JP3339774B2 - エンコーダ制御装置 - Google Patents

エンコーダ制御装置

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JP3339774B2 JP02868296A JP2868296A JP3339774B2 JP 3339774 B2 JP3339774 B2 JP 3339774B2 JP 02868296 A JP02868296 A JP 02868296A JP 2868296 A JP2868296 A JP 2868296A JP 3339774 B2 JP3339774 B2 JP 3339774B2
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  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電源電圧の変動に
よる悪影響を最小限に止める機能を備えたエンコーダ制
御装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】工業製品の製造過程で部品寸法を精密に測
定するために、光学式あるいは静電容量式のエンコーダ
を備えた計測機器が利用されている。このエンコーダの
検出信号を入力して寸法値を算出して、この寸法値をL
ED表示装置に表示させるように制御する装置としてエ
ンコーダ制御装置が利用されている。このエンコーダ制
御装置は、その内部にCPUを中心として構成された演
算回路を備え、エンコーダから出力される検出信号を演
算処理して長さの値を求め、さらに液晶やLED等の表
示装置にその値を測定値として表示するよう制御する電
子機器である。
【0003】このようなエンコーダとエンコーダ制御装
置および表示装置とにより構成される計測機器を使う際
は、より正確な寸法を計測するために、寸法が既知の基
準器、例えばブロックゲージ等を使った事前のキャリブ
レーションが必要である。このキャリブレーションによ
って得られた補正値はエンコーダ制御装置内部に記憶さ
れ、新たにキャリブレーションが行われるかあるいは電
源オフ等によりリセットされるまで記憶保持され寸法値
の算出に利用される。
【0004】上記の計測機器が製造現場で使われる場合
は、比較的大きな電力を必要とする工作機械や搬送装置
と共に使用される。そのためこの工作機械や搬送装置の
駆動にともない電源電圧が大きく変化することがある。
通常このような電源電圧の大きな変化を受けてもエンコ
ーダ制御装置が誤動作しないように、電源入力部に十分
容量の大きいコンデンサーを備えた電源回路が必要であ
る。しかしこの大きな電源回路のためエンコーダ制御装
置の小型化、低価格化が妨げられていた。そこで、製造
ラインを制御するシーケンサ等、別の電子機器から直流
電圧を供給させるようにして、電源回路を不要として、
エンコーダ制御装置の小型化、低価格化を図ろうとした
工夫が取られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
エンコーダ制御装置がシーケンサから直流電圧の供給を
受ける場合、このシーケンサが更に別の装置へ電源を供
給していて、この別の装置における大きな負荷変動に影
響されてエンコーダ制御装置へ供給される電源電圧が変
動することがしばしば発生する。甚だしい場合には電源
の電圧が瞬間的に著しく低下するいわゆる瞬断が発生す
ることもある。また、このシーケンサが比較的大きな電
力を必要とする工作機械や搬送装置等と電源を共有して
る場合も、同様にこれらの稼働の影響によりエンコーダ
制御装置へ供給される電源電圧が変動することがある。
このような現象、特に瞬断が起きるとエンコーダ制御装
置は、一旦電源オフによるリセットを掛けられた状態と
なり、予めキャリブレーションにより求められ内部に記
憶されていた補正係数や計測に必要な各種パラメータが
全て消去されてしまい、以後正しい寸法を計測できなく
なってしまうことがある。このような現象に作業者が気
付くことなく製造ラインを稼働させ続ければ、寸法が合
っているものを不良品として扱ったり、逆に寸法が合っ
ていないものを良品として扱ってしまうことになりかね
ない。また、上記の工作機械や搬送装置のような比較的
大きな電力を必要とする装置が多数同時に駆動する場合
には、比較的長時間に渡り電源電圧がある一定レベル以
下に低下したままとなることも生じる。従って、エンコ
ーダ制御装置を小型化、低価格化するために、単にその
電源をシーケンサから供給するようにしただけでは、電
圧の変動の影響をそのまま受けてしまい動作が不安定に
