JP3340640B2 - 角度が調節されたリフレックスピン、それを用いて製造された反射体アセンブリ及び反射体における反射光再配向方法 - Google Patents

角度が調節されたリフレックスピン、それを用いて製造された反射体アセンブリ及び反射体における反射光再配向方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、限定はされないが
自動車に使用される反射体及びこのような反射体の製造
方法に関し、特に、角度が調節されたリフレックスピン
及びそれを用いて製造された反射体アセンブリ並びに反
射体における反射光再配向方法に関する。
【0002】
【従来の技術】反射領域の広い反射体の製造方法はヒー
ナンによる米国特許第3、923、378号に開示され
ている。さらに、他の反射体の製造方法が下記の米国特
許に開示されている。
【0003】米国特許第4、588、258号 198
6年5月13日付 米国特許第4、775、219号 1988年10月4
日付 米国特許第4、938、563号 1990年7月3日
付 米国特許第5、138、488号 1992年8月11
日付 これらの米国特許のほとんどは極小のプリズム材からな
る高速道路標識等に使用される反射体に関し、反射体に
対して軸から離れて位置する運転者に標識が良く見える
ように反射領域を広げることを目的とする。
【0004】また、1995年8月1日付のカナダ特許
第2、040、909号にも開示されている。例えば米
国特許第3、926、402号及び第4、080、28
0号には、キューブコーナー反射体の製造に使用される
ピンの配列が開示されているが、ピンは互いに異なる角
度に位置している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】リフレックスピンを用
いて製造される反射体により反射される光が所定の距
離、一定の広がりを有するような角度にリフレックスピ
ンの面が切断される。リフレックスピンを用いて製造さ
れるキューブコーナー反射体において、キューブ長手軸
即ちリフレックスピンの長手軸と、キューブコーナー反
射体の各要素の各面即ちリフレックスピンの三面の各々
との角度は約35゜17´である。キューブコーナーの
隣接し合う三面は、入射光が反射後、入射方向へ戻り必
要な規格に合致する広がりで出射するように、入射光を
回転させる。このようなキューブコーナーは、各面が隣
接する二面に対して120度の相対位置に設けられるよ
うにリフレックスピンの三面を切断することにより形成
される。
【0006】各キューブコーナーの有効領域は六角形状
を有する。キューブコーナーへ入射した後、光源の方向
へ反射され戻る光は所望の広がりを有し、反射領域を形
成する。例えば、S.A.E.(アメリカ自動車技術者
協会)規格において、100フィート(約30.5m)
離れた光源から反射体に向けられる光は12´の角度の
広がりで光源へ反射され戻らなければならない。対応す
るヨーロッパ規格では反射領域における反射角度は、入
射光の光源と反射体との間の空間が10mの場合、20
´である。
【0007】反射領域が円錐形状である場合、反射光が
形成する円錐の底面は光源に垂直であり、光源に垂直な
スクリーン上の六角形の六点にキューブコーナーからの
反射光が集まる。反射領域の要件として、入射光の光源
が例えば自動車のヘッドライトであり、反射体が100
フィート離れた、前の自動車の後端である場合、反射体
により、後続車の人の方へ光が反射される。この場合、
後続の人はスクリーン上の六角形の頂点に位置する。
【0008】テールランプアセンブリのような車両の後
部に設けられている反射装置は、母型としてのピンの束
を用いて電鋳により作られる型から製造される。電鋳が
行われる個々のリフレックスピンの端部はキューブコー
ナー要素を形成し、リフレックスピンの三面は相対的に
