JP3340066B2 - 小片状加熱瀝青質用添加剤 - Google Patents

小片状加熱瀝青質用添加剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小片状であるため
作業時における取り扱いが非常に容易でかつ安全性が高
く、しかも優れた剥離防止効果を付与することができる
小片状加熱瀝青質用添加剤に関する。また、本発明は、
小片状加熱瀝青質用添加剤を用いた加熱瀝青質組成物の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原油又は石炭から得られるアスファル
ト、タール、ピッチのような瀝青質は、道路舗装材料、
ルーフィング材料、防水材料等に使用されるが、その中
でも特に道路舗装材料としての需要が大きい。アスファ
ルト道路舗装に際しては、骨材とアスファルトを加熱混
合して施工するが、無極性で疎水性のアスファルトは親
水性の骨材との付着性が充分ではなく、降雨や地下水等
の水との接触により、アスファルトと骨材とが剥離する
という性質を潜在的に有している。よって、アスファル
トによる道路舗装の性能向上の要請のため、アスファル
ト等の瀝青質と骨材との剥離防止性を改善するための提
案が色々となされてきている。
【0003】例えば特開昭49−34519号公報に
は、アスファルトに高級脂肪族ポリアミンやその誘導体
を配合する方法が提案され、特開昭57−51745号
公報には、シラン化合物を添加して剥離防止性を改善す
る方法が提案され、特開昭51−149312号公報に
は、五酸化二リン、ポリリン酸、五硫化リン等のリン化
合物からなるアスファルト改質用添加剤が提案されてい
る。しかし、これらの技術は、剥離防止効果が不十分で
あったり、取り扱い時の安全性や作業性に問題があった
りするため、満足できるものではない。
【0004】また、USP2693425には、特定の
物理的性質を有する結合剤と5価のリン原子を含む酸性
有機リン化合物からなるアスファルト組成物が提案され
ている。しかし、このアスファルト組成物は、剥離防止
性の改善とともに取り扱い時の安全性や作業性も改善す
るという点においては、実用上不十分であり、やはり満
足できるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者の一人は、先
に特定の酸性有機リン化合物を用いることにより、骨材
の種類を問わずに優れた剥離防止効果を得ることがで
き、熱安定性も優れている加熱瀝青質用添加剤を提案し
ている(特開昭60−188462号公報)。しかし、
この加熱瀝青質用添加剤も作業時における取り扱い性及
び安全性といった点において改善の余地がある。例え
ば、加熱瀝青質用添加剤を瀝青質のレシーブタンクやタ
ンクローリーに添加する際、攪拌装置を備えた溶解設備
が必要となり、溶解にも長時間を要する。また、塊状物
の形態で投入した場合、加熱溶融された瀝青質が跳ね返
って投入口から飛び出してくるおそれがある。さらに、
粉体の形態で投入した場合、粉体が周囲に飛散するおそ
れがあるため、作業者が粉体を経口吸引したり、皮膚に
付着させたりすることにより健康を損なったり、作業現
場の周辺環境に悪影響を与えたりするという問題があ
る。また、粉体の場合には、表面積が大きくなるため、
保存時に吸水してケーキングを起こすという問題もあ
る。
【0006】本発明は、作業時における取り扱い性及び
安全性が優れ、保存安定性も優れており、瀝青質と骨材
に対して優れた剥離防止効果を付与することができる小
片状加熱瀝青質用添加剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、小片状加熱瀝青質用添加剤を用いた、
優れた剥離防止性を有する加熱瀝青質組成物の製造方法
を提供することを他の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究の結果、まず、添加剤の剤型
が塊状又は粉体状である場合の作業時の取り扱い性及び
安全性の問題点を、添加剤の剤型を小片状にすることに
より解決することができることを見出した。その後、こ
の知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、剤型を小片
状にすることに加えて、その比表面積を所定範囲に規定
することにより、作業時の取り扱い性及び安全性をより
向上させることができ、しかも保存安定性もあわせて向
上できることを見出し、本発明を完成したものである。
【0008】即ち本発明は、炭素数8〜36の飽和もし
