JP3338416B2 - 遊技機台前面の不正解錠防止機能を備えた扉装置 - Google Patents

遊技機台前面の不正解錠防止機能を備えた扉装置

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JP3338416B2
JP3338416B2 JP37451799A JP37451799A JP3338416B2 JP 3338416 B2 JP3338416 B2 JP 3338416B2 JP 37451799 A JP37451799 A JP 37451799A JP 37451799 A JP37451799 A JP 37451799A JP 3338416 B2 JP3338416 B2 JP 3338416B2
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政美 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ台やスロ
ットル台(回動式遊技機)等の遊技機台前面が不正に開
けられることを防止する不正解錠防止機能を備えた扉装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来において、遊技機は遊技盤等を備え
るカバー扉と、カバー扉を蝶番等で開閉可能に備え付け
る内枠を有し、施錠等によってカバー扉の開閉を管理す
ることが一般的に行われている。また、カバー扉が備え
られた内枠は、遊技機島に形成された遊技機の設置枠に
締結部材等で固定される。カバー扉の開閉における施錠
機構例について図15を参照して以下に説明する。
【0003】図15において、上下動可能なスライダー
101は、カバー扉に取り付けられたガイド102に形
成された孔103を貫通してガイド102に支持され、
付勢手段としてのばね104によって内枠108に取り
付けられた係止部107と当接するように付勢されてい
る。当接する部分においては、スライダー101の移動
方向に対し直角方向に突出部106aが形成され、突出
部106aには爪部106bが形成されている。そし
て、スライダー101に形成された突出部106a及び
爪部106bによって被係合部が構成され、内枠108
に固定された係止部107によってカバー扉を閉じた状
態に維持する施錠機構が構成されている。そして、カバ
ー扉が完全に閉じている状態では、爪部106bが係止
部107によって係止されることでカバー扉が開かなく
なっている。
【0004】一方、カバー扉を開ける必要が生じた場合
には、管理者がカバー扉前面に形成された鍵穴に特定の
鍵を差し込んで回動させる等の操作を行うと、その操作
によってスライダー101が矢印110方向に移動す
る。このスライダー101の移動に伴い、爪部106b
と係止部107の係止状態が解除されて離間し、スライ
ダー101の矢印115方向への移動が可能となる。ガ
イド102及びスライダー101はカバー扉に付いてい
て、そのカバー扉も矢印115方向に移動可能となるた
め、カバー扉を開くことが可能になる。また、このよう
な施錠機構において、係止部107及びスライダー10
1はカバー扉内部に設けられ、カバー扉外部には特定の
鍵を差し込む鍵穴のみが形成される場合が一般的である
ため、通常では特定の鍵による操作のみで係止状態を解
除することとなる。
【0005】上記のように、施錠によってカバー扉の開
閉を管理することが一般的に行われているが、スライダ
ー101に形成された爪部106bがばね等の付勢に反
して強制的に押下されると、特定の鍵の所有を許可され
ない管理者以外の者が、施錠機構における係止状態を解
除し、管理者の意に反して不正にカバー扉を開けてしま
うという問題が生じていた。その問題について説明す
る。
【0006】遊技機島における遊技機設置枠とカバー扉
との間には若干の隙間があり、その隙間から不正器具を
挿入されることが少なからずあった。その場合、図16
(a)に示されるように、カバー扉内部において、挿入
された不正器具を操作され、爪部106bを上部から矢
印112の方向に押下されてしまうこととなる。そし
て、図16(b)のように、爪部106bの上部と係止
部107とが離間すると、図16(c)に示されるよう
に爪部106b及び突出部106aの矢印115方向
(図15も参照)への移動が許容され、カバー扉が開く
ことが可能になる。なお、被係合部と係止部によって構
