JP2003192902A - 加熱アスファルト用添加剤 - Google Patents

加熱アスファルト用添加剤

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JP2003192902A JP2001397152A JP2001397152A JP2003192902A JP 2003192902 A JP2003192902 A JP 2003192902A JP 2001397152 A JP2001397152 A JP 2001397152A JP 2001397152 A JP2001397152 A JP 2001397152A JP 2003192902 A JP2003192902 A JP 2003192902A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アスファルトと骨材との剥離防止効果を一段
と向上できる加熱アスファルト用の添加剤を提供する。 【解決手段】 特定の酸性有機リン酸化合物と、特定2
種のアミン化合物とを含有する加熱アスファルト用添加
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路舗装等に使用
する加熱アスファルト用の添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】アスファルトによる道路舗装の際には、
骨材とアスファルトを加熱混合して施工するが、無極性
で疎水性のアスファルトは、親水性の骨材との付着性が
充分ではなく、降雨や地下水等の水との接触により、ア
スファルトと骨材とが剥離するという性質を潜在的に有
している。このようなアスファルトと骨材の剥離は、道
路そのものの耐久性を大幅に低下させ、またアスファル
ト舗装のわだち掘れの一因であるとも考えられている。
【0003】アスファルトと骨材との付着性の改善によ
る剥離防止性の向上についての技術的課題は、アスファ
ルトによる道路舗装の性能向上のためには極めて重要な
問題であり、その解決策として従来より種々の提案がな
されている。
【0004】例えば、特開昭60−188462号公報
には、剥離防止性を改善するため、特定の酸性有機リン
化合物、特開平8−73750号公報には、特定の酸性
有機リン化合物を用いる再生加熱アスファルト混合物用
の添加剤等を用いる方法が、提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アスフ
ァルトと骨材の剥離防止性については、道路維持、管理
の面から更なる改善が望まれており、本発明の課題は、
そのような要望に応え得る加熱アスファルト用の添加剤
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の一般式
(イ)で表される酸性有機リン酸化合物と、下記の一般
式(ロ)で表されるアミン化合物と、下記一般式(ハ)
で表されるアミン化合物とを含有する加熱アスファルト
用添加剤に関する。
【0007】
【化3】
【0008】〔式中、Rは炭素数8〜36の飽和もしく
は不飽和の脂肪族炭化水素基又は炭素数2〜20のアル
キル基を有するアルキルフェニル基を表し、jは2〜4
の数を示し、nは0〜10の数を示し、mは1又は2を
示し、kは1又は2を示し、m+kは3である。〕
【0009】
【化4】
【0010】〔式中、R1及びR2は、それぞれ独立し
て、炭素数1〜6の炭化水素基を表し、a、b及びc
は、それぞれ独立して、1〜4の数であり、dは1〜9
の数である。〕。
【0011】また、本発明は、上記一般式(イ)で表さ
れる酸性有機リン酸化合物に、上記一般式(ロ)で表さ
れるアミン化合物を混合し、その後、上記一般式(ハ)
で表されるアミン化合物を混合する工程を有する、上記
本発明の加熱アスファルト用添加剤の製造方法に関す
る。
【0012】上記本発明の加熱アスファルト用添加剤
は、更に下記の一般式(ニ)で表されるアルコールを含
有することができる。この加熱アスファルト用添加剤
は、上記一般式(イ)で表される酸性有機リン酸化合物
に、下記一般式(ニ)で表されるアルコールを混合し、
その後、上記一般式(ロ)で表されるアミン化合物を混
合し、その後、上記一般式(ハ)で表されるアミン化合
物を混合する工程を有する製造方法により得ることがで
きる。 R3O(Cr2rO)pH (ニ) 〔式中、R3は炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の