120度の角度をなす。通常、リフレックスピン群、そ
れからつくられるキューブコーナー反射体の要素群は独
立したグループとして配置される。リフレックスピンを
用いてつくられた型による製造及び製造された反射体に
わずかな欠陥があると、上述した六角形の点は反射軸か
らある程度、広がる傾向にある。さらに、入射光の軸の
上に位置する、即ち光源のヘッドライトを備えた自動車
に乗っている人の目に反射体から反射された光の多く
は、光源の領域に戻る時に、反射領域の側方及び下部、
即ちスクリーン上の六角形の側点及び下点に向けられる
という点で浪費される。言い替えれば、光が反射され、
光源のヘッドライトを備えた自動車の領域に戻ると、反
射領域における反射光の多くが運転者の側方及び下に向
けられる。
【0009】本発明の目的は、円錐形の上部の反射光の
強さを実質上、増加させるために、六角形の側部の光即
ちいわば浪費された光のある部分または殆どの部分を再
配向または再分配し、浪費された反射光の一部を円錐形
の上部の目の位置へ上げることである。このことにより
反射光が最も必要とされる部分における反射光の効率は
実質上、3倍になる。本発明によって反射体を実質上、
小さくすることができる。さらに同じ大きさでも効率を
論理上、3倍にすることができる。
【0010】さらに本発明の目的は反射光の一部を再び
向けることにより又は配分することにより光測定装置
(光電管)に隣接している部分の反射光の輝度/強さを
増加させ、人の目及び/又は測定装置から外れている部
分に反射光が広がることを防ぐ反射面を提供することで
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は反射体を
成形する型の製造に使用されるリフレックスピンの面の
相対的位置を変化させることにより達成される。本発明
は、約120度の操作反射角度を有する反射面から形成
された反射体から光源へ垂直に反射され戻される光の強
さを増加させる方法を提供する。この方法は、選択され
た反射面の反射角度を120度を越える角度に調節し、
光を部分的に再び向けることにより光源の部分または光
源に隣接した部分に戻る反射光の濃度を増加させること
からなる。
【0012】さらに本発明は光源の部分に反射光を戻す
反射体を提供する。反射体は約120度の操作キューブ
角度を有する複数のキューブコーナー反射面から形成さ
れ、選択された反射面のキューブ角度が約120゜6´
に調節されることにより、反射体により反射された光の
一部分を光測定装置の部分または光測定装置に隣接した
部分に戻す。
【0013】また、本発明は反射体アセンブリ又は反射
面の製造に使用されるリフレックスピンを提供する。リ
フレックスピンは各々隣接面に対して各々120度であ
るキューブ面を有する。選択されたキューブ面を120
度の基準角度から調節した角度に切断することにより、
リフレックスピンを用いてつくられた反射体から反射さ
れる光は、反射領域の一部分から反射領域の他の部分に
おける人の目又は記録装置の感光要素の位置に再び向け
られ、実質上、反射光の強さが増加する。
【0014】本発明はさらに、互いに約120度の操作
反射角度をなす反射面を有するキューブコーナー要素か
ら形成される反射体から反射領域に垂直に反射される反
射光の一部を反射領域の一部分から他部分に再び向ける
ことにより反射光の強さが増加する方法を提供する。キ
ューブコーナー要素の選択された反射面の調節角度を1
20度から調節する。調節角度は約120゜6´であ
り、他部分は人の目又は記録装置の感光要素の位置であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は反射光を測定する際に使用
される反射領域の略図である。反射領域10の一端はキ
ューブコーナー反射体12により画定され、他端は光源
14により画定され、これらの端部の間隔は、S.A.