成される係止機構は上下に備えられる場合が多いが、上
部の被係合部と下部の被係合部は通常はスライダーを介
して連動して移動するため、例えば、上部の爪部を不正
器具によって押下された場合には、下部の爪部も連動し
て下がり、両方の係止状態が解除されてしまうこととな
る。従って、特定の鍵を持たない者でも不正にカバー扉
を開けることができ、遊技機内部に特定のROMを設置
して不正に玉を出す等の不正な行為が後を絶たず、それ
によって、一般の客やホールの健全な営業に多大な影響
を与えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決すべき課
題は、遊技機の管理者以外の者による遊技機台前面の解
錠を防止するような、不正解錠防止機能を備えた扉装置
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】以上のよ
うな課題を解決するために、本発明の遊技機台前面の不
正解錠防止機能を備えた扉装置は、遊技機台の前面の内
枠に開閉可能に取り付けられたカバー扉を設け このカ
バー扉の開閉側の扉枠と遊技台の内枠との間にカバー扉
閉じた状態にロックする施錠装置を備えた扉装置にお
いて、前記遊技機台の前面の内枠に設けられ係止部、
及びカバー扉の扉枠に設けられてカバー扉の閉状態で
係止部に係合することでカバー扉の開方向への移動を
阻止する被係合部によって構成する係止機構と、前記
係合部を前記係止部に対してカバー扉の開方向への移動
を可能にする位置まで相対的に移動させて前記ロックを
解除する解錠機構とを備え、さらに、前記係止部は前記
内枠からカバー扉に向けて略水平状態の開口部を有する
環状部材で構成され、前記被係合部は上下する爪部が
記開口部に挿入されて係合し、その係合によって前記ロ
ックがされることを特徴とする。
【0009】このように、施錠装置を含む扉装置におい
て、開口部を有する係止部材を備え、その開口部に被係
合部の一部を挿入することで係止状態とし、また、挿入
された部分を抜き出すことで係止状態を解除するように
できる。そして、被係合部の移動は、特定の鍵による鍵
操作によって行ない、その特定の鍵を持つ管理者のみが
扉の開閉をできることになる。また、係止部が環状に形
成され、被係合部の一部がその環状内に挿入されて係止
状態となっているため、遊技機の管理者以外の鍵を持た
ない者が不正器具によって被係合部を押し出して係止状
態を解除しようとしても、不正器具が係止部に当接し完
全に押し出すことができない。仮に、開口部内へ不正器
具を挿入しようとしても、開口部の位置は扉外部から判
明し難いため、不正器具を迅速かつ正確に開口部内に挿
入することは極めて困難となる。
【0010】さらに、遊技機台の前面に開閉可能に取り
付けられたカバー扉を閉じた状態に複数箇所ロックする
施錠装置を含む扉装置において、カバー扉と遊技機台と
の一方に複数設けられた係止部、及びそれらに対応して
他方に複数設けられ、カバー扉の閉状態で係止部にそれ
ぞれ係合することによりロックされ、カバー扉の開方向
への移動を阻止する被係合部を有する複数の係止機構
と、複数の被係合部を対応する係止部に対してカバー扉
の開方向への移動を可能にする位置まで相対的に移動さ
せて複数の係止機構を全て解除する解錠機構とを備え、
解錠機構によらない不正な手段によって、一部箇所の被
係合部又は/及び一部箇所の係止部を移動させてその箇
所の係止機構を解除しても、他箇所の係止機構は連動せ
ずに係止状態が維持されることを特徴とする。
【0011】このように、係止機構を複数設け、それぞ
れの係止機構を構成する被係合部の一部を移動させても
他の被係合部が連動しないようにできる。従って、不正
器具によって一部の被係合部を移動され、その係止状態
を解除されても、他の被係合部は連動しないためその係
止状態は維持され、結果としてカバー扉は開かないこと
となる。
【0012】また、遊技機台の前面に開閉可能に取り付
けられたカバー扉を閉じた状態に複数箇所ロックする施
錠装置を含む扉装置において、カバー扉と遊技機台との
一方に設けられた複数の係止部、及び他方にそれら係止
部に対応する被係合部が複数設けられて、カバー扉の閉
状態で係止部と被係合部がそれぞれ係合することにより
ロックが複数箇所され、カバー扉の開方向への移動を阻
止する複数の係止機構と、複数の被係合部をそれぞれに
対応する係止部に対してカバー扉の開方向への移動を可
