JP3340010B2 - アスファルトの改質方法およびアスファルト組成物 - Google Patents

アスファルトの改質方法およびアスファルト組成物

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JP3340010B2 JP33907995A JP33907995A JP3340010B2 JP 3340010 B2 JP3340010 B2 JP 3340010B2 JP 33907995 A JP33907995 A JP 33907995A JP 33907995 A JP33907995 A JP 33907995A JP 3340010 B2 JP3340010 B2 JP 3340010B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、舗装材料、ルーフ
ィング材料、防水材料等に使用されるアスファルトに関
するものであり、より詳しくは、アスファルトに対して
高級アルコールと、当該高級アルコールをリン酸化し得
る薬剤を加え攪拌混合し、アスファルト系内において酸
性有機リン化合物を得、骨材、セメントコンクリート、
ガラス等での接着性を向上し得るアスファルトの改質方
法及びアスファルト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】石油か
ら得られるアスファルトは、他の材料に比べ安価である
ため、舗装材料、ルーフィング材料、防水材料等に広く
使用されているが、特に舗装材料への需要が大きい。
【0003】しかるに、アスファルトは無極性であるた
めに骨材との付着が充分ではなく、降水や地下水などの
水の介入作用によってアスファルトが骨材から剥離する
という欠陥を潜在的にもっている。
【0004】アスファルト舗装の性能向上、更には耐久
性向上のため、この様なアスファルトと骨材との付着性
改善(耐剥離性の向上)は極めて重要な技術的課題であ
り、解決のために従来より化学的薬剤を添加する等の諸
々の方法が考案されてきている。例えば、特公昭55-389
93号公報によれば、この対策として高級脂肪族ポリアミ
ンやその誘導体が用いられているが、従来より考案され
た高級脂肪族ポリアミンおよびその誘導体は初期の付着
向上性能が改善されるが、剥離を防止する効果の持続性
は1年程度と言われている。また、化学的に熱安定性が
よくない。
【0005】また、特開昭57-51745号公報にはシラン化
合物を添加して付着性能を改善する方法も提案されてい
るが、加熱瀝青質に添加する際、また加熱合材の製造時
に有害な臭気および蒸気発生があり、安全衛生上に問題
を残し、経済的にも実用性にも欠ける。
【0006】さらにまた、五酸化リン、ポリリン酸、五
硫化リンなどのリン酸化合物をアスファルトに添加混合
した組成物がアスファルト改質用添加剤として特公昭54
-23691号公報に開示提案されているが、これらのリン酸
化合物は無機物であって必ずしも有機物中での分散状態
は良くはなくアスファルトの骨材に対する付着性能は不
充分である。
【0007】本出願人においても、特開昭60-188462 号
公報において酸性有機リン酸化合物がアスファルトの骨
材に対する付着性改善効果、剥離防止効果のあることを
発明し、公開するに到った。当該公報において、酸性有
機リン化合物の製造方法および使用方法について示した
が、一般的に得られる酸性有機リン化合物は、融点が10
0℃近くであり、取扱上に問題があることがわかった。
融点が 100℃近いものをかたまりの状態で直接アスファ
ルト中に投入した場合、アスファルトへの溶融に時間を
要し、アスファルトの製造上の効率が低下した。また、
かたまりの状態自身、移動、投入方法の点で容易でな
い。また、酸性有機リン化合物を一度溶かし、粉末、フ
レーク、ビーズ状に加工する方法もあるが、設備上コス
トがかかり、得策でない。その他、溶融状態で保存、投
入する方法も考えられるが、長期間における剤の熱安定
性の点で問題である。いずれにせよ、溶融設備が必要な
点で、コストアップにつながり好ましくない。更に取扱
性を向上するために、剤の長鎖アルキル基に分枝構造を
導入し融点を下げ、液状化する方法も考えられたが、剤
自身がコストアップになり好ましくない。
【0008】アスファルトは先にも述べたが、他の材に
比べたいへん安価な材料であり、広範囲な分野において
利用されているが、機能の改善(付着性改善、耐剥離
性)に際し、大幅にコストがアップしたのでは利用価値