脂肪族炭化水素基又は炭素数2〜20のアルキル基を有
するアルキルフェニル基を表し、rは2〜4の数を示
し、pは0〜10の数である。〕。
【0013】また、本発明は、上記本発明の加熱アスフ
ァルト用添加剤とアスファルトとを含有する道路舗装用
アスファルト組成物に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(イ)で表される
酸性有機リン酸化合物は、瀝青質と骨材との界面に最も
密に分子を配列させる組成を有し、その界面に化学結合
あるいは水素結合を形成して強固に接着させ、且つ、酸
性有機リン酸化合物と一般式(ハ)で表されるアミン化
合物間で水素結合又は静電相互作用することで、強固な
被膜を骨材表面で形成するため、衝撃を受けても骨材と
瀝青質の接着界面が破壊されることがない優れた剥離防
止効果を示すと考えられる。また、一般式(ロ)で表さ
れるアミン化合物は、化合物(イ)と化合物(ハ)の結
合力を調整する作用をして、化合物(イ)の瀝青質と骨
材との界面への配列を促していると考えられる。
【0015】<酸性有機リン酸化合物>本発明で用いる
酸性有機リン酸化合物は、一般に公知の方法で工業的に
容易に製造でき、例えば、無水リン酸(P23)、オキ
シ三塩化リン(POCl3)、三塩化リン(PCl3)又
はポリリン酸などのリン酸化剤と式RO(Cj2jO)n
で表されるヒドロキシル化合物との反応で製造される。
【0016】ここでRで表される有機基として好ましい
ものは、炭素数8〜36の脂肪族炭化水素基又は総炭素
数8〜26のアルキルフェニル基であり、これらは飽和
であっても不飽和であっても、また直鎖状であっても分
岐状であってもよい。特に剥離防止性の観点から、脂肪
族炭化水素基は炭素数16〜18のものが好ましい。
【0017】このような脂肪族炭化水素基の例を挙げれ
ば、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシ
ル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサ
デシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エ
イコシル、ヘネイコシル、ドコシル、トリコシル、テト
ラコシル、トリアコンチル、ペンタトリアコンチル、ヘ
キサトリアコンチル、オクタデセニルなどがあり、アル
キルフェニル基としては、例えばエチルフェニル、プロ
ピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘ
キシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニ
ル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウンデシルフェ
ニル、ドデシルフェニル、トリデシルフェニル、テトラ
デシルフェニル、ペンタデシルフェニル、ヘキサデシル
フェニル、ヘプタデシルフェニル、オクタデシルフェニ
ル、ノナデシルフェニル、エイコシルフェニルなどがあ
る。好ましくは、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシ
ル、オクタデセニル、オクチルフェニル、ノニルフェニ
ル、トリデシルフェニルである。
【0018】有機基は直接に、又はオキシアルキレン結
合を介して他の原子団と結合し、酸性有機リン酸化合物
を構成し、このオキシアルキレンのアルキレンとして
は、エチレン、プロピレン、ブチレンがある。特に、オ
キシエチレン基が好ましい。
【0019】一般的に前記の一般式(イ)で表される化
合物を得る場合に用いられる原料ヒドロキシル化合物の
代表的なものとしては、例えば以下のものが挙げられ
る。2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコー
ル、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パル
ミチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステア
リルアルコール、オレイルアルコール、アラキジルアル
コールなどの脂肪族アルコール、オクチルフェノール、
ノニルフェノールなどのアルキルフェノール、オキソ
法、チーグラー法及びガーペット法などによる合成アル
コール、又はこれらにエチレンオキシドを平均で1ない
し10モル付加した化合物、及びこれらの混合物などの
