JP3905379B2 - 加熱アスファルト用添加剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路舗装等に使用する加熱アスファルト用の添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
アスファルトによる道路舗装の際には、骨材とアスファルトを加熱混合して施工するが、無極性で疎水性のアスファルトは、親水性の骨材との付着性が充分ではなく、降雨や地下水等の水との接触により、アスファルトと骨材とが剥離するという性質を潜在的に有している。このようなアスファルトと骨材の剥離は、道路そのものの耐久性を大幅に低下させ、またアスファルト舗装のわだち掘れの一因であるとも考えられている。
【0003】
アスファルトと骨材との付着性の改善による剥離防止性の向上についての技術的課題は、アスファルトによる道路舗装の性能向上のためには極めて重要な問題であり、その解決策として従来より種々の提案がなされている。
【0004】
例えば、特開昭60−188462号公報には、剥離防止性を改善するため、特定の酸性有機リン化合物、特開平8−73750号公報には、特定の酸性有機リン化合物を用いる再生加熱アスファルト混合物用の添加剤等を用いる方法が、提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アスファルトと骨材の剥離防止性については、道路維持、管理の面から更なる改善が望まれており、本発明の課題は、そのような要望に応え得る加熱アスファルト用の添加剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の一般式(イ)で表される酸性有機リン酸化合物と、下記の一般式(ロ)で表されるアミン化合物と、下記一般式(ハ)で表されるアミン化合物とを含有する加熱アスファルト用添加剤に関する。
【0007】
【化3】
Figure 0003905379
【0008】
〔式中、Rは炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基又は炭素数2〜20のアルキル基を有するアルキルフェニル基を表し、jは2〜4の数を示し、nは0〜10の数を示し、mは1又は2を示し、kは1又は2を示し、m+kは3である。〕
【0009】
【化4】
Figure 0003905379
【0010】
〔式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜6の炭化水素基を表し、a、b及びcは、それぞれ独立して、1〜4の数であり、dは1〜9の数である。〕。
【0011】
また、本発明は、上記一般式(イ)で表される酸性有機リン酸化合物に、上記一般式(ロ)で表されるアミン化合物を混合し、その後、上記一般式(ハ)で表されるアミン化合物を混合する工程を有する、上記本発明の加熱アスファルト用添加剤の製造方法に関する。
【0012】
上記本発明の加熱アスファルト用添加剤は、更に下記の一般式(ニ)で表されるアルコールを含有することができる。この加熱アスファルト用添加剤は、上記一般式(イ)で表される酸性有機リン酸化合物に、下記一般式(ニ)で表されるアルコールを混合し、その後、上記一般式(ロ)で表されるアミン化合物を混合し、その後、上記一般式(ハ)で表されるアミン化合物を混合する工程を有する製造方法により得ることができる。
3O(Cr2rO)pH (ニ)
〔式中、R3は炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基又は炭素数2〜20のアルキル基を有するアルキルフェニル基を表し、rは2〜4の数を示し、pは0〜10の数である。〕。
【0013】
また、本発明は、上記本発明の加熱アスファルト用添加剤とアスファルトとを含有する道路舗装用アスファルト組成物に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の一般式(イ)で表される酸性有機リン酸化合物は、瀝青質と骨材との界面に最も密に分子を配列させる組成を有し、その界面に化学結合あるいは水素結合を形成して強固に接着させ、且つ、酸性有機リン酸化合物と一般式(ハ)で表されるアミン化合物間で水素結合又は静電相互作用することで、強固な被膜を骨材表面で形成するため、衝撃を受けても骨材と瀝青質の接着界面が破壊されることがない優れた剥離防止効果を示すと考えられる。また、一般式(ロ)で表されるアミン化合物は、化合物(イ)と化合物(ハ)の結合力を調整する作用をして、化合物(イ)の瀝青質と骨材との界面への配列を促していると考えられる。
【0015】
<酸性有機リン酸化合物>
本発明で用いる酸性有機リン酸化合物は、一般に公知の方法で工業的に容易に製造でき、例えば、無水リン酸(P23)、オキシ三塩化リン(POCl3)、三塩化リン(PCl3)又はポリリン酸などのリン酸化剤と式RO(Cj2jO)nHで表されるヒドロキシル化合物との反応で製造される。