は低減する。従って、できるだけ安価にアスファルトを
改質する方法の出現が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、付着性の
改善(耐剥離性)された安価なアスファルト組成物を得
るべく鋭意努力した結果、高級アルコールと当該高級ア
ルコールをリン酸化し得る薬剤とを加え攪拌混合するこ
とによって、アスファルトの付着性を改善することがで
きることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0010】即ち、本発明は、アスファルト中に高級ア
ルコールと当該高級アルコールをリン酸化し得る薬剤と
を加え攪拌混合することを特徴とするアスファルトの改
質方法に関する。
【0011】また、本発明は、高級アルコールと当該高
級アルコールをリン酸化し得る薬剤とを含有することを
特徴とするアスファルト組成物に関する。
【0012】本発明のアスファルトの改質方法は、付着
性の改善に効果のあるアスファルト組成物を安価に得る
方法を提供するものである。
【0013】さらに詳しくは、本発明のアスファルトの
改質方法は、特開昭60-188462 号公報記載の方法のよう
に別途酸性有機リン化合物を合成、精製、加工、添加混
合する方法に比べ、大幅に工程を短縮することができ、
特別の設備を用いることなく、石油アスファルトの製造
所又は出荷基地あるいはアスファルトの使用現場におい
て簡便かつ容易に行えるアスファルトの改質方法であ
り、結果的には、安価に付着性の改善に効果のあるアス
ファルト組成物を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において使用される高級ア
ルコールは、次の一般式で表されるものである。 RO(C2H4O)nH (式中、 Rは炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪
族炭化水素基又は炭素数8〜26のアルキルフェニル基を
表し、nは0〜10の数である。) 代表的なものとしては、例えば以下のものが挙げられ
る。2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコー
ル、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パル
ミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステア
リルアルコール、オレイルアルコール、アラキジルアル
コールなどの脂肪族アルコール、オクチルフェノール、
ノニルフェノールなどのアルキルフェノール、オキソ
法、チーグラー法およびガーペット法などによる合成ア
ルコール、又はこれらにアルキレンオキシド好ましくは
エチレンオキシドを1〜10モル付加したアルコール、及
びこれらの各比混合物などの殆どの高級アルコール類が
含まれる。炭素数の多い方が良く、特に16以上のものが
好適である。
【0015】本発明において使用される高級アルコール
をリン酸化し得る薬剤は、五酸化リン、ポリリン酸、オ
ルトリン酸、五硫化リン、オキシ三塩化リン(POCl3) 、
三塩化リン(PCl3)が好ましい。特にアスファルトの機能
改善の点で五酸化リン、ポリリン酸、五硫化リンが好ま
しい。
【0016】高級アルコールと当該アルコールをリン酸
化し得る薬剤(以下、リン酸化剤と略す)とを混合した
アスファルト組成物が、骨材に対する付着性改善又は耐
剥離性の向上の効果がある点に関しては、以下の様に推
察される。即ち、アスファルト系内において、高級アル
コールとリン酸化剤とが反応し得る条件になり、酸性有
機リン化合物が生成され、この酸性有機リン化合物が、
有機成分であるアスファルトと無機成分の骨材との界面
に働き、結果的にアスファルトと骨材との付着性が改善
されると考えられる。従って、アスファルト系内にアル
コールのみが存在しても付着性改善の効果はなく、ま
た、リン酸化剤のみでも、アスファルトに均一に分散混
合もできない状態であり、付着性改善の効果はない。リ
ン酸化剤は、アルコールとの共存下において反応し得る
条件が整ってはじめて反応の進行とともにアスファルト
系内に分散されるものである。
【0017】一般的に、高級アルコールとリン酸化剤よ
り得られる酸性有機リン化合物は、一般的に下記一般式
で表されるものである。
【0018】
【化1】
【0019】(式中、 Rは炭素数8〜36の飽和もしくは