殆どの高級アルコールもしくはアルキルフェノール及び
そのエチレンオキサイド付加物が含まれる。特にアルコ
ール又はアルコールにエチレンオキサイドを1〜3モル
付加したものが好ましい。
【0020】ここで、分子構造及び配列的に密な最適接
着界面を形成するためには、炭素数16〜18の直鎖又
は分岐鎖の飽和又は不飽和のリン酸脂肪族エステルが好
ましい。更に、分子構造及び配列的に密な最適接着界面
を形成するためには、酸性有機リン酸化合物が、炭素数
16〜18の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のリン酸
モノ脂肪族エステル(A)と炭素数16〜18の直鎖又
は分岐鎖の飽和又は不飽和のリン酸ジ脂肪族エステル
(B)とからなり、(A)/〔(A)+(B)〕×10
0(モル%)が40〜95、更に60〜90であること
が好ましい。この組成のものは、密な分子配列及び化学
結合を得ることが容易で、剥離防止性能も充分である。
【0021】ここで用いるリン酸エステル(A)及び
(B)の値は次の酸性有機リン酸化合物の分析法(例え
ば、特公昭58−8746号公報記載の方法)によって
得られる。即ち、生成物1gを常法によってアルカリに
よって電位差滴定を行い、第1当量点までに必要なアル
カリ量a(mg)、第2当量点までに必要なアルカリ量
b(mg)を求め、更に生成物中に存在するリン酸酸性
OH基と化学当量以上の硝酸銀を加えた後、同様にアル
カリによる電位差滴定を行い、第3当量点までに必要な
アルカリ量c(mg)を求め、次式により各成分の含量
を算出する。
【0022】
【数1】
【0023】ここで使用するリン酸化剤の種類、及びヒ
ドロキシル化合物とリン酸化剤のモル比や水の添加等に
よって所定のエステル組成比を有する酸性有機リン酸化
合物が得られる。
【0024】<アミン化合物>一般式(ロ)において、
1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜6の炭化
水素基であり、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基で
ある。また、aは1〜3の数、bは1〜3の数が好まし
い。また、一般式(ハ)において、cは1〜3の数、d
は1〜6の数が好ましい。
【0025】このような一般式(ロ)、(ハ)で表され
るアミン化合物を併用することにより、アスファルトと
骨材の剥離防止効果が更に向上する。アミン化合物
(ロ)とアミン化合物(ハ)の重量比は、(ロ)/
(ハ)=95/5〜5/95、更に80/20〜20/
80、特に60/40〜40/60が好ましい。なお、
本発明の効果を損なわない範囲でアミン化合物(ロ)、
(ハ)以外のアミン化合物を併用してもよい。
【0026】<アルコール>本発明の加熱アスファルト
用添加剤は、下記の一般式(ニ)で表されるアルコール
を含有することが剥離防止効果向上の点で好ましい。
【0027】R3O(Cr2rO)pH (ニ) 〔式中、R3は炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の
脂肪族炭化水素基又は炭素数2〜20のアルキル基を有
するアルキルフェニル基を表し、rは2〜4の数を示
し、pは0〜10の数である。〕。
【0028】一般式(ニ)のアルコールの代表的なもの
としては、例えば以下のものが挙げられる。2−エチル
ヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアル
コール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコー
ル、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコー
ル、オレイルアルコール、アラキジルアルコールなどの
脂肪族アルコール、オクチルフェノール、ノニルフェノ
ールなどのアルキルフェノール、オキソ法、チーグラー
法及びガーペット法などによる合成アルコール、又はこ
れらに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均1〜1
0モル付加したアルコール、及びこれらの混合物などが
挙げられる。R3の炭素数は12〜20が好ましく、一
般式(ニ)のアルコールとしては、ラウリルアルコー
ル、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ス
テアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレ
イルアルコール、アラキジルアルコールが好ましい。特
に一般式(ニ)のpが0〜3の化合物が好ましい。アル
キレンオキシドは、エチレンオキシド単独が好ましい。
【0029】<加熱アスファルト用添加剤>本発明の加
熱アスファルト用添加剤において、酸性有機リン酸化合
物(イ)とアミン化合物(ロ)とアミン化合物(ハ)の
重量比は、剥離防止効果向上の点で、(イ)/(ロ)/
(ハ)=100/0.1/0.1〜100/50/5
0、更に100/0.5/0.5〜100/30/3
0、特に100/1.0/1.0〜100/10/10
が好ましい。
【0030】また、本発明の加熱アスファルト用添加剤
は、アスファルト100重量部に対して、酸性有機リン
酸化合物(イ)が0.05〜5.0重量部、更に0.1
〜3.0重量部、アミン化合物(ロ)が0.00005
〜2.5重量部、更に0.0005〜0.9重量部、ア
ミン化合物(ハ)が0.00005〜2.5重量部、更
に0.0005〜0.9重量部の割合で使用されるのが
好ましい。
【0031】また、一般式(ニ)のアルコールは、本発
明の加熱アスファルト用添加剤中1〜60重量%、更に
10〜50重量%含有されることが好ましい。
【0032】<加熱アスファルト用添加剤の製造方法>
一般式(イ)で表される酸性有機リン酸化合物と一般式
(ハ)で表されるアミン化合物の凝集を抑える観点か
ら、一般式(ハ)のアミン化合物を最後に混合すること
が好ましい。一般式(イ)の化合物のOH基と一般式
(ハ)のNH2基(又はNH基)とが相互作用すること
により、重合体を生成し凝集を生じることが考えられ
る。従って、本発明の加熱アスファルト用添加剤は、一
般式(イ)で表される酸性有機リン酸化合物に、一般式
(ロ)で表されるアミン化合物を混合し、その後、一般
式(ハ)で表されるアミン化合物を混合する工程を有す
る製造方法により好適に製造できる。
【0033】また、一般式(ニ)で表されるアルコール
を配合する場合は、一般式(イ)で表される酸性有機リ
ン酸化合物に、一般式(ニ)で表されるアルコールを混
合し、その後、一般式(ロ)で表されるアミン化合物を
混合し、その後、一般式(ハ)で表されるアミン化合物
を混合する工程を有する製造方法により製造できる。
【0034】各成分の添加時の温度は、一般式(ロ)で
表されるアミン化合物は80〜180℃、一般式(ハ)
で表されるアミン化合物は130〜230℃、一般式
(ニ)で表されるアルコールは50〜100℃が好まし
い。
【0035】部分的な凝集を起こさずに均一な添加剤が
得られる観点から、上記の順序で、更に上記の温度で製
造することが好ましい。
【0036】本発明の加熱アスファルト用添加剤の剤型
は特に限定されるものではなく、固体状、小片状、液体
状、ペースト状等の剤型をとることができる。特に、作
業性の点から、小片状が好ましい。
【0037】<アスファルト組成物>本発明のアスファ
ルト組成物で用いるアスファルトとしては、ストレート
アスファルト、セミブローンアスファルト、カットバッ
クアスファルト、天然アスファルト、石油タール、ピッ
チ、溶剤脱瀝から生成した瀝青質を道路舗装用アスファ
ルトの規格に適するように軟化剤を入れて製造したアス
ファルト等を挙げることができる。
【0038】このようなアスファルトに上記したアスフ
ァルト用添加剤を配合する。アスファルト用添加剤の配
合量は、前記の通りであるが、アスファルトと骨材との
結合力を高め、剥離防止性を高めるため及び経済性、保
存性等を考慮すると、アスファルトに対して好ましくは
0.1〜3重量%であり、特に好ましくは0.2〜2重
量%であり、さらに好ましくは0.3〜1.5重量%で
ある。
【0039】本発明のアスファルト組成物には、アスフ
ァルトの粘弾性を高めるために、さらに天然ゴム類、ス
チレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム等の合成ゴム
類、熱可塑性エラストマー類、エチレン、酢酸ビニル、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及びスチレ
ンからなる群から選ばれるモノマーの1種の重合物又は
2種以上の共重合物等を配合することができる。これら
の成分の配合量は、組成物中において1〜20重量%が
好ましく、特に3〜10重量%が好ましい。
【0040】また、本発明のアスファルト組成物には、
用途に応じて、さらに炭酸カルシウム、消石灰、セメン
ト、活性炭等の無機充填材、有機充填材、石油樹脂、低
