JP3337357B2 - 反応槽の回転円盤型消泡装置 - Google Patents
反応槽の回転円盤型消泡装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学反応を行う反応槽
における消泡装置に関するものであり、特に加熱中だけ
でなく、真空脱水の際、反応液中から発生する水分や他
の揮発物による多量の泡沫を消泡して、上方にあるコン
デンサーへ泡沫が上昇するのを防止したり、反応槽上部
の空間部にまで泡沫が到達しないので、反応原料の仕込
量を増加させることができる回転円盤型消泡装置に関す
るものである。
における消泡装置に関するものであり、特に加熱中だけ
でなく、真空脱水の際、反応液中から発生する水分や他
の揮発物による多量の泡沫を消泡して、上方にあるコン
デンサーへ泡沫が上昇するのを防止したり、反応槽上部
の空間部にまで泡沫が到達しないので、反応原料の仕込
量を増加させることができる回転円盤型消泡装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、反応槽内で発生する泡沫を消泡す
る消泡装置として、撹拌軸の上部に、2枚から4枚の羽
根を持つ45度角度付きパドル型消泡翼、又は2枚の羽
根の上下に多数の小径のバーを付けた2枚から4枚の羽
根を持つ45度角度付きパドル型消泡翼、あるいは上下
に多数の小径のバーを付けた水平バーを2本から4本持
つ消泡装置などがある。しかしながら、これらの装置は
上昇して来る泡沫の消泡を十分に行えず、逆に発泡を起
こすこともあり、泡沫が消泡翼又は消泡装置のレベルを
越えて、上方のコンデンサーに上昇して泡詰りを発生さ
せるという欠点があった。また、減圧状態のもとで、反
応槽の上部まで泡沫が上昇して来る場合には運転者が常
時所定の真空度に下がるまで反応槽上部の覗き窓から内
部を見ながら、手動操作で泡沫の上昇を調整せねばなら
ず、他の作業ができないという欠点が有った。加えて、
大きな問題として、十分な消泡が出来ないため、反応槽
の上部の空間容積を泡沫に占められるので、原材料の仕
込量を増やせず、生産性を低下させる欠点があった。こ
れら消泡装置では消泡が不十分であるので、反応液に消
泡剤を投入して消泡を行う場合も多いが、これでも消泡
が十分出来ないのが実情である。
る消泡装置として、撹拌軸の上部に、2枚から4枚の羽
根を持つ45度角度付きパドル型消泡翼、又は2枚の羽
根の上下に多数の小径のバーを付けた2枚から4枚の羽
根を持つ45度角度付きパドル型消泡翼、あるいは上下
に多数の小径のバーを付けた水平バーを2本から4本持
つ消泡装置などがある。しかしながら、これらの装置は
上昇して来る泡沫の消泡を十分に行えず、逆に発泡を起
こすこともあり、泡沫が消泡翼又は消泡装置のレベルを
越えて、上方のコンデンサーに上昇して泡詰りを発生さ
せるという欠点があった。また、減圧状態のもとで、反
応槽の上部まで泡沫が上昇して来る場合には運転者が常
時所定の真空度に下がるまで反応槽上部の覗き窓から内
部を見ながら、手動操作で泡沫の上昇を調整せねばなら
ず、他の作業ができないという欠点が有った。加えて、
大きな問題として、十分な消泡が出来ないため、反応槽
の上部の空間容積を泡沫に占められるので、原材料の仕
込量を増やせず、生産性を低下させる欠点があった。こ
れら消泡装置では消泡が不十分であるので、反応液に消
泡剤を投入して消泡を行う場合も多いが、これでも消泡
が十分出来ないのが実情である。
【0003】また、この消泡剤には、シリコーン系のも
のが多く用いられるため、反応生成物が製品として使用
させるとき、塗面にピンホールやはじきが発生するとい
う品質上の欠点や安全衛生面で問題となるケースが生じ
ている。
のが多く用いられるため、反応生成物が製品として使用
させるとき、塗面にピンホールやはじきが発生するとい
う品質上の欠点や安全衛生面で問題となるケースが生じ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、反応槽内で