能にする位置まで相対的に移動させて複数の係止機構の
全てを解除する解錠機構とを備え、さらに、複数の係止
部はそれぞれ開口部を有して形成され、それら係止部に
対応するそれぞれの被係合部が一部分を開口部に挿入し
て係合し、その係合によってロックがされ、かつ、解錠
機構によらない不正な手段によって、一部箇所の被係合
部又は/及び一部箇所の係止部を移動させてその箇所の
係止状態を解除しても、他箇所の係止機構は連動せずに
係止状態が維持されることとすることができる。
【0013】このように複数備えられ被係合部の一部を
移動させても、他の被係合部は連動しないため係止状態
は維持され、カバー扉の開放はなくなる。さらに、係止
部が開口部を有して形成され、被係合部の一部が開口部
に挿入されて係合しているため、その係合の解除には開
口部内に不正器具を挿入して押し出さなければならず、
一部の係止状態の解除ですら困難なものとなっている。
従って、不正器具に対する防犯効果は相乗的に極めて高
いものとなる。
【0014】また、解錠機構は、全ての被係合部又は全
ての係止部に直接又は他部材を介して接続された連結部
材を有するものとし、該連結部材は、特定の鍵操作によ
って移動し、その移動に伴って複数の被係合部とそれら
に対応する係止部とを全て離間させて全ての係止状態を
解除し、さらに、解錠機構によらない不正な手段によっ
て、一部箇所の被係合部又は一部箇所の係止部を移動さ
せてその箇所の係止状態を解除しても、連結部材が連動
しないためその連結部材は他箇所の係止機構に作用せ
ず、その他箇所の係止状態が保たれるようにすることが
できる。
【0015】このように、不正器具によって一部箇所の
被係合部又は一部箇所の係止部を移動させてその箇所の
係止状態を解除しても、連結部材は連動されずに他箇所
の係止機構には作用しないため、一部分だけの係止機構
の解除にとどまり他箇所においては係止状態が維持され
るためカバー扉は開かない。従って、管理者にとっては
解錠が容易となる機構となり、不正器具を使用する者に
とっては解錠が極めて困難な機構となる。
【0016】さらに該連結部材は、特定の鍵操作によっ
て移動し、その移動に伴って複数備えられた被係合部の
全てを移動させることで、全ての被係合部とそれら被係
合部に対応する係止部とを離間させて全ての係止状態を
解除し、さらに、解錠機構によらない不正な手段によっ
て、一部箇所の被係合部を移動させてその一部箇所の係
止状態を解除しても、連結部材が連動しないためその連
結部材は他箇所の被係合部に作用せず、その他箇所にお
いて係止状態が保たれるようにすることができる。この
ようにすると、被係合部を連結部材によって全て連動さ
せることで係止状態、解除状態と変更可能にでき、不正
器具によって一部の被係合部が移動されてもその被係合
部のみが移動し、連結部材は連動しないこととなる。従
って、連結部材を介して他箇所の被係合部が連動するよ
うなことがなく、他箇所の係止状態が維持されることで
カバー扉は開放されないこととなる。
【0017】連結部材は、特定の鍵操作によって上下動
可能なスライダーを有し、該スライダーには複数の被係
合部が接続部材を介してそれぞれ接続され、さらに、該
接続部材はスライダー又は複数の被係合部の一方に固定
され、かつ、接続部材が固定されない他方においては接
続部材によって貫通される長孔がそれぞれ形成され、鍵
操作によってスライダーを移動させた場合には、全ての
接続部材が長孔端部に当接しつつ全ての被係合部を連動
させ、対応する係止部に対してカバー扉の開方向への移
動を可能にする位置まで相対的に移動させて全ての係止
状態を解除し、解錠機構によらない不正な手段によっ
て、一部箇所の被係合部を移動させた場合には、接続部
材が長孔内を相対的に移動することでスライダーは連動
せず、他箇所の係止機構は係止状態が保たれるようにで
きる。
【0018】このように、特定の鍵による操作時にはス
ライダーの移動によって、被係合部が接続部材を介して
連動するようにし、不正器具によって被係合部を移動さ
れた場合には接続部材が長孔内を移動することでスライ
ダーが連動しなくなり、その場合、他の係止機構はスラ
イダーに干渉されず係止状態が維持される。
【0019】また、連結部材は、特定の鍵操作によって
上下動可能なスライダーを有し、該スライダーには複数
の被係合部が接続部材を介してそれぞれ接続され、さら
に、該接続部材は複数の被係合部にそれぞれ固定され、
かつ、スライダーには接続部材によって貫通される長孔