なる問題がある。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は電源電圧の変動による悪影響を
最小限に止め、他の電子機器から電源電圧の供給を受け
ることで小型化、低価格化されたエンコーダ制御装置を
提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、エンコーダからの検出信号に所定演算処
理を施して計測値を求め、この計測値をLED表示装置
に表示する信号を出力するエンコーダ制御装置におい
て、入力される直流定電圧電源の電圧値を分圧する抵抗
素子(2、3)と、この抵抗素子(2、3)により分圧
された電圧値をデジタル値に変換するADコンバータ
(4)と、前記ADコンバータ(4)の出力値を所定時
間間隔で2回サンプリングして、これらの値がどちらも
所定値(L2)よりも低いときはLED表示装置の消費
電力を減らすための制御信号を出力するCPU(5)
と、を備えたことを特徴とする。
【0008】また、本発明は上記手段に加え、前記AD
コンバータ(4)の出力値を所定時間間隔で2回サンプ
リングして、これらの値がどちらも所定値(L1)より
高いとき、あるいは所定値(L2)より低いとき、前記
LED表示装置に所定のエラー表示を行うように制御す
るCPU(5)と、を備えることで作業者へ電源電圧異
常を知らせることができるエンコーダ制御装置を構成可
能である。
【0009】また、本発明は上記手段に加え、前記AD
コンバータ(4)の出力値を所定時間間隔で2回サンプ
リングして、これらの値がどちらも所定値(L3)より
も低いとき、所定のシャットダウン処理を行い動作を停
止するように制御するCPU(5)と、を備えることで
それまでの計測データや内部の各種パラメータを安全に
保存することができるエンコーダ制御装置を構成可能で
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を用いた好適な実施
の形態について図面を用いて説明する。なお、全図中に
おいて同一符号を付したものは同一構成要素を表わして
いる。図1に本発明に係る計測機器のエンコダー制御装
置のブロック回路図を示す。入力される電源は直流定電
圧電源12である。この直流定電圧電源12の電圧値を
監視するために、抵抗素子2および抵抗素子3により適
当に分圧された電圧を取りだし、ADコンバータ4によ
りデジタルに変換してその値をCPU5に入力してい
る。直流定電圧電源12は適当な大きさの容量を持つコ
ンデンサ11を備えた電圧調整回路1に入力され、ここ
で所定の電圧値に調整され、CPU5とLED表示装置
300へ電源電圧が供給される。
【0011】一方、エンコーダ200から出力される検
出信号はアンプ9により増幅され、ADコンバータ8に
よりデジタルに変換されてCPU5に入力される。CP
U5内部における演算処理は、このエンコーダ200か
らの検出信号を内挿分割した値を求め、この値に対して
予め内部に記憶されている補正係数や計測に必要な各種
パラメータを使ってさらに演算処理を施してその結果を
LED表示装置300に出力表示するようにしている。
【0012】図4に本発明に係るエンコーダ制御装置の
電源電圧の監視と、動作の流れを説明するフローチャー
トを示す。このエンコーダ制御装置が正常に動作するた
めに許容できる定電圧電源の上限電圧値L1と下限電圧
値L2と、これより電源電圧が降下したら強制的にエン
コーダ制御装置を停止させるシャットダウン電圧値L3
と、を予め規定してCPU5内部のROMに記憶させて
おく。電源電圧の監視方法は、最低1.5ms以上の時
間間隔で2回電源電圧をサンプリングして、それらの電
圧値が両方とも上限電圧値L1を上回ったとき、電源電
圧が許容値よりも高くなっていることをLED表示装置
300に出力表示して作業者へ注意を促す。また、ある
いは2回電源電圧をサンプリングして、それらの電圧値
が両方とも下限電圧値L2を下回ったとき、電源電圧が
許容値よりも低くなっていることをLED表示装置30
0に出力表示して作業者へ注意を促す。また、同様に2
回電源電圧をサンプリングして、それらの電圧値が両方
ともシャットダウン電圧値L3を下回ったときは、誤動
作することなく計測値を求めることが不可能となるので
強制的にエンコーダ制御装置を停止させるようにシャッ
トダウン処理を行う。
【0013】以下、図4の処理の流れに沿って説明する
と、まず50から処理が開始され、次に51において定
電圧電源の電圧値はADコンバータ4でAD変換されて
D1が求められる。次に52においてこのD1と上限電
