繊維の配向方向
をY方向とすることもできる。この圧電振動体のアドミ
ッタンス特性をインピーダンスアナライザーにより求め
た。測定結果によると、約53.5KHz、約1.5M
Hzに大きな共振応答があり、約86.5KHzに微小
な共振応答がある。振動変位を測定した結果、約53.
5KHzでX方向の振動が大きくなり、約1.5MHz
でZ方向の振動が大きくなり、そしてY方向の振動は約
86.5KHzでも、微小であった。このようにY方向
に炭素繊維を配向させた炭素繊維複合材料では、Y方向
の振動を大きく抑制できる。
【0017】上記の図1の構成では、炭素繊維複合材料
の炭素繊維の方向を揃えることにより振動を制御するこ
とが可能であることを明らかにしている。
【0018】次に、本発明に従う成形体の構成の例を、
図2を用いて説明する。図2では、炭素繊維18の配向
方向を水平に対して45度傾けた構成した炭素繊維複合
材料14に、圧電セラミック板(圧電振動子)11をエ
ポキシ系接着剤を用いて接着して積層体(圧電振動体
10としている。この圧電振動体10に、厚さ方向の共
振周波数に近い高周波電圧を印加したところ、炭素繊維
複合材料の上に置かれた物は左方向に移動した。この移
動は炭素繊維の配向方向と直交する方向の矢印の方向に
強く振動が励起されるためと考えられる。
【0019】図2の例から、炭素繊維複合材料中の繊維
の配向方向を揃えることにより、振動方向が制御でき、
その炭素繊維複合材料の上に置いた物体を移動させるこ
とができることが分る。
【0020】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のでなく、その要旨の範囲内において様々に変形実施が
可能である。
【0021】さらに、本発明の成形体は、図3と図4と
に示す例のような構成とすることも可能である。図3は
平面図であり、図4は側面図である。この実施例では、
円盤状の炭素繊維複合材料中の炭素繊維18の配向方向
を、円盤の中心を通る直線に対して15度傾けている。
この炭素繊維複合材料15に圧電セラミック素子11を
接着し、圧電振動体10とした。この圧電振動子10の
径方向の広がり振動の共振周波数の高周波電圧を印加す
ると繊維方向と直交する図中の矢印方向に振動した。こ
れは、繊維の方向により振動モードを変換することが可
能であることを示す。
【0022】
【発明の効果】本発明の繊維強化複合材料からなる音響
振動制御材料(弾性体)を用いることにより、複合材料
中の高弾性繊維の長さ方向では、音響振動が抑制され、
高弾性繊維の長さ方向と直交する方向には音響振動が強
く伝達される。従って、上記の音響振動制御材料を圧電
振動子との積層体として用いることにより、各種物品の
所望の方向への移動を駆動する成型体を提供することが
できる
【図面の簡単な説明】
【図1】圧電振動体の機能を説明するための斜視図であ
る。
【図2】本発明に従う成形体(圧電振動体)の例を示す
側面断面図である。
【図3】本発明に従う成形体(圧電振動体)の例を示す
平面図である。
【図4】図3の圧電振動体の側面図である。
【図5】従来例の圧電振動子の概略構成を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
10 圧電振動体 11 炭素繊維強化複合材料(複合材料板) 12 圧電セラミック素子 14 炭素繊維強化複合材料 15 炭素繊維強化複合材料 18 炭素繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 2/00 H01L 41/08 H01L 41/09

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成型体の表面に配置した物品を、その表
    面に沿って一定の方向に移動させるための成型体であっ
    て、該成型体が、母材中に複数の高弾性繊維がそれぞれ
    成型体表面に対して角度をもって同一の方向に規則的に
    配向配置されてなる層と圧電振動子との積層体である
    とを特徴とする物品の移動を駆動する成型体。
  2. 【請求項2】 母材中に複数の高弾性繊維がそれぞれ互
    いに平行に配置された複合材料からなる請求項1に成型
    体。
  3. 【請求項3】 成型体の表面に配置した物品を、該表面
    上にて環状方向に移動させるための成型体であって、該
    成型体が、母材中に複数の高弾性繊維が該表面に沿って
    順次角度を変えて規則的に配向配置されている層と圧電
    振動子との積層体であることを特徴とする物品の移動を
    駆動する成型体。
  4. 【請求項4】 母材が樹脂である請求項1乃至3のうち
    のいずれかの項に記載の成型体。
  5. 【請求項5】 母材が樹脂の炭素化物である請求項1乃
    至3のうちのいずれかの項に記載の成型体。
  6. 【請求項6】 母材に圧電材料が含まれている請求項1
    乃至3のうちのいずれかの項に記載の成型体。
  7. 【請求項7】 高弾性繊維の引張弾性率が100GPa
    以上である請求項1乃至6のうちのいずれかの項に記載
    の成型体。
  8. 【請求項8】 複合材料の繊維方向の引張弾性率が、繊
    維と直交する方向の引張弾性率の2倍以上である請求項
    1乃至7のうちのいずれかの項に記載の成型体。
  9. 【請求項9】 高弾性繊維が、炭素繊維もしくは炭素含
    有繊維である請求項1乃至8のうちのいずれかの項に記
    載の成型体。
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