がそれぞれ形成され、鍵操作によってスライダーを移動
させた場合には、全ての接続部材が長孔端部に当接しつ
つ全ての被係合部を連動させ、係止部に対してカバー扉
の開方向への移動を可能にする位置まで相対的に移動さ
せて全ての係止状態を解除し、解錠機構によらない不正
な手段によって、一部箇所の被係合部を移動させた場合
には、接続部材が長孔内を移動することでスライダーは
連動せず、他箇所の係止機構は係止状態が保たれるよう
にできる。
【0020】このように、スライダーに長孔を形成する
ことで、不正器具によって被係合部を移動された場合に
おいても、接続部材がスライダーに形成された長孔内を
移動することで、スライダーには力が伝達されず連動を
防ぐことができる。従って、他の係止機構はスライダー
に干渉されず係止状態が維持されることとなる。
【0021】また、連結部材は、紐状部材を有し、該紐
状部材は特定の鍵操作によって移動され、全ての被係合
部及び/又は全ての係止部を引張ることで、カバー扉の
開方向への移動を可能にする位置まで相対的に移動させ
てロックを解除し、解錠機構によらない不正な手段によ
って、複数箇所ある被係合部及び/又は係止部の一部箇
所を移動させてその一部箇所の係止状態を解除した場
合、その一部箇所に接続された紐状部材に緩みが生じる
ことで他箇所の被係合部及び係止部には作用せず、その
他箇所においては係止状態が保たれることを特徴とす
る。
【0022】このように、全ての被係合部又は、全ての
係止部を特定の鍵操作に連動する紐状部材で引っ張るこ
とで係止状態を一斉に解除でき、仮に不正器具によって
被係合部又は係止部を移動されても紐状部材が緩むのみ
で、他の係止機構には作用せず係止状態が維持されるこ
ととなる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例を参照しつつ説明する。図1には遊技機ホ
ール等における遊技機の設置形態を示している。遊技機
ホールには、遊技機島31に形成された遊技機設置枠4
0ごとに遊技機が設置され、その遊技機設置枠40ごと
に内枠23がそれぞれ嵌まり合っている。その内枠23
においては蝶番27,27が取り付けられ、それによっ
てカバー扉35が内枠23と開閉可能となっている。カ
バー扉35には鍵穴30を有する図示しないシリンダー
が備えられており、そのシリンダーには施錠機構が接続
されている。そして鍵穴30に合う鍵を有する管理者が
鍵操作(鍵穴30にその鍵を挿入し回動する等の操作)
をすることにより、爪部6が上下動する。カバー扉35
が閉じているときは係止部となる環状部材22によって
爪部6が係止され、開放不可能となっているが、カバー
扉35を開く必要が生じた場合には鍵操作によって爪部
6を下げ、環状部材22との係止状態を解除する。従っ
て、通常は鍵穴30の鍵を有する管理者のみがカバー扉
35の開放を可能とされており、鍵を有しないものはカ
バー扉35を開くことができず、遊技機内部に干渉でき
ないこととなっている。しかし、鍵操作による管理のみ
では防犯上完全ではないため、本発明例として以下の機
構とした。
【0024】図2においては図1における施錠機構の要
部を示している。図2(a)はカバー扉35の上部をロ
ックする上部の係止機構、図2(b)は下部をロックす
る下部の係止機構を示している。まず、上部の係止機構
について図2(a)を参照して説明すると、カバー扉3
5側にはフレーム9が固定され、そのフレーム9には鍵
操作を受けて上下動するスライダー10、フレーム9に
固定された支点8を中心としてフレーム9上において回
動する板状の回動プレート3、スライダー10と回動プ
レート3を回動可能に接続する接続部4、スライダー1
0及び回動プレート3を滑動可能に支持する支持部材1
6を備えている。また、回動プレート3においては突出
部7が形成され、その突出部7の先端には爪部6が形成
され、これら突出部7及び爪部6によって被係合部をな
している。一方、内枠23側には開口部を有する環状部
材22が係止部として形成されている。そして、カバー
扉35側において形成された爪部6が、内枠23側にお
いて形成された環状部材22の開口部内に挿入されて係
止することでカバー扉35を閉じた状態に維持すること
となる。なお、爪部6が形成された回動プレート3は、
例えばばね等の付勢部材12によって爪部6が挿入され
る方向に付勢されている。また、位置決め部材26が備