くは不飽和の脂肪族アルコール、炭素数8〜26のアル
キルフェノール又はこれらのアルキレンオキシド付加物
の酸性有機リン酸エステル化合物を含有する、常温で固
体で比表面積が3〜300cm 2/gのものであることを
特徴とする小片状加熱瀝青質用添加剤を提供するもので
ある。
【0009】また本発明は、熱溶融状態の瀝青質と前記
の小片状加熱瀝青質用添加剤とを混合することを特徴と
する加熱瀝青質組成物の製造方法を提供するものであ
る。
【0010】本発明の小片状加熱瀝青質用添加剤におけ
る「小片状」とは、定形及び不定形を問わず、一定の形
状を保持しているものを意味するものである。よって、
ゲル状のような一定の形状を保持していないものは本発
明には含まれない。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の小片状加熱瀝青質用添加
剤は、小片状であれば形状は特に限定されるものではな
く、例えば、フレーク状(又は板状)、半球状、円柱
状、角柱状、立方体状、ビーズ状(球状)、リング状、
ハニカム状、タブレット状、星形状、繊維状、フィルム
状等のほか、不定形の破砕物状、ペレット状等の所望の
形状にすることができる。これらは必要に応じて多孔質
状にすることもできる。本発明の小片状加熱瀝青質用添
加剤は、常温で固体のものであるが、使用時において溶
解又は溶融させることは何等さしつかえない。
【0012】本発明の小片状加熱瀝青質用添加剤は、比
表面積が3〜300cm2/gであり、好ましくは6〜1
50cm2/gであり、さらに好ましくは15〜60cm2
gである。比表面積をこの範囲内に保つことにより、保
存時におけるケーキングを防止することができ、計量が
容易で作業時における粉体飛散が防止でき、作業に適度
な流動性を確保することもできる。さらに、加熱溶融さ
れた瀝青質に添加した場合、格別な攪拌手段を適用する
ことなく、均一に分散させ、短時間で溶解させることが
でき、酸性リン酸エステル化合物と骨材との接触が充分
になされ、加熱瀝青質組成物に、均一で優れた剥離防止
性を与えることができる。
【0013】本発明の小片状加熱瀝青質用添加剤は、前
記形状で、かつ前記比表面積の範囲内において、所望の
大きさにすることができる。具体的な寸法は形状により
異なるが、その例を挙げると次のとおりである。フレー
ク状の場合には、厚みが約0.1〜1mmが好ましく、約
0.5〜1mmがさらに好ましい。ビーズ状の場合には、
粒子径が約0.5〜15mmが好ましく、約1〜8mmがさ
らに好ましい。円柱状の場合には、直径が約2〜10mm
が好ましく、約3〜7mmがさらに好ましく、長さが約3
〜30mmが好ましく、約5〜15mmがさらに好ましい。
板状の場合には、厚みが約1〜10mmが好ましく、約1
〜5mmがさらに好ましい。これらの中でもフレーク状の
ものが製造が容易である点で特に好ましい。
【0014】本発明の小片状加熱瀝青質用添加剤は、酸
性有機リン酸エステル化合物のみから構成されていても
よく、必要に応じて、さらに他の成分を配合することも
できる。
【0015】小片状加熱瀝青質用添加剤に含有されてい
る酸性有機リン酸エステル化合物は、炭素数8〜36の
飽和もしくは不飽和の脂肪族アルコール、炭素数8〜2
6のアルキルフェノール又はこれらのアルキレンオキシ
ド付加物である。このような酸性有機リン酸エステル化
合物としては、次の一般式(I): [RO(Ca2aO)b]c-P(=O)-(OH)d (I) (式中、Rは、炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の
脂肪族アルキル基又は炭素数8〜26のアルキル基を有
するアルキルフェニル基を示し、aは2〜4の数を示
し、bは0〜10の数を示し、cは1又は2を示し、d
は1又は2を示し、cとdはc+d=3の関係を満たす
数を示す)で表されるものを挙げることができる。
【0016】式中、Rで示される炭素数8〜36の飽和
もしくは不飽和の脂肪族アルキル基としては、直鎖及び
分岐鎖のいずれでもよく、ドデシル、ヘキサデシル、オ
クタデシル、オクタデセニル等を挙げることができる。
また、Rで示される炭素数8〜26のアルキルフェニル
基としては、アルキル基部分は直鎖及び分岐鎖のいずれ
でもよく、オクチルフェニル、ノニルフェニル、トリデ
シルフェニル等を挙げることができる。
【0017】式中、aは2が好ましく、bは0〜4が好
ましく、cは1が好ましく、dは2が好ましい。
【0018】本発明で用いる酸性有機リン酸エステル化
合物としては、炭素数12〜18の脂肪族アルコールの