圧値L1との大きさが比較される。ここでもしD1>L
1であれば53へ進み、そうでなければ57へ進む。5
3において1.5msの時間待ちをしてから54におい
て定電圧電源の電圧値がADコンバータ4でAD変換さ
れてD2が求められる。次に55においてこのD2と上
限電圧値L1との大きさが比較される。ここでもしD2
>L1であれば56へ進み、そうでなければ51へ戻
る。56において定電圧電源の電圧値が上限電圧値L1
を超えていることを作業者へ知らせるためにLED表示
装置300にアラーム表示等を行い51へ戻る。
【0014】57において上記D1と下限電圧値L2と
の大きさが比較される。ここでもしD1<L2であれば
58へ進み、そうでなければ51へ戻る。58において
上記D1とシャットダウン電圧値L3との大きさが比較
される。ここでもしD1<L3であれば64へ進み、そ
うでなければ59へ進む。59において1.5msの時
間待ちをしてから60において定電圧電源の電圧値はA
Dコンバータ4でAD変換されてD3が求められる。次
に61においてこのD3と下限電圧値L2との大きさが
比較される。ここでもしD3<L2であれば62へ進
み、そうでなければ51へ戻る。62において後述する
パワーダウン処理を行い63に進み、63において定電
圧電源の値が下限電圧値L2を下回っていることを作業
者へ知らせるためにLED表示装置300にアラーム表
示等を行い51へ戻る。
【0015】64において1.5msの時間待ちをして
から65に進み、この65において定電圧電源の電圧値
はADコンバータ4でAD変換されてD3が求められ
る。次に66においてこのD3とシャットダウン電圧値
L3との大きさが比較される。ここでもしD4<L3で
あれば67へ進み、そうでなければ61へ進む。67に
おいて後述するシャットダウン処理を行い68に進み、
システム停止となる。
【0016】図2および図3の実線はADコンバータ4
の出力値の時間に対する変化を示している。上記のよう
に電源電圧を2回サンプリングして両方の値をチェック
するようにしているので、例えば図2に示すような電源
の瞬断が発生したとき、aではシャットダウン電圧値L
3を下回っているが、1.5ms後のbにおいては正常
に戻っているのでシャットダウン処理は行わない。ただ
し電圧調整回路1の内部にはコンデンサー11があるの
で、エンコーダ制御装置100を構成する各回路素子に
供給される電圧は22に示すカーブを描くので、動作に
支障はない。
【0017】パワーダウン処理は、このエンコーダ制御
装置100からLED表示装置200へ供給する電力を
減少させることで電源に掛かる負荷を低減させ、CPU
5に供給される電源電圧の低下を防ぎ誤動作が起きない
ようにする工夫である。電圧調整回路1から供給される
電力のほとんどを消費するのはLED表示装置300で
ある。このLED表示装置300には6個のLED素子
からなるLED表示部7とそれを駆動させるLED駆動
回路6から構成されている。通常同時に点灯させるLE
D素子は6個の内の1個だけである。つまりどれか1個
のLEDだけを所定時間点灯させ、点灯させるLED素
子を順次切り換えながら全てのLED素子を点灯させる
ようにしている。このように時分割点灯を行うとき、点
灯させるLEDを切り換えるのに要する時間が十分短け
れば、人間の眼には残像現象により切れ目なくLED素
子全てが常時点灯しているように見える。点灯させるL
ED素子を切り換える時間間隔に対する実際にLED素
子を点灯させている時間の比をデューティー比と呼ぶ。
このデューティー比を例えば50%にすれば、LED素
子の単位時間当たりの消費電力を半分に低減させること
が可能である。この場合、LED素子の発光が暗くなっ
たように見えるが、数値を読み取るのには何ら支障がな
い程度である。このデューティー比はCPU5からの指
令により任意に設定変更が可能である。すなわち、LE
D表示装置300での消費電力をCPU5からの指令に
より任意に減少させるよう設定可能である。
【0018】電源電圧値を2回サンプリングして、その
両方の値がシャットダウン電圧値L3を下回ったとき、
正常な計測演算処理ができないと判断してシステムを停
止させるためのシャットダウン処理を行う。図3に示す
ように電源電圧値をa,bでサンプリングした結果3
0,31が得られたとする。30,31は両方ともシャ
ットダウン電圧値L3を下回っているので、直ちにシャ
ットダウン処理を開始する。電圧調整回路1内部にはコ
ンデンサ11があるので、CPU5その他の回路に供給
される電圧は直ちに0Vにならず、32に示すようなカ
ーブを描く。この32のカーブがL3より下回るまでに
