JP3336465B2 - ガス吸着装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、不要ガス、例えば、ガ
ス状汚染物質を吸収除去する充填塔式ガス吸着装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ガス状汚染物質を吸収除去する充
填塔は、気−液両相間の接触効率を高めるため、円筒形
の空筒の中にラシヒリング、ベルルサドル、ポールリン
グ等の不規則充填物、あるいは金網などの規則充填物を
詰め、それらの上方から液体を、下方からガスを送り込
んでいる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】これには次の欠点があ
った。

【０００４】充填物としてラシヒリング、ベルルサド
ル、ポールリング等を使用したものは、均質に積み重ね
るために、それらの充填塔内への充填、入れ替えに長時
間と多大な労力を要する。

【０００５】それにも拘らず、ガス状物質の吸収除去効
率が低い。

【０００６】被吸着ガス状物質を充填物の下方から吹き
込み、洗浄液を充填物の上方から流下させるため、被吸
着ガス状物質の吹き込み量の増加にしたがって圧力損失
が大となり、洗浄液の流下量が減少し、ついには溢汪状
態となり、流下が止まって機能が停止する。本発明はこ
れらの欠点を除くためのものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

【０００８】被吸着ガス吹き込み口が充填物の上方かつ
洗浄液の注入口より下方にあって被吸着ガスと洗浄液が
並行して流下する装置を用いて、酸化エチレンガス等の
被吸着ガス状物質を充填物の上方かつ洗浄液の注入口よ
り下方に吹き込む。

【０００９】充填物として２種以上の直径の異なる球体
を混合したものを使用する。

【００１０】洗浄液には起泡性を有する界面活性剤を添
加したものを使用すると良い。

【００１１】以上の手段を講じた装置を２台以上直列に
連結したものを使用すると良い。

【００１２】

【作用】球体は自転するので、充填物７として球体を使
用することにより、それの充填および取り出し作業は、
流し込み方式、吹き込み方式などが可能となり、特に人
手を要さず、機械化も可能となって、所要労力および所
要時間を著しく軽減することができる。

【００１３】被吸着ガス状物質を洗浄液９の注入口４と
充填物７の最上面との間に吹き込み管６から吹き込むこ
とにより、被吸着ガス状物質は洗浄液９に包まれた気泡
状となって溢汪状態を起こすことなく、継続して充填物
間の間隙を流下しつつ洗浄液９に吸収されるため、両者
の接触時間が長くなり、吸収効果が著しく向上する。

【００１４】充填物７として２種以上の直径の球体を混
合して使用することにより、充填物間の間隙の大きさが
次々と変化するため、被吸着ガス状物質を包含した洗浄
液９の気泡がその間隙を通過するとき、気泡の大きさが
間隙の大きさに連れて変化し、気泡を構成する洗浄液９
の入れ換えと機械的な揉み効果を生じて吸収効果が著し
く向上する。

【００１５】洗浄液９に起泡性を有する界面活性剤を添
加することにより、充填物７の層を通過後も被吸着ガス
状物質は洗浄液９の気泡に包まれ続けるので両者の接触
時間が長くなり、吸着効果の向上が極めて顕著になる。

【００１６】上記の手段を講じた装置を２台以上を直列
に連結使用することにより、吸着効果が指数函数的に向
上する。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。実施例（参考例を含む） 図１は本発明装置の１実施例の断面図であって、直径１
００ｍｍ、高さ５００ｍｍで、その底部口に網１０を張
った充填筒１に、充填物７を高さ４５０ｍｍまで充填
し、液槽２から濃度０．０１％硫酸水溶液を洗浄液９と
して液出口１１、液循環ポンプ３、液循環パイプ５、液
注入口４（液体スプレーノズル）を経由して、毎分６１
の速度で充填物７の上に注入（散布）した。また、酸化
エチレンガス２０％と炭酸ガス８０％の混合ガスを、吹
き込み管６から液注入口４の下方３０ｍｍの位置に吹き
込んだ。上記の混合ガスは、液注入口４（液体スプレー
ノズル）から注入された洗浄液９に吸収されつつ、充填
物７内の間隙を気泡状となって充填筒１内を流下して、
液槽２に落下する。このとき吸収されずに残ったガスは
排気管８から外部に排出される。ここで、参考例とし
て、充填物７として直径７ｍｍの発泡スチロール製の球
体を使用した。

【００１８】また、対象１として、図１の排気管８から
上記混合ガスを吹き込み、吹き込み管６から残ったガス
を外部に排出した。

【００１９】さらに、対象２として、充填物７として外
径７ｍｍ、高さ１０ｍｍ、壁厚０．５ｍｍのポリエチレ
ン製シリンダーを、蜂の巣状に充填筒１の内部全面に高
さ４５０ｍｍまで積み重ねて使用した。

【００２０】本実施例などの効果は、排気管からの排出
ガスおよび吹き込みガスの濃度を北川式ガス検知管（Ｎ
ｏ．１２２ＳＡおよびＮｏ．１２２ＳＢ）により測定
し、排出ガス濃度の吹き込みガス濃度に対する減少率お
よび充填物の充填所要時間によって評価した。

【００２１】実施例１ 実施例（参考例を含む） において、充填物７として直径
７ｍｍの発泡スチロール製の球体を６０％、直径５ｍｍ
の発泡スチロール製の球体を３０％、直径４ｍｍの発泡
スチロール製の球体を１０％均一に混合したものを使用
した。

【００２２】実施例２ 実施例１において、 洗浄液９の濃度０．０１％硫酸水溶
液にアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム０．００
０３％および脂肪酸アルカノールアミド０．０００１％
を添加した。

【００２３】実施例３ 図３と図４に示すように、実施例２の装置を３台直列に
連結して使用した。

【００２４】以上の実施例などの効果を測定した結果を
下記表１および表２に示す。

【００２５】

【表１】

【００２６】

【表２】

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のガス吸着
装置は、球体の充填物を使用することによる充填時間お
よび充填方法の著しい簡略化が可能となった。また、被
吸着ガスを装置の上方から吹き込むこと、２種以上の直
径の球体充填物を混合使用することにより吸着効果が極
めて顕著に向上し、さらに洗浄液に起泡性を有する界面
活性剤を添加することおよび以上の手段を講じた装置を
２台以上並列に連結使用することにより吸着効果が一層
顕著に向上した。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の装置の一例を示す断面図である。

【図２】本発明の装置の一例を示す斜視図である。

【図３】本発明の実施例３で使用した装置の断面図であ
る。

【図４】本発明の実施例３で使用した装置の斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 充填筒 ２ 液槽 ３ 液循環ポンプ ４ 液注入口（液体スプレーノズル） ５ 液循環パイプ ６ ガス吹き込み管 ７ 充填物 ８ 排気管 ９ 洗浄液 １０ 網 １１ 液出口 １２ 洗浄液給排管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B01D 53/14 - 53/18 B01D 53/34 - 53/85

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 充填物が２種以上の直径の異なる球体を
   混合したもので，被吸着ガス吹き込み口が充填物の上方
   かつ洗浄液の注入口より下方にあって被吸着ガスと洗浄
   液が並行して流下することを特徴とする充填塔式ガス吸
   着装置。
2. 【請求項２】 前記洗浄液は、起泡性を有する界面活性
   剤を添加したものであることを特徴とする請求項１記載
   の充填塔式ガス吸着装置。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載の充填塔式ガス吸
   着装置を２台以上直列に連結したことを特徴とする充填
   塔式ガス吸着装置。