発生した泡沫の消泡について、前述のように従来の回転
翼型の消泡装置による消泡は不十分で、このためコンデ
ンサーへの泡沫の上昇に伴う泡詰りの発生や、反応槽の
上部空間が泡沫に占められることによる製品の仕込量が
増やせないこと、さらに消泡剤を反応液に投入すること
による製品へのコンタミネーションが生じるという問題
点を解決するため種々検討を行った結果完成されたもの
で、その目的とするところは、通常の反応工程だけでな
く、水分や他の揮発物の発生する量が大きく、これに伴
って泡沫が大量に発生する真空脱水工程においても、反
応液粘度が低いものから高いものへ広範囲にわたって強
力な消泡力を有する回転円盤型消泡装置を提供すること
にある。
発生した泡沫の消泡について、前述のように従来の回転
翼型の消泡装置による消泡は不十分で、このためコンデ
ンサーへの泡沫の上昇に伴う泡詰りの発生や、反応槽の
上部空間が泡沫に占められることによる製品の仕込量が
増やせないこと、さらに消泡剤を反応液に投入すること
による製品へのコンタミネーションが生じるという問題
点を解決するため種々検討を行った結果完成されたもの
で、その目的とするところは、通常の反応工程だけでな
く、水分や他の揮発物の発生する量が大きく、これに伴
って泡沫が大量に発生する真空脱水工程においても、反
応液粘度が低いものから高いものへ広範囲にわたって強
力な消泡力を有する回転円盤型消泡装置を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、反応槽内の上部に、複数の湾曲した羽根
板とその下部に平面部とを有し、該平面部の中央部には
細長い扇形の泡沫上昇孔が形成された円盤を設け、この
円盤を回転させることにより、化学反応中に発生して上
昇してくる泡沫を薄膜化作用及び遠心作用により機械的
に破壊するものである。
成するために、反応槽内の上部に、複数の湾曲した羽根
板とその下部に平面部とを有し、該平面部の中央部には
細長い扇形の泡沫上昇孔が形成された円盤を設け、この
円盤を回転させることにより、化学反応中に発生して上
昇してくる泡沫を薄膜化作用及び遠心作用により機械的
に破壊するものである。
【0006】この消泡装置の円盤には、図1及び図2に
例を示すように、4枚から8枚の湾曲形の羽根板(2
2)、(32)が円盤(21)、(31)の中心から放
射状に等分に取付けられており、その先端部は垂直形状
か又は下端から上端へ外側に傾斜した形状となってい
る。円盤の平面部(24)、(34)の隣り合う2枚の
羽根板の間の中心に近い所には細長い扇形の泡沫上昇孔
(23)、(33)があると同時に、その隣は孔のない
平面となっている。これらの装置は、通常反応液に対し
て耐腐食性のある金属により製作され、金属イオンのコ
ンタミネーションを嫌う場合には、タンタル、ハフニウ
ム、ジルコニウム、ニオブ、チタンから選ばれた金属材
料又はこれらの合金材料を使用するのが好ましい。ある
いはプラスチック材も使用可能である。
例を示すように、4枚から8枚の湾曲形の羽根板(2
2)、(32)が円盤(21)、(31)の中心から放
射状に等分に取付けられており、その先端部は垂直形状
か又は下端から上端へ外側に傾斜した形状となってい
る。円盤の平面部(24)、(34)の隣り合う2枚の
羽根板の間の中心に近い所には細長い扇形の泡沫上昇孔
(23)、(33)があると同時に、その隣は孔のない
平面となっている。これらの装置は、通常反応液に対し
て耐腐食性のある金属により製作され、金属イオンのコ
ンタミネーションを嫌う場合には、タンタル、ハフニウ
ム、ジルコニウム、ニオブ、チタンから選ばれた金属材
料又はこれらの合金材料を使用するのが好ましい。ある
いはプラスチック材も使用可能である。
【0007】
【発明の実施の形態】この消泡装置の取付け方法は、例
えば、図3のように、撹拌回転軸(4)上部に取付けれ