不飽和の脂肪族炭化水素基、又は炭素数8〜26のアルキ
ルフェニル基を表し、nは0〜10の数、mは1又は2の
数、kは1又は2の数を表し、m+kは3である。) 例えば、RO(C2H4O)nH で表されるヒドロキシ化合物と、
五酸化リン(無水リン酸)を原料に使用すると、一般に
その反応は次式で示されるモノエステルとジエステルの
混合物となり易い。
【0020】
【化2】
【0021】尚、アスファルト系内で得られる酸性有機
リン化合物は、ガスクロマトグラフィーにより定量する
ことができる。
【0022】基本定量法は、予め、標準の酸性有機リン
化合物と内部標準物質とから検量線を作成し、検量線よ
りアスファルト試料中の酸性有機リン化合物の定量を行
うものである。標準の酸性有機リン化合物とは、アスフ
ァルト系外で一般的公知の方法で合成され、結晶化法に
より精製されたものであり、内部標準物質としては、ト
リフェニルホスフェート(TPP) が使用できる。
【0023】本発明において、アスファルトに添加混合
される高級アルコールとリン酸化剤との比率は、反応論
的には反応当価であることが望ましいが、限定されるも
のでない。例えば、先のRO(C2H4O)nH で表されるヒドロ
キシ化合物と五酸化リンとの反応においては、ヒドロキ
シ化合物3モルに対して五酸化リン1モルが反応当価で
あるが、3:1に限定されるものではない。理由は、使
用する高級アルコールとリン酸化剤の種類、又はアスフ
ァルトの粘度、温度、種類により、生成される酸性有機
リン化合物の収率が異なるためである。本発明におい
て、高級アルコールに対するリン酸化剤のモル比率は
0.1〜10が好ましい範囲である。より好ましくは 0.5〜
5である。 0.1より低い場合は、高級アルコールが残存
し、アスファルトの粘度を下げ、物性的に好ましくな
い。また、10より多い場合は、残存するリン酸化剤が多
くなり、アスファルトへの分散が不充分で、アスファル
ト物性の偏在が生じ好ましくない。
【0024】本発明において使用される高級アルコール
の量は、アスファルト 100重量部に対して0.05〜10.0重
量部、好ましくは 0.5〜3.0 重量部である。0.05重量部
より低い場合はアスファルトの改質効果がなく、また、
10.0重量部より多い場合はアスファルトの物性を低下し
好ましくない。
【0025】また、本発明において使用されるリン酸化
剤の量は、アスファルト 100重量部に対して0.01〜5.0
重量部、好ましくは0.05〜3.0 重量部である。0.01重量
部より低い場合はアスファルトの改質効果がなく、ま
た、 5.0重量部より多い場合はアスファルトの物性を低
下し好ましくない。
【0026】本発明において、改質されるべきアスファ
ルトの動粘度は10000cSt以下である必要がある。一般的
にアスファルトは常温では粘稠な固体であり、他の物質
の均一な添加混合は難しい。従って、温度を上げ、粘度
を下げることにより他の物質の均一な添加混合が可能に
なる。この時、高級アルコールとリン酸化剤を効率良く
短時間で均一に分散できる粘度の上限は10000cStであ
る。10000cStを超えると効率および分散性が低下して好
ましくない。尚、粘度の下限はない。
【0027】本発明において、高級アルコール及びリン
酸化剤をアスファルトに添加する方法は、適当な容量の
攪拌機付容器にアスファルトを入れ、 250℃以下の温
度、好ましくは70〜200 ℃で、所定量の高級アルコール
とリン酸化剤を徐々に添加すれば良い。順番はどちらが
先でもよく、同時でもよい。
【0028】添加中は、撹拌を行っている方が好ましい
が、限定されるものではない。即ち、例えば低温下に高
級アルコール及びリン酸化剤を添加し、徐々に温度を上
げ、引き続き撹拌を行ってもよい。但し、この場合、ヒ
ーター等による局所ヒーティングによる高級アルコール
及びリン酸化剤の分解に留意する必要がある。また、温
度は 250℃を超えると、高級アルコールが熱分解して好
ましくない。
【0029】高級アルコールとリン酸化剤を含むアスフ
ァルトの攪拌方法は、回転翼による攪拌でもよく、ま
た、エアーブローイングすることにより系全体が流動す
る様な方法であってもよい。
【0030】攪拌、混合される温度は、高級アルコール
及びリン酸化剤の溶解性、熱安定性の点から70〜250 ℃
の範囲が好ましい。70℃未満では溶解性、分散性の点で
好ましくない。 250℃を超えると熱安定性の点から好ま