E.規格では100フィート、ヨーロッパ規格では10
mである。図1に示されているように、S.A.E.規
格による反射光の広がりは12´であり、ヨーロッパ規
格では20´である。キューブコーナー反射体12から
反射された光は光源14に垂直に対して設けられている
スクリーン16上に、表示される。即ち、キューブコー
ナー反射体12により光は六角形20における六点18
の形状でスクリーン16へ戻る。
【0016】図2及び3に示されているように、光源1
4から入射した光線はキューブコーナー反射体12の面
1、2、3から出射して戻る。これらの面1、2、3
は、キューブコーナー反射体12及びキューブコーナー
反射体12の製造に使用されるピンの長手軸22に対し
て約35゜17´の角度をなす。さらに、図3に示され
ているようにキューブコーナー反射体12の面1、2、
3はリフレックスピンの端部により形成され、互いに1
20度の角度をなす。
【0017】キューブコーナー反射体12の面1、2、
3は、図2に示されているように長手軸22に対して約
35゜17´の角度をなし、図3に示されているように
互いに120度の角度をなすので、光線は図2の仮想線
24に示されているように反射領域10を戻り、スクリ
ーン16上に六角形20をなす六点18を形成する。
【0018】六角形20の頂点26には、反射領域10
のテストに使用される光電池その他の光測定装置が設け
られる。図4に示されているように六角形20の点18
は明瞭な形を有していない。通常、製造工程の不具合に
より、例えば図4の点28のように広がり拡散する。
【0019】図1の光源14の位置に車両のヘッドライ
トが位置し、スクリーン16上の六角形20の頂点26
が例えば運転者の目の位置である場合、図4からわかる
ように、キューブコーナー反射体12に反射し反射領域
10を戻る光は目の位置、即ち六角形20の頂点26か
ら離れた、円錐状の領域に向けられ、浪費される。
【0020】従って、本発明は、反射光がそれた領域か
ら反射光の一部を視界に再配向即ち再分配する手段を提
供し、実質上、反射光の強さは再配向された六角形20
の点における強さに増加する。図5及び6に示されてい
るように、本発明によるリフレックスピン30の操作端
は、三面32、34、36間の相対的な位置を変えるよ
うに切断される。面32及び34は互いに水平面上で1
20度の角度をなすのではなく、操作端を切断すること
により、面36から各々、120゜6´の角度をなすよ
うに調節される。このことにより、反射領域への光のパ
ターンは変化し、図7に示されている六角形の側点4
0、42に垂直に反射される光は再配向され、側点40
への光は頂点26に向けられ、下方の側点42への光は
底点38に向けられる。側点42への光は移動し、六角
形の底点38における光が強くなり、この光は視界から
外れるが、六角形の側点40から移動する光により頂点
26への反射光の強さは論理上、図1に示されている六
角形の頂点に受ける光の強さの3倍になる。
【0021】図8は本発明による研磨及びラップ仕上工
程においてリフレックスピンを固定し面を切断する方法
を示す。ピン44をコレット46に固定し、ピン44の
面50を適切な角度に仕上げる。次にコレット46を1
20゜6´回転し、面52を仕上げ、さらにコレット4
6を同様に回転させることによってピン44の面54を
仕上げる。
【0022】図9及び10は、複数のピン62が調節可
能にコレット64に設けられているベース環状部材60
を示す。図10に示されているように、ピン62は研磨
され、面66によるラップ仕上げにより適切な角度に仕
上げられる。各コレット64を120゜6´回転するこ
とによって必要に応じて各ピン62の面を適切な角度に
仕上げることができる。
【0023】上述したように実施例において各ピンは二
面が他の基準面に対して各々120゜6´の角度をなす
ように切断され、これら二面の角度を調節することによ
って反射光の再分配が行われる。自動車のテールランプ
における反射鏡のような反射体においてピンのすべての
面を本発明に従って変更することができる。または、反
射体の製造用の型をつくるのに用いられるピンの所定部
分を変えることができる。
【0024】本発明が車両に使用される場合を述べた
が、本発明による反射体は道路標識その他広い範囲に使
用可能である。尚、本発明は、上記実施例に何ら限定さ
れることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々
な態様で実施できることはいうまでもない。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、反射体の
製造に使用されるリフレックスピンは二面が他の基準面
に対して各々120゜6´の角度をなすように調節され
て切断され、これら二面の角度を調節することによって
反射光の再分配が行われ、反射光の強さが実質上、増加
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 反射光の測定に使用される反射領域の略図で