【0016】
ここでRで表される有機基として好ましいものは、炭素数8〜36の脂肪族炭化水素基又は総炭素数8〜26のアルキルフェニル基であり、これらは飽和であっても不飽和であっても、また直鎖状であっても分岐状であってもよい。特に剥離防止性の観点から、脂肪族炭化水素基は炭素数16〜18のものが好ましい。
【0017】
このような脂肪族炭化水素基の例を挙げれば、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘネイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、トリアコンチル、ペンタトリアコンチル、ヘキサトリアコンチル、オクタデセニルなどがあり、アルキルフェニル基としては、例えばエチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェニル、ドデシルフェニル、トリデシルフェニル、テトラデシルフェニル、ペンタデシルフェニル、ヘキサデシルフェニル、ヘプタデシルフェニル、オクタデシルフェニル、ノナデシルフェニル、エイコシルフェニルなどがある。好ましくは、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、オクタデセニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、トリデシルフェニルである。
【0018】
有機基は直接に、又はオキシアルキレン結合を介して他の原子団と結合し、酸性有機リン酸化合物を構成し、このオキシアルキレンのアルキレンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレンがある。特に、オキシエチレン基が好ましい。
【0019】
一般的に前記の一般式(イ)で表される化合物を得る場合に用いられる原料ヒドロキシル化合物の代表的なものとしては、例えば以下のものが挙げられる。2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキジルアルコールなどの脂肪族アルコール、オクチルフェノール、ノニルフェノールなどのアルキルフェノール、オキソ法、チーグラー法及びガーペット法などによる合成アルコール、又はこれらにエチレンオキシドを平均で1ないし10モル付加した化合物、及びこれらの混合物などの殆どの高級アルコールもしくはアルキルフェノール及びそのエチレンオキサイド付加物が含まれる。特にアルコール又はアルコールにエチレンオキサイドを1〜3モル付加したものが好ましい。
【0020】
ここで、分子構造及び配列的に密な最適接着界面を形成するためには、炭素数16〜18の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のリン酸脂肪族エステルが好ましい。更に、分子構造及び配列的に密な最適接着界面を形成するためには、酸性有機リン酸化合物が、炭素数16〜18の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のリン酸モノ脂肪族エステル(A)と炭素数16〜18の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のリン酸ジ脂肪族エステル(B)とからなり、(A)/〔(A)+(B)〕×100(モル%)が40〜95、更に60〜90であることが好ましい。この組成のものは、密な分子配列及び化学結合を得ることが容易で、剥離防止性能も充分である。
【0021】
ここで用いるリン酸エステル(A)及び(B)の値は次の酸性有機リン酸化合物の分析法(例えば、特公昭58−8746号公報記載の方法)によって得られる。即ち、生成物1gを常法によってアルカリによって電位差滴定を行い、第1当量点までに必要なアルカリ量a(mg)、第2当量点までに必要なアルカリ量b(mg)を求め、更に生成物中に存在するリン酸酸性OH基と化学当量以上の硝酸銀を加えた後、同様にアルカリによる電位差滴定を行い、第3当量点までに必要なアルカリ量c(mg)を求め、次式により各成分の含量を算出する。
【0022】
【数1】
Figure 0003905379
【0023】
ここで使用するリン酸化剤の種類、及びヒドロキシル化合物とリン酸化剤のモル比や水の添加等によって所定のエステル組成比を有する酸性有機リン酸化合物が得られる。
【0024】
<アミン化合物>
一般式(ロ)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜6の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。また、aは1〜3の数、bは1〜3の数が好ましい。また、一般式(ハ)において、cは1〜3の数、dは1〜6の数が好ましい。