リン酸エステルが好ましく、セチルアルコール又はステ
アリルアルコールのリン酸エステルがさらに好ましい。
【0019】また、本発明で用いる酸性有機リン酸エス
テル化合物は、瀝青質への溶解性を良好にし、夏季のよ
うな高温雰囲気の保存時におけるケーキングを防止する
ため、さらには溶融瀝青質への溶解性を高めるため、融
点が40〜170℃のものが好ましく、55〜120℃
のものがさらに好ましい。
【0020】このような酸性有機リン酸エステル化合物
は、炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪族アル
コール又は炭素数8〜26のアルキルフェノールと、無
水リン酸(P25)、オキシ三塩化リン(POC
3)、三塩化リン(PCl3)、ポリリン酸等のリン酸
化合物との反応により、製造することができる。
【0021】本発明の小片状加熱瀝青質用添加剤には、
さらに脂肪族アミンを配合することができる。この脂肪
族アミンは、分子中に窒素原子を有することにより、初
期における瀝青質の骨材への濡れ性を向上させることが
できるものである。脂肪族アミンとしては、牛脂プロピ
レンジアミンに代表される高級脂肪族ポリアミン又はそ
の誘導体、アルキルヒドロキシアミン、モノエタノール
アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等
のアルカノールアミン等を挙げることができる。脂肪族
アミンの配合量は、小片状加熱瀝青質用添加剤中におい
〜70重量%であることが好ましく、10〜50重
量%であることがさらに好ましい。
【0022】次に、本発明の加熱瀝青質組成物の製造方
法について説明する。本発明の加熱瀝青質組成物の製造
方法は、熱溶融状態の瀝青質と上記した小片状加熱瀝青
質用添加剤とを混合することにより、剥離防止性の優れ
た加熱瀝青質組成物を得るものである。
【0023】本発明で用いる瀝青質としては、石油スト
レートアスファルト、セミブローンアスファルト、カッ
トバックアスファルト、天然アスファルト、石油ター
ル、ピッチ、溶剤脱瀝から生成した瀝青質を道路舗装用
アスファルトの規格に適するように軟化剤を入れて製造
したアスファルト等を挙げることができる。
【0024】また、瀝青質は、そのコンシステンシーを
高めるため、ゴム類、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂等
の改質剤を配合して、改質アスファルト、透水性アスフ
ァルト、排水性アスファルトにすることができる。ゴム
類としては、天然ゴムのほか、スチレン・ブタジエンゴ
ム、スチレン・ブタジエン・スチレンゴム、クロロプレ
ンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレン
・イソプレンゴム、スチレン・イソプレン・スチレンゴ
ム、メタクリル酸メチル・ブタジエンゴム等の合成ゴム
を挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、エチレ
ン、プロピレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、ス
チレン、塩化ビニリデン、プロピオン酸ビニル等のモノ
マーの単独重合体又は2種以上の組み合わせからなる共
重合体を挙げることができ、これらの中でもエチレン・
酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重
合体が好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂等を挙げることができる。このような
改質剤の配合量は、瀝青質と改質剤の合計量中、好まし
くは1〜20重量%であり、さらに好ましくは2〜15
重量%である。また、本発明で用いる瀝青質としては、
JIS K2207で規定する25℃における針入度が
10〜400のものが好ましい。
【0025】本発明の加熱瀝青質組成物の製造方法にお
いて、瀝青質に対する小片状加熱瀝青質用添加剤の混合
割合は、充分な剥離防止性を付与するため、好ましくは
0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.3〜1重量%
である。
【0026】本発明の加熱瀝青質組成物の製造方法にお
いては、用途に応じて、さらに炭酸カルシウム、消石
灰、セメント、活性炭等の無機充填材、有機充填材、石
油樹脂、低分子ポリエチレン等の石油系軟化剤、オレイ
ン酸等の植物油系軟化剤、可塑剤、イオウ等を配合する
ことができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0028】実施例1〜5及び比較例1〜5 リン酸モノセチル(融点60℃)とリン酸モノステアリ
ル(融点72℃)との混合物(重量比で2:8)を用
い、ドラムフレーカー(玉川機械金属(株)製)により成
形し、表1に示した比表面積の異なるフレーク状又は板
状の加熱瀝青質用添加剤を得た。これらのフレーク状又
は板状の加熱瀝青質用添加剤各々75gを、24×24
×35cmの鉄製広口石油缶に投入し、そこへ150℃に
加熱溶融したアスファルト15kgを投入した。その後、
直ちに150℃に設定した熱風式恒温器に入れ、3時間
静置したのち、取り出した。その後、石油缶の上部、中
心部及び底部からそれぞれ500gのアスファルト組成
物(針入度60〜100)を採取し、下記の剥離抵抗性
試験(Boiling-Test)により剥離防止性を評価すると
ともに、フレーク状又は板状の加熱瀝青質用添加剤の溶
解性も評価した。また、下記の方法により、保存安定性
も評価した。結果を表1に示す。
【0029】(1)剥離抵抗性試験(Boiling-Test) 宝塚産(石英斑岩)の6号砕石100gを300mlの金
属製容器に入れ、これを155℃に設定した恒温乾燥器
に入れて、1時間放置した。次に、金属製容器を取り出
し、そこへ150℃のアスファルト組成物5.5g入
れ、アスファルト組成物が砕石の表面を被覆するよう
に、約2分間ヘラでよく攪拌した。その後、砕石を直径
10cmの篩いの上に広げて、室温になるまで放冷した。
次に、篩いごと砕石を沸騰水中に30分間浸漬したのち
取り出し、約20℃の水中に浸漬した。この状態で上方
から肉眼で観察して、砕石表面から剥離したアスファル
ト組成物の皮膜面積を求め、その百分率(剥離面積%)
を求めた。
【0030】(2)保存安定性(ケーキング性)試験 実施例及び比較例の各フレーク状又は板状の加熱瀝青質
用添加剤10kgをナイロン製袋に入れ、温度40℃、相
対湿度65%の恒温恒湿室に7日間静置したのち、ケー
キングの状態を観察し、下記の基準で判定した。 ○:変化がまったく認められない △:一部にケーキングの発生が認められた ×:全体にケーキングの発生が認められた
【0031】
【表1】
【0032】表1から明らかなとおり、実施例1〜5は
優れた剥離防止性を示した。また、攪拌操作をしなかっ
たにもかかわらず、上部、中心部及び底部から採取した
アスファルト組成物は、いずれもほぼ同等の剥離防止性
を示していた。この結果から、本発明の小片状加熱瀝青
質用添加剤の溶解性が優れており、溶融アスファルト中
に、容易に均一に分散されることが確認された。このよ
うに溶解性が優れているため、酸性有機リン酸エステル
化合物と骨材との接触が十分になされるようになり、そ
れが剥離防止性の向上にも大きく影響しているものと推
察される。さらに、溶解性が優れているために作業時間
を短縮することができるほか、攪拌操作を不要とするた
め、攪拌による溶融アスファルトの飛散等の問題が生じ
ることがなく、安全性を高めることもできる。これに対
して、比較例1〜5は、採取場所によって剥離防止性に
大きなばらつきが見られた。底部における剥離防止性が
よいのは添加剤が沈降していったためであり、この結果
から、比表面積が本発明で規定する範囲外である場合に
は、攪拌操作が必須であることが確認された。
【0033】また、実施例1〜5は、いずれもケーキン
グが生じることがなく、保存安定性が優れていた。これ
に対して、比表面積が本発明で規定する上限値を超える
比較例2、3においては、著しいケーキングが発生し
た。このケーキングが発生した添加剤を用いて、再度、
同様にして剥離抵抗性試験を行った(結果を表1の比較
例2、3の括弧内に示す)。その結果、上部及び中心部
から採取したものの剥離防止性は低下していた。底部の
剥離防止性が低下していないのは、やはり添加剤の沈降
が生じたためである。
【0034】実施例6〜12及び比較例6〜9 リン酸モノセチル(融点60℃)とリン酸モノステアリ
ル(融点72℃)との混合物(重量比で2:8)を用
い、ロードフォーマー造粒機(サンドビック社製)又は
金型により、ビーズ状、板状又はペレット状(円柱状)
に成形し、表2に示した比表面積の異なる小片状の加熱
瀝青質用添加剤を得た。これらの加熱瀝青質用添加剤を
用い、実施例1と同様にして、剥離抵抗性試験及び保存
安定性試験をした。また、下記の方法により流動性、計
量性及び粉塵飛散性を試験した。結果を表2に示す。
【0035】(1)流動性 小片状にした試料3kgを高さ42cm、直径20cm、間口