分子ポリエチレン等の石油系軟化剤、オレイン酸等の植
物油系軟化剤、可塑剤、イオウ等を配合することができ
る。
【0041】本発明のアスファルト組成物の製造方法は
特に制限されるものではなく、例えば、100〜250
℃で加熱溶融させたアスファルトに、攪拌下、所定量の
加熱アスファルト用添加剤を添加する方法を適用するこ
とができる。本発明の加熱アスファルト用添加剤は、上
記したようにアスファルトへの溶解性及び親和性がよい
ため、通常は格別の混合操作は不要であり、加熱による
熱対流や運搬時における振動程度で充分に均一な混合が
できるが、より迅速な作業性が要求されるような場合に
は、攪拌混合することもできる。このように、本発明の
加熱アスファルト用添加剤を用いることで、道路舗装用
アスファルトが製造できる。また、本発明の加熱アスフ
ァルト用添加剤を含有する加熱アスファルト組成物を用
いて舗装した道路が得られる。
【0042】
【実施例】実施例1〜4、8、9、12 リン酸ステアリルエステル〔化合物(イ)〕[リン酸モ
ノステアリルエステル(A)とリン酸ジステアリルエス
テル(B)とからなり、(A)/〔(A)+(B)〕×
100(モル%)が60である化合物]100重量部を
80℃に加熱し、500rpmで撹拌しながらステアリ
ルアルコール〔化合物(ニ)〕45重量部を添加し、3
0分撹拌する。その後、ジメチルアミノプロピルアミン
〔化合物(ロ)〕2重量部をゆっくり添加し、110℃
に昇温後、30分撹拌し、更にジエチレントリアミン
〔化合物(ハ)〕2重量部をゆっくり添加し、180℃
に昇温し、60分撹拌し、冷却して加熱アスファルト用
添加剤を得た(実施例1)。これに準じて表1に示す化
合物を使用し、同様に表1に示す加熱アスファルト用添
加剤を調製した。
【0043】次に、180℃で加熱溶融させた加熱アス
ファルトに対して、表1に記載の各加熱アスファルト用
添加剤を添加し、1分間攪拌して、実施例のアスファル
ト組成物を得た。このようにして得られたアスファルト
組成物を用い、アスファルト舗装要綱(日本道路協会発
行)に記載のアスファルト皮膜の剥離試験を下記のよう
に行い、アスファルトと骨材の剥離性について試験し
た。結果を表1に示す。
【0044】(剥離試験法)宝塚産の骨材(石英斑岩:
酸性岩)と葛生産の骨材(石灰岩:塩基性岩)のうち、
13mmのフルイを通過し、5mmのフルイに止まる粒
度のものを各々100gとり、よく洗浄したのち300
mlの金属製容器に入れて乾燥させた。次に、これらの
骨材を予め150℃に保っている恒温乾燥機に入れて1
時間加熱した。一方、アスファルト組成物を180℃の
恒温乾燥機中で表1に示す時間(2時間又は48時間)
加熱したのち、その5.5gを金属製容器中の骨材に加
えた。その後、骨材表面が完全にアスファルト組成物で
被覆されるように、2〜3分間ヘラでよく攪拌し、アス
ファルト組成物で被覆された骨材を得た。次に、この被
覆骨材をガラス板上に広げ、1〜2時間放置して室温ま
で冷却して、アスファルト組成物を硬化させた。次に、
この被覆骨材を80℃に保った恒温水槽の温水中に浸漬
し、24時間経過した時点で温水中の被覆骨材の状態を
肉眼で観察し、試験開始時におけるアスファルト組成物
皮膜の面積を基準として剥離したアスファルト組成物皮
膜の面積百分率を求めた。
【0045】実施例5〜7、10、11、13 表1に示す化合物を用い、ステアリルアルコール又はミ
リスチルアルコールを添加しない以外は実施例1〜4と
同様の方法で加熱アスファルト用添加剤を得た。実施例
1等と同様にアスファルト組成物を調製し、同様の評価
を行った。結果を表1に示す。
【0046】比較例1〜12、14〜21 表2に示す化合物を用いて実施例1〜4と同様の方法で
加熱アスファルト用添加剤を得た。なお、「その他」の
化合物は化合物(ロ)と同じ条件で添加した。実施例1
等と同様にアスファルト組成物を調製し、同様の評価を
行った。結果を表2に示す。
【0047】比較例13 加熱アスファルト用添加剤として何も添加せずにアスフ
ァルト組成物を調製し、実施例1等と同様の評価を行っ
た。結果を表2に示す。
【0048】
【表1】
【0049】(注) (A)モル%は、リン酸モノステアリルエステル(A)
とリン酸ジステアリルエステル(B)のモル比であり、
(A)/〔(A)+(B)〕×100(モル%)により
求められる(以下同様)
【0050】
【表2】
【0051】(注)比較例15、20は、均一混合が不
可であり、凝集物が観察された。このため、剥離面積の
測定は行わなかった。
【0052】(結果)表1から明らかな通り、実施例1