しくない。より好ましい温度は80〜180 ℃である。
【0031】アスファルト中での撹拌混合時間は、使用
する高級アルコールとリン酸化剤との種類、混合温度に
より異なるが、通常70〜250 ℃の温度範囲内であれば、
約10分から10時間程度で均質な改質されたアスファルト
が得られる。
【0032】本発明において使用されるアスファルト
は、石油ストレートアスファルト、セミブローンアスフ
ァルト、カットバックアスファルト、天然アスファル
ト、石油タール、ピッチあるいは溶剤脱瀝から生成した
瀝青質を舗装用アスファルトの規格に適するように軟化
剤を入れて製造したアスファルト等が挙げられる。ま
た、アスファルトに天然ゴム、スチレン−ブタジエン共
重合物、スチレン−イソプレン共重合物、クロロプレン
共重合物等の合成ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合物
及びエチレン−エチルアクリレートの共重合物及び、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレンの
単独重合物あるいはこれらを組み合わせた共重合物等の
熱可塑性樹脂などを添加したものも使用できる。
【0033】本発明で得られた改質アスファルト組成物
は、特定の高級アルコールと当該高級アルコールをリン
酸化し得る薬剤を含むものであり、付着性、剥離防止性
を改良して市場が望む諸性能を改良し得るアスファルト
組成物である。
【0034】従って、道路舗装材としてはもちろんのこ
と、これ以外の工場床、ルーフィング材、車両用地下保
護材などの防水被覆を目的とする工事用として利用する
ことができる。
【0035】また、その使用目的に応じて各種の添加剤
を併用することができる。例えば、本発明の改質アスフ
ァルト組成物に、ゴム類、熱可塑性樹脂および熱硬化性
樹脂の中から選ばれる1種以上を添加することができ、
改質アスファルトのタフネス・テナシティーを増強する
ことができる。
【0036】ゴム類としては、天然ゴムやスチレン・ブ
タジエンゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンゴム、
クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴ
ム、スチレン・イソプレンゴム、スチレン・イソプレン
・スチレンゴム、メタクリル酸メチル・ブタジエンゴ
ム、ブタジエンゴム等の合成ゴムが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0037】熱可塑性樹脂としては、エチレン、プロピ
レン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル、スチレン、塩化ビニリデン、プロピオン酸ビ
ニルの単独重合物あるいはこれらを組み合わせた共重合
物などが挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。これらの中では、特にエチレン・酢酸ビニル共重合
物及びエチレン・エチルアクリレートの共重合物が好適
である。
【0038】熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂やウ
レタン樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0039】ゴム類、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂など
の改質材のアスファルトへの添加量は、アスファルト80
〜99重量部に対して、改質材20〜1重量部の割合が好ま
しく、更に好ましくは改質材15〜2重量部の割合であ
り、アスファルト+改質材が100 重量部となる範囲で用
いる。
【0040】更に本発明に用いる改質アスファルトにゴ
ム類、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂以外に例えば炭酸カ
ルシウム、消石灰、ポルトランドセメント、活性炭など
の無機充填材及び有機充填材、石油樹脂、低分子ポリエ
チレンなどの石油系軟化剤、オレイン酸などの植物油系
軟化剤、各種の可塑剤及びイオウなどが任意の割合で使
用することもできる。
【0041】更に、骨材に対する初期の濡れ性を増強す
る目的で、各種のアミン化合物を添加してもよい。アミ
ン類には特に制限はないが、一般的なものとして牛脂プ
ロピレンジアミンの如き、高級脂肪族ポリアミンおよび