7cmのポリエチレン製ボトルに採取し、ポリエチレン製
ボトルを約60゜傾斜させて内容物が円滑に取り出せる
かを調べ、下記の基準で流動性を評価した。 ○:ポリエチレン製ボトルを傾斜させるだけで内容物を
取り出せる △:ポリエチレン製ボトルを少し手で振動すれば内容物
を取り出せる ×:ポリエチレン製ボトルを傾斜させても内容物が取り
出せず、手で激しく振動を加えなければ取り出せない。
【0036】(2)計量性 1リットルのビーカーに小片状試料を入れて300.0
gの計量を試み、下記の基準で計量精度を評価した。 ○:計量誤差±0.3%以内 △:計量誤差±1〜3%以内 ×:計量誤差±5%以上。
【0037】(3)粉塵飛散性 小片状にした試料5kgを1.5mの高さから少量ずつ落
下させ、肉眼で粉塵飛散性を観察し、下記の基準で評価
した。試験は、微風状態の屋外で行った。 ○:粉塵の飛散がない △:粉塵の飛散が少しある ×:粉塵の飛散が多い
【0038】
【表2】
【0039】実施例6〜12と比較例6〜9の剥離防止
性及びケーキング性については、表1の場合と同様の結
果が得られた。実施例6〜12は、流動性、計量性及び
粉塵飛散性のいずれについても優れていた。よって、実
施例6〜12の添加剤を用いることにより、作業時間を
短縮することができ、作業者の負担を軽減することもで
きる。これに対して、比表面積が本発明で規定する下限
値未満の比較例8、9は、流動性、計量性が劣ってお
り、比表面積が本発明で規定する上限値を超える比較例
6、7は、粉塵飛散性が劣っていた。よって、比較例6
〜9の添加剤を用いた場合は作業性が悪く、作業時間が
長くかかるだけでなく、飛散した粉塵による作業者及び
周辺環境への悪影響も認められた。
【0040】
【発明の効果】本発明の小片状加熱瀝青質用添加剤は、
優れた剥離防止性を有するとともに、従来に比べて取り
扱いが容易で作業性を著しく改善することができ、安全
性も高い。よって、作業時間の短縮ができ、作業者の負
担も軽減することができるようになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−188462(JP,A) 特開 昭50−109237(JP,A) 特開 昭49−34519(JP,A) 特開 昭57−51745(JP,A) 特開 昭51−149312(JP,A) 特開 平9−235470(JP,A) 米国特許2693425(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 95/00 C08K 5/00 - 5/59

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)炭素数8〜36の飽和脂肪族アル
    コール、(2)炭素数8〜36の不飽和脂肪族アルコー
    ル、(3)炭素数8〜26のアルキルフェノール、及び
    (4)前記(1)〜(3)のアルキレンオキシド付加物
    から選ばれる化合物の酸性有機リン酸エステル化合物を
    含有する、常温で固体で比表面積が3〜300cm2/g
    のものであることを特徴とする小片状加熱瀝青質用添加
    剤。
  2. 【請求項2】 酸性有機リン酸エステル化合物が、下記
    の一般式(I): [RO(Ca2aO)b]c-P(=O)-(OH)d (I) (式中、Rは、炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の
    脂肪族アルキル基又は炭素数8〜26のアルキルフェニ
    ル基を示し、aは2〜4の数を示し、bは0〜10の数
    を示し、cは1又は2を示し、dは1又は2を示し、c
    とdはc+d=3の関係を満たす数を示す)で表される
    ものである請求項1記載の小片状加熱瀝青質用添加剤。
  3. 【請求項3】 酸性有機リン酸エステル化合物の融点
    が、40〜170℃である請求項1又は2記載の小片状
    加熱瀝青質用添加剤。
  4. 【請求項4】 熱溶融状態の瀝青質と請求項1、2又は
    3記載の小片状加熱瀝青質用添加剤とを混合することを
    特徴とする加熱瀝青質組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 瀝青質がJIS K2207で規定する
    25℃における針入度が10〜400である請求項4記
    載の加熱瀝青質組成物の製造方法。
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