ば撹拌翼(2)の回転と共に消泡装置(5)が回転する
ので、撹拌機のモーター(3)の動力に余裕がある場合
は便利である。また、図4のように、撹拌翼(12)と
は別の回転軸(15)に反応槽(11)の上方に消泡装
置(16)を取付けることもできる。撹拌翼の回転数が
低く(通常毎分100回転であるが、この場合例えば毎
分20〜40回転)、泡沫の発生量が著しい場合に消泡
翼の回転数を上げるためには撹拌軸の外側に中空軸方式
で回転軸を設けて、それに消泡翼を取付け、この回転軸
を別駆動とし、後述する高い回転数とすることも好まし
い方法である。
えば、図3のように、撹拌回転軸(4)上部に取付けれ
ば撹拌翼(2)の回転と共に消泡装置(5)が回転する
ので、撹拌機のモーター(3)の動力に余裕がある場合
は便利である。また、図4のように、撹拌翼(12)と
は別の回転軸(15)に反応槽(11)の上方に消泡装
置(16)を取付けることもできる。撹拌翼の回転数が
低く(通常毎分100回転であるが、この場合例えば毎
分20〜40回転)、泡沫の発生量が著しい場合に消泡
翼の回転数を上げるためには撹拌軸の外側に中空軸方式
で回転軸を設けて、それに消泡翼を取付け、この回転軸
を別駆動とし、後述する高い回転数とすることも好まし
い方法である。
【0008】次に、この消泡装置の消泡効果を決定する
要因としては、円盤上に取付ける羽根板の枚数、及び羽
根板の長さ(すなわち相対的に位置する羽根板2枚から
なる羽根板外径)がある。羽根板の板数は、通常少なく
とも4枚は必要であって、特に急激に発泡速度が大きく
なる場合や、また反応槽径が大きい場合には羽根板枚数
を多くする、しかし、平面部分も泡沫の薄膜化のために
必要であるので、その部分を残して8枚程度にすると高
い消泡効果を発揮する。
要因としては、円盤上に取付ける羽根板の枚数、及び羽
根板の長さ(すなわち相対的に位置する羽根板2枚から
なる羽根板外径)がある。羽根板の板数は、通常少なく
とも4枚は必要であって、特に急激に発泡速度が大きく
なる場合や、また反応槽径が大きい場合には羽根板枚数
を多くする、しかし、平面部分も泡沫の薄膜化のために
必要であるので、その部分を残して8枚程度にすると高
い消泡効果を発揮する。
【0009】羽根板の長さに関しては、羽根板先端部と
反応槽の槽壁との距離が小さい程消泡効果が高い。しか
し、羽根板外形と反応槽内径との比率は、羽根板の下部
に取付ける円板の外周部が、羽根板下部の先端と同一と
なることから、反応槽内の洗浄や保守を行う作業者が、
上部マンホールから入る時に、邪魔にならないスペース
を確保することを考慮して決定される。通常は0.3か
ら0.9まで、好ましくは0.5から0.8までであ
り、この範囲内で羽根板外径を選定する。羽根板の平面
形状は、通常取付軸の回転に対して順回転方向に湾曲状
とし、この湾曲の曲率半径は、羽根板外径との比率で、
通常0.2から0.4まで、好ましくは0.3前後とす
る。羽根板の幅(上下方向の長さ)は、羽根板外径との
比率で、通常5%から20%まで、好ましくは7%から
15%までとする。羽根板先端部は、垂直形状あるいは
円盤外周部を下端として上端へ外側に傾斜した形状であ
る。この傾斜した先端部の水平方向に対する角度は通常
30〜75度、好ましくは45〜60度とする。この2
種類の形状の作用については後述する。
反応槽の槽壁との距離が小さい程消泡効果が高い。しか
し、羽根板外形と反応槽内径との比率は、羽根板の下部
に取付ける円板の外周部が、羽根板下部の先端と同一と
なることから、反応槽内の洗浄や保守を行う作業者が、
上部マンホールから入る時に、邪魔にならないスペース
を確保することを考慮して決定される。通常は0.3か
ら0.9まで、好ましくは0.5から0.8までであ
り、この範囲内で羽根板外径を選定する。羽根板の平面
形状は、通常取付軸の回転に対して順回転方向に湾曲状
とし、この湾曲の曲率半径は、羽根板外径との比率で、
通常0.2から0.4まで、好ましくは0.3前後とす