シャットダウン処理を済ませれば、CPU5その他の回
路を誤動作させることなく停止させることができる。シ
ャットダウン処理の内容を簡単に説明すると、それまで
の計測結果を入出力回路(図示せず)から外部へ出力し
て計測データの保護を図ると共に、CPU5にセットさ
れている各種パラメータ、およびCPU5の動作状態を
示すステータスコード等をスタティックRAMやバッテ
リーで記憶保持されたRAM等に記録する。その後、エ
ンコーダ制御装置100の動作を停止させる。
【0019】以上、本発明について好適な実施例を挙げ
て説明したが、本発明は、この実施例に限られるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更が可能
である。例えば、上記実施例では、エンコーダ制御装置
に限って説明したが、パーソナルコンピュータ等の一般
の電子機器においても本発明を実施可能である。
【0020】
【発明の効果】電源電圧の変動による悪影響を最小限に
止め、他の電子機器から直流電源電圧の供給を受けるこ
とができ、小型化、低価格化されたエンコーダ制御装置
を提供可能である。電源電圧の低下が所定の範囲であれ
ば、LED表示装置の消費電力を低下させるパワーダウ
ン処理を設けたので、CPUが誤動作せず正常に計測処
理を続けられる。CPUが動作不可能な電圧まで電源電
圧が急激に降下した場合でも、それまでの計測データお
よびCPUの動作状態を示すステータスコード等、必要
な情報を保存してから停止させることができるので、そ
れまでの計測結果を無駄にすることがない。また電源電
圧が正常に戻りエンコーダ制御装置の動作を開始させれ
ば誤動作することなく、シャットダウンされる以前に使
っていた各種パラメータ等を読みだし演算処理に使用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンコーダ制御装置のブロック回
路図である。
【図2】本発明に係るエンコーダ制御装置に入力される
直流定電圧電源のグラフである。
【図3】本発明に係るエンコーダ制御装置に入力される
直流定電圧電源のグラフである。
【図4】本発明に係るエンコーダ制御装置のCPUの動
作内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 電圧調整回路 2,3 抵抗素子 4,8 ADコンバータ 5 CPU 6 LED駆動回路 7 LED表示部 9 アンプ 100 エンコーダ制御装置 200 エンコーダ 300 LED表示装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 5/00 G01D 7/00 G01R 19/00 G06F 1/00 330 H02J 1/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンコーダからの検出信号に所定演算処
    理を施して計測値を求め、この計測値をLED表示装置
    に表示する信号を出力するエンコーダ制御装置におい
    て、 入力される直流定電圧電源の電圧値を分圧する抵抗素子
    (2、3)と、この抵抗素子(2、3)により分圧され
    た電圧値をデジタル値に変換するADコンバータ(4)
    と、前記ADコンバータ(4)の出力値を所定時間間隔
    で2回サンプリングして、これらの値がどちらも所定値
    (L2)よりも低いときはLED表示装置の消費電力を
    減らすための制御信号を出力するCPU(5)と、を備
    えたことを特徴とするエンコーダ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ADコンバータ
    (4)の出力値を所定時間間隔で2回サンプリングし
    て、これらの値がどちらも所定値(L1)より高いと
    き、あるいは所定値(L2)より低いとき、前記LED
    表示装置に所定のエラー表示を行うように制御するCP
    U(5)と、を備えたことを特徴とするエンコーダ制御
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記ADコンバータ
    (4)の出力値を所定時間間隔で2回サンプリングし
    て、これらの値がどちらも所定値(L3)よりも低いと
    き、所定のシャットダウン処理を行い動作を停止するよ
    うに制御するCPU(5)と、を備えたことを特徴とす
    るエンコーダ制御装置。
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