【0025】
このような一般式(ロ)、(ハ)で表されるアミン化合物を併用することにより、アスファルトと骨材の剥離防止効果が更に向上する。アミン化合物(ロ)とアミン化合物(ハ)の重量比は、(ロ)/(ハ)=95/5〜5/95、更に80/20〜20/80、特に60/40〜40/60が好ましい。なお、本発明の効果を損なわない範囲でアミン化合物(ロ)、(ハ)以外のアミン化合物を併用してもよい。
【0026】
<アルコール>
本発明の加熱アスファルト用添加剤は、下記の一般式(ニ)で表されるアルコールを含有することが剥離防止効果向上の点で好ましい。
【0027】
3O(Cr2rO)pH (ニ)
〔式中、R3は炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基又は炭素数2〜20のアルキル基を有するアルキルフェニル基を表し、rは2〜4の数を示し、pは0〜10の数である。〕。
【0028】
一般式(ニ)のアルコールの代表的なものとしては、例えば以下のものが挙げられる。2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキジルアルコールなどの脂肪族アルコール、オクチルフェノール、ノニルフェノールなどのアルキルフェノール、オキソ法、チーグラー法及びガーペット法などによる合成アルコール、又はこれらに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均1〜10モル付加したアルコール、及びこれらの混合物などが挙げられる。R3の炭素数は12〜20が好ましく、一般式(ニ)のアルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、アラキジルアルコールが好ましい。特に一般式(ニ)のpが0〜3の化合物が好ましい。アルキレンオキシドは、エチレンオキシド単独が好ましい。
【0029】
<加熱アスファルト用添加剤>
本発明の加熱アスファルト用添加剤において、酸性有機リン酸化合物(イ)とアミン化合物(ロ)とアミン化合物(ハ)の重量比は、剥離防止効果向上の点で、(イ)/(ロ)/(ハ)=100/0.1/0.1〜100/50/50、更に100/0.5/0.5〜100/30/30、特に100/1.0/1.0〜100/10/10が好ましい。
【0030】
また、本発明の加熱アスファルト用添加剤は、アスファルト100重量部に対して、酸性有機リン酸化合物(イ)が0.05〜5.0重量部、更に0.1〜3.0重量部、アミン化合物(ロ)が0.00005〜2.5重量部、更に0.0005〜0.9重量部、アミン化合物(ハ)が0.00005〜2.5重量部、更に0.0005〜0.9重量部の割合で使用されるのが好ましい。
【0031】
また、一般式(ニ)のアルコールは、本発明の加熱アスファルト用添加剤中1〜60重量%、更に10〜50重量%含有されることが好ましい。
【0032】
<加熱アスファルト用添加剤の製造方法>
一般式(イ)で表される酸性有機リン酸化合物と一般式(ハ)で表されるアミン化合物の凝集を抑える観点から、一般式(ハ)のアミン化合物を最後に混合することが好ましい。一般式(イ)の化合物のOH基と一般式(ハ)のNH2基(又はNH基)とが相互作用することにより、重合体を生成し凝集を生じることが考えられる。従って、本発明の加熱アスファルト用添加剤は、一般式(イ)で表される酸性有機リン酸化合物に、一般式(ロ)で表されるアミン化合物を混合し、その後、一般式(ハ)で表されるアミン化合物を混合する工程を有する製造方法により好適に製造できる。
【0033】
また、一般式(ニ)で表されるアルコールを配合する場合は、一般式(イ)で表される酸性有機リン酸化合物に、一般式(ニ)で表されるアルコールを混合し、その後、一般式(ロ)で表されるアミン化合物を混合し、その後、一般式(ハ)で表されるアミン化合物を混合する工程を有する製造方法により製造できる。
【0034】
各成分の添加時の温度は、一般式(ロ)で表されるアミン化合物は80〜180℃、一般式(ハ)で表されるアミン化合物は130〜230℃、一般式(ニ)で表されるアルコールは50〜100℃が好ましい。
【0035】
部分的な凝集を起こさずに均一な添加剤が得られる観点から、上記の順序で、更に上記の温度で製造することが好ましい。
【0036】
本発明の加熱アスファルト用添加剤の剤型は特に限定されるものではなく、固体状、小片状、液体状、ペースト状等の剤型をとることができる。特に、作業性の点から、小片状が好ましい。
【0037】
<アスファルト組成物>
本発明のアスファルト組成物で用いるアスファルトとしては、ストレートアスファルト、セミブローンアスファルト、カットバックアスファルト、天然アスファルト、石油タール、ピッチ、溶剤脱瀝から生成した瀝青質を道路舗装用アスファルトの規格に適するように軟化剤を入れて製造したアスファルト等を挙げることができる。