えられ、その位置決め部材26によってスライダー10
の上部方向への移動を一定位置までとしている。そし
て、扉を開放する場合には、管理者が鍵操作をすること
でスライダー10が下方にスライドし、それと連動して
接続部4が下方に移動することとなる。接続部4が下方
にスライドすると、同時に回動プレート3が付勢に反し
て回動し、それによって回動プレート3に形成された突
出部7及び爪部6は支点8を中心として回動することで
環状部材22との係止状態が解除される。下部の係止機
構においても同様な構成とされ、カバー扉35が閉じた
状態においては爪部6aが環状部材22aの環状部内に
挿入されて係止しており、鍵操作によるスライダー10
の移動によって回動プレート3aが移動し、支点8aを
中心としてその回動プレート3aが付勢部材12aの付
勢に反して回動することで、爪部6aが環状部材22a
から抜けることとなる。即ち、鍵操作によるスライダー
10の移動によって上下係止機構ともに作用が働くこと
となる。なお、回動プレート3にはガイド孔15が、ス
ライダー10にはガイド孔11が形成され、これらガイ
ド孔はフレーム9に固定される押さえ部材16に貫通さ
れている。
【0025】一方、不正器具を使用された場合について
説明する。図2に示される不正器具25によって爪部6
を押下された場合、回動プレート3の回動に伴ってスラ
イダー10が連動して下方に移動し、下部の回動プレー
ト3aを回動させることとなる。このような場合、環状
部材22が環状に形成されているため、係止状態を解除
するには爪部6を環状部材22の環状部から押し出さな
ければならないが、不正器具25によって環状部に部材
を挿入し、かつ爪部6を押下することは極めて困難であ
り、係止状態を解除される可能性を非常に少なくするこ
とができる。このように、環状部材22による係止部と
すると、不正器具25によって爪部6を押下しても環状
部材22に当接することで完全に押下されず、係止状態
が解除できないこととなるため、不正器具による解錠を
防止できることとなる。
【0026】図3は施錠機構の変形例1について示し、
さらに、図4及び図5には変形例1において不正器具を
使用された場合の説明図を示している。なお、図3
(a)は、係止状態の図、図3(b)は鍵操作による係
止状態の解除の図、図3(c)は不正器具を使用された
場合の図を示している。図3(a)に示されるように、
この施錠機構では、上下動可能なスライダー10と、フ
レーム9に固定された支点8を中心として回動可能な回
動プレート3とを有しているが、さらに、回動プレート
3に固定される接続部材4を移動可能とする長孔5がス
ライダー10に形成されている。通常、鍵操作した場合
にはスライダー10が下方に移動し、長孔上端部におい
て接続部材4を押下すると同時に、回動プレート3が支
点8を中心に回動し、係止部となる板状部材14と被係
合部の一部となる爪部6とが離間することによって係止
状態が解除されることとなる。一方、不正器具25によ
って爪部6が押下された場合には、回動プレート3が支
点8を中心として回動し、回動プレート3に固定された
接続部材4も下方に移動するが、接続部材4は、その接
続部材4の移動方向に形成された長孔5内を移動するた
めスライダー10には当接せず、スライダー10が連動
しないこととなる。従って、図4に示されるように施錠
機構上部の係止状態を解除しても、下部が連動しないた
め下部の係止状態は保たれる。同様に、図5に示される
ように下部を操作して係止状態を解除しても、回動プレ
ート3aに固定された接続部材4aは長孔5a内を移動
することでスライダー10には当接せず、スライダー1
0が上部係止機構に作用しないため、上部係止機構の係
止状態が保たれることとなる。従って、上下いずれの被
係合部(又は爪部6)を押下してその一方の係止状態を
解除しても、他方の係止状態は依然として維持されるた
め、カバー扉35は開放されないこととなる。
【0027】また、図6においては施錠機構の変形例2
について、図7には施錠機構の変形例3について示して
いる。図6(a)には変形例2における係止状態を示し
ており、機構において、フレーム9に固定された支点8
を中心として回動可能な回動プレート3が備えられ、そ
の回動プレート3は弾性部材12によって付勢されて板
状部材14と当接し、スライダー10に形成された係合
部17によって押下されることで回動する。なお、図6
(b)には鍵操作によってスライダー10が下方に移動