その誘導体、アルキルヒドロキシアミン、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン
などのアルキロールアミンなどがあるが、中性または酸
性側で使用するのが好ましい。
【0042】アミン類のアスファルトへの添加量は、ア
スファルト95〜99.9重量部に対してアミン類 0.1〜5重
量部の割合が好ましく、更には好ましくはアミン類 0.3
〜3重量部の割合であり、アスファルト+アミン類が 1
00重量部となる範囲で用いる。
【0043】本発明の効果は、従来の酸性有機リン化合
物を別途合成して、特別な方法を用いてアスファルトに
添加する方法に比べ、簡単な方法で経済的に容易にアス
ファルトの改質を行える方法を提供したことである。
【0044】特に、アスファルト製造所、出荷基地、ア
スファルト使用現場等の各段階において通常の簡単な混
合タンクさえ用意できれば、誰でも容易に均質な要求さ
れる品質の改質アスファルトを製造できることは特筆に
値する。
【0045】また、本発明の改質アスファルト組成物
は、水の存在下においてアスファルトの骨材からの剥離
の防止に効果があることも本発明の特徴である。
【0046】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。尚、以下の例における単なる「%」は、
「重量%」である。
【0047】本発明の効果を確認するために、リーデル
アンドウェーバーテストと水浸マーシャル試験を実施し
た。
【0048】リーデルアンドウェーバーテスト(RIEDEL
AND WEBER TEST) は英国道路研究所が提案した方法であ
り次のような方法である。
【0049】粒径0.15〜0.075mm の砕石43重量部と粒径
0.3〜0.15mmの砕石43重量部を混合して 170℃に加熱す
る。これにアスファルトの温度−粘度図より求めた最適
混合温度に加熱溶融したアスファルト又は改質アスファ
ルト14重量部を加えて良く混合し、砕石をアスファルト
又は改質アスファルトで完全に被覆する。この被覆した
アスファルト混合物 0.5gを表1に示す所定濃度の炭酸
ソーダ溶液25mlを入れたビーカーの中に入れ1分間沸騰
させる。砕石とアスファルトが少量でも完全に剥離し始
めた最初の溶液を記録して付着点数を定める。炭酸ソー
ダと付着点数との関係は表1の通りである。
【0050】
【表1】
【0051】水浸マーシャル試験は(社)日本道路協会
発行(昭和63年11月)の舗装試験法便覧、p.514 「水浸
マーシャル安定度試験」に準じた。但し、供試体の水浸
時間を48時間から96時間まで長くし、より厳しい条件下
で実施した。
【0052】本試験に用いたアスファルト混合物の種類
は密粒度アスファルト混合物(13mm)で、混合物の配合設
計は針入度60〜80のアスファルトを用いてマーシャル安
定度試験から求めた最適アスファルト量(5.5%) につい
て、各改質アスファルトも全て同一アスファルト量で改
質アスファルト混合物を作製した。試験用アスファルト
舗装用組成物供試体はアスファルトを温度−粘度図より
求めた最適混合温度に加熱溶解し、加熱した砕石、砂、
フィラーと混練りすることにより作製した。供試体は10
個 (直径10cm、厚さ約6.3cm の円筒形) を作製し、この
うち5個は標準マーシャル試験を行い、残り5個は60℃
恒温水槽に96時間浸漬し、浸漬終了後、供試体のマーシ
ャル安定度を求めた。次式より水浸マーシャル試験によ
る残留安定度を算出した。
【0053】
【数1】
【0054】実施例1 針入度(60〜80)のストレートアスファルト1000gを攪
拌機付容器に入れ、150 ℃に保った。動粘度は180cStで
あった。攪拌しながらステアリルアルコール0.85gと五
酸化リン0.15gを加え、1時間混合した。
【0055】実施例2 ステアリルアルコール 8.5g、五酸化リン 1.5gを加
え、実施例1と同様に混合した。
【0056】比較例1 温度80℃、動粘度15000cStの条件下において、実施例2
と同様に実験を行った。但し、粘度が高く、同様の攪拌
ができなかったので、実施例2に比べ攪拌数は1/10程度
に下げたが、五酸化リンが凝集し、混合がうまく行えな
かった。
【0057】比較例2 針入度(150〜200)のストレートアスファルト1000gを、
攪拌機付容器に入れ、65℃に保った。動粘度は5000cSt
であり、攪拌は実施例2と同様に行えた。