【0038】
このようなアスファルトに上記したアスファルト用添加剤を配合する。アスファルト用添加剤の配合量は、前記の通りであるが、アスファルトと骨材との結合力を高め、剥離防止性を高めるため及び経済性、保存性等を考慮すると、アスファルトに対して好ましくは0.1〜3重量%であり、特に好ましくは0.2〜2重量%であり、さらに好ましくは0.3〜1.5重量%である。
【0039】
本発明のアスファルト組成物には、アスファルトの粘弾性を高めるために、さらに天然ゴム類、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム等の合成ゴム類、熱可塑性エラストマー類、エチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及びスチレンからなる群から選ばれるモノマーの1種の重合物又は2種以上の共重合物等を配合することができる。これらの成分の配合量は、組成物中において1〜20重量%が好ましく、特に3〜10重量%が好ましい。
【0040】
また、本発明のアスファルト組成物には、用途に応じて、さらに炭酸カルシウム、消石灰、セメント、活性炭等の無機充填材、有機充填材、石油樹脂、低分子ポリエチレン等の石油系軟化剤、オレイン酸等の植物油系軟化剤、可塑剤、イオウ等を配合することができる。
【0041】
本発明のアスファルト組成物の製造方法は特に制限されるものではなく、例えば、100〜250℃で加熱溶融させたアスファルトに、攪拌下、所定量の加熱アスファルト用添加剤を添加する方法を適用することができる。本発明の加熱アスファルト用添加剤は、上記したようにアスファルトへの溶解性及び親和性がよいため、通常は格別の混合操作は不要であり、加熱による熱対流や運搬時における振動程度で充分に均一な混合ができるが、より迅速な作業性が要求されるような場合には、攪拌混合することもできる。このように、本発明の加熱アスファルト用添加剤を用いることで、道路舗装用アスファルトが製造できる。また、本発明の加熱アスファルト用添加剤を含有する加熱アスファルト組成物を用いて舗装した道路が得られる。
【0042】
【実施例】
実施例1〜4、8、9、12
リン酸ステアリルエステル〔化合物(イ)〕[リン酸モノステアリルエステル(A)とリン酸ジステアリルエステル(B)とからなり、(A)/〔(A)+(B)〕×100(モル%)が60である化合物]100重量部を80℃に加熱し、500rpmで撹拌しながらステアリルアルコール〔化合物(ニ)〕45重量部を添加し、30分撹拌する。その後、ジメチルアミノプロピルアミン〔化合物(ロ)〕2重量部をゆっくり添加し、110℃に昇温後、30分撹拌し、更にジエチレントリアミン〔化合物(ハ)〕2重量部をゆっくり添加し、180℃に昇温し、60分撹拌し、冷却して加熱アスファルト用添加剤を得た(実施例1)。これに準じて表1に示す化合物を使用し、同様に表1に示す加熱アスファルト用添加剤を調製した。
【0043】
次に、180℃で加熱溶融させた加熱アスファルトに対して、表1に記載の各加熱アスファルト用添加剤を添加し、1分間攪拌して、実施例のアスファルト組成物を得た。このようにして得られたアスファルト組成物を用い、アスファルト舗装要綱(日本道路協会発行)に記載のアスファルト皮膜の剥離試験を下記のように行い、アスファルトと骨材の剥離性について試験した。結果を表1に示す。
【0044】
(剥離試験法)
宝塚産の骨材(石英斑岩:酸性岩)と葛生産の骨材(石灰岩:塩基性岩)のうち、13mmのフルイを通過し、5mmのフルイに止まる粒度のものを各々100gとり、よく洗浄したのち300mlの金属製容器に入れて乾燥させた。次に、これらの骨材を予め150℃に保っている恒温乾燥機に入れて1時間加熱した。一方、アスファルト組成物を180℃の恒温乾燥機中で表1に示す時間(2時間又は48時間)加熱したのち、その5.5gを金属製容器中の骨材に加えた。その後、骨材表面が完全にアスファルト組成物で被覆されるように、2〜3分間ヘラでよく攪拌し、アスファルト組成物で被覆された骨材を得た。次に、この被覆骨材をガラス板上に広げ、1〜2時間放置して室温まで冷却して、アスファルト組成物を硬化させた。次に、この被覆骨材を80℃に保った恒温水槽の温水中に浸漬し、24時間経過した時点で温水中の被覆骨材の状態を肉眼で観察し、試験開始時におけるアスファルト組成物皮膜の面積を基準として剥離したアスファルト組成物皮膜の面積百分率を求めた。
【0045】
実施例5〜7、10、11、13
表1に示す化合物を用い、ステアリルアルコール又はミリスチルアルコールを添加しない以外は実施例1〜4と同様の方法で加熱アスファルト用添加剤を得た。実施例1等と同様にアスファルト組成物を調製し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】
比較例1〜12、14〜21