した場合について示しており、係合部17によって回動
プレート3を押下することで係止状態が解除される。図
6(c)のように、不正器具25によって爪部6を付勢
に反して押し下げた場合には、回動プレート3は回動す
るが、係合部17においては回動プレート3の下方への
移動を許容されているためスライダー10は連動しな
い。従って、スライダー10の連動に伴って他の係止状
態を解除されるようなことがなく扉は閉じた状態に保た
れる。また、図7の機構は、図7(a)に示される係止
状態から、スライダー10の下方への移動に伴って係合
部17が回動プレート3の一部分を押下することで回動
プレート3が回動して突出部7が上がり(図7
(b))、係止状態が解除されるものである。なお、図
7(c)に示されるように、不正器具25を使用し、爪
部6を押し上げるようにして係止状態を解除しても、係
合部17において回動部材3の下方への移動が許容され
るためスライダー10が押下されないこととなり、他の
係止機構はスライダー10の影響を受けずに係止状態が
維持される。
【0028】更に、図8には施錠機構の変形例3につい
て示し、図9はその変形例3において不正器具を使用さ
れた場合を説明している。図8において、回動プレート
3は支点8を中心として回動可能となっており、扉の開
放時には鍵操作によってシリンダー20に接続された回
転部20が回転し、突起13,13が移動する。そし
て、その突起部の移動に伴って紐状部材としてのワイヤ
ー19が引っ張られ、ワイヤー19は回動プレート3を
弾性部材12による付勢に反して回動させ、上下両方の
係止状態を解除することとなる。一方、図9に示される
ように、不正器具25によって爪部6が押下された場
合、上部の係止状態は解除されるが、押下に伴ってワイ
ヤー19が緩むため、回動板20及び他方のワイヤー1
9等が連動せず、下部の係止機構には上部プレートの移
動に伴う力が作用しないため、下部の係止状態は維持さ
れることとなる。従って、カバー扉35と内枠23との
一部分のロックが保たれるため、カバー扉の開放を防止
することができる。なお、紐状部材の例としてワイヤー
19を挙げているがこれに限定されず、金属、樹脂、繊
維等の材質にて形成することができ、圧縮方向に力が生
じた場合に緩みが生じ、引張方向に力が生じた場合には
張力が生じるものであればその他のものでも利用でき
る。なお、金属製のワイヤー等を使用すると耐久性、経
済性、加工性等の面から望ましい
【0029】図10には図3に示される機構において、
係止部に環状部材22を使用した変形例4について示し
ている。前述したように、図3に示される係止機構にお
いては上部の回動プレート3を押下してもスライダー1
0が動かないため下部の係止機構に力が伝達されず、下
部の係止状態は維持されたままであった。図10(a)
においては更に、係止部を環状部材22とし、その中に
爪部6を挿入して係止することとしている。このような
機構とすると、図10(b)に示されるように不正器具
によって爪部6を押下された場合には、不正器具25が
環状部材22に当接するため完全に爪部6を抜くことが
できず、係止状態が解除できない。更に、万が一爪部6
が抜けてしまった場合でもスライダー10は移動されな
いため、下部の係止機構は係止状態が維持されることと
なる。従って、不正器具によるカバー扉の開放は相乗的
に困難を極め、防犯効果の高いものとなる。
【0030】なお、図11に示される変形例5は図6の
係止機構において係止部に環状部材を使用し、図12に
示される変形例6は図7の係止機構において係止部に環
状部材を使用したものである。いずれの変形例において
も、一方の被係合部7に不正器具を使用されても、他方
の被係合部には伝達されず、その係止状態は維持され
る。なお係止部に環状部材22が使用されていること
で、不正器具によって爪部6を完全に抜き出すことが難
しく、一方のみの係止状態の解除ですら困難となる。従
って、相乗的に防犯効果が高いものとなる。
【0031】また、図13に示される変形例7は、図8
の変形例3において更に係止部に環状部材22を使用し
たものであり、図14はその変形例7において不正器具
を使用された場合について説明している。図8において
は鍵操作によってワイヤー19が回動プレート3を引張
ることで係止状態を解除し、不正用具によって例えば上
部被係合部を押下された場合には回動プレート3の回動
に伴ってワイヤー19が緩み、下部係止機構には作用が