〜13は優れた剥離防止性を示した。すなわち、実施例
では一般式(イ)で表される酸性有機リン酸化合物単独
よりも更に性能が向上しており、特に酸性有機リン酸化
合物及び2種のアミン化合物に、更に一般式(ニ)のア
ルコールを併用した場合、剥離は全く観察されなかっ
た。
【0053】一方、表2に示されるように、酸性有機リ
ン酸化合物に1種のアミン化合物を併用した場合、性能
は不十分である。なかでも一般式(ハ)のアミン化合物
だけを併用すると、製造中に凝集が起こり均一なものが
得られない。その他の化合物としてモノエタノールアミ
ンを添加した比較例20は、モノエタノールアミンの1
個のOH基と1個のNH2基が一般式(ハ)のNH2基や
NH基と同様な作用をして凝集を生じたと考えられる。
従って、酸性有機リン酸化合物に一般式(ハ)のアミン
化合物を添加する前に、一般式(ロ)のアミン化合物や
一般式(ニ)のアルコールを添加する必要がある。
【0054】
【発明の効果】本発明の加熱アスファルト用添加剤を用
いたアスファルトは、骨材との接着性が一段と向上し、
剥離防止効果が著しく改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2D051 AG04 AG09 AH02 EA06 EB06 4J002 AG001 ED039 EN017 EN018 EW046 FD206 FD207 FD208 FD209 GL00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(イ)で表される酸性有機
    リン酸化合物と、下記の一般式(ロ)で表されるアミン
    化合物と、下記一般式(ハ)で表されるアミン化合物と
    を含有する加熱アスファルト用添加剤。 【化1】 〔式中、Rは炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の脂
    肪族炭化水素基又は炭素数2〜20のアルキル基を有す
    るアルキルフェニル基を表し、jは2〜4の数を示し、
    nは0〜10の数を示し、mは1又は2を示し、kは1
    又は2を示し、m+kは3である。〕 【化2】 〔式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1〜
    6の炭化水素基を表し、a、b及びcは、それぞれ独立
    して、1〜4の数であり、dは1〜9の数である。〕
  2. 【請求項2】 更に下記の一般式(ニ)で表されるアル
    コールを含有する請求項1記載の加熱アスファルト用添
    加剤。 R3O(Cr2rO)pH (ニ) 〔式中、R3は炭素数8〜36の飽和もしくは不飽和の
    脂肪族炭化水素基又は炭素数2〜20のアルキル基を有
    するアルキルフェニル基を表し、rは2〜4の数を示
    し、pは0〜10の数である。〕
  3. 【請求項3】 酸性有機リン酸化合物が、炭素数16〜
    18の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和のリン酸モノ脂
    肪族エステル(A)と炭素数16〜18の直鎖又は分岐
    鎖の飽和又は不飽和のリン酸ジ脂肪族エステル(B)と
    からなり、(A)/〔(A)+(B)〕×100(モル
    %)が40〜95である請求項1又は2記載の加熱アス
    ファルト用添加剤。
  4. 【請求項4】 一般式(イ)で表される酸性有機リン酸
    化合物に、一般式(ロ)で表されるアミン化合物を混合
    し、その後、一般式(ハ)で表されるアミン化合物を混
    合する工程を有する、請求項1記載の加熱アスファルト
    用添加剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(イ)で表される酸性有機リン酸
    化合物に、一般式(ニ)で表されるアルコールを混合
    し、その後、一般式(ロ)で表されるアミン化合物を混
    合し、その後、一般式(ハ)で表されるアミン化合物を
    混合する工程を有する、請求項2記載の加熱アスファル
    ト用添加剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3の何れか1項記載の加熱ア
    スファルト用添加剤とアスファルトとを含有する道路舗
    装用アスファルト組成物。
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