る。羽根板の幅(上下方向の長さ)は、羽根板外径との
比率で、通常5%から20%まで、好ましくは7%から
15%までとする。羽根板先端部は、垂直形状あるいは
円盤外周部を下端として上端へ外側に傾斜した形状であ
る。この傾斜した先端部の水平方向に対する角度は通常
30〜75度、好ましくは45〜60度とする。この2
種類の形状の作用については後述する。
【0010】図1及び図2のように、円盤(21)、
(31)の上には前述の羽根板(22)、(32)が等
分に取付けており、円盤の平面部(24)、(34)は
羽根板と同数量の区画に分割されている。それぞれの区
画内には隣の羽根板に接するように中心部から外周方向
に泡沫が上昇して来る細長い扇形の泡沫上昇孔(2
3)、(33)が開いており、孔のない他の平板部分
は、この上で泡沫を流展して薄い膜にするために用いら
れる。泡沫上昇孔の面積は、この区画された平面部との
比率において、通常0.2から0.4まで、好ましくは
0.25から0.3までである。
(31)の上には前述の羽根板(22)、(32)が等
分に取付けており、円盤の平面部(24)、(34)は
羽根板と同数量の区画に分割されている。それぞれの区
画内には隣の羽根板に接するように中心部から外周方向
に泡沫が上昇して来る細長い扇形の泡沫上昇孔(2
3)、(33)が開いており、孔のない他の平板部分
は、この上で泡沫を流展して薄い膜にするために用いら
れる。泡沫上昇孔の面積は、この区画された平面部との
比率において、通常0.2から0.4まで、好ましくは
0.25から0.3までである。
【0011】この消泡翼はその回転数が大きくなる程、
消泡効果が高くなるが、通常毎分30回転から毎分20
0回転、好ましくは毎分50回転から毎分150回転が
用いられる。また、毎分30回転より低い回転数の場合
は消泡翼径と反応槽内径との比率を0.7以上に取るこ
とで消泡効果が大きくなり、反対に毎分100回転以上
と高い回転数の場合は、この比率が0.4程度でも大き
な消泡効果を発揮しうる。これまで述べた考え方は反応
液の粘度が低いものから高いものにまで支障なく適用で
きる。
消泡効果が高くなるが、通常毎分30回転から毎分20
0回転、好ましくは毎分50回転から毎分150回転が
用いられる。また、毎分30回転より低い回転数の場合
は消泡翼径と反応槽内径との比率を0.7以上に取るこ
とで消泡効果が大きくなり、反対に毎分100回転以上
と高い回転数の場合は、この比率が0.4程度でも大き
な消泡効果を発揮しうる。これまで述べた考え方は反応
液の粘度が低いものから高いものにまで支障なく適用で
きる。
【0012】この消泡中に、消泡装置の回転に伴って円
盤平板部および羽根板とその先端で発生した遠心力によ
り泡沫が飛散する。図5のように、羽根板先端が垂直形
状のものは、泡沫が斜め上方ないし垂直上方に飛散する
場合が多くあり、反応槽上面についているガラス製の覗
き窓(33)に飛沫が付着し、反応槽内が見えにくくな
る欠点があり、このことにより仕込量を大きく増加させ
ることが困難となることがある。加えて、この飛沫は反
応槽上面についている蒸気上昇管(41)の入口から、
上昇する気体に伴ってコンデンサーに達し、コンデンサ
ー内に泡詰りを発生させる恐れがある。消泡装置の回転
数すなわち羽根板の先端周速度が大きくなると、この飛
沫がより多く垂直上方に飛散するようになる。
盤平板部および羽根板とその先端で発生した遠心力によ
り泡沫が飛散する。図5のように、羽根板先端が垂直形
状のものは、泡沫が斜め上方ないし垂直上方に飛散する
場合が多くあり、反応槽上面についているガラス製の覗
き窓(33)に飛沫が付着し、反応槽内が見えにくくな
る欠点があり、このことにより仕込量を大きく増加させ
ることが困難となることがある。加えて、この飛沫は反
応槽上面についている蒸気上昇管(41)の入口から、
上昇する気体に伴ってコンデンサーに達し、コンデンサ
ー内に泡詰りを発生させる恐れがある。消泡装置の回転