【0058】実施例3 セチルアルコール 8.0g、ポリリン酸2gを加え、実施
例1と同様に混合を行った。
【0059】実施例4 ラウリルアルコール 6.0g、五硫化リン4gを加え、実
施例1と同様に混合を行った。
【0060】実施例5 道路舗装要綱にて規定された改質アスファルトII型(昭
和シェル石油(株)製キャリメックスHD)アスファル
ト1000gを攪拌機付容器に入れ、180 ℃に保った。動粘
度は190cStであった。攪拌しながらセチルアルコールと
ステアリルアルコールの混合アルコール(混合比16:8
4)10gと五酸化リン 1.5gを加え、1時間混合した。
【0061】比較例3 実施例5において、温度 255℃において実験を行った。
動粘度は30cSt であった。
【0062】実施例6 実施例1〜5で得られたアスファルトを使用してリーデ
ルアンドウェーバーテストと水浸マーシャル試験を行っ
た。試験結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】比較例4 表3に示すアスファルトを使用し、実施例6と同様に試
験を行った。結果を表3に示す。
【0065】
【表3】
【0066】実施例7 実施例1で得られたアスファルトに対して SBS*1、 SIS
*2、 SBR*3を添加して、リーデルアンドウェーバーテス
トと水浸マーシャル試験を行った。結果を表4に示す。
【0067】*1 SBS:スチレン・ブタジエン・スチレン
ブロック共重合物(日本ゼオン(株)製「かいしつくん
スーパー」)12% *2 SIS:スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重
合物(シェル化学(株)製「カリフレックスTR111
1」)5% *3 SBR:スチレン・ブタジエンラテックス(日本ゼオン
(株)製「ロードスター」)10%(固形分として5%)
【0068】
【表4】
【0069】比較例5 ストレートアスファルト(60〜80) に対して実施例7と
同様の試験を行った。
【0070】
【表5】
【0071】各種合成ゴムを使用するだけでは、アスフ
ァルト舗装要綱記載の75%以上を満足することはできな
かった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−21485(JP,A) 特開 昭51−149312(JP,A) 特開 昭60−188462(JP,A) 特開 昭57−51745(JP,A) 特公 昭55−38993(JP,B2) 米国特許3751278(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 95/00 C08K 3/00 - 5/59

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動粘度が10000cSt以下、温度が70〜250
    ℃の範囲であるアスファルト中に、次の一般式で表され
    高級アルコールと、五酸化リン、ポリリン酸及び五硫
    化リンから選ばれる前記高級アルコールをリン酸化し得
    る薬剤とを加え攪拌混合することを特徴とするアスファ
    ルトの改質方法。RO(C 2 H 4 O) n H (式中、 Rは炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪
    族炭化水素基又は炭素数8〜26のアルキルフェニル基を
    表し、nは0〜10の数である。)
  2. 【請求項2】 高級アルコールと当該高級アルコールを
    リン酸化し得る薬剤を加えた後にアスファルトを動粘度
    が10000cSt以下、温度が70〜250℃の範囲として撹拌混
    合することを特徴とする請求項記載のアスファルトの
    改質方法。
  3. 【請求項3】 次の一般式で表される高級アルコール
    、五酸化リン、ポリリン酸及び五硫化リンから選ばれ
    る前記高級アルコールをリン酸化し得る薬剤とを含有す
    ることを特徴とするアスファルト組成物。RO(C 2 H 4 O) n H (式中、 Rは炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪
    族炭化水素基又は炭素数8〜26のアルキルフェニル基を
    表し、nは0〜10の数である。)
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