ある。
【図2】 反射体の一部を示す断面図である。
【図3】 キューブコーナー反射体及びキューブコーナ
ー反射体における入射光並びに反射光を示す平面図であ
る。
【図4】 反射光を測定するためのスクリーンの略立面
図である。
【図5】 本発明によって調節された角度を有する面を
備えたリフレックスピンの頭部を示す平面図である。
【図6】 図5に示されているリフレックスピンの斜視
図である。
【図7】 反射光を測定するためのスクリーンにおいて
本発明によって再配向された光のパターンを示す略立面
図である。
【図8】 リフレックスピンを研磨及びラッピング工程
において固定する方法の説明図である。
【図9】 複数のピンを機械加工するための装置の平面
図である。
【図10】 複数のピンを機械加工するための装置の断
面図である。
【符号の説明】
1、2、3 面 10 反射領域 12 キューブコーナー反射体 14 光源 16 スクリーン 18 点 20 六角形 22 長手軸 24 仮想線 26 頂点 28 拡散点 30 リフレックスピン 32、34、36 面 38 底点 40、42 側点 44 ピン 46 コレット 50、52、54 面 60 ベース環状部材 62 ピン 64 コレット 66 面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 イタロ キャロリ カナダ エイチ3ワイ 1ケイ2 ケベ ック ウエストマウント アッパー ベ ルモント アベニュー 728 (56)参考文献 特開 平6−342102(JP,A) 特開 昭53−69596(JP,A) 特開 昭57−146806(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09F 13/16 G02B 5/122

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接面に対して約120度の角度をなす
    三つのキューブ面を各々有し、反射体アセンブリ又は反
    射面の製造に使用されるリフレックスピンであって、上
    記リフレックスピンの選択された2つのキューブ面
    20度の基準角度から調節された角度である120゜
    6´になるよう該キューブ面を切断することにより、上
    記リフレックスピンを用いてつくられた反射体から反射
    される光は、反射領域の一部分から反射領域の他の部分
    における人の目又は記録装置の感光要素の位置に再び向
    けられ、実質上、反射光の強さを増加することを特徴と
    するリフレックスピン。
  2. 【請求項2】 互いに約120度の角度をなす複数のキ
    ューブ面を各々有し、反射体アセンブリ又は反射面の製
    造に使用されるリフレックスピンであって、上記リフレ
    ックスピンの選択されたキューブ面120度の基準角
    度から調節された角度である約120゜6´になるよう
    該キューブ面を切断することにより、上記リフレックス
    ピンを用いてつくられた反射体から反射される光は、反
    射領域の一部分から反射領域の他の部分における人の目
    又は記録装置の感光要素の位置に再び向けられ、実質
    上、反射光の強さを増加することを特徴とするリフレッ
    クスピン。
  3. 【請求項3】 互いに約120度の角度をなし、入射光
    線を反射領域に反射する三つのキューブ面を各々有する
    複数のキューブコーナー要素によって形成される反射体
    アセンブリであって、上記キューブコーナー要素の選択
    されたキューブ面が120度から相対的に調節された約
    120゜6´の調節角度を有するように該キューブ面を
    切断することにより上記反射体アセンブリから反射され
    た光が反射領域の一部分から反射領域の他の部分におけ
    る人の目又は記録装置の感光要素の位置に再び向けら
    れ、実質上、反射光の強さを増加することを特徴とする
    反射体アセンブリ。
  4. 【請求項4】 上記キューブコーナー要素の一部のみが
    120度から調節された約120゜6´の調節角度を有
    する選択面を備えることを特徴とする請求項3記載の反
    射体アセンブリ。
  5. 【請求項5】 互いに約120度の操作反射角度をなす
    反射面を有するキューブコーナー要素から形成される反
    射体から反射領域に反射された反射光の一部を上記反射
    領域の一部分から他部分に再び向けることにより上記反
    射光の強さを増加させる反射光再配向方法であって、上
    記キューブコーナー要素の選択された反射面の調節角度
    を120度から調節し、その調節後の角度が約120゜
    6´であり、上記他部分が人の目又は記録装置の感光要
    素の位置であることを特徴とする方法。
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