数すなわち羽根板の先端周速度が大きくなると、この飛
沫がより多く垂直上方に飛散するようになる。
【0013】かかる欠点の解決方法として、図に示した
ように、先端部に上記傾斜した形状を有する羽根板から
構成される消泡装置を撹拌軸に取付けることにより、大
きな先端周速度で回転して消泡している時においても、
羽根板先端からの飛沫は図6のように傾斜部の角度にほ
ぼ沿って(例えば、45度の角度の場合は、最大でおよ
そ45度)斜め上方に飛散する。
ように、先端部に上記傾斜した形状を有する羽根板から
構成される消泡装置を撹拌軸に取付けることにより、大
きな先端周速度で回転して消泡している時においても、
羽根板先端からの飛沫は図6のように傾斜部の角度にほ
ぼ沿って(例えば、45度の角度の場合は、最大でおよ
そ45度)斜め上方に飛散する。
【0014】図6に示すように、消泡装置を撹拌軸に取
付ける位置、及び羽根板先端位置(即ち、羽根板径)を
適切に選定することによって、羽根先端から斜め上方に
延長した線を泡沫が飛散する最高の位置とし、この線が
反応槽内壁に当る位置を求め、この位置が反応槽の覗き
窓(33)及び蒸気上昇管(41)の取付部分より下位
になるようにすることが出来るのである。
付ける位置、及び羽根板先端位置(即ち、羽根板径)を
適切に選定することによって、羽根先端から斜め上方に
延長した線を泡沫が飛散する最高の位置とし、この線が
反応槽内壁に当る位置を求め、この位置が反応槽の覗き
窓(33)及び蒸気上昇管(41)の取付部分より下位
になるようにすることが出来るのである。
【0015】本発明によれば、この回転円盤型の消泡装
置は化学反応を行う反応槽内で、常圧反応で泡沫が発生
する場合や、同様に、真空脱水の際、大気圧から−76
0mmHgへ減圧する際に泡沫が発生する場合、特に大
気圧から−100mmHgへ減圧するときに急激に多量
の泡沫が発生し上昇する際においても、回転する円盤の
薄膜化作用と羽根板の遠心作用により、これらの泡沫を
破壊する。この消泡装置は、回転しながら円盤の中央に
ある細長い扇形をした泡沫上昇孔から泡沫を汲み上げ、
回転方向のすぐ隣にある平板上で、遠心力を用いて泡沫
を流展させながら薄膜化し、あるいは泡沫の上昇が多い
時は上部の泡沫は十分に薄膜化されにくいので、そのま
まで、回転方向の隣にある羽根板の垂直壁に全部の泡沫
が一旦ぶつけられる。羽根板は、回転によって、外周方
向に遠心力が働く正湾曲形をしているので、ぶつかって
来た泡沫を、羽根板の垂直壁や先端部から遠心力により
破壊した上、飛散させ、更に反応槽内壁に衝突させてつ
ぶすのである。この破泡中、反応槽で発生する泡沫は、
泡沫上昇孔から円盤の上に出るため中央に集められ上昇
するので、この消泡装置の円盤外周以遠や羽根板先端以
遠から反応槽内壁までの間の泡沫のレベルは、円盤下部
レベルより上昇することがなく、また、連続した破泡作
用により泡沫が羽根板の上部レベルをほとんど越えるこ
となく、効率良く消泡することが出来るのである。
置は化学反応を行う反応槽内で、常圧反応で泡沫が発生
する場合や、同様に、真空脱水の際、大気圧から−76
0mmHgへ減圧する際に泡沫が発生する場合、特に大
気圧から−100mmHgへ減圧するときに急激に多量
の泡沫が発生し上昇する際においても、回転する円盤の
薄膜化作用と羽根板の遠心作用により、これらの泡沫を
破壊する。この消泡装置は、回転しながら円盤の中央に
ある細長い扇形をした泡沫上昇孔から泡沫を汲み上げ、
回転方向のすぐ隣にある平板上で、遠心力を用いて泡沫
を流展させながら薄膜化し、あるいは泡沫の上昇が多い
時は上部の泡沫は十分に薄膜化されにくいので、そのま
まで、回転方向の隣にある羽根板の垂直壁に全部の泡沫
が一旦ぶつけられる。羽根板は、回転によって、外周方
向に遠心力が働く正湾曲形をしているので、ぶつかって
来た泡沫を、羽根板の垂直壁や先端部から遠心力により
破壊した上、飛散させ、更に反応槽内壁に衝突させてつ