表2に示す化合物を用いて実施例1〜4と同様の方法で加熱アスファルト用添加剤を得た。なお、「その他」の化合物は化合物(ロ)と同じ条件で添加した。実施例1等と同様にアスファルト組成物を調製し、同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0047】
比較例13
加熱アスファルト用添加剤として何も添加せずにアスファルト組成物を調製し、実施例1等と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0048】
【表1】
Figure 0003905379
【0049】
(注)
(A)モル%は、リン酸モノステアリルエステル(A)とリン酸ジステアリルエステル(B)のモル比であり、(A)/〔(A)+(B)〕×100(モル%)により求められる(以下同様)
【0050】
【表2】
Figure 0003905379
【0051】
(注)
比較例15、20は、均一混合が不可であり、凝集物が観察された。このため、剥離面積の測定は行わなかった。
【0052】
(結果)
表1から明らかな通り、実施例1〜13は優れた剥離防止性を示した。すなわち、実施例では一般式(イ)で表される酸性有機リン酸化合物単独よりも更に性能が向上しており、特に酸性有機リン酸化合物及び2種のアミン化合物に、更に一般式(ニ)のアルコールを併用した場合、剥離は全く観察されなかった。
【0053】
一方、表2に示されるように、酸性有機リン酸化合物に1種のアミン化合物を併用した場合、性能は不十分である。なかでも一般式(ハ)のアミン化合物だけを併用すると、製造中に凝集が起こり均一なものが得られない。その他の化合物としてモノエタノールアミンを添加した比較例20は、モノエタノールアミンの1個のOH基と1個のNH2基が一般式(ハ)のNH2基やNH基と同様な作用をして凝集を生じたと考えられる。従って、酸性有機リン酸化合物に一般式(ハ)のアミン化合物を添加する前に、一般式(ロ)のアミン化合物や一般式(ニ)のアルコールを添加する必要がある。
【0054】
【発明の効果】
本発明の加熱アスファルト用添加剤を用いたアスファルトは、骨材との接着性が一段と向上し、剥離防止効果が著しく改善される。

Claims (6)

  1. 下記の一般式(イ)で表される酸性有機リン酸化合物と、下記の一般式(ロ)で表されるアミン化合物と、下記一般式(ハ)で表されるアミン化合物とを含有する加熱アスファルト用添加剤。
    Figure 0003905379
    〔式中、Rは炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基又は炭素数2〜20のアルキル基を有するアルキルフェニル基を表し、jは2〜4の数を示し、nは0〜10の数を示し、mは1又は2を示し、kは1又は2を示し、m+kは3である。〕
    Figure 0003905379
    〔式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜6の炭化水素基を表し、a、b及びcは、それぞれ独立して、1〜4の数であり、dは1〜9の数である。〕
  2. 更に下記の一般式(ニ)で表されるアルコールを含有する請求項1記載の加熱アスファルト用添加剤。
    3O(Cr2rO)pH (ニ)
    〔式中、R3は炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基又は炭素数2〜20のアルキル基を有するアルキルフェニル基を表し、rは2〜4の数を示し、pは0〜10の数である。〕
  3. 酸性有機リン酸化合物が、炭素数16〜18の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のリン酸モノ脂肪族エステル(A)と炭素数16〜18の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のリン酸ジ脂肪族エステル(B)とからなり、(A)/〔(A)+(B)〕×100(モル%)が40〜95である請求項1又は2記載の加熱アスファルト用添加剤。
  4. 一般式(イ)で表される酸性有機リン酸化合物に、一般式(ロ)で表されるアミン化合物を混合し、その後、一般式(ハ)で表されるアミン化合物を混合する工程を有する、請求項1記載の加熱アスファルト用添加剤の製造方法。
  5. 一般式(イ)で表される酸性有機リン酸化合物に、一般式(ニ)で表されるアルコールを混合し、その後、一般式(ロ)で表されるアミン化合物を混合し、その後、一般式(ハ)で表されるアミン化合物を混合する工程を有する、請求項2記載の加熱アスファルト用添加剤の製造方法。
  6. 請求項1〜3の何れか1項記載の加熱アスファルト用添加剤とアスファルトとを含有する道路舗装用アスファルト組成物。
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