働かないものであった。変形例7ではそれに加え、環状
部材22に爪部6を挿入することで係止状態とし、鍵操
作によって爪部6が環状部材22より抜けて係止状態を
解除するという機構としている。この場合においても、
上下片方の被係合部を押下しても、他方の被係合部には
作用せずにロック状態が保たれ、かつ、環状部材22か
ら不正器具によって爪部6を抜くという操作ですら困難
であるため、相乗的に高い防犯効果が期待できる。
【0032】以上、変形例4ないし7においてはいずれ
も上下一方の被係合部材を操作しても、他方の被係合部
材は作用せずに片方のロック状態が維持され、かつ係止
部を環状部材としていることで、いずれか一方のみの係
止状態の解除であっても困難を極めるため、不正器具に
対する防護は相乗的に万全なものとなる。なお、以上の
説明では、遊技機として主にパチンコ台を例に挙げた
が、これ以外にスロットマシン(回動式遊技機)等の遊
技機台に本発明を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技機ホールにおける遊技機台の設置形態を示
す図。
【図2】図1における施錠機構の要部を示す図。
【図3】施錠機構の変形例1を示す図。
【図4】図3の上部係合部において不正器具を使用され
た場合の説明図。
【図5】図3の下部係合部において不正器具を使用され
た場合の説明図。
【図6】施錠機構の変形例2を示す図。
【図7】施錠機構の変形例3を示す図。
【図8】施錠機構の変形例4を示す図。
【図9】図8の施錠機構において不正器具を使用された
場合の説明図。
【図10】施錠機構の変形例5を示す図。
【図11】施錠機構の変形例6を示す図。
【図12】施錠機構の変形例7を示す図。
【図13】施錠機構の変形例8を示す図。
【図14】図13の施錠機構において不正器具を使用さ
れた場合の説明図。
【図15】従来における遊技機扉の施錠機構を示す図。
【図16】図15の施錠機構において不正器具を使用さ
れる場合の説明図。
【符号の説明】
3,3a 回動プレート 4,4a 接続部材 5,5a 長孔 6,6a 爪部 7,7a 被係合部 8,8a 支点 10 スライダー 11 ガイド孔 12 弾性部材 14 板状部材 15 ガイド孔 19 ワイヤー (紐状部材) 20 回動板 22 環状部材 25 不正器具 35 カバー扉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A63F 7/02 327 E05B 17/20,61/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊技機台の前面の内枠に開閉可能に取り
    付けられたカバー扉を設け このカバー扉の開閉側の扉
    枠と遊技台の内枠との間にカバー扉を閉じた状態にロッ
    クする施錠装置を備えた扉装置において、前記 遊技機台の前面の内枠に設けられた係止部、及び
    バー扉の扉枠に設けられてカバー扉の閉状態で前記係止
    部に係合することでカバー扉の開方向への移動を阻止す
    る被係合部によって構成する係止機構と、 前記被係合部を前記係止部に対してカバー扉の開方向へ
    の移動を可能にする位置まで相対的に移動させて前記ロ
    ックを解除する解錠機構と、 を備え、 さらに、前記係止部は前記内枠からカバー扉に向けて略
    水平状態の開口部を有する環状部材で構成され、前記被
    係合部は上下する爪部が前記開口部に挿入されて係合
    し、その係合によって前記ロックがされることを特徴と
    する遊技機台前面の不正解錠防止機能を備えた扉装置。
  2. 【請求項2】 前記内枠からカバー扉に向けて開口部を
    有する環状部材が構成され、前記係止部として機能する
    開口部は環状部材の内側と内枠との間で形成したことを
    特徴とする請求項1に記載の遊技機台前面の不正解錠防
    止機能を備えた扉装置。
  3. 【請求項3】 前記係止部及び係止部と係合する被係合
    部は複数設けられ、この複数の係止部及び被係合部で構
    成する複数の係止機構の全てを解除する解錠機構を
    え、 さらに、前記解錠機構によらないで被係合部の一部箇所
    を移動させてその箇所の係止状態を解除しても、他箇所
    の被係合部は連動せずに係止状態が維持される連結部材