ぶすのである。この破泡中、反応槽で発生する泡沫は、
泡沫上昇孔から円盤の上に出るため中央に集められ上昇
するので、この消泡装置の円盤外周以遠や羽根板先端以
遠から反応槽内壁までの間の泡沫のレベルは、円盤下部
レベルより上昇することがなく、また、連続した破泡作
用により泡沫が羽根板の上部レベルをほとんど越えるこ
となく、効率良く消泡することが出来るのである。
【0016】
【発明の効果】本発明の方法に従うと、反応中に反応液
から発生した泡沫を複数の湾曲した羽根板と平面部に孔
をそれぞれ持つ円盤の回転によって、機械的に消泡する
ことが出来、従来の懸案事項となっている真空脱水時に
大量の泡沫が発生する時にも前記円盤のレベル以上に上
昇することがないので、コンデンサーまで泡沫が上昇す
るという欠陥が除かれるだけでなく、円盤底部レベルか
ら若干下のレベルまで反応液を満たすことができる。更
に、円盤に設けられた各羽根板の先端部を、下端から上
端へ外側に傾斜した傾斜部とすることにより、円盤の回
転時に泡沫の飛沫が垂直方向に飛散せず、飛沫が覗き窓
に付着したり、コンデンサーへの上記上昇管に達するの
を防止する。従って、反応液の量を従来より多く(通常
10〜20容量%)仕込むことが可能となる。大幅な生
産性向上に寄与するほか、反応槽の運転者が内部を覗き
ながら常時手動で調整するという操作が不要となるの
で、反応槽運転の省人化、無人化を可能とするのみなら
ず、消泡剤を投入する必要がなくなるので、コンタミネ
ーションのない良質な反応生成物を提供することが出
来、、工業的に発泡を伴う化学合成の製造方法に好適に
採用することができる。
から発生した泡沫を複数の湾曲した羽根板と平面部に孔
をそれぞれ持つ円盤の回転によって、機械的に消泡する
ことが出来、従来の懸案事項となっている真空脱水時に
大量の泡沫が発生する時にも前記円盤のレベル以上に上
昇することがないので、コンデンサーまで泡沫が上昇す
るという欠陥が除かれるだけでなく、円盤底部レベルか
ら若干下のレベルまで反応液を満たすことができる。更
に、円盤に設けられた各羽根板の先端部を、下端から上
端へ外側に傾斜した傾斜部とすることにより、円盤の回
転時に泡沫の飛沫が垂直方向に飛散せず、飛沫が覗き窓
に付着したり、コンデンサーへの上記上昇管に達するの
を防止する。従って、反応液の量を従来より多く(通常
10〜20容量%)仕込むことが可能となる。大幅な生
産性向上に寄与するほか、反応槽の運転者が内部を覗き
ながら常時手動で調整するという操作が不要となるの
で、反応槽運転の省人化、無人化を可能とするのみなら
ず、消泡剤を投入する必要がなくなるので、コンタミネ
ーションのない良質な反応生成物を提供することが出
来、、工業的に発泡を伴う化学合成の製造方法に好適に
採用することができる。
【0017】以上の説明から明らかなように、本発明の
回転円盤型消泡装置は、通常の反応工程だけでなく、水
分や他の揮発物の発生する量が大きく、これに伴って泡
沫が大量に発生する真空脱水工程においても、反応液粘
度が低いものから高いものへ広範囲にわたって強力な消
泡力を有する回転円盤型消泡装置を提供することができ
る。
回転円盤型消泡装置は、通常の反応工程だけでなく、水
分や他の揮発物の発生する量が大きく、これに伴って泡
沫が大量に発生する真空脱水工程においても、反応液粘
度が低いものから高いものへ広範囲にわたって強力な消
泡力を有する回転円盤型消泡装置を提供することができ
る。
【0018】本発明の応用分野については、反応液の種
類は、尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、酢酸ビニール樹脂エマルジョン、及びラテッ
クスが挙げられる。さらにポリビニールアルコール、C
MC、大豆粉を増粘剤として用いた上記の樹脂、又は上
記と類似した樹脂に対しても、本発明は効果的である。
また、微生物の培養、あるいは清酒、ワイン、ビール等
の酒類の醸造にも応用することができる。