    を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技
    機台前面の不正解錠防止機能を備えた扉装置。
  4. 【請求項4】 前記解錠機構は、 全ての被係合部又は全ての前記係止部に直接又は他部材
    を介して接続された連結部材を有し、 該連結部材は、特定の鍵操作によって移動し、その移動
    に伴って複数の被係合部とそれらに対応する係止部とを
    全て離間させて全ての係止状態を解除し、 さらに、前記解錠機構によらないで被係合部の一部箇所
    を移動させてその箇所の係止状態を解除しても、前記連
    結部材は他箇所の被係合部に作用せず、その他箇所の係
    止状態が保たれることを特徴とする請求項3に記載の遊
    技機台前面の不正解錠防止機能を備えた扉装置。
  5. 【請求項5】 前記解錠機構は、 前記被係合部に接続された連結部材を有し、 該連結部材は、特定の鍵操作によって移動し、その移動
    に伴って複数備えられた被係合部の全てを移動させるこ
    とで、全ての被係合部とそれら被係合部に対応する係止
    部とを離間させて全ての係止状態を解除し、 さらに、前記解錠機構によらないで被係合部の一部箇所
    を移動させてその一部箇所の係止状態を解除してもその
    連結部材は他箇所の被係合部に作用せず、その他箇所に
    おいて係止状態が保たれることを特徴とする請求項3
    は4に記載の遊技機台前面の不正解錠防止機能を備えた
    扉装置。
  6. 【請求項6】 前記連結部材は、 特定の鍵操作によって上下動可能なスライダーを有し、 該スライダーには複数の被係合部が接続部材を介してそ
    れぞれ接続され、 さらに、該接続部材は前記スライダー又は前記複数の被
    係合部の一方に固定され、かつ、前記接続部材が固定さ
    れない他方においては前記接続部材が相対移動可能に係
    合する長孔がそれぞれ形成され、 鍵操作によって前記スライダーを移動させた場合には、
    全ての接続部材が長孔端部に当接しつつ全ての被係合部
    を連動させ、対応する係止部に対してカバー扉の開方向
    への移動を可能にする位置まで相対的に移動させて全て
    の係止状態を解除し、 前記解錠機構によらないで被係合部の一部箇所を移動さ
    せてその箇所の係止状態を解除しても、前記接続部材が
    前記長孔内を相対的に移動することで前記スライダーは
    連動せず、他箇所の被係合部は係止状態が保たれること
    を特徴とする請求項4又は5に記載の遊技機台前面の不
    正解錠防止機能を備えた扉装置。
  7. 【請求項7】 前記連結部材は、 特定の鍵操作によって上下動可能なスライダーを有し、 該スライダーには複数の被係合部が接続部材を介してそ
    れぞれ接続され、 さらに、該接続部材は前記複数の被係合部にそれぞれ固
    定され、かつ、前記スライダーには前記接続部材が相対
    移動可能に係合する長孔がそれぞれ形成され、 鍵操作によって前記スライダーを移動させた場合には、
    全ての接続部材が長孔端部に当接しつつ全ての被係合部
    を連動させ、前記係止部に対してカバー扉の開方向への
    移動を可能にする位置まで相対的に移動させて全ての係
    止状態を解除し、 前記解錠機構によらないで被係合部の一部箇所を移動さ
    せてその箇所の係止状態を解除しても、前記接続部材が
    前記長孔内を移動することで前記スライダーは連動せ
    ず、他箇所の被係合部は係止状態が保たれることを特徴
    とする請求項4ないし6のいずれかに記載の遊技機台前
    面の不正解錠防止機能を備えた扉装置。
  8. 【請求項8】 前記連結部材は、紐状部材を有し、 該紐状部材は前記特定の鍵操作によって移動され、全て
    の前記被係合部を引張ることで、カバー扉の開方向への
    移動を可能にする位置まで相対的に移動させて前記ロッ
    クを解除し、 前記解錠機構によらないで被係合部の一部箇所を移動さ
    せてその箇所の係止状態を解除しても、その一部箇所に
    接続された紐状部材に緩みが生じることで、他箇所の被
    係合部は係止状態が保たれることを特徴とする請求項4
    又は5に記載の遊技機台前面の不正解錠防止機能を備え
    た扉装置。
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