類は、尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、酢酸ビニール樹脂エマルジョン、及びラテッ
クスが挙げられる。さらにポリビニールアルコール、C
MC、大豆粉を増粘剤として用いた上記の樹脂、又は上
記と類似した樹脂に対しても、本発明は効果的である。
また、微生物の培養、あるいは清酒、ワイン、ビール等
の酒類の醸造にも応用することができる。
【図1】 本発明の消泡装置の一例で、(a)は平面
図、(b)は側面図
図、(b)は側面図
【図2】 本発明の消泡装置の他例で、(a)は平面
図、(b)は側面図
図、(b)は側面図
【図3】 本発明の消泡装置を取り付けた反応槽(一
例)の内部を示す斜視図
例)の内部を示す斜視図
【図4】 本発明の消泡装置を取り付けた反応槽(他の
例)の内部を示す斜視図
例)の内部を示す斜視図
【図5】 反応槽において、羽根板先端が垂直である場
合の泡沫の飛散方向を示す概略図
合の泡沫の飛散方向を示す概略図
【図6】 反応槽において、羽根板先端を傾斜部とした
場合の泡沫の飛散方向を示す概略図
場合の泡沫の飛散方向を示す概略図
【符号の説明】 1,11 反応槽 2,12 撹拌翼 3,13,14 モーター 4,15 回転軸 5,16 消泡翼 6 反応液 7 泡沫 8 泡沫の表面 21,31 円盤 22,32 羽根板 23,33 泡沫上昇孔 24,34 平面部 35 小径のバー 41 蒸気上昇管 42 マンホール 43 覗き窓
Claims (1)
- 【請求項1】 化学反応を行う反応槽内の上部に、複数
の湾曲した羽根板とその下部に平面部とを有し、該平面
部の中央部には細長い扇形の泡沫上昇孔が形成された円
盤を設け、これを回転させることにより化学反応中に反
応液から発生した泡沫を機械的に消泡するようにしたこ
とを特徴とする反応槽の回転円盤型消泡装置。
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---|---|---|---|
JP29116995A JP3337357B2 (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | 反応槽の回転円盤型消泡装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29116995A JP3337357B2 (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | 反応槽の回転円盤型消泡装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09131502A JPH09131502A (ja) | 1997-05-20 |
JP3337357B2 true JP3337357B2 (ja) | 2002-10-21 |
Family
ID=17765348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29116995A Expired - Fee Related JP3337357B2 (ja) | 1995-11-09 | 1995-11-09 | 反応槽の回転円盤型消泡装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3337357B2 (ja) |
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-
1995
- 1995-11-09 JP JP29116995A patent/JP3337357B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH09131502A (ja) | 1997-05-20 |
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